JP6626715B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、縫い針が形成する上糸ループから釜の剣先ですくわれた上糸の釜の通過の有無を光学的に検出することで、縫い目が形成されない目飛びを検出するミシンの目飛び検出に関する。
ミシンの縫製は、上糸と下糸とが所要に絡んで縫い目を形成することにより行われる。より具体的には、上糸を目穴に通した縫い針が布地を貫いて布地の下側に突出し、次いで上昇に移るが、下死点に達した縫い針が上昇に移るときに布地の下側の上糸がたるんでループが形成される。同時に、縫い針の上下動に連動して回転する釜が、縫い針が下死点より若干上昇した位置において、剣先により前記ループになった上糸をすくう。そして該釜が回転し、前記剣先が所定の位置を過ぎた位置で天秤が上昇することによって、上糸のループに釜をくぐらせ、ボビンケースから出て布地に達している下糸が上糸と絡み合って縫い目を一つ形成する。
そして、従来のミシンは、釜に捕捉された上糸のループに釜をくぐらせる際に、当該ループがボビンケースを横切るか否かを検出するために、釜の回転中心線に対して斜め方向からボビンケースの正面側に投光を行い、光電検出器によって反射光の光強度の変化を光学的に検出し、上糸と下糸の結節が形成されない目飛びの発生を検出していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−197786号公報
しかしながら、上記従来のミシンでは、ボビンケースの正面に投光を行っているが、ボビンケースは金属製であり、一般に光沢を有することから、縫製時の僅かな振動やガタつきで反射光の状態が大きく変動し、外乱の影響が大きくて糸の通過を精度良く検出することが難しかった。
本発明は、より精度良く目飛びを検出することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンにおいて、
垂直釜と、
垂直釜の正面側に配置される中釜押さえとを備えるミシンにおいて、
前記中釜押さえを押さえる押さえ位置と当該押さえ位置から離隔した退避位置との間で移動可能に支持された押さえ枠と、
前記押さえ枠に装備され、前記中釜押さえに形成された貫通部を通過すると共に前記垂直釜のボビンケースの正面側を渡る検出光により上糸の通過を検出する光学式の上糸検出部と、
前記上糸検出部による前記検出光の受光量に基づいて上糸の通過の有無を判定する目飛び検出処理部とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンにおいて、
前記押さえ枠と前記中釜押さえとの間には、位置決めを行うための凹凸構造が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のミシンにおいて、
前記凹凸構造は、ピンと当該ピンを挿入可能な穴からなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記中釜押さえは、前記垂直釜の周囲を囲繞する周壁部を有し、
当該周壁部には、前記貫通部としての貫通孔が形成され、
当該貫通孔の一部の形状が、前記垂直釜の正面に形成された凹部の凹み形状に倣う形状であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記押さえ枠は、回動により前記押さえ位置と前記退避位置との間の移動を行い、
前記押さえ位置にある前記押さえ枠に前記中釜押さえ側への押さえ圧を付与するトグル機構を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のミシンにおいて、
前記トグル機構は、
前記押さえ枠に対する押さえ圧の付与と解除を操作する入力レバーと、
前記入力レバーの操作状態を検出する操作検出部とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記検出光の通過経路に対して塵芥除去のためにエアーの吹き付けを行うエアー吐出機構を備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のミシンにおいて、
前記エアー吐出機構は、前記押さえ枠に装備され、前記中釜押さえの貫通部に対して貫通方向の一端部と他端部とからそれぞれエアーの吹き付けを行うノズルを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載のミシンにおいて、
前記エアー吐出機構は、前記押さえ枠に装備され、前記上糸検出部の検出光の受光部分及び発光部分に対してエアーの吹き付けを行うノズルを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記エアーの吹き付けを、規定の針落ち回数又は規定時間ごとに周期的に行うように前記エアー吐出機構を制御する清掃制御部を備えることを特徴とする。
本発明は、中釜押さえを押さえる押さえ枠に装備され、中釜押さえに形成された貫通部を通過すると共に垂直釜のボビンケースの正面側を渡る検出光により上糸の通過を検出する光学式の上糸検出部と、上糸検出部による検出光の受光量に基づいて上糸の通過の有無を判定する目飛び検出処理部とを備えている。
このため、中釜押さえに形成された貫通部により、ボビンケースの正面側を渡る検出光によって上糸の検出を行うことが可能であり、ボビンケースの正面に検出光を投光しないので、振動により反射光の変動を抑え、外乱の影響を低減させることができるので、上糸の通過を精度良く検出することができ、目飛びの発生も精度良く検出することが可能である。
本発明の一実施形態に係るミシンの釜周辺の正面図である。 本発明の一実施形態に係るミシンの釜周辺の斜視図である。 図3(A)はボビンケースの正面図、図3(B)は側面図である。 図4(A)は中釜押さえの左側面図、図4(B)は右側面図である。 中釜押さえの左側面の部分拡大図である。 押さえ枠が押さえ位置にある場合の枠支持機構の平面図である。 押さえ枠が退避位置にある場合の枠支持機構の平面図である。 ミシンの制御系を示すブロック図である。 制御装置による縫製制御を示すフローチャートである。
[ミシンの全体構成]
以下、本発明の実施形態に係るミシン10について、図面を用いて詳細に説明する。図1はミシン10の釜周辺の正面図であり、針板の周囲で針板と同一平面上に配置される平板状の針板補助カバー11の下側部分の構成を示している。また、図2は同構成の斜視図である。
ミシン10は、図1に示すように、筐体となるミシンフレームを備え、ミシンフレームの下部にはミシンベッド部12が位置している。そして、ミシンベッド部12の水平方向における一端部には垂直半回転釜20の大釜21が突出した状態で設けられている。
以下の説明では、水平であってミシンベッド部12における大釜21が突出した方向に平行な方向をX軸方向とし、大釜21側(図1紙面手前側)を「前」とし、その逆方向を「後」とする。
さらに水平であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とし、その一端側(図1左側)を「左」、その他端側(図1右側)を「右」とする。
さらにX軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とし、その一端側(図1上側)を「上」、その他端側(図1下側)を「下」とする。
ミシン10は、一般的なミシンが備えるミシンモーター14、上軸、針棒上下動機構、被縫製物の送り機構、天秤、糸調子器、糸切り装置等を備えているが、これらは周知のものと同一なので、図示及び説明は省略する。
このミシン10は、特徴的な構成として、垂直半回転釜20の正面側に配置される中釜押さえ22を前方から押さえる押さえ枠30と、押さえ枠30を支持する枠支持機構40と、垂直半回転釜20のボビンケース24を渡る上糸を検出する上糸検出部60と、垂直半回転釜20の周辺の塵芥除去のためにエアーの吹き付けを行うエアー吐出機構70と、ミシン10の各部の動作制御を行う制御装置90とを備えている。
なお、垂直半回転釜20の正面側とは、後述する中釜23に対してボビンケース24が配置されている面をいう。
[垂直半回転釜]
垂直半回転釜20は、略円筒状の大釜21と、大釜21の内側で回転可能に支持された中釜23と、中釜23の内側に格納されたボビンケース24と、ボビンケース24内に格納されたボビン(図示略)と、大釜21に格納された中釜23を保持する中釜押さえ22とを備えている。
大釜21は、略円筒状であってその中心線がX軸方向に平行な状態でミシンベッド部12の前端部に固定支持されている。
そして、大釜21の前端中央部は円形に広く開口しており、その内部に中釜23を格納する。大釜21の内部には、X軸回りの円周に沿った摺接部が形成されており、中釜23の外周と摺接して、中釜23をX軸回りに回転可能に支持する。
中釜23は、内部の回転中心位置にボビン及びボビンケース24に挿入される支軸を備え、外周には、上糸を捕捉するための剣先を備えている。
この中釜23には、縫製の駆動源となるミシンモーターによりX軸を中心とする往復回動動作が付与される図示しないドライバーが併設されており、中釜23はドライバーと共にX軸を中心とする往復回動動作を行う。この往復回動動作により、中釜23は、剣先が最上部に位置するときに縫い針から上糸のループを捕捉し、下方に回動して上糸のループを引き出すと共に中釜23の最下部をくぐらせてから逆方向の回動に転じて剣先を最上部に戻すことができる。中釜23の最下部をくぐらせる位置まで引き出された上糸のループは天秤の引き上げにより上方に引き上げられるので、剣先から離れても上方に引き上げられて、上糸と下糸により結節を形成することができる。
[垂直半回転釜:ボビンケース]
図3(A)はボビンケース24の正面図、図3(B)は側面図である。図示のように、ボビンケース24は、ボビンを格納する円筒状の外周部241と、外周部241の前端部を閉塞する前面部242とを備えている。そして、前面部242の中央には中釜23の支軸が挿入される円孔部243と、挿入された中釜23の支軸の先端部に形成された周溝を係止して抜け防止を図る係止レバー244と、内部のボビンから繰り出される下糸に張力を付与するための糸調子バネ245と、前面部242から上方に延出されると共に上端部に下糸の挿通孔が形成された角部246と、前面部242の下部に形成された後方へ凹んだ凹部247とを備えている。
外周部241は、後端部側が広く開口して、そこから内部にボビンを挿入することができる。
また、外周部241には、下糸の繰り出し口が設けられ、内部のボビンの巻かれた下糸を外側に繰り出すことができる。
糸調子バネ245は、外周部241の周面に倣って湾曲した板バネであり、糸繰り出し口を覆うように外周部241の外側に取り付けられている。そして、下糸を外周部241と糸調子バネ245の隙間に通すことにより、摺動摩擦による張力の付与を行うことができる。
前面部242の中央部には前述したように円孔部243が形成され、円孔部243を横切るようにして係止レバー244が装備されている。この係止レバー244は前面部に対して起伏回動可能であり、円孔部243に対応する位置に形成された矩形の開口部により中釜23の支軸の先端部を係止する。
また、前面部242における係止レバー244の上側からは、角部246が右斜め上方に向かって延出されている。この角部246は、上端部が後方に屈曲し、その先に挿通孔が形成されている。ボビンから繰り出された下糸は、糸調子バネ245を経て、角部246の挿通孔を通って針板の針穴に案内される。
なお、図3(A)では、角部246の上端部が前面部242の中心の真上に位置した状態でボビンケース24は図示されているが、図1に示すように、ボビンケース24は幾分左方に傾斜した状態で中釜23の内部に格納される。
前面部242の下部に形成された凹部247は、前面部242から後方に傾斜した傾斜面247aと、前面部242に平行であって前面部242よりも後方に位置する後退面247bとを有している。
また、図3(A)ではこれら傾斜面247aと後退面247bは、何れも、水平方向に沿って長尺に図示されているが、図1に示すように、ボビンケース24を中釜23の内部に格納した状態では、傾斜面247aと後退面247bは幾分左方に傾斜した状態となる。そして、これらの二平面の境界が左下がりの傾斜方向に沿った谷間を形成している。
前面部242の下部にこのような凹部247を形成したのは、前述した中釜23の剣先が捕捉した上糸のループにボビンケース24をくぐらせる際に、前面部242の下部を通過す上糸の摺動抵抗を低減するためである。
仮に、前面部242の上部と同様に、緩やかに後方に湾曲した湾曲面を前面部242の下部にも形成した場合には、上糸は湾曲面全体に摺接しながら移動することになり、摺動抵抗が大きくなる。
これに対して、凹部247が形成されている場合には、傾斜面247aの上縁部と後退面247bの下縁部のみが上糸に摺接するので、接触面積の低減による摺動抵抗の低減を図ることができる。
従って、上糸のループにボビンケース24を良好にくぐらせることができ、安定した縫い目の形成を行うことができる。
[垂直半回転釜:中釜押さえ]
中釜押さえ22は、略リング状であって中釜23の周囲を囲繞する周壁部221と、周壁部221の外周から上部を除いた周囲に延出されたフランジ部222とを備えている。
周壁部221は、前後に広く略円形に開口した状態で貫通しており、その内側には中釜23の外縁部の前面に摺接する摺接面を備えている。
また、周壁部221は広く開口しているので、中釜押さえ22を大釜21に取り付けたままの状態で開口部からボビンケース24を出し入れすることができる。
さらに、周壁部221の前側内周部には、外側に凹んだ嵌合凹部221aが形成されており、ボビンケース24の角部246が嵌合する。この嵌合凹部221aに嵌合することにより、ボビンケース24は周囲の中釜23に伴う回転が阻止され、静止状態を維持することができる。
中釜押さえ22のフランジ部222は、左右にU字状に凹んだ切り欠き222a,222bが形成されており、切り欠き222a,222bの内側には大釜21の前面部に装備された取付部材211,212が配置されている。
左右の取付部材211,212は、何れも、X軸方向に沿った軸部と当該軸部の前端部に設けられた平板状の操作レバーとを備えている。軸部は、大釜21の前面に形成された図示しない取付穴に挿入され、回動可能且つ抜脱不能となっている。
操作レバーは、軸部の前端部から当該軸部を中心とする半径方向に延出されており、当該操作レバーを人の手によって回動操作することができる。
取付部材211,212は、それぞれの操作レバーが互いに外側を向いた状態で中釜押さえ22のフランジ部222と干渉しない状態となり、大釜21に対して中釜押さえ23を取り付け及び取り外し可能となる。取り付けの際には、取付部材211,212に対して切り欠き222a,222bを位置決めして大釜21の前面に中釜押さえ22を配置し、各取付部材211,212の操作レバーを下側に回動させることで当該操作レバーが中釜押さえ22のフランジ部222の前面に当接し、大釜21に対して中釜押さえ22が前側に外れないように保持される。
なお、右側の取付部材212の操作レバーは、後述する上糸検出部60の光学素子の検出光の光路を遮蔽する配置となっているので、その一部が矩形に切り欠かれた開口212aとなっており、検出光が通過可能となっている。
また、中釜押さえ22の周壁部221も、後述する上糸検出部60の光学素子の検出光の光路を遮蔽する配置となっているので、図4(A)及び図4(B)に示すように、周壁部221の左下部及び右下部に、光路に沿って貫通した貫通部としての貫通孔221b,221cが形成されている。
なお、後述する上糸検出部60は、中釜押さえ22の左下側から右斜め上に検出光の投光及び受光を行う受光部分及び発光部分としての光学ユニット61と中釜押さえ22の右下側で検出光を反射する反射板62とを備えており、検出光は前述したボビンケース24の凹部247の長手方向に平行であって当該凹部247の内部を通過する配置となっている。
つまり、検出光の光路は、凹部247と同様に、Y軸方向に対して幾分左下がりに傾斜した方向となるので、左側の貫通孔221bは右側の貫通孔221cよりも幾分低位置に形成されている。
上糸検出部60は、上記のように、ボビンケース24の凹部247を通過する検出光が通過するように光学ユニット61及び反射板62を配置しているので、上糸のループにボビンケースをくぐらせる際に、上糸が凹部247に接しないように傾斜面247aの上縁部と後退面247bの下縁部に沿って移動し、検出光の一部が遮蔽されて受光量の低下を生じることから、上糸が目飛びを生じることなく縫い目が形成されたことを検出することができる。
従って、検出光の受光を行う光学ユニット61側の貫通孔221bでは、上糸以外の原因によって検出光の受光量の変動が生じることは望ましくない。
一方、光学ユニット61側の貫通孔221bは、図4(A)に示すように、その形状が反射板62側の貫通孔221cのように円形としないで略扇形に形成することにより、検出光の受光量の変動の影響を低減させている。
即ち、ボビンケース24はその周囲で中釜23が高速で往復回動を行うので、特に、前後方向の振動が生じやすい。そして、検出光が通過する凹部247は、X−Z平面に沿った断面形状が傾斜面247a及び後退面247bにより決定されている。
このような凹部247を通過する検出光を受光する場合に、光学ユニット61側の貫通孔221bの形状を、図4(B)の貫通孔221cのように略円形にすると、略円形の範囲内に傾斜面247a及び後退面247bよる遮蔽領域が発生する。そして、ボビンケース24が前後に振動すると、遮蔽領域も振動するので、検出光の受光量の変動が生じて上糸の検出精度が低下する。
このため、図5に示すように、光学ユニット61側の貫通孔221bの形状を略扇形に形成し、傾斜面247a及び後退面247bよる遮蔽領域の発生量を低減又は排除することにより、ボビンケース24の振動による検出光の受光量の変動を低減して、上糸の検出精度の向上を図っている。
なお、光学ユニット61側の貫通孔221bの形状は、凹部247の傾斜面247a及び後退面247bにより遮蔽されない形状であれば、略扇形以外の形状、例えば、菱形や平行四辺形や貫通孔が開いている溝形状等の形状であっても良い。
また、中釜押さえ22のフランジ部222の前面下部には、前方に突出した二つの円形突起状の位置決め用のピン223,223が形成されている。このピン223,223は、後述する押さえ枠30との間で形成される位置決めを行うための凹凸構造の一部を構成しており、当該凹凸構造構成する押さえ枠30側の二つの位置決め穴321,321に挿入され、中釜押さえ22と押さえ枠30とを相対的に適正な位置に位置決めする。
[押さえ枠]
押さえ枠30は、後述する枠支持機構40により、中釜押さえ22を前方から後方に向かって押さえる押さえ位置(図6参照)と当該押さえ位置から離隔した退避位置(図7参照)との間で移動可能に支持された枠体である。
なお、以下の説明において、各構成の向きや方向及び位置については、特に言及していない場合には、押さえ枠30が押さえ位置にある場合の向きや方向及び位置を示しているものとする。
この押さえ枠30は、押さえ位置においてY−Z平面に沿った状態となる平板状の本体部31と、本体部31の後面側に固定され、当該本体部と共にY−Z平面に沿った状態となる平板状の支持板32とを備えている。
支持板32は、その下端部において枠支持機構40に連結保持されており、その上端部には中釜押さえ22の周壁部221の外周の下端部に当接する円弧状の凹部が形成されている。また、支持板32の円弧状の凹部の下側には、二つの位置決め穴321,321がX軸方向に沿って貫通形成されている。
これら位置決め穴321,321は、前述したように、押さえ枠30と中釜押さえ22との間で形成される位置決めを行うための凹凸構造の一部を構成しており、中釜押さえ22のピン223,223が挿入され、中釜押さえ22と押さえ枠30とを相対的に適正な位置に位置決めする。
本体部31は、支持板32の前面側に固定され、枠支持機構40により、支持板32と一体的に位置切り替えが行われる。
本体部31は、その後面側部で上糸検出部60の光学ユニット61を固定支持し、前面側右端部で反射板62を固定支持している。
また、本体部31は、その前面側左端部でエアー吐出機構70の第一及び第二ノズル71,72を固定支持し、前面側中央部で第三及び第四ノズル73,74を固定支持し、後面側右端部で第五及び第六ノズル75,76を固定支持している。
[上糸検出部]
上糸検出部60は、前述したように、押さえ枠30の本体部31の後面側左端部に固定支持された光学ユニット61と、本体部31の前面側右端部に固定支持された反射板62とを備えている。
光学ユニット61は、検出光を反射板62に向かって投光する発光素子と、反射板62で反射された検出光を受光する受光素子とを備えている。発光素子と受光素子とは近接して配置され、発光素子の投光方向と受光素子の受光方向とが同一方向である反射板62側に向けられている。即ち、ボビンケース24の凹部247の傾斜面247a及び後退面247bの長手方向に平行であって、凹部247の内側を検出光が通過する向きとなっている。
反射板62は後方に延出された反射面を有し、当該反射面は、検出光の光軸上であって当該光軸に垂直な向きとなっている。
上糸検出部60は、上記構成により、光学ユニット61の発光素子から検出光が投光されると、中釜押さえ22の貫通孔221bを通過して、中釜押さえ22の内側にあるボビンケース24の凹部247を通り、中釜押さえ22の貫通孔221cを通過して、反射板62の反射面で平行且つ逆方向に反射され、再び、貫通孔221c、凹部247、貫通孔221bを通過して光学ユニット61の受光素子により受光される。
そして、縫製時には、所定の上軸角度において、上糸のループが凹部247を通過して検出光の受光量の低下を光学ユニット61が検出することにより、適正な結節の形成が検出され、所定の上軸角度において、検出光の受光量の低下を光学ユニット61が検出しないことにより、目飛びの発生が検出される。
[枠支持機構]
図6は枠支持機構40が押さえ枠30を押さえ位置で支持している状態を示す平面図、図7は枠支持機構40が押さえ枠30を退避位置で支持している状態を示す平面図である。
枠支持機構40は、図1,2,6,7に示すように、針板補助カバー11及びミシンベッド部12に固定支持されるベース枠体41と、ベース枠体41によりZ軸回りに回動可能に支持された回動板42と、回動板42の回動端部に固定されると共に押さえ枠30を支持する支持ブロック43と、押さえ位置にある押さえ枠30を、支持ブロック43を介して大釜21側に押圧するトグル機構50とを備えている。
ベース枠体41は、Y軸方向からみて略コ字状の枠体であり、Y−Z平面に沿った立板部と、立板部の上端部から前方に延出された上板部と、立板部の下端部から前方に延出された下板部とが長尺平板の折曲加工により形成されている。
ベース枠体41の立板部は、ミシンベッド部12の前面にネジ止めにより固定されており、上板部は、針板補助カバー11の下面にネジ止めにより固定されている。
回動板42は、図6及び図7に示すように、およそ90°の範囲でZ軸回りに回動を行い、その回動端部が右方を向いた状態で押さえ枠30を押さえ位置に保持し、その回動端部が前方を向いた状態で押さえ枠30を退避位置に保持する。
この回動板42は、押さえ位置にある場合に、X軸方向からみてクランク状であり、X−Z平面に沿った立板部と、立板部の上端部から左方に延出された上板部と、立板部の下端部から右方に延出された下板部とが長尺平板の折曲加工により形成されている。
そして、回動板42の上板部がベース枠体41の上板部に対してZ軸方向に沿った支軸により回動可能に支持されており、回動板42の下板部の下面には支持ブロック43がネジ止め固定されている。
支持ブロック43は、Y軸方向に沿った長尺のブロックであり、左端部上面が回動板42の下板部の下面にネジ止めにより固定され、右端部下面で押さえ枠30の支持板32の底部をネジ止めにより固定支持している。
[枠支持機構:トグル機構]
トグル機構50は、支持ブロック43に一端部が連結され、他端部がベース枠体41の下板部にZ軸回りで回動可能に支持されたリンク体51と、押さえ枠30に対する押さえ圧の付与と解除を操作する入力レバー52と、入力レバー52の操作状態を検出する操作検出部53とを備えている。
リンク体51は、回動板42の支軸と同一軸上にある支軸によりベース枠体41の下板部にZ軸回りで回動可能に支持されている。従って、リンク体51と回動板42と支持ブロック43と押さえ枠30は一体となってZ軸回りの回動動作を行うことができる。
入力レバー52は、リンク体51の左側でベース枠体41の下板部にZ軸回りで回動可能に支持されており、当該入力レバー52の回動支軸を挟んで一方と他方とに、人手により回動操作を入力する操作部とリンク体51との連結腕とがそれぞれ延出されている。
入力レバー52の連結腕は、リンク体51に対してその回動支軸の近傍でZ軸回りに回動可能に連結されている。
そして、入力レバー52を上方から見て時計方向に回動させると、リンク体51には反時計方向の回動が付与され、押さえ枠30を退避位置から押さえ位置に向かって回動させることができる。
さらに、入力レバー52とリンク体51との間には、押さえ位置の手前で死点となるように相互の連結位置が設計されており、死点に近づくと、入力レバー52とリンク体51の部材間に弾性的な撓みを生じ、死点を超えるまでは、入力レバー52及びリンク体51の弾性力が退避位置側への回動方向に作用し、死点を超えると、入力レバー52とリンク体51の撓みによる弾性力が押さえ位置側への回動方向に転じる。
これにより、トグル機構50は、リンク体51及び支持ブロック43を介して、押さえ位置にある押さえ枠30に中釜押さえ22側への押さえ圧を付与することができる。
なお、トグル機構50によりリンク体51及び支持ブロック43を介して押さえ枠30を中釜押さえ22側に回動させると、押さえ枠30の二つの位置決め穴321,321は、中釜押さえ22のピン223,223に位置が合致し、位置決め穴321,321にピン223,223が挿入されるように、各部材が組み付けられている。
また、ピン223,223の先端部はテーパ状又は丸みを帯びており、僅かな位置ズレが生じていても、ピン223,223が位置決め穴321,321に導き込まれるようになっている。
操作検出部53は、近接センサーであり、押さえ枠30を押さえ位置まで移動させたときの入力レバー52の位置に最も近接するように配置されている。これにより、操作検出部53は、入力レバー52の近接から、押さえ枠30が押さえ位置にあることを検出することができる。
[エアー吐出機構]
エアー吐出機構70は、空圧ポンプ等を用いた図示しない空気圧発生源と、電磁弁を介して空気圧発生源と接続され、エアーの吐出を行う第一〜第六ノズル71〜76とを備えている。
第一〜第六ノズル71〜76は、何れも、押さえ枠30の本体部31に支持されており、押さえ枠30が押さえ位置にある状態で、それぞれが所定の位置に対してエアーの吹き付けを行い、塵芥の除去を行う。
第一ノズル71は、ノズルの先端を上糸検出部60の光学ユニット61の発光素子及び受光素子に向けて支持されており、光学ユニット61に付着した塵芥の除去を行う。
第二ノズル72は、ノズルの先端を中釜押さえ22の周壁部221の外側から貫通孔221bに向けて支持されており、周壁部221の外周面上における貫通孔221bの周囲及び貫通孔221b内に付着した塵芥の除去を行う。
第三ノズル73は、ノズルの先端を中釜押さえ22の周壁部221の内側から貫通孔221bに向けて支持されており、周壁部221の内周面上における貫通孔221bの周囲及び貫通孔221b内に付着した塵芥の除去を行う。
第四ノズル74は、ノズルの先端を中釜押さえ22の周壁部221の内側から貫通孔221cに向けて支持されており、周壁部221の内周面上における貫通孔221cの周囲及び貫通孔221c内に付着した塵芥の除去を行う。
第五ノズル75は、ノズルの先端を中釜押さえ22の周壁部221の外側から貫通孔221cに向けて支持されており、周壁部221の外周面上における貫通孔221cの周囲及び貫通孔221c内に付着した塵芥の除去を行う。
第六ノズル76は、ノズルの先端を上糸検出部60の反射板62の反射面に向けて支持されており、反射板62の反射面に付着した塵芥の除去を行う。
[ミシンの制御系]
図8に示すように、ミシン10は、ミシンモーター14を駆動させるための駆動回路14aと、上軸角度を検出するエンコーダー15の検出信号のカウンタ回路15aと、操作検出部53と、上糸検出部60の光学ユニット61と、エアー吐出機構70のエアーの吹き付け動作を制御する電磁弁77の駆動回路78と、縫製の開始や設定情報の入力等を入力すると共に所定情報の表示を行う操作パネル91とが図示しないインターフェイスを介して接続されている。
エンコーダー15は上軸角度を示す二種類の位相信号を出力する。当該エンコーダー15から出力されるエンコーダーA相信号は、最小単位信号で、上軸角度が1°変化するごとに1パルスを出力する。また、エンコーダー15から出力されるエンコーダーZ相信号は、上軸の一回転を一周期とするパルス信号である。
制御装置90は、エンコーダーZ相信号を原点としてエンコーダーA相信号のパルス数をカウントすることで上軸角度を認識することができる。
制御装置90は、各種の処理や制御を実行するためのプログラムや、当該プログラムで使用されるデータが記憶された図示しないメモリを備え、これらのプログラムに基づく各種制御を行うマイクロプロセッサーである。
制御装置90は、プログラムの実行により、縫製開始判定処理、目飛び検出処理、清掃制御を行う。
縫製開始判定処理は、操作パネル91から縫製の開始が入力されると、制御装置90は、操作検出部53による入力レバー52の有無を検出し、入力レバー52の近接が検出された場合にのみミシンモーター14の駆動により縫製を開始する。
即ち、操作検出部53によって入力レバー52が検出されない場合には、押さえ枠30が使用位置になく、中釜押さえ22が中釜23を押さえてない状態にある可能性があるので、ミシンモーター14の駆動自体を規制する。
また、操作検出部53によって入力レバー52が検出されると、押さえ枠30が使用位置において中釜押さえ22を前方から押さえている状態にあることを意味するので、縫製可能な状態であることからミシンモーター14の駆動による縫製を開始する。
目飛び検出処理は、縫製時において、上糸検出部60により目飛びの発生を検出する処理であり、縫製実行中は所定の周期で繰り返し実行される。
即ち、前述したように、上糸検出部60は、光学ユニット61による検出光の受光強度の低下から上糸がボビンケース24の下部を適正に通過したことを検出することができる。上糸がボビンケース24の下部を通過するタイミングは、ほぼ一定の上軸角度であることから、制御装置90は、エンコーダー15の出力を監視して、当該上軸角度を含む一定の上軸角度範囲で光学ユニット61による検出光の受光強度の低下を検出するか判定する。これにより、受光強度の低下が生じなければ、上糸がボビンケース24を通過していないので、目飛びが発生したことを検出することができる。
従って、制御装置90は、「上糸検出部による検出光の受光量に基づいて上糸の通過の有無を判定する目飛び検出処理部」として機能する。
清掃制御は、縫製時において、エアー吐出機構70の第一〜第六ノズル71〜76からエアーの吹き付けを行い、検出光の光路上の各位置の塵芥の除去を行う制御である。
清掃制御において、制御装置90は、原則として、操作パネル91から糸切りの実行の入力等により縫製の終了が検出されると、電磁弁77を開いて各ノズル71〜76からのエアーの吹き付けを所定時間実行する。
しかしながら、ミシン10の場合、縫製による針落ちの回数が1000回を超えると、垂直半回転釜20の周囲の付着塵芥量が増えて上糸検出部60の光学ユニット61による上糸の検出精度の低下を生じる。
そこで、制御装置90は、縫製終了時に加えて、縫製開始から上軸の500回転ごとに、電磁弁77を開いて各ノズル71〜76からのエアーの吹き付けを所定時間実行する制御を行う。なお、上軸の回転数は、エンコーダー15により検出する。
これにより、制御装置90は、「エアーの吹き付けを、規定の針落ち回数又は規定時間ごとに周期的に行うように前記エアー吐出機構を制御する清掃制御部」として機能する。エアーの吹付け間隔は、ユーザが自由に変更可能で、一定時間ごとの吹き付けなどにも変更可能である。
[縫製動作]
制御装置90が実行する上記縫製開始判定処理、目飛び検出処理、清掃制御を含む縫製動作制御について図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御装置90は、操作パネル91から縫製開始が入力されると、操作検出部53によりトグル機構50の入力レバー52が押さえ枠30を押さえ位置とする操作位置にあるか否かを判定する(ステップS1)。
これにより、入力レバー52が上記操作位置にないことが操作検出部53から検出された場合には(ステップS1:NO)、押さえ枠30による中釜押さえ22の押さえ忘れが生じているものとして、操作パネル91に押さえ忘れを報知するエラー表示を行う(ステップS3)。
一方、入力レバー52が上記操作位置にあることが操作検出部53から検出された場合には(ステップS1:YES)、制御装置90はミシンモーター14の駆動を開始し(ステップS5)、エンコーダー15のZ相信号から上軸回転数のカウントを開始する(ステップS7)。
さらに、制御装置90は、エンコーダー15のA相信号から、中釜23が捕捉した上糸がボビンケース24の下部を適正に通過したことを検出するための上軸の角度範囲の開始角度である上軸監視開始角度に到達したか否かを判定する(ステップS9)。
そして、上軸監視開始角度に到達していない場合には、上記判定を繰り返し実行し(ステップS9:NO)、上軸監視開始角度に到達した場合には(ステップS9:YES)、光学ユニット61の受光素子の出力から上糸の通過による受光強度の低下を検出したか否かを判定する(ステップS11)。
そして、上糸が検出されない場合には(ステップS11:NO)、制御装置90は、エンコーダー15のA相信号から、中釜23が捕捉した上糸がボビンケース24の下部を適正に通過したことを検出するための上軸の角度範囲の終了角度度である上軸監視終了角度に到達したか否かを判定する(ステップS13)。
そして、上軸監視終了角度に到達していない場合には(ステップS13:NO)、処理を戻して、再び、光学ユニット61の受光素子の出力から上糸の通過による受光強度の低下を検出したか否かを判定する(ステップS11)。
これに対して、上糸の通過を検出しないで、上軸監視開始角度に到達した場合には(ステップS13:YES)、目飛びが発生したものと判断し、制御装置90は、操作パネル91により目飛びの発生を報知すると共に(ステップS15)、ミシンモーター14を停止させて(ステップS17)、縫製動作制御を終了する。
一方、ステップS11において、上糸の通過が検出された場合には(ステップS11:YES)、制御装置90は、エンコーダー15による上軸回転数のカウント値が500回転に達したか否かを判定する(ステップS19)。
そして、上軸回転数のカウント値が500回転に達していない場合には(ステップS19:NO)、ステップS23に処理を進め、上軸回転数のカウント値が500回転に達した場合には(ステップS19:YES)、エアー吐出機構70の電磁弁77を開いて各ノズル71〜76からのエアーの吹き付けを所定時間継続して実行する(ステップS21)。
次に、制御装置90は、操作パネル91から糸切りの実行が入力された否かを判定し(ステップS23)、入力されていない場合には(ステップS23:NO)、ステップS9に処理を戻して、上軸角度が上糸監視開始角度に到達したか否かを判定する。
また、糸切りの実行が入力された場合には(ステップS23:YES)、ミシンモーター14の駆動を停止させると共に(ステップS25)、糸切り装置による糸切りを実行する(ステップS27)。
そして、エアー吐出機構70の電磁弁77を開いて各ノズル71〜76からのエアーの吹き付けを所定時間継続して実行し(ステップS29)、上軸回転数のカウント値をリセットして(ステップS31)、縫製動作制御を終了する。
[発明の実施形態の技術的効果]
上記ミシン10は、中釜押さえ22を押さえる押さえ枠30に装備され、中釜押さえ22に形成された貫通孔221b,221cを通過すると共に垂直半回転釜20のボビンケース24の正面側を渡る検出光により上糸の通過を検出する光学式の上糸検出部60と、上糸検出部60による検出光の受光量に基づいて上糸の通過の有無を判定する目飛び検出処理部としての制御装置90とを備えている。
このため、中釜押さえ22に形成された貫通孔221b,221cにより、ボビンケース24の正面側を渡る検出光によって上糸の検出を行うことが可能であり、ボビンケース24の正面に検出光を投光しないので、振動により反射光の変動を抑え、外乱の影響を低減させることができるので、上糸の通過を精度良く検出することができ、目飛びの発生も精度良く検出することが可能である。
また、上糸検出部60を押さえ枠30に搭載したので、垂直半回転釜20の周囲に設置スペースを容易に確保しつつ、釜のメンテナンスや交換、清掃作業等の際には、押さえ枠30と共に上糸検出部60を退避させることができ、作業性の向上を図ることが可能である。
また、押さえ枠30と中釜押さえ23との間には、位置決めを行うための凹凸構造として、ピン223,223と位置決め穴321,321とが設けられているので、簡易な構造により、押さえ枠30と中釜押さえ23との相対的な位置決めを精度良く行うことが可能である。これに伴い、垂直半回転釜20に対する上糸検出部60も精度良く位置決めすることができるので、上糸の通過をより精度良く検出することが可能である。
また、中釜押さえ23の周壁部221に形成された一方の貫通孔221bの一部の形状が、垂直半回転釜20の正面に形成された凹部247の凹み形状に倣う形状(略扇形)としているので、ボビンケース24が前後に振動した場合でも検出光の受光強度の変化を低減することができ、垂直半回転釜20に振動が生じても上糸の通過をより精度良く検出することが可能である。
また、枠支持機構40により、押さえ枠30を押さえ位置と退避位置との間で回動可能とし、押さえ位置にある押さえ枠30に中釜押さえ23側への押さえ圧を付与するトグル機構50を備える構成としたので、中釜押さえ23に対して押さえ枠30を強固に固定することができ、上糸検出部60も強固に支持することが可能となる。
また、必要に応じて、押さえ枠30による押さえ状態を容易に解除することも可能である。
また、上記トグル機構50は、入力レバー52の操作状態を検出する操作検出部53を備えているので、縫製時において、押さえ枠30による押さえ忘れを検出することができ、押さえ枠30による中釜押さえ23を押さえない状態で縫製を行うことを防止、低減することが可能となる。
また、ミシン10は、検出光の通過経路に対して塵芥除去のためにエアーの吹き付けを行うエアー吐出機構70を備えているので、検出光の通過経路の各部、例えば、中釜押さえ22の貫通孔221b,221cや上糸検出部60の光学ユニット61や反射板62等から塵芥を除去することができ、塵芥の影響を低減させて上糸の通過をより精度良く検出することが可能となる。
また、制御装置90は、エアー吐出機構70によるエアーの吹き付けを、規定の針落ち回数(例えば500回)ごとに行うようにエアー吐出機構70を制御するので、検出精度の低下を生じる前に、過不足のない適正な頻度でエアーの吹き付けを行うことが可能である。
[その他]
上記ミシン10では、垂直半回転釜20を有する場合を例示したが、垂直全回転釜であっても良い。
また、清掃制御におけるエアー吐出機構70によるエアーの吹き付けを実行する上軸の回転数は、500回に限らない。また、上軸の回転数は、操作パネル91等の設定手段により任意に設定可能としても良い。
10 ミシン
14 ミシンモーター
20 垂直半回転釜(垂直釜)
21 大釜
22 中釜押さえ
221 周壁部
221b,221c 貫通孔(貫通部)
223,223 ピン(凹凸構造)
23 中釜
24 ボビンケース
242 前面部
246 角部
247 凹部
247a 傾斜面
247b 後退面
30 押さえ枠
321,321 位置決め穴(凹凸構造)
40 枠支持機構
50 トグル機構
52 入力レバー
53 操作検出部
60 上糸検出部
61 光学ユニット
62 反射板
70 エアー吐出機構
71〜76 第一〜第六ノズル
90 制御装置(目飛び検出処理部、清掃制御部)

Claims (10)

  1. 垂直釜と、
    垂直釜の正面側に配置される中釜押さえとを備えるミシンにおいて、
    前記中釜押さえを押さえる押さえ位置と当該押さえ位置から離隔した退避位置との間で移動可能に支持された押さえ枠と、
    前記押さえ枠に装備され、前記中釜押さえに形成された貫通部を通過すると共に前記垂直釜のボビンケースの正面側を渡る検出光により上糸の通過を検出する光学式の上糸検出部と、
    前記上糸検出部による前記検出光の受光量に基づいて上糸の通過の有無を判定する目飛び検出処理部とを備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記押さえ枠と前記中釜押さえとの間には、位置決めを行うための凹凸構造が設けられていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記凹凸構造は、ピンと当該ピンを挿入可能な穴からなることを特徴とする請求項2記載のミシン。
  4. 前記中釜押さえは、前記垂直釜の周囲を囲繞する周壁部を有し、
    当該周壁部には、前記貫通部としての貫通孔が形成され、
    当該貫通孔の一部の形状が、前記垂直釜の正面に形成された凹部の凹み形状に倣う形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
  5. 前記押さえ枠は、回動により前記押さえ位置と前記退避位置との間の移動を行い、
    前記押さえ位置にある前記押さえ枠に前記中釜押さえ側への押さえ圧を付与するトグル機構を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のミシン。
  6. 前記トグル機構は、
    前記押さえ枠に対する押さえ圧の付与と解除を操作する入力レバーと、
    前記入力レバーの操作状態を検出する操作検出部とを備えることを特徴とする請求項5記載のミシン。
  7. 前記検出光の通過経路に対して塵芥除去のためにエアーの吹き付けを行うエアー吐出機構を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のミシン。
  8. 前記エアー吐出機構は、前記押さえ枠に装備され、前記中釜押さえの貫通部に対して貫通方向の一端部と他端部とからそれぞれエアーの吹き付けを行うノズルを有することを特徴とする請求項7に記載のミシン。
  9. 前記エアー吐出機構は、前記押さえ枠に装備され、前記上糸検出部の検出光の受光部分及び発光部分に対してエアーの吹き付けを行うノズルを有することを特徴とする請求項7又は8に記載のミシン。
  10. 前記エアーの吹き付けを、規定の針落ち回数又は規定時間ごとに周期的に行うように前記エアー吐出機構を制御する清掃制御部を備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のミシン。
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