本発明は、表示パネル等を収容する容器にかしめ爪によって被固定部材を固定する表示装置のかしめ構造に関するものである。
従来の表示装置の一種である液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)の1例を図5〜図8に示す。図5は従来のLCDの側断面図であり、図6は図5のLCDの下面図、図7は図6のB部の拡大斜視図、図8は従来のLCDのブロック回路図である。図5に示すように、LCDにおける液晶表示パネル21は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor :TFT)を含む画素部が多数形成されたガラス基板等から成るアレイ側基板22と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたガラス基板等から成るカラーフィルタ側基板23とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させることによって作製される。また、一般的に、カラーフィルタ側基板23は、TFT及び画素電極から成る画素部に対向する側の面、すなわち液晶側の面の全面に、画素電極との間で液晶に印加する垂直電界を形成するための共通電極が形成されている。この共通電極は、IPS(In-Plane Switching)方式のLCDの場合、アレイ側基板22の画素部に画素電極と同じ面内に形成されることによって横電界を生じさせるものとなる。また共通電極は、FFS(Fringe Field Switching)方式のLCDの場合、アレイ側基板22の画素部に画素電極の上方または下方に絶縁層を挟んで形成されることによって端部電界(Fringe Field)を生じさせるものとなる。
また、カラーフィルタ側基板23の液晶側の面には、各画素部に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、各画素部を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。また、カラーフィルタ層を覆ってオーバーコート層が形成されており、オーバーコート層上に共通電極が形成されている。また、アレイ側基板22の液晶側の面の縁部全周と、カラーフィルタ側基板23の液晶側の面の縁部全周とが、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴム等から成る封止部材によって接着、封止されている。さらに、アレイ側基板22の液晶側の面におけるカラーフィルタ側基板23から外側に突出した部位には、IC,LSI等から成る、ゲート信号線駆動回路、画像信号線駆動回路としての駆動回路素子26がCOG(Chip On Glass)方式等の実装方法により搭載されている。また、液晶表示パネル21のバックライト装置30側の面には第1の偏光板24が配置され、表示側の面には第2の偏光板25が配置されている。
液晶表示パネル21のアレイ側基板22側には、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有するバックライト装置30が、樹脂製の枠体42の開口及び平板状部42aを間に配して設置されている。枠体42の平板状部42aは、枠体42の内側側面から液晶表示パネル21とバックライト装置30との間の隙間に延出するように形成されている平板状の鍔部である。枠体42の平板状部42aは、アレイ側基板22のバックライト装置30側の面の周縁部を支持する機能を有する。また枠体42の平板状部42aは、アレイ側基板22とバックライト装置30との間に間隔をあけるためのスペーサでもある。
また、液晶表示パネル21のカラーフィルタ側基板23の上面(液晶側の面と反対側の面)の端部に、中央部に開口を有する平板部51aが平面視で重なる、Al等の金属から成るフロントベゼル51がある。フロントベゼル51は、上側の枠体であり、フェースボードとも呼ばれる。液晶表示パネル21とバックライト装置30は、アルミニウム(Al),亜鉛(Zn)メッキ鋼材等の金属、合金から成る下側の枠体(バックベゼル)50に保護されており、フロントベゼル51の側部と下側の枠体50の側部とがネジ止め、係合等の手段によって固定されている。
また、バックライト装置30は、その側面にLED等の発光素子34が配置されており、発光素子34はフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuits:FPC)等から成る実装基板35に取り付けられて実装されている。また、バックライト装置30は、導光板31を有しており、導光板31の液晶表示パネル21側の面には、レンズ状突起あるいはビーズ状突起を多数有するレンズ(ビーズ)拡散シート、及び反射型偏光性フィルム(Dual Brightness Enhancement Film)等から成る光再利用シートとしての光学シート33が載置され固定されている。導光板31の液晶表示パネル21側の面と反対側の面には、反射シート32が配置されている。また、導光板31の光学シート33側の面の縁部は、光学シート33が配置されておらず、代わりに光を有効利用するための反射板43が配置されている。そして、バックライト装置30は、金属製の容器36の内部に収容されている。図5においては、容器36はバックライト装置30を収容しているが、液晶表示パネル21及びバックライト装置30を収容する構成である場合もある。
容器36のバックライト装置30側の面と反対側の面(底部の外側表面)には、バックライト装置30を駆動制御するための電子素子が実装されているとともに回路配線が形成されている回路基板40が配置されている。さらに、容器36の底部の外側表面側から枠体42の外側側面を経由して駆動回路素子26にかけて、駆動回路素子26を駆動制御するための、FPC等から成る可撓性回路基板41が配置されている。また、下側の枠体50に一端部がネジ止め、係合等の手段によって固定され、他端部がかしめ爪53によって固定されている、略板状のカバー部材52があり、カバー部材52は回路基板40をカバーするために設置される。このカバー部材52は、シールドカバー、バックボードとも呼ばれる。
図6、図7に示すように、カバー部材52は、その縁部52aがかしめ爪53によって押圧されて、容器36の外側表面に固定されている。カバー部材52は、かしめ爪53によって固定される他端部に、回路基板40を収容する空間を形成するための段差を有しており、その段差の容器36の外側表面側の一端に鍔部としての縁部52aが形成されている。
かしめ爪53は、容器36の外側表面から突出している本体部53aと、本体部53aから側方に延出している延出部53bと、延出部53bから容器36の外側表面側に延出している押圧部53cと、を有する構成であり、以下のようにして作製される。まず、容器36の一部に打抜き加工を施すことによって、かしめ爪53となる鉤状部と、その鉤状部を囲む開口54と、を形成する。次に、かしめ爪53の本体部53aを、容器36の外側表面から起立するように折り曲げる。次に、かしめ爪53の押圧部53cを、カバー部材52の縁部52aと反対側、すなわち延出部53bの折り曲げ方向dmと反対側に折り曲げるとともに、容器36の外側表面側に傾斜するように構成する。最後に、延出部53bを容器36の外側表面に沿って、折り曲げ方向dmに、すなわち縁部52aの側に折り曲げて、押圧部53cが縁部52aに当接しつつ乗り上げるようにする。これにより、かしめ爪53の押圧部53cによって、カバー部材52の縁部52aが容器36の外側表面に押し付けられて固定される。
また、他の従来例として、フックによってシールドカバーを枠体の背面側に係止する構成も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、図8は、従来のアクティブマトリクス型及びIPS型のLCDの基本構成を示すブロック回路図である。例えば、LCDのアレイ側基板77は、その上の第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本のゲート信号線75(GL1,GL2,GL3〜GLm)と、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)にゲート信号線75と交差させて形成された複数本の画像信号線76(SL1,SL2,SL3〜SLn)と、ゲート信号線75と画像信号線76の交差部に形成された、TFT71、画素電極(PE11,PE12,PE13〜PEmn)及びその画素電極(PE11,PE12,PE13〜PEmn)との間で液晶に印加する横電界等の電界を形成するための共通電極を含む画素部(P11,P12,P13〜Pmn)と、共通電極に共通電圧(Vcom)を供給する共通電圧線72と、を有する構成である。図8において、73はゲート信号線駆動回路、74は画像信号(ソース信号)線駆動回路、78は表示部である。
しかしながら、図5〜図7に示す上記従来のLCDにおいては、以下の問題点があった。すなわち、かしめ爪53の延出部53bを折り曲げ方向dmに折り曲げる際に、押圧部53cの下面は縁部52aの上側の稜線部52arに当接しながら縁部52a上に乗り上げるようにして折り曲げられる。縁部52aの上側の稜線部52arは、断面形状が角部となっているために、押圧部53c及び稜線部52arが削れて微細な金属粉が飛散する。その金属粉が液晶表示パネル21の表示品質を劣化させる原因となるという問題点があった。また、縁部52aの上側の稜線部52arに面取り加工を施すことも考えられるが、面取り部に微細な凹凸が残っている場合には、上記と同様の問題点が発生しやすいという問題点があった。
従って、本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、カバー部材を固定するかしめ爪に起因する微細な金属粉の発生を抑えて、表示装置の表示品質を劣化させることを抑えることである。
本発明の表示装置のかしめ構造は、表示装置の部品を収容する容器と、前記容器に固定される被固定部材と、前記被固定部材の縁部を前記容器にあるかしめ爪で押圧することによって、前記容器に前記被固定部材を固定する表示装置のかしめ構造であって、前記かしめ爪は、前記容器から突出している本体部と、前記本体部から側方に延出している延出部と、前記延出部から前記容器の側に延出している押圧部と、を有するとともに、前記延出部が前記容器の面に沿って折り曲げられるように構成されており、前記被固定部材は、前記押圧部によって押圧される前記縁部の一部に突出部を有するとともに、前記突出部を折り返すことによって構成された折り返し部を有している構成である。
本発明の表示装置のかしめ構造は、好ましくは、前記被固定部材は、前記折り返し部の折り返される部位が曲面とされている。
また本発明の表示装置のかしめ構造は、好ましくは、前記容器は、前記被固定部材の前記折り返し部に対応する部位に、前記折り返し部を含む大きさの開口を有している。
また本発明の表示装置のかしめ構造は、好ましくは、前記かしめ爪は、前記押圧部が前記延出部の折り曲げ方向と反対側に伸びているとともに、前記容器の側に傾斜している。
本発明の表示装置のかしめ構造は、表示装置の部品を収容する容器と、容器に固定される被固定部材と、被固定部材の縁部を容器にあるかしめ爪で押圧することによって、容器に被固定部材を固定する表示装置のかしめ構造であって、かしめ爪は、容器から突出している本体部と、本体部から側方に延出している延出部と、延出部から容器の側に延出している押圧部と、を有するとともに、延出部が容器の面に沿って折り曲げられるように構成されており、被固定部材は、押圧部によって押圧される縁部の一部に突出部を有するとともに、突出部を折り返すことによって構成された折り返し部を有している構成であることから、以下の効果を奏する。すなわち、かしめ爪の延出部を折り曲げ方向に折り曲げる際に、かしめ爪の押圧部の押圧側の面が当接する折り返し部の稜線部がなだらかな形状となっているので、押圧部及び稜線部が削れて微細な金属粉が飛散することを抑えることができる。その結果、表示装置の表示品質を劣化させることを抑えることができる。
本発明の表示装置のかしめ構造は、被固定部材は、折り返し部の折り返される部位が曲面とされている場合、かしめ爪の押圧部の押圧側の面が当接する折り返し部の稜線部が曲面となっているので、押圧部及び稜線部が削れて微細な金属粉が飛散することをより抑えることができる。
また本発明の表示装置のかしめ構造は、容器は、被固定部材の折り返し部に対応する部位に、折り返し部を含む大きさの開口を有している場合、折り返し部によって被固定部材と容器の外側表面との間に隙間が生じることを防ぐことができる。その結果、微細な金属粉が発生したとしても、その表示品質に対する影響を効果的に抑えることができる。
また本発明の表示装置のかしめ構造は、かしめ爪は、押圧部が延出部の折り曲げ方向と反対側に伸びているとともに、容器の側に傾斜している場合、かしめ爪の押圧部の押圧側の面とそれが当接する折り返し部の稜線部との間に生じる摩擦力を小さくすることができる。その結果、押圧部及び稜線部が削れて微細な金属粉が飛散することをより抑えることができる。
図1は、本発明の表示装置のかしめ構造について実施の形態の1例を示す図であり、かしめ構造を有する液晶表示装置の断面図である。
図2は、図1に示す液晶表示装置の下面図である。
図3は、図2のA部を拡大して示す拡大斜視図である。
図4は、本発明の液晶表示装置のかしめ構造について実施の形態の他例を示す図であり、かしめ爪及びその周辺の部位の側断面図である。
図5は、従来のかしめ構造を有する液晶表示装置の1例の断面図である。
図6は、図5の液晶表示装置の下面図である。
図7は、図6のB部を拡大して示す拡大斜視図である。
図8は、従来の液晶表示装置の1例のブロック回路図である。
以下、本発明の表示装置のかしめ構造の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図4は、本発明の表示装置のかしめ構造について実施の形態を示すものであり、図1は、かしめ構造を有するLCDの断面図、図2は、図1に示すLCDの下面図、図3は、図2のA部を拡大して示す拡大斜視図、図4は、本発明の表示装置のかしめ構造について実施の形態の他例を示す図であり、かしめ爪及びその周辺の部位の側断面図である。本発明の表示装置のかしめ構造は、これらの図に示すように、例えばLCDの部品を収容する容器36と、容器36の例えば外側底面に固定される被固定部材としてのカバー部材1と、カバー部材1の縁部を容器36の例えば外側底面にあるかしめ爪2で押圧することによって、容器36の外側底面にカバー部材1を固定するものである。そして、かしめ爪2は、容器36の外側底面から突出している本体部2aと、本体部2aから側方に延出している延出部2bと、延出部2bから容器36の外側底面側に延出している押圧部2cと、を有するとともに、延出部2bが容器36の外側底面に沿って折り曲げられるように構成されており、カバー部材1は、押圧部2cによって押圧される縁部1bの一部に突出部1atを有しており、その突出部1atを折り返すことによって構成された折り返し部1aを有している構成である。
上記の構成により、以下の効果を奏する。すなわち、かしめ爪2の延出部2bを折り曲げ方向dmに折り曲げる際に、かしめ爪2の押圧部2cの押圧側の面(縁部1b側の面)が当接する折り返し部1aの上側の稜線部1arがなだらかな形状となっているので、押圧部2c及び稜線部1arが削れて微細な金属粉が飛散することを抑えることができる。その結果、LCDの表示品質を劣化させることを抑えることができる。
本発明のかしめ構造に係る表示装置としては、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、無機EL表示装置、プラズマディスプレイ、FED(Field Emitting Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、GLV(Grating Light Valve)表示装置、PDP(Plasma Display)、電子ペーパーディスプレイ、DMD(Digital micro Mirror Device)表示装置、圧電セラミックディスプレイ、LEDディスプレイなどの表示装置を用いることができる。
容器36に収容される表示装置の部品としては、液晶表示パネル、バックライト装置、EL表示パネル等がある。なお、以下の実施の形態においては、LCDの例について説明する。また、本発明のかしめ構造に係るLCDは、全体の基本構成は図5に示す従来のLCDと同様であるので、全体の構成についての詳細な説明は省略する。また容器36は、例えば筐体等の箱状のものであるが、板状のものであってもよく、板状のものと枠体とを組み合わせたものであってもよい。また、容器36は、放熱性が良好なことから、アルミニウム(Al),亜鉛(Zn)メッキ鋼材等の金属、ステンレススチール等の合金などから成ることがよい。また、被固定部材が固定される容器36の部位は、容器36の外側表面、内側表面等であり、より具体的には容器36の外側底面、内側底面、外側側面、内側側面等の種々の部位であってよい。以下の実施の形態においては、容器36の外側表面である外側底面に被固定部材としてのカバー部材1を固定する場合の例について説明する。
被固定部材は、例えば、図1〜図4に示すカバー部材1であるが、これに限らず、回路基板、放熱板等の板状のものであってもよい。被固定部材としてのカバー部材1は、その縁部1aがかしめ爪2によって押圧されて、容器36の外側底面に固定されている。カバー部材1は、その一端部が枠体50にネジ止め、係合等の手段によって固定されており、かしめ爪2によって固定される他端部に、回路基板40を収容する空間を形成するための段差を有しており、その段差の容器36の外側底面側の一端に鍔部としての縁部1aが形成されている。またカバー部材1は、アルミニウム(Al),亜鉛(Zn)メッキ鋼材等の金属、ステンレススチール等の合金などから成る。
かしめ爪2は、容器36の外側底面から突出している本体部2aと、本体部2aから側方に延出している延出部2bと、延出部2bから容器36の外側底面側に延出している押圧部2cと、を有する構成であり、以下のようにして作製される。まず、容器36の一部に打抜き加工を施すことによって、かしめ爪2となる鉤状部と、その鉤状部を囲む開口3と、を形成する。次に、かしめ爪2の本体部2aを、容器36の外側底面から起立するように折り曲げる。次に、かしめ爪2の押圧部2cを、カバー部材1の縁部1bと反対側、すなわち延出部2bの折り曲げ方向dmと反対側に折り曲げるとともに、容器36の外側底面側に傾斜するように構成する。最後に、延出部2bを容器36の外側底面に沿って、折り曲げ方向dmに、すなわち縁部1bの側に折り曲げて、押圧部2cが縁部1bの折り返し部1aに当接しつつ乗り上げるようにする。これにより、かしめ爪2の押圧部2cによって、カバー部材1の縁部1bが容器36の外側底面に押し付けられて固定される。なお、折り返し部1aは容器36の外側底面に直接に接していないので、折り返し部1aに加えられた押圧力によって、折り返し部1a以外の縁部1bが容器36の外側底面に押し付けられる。
折り返し部1aは、例えば、カバー部材1の縁部1bのうち折り返し部1aとなる一部に、外側に突出する突出部1atを形成しておき、その突出部1atを折り曲げることによって構成される。これにより、折り返し部1aはかしめ爪2の押圧部2cが当接する縁部1bの一部に形成されるので、カバー部材1の縁部1bの全周を折り返し部とせずに簡易な加工を施すことによって微細な金属粉が飛散することを抑えることができる。また、表示装置の厚みが増大すること、重量が増加することを抑えることができる。
本発明のかしめ構造において、図4に示すように、折り返し部1aの折り返される部位が曲面とされていることが好ましい。この場合、かしめ爪2の押圧部2cの押圧側の面が当接する折り返し部1aの稜線部1arが曲面となっているので、押圧部2c及び稜線部1arが削れて微細な金属粉が飛散することをより抑えることができる。曲面を成す、折り返し部1aの折り返される部位は、部分円柱面、部分楕円柱面等の形状である。
上記の開口3は、図3、図4に示すように、押圧部2cによって押圧される、カバー部材1の縁部1bの一部にある折り返し部1aを、含む大きさとされていることが好ましい。この場合、折り返し部1aが容器36の外側底面に接触して重なることがないので、カバー部材1と容器36の外側底面との間に隙間が生じることを防ぐことができる。その結果、微細な金属粉が発生したとしても、その表示品質に対する影響を効果的に抑えることができる。また、折り返し部1aは、その折り返された突出部1atが開口3の内側に含まれるとともに、反射シート32等のバックライト装置30の部材に接していないことがよい。この場合、バックライト装置30の性能を劣化させることがない。さらに、このような効果を確実なものとするために、突出部1atのバックライト装置30側の面1apよりも容器36のバックライト装置30側の面36pの方が、バックライト装置30に近い位置にあることがよい。この場合、折り返し部1aの突出部1atが反射シート32等のバックライト装置30の部材に接することを確実に防ぐことができる。
また折り返し部1aの突出部1atは、容器36の側(図4では下側)に折り曲げられていることがよい。この場合、カバー部材1の縁部1bの容器36と反対側の面(図3、図4では上面)が面一となり、かしめ爪2の高さの設定が容易になる。
またカバー部材1は、縁部1bにおける突出部1atの両根元部に、突出部1atの折り曲げを容易にするための切欠部があってもよい。
また本発明のかしめ構造は、図4に示すように、かしめ爪2は、押圧部2cが延出部2bの折り曲げ方向dmと反対側に伸びているとともに、容器36の外側底面側に傾斜していることが好ましい。この場合、かしめ爪2の押圧部2cの押圧側の面とそれが当接する折り返し部1aの稜線部1arとの間に生じる摩擦力を小さくすることができる。その結果、押圧部2c及び稜線部1arが削れて微細な金属粉が飛散することをより抑えることができる。押圧部2cの容器36の外側底面に対する傾斜角度θは、5度乃至40度程度がよい。5度未満では、押圧部2cの押圧力が小さくなる傾向がある。40度を超えると、押圧部2cの押圧側の面とそれが当接する折り返し部1aの稜線部1arとの間に生じる摩擦力が大きくなって、微細な金属粉が飛散しやすくなる傾向がある。
なお、本発明の表示装置のかしめ構造は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良が施されていてもよい。
本発明のかしめ構造を有する表示装置は各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療用モニター装置、デジタル表示式腕時計などがある。
1 カバー部材
1a 折り返し部
1at 突出部
1b 縁部
2 かしめ爪
2a 本体部
2b 延出部
2c 押圧部
3 開口
36 容器