JP6640527B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線CT装置に関する。
従来、X線CT(Computed Tomography)装置を用いた撮影においては、本撮影の前に、位置決め画像(スキャノ画像)を収集する位置決め撮影が行われている。また、X線CT装置を用いた撮影においては、得られた位置決め画像をもとに、例えば、本撮影においてX線管に供給する管電流の値を算出する、AEC(Auto Exposure Control)が行われている。
位置決め画像を撮影する撮影範囲は、近年、検出器の多列化や寝台移動速度の高速化により、広範囲に設定することが可能になった。しかし、位置決め画像の撮影範囲によって、位置決め画像のピクセルサイズが異なっていたため、例えば、広範囲を撮影した場合は、位置決め画像に劣化が生じ、AECにより算出される管電流の値に誤差が生じることがあった。
特開2009−118884号公報
実施形態が解決しようとする課題は、X線管に供給される管電流の値の算出誤差を低減することができるX線CT装置を提供することである。
実施形態に係るX線CT装置は、収集部と、取得部と、画像生成部と、制御部とを備える。収集部は、X線管から照射され、被検体を透過したX線に由来する信号を収集する。取得部は、定められた位置決め撮影条件に基づいて、本撮影における管電流の値を算出するときに使用する第1の画像のチャネル方向およびスライス方向のマトリクス数を取得する。画像生成部は、位置決め撮影において前記収集部により収集された前記信号および前記マトリクス数に基づいて、前記位置決め撮影の範囲によらずピクセルサイズが一定の値となる前記第1の画像を生成する。制御部は、前記第1の画像に基づいて、前記管電流の値を算出する。
図1は、実施形態に係るX線CT装置の構成例を示すブロック図である。 図2Aは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(1)である。 図2Bは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(2)である。 図3Aは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(3)である。 図3Bは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(4)である。 図4Aは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(1)である。 図4Bは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(2)である。 図5Aは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(3)である。 図5Bは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(4)である。 図5Cは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図(5)である。 図6は、実施形態に係るX線CT装置が行う処理の流れについて説明したフローチャート(1)である。 図7は、実施形態に係るX線CT装置が行う処理の流れについて説明したフローチャート(2)である。 図8は、その他の実施形態に係るX線CT装置が行う処理の流れについて説明したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、X線CT装置の実施形態を詳細に説明する。なお、X線CT装置には、X線管とX線検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotateタイプ、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotateタイプ等様々なタイプがあるが、いずれのタイプでも本実施形態は適用可能である。さらに、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転フレームに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本実施形態においては、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX 線CT装置であってもいずれも適用可能である。以下の実施形態では、一管球型でかつ、Rotate/RotateタイプのX線CT装置を一例として説明する。
(実施形態)
まず、実施形態に係るX線CT装置の各部分について概略を説明する。図1は、実施形態に係るX線CT装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、実施形態に係るX線CT装置は、架台装置10と寝台装置20とコンソール装置30とを有する。
架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線の検出データから投影データを収集する装置であり、X線照射制御部11と、X線発生装置12と、X線検出器13と、収集部14と、回転フレーム15と、架台駆動部16とを有する。
回転フレーム15は、後述するX線管12aを有するX線発生装置12とX線検出器13とを被検体Pの周囲で回転可能に支持する。回転フレーム15は、X線発生装置12とX線検出器13とを被検体Pを挟んで対向支持し、後述する架台駆動部16によって被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置であり、X線管12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cとを有する。
X線管12aは、X線を照射する。具体的には、X線管12aは、後述するX線照射制御部11により供給される高電圧により被検体PにX線ビームを発生する真空管である。X線管12aは、回転フレーム15の回転にともない、X線ビームを被検体Pに対して照射する。X線管12aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。
ウェッジ12bは、X線管12aから照射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。コリメータ12cは、後述するX線照射制御部11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
X線照射制御部11は、高電圧発生部として、X線管12aに高電圧を供給する装置であり、X線管12aは、X線照射制御部11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。X線照射制御部11は、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線照射制御部11は、コリメータ12cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。
X線照射制御部11の制御により、X線管12aは、フル再構成用に被検体Pの全周囲でX線を連続照射したり、ハーフ再構成用にハーフ再構成可能な照射範囲(180度+ファン角)でX線を連続照射したりすることが可能である。また、X線照射制御部11の制御により、X線管12aは、予め設定された位置(管球位置)でX線(パルスX線)を間欠照射したりすることが可能である。また、X線照射制御部11は、X線管12aから照射されるX線の強度を変調させることも可能である。例えば、X線照射制御部11は、特定の管球位置では、X線管12aから照射されるX線の強度を強くし、特定の管球位置以外の範囲では、X線管12aから照射されるX線の強度を弱くする。ここで、管球位置とは、被検体Pを中心とした円軌道におけるX線管12aの位置を示す。以下では、図1に示すX線管12aの位置(管球位置、管球角度)を「0度(360度)」と定義する。また、以下では、管球位置(管球角度)を、図1に示す回転フレーム15の周方向に沿って時計周りに「0度、・・・、90度、・・・、180度、・・・、270度、・・・、360度」と定義する。
架台駆動部16は、回転フレーム15を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置12とX線検出器13とを旋回させる。
X線検出器13は、X線管12aから照射され被検体Pを透過したX線を検出する。具体的には、X線検出器13は、2次元状に配列されたX線検出素子により、X線管12aから照射されて被検体Pを透過したX線を検出する。図1に示すX線検出器13は、被検体Pを透過したX線の強度分布を示すX線強度分布データを出力する2次元アレイ型検出器(面検出器)である。X線検出器13には、チャネル方向(図1に示すY軸方向)に配列された複数のX線検出素子(検出素子列)が、被検体Pの体軸方向(図1に示すZ軸方向)に沿って複数列配列される。例えば、X線検出器13は、被検体Pの体軸方向に沿って320列に配列された検出素子列を有し、被検体Pを透過したX線強度分布データを広範囲に検出する。なお、ここで、体軸方向とは、スライス方向とも呼ばれる。
収集部14は、DAS(Data acqusition system)であり、X線検出器13が検出したX線の検出データから、投影データを収集する。例えば、収集部14は、X線検出器13により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理、チャネル間の感度補正処理等を行なって投影データを生成し、生成した投影データを後述するコンソール装置30に送信する。例えば、回転フレーム15の回転中に、X線管12aからX線が連続照射されている場合、収集部14は、全周囲分(360度分)の投影データ群を収集する。また、収集部14は、収集した各投影データに管球位置を対応付けて、後述するコンソール装置30に送信する。管球位置は、投影データの投影方向を示す情報となる。なお、チャネル間の感度補正処理は、後述する前処理部34が行なっても良い。
寝台装置20は、被検体Pを載せる装置であり、天板22と、寝台駆動装置21とを有する。天板22は、被検体Pが載置される板である。寝台駆動装置21は、後述するスキャン制御部33の制御のもと、天板22をZ軸方向へ移動することにより、被検体Pを回転フレーム15内(撮影空間内)に移動させる。
架台装置10は、本撮影時において、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。又は、架台装置10は、本撮影時において、天板22を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。又は、架台装置10は、本撮影時において、天板22の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行なうステップアンドシュート方式を実行する。
ここで、X線CT装置による検査では、本撮影の前に、位置決め撮影(スキャノグラム収集)が行われる。位置決め撮影とは、目的の臓器の範囲を的確に撮影するために、本撮影に先立って行われる撮影である。ユーザは、位置決め撮影により得られた位置決め画像(スキャノグラム)を参照して、スキャン計画をたてる。そして、ユーザは、スキャン計画に従って、本撮影をX線CT装置に実行させ、目的の臓器の範囲の画像を撮影する。
位置決め撮影では、回転フレーム15を固定させた状態で、X線管12aからX線を照射しながら天板22を移動させることで、例えば、被検体Pの全身を体軸方向に沿ってスキャンしたスキャノグラムが撮影される。位置決め撮影としては、1方向から位置決め撮影を行って、得られた一つの位置決め画像を用いてスキャン計画を立てる場合もあれば、例えば、複数の方向から位置決め撮影を行って、得られた複数の位置決め画像を用いてスキャン計画を立てる場合もある。
1方向から位置決め撮影を行う場合、例えば、撮影対象の大きさに応じて、管球位置が「90度」の方向から撮影が行われる。また、複数の方向から位置決め撮影を行う場合、例えば、管球位置が「0度」の方向、及び、管球位置が「90度」の方向の直交する2方向から、位置決め撮影が行われる。
また、位置決め撮影では、回転フレーム15を回転させた状態で、X線管12aからX線を照射しながら天板22を移動させることで、例えば、被検体Pの全身を体軸方向に沿ってヘリカルスキャンしたスキャノグラムを撮影しても良い。この場合、例えば、収集部14は、回転している回転フレーム15上のX線管12aの管球位置が特定の位置、例えば、「0度」の方向、及び、管球位置が「90度」の方向になったときに、管球位置に対応付けて、位置決め画像用の投影データ群を収集する。
上述した収集部14は、位置決め撮影時、管球位置に対応づけて、位置決め画像用の投影データ群を収集し、後述するコンソール装置30に送信する。また、実施形態は上述の例に限られず、例えば天板22を移動させる代わりに、架台装置10を移動させても良く、天板22と架台装置10の両方を移動させても良い。
コンソール装置30は、操作者によるX線CT装置の操作を受け付けるとともに、架台装置10によって収集されたX線検出データからX線CT画像データを再構成する装置であり、入力装置31と、表示装置32と、スキャン制御部33と、前処理部34と、投影データ記憶部35と、画像生成部36と、画像記憶部37と、制御部38とを有する。
入力装置31は、X線CT装置の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、ボタン、ペダル(フットスイッチ)等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、制御部38に転送する。
表示装置32は、操作者が参照するモニタであり、制御部38による制御のもと、X線CT画像データや位置決め画像(スキャノグラム)を操作者に表示したり、入力装置31を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。例えば、操作者は、検査情報登録用のGUIに、天板22に載置された被検体Pの撮影時における***等の検査情報を、入力装置31を用いて入力する。
スキャン制御部33は、後述する制御部38の制御のもと、X線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14及び寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台装置10における投影データの収集処理を制御する。スキャン制御部33は、位置決め撮影において、後述する制御部38が、位置決め画像を用いて本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出すると、当該算出された値を制御部38から受信し、X線照射制御部11の動作を制御する。また、スキャン制御部33は、後述する制御部38が、位置決め画像を用いて寝台移動距離を算出すると、当該算出された寝台移動距離の値を制御部38から受信し、寝台駆動装置21の動作を制御する。
前処理部34は、本撮影時に収集部14によって生成された投影データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なって、補正済みの投影データ(生データとも呼ばれる)を生成する。以下では、前処理部34が生成する本撮影に関する補正済みの投影データを再構成用投影データと記載する。また、前処理部34は、位置決め撮影時に収集部14によって生成された投影データに対して、同様の処理を行なって、補正済みの投影データ(生データ)を生成する。以下では、前処理部34が生成する位置決め撮影に関する補正済みの投影データを位置決め画像用投影データと記載する。
投影データ記憶部35は、前処理部34により生成された再構成用投影データ及び位置決め画像用投影データを記憶する。また、投影データ記憶部35は、収集部14により収集された投影データそのものも記憶する。ここで、投影データ記憶部35は、前処理部34により生成された投影データや、収集部14により生成された投影データに対応付けて、管球位置を記憶する。
画像生成部36は、投影データ記憶部35が記憶する投影データを用いて各種画像データを生成する処理部であり、図1に示すように、画像再構成部361と位置決め画像生成部362とを有する。
画像再構成部361は、投影データ記憶部35が記憶する再構成用投影データを用いてX線CT画像データを再構成する。再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、画像再構成部361は、逐次近似法を用いて、X線CT画像データを再構成しても良い。
また、画像再構成部361は、ヘリカルスキャンや、面検出器であるX線検出器13を用いたコンベンショナルスキャン、ステップアンドシュート方式のコンベンショナルスキャンにより収集された投影データを用いて、3次元X線CT画像データを再構成することができる。例えば、画像再構成部361は、複数のアキシャル面の断層像データとして3次元X線CT画像データを再構成する。断層像データは、表示用の2次元X線CT画像データとして用いることができる。また、画像再構成部361は、3次元X線CT画像データから、各種レンダリング処理を行なって、表示用の2次元画像データを生成する。レンダリング処理としては、断面再構成法(MPR:Multi Planar Reconstruction)により、3次元X線CT画像データから任意の断面のMPR画像データを再構成する処理がある。また、レンダリング処理としては、ボリュームレンダリング(Volume Rendering)処理や、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)により、3次元X線CT画像データから3次元の情報を反映したVR画像データやMIP画像データを生成する処理がある。
位置決め画像生成部362は、投影データ記憶部35が記憶する位置決め画像用投影データや、投影データ記憶部35が記憶する位置決め撮影時に収集部14によって生成された投影データ(前処理部34による処理前の投影データ)を用いて、位置決め画像を生成する。本実施形態では、位置決め画像生成部362は、位置決め撮影において収集部14で収集された信号に対して、後述の第1の画像処理を行って、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を制御部38が算出するための、計算用の画像である第1の位置決め画像を生成する。また、位置決め画像生成部362は、位置決め撮影において収集部14で収集された信号に対して、後述の第2の画像処理を行って、表示用の画像である第2の位置決め画像を生成する。計算用の画像である第1の位置決め画像及び表示用の画像である第2の位置決め画像は、位置決め撮影の撮影範囲によらずピクセルサイズを一定の値とされる。位置決め画像生成部362の行う処理の詳細については後述する。
制御部38は、架台装置10、寝台装置20及びコンソール装置30の動作を制御することによって、X線CT装置の全体制御を行う。具体的には、制御部38は、スキャン制御部33を制御することで、架台装置10で行なわれるスキャンを制御する。また、制御部38は、前処理部34や、画像生成部36を制御することで、コンソール装置30における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、制御部38は、画像記憶部37が記憶する各種画像データを、表示装置32に表示するように制御する。また、制御部38は、AEC(Auto Exposure Control)を行う。本実施形態では、制御部38は、位置決め撮影において位置決め画像生成部362が生成した計算用の画像である第1の位置決め画像を用いて、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出する。また、制御部38は、位置決め撮影において位置決め画像生成部362が生成した第1の位置決め画像又は第2の位置決め画像を用いて、寝台移動距離の値を算出する。制御部38は、算出した管電流の値を、スキャン制御部33に送信する。制御部38は、算出した寝台移動距離の値を、スキャン制御部33に送信する。制御部38の行う処理の詳細については後述する。
次に、従来技術に係るX線CT装置において生成される位置決め画像について、図2A〜図3Bを用いて説明する。
図2A〜図3Bは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図である。図2Aの左図の撮影対象40は、被検体Pを表している。図2Aの右図は、従来技術に係るX線CT装置を用いて撮影したときの位置決め画像41を表している。例えば、位置決め画像41には、被検体Pの骨、血管、臓器等が描出される。ここで、位置決め画像41においては、それらの輪郭が、強調されて描出される。
ここで、輪郭が、強調されて描出されるのは、以下のような理由による。第1に、信号には、いくらかのノイズが含まれる。ノイズがある中で、例えば臓器等の輪郭を正確に抽出するために、従来の位置決め画像生成処理では、エッジ検出フィルタなどの画像処理フィルタが用いられ、臓器の輪郭が抽出される。この画像処理フィルタの一例としては、例えば、単純に隣の画素との差分を取る差分フィルタや、各種の一次微分フィルタを用いてエッジ検出を行う方法や、ラプラシアンフィルタなどの二次微分フィルタを用いてエッジ検出を行う方法がある。このような画像処理フィルタを用いることで、被検体Pの骨、血管、臓器等の構造的特徴が効率的に抽出され、ユーザはそれらの輪郭を、高い視認性を持って把握することができる。
ところで、AECでは、例えば、位置決め画像をもとに、本撮影においてX線管12aに供給される電流量が決定される。しかし、従来技術では、エッジ検出フィルタ等の画像処理フィルタが用いられていたため、臓器等の輪郭部分の信号値が過大評価されて(エンハンスされて)、位置決め画像が生成されていたために、本撮影においてX線管12aに供給される電流量の算出に誤差が生じていた。例えば、従来技術で生成された表示用の位置決め画像で管電流計算を実施すると、画像フィルタの影響で、画素値が急峻な変化のある箇所に対して管電流が高く計算される場合があった。
図2Bは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像の特徴について、X線ファントムを撮影対象とした場合の例をとって、説明した図である。図2Bの左図に示す画像50は、X線ファントムを撮影対象として生成された、位置決め画像の典型例である。図2Bの右図に示す画像51は、図2Bの画像50を、画像コントラストを調整して表示したものである。図2A及び図2Bからわかるように、従来技術においては、位置決め画像における、輪郭部分の画素値が、画像処理フィルタの影響でエンハンスされ、過大評価されてしまっている。
図3Aは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像の特徴について、図2A及び図2Bとは別の視点で示した図である。図3Aの上段の二つの図は、それぞれ同じ被検体Pについて位置決め撮影を行った例を示している。左図と右図とでは、位置決め画像撮影の撮影範囲を変えている。左図は、撮影範囲60のように、撮影範囲「小」であるケース、右図は、撮影範囲61のように、撮影範囲「大」であるケースを示している。
以下、説明のため、撮影範囲「小」の場合は、チャネル方向(横方向)の撮影範囲が512mm、体軸方向(縦方向)の撮影範囲が、512mmの例で説明する。撮影範囲「大」の場合は、チャネル方向の撮影範囲が512mm、体軸方向の撮影範囲が1536mmの例で説明する。
従来技術では、位置決め画像の生成は、位置決め画像の撮影範囲によらず、予め固定された数の「マトリクス数」を用いて行われる。マトリクス数の値の例としては、例えば、128、256、512、1024等の数、或いは、10、100、1000等の値とされる。例えば、「チャネル方向のマトリクス数が512である」とは、チャネル方向に512個のピクセルが存在することを意味する。
また、例えば、「体軸方向のマトリクス数が512である」とは、体軸方向に512個のピクセルが存在することを意味する。例えば、チャネル方向のマトリクス数が512、体軸方向のマトリクス数が512の場合、位置決め画像は、512×512=262144個のピクセルを用いて生成される。以下、図3Aの例では、チャネル方向のマトリクス数が512、体軸方向のマトリクス数が、512の例で説明する。
ここで、各ピクセルが担当する領域の大きさである、「ピクセルサイズ」と、「マトリクス数」と「撮影範囲」との間には、以下の関係式が成り立つ。関係式(1)は、「チャネル方向の撮影範囲=チャネル方向のピクセルサイズ×チャネル方向のマトリクス数」である。関係式(2)は、「体軸方向の撮影範囲=体軸方向のピクセルサイズ×体軸方向のマトリクス数」である。
例えば、図3Aの撮影範囲60のように、撮影範囲「小」の場合、チャネル方向の撮影範囲が512mm、体軸方向の撮影範囲が、512mmであり、チャネル方向のマトリクス数、体軸方向のマトリクス数がともに512であった場合、ピクセルサイズは、チャネル方向、体軸方向ともに、512mm÷512=1mmとなる。図3Aのマトリクス62は、このような状況、すなわちピクセルサイズがチャネル方向にも体軸方向にも小さい場合、について示している。
次に、図3Aの撮影範囲61のように、撮影範囲「大」の場合を考える。この場合、チャネル方向の撮影範囲は、512mm、体軸方向の撮影範囲は1536mmであり、チャネル方向のマトリクス数、体軸方向のマトリクス数がともに512であるから、ピクセルサイズは、チャネル方向には、512mm÷512=1mmとなり、体軸方向には、1536mm÷512=3mmとなる。
すなわち、従来技術では、体軸方向のピクセルサイズが大きくなってしまう。図3Aのマトリクス63は、このような状況、すなわちピクセルサイズがチャネル方向には小さいが、体軸方向には大きくなってしまう例を示している。体軸方向に撮影範囲が大きいため、撮影範囲「小」の場合と同じマトリクス数で位置決め画像を生成しようとすると、体軸方向のピクセルサイズが必然的に大きくなってしまう。この結果、体軸方向の画像分解能が低下する。
或いは、従来技術では、撮影範囲「大」の場合、例えば、上述したように、ピクセルサイズが、チャネル方向には、1mmであり、体軸方向が3mmになる場合、各ピクセルのアスペクト比を保存するために、例えば、チャネル方向のピクセルサイズを3mm、体軸方向のピクセルサイズを3mmとしていた。
図3Aのマトリクス64は、このような状況、すなわちピクセルサイズが、チャネル方向にも、体軸方向にも大きくなってしまう例を示している。体軸方向に撮影範囲が大きい場合、撮影範囲「小」の場合と同じマトリクス数で位置決め画像を生成しようとし、更に各ピクセルのアスペクト比を撮影範囲によらず固定しようとすると、チャネル方向及び体軸方向のピクセルサイズが必然的に大きくなってしまう。この結果、チャネル方向及び体軸方向の画像分解能が低下する。
すなわち、従来技術では、撮影範囲の大きさによらず、予め固定された数のマトリクス数を用いて、位置決め画像が生成されていた。近年、位置決め画像を撮影する撮影範囲は、検出器の多列化や、寝台移動速度の高速化により、広範囲に設定することが可能になった。しかし、従来技術では、撮影範囲の大きさによらず、予め固定された数のマトリクス数が用いられるので、撮影範囲が大きくなると、ピクセルサイズが大きくなり、画像の劣化が生じていた。
更に、撮影範囲が変化するのに伴いピクセルサイズが変化すると、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の算出において、誤差(アーチファクト)が生じる。このことを更に説明する。
図3Aの画像処理フィルタ65は、本撮影においてX線管12aに供給する管電流を算出する過程で用いられるフィルタを模式的に表したものである。位置決め撮影の元となる信号には、いくらかのノイズが含まれる。ノイズの影響を取り除いて、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を正しく算出するために、例えば、平滑化フィルタが用いられる。平滑化フィルタを用いて信号強度を空間的に平均化することで、ノイズの影響を取り除いた信号強度を得ることができる。ここで、平滑化フィルタの例としては、例えば、前後左右の所定の数のピクセルを足し合わせて平均をとる移動平均フィルタや、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタ、非線形フィルタ等が挙げられる。移動平均フィルタの場合、例えば、チャネル方向及び体軸方向に、それぞれ3点の移動平均を取った値を、フィルタ後の信号値とする。この場合、トータルで3×3=9個の点を足し合わせて平均化することになる。また、例えば、チャネル方向及び体軸方向に、それぞれ10点移動平均を取った値を、フィルタ後の信号値としても良い。この場合、トータルで10×10=100個の点を足し合わせて平均化することになる。画像処理フィルタ65は、このような状況を模式的に表したものである。画像処理フィルタ65は、マトリクス62の場合のピクセルサイズに適したフィルタである。
従来技術においては、撮影範囲が変化しピクセルサイズが変化しても、その後のフィルタ処理として、撮影範囲によらず同じフィルタを使用していたため、本撮影でX線管に供給する管電流の値の算出に誤差が生じていた。例えば、画像処理フィルタ65は、マトリクス62の場合のピクセルサイズに適したフィルタであるが、マトリクス63やマトリクス64の場合のピクセルサイズに適したフィルタではない。従って、ピクセルサイズがマトリクス63やマトリクス64のようになる状況において、画像処理フィルタ65を用いて平滑化処理を行うと、管電流の計算に誤差が生じてしまう。
これに対する解決策として、例えば、撮影範囲の変化に応じて、画像処理フィルタ65を変化させることが考えられる。しかし、位置決め撮影ごとの撮影範囲の変化に対して、画像処理フィルタ65を適切に変化させるのは難しい。このことを具体的に説明する。例えば、第1の撮影範囲の時に、チャネル方向及び体軸方向それぞれに、3点の移動平均を取るフィルタを使用していたと仮定する。次に、第2の撮影範囲で撮影した結果、ピクセルサイズが1.1倍になったと仮定する。このとき、移動平均を取る点の数は整数でなければならないので、3×1.1=3.3点の移動平均を取るフィルタを使用する、というわけにはいかず、3点の移動平均を取るフィルタを使用するか、4点の移動平均を取るフィルタを使用するかのいずれかになる。従って、撮影範囲の変化に対して、画像処理フィルタ65を適切に変えることは難しい。
図3Bは、従来技術に係るX線CT装置が生成する位置決め画像の特徴について、被検体Pを撮影対象とした場合を例として、説明した図である。図3Bの左図では、例えば、512×512のマトリクスに対応する表示画面71上に、撮影範囲全体が収まるマトリクスサイズにより生成された位置決め画像70を示している。図3Bの左図では、撮影範囲全体が収まるマトリクスサイズを用いているため、位置決め画像70が縮小されて表示され、更に、画像データの存在しない領域が、表示画面71上に登場していることを示している。そして、図3Bの右の画像72は、位置決め画像70の一部領域を、拡大して表示したものである。後述の図5Bと比較するとわかるように、従来技術においては、撮影範囲が大きくなったことが原因でピクセルサイズが大きくなってしまうため、位置決め画像の画質が劣化してしまう。この結果、管電流の値の算出に誤差が生じてしまう。また、従来技術では、ピクセルサイズが大きくなってしまうため、表示用の位置決め画像も劣化してしまう。
そこで、本実施形態では、位置決め画像生成部362は、位置決め撮影において収集部14により収集された信号を用いて、位置決め撮影の撮影範囲によらずピクセルサイズが一定の値となる位置決め画像を生成する。そして、制御部38は、上記の位置決め画像を用いて、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出する。具体的には、位置決め画像生成部362は、位置決め撮影において収集部14により収集された信号を用いて、制御部38が管電流の値を算出するための第1の位置決め画像と、ユーザに表示するための第2の位置決め画像とを生成する。制御部38は、第1の位置決め画像を用いて、管電流の値を算出する。
例えば、位置決め画像生成部362は、撮影対象の輪郭が強調されない第1の画像処理を行って第1の位置決め画像を生成し、撮影対象の輪郭が強調される第2の画像処理を行って第2の位置決め画像を生成する。一例として、位置決め画像生成部362は、平滑化処理を用いて第1の画像処理を行い、エッジ検出処理を含む処理を用いて第2の画像処理を行う。ここで、位置決め画像生成部362には、第1の位置決め画像と第2の位置決め画像とを、並列処理で生成しても良いし、任意の順番で時系列に沿って生成しても良い。
また、制御部38は、これらの位置決め画像を用いて、被検体Pの厚みと、位置決め撮影の位置から本撮影の有効視野の中心まで被検体Pを移動させる距離とを算出し、算出した厚みと距離とに基づいて、管電流の値を算出する。なお、制御部38は、位置決め撮影を複数の方向から行い、位置決め画像生成部362により生成された複数の方向それぞれの位置決め画像を用いて、管電流の値を算出する。
以下、図4A〜図5Cを用いて、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について説明する。図4A〜図5Cは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について示した図である。
図4Aの左図の撮影対象80は、被検体Pを表している。図4Aの右図は、実施形態に係る第1の位置決め画像81を表している。例えば、第1の位置決め画像81では、被検体Pの、骨、血管、臓器等が、位置決め画像として描出されている。
ここで、実施形態では、位置決め画像生成部362は、収集部14により収集された信号を用いて、撮影対象の輪郭を強調しない画像処理を行って第1の位置決め画像を生成する。すなわち、実施形態で生成された第1の位置決め画像81は、内部的にエンハンスが起こっていない位置決め画像になっている。図4Aの右図は、図2Aの右図に示す位置決め画像41とは異なり、第1の位置決め画像81において、撮影対象の輪郭が強調されない位置決め画像が生成されたことを表している。
撮影対象の輪郭を強調しない画像処理の例としては、例えば、収集部14により収集された信号に対して行う、平滑化フィルタ処理が挙げられる。平滑化フィルタ処理の例としては、例えば、移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタ、非線形フィルタ等を用いる処理があげられる。
また、撮影対象の輪郭を強調しない画像処理の別の例としては、収集部14により収集された信号に対して、恒等変換を施す処理が挙げられる。かかる場合、位置決め画像生成部362は、収集部14により収集された信号に対して、何らフィルタ処理を行わない。
また、撮影対象の輪郭を強調しない画像処理の別の例としては、収集部14により収集された信号に対して、差分フィルタ、微分フィルタ、ラプラシアンフィルタなど各種エッジ検出フィルタを使用して、輪郭を検出するフィルタを適用するエッジ検出処理を行ったのち、検出したエッジに対してアンチエイリアシング処理を行い、輪郭をぼかす処理を組み合わせる処理が挙げられる。
位置決め画像生成部362は、このような画像処理を行って、撮影対象の輪郭を強調しない第1の位置決め画像を生成する。この結果、本撮影においてX線管12aに供給される電流の値の算出誤差を、低減することができる。
図4Bは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像の特徴について、X線ファントムを撮影対象とした場合の例をとって説明した図である。図4Bの左図に示す画像82は、X線ファントムを撮影対象として生成された第1の位置決め画像の例である。図4Bの右図に示す画像83は、画像82を、画像コントラストを調整して表示したものである。図4A及び図4Bからわかるように、実施形態においては、計算用の位置決め画像である第1の位置決め画像における輪郭付近での画素値の変化が、図2A及び図2Bと比較して、緩やかになっている。その結果、輪郭付近での画素値の影響により、算出される電流強度が過大評価されるのを防ぐことができる。
図5Aは、図3Aと同様に、撮影範囲90が撮影範囲「小」であるケース、撮影範囲91が撮影範囲「大」であるケースを示している。図3Aと同様に、撮影範囲「小」の場合は、チャネル方向(横方向)の撮影範囲が512mm、体軸方向(縦方向)が512mmの例で説明する。また、撮影範囲「大」の場合は、チャネル方向の撮影範囲が512mm、体軸方向の撮影範囲が1536mmの例で説明する。
従来技術では、マトリクス数が与えられていて(固定されていて)、ピクセルサイズが撮影範囲に応じて変化していた。これに対して、実施形態では、ピクセルサイズが固定されていて、撮影範囲が変わると、マトリクス数が、撮影範囲に応じた可変な値をとりながら変化する。まず、このことについて説明する。
図5Bを用いて、実施形態におけるチャネル方向及び体軸方向のマトリクス数の決定方法について説明する。図5Bは、実施形態におけるチャネル方向及び体軸方向のマトリクス数の決定方法について説明した図である。以下、ピクセルサイズが、1mmの場合について説明する。
位置決め画像生成部362は、チャネル方向のマトリクス数を、装置のジオメトリから算出する。チャネル方向とは、例えば図5Bに示されている、横方向のことである。また、ここでいう装置のジオメトリとは、X線管12a、X線検出器13及び被検体Pの幾何学的配置、すなわち相対的位置関係のことである。装置のジオメトリにより、チャネル方向の有効な撮影範囲が算出される。例えば、X線検出器13において、X線の照射範囲から外れた場所は、有効な撮影範囲から外される。また、被検体Pが明らかに存在しない場所は、有効な撮影範囲から外される。このように、有効な撮影範囲ではない領域を除外し、装置がデータを収集できる範囲を算出し、チャネル方向の有効撮影範囲の値を得ることができる。ところで、チャネル方向の有効撮影範囲、チャネル方向のピクセルサイズ、チャネル方向のマトリクス数の間には、関係式「チャネル方向の有効撮影範囲=チャネル方向のピクセルサイズ×チャネル方向のマトリクス数」が成り立つ。例えば、チャネル方向の有効撮影範囲が1000mmであり、チャネル方向のピクセルサイズが1mmの場合では、チャネル方向のマトリクス数は、1000mm÷1mm=1000となる。チャネル方向のマトリクス数は、撮影する臓器等の種類によらず、装置のジオメトリ及びチャネル方向のピクセルサイズが与えられれば一意的に定まる。
また、位置決め画像生成部362は、体軸方向のマトリクス数を、撮影範囲の体軸方向における大きさから算出する。すなわち、位置決め画像生成部362は、体軸方向のマトリクス数を、体軸方向の撮影範囲に応じて可変となるように算出する。体軸方向とは、例えば図5Bに示されている、縦方向のことである。ここで、チャネル方向の有効撮影範囲が、装置のジオメトリによって決まる通常固定した値なのに対して、体軸方向の撮影範囲の値は、例えば、位置決め撮影の都度、任意に決定される値である。チャネル方向の場合と同様に、体軸方向の撮影範囲、体軸方向のピクセルサイズ、体軸方向のマトリクス数の間には、関係式「体軸方向の撮影範囲=体軸方向のピクセルサイズ×体軸方向のマトリクス数」が成り立つ。
例えば、図5Aのマトリクス92のように、撮影範囲「小」の場合、すなわち体軸方向の撮影範囲が、512mmであり、体軸方向のピクセルサイズが1mmであった場合、体軸方向のマトリクス数は、512mm÷1mm=512となる。図5Aのマトリクス92は、このような状況、すなわちピクセルサイズがチャネル方向にも体軸方向にも小さい場合、について示している。
また、例えば、図5Aのマトリクス93のように、撮影範囲「大」の場合、すなわち体軸方向の撮影範囲が1536mmであり、体軸方向のピクセルサイズが1mmの場合、体軸方向のマトリクス数は、1536mm÷1mm=1536となる。このように、撮影範囲「小」の場合でも、撮影範囲「大」の場合でも、ピクセルサイズは同じになる。その代わりに、位置決め画像生成部362は、体軸方向のマトリクス数を、体軸方向の撮影範囲に応じて可変となるように算出する。これらの例からわかるように、ピクセルサイズを固定しているので、体軸方向の撮影範囲が大きければ、体軸方向のマトリクス数は多く、体軸方向の撮影範囲が小さければ、体軸方向のマトリクス数は少なくなる。
かかる構成を用いることにより、撮影範囲が変化しても、第1の位置決め画像のピクセルサイズが一定になる。これにより、本撮影時における管電流の値の算出誤差を低減することができる。例えば、500mmを大きく超えるような撮影範囲になるときでも、本撮影時における管電流の値の算出誤差を低減することができる。なお、位置決め画像生成部362は、表示用の第2の位置決め画像についても、位置決め撮影の撮影範囲によらずピクセルサイズが一定の値となる画像を生成する。
図5Aの画像処理フィルタ94は、本撮影においてX線管12aに供給する管電流を算出する過程で用いられるフィルタを模式的に表したものである。画像処理フィルタ94の具体例としては、例えば、移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタ、非線形フィルタ等が挙げられる。位置決め画像生成部362は、画像処理フィルタ94を用いて、管電流の値を算出するための画像を生成する。撮影範囲「小」の場合でも、撮影範囲「大」の場合でも、ピクセルサイズが一定なので、画像処理フィルタ94として、撮影範囲の大きさによらず、同一の画像処理フィルタ94を用いることができる。この結果、管電流の計算の算出誤差を低減することができる。
図5Cは、実施形態に係るX線CT装置が生成する位置決め画像について、被検体Pを撮影対象とした場合の例をとって、説明した図である。図5Cの左図に示す画像95は、実施形態における第1の位置決め画像の例である。図5Cの右図の画像96は、画像95の一部領域を、拡大して表示したものである。図5Cでは、計算用の位置決め画像の画質が、図3Bと比較して向上していることを示している。この結果、本実施形態では、管電流計算の誤差を低減することができる。また、撮影範囲が大きくなっても、ピクセルサイズが一定となりピクセルサイズが大きくならないので、計算用の位置決め画像(第1の位置決め画像)のみならず、表示用の位置決め画像(第2の位置決め画像)についても、画質が劣化するのを防ぐことができる。この結果、本実施形態では、ユーザに表示する位置決め画像の画質が劣化するのも防止することができる。
次に、図6及び図7を用いて、本実施形態に係るX線CT装置の処理の一例について説明する。図6及び図7は、実施形態に係るX線CT装置が行う処理の流れについて説明したフローチャートである。図6は、実施形態において制御部38及び位置決め画像生成部362が行う処理の流れについて説明したフローチャートである。図6に示すように、制御部38は、入力装置31等を通じて、位置決め撮影の条件を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。位置決め撮影の条件を受け付けていないと判定した場合には(ステップS101 No)、制御部38は、位置決め撮影の条件を受け付けるまで待機する。位置決め撮影の条件を受け付けた場合には(ステップS101 Yes)、制御部38は、位置決め撮影の条件を、位置決め画像生成部362に通知する。位置決め画像生成部362は、制御部38から位置決め撮影の条件を取得すると、チャネル方向のマトリクス数及び体軸方向のマトリクス数を算出する(ステップS102)。具体的には、図5Bの説明において述べたように、位置決め画像生成部362は、位置決め画像のチャネル方向のマトリクス数を、位置決め撮影における、X線管12aと、被検体Pと、X線検出器13との位置関係から算出する。また、位置決め画像生成部362は、体軸(スライス)方向のマトリクス数を、撮影範囲の体軸方向における大きさから算出する。換言すると、取得部としての位置決め画像生成部362は、定められた位置決め撮影条件に基づいて、位置決め画像のチャネル方向および体軸(スライス)方向のマトリクス数を取得する。位置決め画像生成部362は、算出したチャネル方向のマトリクス数及び体軸方向のマトリクス数を、制御部38に通知する。制御部38は、位置決め画像生成部362から、チャネル方向のマトリクス数及び体軸方向のマトリクス数を取得すると、スキャン制御部33に位置決め撮影の撮影条件を通知する。スキャン制御部33は、制御部38から位置決め撮影の撮影条件を取得すると、X線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14、寝台駆動装置21等に制御情報を通知する。その結果、収集部14は、位置決め撮影におけるデータ(すなわち、X線管12aから照射され、被検体Pを透過したX線に由来する信号)を収集する(ステップS103)。
なお、チャネル方向のマトリクス数及び体軸方向のマトリクス数は、データ収集段階で必要とされるパラメータではなく、データ収集後の画像処理に関するパラメータであるから、ステップS102とステップS103の順番は入れ替えても良い。すなわち、制御部38がスキャン制御部33に位置決め撮影条件を送信し、位置決め撮影データ収集が行われた後に、位置決め画像生成部362は、チャネル方向のマトリクス数及び体軸方向のマトリクス数を算出しても良い。
位置決め画像生成部362は、撮影対象の輪郭が強調されない第1の画像処理を行って第1の位置決め画像(計算用画像)を生成する(ステップS104)。例えば、位置決め画像生成部362は、平滑化処理を用いて第1の画像処理を行う。このとき、位置決め画像生成部362は、図3A及び図3Bで説明したように、位置決め撮影の撮影範囲によらずピクセルサイズが一定の値となる位置決め画像を、第1の位置決め画像として生成する。この処理は、位置決め撮影において収集部14により収集された信号および、ステップS102において取得したマトリクス数に基づいて、行われる。
位置決め画像生成部362が第1の位置決め画像(計算用画像)を生成すると、制御部38は、位置決め画像生成部362から、第1の位置決め画像(計算用画像)を取得する。制御部38は、第1の位置決め画像(計算用画像)をもとに、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出する(ステップS105)。ステップS105の手順については後ほど詳述する。
換言すると、制御部38は、位置決め撮影において収集部14により収集された信号および第1のフィルタを用いた再構成処理により取得される第1の画像に基づいて、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出する。ここで、第1のフィルタは、撮影対象の輪郭が強調されない第1の画像処理に用いられる第1のフィルタであり、撮影対象の輪郭が強調される第2の画像処理に用いられる第2のフィルタと対比される。
制御部38が、管電流の値を算出すると、ステップS109以降の処理を行うための条件の一つが満たされることになる。
また、位置決め画像生成部362は、撮影対象の輪郭が強調される第2の画像処理を行って第2の位置決め画像(表示用画像)を生成する(ステップS106)。例えば、位置決め画像生成部362は、エッジ検出処理を含む処理を用いて第2の画像処理を行う。
位置決め画像生成部362が第2の位置決め画像(表示用画像)を生成すると、制御部38は、位置決め画像生成部362から、第2の位置決め画像(表示用画像)を取得する。
換言すると、位置決め画像生成部362は、位置決め撮影において収集部14により収集された信号および第2のフィルタを用いた再構成処理により位置決め画像として第2の画像を生成する。ここで、前述したように、第2のフィルタは、撮影対象の輪郭が強調される第2の画像処理に用いられるフィルタである。
制御部38は、位置決め画像生成部362から、第2の位置決め画像(表示用画像)を取得すると、表示装置32に、表示用画像のデータを送信する。表示装置32は、表示用画像のデータを受信すると、ユーザに表示用画像を表示する(ステップS107)。
また、制御部38は、表示装置32に、表示用画像のデータを送信するとともに、入力装置31との接続を確立する。入力装置31は、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付ける。制御部38は、入力装置31を通じて、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS108)。制御部38は、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS108 No)、入力装置31に引き続きユーザからの入力を受け付けさせ、入力が受け付けられるまで待機する。入力装置31を通じて、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付けた場合(ステップS108 Yes)、入力装置31は、制御部38に、スキャン計画の入力を受け付けた旨、及び、入力されたスキャン計画を、通知する。制御部38が、スキャン計画の入力を受け付けた旨の情報を入力装置31から受信すると、ステップS109以降の処理を行うための条件の一つが満たされることとなる。
なお、ステップS104〜S105、及び、ステップS106〜ステップS108は、並列処理で(concurrently)行われても良いし、時系列に沿って(sequentially)任意の順番で行われても良い。すなわち、位置決め画像生成部362は、第1の位置決め画像と第2の位置決め画像とを、並列処理で生成しても良い。また、位置決め画像生成部362は、第1の位置決め画像と、第2の位置決め画像とを、任意の順番で時系列に沿って生成しても良い。また、並列処理で行われる場合、これらの処理は、必ずしも、同時に(simultaneously)処理されることを要しない。
前述した2つの処理、すなわち、管電流算出(ステップS105)及びスキャン計画の入力の受け付け(ステップS108 Yes)が完了すると、制御部38は、スキャン制御部33に、算出された管電流の値、及び、入力されたスキャン計画を通知する(ステップS109)。スキャン制御部33は、制御部38から受信した管電流の値、及びスキャン計画に従って、X線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14、寝台駆動装置21等を制御する。この結果、本撮影が実行される(ステップS110)。これにより、処理が完了する。なお、本実施形態では、ステップS101において、位置決め撮影の条件として、複数の方向での撮影を受け付ける。このため、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS106及びステップS107の処理は、受け付けた複数の方向それぞれで行われ、ステップS105の処理は、複数の方向それぞれの第1の位置決め画像を用いて行われる。
次に、位置決め画像生成部362が生成した位置決め画像を用いて、実施形態に係るX線CT装置が有する制御部38が行う処理について説明する。制御部38は、計算用画像である第1の位置決め画像を位置決め画像生成部362から取得すると、第1の位置決め画像を用いて、被検体Pの厚みを算出し、算出した厚みに基づいて、管電流の値を算出する。図7は、この処理の手順について説明したフローチャートである。図7のフローチャートは、図6のステップS105において、制御部38が行う処理を、詳述したものになっている。
図7に示すように、制御部38は、位置決め画像生成部362から、計算用画像を取得したか否かを判定する(ステップS200)。位置決め画像生成部362が、計算用画像を未だ生成していない場合には、制御部38は、計算用画像を取得せず(ステップS200 No)、位置決め画像生成部362が計算用画像を生成するまで待機する。位置決め画像生成部362が、計算用画像を生成した場合、制御部38は、計算用画像を取得し(ステップS200 Yes)、被検体Pの厚みを算出する(ステップS201)。制御部38は、ビューごとに、被検体Pの厚みを算出する。例えば、制御部38は、被検体Pの厚みを、被検体の断面が楕円になると仮定して算出する。
ステップS201において、計算用画像をもとに被検体Pの厚みを算出すると、制御部38は、続けて、本撮影時の画像が有するノイズレベルの設定値を、例えば、入力装置31や、画像記憶部37や、図示されていないデータベースから取得する(ステップS202)。制御部38は、続いて、本撮影における撮影範囲を取得する(ステップS203)。例えば、制御部38は、入力装置31を通じて、ユーザから、本撮影における撮影位置及び撮影範囲の入力を受け付ける。これに先立ち、制御部38は、必要に応じて、表示装置32を通じて、ステップS106で生成した表示用画像を、ユーザに表示する。
ところで、ステップS201〜ステップS203は、この順番で処理されることを要しない。例えば、制御部38は、ステップS201で被検体の厚みを算出し、ステップS203で撮影範囲を取得した後、ステップS202でノイズレベルを取得してもよい。また、ステップS201〜ステップS203は、時系列に沿ってこの順番で処理される必要はなく、並列処理で処理されてもよい。
被検体Pの厚みが算出され、ノイズレベル及び撮影範囲を取得すると、制御部38は、被検体Pの厚み及びノイズレベルの設定をもとに、管電流の値を算出する(ステップS204)。具体的には、制御部38は、本撮影を行った場合に生成されると期待される本撮影画像のノイズレベルが所定のレベルになるための管電流の値を算出する。すなわち、被検体Pの厚み及び管電流の値が定まれば、その条件で撮影を行った場合に期待されるノイズレベルが一意に定まることから、制御部38は、被検体Pの厚み及びノイズレベルを与えられたパラメータとして、与えられたノイズレベルになると期待される管電流の値を算出する。管電流の値が算出されると、制御部38が行う処理が完了する。なお、本実施形態では、ステップS200において、複数の方向それぞれの第1の位置決め画像を取得し、ステップS201以降の処理は、複数の方向それぞれの第1の位置決め画像を用いて行われる。
上述したように、本実施形態では、制御部38は、輪郭部分の信号値がエンハンスされず、且つ、ピクセルサイズが位置決め撮影の撮影範囲によらず一定となる位置決め画像を、計算用の画像として用いて、AECにより管電流の値を算出する。これにより、本実施形態では、X線管12aに供給される管電流の値の算出誤差を低減することができる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、位置決め画像生成部362は、撮影対象の輪郭が強調されない第1の画像処理を行って、第1の位置決め画像(計算用画像)を生成する。また、位置決め画像生成部362が計算用画像を生成すると、制御部38は、位置決め画像生成部362から、計算用画像を取得し、計算用画像を基に、本撮影においてX線管12aに供給する管電流の値を算出する。しかしながら、実施形態はこれに限られない。例えば、制御部38は、生データ(すなわち、位置決め撮影において収集部14により収集された信号)に基づいて、管電流の値を算出してもよい。
図8は、その他の実施形態に係るX線CT装置の行う処理について説明したフローチャートである。
なお、図6で説明した処理と同様の処理については、適宜、詳しい説明は省略する。
図6において説明したのと同様に、制御部38は、入力装置31等を通じて、位置決め撮影の条件を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。続いて、図6と同様に、位置決め画像生成部362は、位置決め画像のチャネル方向のマトリクス数を、位置決め撮影における、X線管12aと、被検体Pと、X線検出器13との位置関係から算出する。また、位置決め画像生成部362は、体軸(スライス)方向のマトリクス数を、撮影範囲の体軸方向における大きさから算出する(ステップS102)。換言すると、取得部としての位置決め画像生成部362は、定められた位置決め撮影条件に基づいて、位置決め画像のチャネル方向および体軸(スライス)方向のマトリクス数を取得する。続いて、収集部14は、同様に、X線管12aから照射され、被検体Pを透過したX線に由来する信号を収集する(ステップS103)。
位置決め画像生成部362は、同様に、位置決め撮影において収集部14により収集された信号およびフィルタ(すなわち、図6において、「第2のフィルタ」に対応するフィルタ)を用いた再構成処理により位置決め画像(表示用画像)を生成する(ステップS106)。制御部38は、位置決め画像生成部362から、表示用画像を取得すると、表示装置32に、表示用画像のデータを送信する。表示装置32は、表示用画像のデータを受信すると、ユーザに表示用画像を表示する(ステップS107)。制御部38は、表示装置32に、表示用画像のデータを送信するとともに、入力装置31との接続を確立する。制御部38は、入力装置31を通じて、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS108)。入力装置31は、ユーザから、スキャン計画の入力を受け付けた場合(ステップS108 Yes)、制御部38に、スキャン計画の入力を受け付けた旨、及び、入力されたスキャン計画を、通知する。これにより、ステップS109以降の処理を行うための条件の一つが満たされることとなる。
一方、図6において説明した処理とは異なり、その他の実施形態に係るX線CT装置では、収集部14がステップS103において位置決め撮影におけるデータ(信号)を収集すると、制御部38は、位置決め撮影において収集部14により収集されたデータ(信号)に基づいて、画像生成を経由することなく、直接本撮影においてX線管に供給する管電流の値を算出する。すなわち、制御部38は、生データを用いて管電流を直接算出する(ステップS105B)。
一例として、制御部38は、生データのデータ値と、当該データ値に対応する最適な管電流の値のテーブルを、当該テーブルが予め記録された画像記憶部37から取得する。前処理部34が、収集部14により収集されたデータに対して処理を行い補正済みの投影データ(生データ)を生成すると、制御部38は、生データと当該テーブルを基に、最適な管電流の値を算出する。
生データを用いた管電流算出(ステップS105B)及びスキャン計画の入力の受け付け(ステップS108 Yes)が完了すると、制御部38は、スキャン制御部33に、算出された管電流の値、及び、入力されたスキャン計画を通知する(ステップS109)。スキャン制御部33はX線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14、寝台駆動装置21等を制御する。この結果、本撮影が実行される(ステップS110)。これにより、処理が完了する。
ステップS105Bにおいて、制御部38が、生データを用いて管電流を直接算出する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、制御部38は、前処理部34による処理が行われる前のデータである純生データを用いて管電流を算出してもよい。一例として、制御部38は、オールエアー(被検体Pが天板22に載置されてない状態)のカウントから、被検体Pが天板22に載置されている状態で行われた撮影のカウント数を差し引いたカウント数を用いて管電流を算出してもよい。
その他の実施形態で説明した例では、位置決め画像生成部362は、画像生成なしに、管電流算出を行う。これにより、画像生成に伴う計算負荷を軽減することができる。また、画像生成処理の過程でのノイズの混入を防止することができる。
また、これまでの実施形態において、位置決め撮影を複数の方向から行う例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、制御部38は、位置決め撮影を一つの方向から行い、位置決め画像生成部362により生成された一つの方向の位置決め画像を用いて、管電流の値を算出しても良い。また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって、実施形態に係るX線CT装置が行う画像処理を実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上述べた実施形態によれば、X線管に供給される管電流の値の算出誤差を低減することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
14 収集部
362 位置決め画像生成部
38 制御部

Claims (8)

  1. X線管から照射され、被検体を透過したX線に由来する信号を収集する収集部と、
    定められた位置決め撮影条件に基づいて、本撮影における管電流の値を算出するときに使用する第1の画像のチャネル方向およびスライス方向のマトリクス数を取得する取得部と、
    置決め撮影において前記収集部により収集された前記信号および前記マトリクス数に基づいて、前記位置決め撮影の範囲によらずピクセルサイズが一定の値となる前記第1の画像を生成する画像生成部と、
    前記第1の画像に基づいて、前記管電流の値を算出する制御部と
    を備えるX線CT装置。
  2. 前記画像生成部は、前記位置決め撮影の範囲における撮影対象の輪郭が強調されていない前記第1の画像を生成する、請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記画像生成部は、前記位置決め撮影において前記収集部により収集された前記信号に基づいて、前記本撮影の範囲を決めるときに使用する、前記撮影対象の輪郭が強調された第2の画像を生成する、請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記画像生成部は、前記位置決め撮影において前記収集部により収集された前記信号および第1のフィルタを用いて、前記第1の画像を生成し、前記位置決め撮影において前記収集部により収集された前記信号および、前記第1のフィルタとは異なる第2のフィルタを用いて、前記第2の画像を生成する、請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記画像生成部は、前記第1のフィルタによる平滑化処理を用いて前記第1の画像を生成し、前記第2のフィルタによるエッジ検出処理を含む処理を用いて前記第2の画像を生成する、請求項に記載のX線CT装置。
  6. 前記画像生成部は、前記第1の画像と前記第2の画像とを、並列処理で生成する、請求項3〜5のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  7. 前記画像生成部は、前記第1の画像と前記第2の画像とを、任意の順番で時系列に沿って生成する、請求項3〜5のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  8. 前記画像生成部は、前記第1の画像のチャネル方向のマトリクス数を、前記位置決め撮影における前記X線管と、前記被検体と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器との位置関係から算出し、前記第1の画像のスライス方向のマトリクス数を、前記範囲の前記スライス方向における大きさから算出する、請求項1〜7のいずれか一つに記載のX線CT装置。
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