JP6641892B2 - 車両用ドアクローザ - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドアクローザに関する。
車両用ドアクローザとして、特許文献1に記載の技術が知られている。車両用ドアクローザは、車体のストライカに係合するラッチ装置と、半ラッチ状態のときにラッチ装置を駆動するアクチュエータとを備える。ラッチ装置は、車体のストライカに係合するものであるため、車両ドアの端部に配置される。アクチュエータは、ラッチ装置から離れたところに配置される。アクチュエータの動力はクローズケーブルを介してラッチ装置に伝達される。
特開2007−138533号公報
ところで、アクチュエータにクローズケーブルを取り付ける取付作業は手間を要し、煩雑である。したがって、クローズケーブルの取り付け構造には改善の余地がある。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クローズケーブルの取り付けが簡単な車両用ドアクローザを提供することにある。
(1)上記課題を解決する車両用ドアクローザは、車両ドアを固定するラッチ装置に接続されるクローズケーブルと、前記クローズケーブルを引く移動体と、動力変換機構を介して前記移動体を移動させるモータとを備え、軸状をなす前記移動体の軸方向端部には、前記クローズケーブルが接続されるケーブル接続部が設けられ、前記ケーブル接続部は、前記移動体の軸方向に沿って延びており、前記ケーブル接続部には、前記クローズケーブルのインナーケーブルの係合端部が係合する係合凹部と、前記ケーブル接続部軸方向端面から前記係合凹部に渡るように設けられてかつ前記クローズケーブルのインナーケーブルが挿通する挿通溝とが設けられ、前記ケーブル接続部の前記軸方向端面は、前記ケーブル接続部の軸中心部からその軸の直交方向外側に行くにつれて前記係合凹部の開口部に近づくように傾斜する。
この構成では、ケーブル接続部軸方向端面が上記のように傾斜するため、インナーケーブルの係合端部が移動体の端面に向かうようにインナーケーブルを移動させると、係合端部が端面に沿って移動し、係合端部が係合凹部に入る。このように、上記構成によれば、インナーケーブルと移動体とを簡単に接続することができる。
(2)上記車両用ドアクローザにおいて、前記ケーブル接続部の前記軸方向端面は、前記ケーブル接続部の軸中心部からその軸の直交方向外側に行くにつれて前記係合凹部の開口部に近づくように傾斜する傾斜領域と、前記傾斜領域の延長であって前記中心部に対して前記傾斜領域とは反対側に延びる延長領域とを有する。
インナーケーブルと移動体とを接続する際、インナーケーブルの係合端部を移動体の端面に向かって移動させるときに、インナーケーブルの係合端部が移動体の中心部から傾斜領域とは反対側にずれて配置される場合がある。この場合でも、上記構成によれば、係合端部は延長領域に当接し、係合端部は傾斜領域に移動するようになる。このため、このような延長領域が存在しない場合に比べて、係合端部が、移動体の端面から係合凹部に向かって移動するという経路から外れることが少なくなる。これにより、係合端部が係合凹部に入らないといった事態の発生が少なくなる。
(3)上記車両用ドアクローザにおいて、前記移動体を収容するものであって前記クローズケーブルが挿通する開口部を有するケースと、前記ケースの前記開口部を覆うキャップとを更に備え、前記キャップは前記クローズケーブルに取り付けられている。
この構成によれば、クローズケーブルをケースの開口部に挿通させる作業と、ケースの開口部をキャップで覆う作業とを一連の作業で行うことができる。このため、組立作業が簡単になる。
(4)上記車両用ドアクローザにおいて、キャンセルケーブルの操作に基づいて、前記モータから前記ラッチ装置への動力伝達を遮断する、キャンセル機構を更に備える。この構成によれば、キャンセルケーブルの操作により、モータの駆動に基づくラッチ装置の動作が解除される。
(5)上記車両用ドアクローザにおいて、前記移動体は、螺子部を有し、前記動力変換機構は、前記移動体が螺子入るものであり前記モータの回転動力により回転するホイールと、前記移動体が挿通する挿通孔を有し前記移動体を軸方向に移動するように案内しかつ前記移動体に対して周方向に相対回転不能に前記移動体と係合することにより前記移動体と一体回転し得るガイドとを備え、前記キャンセル機構は、前記キャンセルケーブルが操作されないときは前記ガイドの回転を規制し、前記キャンセルケーブルの操作に基づいて前記ガイドの回転規制を解除する。
この構成によれば、キャンセルケーブルの操作に基づいてガイドの回転が制御される。ガイドが回転規制されることにより、移動体が軸方向に移動する。一方、ガイドの回転規制が解除されることにより、ガイド及び移動体を介するモータからラッチ装置への動力伝達が遮断される。すなわち、キャンセルケーブルの操作により、ガイド及び移動体を介する動力伝達が制御される。
(6)上記車両用ドアクローザにおいて、前記ケースは、前記キャンセルケーブルのアウターを支持しかつ前記キャンセルケーブルのインナーケーブルが挿通するボスを有し、前記ケースは、前記キャンセルケーブルの前記インナーケーブルを前記キャンセル機構のケーブル受部に案内する案内部を有する。
この構成によれば、キャンセルケーブルのインナーケーブルをケーブル受部に係合させるときにおいて、インナーケーブルをケースのボスに挿通すると、インナーケーブルの傾きが、ケースのボスとケースの案内部とによって制限される。このようにして、インナーケーブルの端部がケーブル受部に係合しないといった事態の発生が少なくなる。
上記車両用ドアクローザは、クローズケーブルの取り付けが簡単である。
車両ドアの側面図。 車両ドアの平面図。 ラッチ装置の内部構造を示す図であり、(a)はオープンラッチ状態を示す図、(b)はハーフラッチ状態を示す図、(c)はフルラッチ状態を示す図。 アクチュエータの分解斜視図。 (a)はアクチュエータの平面図、(b)はアクチュエータの内部構造を示す図。 (a)は、図5(a)のA−A線に沿う断面図、(b)は、図5(a)のB−B線に沿う断面図。 (a)はキャンセルレバーが規制位置に配置されているときの、キャンセル機構の平面図、(b)はキャンセルレバーが解除位置に配置されているときの、キャンセル機構の平面図。 図7(a)のC−C線に沿う断面図。 スピンドルのケーブル接続部を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図、(c)はその背面図、(d)は、(a)のD−D線に沿う断面図。 (a)〜(d)は、クローズケーブルのインナーケーブルをスピンドルに接続するときの、インナーケーブルの動作を示すアクチュエータの部分断面図。 (a)及び(b)は、キャンセルケーブルのインナーケーブルをキャンセルレバーのケーブル受部に係合させるときの、インナーケーブルの動作を示すアクチュエータの部分断面図。
図1〜図11を参照して、車両用ドアクローザについて説明する。
図1は、車両ドア1を示す正面図であり、図2は車両ドア1の平面図である。図1に示されるように、車両ドア1は、車体2(車両本体)に開閉可能に取り付けられ、乗降口を開閉する。車両ドア1内には、車両用ドアクローザ10が搭載されている。車両用ドアクローザ10は、ラッチ装置20と、ラッチ装置20を駆動するアクチュエータ40と、ラッチ装置20とアクチュエータ40とを接続するクローズケーブル31とを備える。また、好ましくは、アクチュエータ40には、キャンセルケーブル35が接続される。
ラッチ装置20は、車両ドア1の端側に搭載される。ラッチ装置20は、車体2に固定されたストライカ3に係合し、車両ドア1を半ドア状態または全閉状態に維持する。ラッチ装置20は、インサイドドアハンドル4及びアウトサイドドアハンドル5(以下、両者を含めて「ドアハンドル4,5」という。)の操作に基づいて動作する。いずれかのドアハンドル4,5からの操作動力がラッチ装置20に伝達されると、ラッチ装置20は、ストライカ3との係合を解除し、車両ドア1を開放する。
また、ラッチ装置20は、アクチュエータ40のモータ41の動力が伝達されることにより動作し、車両ドア1を半ドア状態から全閉状態へと移行させる。
また、アクチュエータ40は、モータ41の駆動中にドアハンドル4,5のいずれかが操作されることに基づいて、モータ41からラッチ装置20への動力伝達を遮断する。これにより、ラッチ装置20において、ドアハンドル4,5のいずれかによる操作と、アクチュエータ40の動力による操作とが干渉し合うことが抑制される。
図3(a)〜図3(c)を参照して、ラッチ装置20の一例を説明する。なお、図3では、ケース21の一部が省略されている。
ラッチ装置20は、各種構成部品を収容するケース21と、ケース21に回転可能に取り付けられるラッチ22と、ケース21に回転可能に取り付けられてラッチ22の回転を規制するポール23と、ラッチ22を回転させるレバー(以下、「ラッチレバー24」という。)と、ドアハンドル4,5が接続されるリンク機構25とを備える。
ラッチ22は、ストライカ3が挿入する凹部22aと、凹部22aを挟むように配置される第1爪部22b及び第2爪部22dと、ラッチレバー24により押される押圧部22fとを有する。第1爪部22bは、第2爪部22dよりも車幅方向の車内側に配置される。第1爪部22bの先端部で凹部22aの反対側には、ポール23と係合する第1係合部22cが設けられている。第2爪部22dの先端部で凹部22a側には、ポール23と係合する第2係合部22eが設けられている。
ラッチ22は、凹部22aの開口部22xがストライカ3の進入経路に臨むように配置される第1位置と、第1爪部22bが進入経路に交差するように配置される第2位置との間で回転する。ラッチ22は、第2位置から第1位置に向かって回転するように付勢されている(図3(a)矢印A参照)。ラッチ22は、第1位置では、ラッチ22は、ストッパ26に当接する。第1位置と第2位置との間の中間位置では、ラッチ22は、第2爪部22dの第2係合部22eとポール23との係合により、係止される。第2位置では、ラッチ22は、第1爪部22bの第1係合部22cとポール23との係合により、係止される。なお、ラッチ22が第1位置に配置される状態を「オープンラッチ状態」といい、ラッチ22が中間位置に配置される状態を「ハーフラッチ状態」といい、このときの車両ドア1の状態を「半ドア状態」という。ラッチ22が第2位置に配置される状態を「フルラッチ状態」という。
ラッチ22は、次のように動作する。車両ドア1が開いているとき、図3(a)に示されるように、ラッチ22は第1位置に配置されている。車両ドア1が閉まり、ラッチ22がストライカ3に向かって移動すると、ラッチ22に対して相対的にストライカ3が移動し、ラッチ22の凹部22aにストライカ3が進入する。そうすると、ラッチ22が回転して、図3(b)に示されるように中間位置を経て、第2位置に移行する(図3(c)のラッチ22の位置を参照)。
ラッチ装置20内のラッチレバー24について説明する。
ラッチレバー24は、ラッチ22の押圧部22fに当接する当接部24aを有する。ラッチレバー24は、ラッチ22と干渉しない初期位置(図3(a)参照)と、ラッチ22を第2位置まで回転させ得る終端位置(図3(c)のラッチレバー24を参照)との間で回転する。ラッチレバー24は、終端位置から初期位置に向かって回転するように付勢されている(図3(a)矢印B参照)。ラッチレバー24には、クローズケーブル31のインナーケーブル32のラッチ側端部32aが接続されている。インナーケーブル32が引かれることにより、ラッチレバー24は、初期位置から終端位置に向かって回転する。
ラッチ22が中間位置に配置されているときに、ラッチレバー24が終端位置に向かって回転し始めると、ラッチレバー24の当接部24aがラッチ22の押圧部22fに当接する。そして、ラッチレバー24が終端位置まで回転すると、ラッチ22はラッチレバー24に押されて第2位置まで回転する。
次に、リンク機構25について説明する。
リンク機構25は、ドアハンドル4,5の操作動力をラッチ装置20及びアクチュエータ40に伝達する。
ドアハンドル4,5のいずれかが操作されるとき、その操作動力がリンク機構25を介してラッチ装置20のポール23に伝達される。ポール23にドアハンドル4,5の操作動力に基づく動力が加わると、ポール23は、ラッチ22に係合する位置からラッチ22に係合しない位置に回転する。このとき、ラッチ22は、中間位置から第1位置にまたは第2位置から第1位置に復帰する。すなわち、ドアハンドル4,5の操作により、車両ドア1の開閉が可能になる。
また、リンク機構25は、ドアハンドル4,5の操作に基づいて、次のようにアクチュエータ40のキャンセル機構43(後述参照)を動作させる。すなわち、ドアハンドル4,5のいずれかが操作されるとき、その操作動力がリンク機構25を介してアクチュエータ40のキャンセルレバー61(後述参照)に伝達される。キャンセルレバー61にドアハンドル4,5の操作動力が加わると、キャンセルレバー61は、アクチュエータ40からラッチ装置20への動力伝達を遮断する(すなわち遮断とは、動力が伝達されないようにすること)。
図4〜図11を参照して、アクチュエータ40について説明する。
アクチュエータ40は、モータ41と、移動体としてのスピンドル53と、モータ41の回転動力によりスピンドル53を軸方向(スピンドル53の中心軸Cに沿う方向)に移動させる動力変換機構42と、モータ41の駆動に基づくスピンドル53の移動を解除するキャンセル機構43とを備える。更に、アクチュエータ40は、ケース44と、2つのキャップ(以下、それぞれを「第1キャップ45」及び「第2キャップ46」という。)とを備える。
図4は、アクチュエータ40の分解斜視図であり、図4には、ケース44とスピンドル53と第1キャップ45と第2キャップ46とが示され、他の部品は省略されている。図5(a)は、アクチュエータ40の平面図であり、図5(b)はケース半体44pが外された図である。
図4〜図6に示されるように、ケース44は、一対のケース半体44p,44qを備える。一対のケース半体44p,44qの一方は、収容空間の一方側を覆い、他方は、収容空間の他方側を覆う。一対のケース半体44p,44qにより構成される収容空間に、スピンドル53、モータ41、動力変換機構42、及びキャンセル機構43が収容される。
ケース44の側面には、2つのボス(以下、「第1ボス44a」及び「第2ボス44b」という。)が設けられている。第1ボス44aの端面には、第1開口部44cが設けられている。第2ボス44bの端面には第2開口部44dが設けられている。第1ボス44aには、第1開口部44cを覆う第1キャップ45が被される。第2ボス44bには、第2開口部44dを覆う第2キャップ46が被される。
図5(b)及び図6(b)に示されるように、動力変換機構42は、モータ41の出力軸に固定されるウォームギア51と、外面においてウォームギア51に噛合するウォームホイール52(「ホイール」とも云う。)と、スピンドル53が挿通するガイド54とを備える。
ウォームホイール52はリング形に構成される。ウォームホイール52の内周面には、スピンドル53の螺子部53aに噛み合う螺子が設けられている。
スピンドル53は、ウォームホイール52に螺子入り、ウォームホイール52に対して相対的に回転することにより前後方向に移動する。前後方向における「前」とは、スピンドル53においてクローズケーブル31が接続される端部側を示し、「後」とは、前側の反対側を示す。スピンドル53は、コイルばね56により前方に付勢される。
スピンドル53の前側端部には、クローズケーブル31が接続されるケーブル接続部70が設けられている。スピンドル53の前側の周面(螺子が設けられていない部分)には、周面から突出する2個の凸部53bが設けられている(図6(b)参照)。2個の凸部53bは、スピンドル53の中心軸Cに対して互いに反対の位置に配置されている。
スピンドル53は、クローズケーブル31をケース44から最も引き出す位置(以下、「最小牽引位置」という。)と、クローズケーブル31をケース44内に最も引き込む位置(以下、「最大牽引位置」という。)との間で移動する。
図6(b)に示されるように、ガイド54は、スピンドル53を挿通する挿通孔54aを有する。挿通孔54aの内面には、スピンドル53の凸部53bが入るガイド溝54bが設けられている。ガイド溝54bはスピンドル53の軸方向に沿って延びる。ガイド溝54bにスピンドル53の凸部53bが入ることにより、ガイド54に対するスピンドル53の回転が規制される。すなわち、ガイド54はスピンドル53に対して周方向に相対回転不能に係合し、かつガイド54は、スピンドル53を軸方向に相対移動可能に支持する。ガイド54の外面には、ガイド54の回転を規制するための規制部55が設けられている。規制部55は、キャンセル機構43の係合体60が接触する規制面55aを有する。規制部55におけるガイド54の断面の外形は、例えば、図8に示されるように、正八角形の各辺を中心に向かって湾曲させることで得られる形に構成される。この例では、湾曲面が規制面55aに対応する面になる。
図7(a)及び図7(b)に示されるように、キャンセル機構43は、ガイド54の規制部55に係合する係合体60と、係合体60を移動させるキャンセルレバー61とを備える。図8に示されるように、係合体60は、本体部60aと、本体部60aから突出する突出部60bとを有する。本体部60aは、ガイド54の規制面55aに沿うように湾曲した係合面60cを有する。係合体60は、係合面60cがガイド54の規制面55aに接触する接触位置(図8の実線参照)と、係合面60cがガイド54の規制面55aから離間する離間位置(図8の2点鎖線参照)との間で移動する。
キャンセルレバー61は、レバー本体部62と、係合体60の突出部60bが挿通する挿通孔63と、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36の係合端部36bと係合するケーブル受部64とを有する。
キャンセルレバー61は、第1の位置と第2の位置との間で回転する。第1の位置は、キャンセルレバー61がガイド54の回転を規制する位置を示す。以下、この位置を「規制位置」という。第2の位置は、キャンセルレバー61がガイド54の回転規制を解除する位置を示す。以下、この位置を「解除位置」という。キャンセルレバー61は、解除位置から規制位置に移動するように付勢されている。キャンセルケーブル35のインナーケーブル36の押圧により、キャンセルレバー61は規制位置から解除位置に向かって回転する。
挿通孔63は、キャンセルレバー61の回転中心から第1距離だけ離れた第1部分63aと、キャンセルレバー61の回転中心から第1距離よりも短い第2距離だけ離れた第2部分63bと、第1部分63aと第2部分63bとを連結する連結部分63cとにより構成される。キャンセルレバー61の回転に伴い係合体60は次のように移動する。キャンセルレバー61が規制位置に位置するとき、係合体60の突出部60bは挿通孔63の第1部分63aに配置され、係合体60は接触位置に位置決めされる。このとき、係合体60はガイド54の規制部55に接触する。キャンセルレバー61が解除位置に位置するとき、係合体60の突出部60bは挿通孔63の第2部分63bに配置されることにより係合体60は離間位置に位置決めされる。このとき、係合体60はガイド54の規制部55から離れる。すなわち、キャンセルレバー61が規制位置に配置されることにより、ガイド54の回転が規制される。キャンセルレバー61が解除位置に配置されることにより、ガイド54の回転規制が解除される。
動力変換機構42は次のように動作する。
ガイド54の回転が規制されているときは、スピンドル53の凸部53bとガイド溝54bとの係合によりスピンドル53の回転も規制される。このため、ガイド54の回転が規制されているとき、モータ41の駆動によりウォームギア51を介してウォームホイール52が所定方向に回転すると、スピンドル53は後方に移動する。
ガイド54の回転規制が解除されているときは、スピンドル53の凸部53bとガイド溝54bとの係合によりスピンドル53とガイド54とは一体となって回転し得る。このため、ガイド54の回転規制が解除されているとき、モータ41の駆動によりウォームギア51を介してウォームホイール52が所定方向に回転すると、スピンドル53とガイド54とは一体で回転する。また、スピンドル53はコイルばね56により前方に付勢されているため、スピンドル53とガイド54とは一体に回転しつつ前方に移動する。
半ドア状態における車両用ドアクローザ10の動作を説明する。
モータ41は、ラッチ22がハーフラッチ状態のとき(すなわち、半ドア状態であって、ラッチ22が中間位置に配置されるとき)に駆動するように制御されている。
ラッチ22がハーフラッチ状態になるとモータ41が駆動する。ドアハンドル4,5が操作されていないときは、キャンセルレバー61が規制位置に位置してガイド54及びスピンドル53の回転が規制されるため、モータ41が駆動すると、モータ41の動力によりスピンドル53が後方に移動する。これにより、クローズケーブル31のインナーケーブル32が牽引される。そうすると、クローズケーブル31のインナーケーブル32の牽引によりラッチレバー24が回転し、これに連動してラッチ22が第2位置まで回転する。これにより、ラッチ22がフルラッチ状態になり、車両ドア1が全閉状態になる。
モータ41の駆動中に、ドアハンドル4,5のいずれかが操作されると、リンク機構25を介してキャンセルケーブル35のインナーケーブル36が動作し、インナーケーブル36の動作に基づいてキャンセルレバー61が回転する。キャンセルレバー61が規制位置から解除位置まで回転すると係合体60が離間位置まで移動し、係合体60とガイド54との係合が解除される。そうすると、モータ41の駆動により、スピンドル53とガイド54とが一体となって回転するようになり、スピンドル53はコイルばね56の付勢力により前方に移動する。ラッチ装置20のラッチレバー24は初期位置に戻るため、ラッチレバー24とラッチ22との係合が解除される。
このようにして、ラッチ22がハーフラッチ状態であってモータ41の駆動によりラッチ22がフルラッチ状態に移行しつつあるとき、ドアハンドル4,5が操作されるときは、その操作に基づいてモータ41からラッチ22への動力伝達が遮断される。このため、ドアハンドル4,5の操作に基づいて、ラッチ22をオープンラッチ状態に円滑に移行させることができるようになる。
次に、クローズケーブル31とスピンドル53との接続構造について説明する。
図6(b)に示されるように、クローズケーブル31のインナーケーブル32の係合端部32bは、スピンドル53のケーブル接続部70に係合する。インナーケーブル32の係合端部32bは、インナーケーブル32の線幅(すなわち直径)よりも幅広の部位として構成され、かつ係合端部32bの先端部は凸曲面に構成される。例えば、係合端部32bは、球形、弾丸形、楕円体に構成され得る。
クローズケーブル31の端部には、第1キャップ45が取り付けられている(図4参照)。図6(b)に示されるように、第1キャップ45は、ケース44の第1開口部44cを覆う。第1キャップ45は、ケース44の第1開口部44cの周囲(すなわち第1ボス44aの側面)を覆うキャップ本体45aと、キャップ本体45aの中心部から突出する部分であってクローズケーブル31が挿通するボス45bとを有する。キャップ本体45aは、蓋部45pと、蓋部45pの周縁に沿って設けられる周壁45qとを有する。ボス45bは、周壁45qとは反対側に向かってキャップ本体45aの蓋部45pから突出する。ボス45bのボス孔45cには、クローズケーブル31のアウター33が配置される段部45dが設けられている。
図9(a)〜図9(d)を参照して、ケーブル接続部70の構造について説明する。図9(a)は、ケーブル接続部70の正面図、図9(b)は、その側面図、図9(c)は、その背面図、図9(d)は、D−D線に沿う断面図である。
ケーブル接続部70には、ケーブル接続部70の端面71(すなわち、スピンドル53の端面71)の後方に凹部(以下、「係合凹部72」という。)が設けられている。係合凹部72は、クローズケーブル31のインナーケーブル32の係合端部32bを収容する。係合凹部72内の前面72cは、インナーケーブル32の係合端部32bの抜けを抑制するため、スピンドル53の中心軸Cに垂直に、または係合凹部72の底面72aに向かって前方に傾斜するように構成されている(図9(d)参照)。
ケーブル接続部70の端面71は傾斜する。具体的には、端面71は、傾斜領域71aを含む。傾斜領域71aは、スピンドル53の中心部から外側に行くにつれて係合凹部72の開口部72bに近づくように傾斜する。また、好ましくは、端面71は、スピンドル53の中心部を挟んで傾斜領域71aとは反対側に延びる延長領域71bを含む。傾斜領域71aと延長領域71bとは連続し、平面または湾曲面を構成する。
また、ケーブル接続部70には、クローズケーブル31のインナーケーブル32が挿通する溝(以下、「挿通溝73」という。)が設けられている。挿通溝73は、スピンドル53の側面において係合凹部72が開口する面側に設けられ、かつ端面71から係合凹部72に渡って設けられている。挿通溝73は、スピンドル53の中心軸Cに沿うように延びる。また、挿通溝73は、スピンドル53の中心軸Cが挿通溝73内を通過するように構成される。スピンドル53の端面71は、挿通溝73を間に挟むようにして2つに分割される。挿通溝73の内側面73aと端面71との間には、テーパ面73bが設けられている。
図10(a)〜図10(d)を参照して、クローズケーブル31のインナーケーブル32とケーブル接続部70との接続方法を説明する。
図10(a)に示されるように、インナーケーブル32をケーブル接続部70に接続する前に予めインナーケーブル32を第1キャップ45に対して所定位置に配置する。具体的には、インナーケーブル32のラッチ側端部32aをラッチ装置20のラッチレバー24に取り付ける。そうすると、ラッチレバー24によりインナーケーブル32が引かれるため、インナーケーブル32の係合端部32bは所定位置に配置される。そして、スピンドル53を最小牽引位置に配置する。
次に、図10(b)に示されるように、第1キャップ45の先端部をケース44の第1ボス44aに差し込む。そうすると、インナーケーブル32の係合端部32bは、スピンドル53の端面71に対向するように配置される。
次に、図10(c)に示されるように、第1キャップ45をケース44の第1ボス44aの中間部まで差し込むと、係合端部32bは、スピンドル53の端面71に沿い係合凹部72に向かって移動し、スピンドル53の側面(端面71と係合凹部72との間の部分)に接触するようになる。このとき、インナーケーブル32は湾曲し、その弾性により係合端部32bは側面を押圧する。
更に、図10(d)に示されるように、第1キャップ45がケース44の第1ボス44aに装着される状態まで第1キャップ45をケース44の第1ボス44aに差し込むと、弾性により湾曲したインナーケーブル32が元に戻りつつ挿通溝73に入り、これに伴って、係合端部32bが係合凹部72に入る。以上の示されるように、第1キャップ45をケース44の第1ボス44aに差し込むと、インナーケーブル32がスピンドル53に接続される。
次に、図5〜図7を参照して、キャンセルケーブル35とキャンセルレバー61との接続構造について説明する。図5(b)に示されるように、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36の係合端部36bは、キャンセルレバー61のケーブル受部64に係合する。インナーケーブル36の係合端部36bは、インナーケーブル36の線幅(すなわち直径)よりも幅広の部位として構成され、かつ係合端部36bの先端面は凸曲面に構成される。例えば、係合端部36bは、球形、楕円体に構成され得る。
キャンセルケーブル35の端部には、第2キャップ46が取り付けられている(図4参照)。図6(a)に示されるように、第2キャップ46は、ケース44の第2開口部44dを覆う。第2キャップ46は、ケース44の第2開口部44dの周囲(すなわち第2ボス44bの側面)を覆うキャップ本体46aと、キャンセルケーブル35が挿通するボス46bとを有する。キャップ本体46aは、端部46pと、端部46pの周縁に沿って設けられる周壁46qとを有する。ボス46bは、端部46pにおいて周壁46qが突出する方向と同じ方向に延びる。このボス46bは、ケース44の第2ボス44bに挿通する。ボス46bのボス孔46cには、キャンセルケーブル35のアウター37が配置される段部46dが設けられている。
図11(a)に示されるように、ケース44には、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36を案内するための案内部44eが設けられている。案内部44eは、キャンセルレバー61を支持するケース半体44qとは別のケース半体44pに突出するように設けられる。案内部44eは、例えば、2個の案内ピン44fにより構成され、2個の案内ピン44fは、インナーケーブル36を挟むように配置されている。また、2個の案内ピン44fは、第2ボス44bのケース側開口部44gからの距離とケーブル受部64からの距離とが等しいところまたはその周辺に配置される。2個の案内ピン44fは、インナーケーブル36の挿通方向に交差する方向に間隔をあけて並べられ、2個の案内ピン44fの間の間隔距離は、インナーケーブル36の係合端部36bが挿通し得る寸法に設定される。また、2個の案内ピン44fは、インナーケーブル36の係合端部36bが予め設定された所定範囲以外のところに位置するときに係合端部36bが接触するように、配置される。所定範囲とは、インナーケーブル36の係合端部36bをケーブル受部64に係合させることができる係合端部36bの経路のうち、その全経路またはその一部により構成される領域を示す。
キャンセルレバー61のケーブル受部64は次の構造を有する。キャンセルレバー61のケーブル受部64は、キャンセルケーブル35の係合端部36bの一部(好ましくは半分)を収容する。ケーブル受部64の内面は、ケーブル受部64に収容された状態で係合端部36bが転動するときにその転動範囲において係合端部36bが接触するように凹曲面に構成される。例えば、係合端部36bが球体であるときは、ケーブル受部64は、所定半径を有する凹曲面に構成される。
図11(a)及び図11(b)を参照して、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36とキャンセルレバー61のケーブル受部64とを係合させる係合方法について説明する。
まず、インナーケーブル36をキャンセルレバー61に係合させる前に予めインナーケーブル36を第2キャップ46に対して所定位置に配置する。具体的には、インナーケーブル36の他方の端部36a(すなわち、係合端部36bとは反対側の端部)をラッチ装置20に取り付ける。そうすると、インナーケーブル36の係合端部36bは所定位置に配置される。
次に、第2キャップ46のボス46bをケース44の第2ボス44bに挿通する。図11(a)に示されるように、第2キャップ46のボス46bをその半分まで挿通すると、係合端部36bは、一対の案内ピン44f間に挿通するか、または案内ピン44fに接触する。係合端部36bが案内ピン44fに接触するときは、係合端部36bの外側が案内ピン44fに接触する。このようにして、インナーケーブル36は、2つの案内ピン44fの間の外側に配置されることが抑制される。そして、図11(b)に示されるように、第2キャップ46がケース44の第2ボス44bに装着される状態まで第2キャップ46をケース44の第2ボス44bに差し込むと、係合端部36bがキャンセルレバー61のケーブル受部64に収まる。以上の示されたように、第2キャップ46をケース44の第2ボス44bに差し込むことにより、インナーケーブル36とキャンセルレバー61とが係合する。
次に、上記アクチュエータ40の作用を説明する。
上記したように、アクチュエータ40は、クローズケーブル31が接続する部分(すなわちケーブル接続部70)と、キャンセルケーブル35が係合する部分(すなわちキャンセルレバー61のケーブル受部64)とは、ケース44内に配置されている。このため、これらの部分が露出する構造に比べて防水性が高い。
ところで、ケーブル接続部70及びケーブル受部64がケース44内に配置される場合、ケーブル接続部70及びケーブル受部64の構造によっては、ケーブル接続部70及びケーブル受部64がケース44外に配置される場合に比べてそのアクチュエータ40の搬送性が低下するおそれがある。
例えば、ケーブル接続部70は、目視で確認しつつケーブル接続用孔にインナーケーブル32の係合端部32bを挿入するような構造に構成されたと仮定する。この場合、インナーケーブル32とケーブル接続部70との接続は次のように行う。スピンドル53、モータ41、動力変換機構42、キャンセル機構43等をケース半体44qに配置し、他方のケース半体44pを取り付けずに、ケーブル接続用孔が視認することができる状態に置く。そして、このように開封した状態で、インナーケーブル32とケーブル接続部70とを接続する。このことは、キャンセルケーブル35の接続についても同様である。この後、他方のケース半体44pをモータ41等が搭載されたケース半体44qに被せる。このように組み立てられたモジュールは、ラッチ装置20とアクチュエータ40とがクローズケーブル31とキャンセルケーブル35とにより接続されたものとなっている。しかし、このように2個の装置がケーブルで接続されたモジュールは、組立工場内の搬送途中においてケーブルが障害物に引っ掛かるおそれがあり、その搬送性に欠けるといった問題がある。搬送性の観点から云えば、アクチュエータ40は、ケーブルが接続されていない状態で、スピンドル53、モータ41、動力変換機構42、キャンセル機構43等がケース44に収容されていることが望ましい。
そこで、実施形態に係るアクチュエータ40は、スピンドル53、モータ41、動力変換機構42、キャンセル機構43等をケース44内に収容した後においてもクローズケーブル31及びキャンセルケーブル35をアクチュエータ40に接続することが可能な構造を有する。すなわち、図10(a)〜図10(d)に示されるように、上述のアクチュエータ40は、スピンドル53、モータ41、動力変換機構42、キャンセル機構43等をケース44内に収容した後において、クローズケーブル31をケーブル接続部70に接続することができる。また、図11(a)及び図11(b)に示されるように、キャンセルケーブル35をケーブル受部64に係合させることができる。このため、アクチュエータ40は、ラッチ装置20に接続されない状態で、搬送され得る。このように、実施形態に係るアクチュエータ40は搬送し易いといったメリットがある。
また、実施形態に係るアクチュエータ40は次に示すように配置可能エリアが大きいというメリットもある。従来のアクチュエータ40の構造では、スピンドル53に代えて遊星歯車機構が用いられており、遊星歯車機構のキャリアの回転中心軸に沿って、当該遊星歯車機構とケーブル接続用レバーとが配列されている。これに対して、上記ケーブル接続部70は、スピンドル53の先端部に設けられている。スピンドル53が挿通するガイド54の直径は、遊星歯車機構の厚幅(回転軸方向の長さ)程度に構成され得る。このため、実施形態に係るアクチュエータ40の厚幅は、従来のアクチュエータ40の厚幅(遊星歯車機構の厚幅+ケーブル接続用レバーの厚幅)よりも、ケーブル接続用レバーの厚幅の分だけ小さく構成され得る。車両ドア1の内部空間は幅狭であるため、車両ドア1内の搭載される装置は厚幅が小さいほど車両ドア1内において配置可能エリアが拡大する。この点において、実施形態に係るアクチュエータ40は、従来のアクチュエータ40よりも薄型に構成され得るため、車両ドア1における搭載可能エリアが大きくなる。
以下、本実施形態に係る車両用ドアクローザ10の効果を説明する。
(1)本実施形態では、スピンドル53には、係合凹部72と挿通溝73とが設けられている。係合凹部72には、クローズケーブル31のインナーケーブル32の係合端部32bが係合する。挿通溝73は、スピンドル53の端面71(すなわちケーブル接続部70の端面71)から係合凹部72に渡るように設けられている。その挿通溝73には、クローズケーブル31のインナーケーブル32が挿通する。更に、スピンドル53の端面71は、中心部から外側に行くにつれて係合凹部72の開口部72bに近づくように傾斜する。
この構成では、スピンドル53の端面71が上記のように傾斜するため、インナーケーブル32の係合端部32bがスピンドル53の端面71に向かうようにインナーケーブル32を移動させると、係合端部32bがスピンドル53の端面71に沿って移動し、係合端部32bが係合凹部72に入る。このように、上記構成によれば、インナーケーブル32とスピンドル53とを簡単に接続することができる。
(2)本実施形態では、スピンドル53の端面71は、中心部から外側に行くにつれて係合凹部72の開口部72bに近づくように傾斜する傾斜領域71aと、傾斜領域71aの延長であって中心部に対して傾斜領域71aとは反対側に延びる延長領域71bとを有する。
インナーケーブル32とスピンドル53とを接続する際、インナーケーブル32の係合端部32bをスピンドル53の端面71に向かって移動させるときに、インナーケーブル32の係合端部32bがスピンドル53の中心部から傾斜領域71aとは反対側にずれて配置される場合がある。この場合でも、上記構成によれば、係合端部32bは延長領域71bに当接して、係合端部32bは傾斜領域71aに移動するようになる。このため、このような延長領域71bが存在しない場合に比べて、係合端部32bが、スピンドル53の端面71から係合凹部72に向かって移動するという経路から外れることが少なくなる。これにより、係合端部32bが係合凹部72に入らないといった事態の発生が少なくなる。
(3)本実施形態では、車両用ドアクローザ10はケース44と第1キャップ45とを備える。第1キャップ45は、ケース44の第1開口部44cを覆う。この第1キャップ45はクローズケーブル31に取り付けられている。この構成によれば、クローズケーブル31をケース44の第1開口部44cに挿通させる作業とケース44の第1開口部44cを第1キャップ45で覆う作業とを一連の作業で行うことができる。このため、組立作業が簡単になる。
(4)本実施形態では、車両用ドアクローザ10は、キャンセル機構43を備える。キャンセル機構43は、キャンセルケーブル35の操作に基づいて、モータ41からラッチ装置20への動力伝達を遮断する。この構成によれば、キャンセルケーブル35の操作により、モータ41の駆動に基づくラッチ装置20の動作が解除される。
(5)本実施形態では、アクチュエータ40の動力変換機構42は、ウォームホイール52と、ガイド54とを備える。ウォームホイール52は、スピンドル53が螺子入るものでありモータ41の回転動力により回転する。ガイド54は、スピンドル53が挿通する挿通孔54aを有し、スピンドル53を軸方向に移動するように案内し、かつスピンドル53に対して周方向に相対回転不能にスピンドル53と係合することによりスピンドル53と一体回転し得る。キャンセル機構43は、キャンセルケーブル35が操作されないときはガイド54の回転を規制し、キャンセルケーブル35の操作に基づいてガイド54の回転規制を解除する。
この構成によれば、キャンセルケーブル35の操作に基づいてガイド54の回転が制御される。ガイド54が回転規制されることにより、スピンドル53が軸方向に移動する。スピンドル53が移動するとラッチ装置20が動作する。一方、ガイド54の回転規制が解除されることにより、ガイド54及びスピンドル53を介するモータ41からラッチ装置20への動力伝達が遮断される。すなわち、キャンセルケーブル35の操作により、ガイド54及びスピンドル53を介するモータ41からラッチ装置20への動力伝達が制御される。
(6)本実施形態では、ケース44は、第2ボス44bを有する。第2ボス44bは、キャンセルケーブル35のアウター37を支持する。キャンセルケーブル35のインナーケーブル36は第2ボス44bに挿通する。一方、ケース44は案内部44eを有する。案内部44eは、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36をキャンセル機構43のケーブル受部64に案内する。
この構成によれば、キャンセルケーブル35のインナーケーブル36をケーブル受部64に係合させるときにおいて、インナーケーブル36をケース44の第2ボス44bに挿通すると、インナーケーブル36の傾きが、ケース44の第2ボス44bとケース44の案内部44eとによって制限される(図11(a)及び図11(b)参照)。このようにして、インナーケーブル36の係合端部36bがケーブル受部64に係合しないといった事態の発生が少なくなる。
<その他の実施形態>
・本実施形態では、アクチュエータ40において、クローズケーブル31を牽引する移動体はスピンドル53として構成されるが、移動体の構造はこれに限定されない。例えば、移動体は、支軸を中心として回転するレバーとして構成され得る。この場合、レバーは、モータ41の回転動力により回転する。レバーの端部に、ケーブル接続部70に準じた接続部が設けられる。これにより、上記(1)の効果が得られる。
・本実施形態では、スピンドル53にはケーブル接続部70が設けられ、ケーブル接続部70の端面71は、傾斜領域71a及び延長領域71bを含むものとして構成せれている。これに対して、端面71は、延長領域71bを含まず、複数の傾斜領域71aを含むように構成され得る。例えば、2つの傾斜領域71aは、ケーブル接続部70の中心軸(スピンドル53の中心軸C)を間にして一対の傾斜領域71aが鏡面対称となるように配置される。そして、一対の傾斜領域71aのそれぞれに対応するように係合凹部72が設けられる。この構造によれば、クローズケーブル31のインナーケーブル32の係合端部32bが一対の傾斜領域71aのいずれかに当接すると、当該当接した傾斜領域71aに対応する係合凹部72に入る。
1…車両ドア、2…車体、3…ストライカ、4…インサイドドアハンドル、5…アウトサイドドアハンドル、10…車両用ドアクローザ、20…ラッチ装置、21…ケース、22…ラッチ、22a…凹部、22b…第1爪部、22c…第1係合部、22d…第2爪部、22e…第2係合部、22f…押圧部、22x…開口部、23…ポール、24…ラッチレバー、24a…当接部、25…リンク機構、26…ストッパ、31…クローズケーブル、32…インナーケーブル、32a…ラッチ側端部、32b…係合端部、33…アウター、35…キャンセルケーブル、36…インナーケーブル、36a…端部、36b…係合端部、37…アウター、40…アクチュエータ、41…モータ、42…動力変換機構、43…キャンセル機構、44…ケース、44a…第1ボス、44b…第2ボス、44c…第1開口部、44d…第2開口部、44e…案内部、44f…案内ピン、44g…ケース側開口部、44p…ケース半体、44q…ケース半体、45…第1キャップ、45a…キャップ本体、45b…ボス、45c…ボス孔、45d…段部、45p…蓋部、45q…周壁、46…第2キャップ、46a…キャップ本体、46b…ボス、46c…ボス孔、46d…段部、46p…端部、46q…周壁、51…ウォームギア、52…ウォームホイール、53…スピンドル、53a…螺子部、53b…凸部、54…ガイド、54a…挿通孔、54b…ガイド溝、55…規制部、55a…規制面、56…コイルばね、60…係合体、60a…本体部、60b…突出部、60c…係合面、61…キャンセルレバー、62…レバー本体部、63…挿通孔、63a…第1部分、63b…第2部分、63c…連結部分、64…ケーブル受部、70…ケーブル接続部、71…端面、71a…傾斜領域、71b…延長領域、72…係合凹部、72a…底面、72b…開口部、72c…前面、73…挿通溝、73a…内側面、73b…テーパ面、C…中心軸。

Claims (6)

  1. 車両ドアを固定するラッチ装置に接続されるクローズケーブルと、前記クローズケーブルを引く移動体と、動力変換機構を介して前記移動体を移動させるモータとを備え、
    軸状をなす前記移動体の軸方向端部には、前記クローズケーブルが接続されるケーブル接続部が設けられ、前記ケーブル接続部は、前記移動体の軸方向に沿って延びており、
    前記ケーブル接続部には、前記クローズケーブルのインナーケーブルの係合端部が係合する係合凹部と、前記ケーブル接続部軸方向端面から前記係合凹部に渡るように設けられてかつ前記クローズケーブルのインナーケーブルが挿通する挿通溝とが設けられ、
    前記ケーブル接続部の前記軸方向端面は、前記ケーブル接続部の軸中心部からその軸の直交方向外側に行くにつれて前記係合凹部の開口部に近づくように傾斜する、車両用ドアクローザ。
  2. 前記ケーブル接続部の前記軸方向端面は、前記ケーブル接続部の軸中心部からその軸の直交方向外側に行くにつれて前記係合凹部の開口部に近づくように傾斜する傾斜領域と、前記傾斜領域の延長であって前記中心部に対して前記傾斜領域とは反対側に延びる延長領域とを有する
    請求項1に記載の車両用ドアクローザ。
  3. 前記移動体を収容するものであって前記クローズケーブルが挿通する開口部を有するケースと、前記ケースの前記開口部を覆うキャップとを更に備え、
    前記キャップは、前記クローズケーブルに取り付けられている
    請求項1または請求項2に記載の車両用ドアクローザ。
  4. キャンセルケーブルの操作に基づいて、前記モータから前記ラッチ装置への動力伝達を遮断する、キャンセル機構を更に備える
    請求項3に記載の車両用ドアクローザ。
  5. 前記移動体は、螺子部を有し、
    前記動力変換機構は、前記移動体が螺子入るものであり前記モータの回転動力により回転するホイールと、前記移動体が挿通する挿通孔を有し前記移動体を軸方向に移動するように案内しかつ前記移動体に対して周方向に相対回転不能に前記移動体と係合することにより前記移動体と一体回転し得るガイドとを備え、
    前記キャンセル機構は、前記キャンセルケーブルが操作されないときは前記ガイドの回転を規制し、前記キャンセルケーブルの操作に基づいて前記ガイドの回転規制を解除する
    請求項4に記載の車両用ドアクローザ。
  6. 前記ケースは、前記キャンセルケーブルのアウターを支持しかつ前記キャンセルケーブルのインナーケーブルが挿通するボスを有し、
    前記ケースは、前記キャンセルケーブルの前記インナーケーブルを前記キャンセル機構のケーブル受部に案内する案内部を有する
    請求項4または請求項5に記載の車両用ドアクローザ。
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