JP6627737B2 - 単結晶引上げ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski method:CZ法)による単結晶引上げ装置に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の育成において、ルツボ内に初期投入されている原料は、ルツボを囲むように設置されているヒーターにより加熱され、シリコン融液が形成される(初期チャージ)。
この初期チャージにおいて、ルツボ内下部の固体原料が溶融し、上部の固体原料が落下(一段目落下)することにより黒鉛製の熱遮蔽部材へ飛び散ったシリコン融液が付着する。また、ルツボ内に初期投入された固形原料は空隙率が大きく、原料の充填率が小さい。そのため、ルツボ内のシリコン融液へは、通常、原料の追加投入が行われる。この原料の追加投入では、ルツボ内のシリコン融液に固形の原料が落下することで、湯飛びが発生し、ルツボ上部にある熱遮蔽部材にシリコン融液が付着する。
一方で、シリコン融液は溶融状態を保つ必要があるため、操業中にはルツボ内の原料が固化しないようにヒーターにより加熱され続ける。そのため、シリコン融液の一部が蒸発し、ルツボ上部の熱遮蔽部材にシリコンが蒸着される。その結果、黒鉛製の熱遮蔽部材に付着した湯飛びや蒸着したシリコンが操業中に溶け出しルツボ内のシリコン融液に混入することにより、結晶中に炭素が取り込まれるといった問題が生じていた。
そこで操業中にルツボ上部の部材がシリコン融液に接触することにより炭素濃度が増加する問題点を解決し、結晶中の炭素濃度を低減する方法として特許文献1では、輻射熱を遮蔽する輻射シールドとシリコン融液との接触による汚染を防ぐためのシールド下端部から構成されており、シールド下端部の材料として石英を用いることにより、シリコン融液との接触による不純物の低減を図る方法が提案されている。
この特許文献1の方法では、石英からなるシールド下端部により輻射シールドが保護されているため、シールド下端部に付着したシリコン融液がルツボ内のシリコン融液に混入しても結晶中の炭素濃度を低減することが可能である。
特開2007−191353号公報
しかしながら特許文献1の方法では、黒鉛製の輻射シールドと石英製のシールド下端部が接触しているため、輻射シールドとシールド下端部による反応ガスが発生するという問題がある。特に、この特許文献1の実施例では直径8インチ(約200mm)のシリコン単結晶を育成しているが、例えば、直径12インチ(約300mm)のシリコン単結晶製造装置の場合では、輻射シールドとシールド下端部の接触面積が増大するため、発生した反応ガスがシリコン融液内に混入することにより結晶中の炭素濃度がより上昇するという問題があった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、熱遮蔽部材と石英材が接触することによって発生する反応ガスを低減しつつ、操業中におけるシリコン融液の湯飛びや、シリコン蒸気の蒸着によるシリコン融液中への炭素汚染を抑制することができる単結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チャンバー内に配置されたルツボに収容されたシリコン融液と対向するように配置された熱遮蔽部材を有するチョクラルスキー法による単結晶引上げ装置であって、
前記熱遮蔽部材は、該熱遮蔽部材の前記シリコン融液と対向する側の表面が空間を介して、少なくとも一部が石英板で覆われたものであることを特徴とする単結晶引上げ装置を提供する。
このような単結晶引上げ装置であれば、熱遮蔽部材と石英板が接触しないため、反応ガスの発生を低減することができる。また、熱遮蔽部材の少なくとも一部が石英板で覆われたものであるので、操業中におけるシリコン融液の湯飛びや、シリコン蒸気の蒸着によるシリコン融液中への炭素汚染を抑制することができる。
このとき、前記石英板を保持するための下部プレートと、該下部プレートと前記熱遮蔽部材とを接続するための吊り下げ具とを備えるものであることが好ましい。
このようなものであれば、簡単に空間を介して石英板を保持することが可能となる。
またこのとき、前記吊り下げ具の寸法を変えることによって、前記熱遮蔽部材と前記石英板の間隔を1mmから10mmまで調節することが可能なものであることが好ましい。
このようなものであれば、反応ガス量を大きく低減することがより確実に可能なものとなる。熱遮蔽部材と石英板の間隔が1mm以上であれば、熱遮蔽部材や石英板のそりや熱膨張により、熱遮蔽部材と石英板が接触することを防止することができる。また、熱遮蔽部材と石英板の間隔が10mm以下であれば、石英板がシリコン融液に近接するのを防止することができるので、石英板が高温となって変形することを防止することができ、さらに、熱遮蔽部材と石英板との間に湯飛びが回りこむことを防止できるので、石英板の耐久性の低下や熱遮蔽部材への湯飛びの付着を抑制することができる。
またこのとき、前記石英板、前記下部プレート及び前記吊り下げ具は、前記熱遮蔽部材に対し、着脱自在に設けられものであることが好ましい。
このように石英板、下部プレート及び吊り下げ具が熱遮蔽部材から着脱可能なものであれば、これらがシリコン融液によりひどく汚染されたとしても、交換することにより、結晶に不純物が取り込まれることを簡単に抑制することが可能である。
またこのとき、前記下部プレート及び前記吊り下げ具は、黒鉛材、炭素複合材、モリブデン、タングステン、セラミックスのいずれか、または、これらのいずれかの複合材であることが好ましい。
このように、石英板を保持するために用いる下部プレート及び、下部プレートと熱遮蔽部材とを接続するための吊り下げ具は、高温で安定した材料であることが好ましい。
本発明の単結晶引上げ装置であれば、熱遮蔽部材と石英板が接触しないため、反応ガスの発生を低減したものとなる。また、熱遮蔽部材の少なくとも一部が石英板で覆われたものであるので、操業中におけるシリコン融液の湯飛びや、シリコン蒸気の蒸着によるシリコン融液中への炭素汚染を抑制することができる。
本発明の単結晶引上げ装置の一例を示した概略図である。 本発明の単結晶引上げ装置における石英板と下部プレートの配置例を示した概略図である。 本発明の単結晶引上げ装置における下部プレートの上面図を示した概略図である。 実施例1及び比較例1〜2における結晶中の炭素濃度を比較したグラフである。 実施例2において熱遮蔽部材と石英板の距離を変化させた場合における結晶中の炭素濃度を比較例2と比較したグラフである。 比較例1において用いた単結晶引上げ装置を示した概略図である。 比較例2において用いた単結晶引上げ装置を示した概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、黒鉛製の熱遮蔽部材と石英材が接触することによって発生した反応ガスがシリコン融液内に混入することにより結晶中の炭素濃度がより上昇するという問題があった。
そこで、本発明者らはこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、熱遮蔽部材が、熱遮蔽部材のシリコン融液と対向する側の表面が空間を介して、少なくとも一部が石英板で覆われた単結晶引上げ装置であれば、熱遮蔽部材と石英板が直接接触しないため、反応ガスの発生を低減し、また、熱遮蔽部材の少なくとも一部が石英板で覆われたものであるので、操業中におけるシリコン融液の湯飛びや、シリコン蒸気の蒸着によるシリコン融液中への炭素汚染を抑制することができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の単結晶引上げ装置の一例を示す概略図である。図1では、CZ法による単結晶引上げ装置1を例示したが、本発明は、磁場印加チョクラルスキー法(MCZ法)による単結晶引上げ装置にも適用することができる。
図1に示した単結晶引上げ装置1は、メインチャンバー19と引上げチャンバー20を備えている。メインチャンバー19内には、シリコン融液14を収容する石英ルツボ9、石英ルツボ9を支持する黒鉛ルツボ10、ルツボ9、10を取り囲むように配置されたヒーター6、及び、断熱材7等が格納されている。一方、引上げチャンバー20内には、成長した単結晶4がワイヤー21で引上げられて収容される。
ルツボ9、10は保持軸11で支持されており、結晶成長軸方向に昇降可能である。そして、単結晶4の引き上げに伴うシリコン融液14の液面低下を補うように、ルツボ9、10を液面低下分だけ上昇させるようにしている。
筒部5の下端にはシリコン融液14と対向するように黒鉛製の熱遮蔽部材8が設けられる。熱遮蔽部材8は、シリコン融液14と対向するように配置され、シリコン融液14の表面からの輻射をカットするとともにシリコン融液14の表面を保温するようにしている。
また、メインチャンバー19の内部には、引上げチャンバー20の上部に設けられたガス導入口12から不活性ガス等のガスが導入される。導入されたガスは、引上げ中の単結晶4と筒部5の間を流れ、熱遮蔽部材8の下方と原料融液4の液面との間を通過し、ガス排出口13から排出される。
そして、単結晶引上げ装置1内に配置された石英ルツボ9に原料多結晶を収容し、ヒーター6により加熱し、石英ルツボ9内の原料多結晶を溶融させる。このように原料多結晶を溶融させたものであるシリコン融液14に、ワイヤー21の下端に接続されている種結晶ホルダー2で固定された種結晶3を浸漬させた後、種結晶3を回転させながら引上げることにより、種結晶3の下方に所望の直径と品質を有する棒状の単結晶4を育成する。この際、種結晶3をシリコン融液14に着液させた後に、所望の直径になるまで太らせて、無転位の結晶を引上げることができる。
本発明の単結晶引上げ装置1において、熱遮蔽部材8は、該熱遮蔽部材8のシリコン融液14と対向する側の表面が空間22を介して、少なくとも一部が石英板15で覆われたものである。このようなものであれば、熱遮蔽部材8と石英板15が接触しないため、反応ガスの発生を低減することができる。また、熱遮蔽部材8の少なくとも一部が石英板15で覆われたものであるので、操業中におけるシリコン融液14の湯飛びや、シリコン蒸気の蒸着によるシリコン融液14中への炭素汚染を抑制することができる。そのため、製造した結晶中の炭素濃度を低減する効果がある。
ここで熱遮蔽部材8と石英板15の間に空間22を設けた理由は、熱遮蔽部材8の材料となる炭素と、石英板15が密着すると反応ガスが発生する(様々な反応経路が存在するが、例えば、SiO+C→CO+SiO等)ためであり、反応ガスがシリコン融液14に取り込まれ、その結果、結晶中に炭素が取り込まれ、結晶の炭素濃度が上昇することを防ぐためである。熱遮蔽部材8と石英板15の間に空間22を設けることで、熱遮蔽部材8と石英板15の直接の接触がなくなるために、反応ガス量を大きく低減することが可能となる。また、熱遮蔽部材と石英材の接触による反応ガスの発生に伴い、石英材と熱遮蔽部材の接触面が気体となって放出されるため、石英材の体積は減少する。このため、石英材に発生するクラックや、係合部の減肉により石英材がシリコン融液中に落下する恐れがある。本発明の熱遮蔽部材と石英材との間に空間を設けることにより、石英材と熱遮蔽部材の反応が起きないため、石英材のクラックや係合部の減肉を防止することができる。
このとき、石英板15を保持するための下部プレート16と、該下部プレート16と熱遮蔽部材8とを接続するための吊り下げ具17とを備えるものであることが好ましい。このようなものであれば、簡単に空間22を介して石英板15を保持することができ、反応ガス量を大きく低減することが可能となる。
またこのとき、吊り下げ具17の寸法を変えることによって、熱遮蔽部材8と石英板15の間隔を1mmから10mmまで調節することが可能なものであることが好ましい。このようなものであれば、反応ガス量を大きく低減することがより確実に可能なものとなる。熱遮蔽部材8と石英板15の間隔が1mm以上であれば、熱遮蔽部材8や石英板15のそりや熱膨張により、熱遮蔽部材8と石英板15が接触することを防止することができる。また、熱遮蔽部材8と石英板15の間隔が10mm以下であれば、石英板15がシリコン融液14に近接するのを防止することができるので、石英板15が高温となって変形することを防止することができ、さらに、熱遮蔽部材8と石英板15との間に湯飛びが回りこむことを防止できるので、石英板15の耐久性の低下や熱遮蔽部材8への湯飛びの付着を抑制することができる。
またこのとき、石英板15、下部プレート16及び吊り下げ具17は、熱遮蔽部材8に対し、着脱自在に設けられものであることが好ましい。このように石英板15、下部プレート16及び吊り下げ具17が熱遮蔽部材8から着脱可能なものであれば、これらがシリコン融液14によりひどく汚染されたとしても、交換することにより、結晶に不純物が取り込まれることを抑制することが可能である。
ここで、本願における熱遮蔽部材8と石英板15の密着とは、操業中に熱遮蔽部材8と石英板15が反応することにより石英板15が失透する程度に、熱遮蔽部材8が石英板15に接触することを言う。また、熱遮蔽部材8と石英板15の空間は材料の膨張により接触しない距離以上を有することが適当である。
またこのとき、下部プレート16及び吊り下げ具17は、黒鉛材、炭素複合材、モリブデン、タングステン、セラミックスのいずれか、または、これらのいずれかの複合材であることが好ましい。このように、石英板15を保持するために用いる下部プレート16及び、下部プレート16と熱遮蔽部材8とを接続するための吊り下げ具17は、高温で安定した材料であることが好ましい。
図2に示すように熱遮蔽部材8のシリコン融液に対向する面積の多くを石英板15が有するため、下部プレート16に黒鉛部材を用いても炭素汚染を抑制することが可能である。
また、石英板15が下部プレート16と接触する面積は、なるべく小さくする必要があるため、下部プレート16または石英板15のいずれかの接触面の構造がテーパ部18を有するテーパ形状になっていることがより好ましい。
吊り下げ具17は下部プレート16を用いて石英板15を全周または分割して保持出来れば良い。吊り下げ方法は図に示した方法、形状に限らず、シリコン融液に対向する熱遮蔽部材のほとんどを石英板で覆うことができれば良い。
具体的には例えば、図3に示すように、下部プレート16をリング状とし、石英板15の内周側及び外周側をそれぞれ保持するように2つを配置したものとすることができる。このようなものであれば、石英板15を下部プレート16で安定して支持することができる。
また、吊り下げ具17は、例えば、下部プレート16の周方向において90°ごとに設けたものとすることができる。このようなものであれば、下部プレート16を吊り下げ具17で安定して吊り下げることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した本発明の単結晶引上げ装置において、直径が32インチ(約800mm)のルツボを装備して、磁場印加チョクラルスキー法(MCZ法)を用いて直径が12インチ(約300mm)の単結晶を育成した。
このとき、熱遮蔽部材、下部プレート、吊り下げ具の材質は黒鉛材を用いた。また、熱遮蔽部材と石英板には2mmの間隔を空けた。厚さ10mmの石英板、厚さ5mmの下部プレートを用いた。
結晶の評価として、育成した単結晶の直胴部の後端部より1.5mm程度のサンプルを切り出し、FT−IRを用いて炭素濃度を確認し、このときの結果を図4に示した。図4では、後述する比較例1において育成した単結晶の炭素濃度を1とした場合の炭素濃度比(カーボン濃度比)を示している。
(比較例1)
図6に示した熱遮蔽部材8の下部とシリコン融液14との間に何も構造物を設置しない構造の単結晶引上げ装置100を用いたことを除いて、実施例1と同じ方法で、シリコン単結晶を育成した。
すなわち、比較例1において用いた図6の単結晶引上げ装置100は、図1における石英板15、下部プレート16及び吊り下げ具17を有さないこと以外は単結晶引上げ装置1と同様とした。
そして、実施例1と同様にして、育成した結晶の直胴部の後端部より1.5mm程度のサンプルを切り出し、FT−IRを用いて炭素濃度を確認し、このときの結果を図4に示した。
(比較例2)
図7に示した熱遮蔽部材8の下部に密着した石英部材215を有する構造の単結晶引上げ装置200を用いたことを除いては実施例1と同じ方法で、シリコン単結晶を育成した。
すなわち、比較例2において用いた図7の単結晶引上げ装置200は、熱遮蔽部材8と石英部材215が密着していること及び、図1における、下部プレート16及び吊り下げ具17を有さないこと以外は単結晶引上げ装置1と同様とした。
そして、実施例1と同様にして、育成した結晶の直胴部の後端部より1.5mm程度のサンプルを切り出し、FT−IRを用いて炭素濃度を確認し、このときの結果を図4に示した。
その結果、図4に示すように、比較例1、2は共に、実施例1に比べて炭素濃度が高い結果となった。実施例1では、比較例1の従来の構造に比して、約60%の炭素濃度の低減が得られた。また、比較例2の熱遮蔽部材と石英板が密着した構造における炭素濃度比の値が75%であるのに対して、実施例1における炭素濃度比の値は40%であり、更なる炭素濃度の低減が得られた。従って、熱遮蔽部材と石英板の間に空間を設けることによって炭素濃度が低減することが明確となった。また、比較例2の熱遮蔽部材と石英板が密着した構造では、使用した石英板が失透、減肉が確認された。一方で、実施例1では石英板の失透や減肉は確認できなかった。
(実施例2)
図1に示した本発明の単結晶引上げ装置において、熱遮蔽部材と石英板の間隔を1mm、5mm、10mmと変化させたこと以外は、実施例1と同様にして単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様にして、育成した結晶の直胴部の後端部より1.5mm程度のサンプルを切り出し、FT−IRを用いて炭素濃度を確認し、このときの結果を図5に示した。
図5では、上述した熱遮蔽部材と石英板の間隔が0mm、すなわち熱遮蔽部材と石英板が密着している比較例2における炭素濃度を1とした場合において、実施例2の熱遮蔽部材と石英板の間隔を空けて育成した単結晶の炭素濃度比(カーボン濃度比)を示している。
その結果、図5に示すように、実施例2では、熱遮蔽部材と石英板に空間を設けることによって、比較例2に比べて炭素濃度の低減が得られた。比較例2の熱遮蔽部材と石英板が密着した構造に対して約60%の炭素濃度の低減が得られた。従って、熱遮蔽部材と石英板の間には1mm以上の空間を設けることがより好ましいことが分かった。また、熱遮蔽部材と石英板の空間を10mmより大きく設けた場合(例えば12mm)においても炭素濃度の抑制効果がみられたが、熱遮蔽部材への湯飛びの回り込みや、熱遮蔽部材と石英板の流速の低下によるシリコン蒸気の蒸着が見られたため、10mm以下であることがより好ましい。
尚本特許の主旨は、熱遮蔽部材と石英板の間に空間を設けることによって発生する反応ガスを低減し、結晶に取り込まれる炭素濃度を低減すること、およびシリコン融液の付着面に石英板を設けることで湯飛びや蒸着による炭素濃度の低減を図ることである。
実施例で示された効果は、石英板、下部プレート、吊り下げ具の長さや厚さ、またそれらの材質や形状によって、その大きさが変わってくるものである。今回の実施例では、下部プレートとして黒鉛材を用いているが、その理由は操業時の熱に対する耐久性が金属より高いためである。また、吊り下げ具の目的は、熱遮蔽部材に下部プレートを保持し、熱遮蔽部材と石英板に空間を設けることにある。従って、下部プレートや吊り下げ具は炭素材や金属に限らず、熱に対する耐久性が高い材質があればより好ましい。従って今回用いた部材・部品に限定されることなく、本発明の主旨に合致する内容のものは全て本発明の範囲内である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…単結晶引上げ装置、 2…種結晶ホルダー、 3…種結晶、 4…単結晶、
5…筒部、 6…ヒーター、 7…断熱材、 8…熱遮蔽部材、 9…石英ルツボ、
10…黒鉛ルツボ、 11…保持軸、 12…ガス導入口、 13…ガス排出口、
14…シリコン融液、 15…石英板、 16…下部プレート、 17…吊り下げ具、
18…テーパ部、 19…メインチャンバー、 20…引上げチャンバー、
21…ワイヤー、 22…空間。

Claims (5)

  1. チャンバー内に配置されたルツボに収容されたシリコン融液と対向するように配置された熱遮蔽部材を有するチョクラルスキー法による単結晶引上げ装置であって、
    前記熱遮蔽部材は、該熱遮蔽部材の前記シリコン融液と対向する側の表面が1mmから10mmの範囲の空間を介して、少なくとも一部が石英板で覆われたものであることを特徴とする単結晶引上げ装置。
  2. 前記石英板を保持するための下部プレートと、該下部プレートと前記熱遮蔽部材とを接続するための吊り下げ具とを備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置。
  3. 前記吊り下げ具の寸法を変えることによって、前記熱遮蔽部材と前記石英板の間隔を1mmから10mmまで調節することが可能なものであることを特徴とする請求項2に記載の単結晶引上げ装置。
  4. 前記石英板、前記下部プレート及び前記吊り下げ具は、前記熱遮蔽部材に対し、着脱自在に設けられものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の単結晶引上げ装置。
  5. 前記下部プレート及び前記吊り下げ具は、黒鉛材、炭素複合材、モリブデン、タングステン、セラミックスのいずれか、または、これらのいずれかの複合材であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置。
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