JP2023098053A - ミシン及び下糸判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製条件によらず、従来よりも下糸切れ及び下糸絡み不良を精度よく検出可能なミシン及び下糸判定方法を提供すること。【解決手段】ミシンは、針棒、針棒上下動機構、釜、釜機構、張力検出器、回転検出器、及び下糸判定部を備える。針棒は、上糸を挿通する縫針を装着する。針棒上下動機構は、針棒を上下動する。釜は、針棒の下方に設け、下糸を巻回したボビンを回動可能に収容する。釜機構は、針棒の上下動と同期して釜を回動し、縫針に挿通する環状の上糸を捕捉して下糸と絡め取ることで縫目を形成する。張力検出器は、上糸又は下糸の張力を検出する。回転検出器は、ボビンの回転の有無を検出する。下糸判定部は、張力検出器の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、回転検出器の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸の有無を判定する(S3~S7、S11~S19)。【選択図】図9

Description

本発明は、ミシン及び下糸判定方法に関する。
特許文献1のミシンは、下糸の張力を検出する下糸張力センサを備え、縫製中の下糸の張力に基づき、下糸切れが発生しているか否かを判定する。
特開平10-33868号公報
上記ミシンは、縫製条件によっては、下糸切れを精度よく検出できない場合がある。
本発明の目的は、縫製条件によらず、従来よりも下糸切れ及び下糸絡み不良を精度よく検出可能なミシン及び下糸判定方法を提供することである。
請求項1のミシンは、上糸を挿通する縫針を装着する針棒と、前記針棒を上下動する針棒上下動機構と、前記針棒の下方に設け、下糸を巻回したボビンを回動可能に収容する釜と、前記針棒の上下動と同期して前記釜を回動し、前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して前記下糸と絡め取ることで縫目を形成する釜機構と、前記上糸又は前記下糸の張力を検出する張力検出器と、前記ボビンの動作の有無を検出する動作検出器と、前記張力検出器の検出した前記張力が閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定する下糸判定部とを備える。請求項1のミシンは、張力検出器の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、動作検出器の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸の有無を判定するので、張力検出器のみを用いて判定する装置に比べ、的確に縫目に対する下糸の有無を判定できる。
請求項2のミシンの前記下糸判定部は、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出し、且つ、前記張力検出器の検出した前記張力が前記閾値である第一閾値より大きい時、前記縫目に対する前記下糸は有ると判定し、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出し、且つ、前記張力検出器の検出した前記張力が前記第一閾値以下である時、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定する。請求項2のミシンは、ボビンの動作が無いと検出された場合でも、張力検出器が検出する張力が第一閾値よりも大きい時には、縫目に対する下糸を有りと判定できる。ミシンは、ボビンの動作は一時的に停止しているが、下糸が上糸に絡んでいると考えられる状況で、縫目に対する下糸無しと判定することを回避できる。
請求項3のミシンの前記下糸判定部は、前記張力検出器の検出した前記張力が前記閾値である第二閾値以下であり、且つ、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出した時、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定し、前記張力検出器の検出した前記張力が前記第二閾値以下であり、且つ、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が有ると検出した時、前記縫目に対する前記下糸は有ると判定する。請求項3のミシンは、張力検出器が検出する張力が第二閾値以下であっても、ボビンの動作が有る時には、縫目に対する下糸を有りと判定できる。ミシンは、張力が比較的小さいが、ボビンは動作し続けており、下糸が上糸に絡んでいると考えられる状況で、縫目に対する下糸無しと判定することを回避できる。
請求項4のミシンの前記下糸判定部は、縫製開始から所定針数縫製する迄の第一縫製期間と、前記第一縫製期間に続く第二縫製期間とで、互いに異なる前記閾値を用いて判定する。請求項4のミシンは、第一縫製期間と、第二縫製期間とで閾値を変更することで、第一縫製期間と、第二縫製期間との各々に適した閾値を用いて縫目に対する下糸の有無を判定できる。
請求項5のミシンの前記下糸判定部は、回数閾値以上連続して前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値以下となり、且つ、前記動作検出器が前記ボビンの前記動作が無いと検出した場合に下糸切れと判定する。請求項5のミシンは、縫目に対する下糸の有無に基づき、下糸切れを判定できる。
請求項6のミシンの前記下糸判定部は、縫製済み針数に対する、前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値以下となる割合が割合閾値以上であり、且つ、前記動作検出器が前記ボビンの前記動作が無いと検出した場合に、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定する。請求項6のミシンは、張力検出器の特異値に基づき縫目に対する下糸の有無を誤判定することを回避できる。
請求項7のミシンは、前記縫目の針数と、前記閾値との組合せを記憶する記憶部を更に備え、前記下糸判定部は、前記記憶部に記憶した前記組合せに基づき、前記針数に応じた前記閾値を用いて判定を行う。請求項7のミシンは、針数を考慮した閾値を用いて縫目に対する下糸の有無を判定できる。
請求項8のミシンの前記下糸判定部は、前記針棒の上下動の一周期の内の、前記縫目の針数に応じた時機に取得した前記張力検出器の検出した前記張力を用いて判定を行う。請求項8のミシンは、針数に依らず同じ時期に取得した張力検出器の検出した張力を用いて縫目に対する下糸の有無を判定する場合に比べ、針数に応じた縫目の影響を考慮して縫目に対する下糸の有無を判定できる。
請求項9のミシンの前記下糸判定部は、前記針棒の上下動の一周期に対する、前記張力検出器が前記検出結果を取得する時機の頻度を、前記縫目の針数に応じて変更して、前記張力検出器の検出した前記張力を用いて判定を行う。請求項9のミシンは、針数に依らず同じ頻度で取得した張力検出器の検出した張力を用いて縫目に対する下糸の有無を判定する場合に比べ、針数に応じた縫目の影響を考慮して縫目に対する下糸の有無を判定できる。
請求項10のミシンは、前記釜が前記下糸と絡めた前記上糸を引上げる天秤を更に備え、前記張力検出器は、前記上糸の前記張力を検出し、前記下糸判定部は、前記天秤が前記上糸を引上げる天秤引上期間、及び前記釜が前記上糸を捕捉する釜補足期間の何れかの前記時機の前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の前記検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定する。請求項10のミシンは、天秤引上期間又は釜補足期間に検出された上糸の張力に基づき、縫目に対する下糸の有無を判定できる。天秤引上期間又は釜補足期間は、天秤引上期間と釜補足期間との間の期間に比べ、上糸の張力が大きいので、上糸の張力が比較的小さい期間に下糸判定部による判定を行う場合に比べ、誤判定することを回避できる。
請求項11のミシンの前記動作検出器は、前記ボビンの回転の有無を検出する。請求項11のミシンは、ボビンの回転有無の検出結果をもってボビン動作の有無を検出できる。
請求項12のミシンの前記動作検出器は前記ボビンに巻回された前記下糸の量の変化の有無を検出する。請求項12のミシンは、ボビンに巻回された下糸の量の変化の有無検出結果をもってボビン動作の有無を検出できる。
請求項13の下糸判定方法は、上糸を挿通する縫針を装着する針棒と、前記針棒を上下動する針棒上下動機構と、前記針棒の下方に設け、下糸を巻回したボビンを回動可能に収容する釜と、前記針棒の上下動と同期して前記釜を回動し、前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して前記下糸と絡め取ることで縫目を形成する釜機構と、前記上糸又は前記下糸の張力を検出する張力検出器と、前記ボビンの動作の有無を検出する動作検出器とを備えたミシンの制御部が実行する下糸判定方法であって、前記張力検出器の検出した前記張力が閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定する下糸判定工程を含む。請求項13の下糸判定方法を実行した場合、ミシンは、張力検出器の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、動作検出器の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸の有無を判定するので、張力検出器のみを用いて判定する装置に比べ、縫目に対する下糸の有無を的確に判定できる。
ミシン1と編集装置8とを含む縫製システム10の斜視図。 前端部7の部分拡大図。 張力検出器18の斜視図。 釜49が上糸55を捕捉する流れを示す概念図。 ミシン1及び編集装置8の電気ブロック図。 閾値設定処理の流れ図。 縫製データ30と、縫製データ30とに基づき形成される縫目の概念図。 上糸55の張力D1、針先の上下位置D2、上軸角の関係を示す図表。 縫製処理の流れ図。 具体例D3、D4における第一縫製時期の針数Nと上糸55の張力との関係を示すグラフ。 (A)は具体例D5における第二縫製時期の針数Nと上軸22の回転数との関係を表すグラフであり、(B)は具体例D5における第二縫製時期の針数Nと、釜補足期間に検出した上糸55の張力との関係を表すグラフであり、(C)は具体例D5における第二縫製時期の針数Nと、天秤引上期間に検出した上糸55の張力との関係を表すグラフである。 (A)は具体例D6における第二縫製時期の針数Nと上軸22の回転数との関係を表すグラフであり、(B)は具体例D6における第二縫製時期の針数Nと、釜補足期間に検出した上糸55の張力との関係を表すグラフであり、(C)は具体例D6における第二縫製時期の針数Nと、天秤引上期間に検出した上糸55の張力との関係を表すグラフである。 変形例の縫製処理の流れ図。
図面を参照し本発明の実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。図1を参照し縫製システム10を説明する。縫製システム10はミシン1と編集装置8を含む。編集装置8は携行可能な端末であり、ミシン1と接続する。編集装置8はミシン1以外のミシンとも接続してもよいし、複数のミシンと接続してもよい。編集装置8は縫製物(例えば、図4の布69)に形成する縫目に関する縫製データを編集する。編集装置8は縫製データをミシン1に出力する。ミシン1は編集装置8が出力した縫製データに基づき布69に縫目を形成するパターン縫いを行う。
図1~図4を参照しミシン1を説明する。ミシン1はベッド部2、脚柱部3、及びアーム部4を備える。ベッド部2はテーブル50に載置する。ベッド部2は前後方向に延び、内部に釜49(図4参照)、釜機構48(図4参照)、及び回転検出器141(図5参照)等を備える。釜49は後述の針棒9の下方に設け、下糸67を巻回したボビンBを回動可能に収容する。釜機構48は、針棒9の上下動と同期して釜49を回動し、縫針11に挿通する環状の上糸55を捕捉して下糸67と絡め取ることで縫目を形成する。回転検出器141は、ボビンBの動作の有無として、ボビンBの回転の有無を検出する。回転検出器141は、例えば、非光電形の近接センサ(磁気センサ)である。ボビンBは、ボビンBの鍔部の一部に磁石を設置しており、回転検出器141の周囲の磁力は、ボビンBの回転に応じて変化する。回転検出器141は、該磁力の変化を読み取ることでボビンBの回転の有無を検出できる。脚柱部3はベッド部2の後側から鉛直上方に延びる。脚柱部3は内部に主モータ123(図5参照)等を備える。アーム部4は脚柱部3の上端からベッド部2の上面に対向して前方に延び、前端部7を備える。アーム部4は内部に上軸22、及び針棒上下動機構21等を備える。針棒9は前端部7の下端から下方へ延びる。針棒9は、上糸55を挿通する縫針11を装着する。縫針11は針棒9の下端に着脱可能に設け、下端に目孔111を有する。
ミシン1はベッド部2の上方に作業台5と移送装置6を備える。作業台5は針板501を備える。針板501は縫針11の直下に針穴502を有する。針穴502には縫針11が挿通できる。移送装置6はX軸移動機構、Y軸移動機構、腕部65、支持部64、昇降部62、及び保持体60を備える。X軸移動機構はベッド部2の内部に設け、Y軸移動機構は脚柱部3の内部に設ける。腕部65は支持部64を保持し、Y軸移動機構に接続する。支持部64は左右方向に延び、昇降部62と保持体60を支持する。昇降部62は支持部64に昇降可能に設ける。保持体60は移送板61と押え板63を備える。移送板61は水平方向に延び、前端部に平面視矩形状の開口を有する。移送板61は支持部64に接続する。押え板63は水平方向に延び、平面視矩形状の開口を有する。押え板63は昇降部62の下端に連結する。移送板61の開口は押え板63の開口と略同一形状であり、押え板63の開口の位置に対応する。
X軸移動機構はX軸モータ124(図5参照)を駆動源とし、昇降部62と保持体60を左右方向(X軸方向)へ移動する。Y軸移動機構はY軸モータ125(図5参照)を駆動源とし、腕部65を前後方向(Y軸方向)へ移動する。支持部64は腕部65の前後方向への移動に伴い前後方向へ移動する。昇降部62と保持体60は支持部64と共に移動する。作業者は布69(図4参照)を移送板61上に載置する。昇降部62が下方に移動すると、押え板63は移送板61上へ下降する。保持体60(押え板63と移送板61)は布69を上下から挟持する。ミシン1はX軸移動機構とY軸移動機構により保持体60を前後左右に移動することで、保持体60で挟持した布69と縫針11を互いに相対移動する。
図2に示す如く、前端部7は案内機構14、針棒9、及び押え棒12等を備える。案内機構14は前端部7右側面に設け、上糸55を案内する。案内機構14は副糸調子器15、主糸調子器16、糸案内17、張力検出器18、天秤19、及び糸案内20を含む。上糸55は糸駒から副糸調子器15、主糸調子器16、糸案内17、張力検出器18、天秤19、及び糸案内20を経由し、縫針11の目孔111に挿通する。天秤19は、釜49(図4参照)が下糸67と絡めた上糸55を引上げる。主糸調子器16はソレノイド128(図5参照)を有する。主糸調子器16はソレノイド128の動作に伴い上糸55に付与する張力(以下、上糸張力と称す)を変更することで、糸調子を調節する。上糸張力は上糸55と下糸67の張力バランスを考慮して設定する。主モータ123(図5参照)は上軸22を回転駆動する。針棒上下動機構21は上軸22の回転駆動に伴い針棒9を上下動する。
押え棒12は針棒9左方で前端部7の下端から下方へ延びる。押え足13は押え棒12の下端部に装着し、下端部131を備える。下端部131は上下方向に貫通した円筒状であり、縫針11が通過できる。押え足駆動機構は上軸22の回転駆動に伴う針棒9の上下方向に揺動に同期し、押え棒12を上下方向に揺動する。押え足駆動機構は押えモータ129(図5参照)を有する。押え足駆動機構は押えモータ129の駆動に伴い針板501上面から押え足13の下端迄の高さ(以下押え足高さと称す)を調節できる。押え足13は縫針11が布69から抜ける時に上方から布69を針板501に押えることで、針板501からの布69の浮き上がりを防止する。縫針11は下端部131の内側を通り布に刺さる。縫針11は針穴502を通り上下方向に移動する。
図2、図3の如く、張力検出器18は前端部7の右面、且つ、副糸調子器15と主糸調子器16の間の上下位置で糸案内17と天秤19の間の経路に在る。張力検出器18は上糸張力を検出できる。張力検出器18は取付台51、保持部52、磁気センサ53、板54、案内部材77、及び磁石56を備える。取付台51は取付部57と台座部59とを備える。取付部57と台座部59は互いに一体的に形成する。取付部57は、螺子を挿通する長孔58を備える。長孔58に挿通した螺子は前端部7の右面に設けた螺子穴に締結する。台座部59は取付台51左側にある。台座部59は左突部71と右突部72とを備える。左突部71と右突部72との夫々は前後方向に延びる直方体状である。
保持部52は略直方体状に形成し、左突部71と右突部72の間で台座部59に取付ける。保持部52は非磁性体である。磁気センサ53は保持部52前面にて保持する。磁気センサ53はホール素子である。磁気センサ53は左突部71と右突部72夫々の前端よりも後側に在る。
板54は前後方向に厚みを有する板状であり、左突部71と右突部72に架け渡す。案内部材77は左突部71と右突部72に取付ける。案内部材77は左突部71との間に板54の左端部を挟込み、且つ右突部72との間に板54の右端部を挟込む。板54の左右方向中央部は保持部52前面との間に隙間を有する。故に板54は左右方向の両端部を支点として、前後方向に撓む。
磁石56は前後方向に延びる円柱状に形成する。磁石56は板54の左右方向中央部の後面に固定する。板54が前後方向に撓むと、磁石56は前後に移動し、磁気センサ53との距離が変化する。磁気センサ53は磁石56からの磁束密度の変化を検出し、磁束密度に応じた電圧を出力する。
案内部材77は上案内溝74と下案内溝76を備える。上案内溝74と下案内溝76は板54を間にして上下方向に並ぶ。上案内溝74と下案内溝76は上下方向に開口し、平面視鉤状に形成する。上案内溝74は上保持孔73を備え、下案内溝76は下保持孔75を備える。上保持孔73と下保持孔75は上下方向に開口する貫通孔である。上糸55は上保持孔73と下保持孔75夫々を挿通する。上保持孔73と下保持孔75の間にある上糸55は前方から板54に接触する。上糸張力が増大する程、上糸55は板54を後方に付勢する。磁気センサ53は上糸張力に依り前後方向に撓む板54の前後位置に応じた電圧を出力する。ミシン1は磁気センサ53の出力電圧に依り上糸張力を取得できる。
図1の如く、編集装置8はテーブル50上に配置し、表示画面86、スピーカ87(図5参照)、操作盤88、及び選択キー89等を備える。表示画面86は各種画面を表示する。スピーカ87は各種音を出力する。操作盤88と選択キー89は各種情報、指示を編集装置8に入力する。操作盤88はタッチパネルであり、表示画面86前面に設ける。選択キー89は表示画面86の下方に設け、上キー89A、下キー89B、左キー89C、及び右キー89Dを含む。各種情報、指示を編集装置8に入力する時、作業者は操作盤88又は選択キー89を操作する。
図5を参照し縫製システム10の電気的構成を説明する。ミシン1は制御部100を備える。制御部100はCPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、入出力インターフェース(I/F)106、及び駆動回路113~116を備える。入出力I/F106はCPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、駆動回路113~116、踏板126、電源スイッチ127、回転検出器141、張力検出器18、ソレノイド128、及び外部接続I/F130と接続する。CPU101はミシン1の動作を統括制御する。ROM102は各種プログラム等を記憶する。RAM103は各種情報を一時的に記憶する。記憶装置104は不揮発性であり、各種情報を記憶する。記憶装置104は、縫製データ30(図7参照)に従って縫製する場合の縫目35(図7参照)の針数と、後述の主処理で用いる閾値との組合せを記憶する。縫製データ30は、X軸モータ124とY軸モータ125とを駆動する縫製座標系で表される。
駆動回路113は主モータ123と接続する。CPU101は駆動回路113を介して主モータ123を制御する。例えばCPU101は主モータ123の出力軸の回転速度(縫製速度)を制御する。エンコーダ133は主モータ123の出力軸に設け、入出力I/F106と接続する。エンコーダ133は主モータ123の出力軸の回転速度、回転位置を検出する。主モータ123の出力軸の回転位置を上軸角と称す。駆動回路114はX軸モータ124と接続する。CPU101は駆動回路114を介してX軸モータ124を制御する。エンコーダ134はX軸モータ124の出力軸に設け、入出力I/F106と接続する。エンコーダ134はX軸モータ124の出力軸の回転方向、回転速度、回転位置を検出する。駆動回路115はY軸モータ125と接続する。CPU101は駆動回路115を介してY軸モータ125を制御する。エンコーダ135はY軸モータ125の出力軸に設け、入出力I/F106と接続する。エンコーダ135はY軸モータ125の出力軸の回転方向、回転速度、回転位置を検出する。駆動回路116は押えモータ129と接続する。CPU101は駆動回路116を介して押えモータ129を制御する。エンコーダ136は押えモータ129の出力軸に設け、入出力I/F106と接続する。エンコーダ136は押えモータ129の出力軸の回転方向、回転速度、回転位置を検出する。
CPU101は主モータ123を駆動して上軸22を回転駆動することで、針棒9、押え棒12の上下方向の揺動と垂直釜の回転を制御する。CPU101は縫製データに基づき主モータ123の駆動と同時にX軸モータ124、Y軸モータ125を駆動し、保持体60の位置を制御する。ミシン1は該制御で布69に縫製を行う。
踏板126は制御部100に各種指示を入力する。作業者は例えばミシン1の縫製動作の開始時に踏板126を踏み込む。電源スイッチ127はミシン1の起動と終了を行う。回転検出器141は釜49に装着したボビンBの回転の有無の検出結果を制御部100に入力する。張力検出器18は上糸張力に応じた出力電圧を制御部100に出力する。CPU101はソレノイド128の動作制御を行う。外部接続I/F130はケーブル70を介して編集装置8の外部接続I/F95と接続する。
編集装置8は制御部80を備える。制御部80はCPU81、ROM82、RAM83、記憶装置84、及び入出力I/F85を備える。入出力I/F85はCPU81、ROM82、RAM83、記憶装置84、表示画面86、スピーカ87、操作盤88、選択キー89、及び外部接続I/F95と接続する。CPU81は編集装置8の動作を統括制御する。ROM82は後述の主処理を行うプログラム、複数種類の符号等を記憶する。RAM83は各種情報を一時的に記憶する。記憶装置84は不揮発性であり、縫製データ等、各種情報を記憶する。CPU81は表示画面86の表示制御、スピーカ87の音出力制御、操作盤88、選択キー89からの入力制御を行う。外部接続I/F95はケーブル70を介してミシン1の外部接続I/F130と接続する。
図1~図5を参照し、ミシン1の動作概要を説明する。作業者は針板501上の保持体60に布69を保持させる。作業者が縫製指示を入力することで、ミシン1は縫製データに従って主モータ123、X軸モータ124、Y軸モータ125を駆動する。主モータ123の駆動に依り、上軸22は回動して針棒9と天秤19を上下動する。釜49は上軸22の回動に同期して回動する。
針棒9と共に下降する縫針11は、布69を貫通して針板501に形成した針穴502(図2参照)を通過する。図4(a)の如く、針穴502下方まで下降した目孔111近傍の上糸55は環状になる。図4(b)の如く、釜49が正面視時計回りに回動することで、剣先46は環状の上糸55を捕捉する。以下、剣先46が環状の上糸55を捕捉する期間を釜捕捉期間という。縫針11が布69上方に向けて上昇し、釜49が正面視時計回りに更に回動する。剣先46は環状の上糸55を回動方向に引き込み、環状の上糸55は拡径する。
図4(c)の如く、環状になった上糸55が釜49をくぐり抜けると、上糸55は下糸67に絡まる。釜49の回動方向は、正面視反時計回りに切替わる。図4(d)の如く、天秤19は下糸67に絡んだ上糸55を引上げる。以下、天秤19が上糸55を引上げる期間を天秤引上期間という。環状の上糸55が縮径し、ミシン1は一針分の縫製を完了する。本実施形態では上軸22が一回転する度に、ミシン1は一針分の縫製を実行する。ミシン1は上記動作を繰返すことで布69に複数の縫目68を形成する。
図6~図8を参照し、ミシン1の閾値設定処理を、図7の具体例を用いて説明する。作業者がミシン1の電源をONにした後、開始の指示を入力すると、CPU101はROM102からプログラムと、縫製データとを読み出して閾値設定処理を開始する。
図6の如く、CPU101は、縫製データ30を取得する(S51)。図7の如く、具体例の縫製データ30は所定の縫製順序に従う針落点P1~P70を含む、矩形状の縫目35を形成するためのデータである。針落点は針棒9に装着した縫針11が布69に刺さる予定位置である。針落点P1は縫製順序が最初の開始点であり、針落点P70は縫製順序が最後の終了点である。針落点P1~P3に基づく縫目は、矢印J1で示す方向に形成され、針落点P4~P70に基づく縫目は、針落点P3から反時計回りに、矢印J2~J6の方向に形成される。編集装置8は縫製データ30をミシン1に出力できる。ミシン1ではCPU101は編集装置8が出力した縫製データ30を受信する。CPU101は受信した縫製データ30の針落点P1~P70を開始点P1から終了点P70迄並んだ順に読み出すための変数Nを1に設定し、S51で取得した縫製データ30に基づく縫製を開始する(S52)。ミシン1は縫製データ30に従って主モータ123、X軸モータ124、Y軸モータ125を駆動する。主モータ123の駆動に依り、上軸22は回動して針棒9と天秤19を上下動する。釜49は上軸22の回動に同期して回動する。
CPU101は、エンコーダ133の検出結果に依る上軸角から、上糸張力の検出時機(位相)かを判断する(S53)。図8の如く、縫製時、上糸張力及び縫針11の下端(針先)の高さは上軸角に応じて縫製期間を単位周期として周期的に変動する。縫製期間は一針分の縫製を行う期間である。図8右側の縦軸は針板501の上面を基準とした縫針11の下端の高さを示す。上軸角がH1、H2の時、縫針11の下端は針板501上面に載置する布69上面と同じ高さ位置になる。即ち、上軸角がH1からH2迄の期間は縫針11が布69に刺さる貫通期間である。上軸角がH1未満の期間とH2より大きい期間は縫針11が布69よりも上方にある非貫通期間である。縫製期間は、天秤引上期間、釜捕捉期間を含む。上糸張力は縫製期間の内、天秤引上期間と釜捕捉期間にピークを有する。本実施形態のCPU101はエンコーダ133の検出結果に依る上軸角から、上糸張力の判定時機(検出時機)を判断する。本実施形態のCPU101は縫製開始から所定針数縫製する迄の第一縫製期間と、第一縫製期間に続く第二縫製期間とで判定時機を変更する。第一縫製期間の長さは適宜設定されればよく、本実施形態では、縫製開始後、針数が10未満の期間である。CPU101は、第一縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、釜捕捉期間に張力検出器18が検出した上糸張力を用いて行う。CPU101は、第二縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、天秤引上期間に張力検出器18が検出した上糸張力を用いて行う。CPU101は変数Nに基づき、第一縫製期間であるか、第二縫製期間であるかを判断し、検出時機を特定する。検出時機ではない時(S53:NO)、CPU101は、検出時機になる迄待機する。
検出時機である時(S53:YES)、CPU101は変数Nに対応する張力として、張力検出器18が出力した検出結果を記憶する(S54)。CPU101は、変数Nが、S51で取得した縫製データ30の最後の針数かを判断する(S55)。最後の針数ではない時(S55:NO)、CPU101は変数Nに1を加算し(S56)、処理をS53に戻す。最後の針数である時(S55:YES)、CPU101は、縫製データ30に基づき縫製を停止する(S57)。CPU101は、処理を継続するかを判断する(S58)。本実施形態のCPU101は、複数回S52~S57の処理を実行することで、複数組の針数と張力との対応を取得し、針数毎に、張力の平均値と、標準偏差とを取得する。組数は適宜定められればよく、例えば5~20の何れかである。ミシン1の作業者は、保持体60に対する布69の位置を変更して、S52~S57の処理を実行する継続指示を入力する。継続指示を検出した時(S58:YES)、CPU101は処理をS52に戻す。
継続指示を検出しない時(S58:NO)、CPU101は、複数組の針数と張力との対応に基づき、針数毎に、閾値を設定する(S59)。CPU101は、第一縫製期間の針数Nの閾値である第一閾値H1(N)を式(1)に従って設定し、第二縫製期間の針数Nの閾値である第二閾値H2(N)を式(2)に従って設定する。
第一閾値H1(N)=張力の平均値(N)-C1×標準偏差(N) ・・・式(1)
第二閾値H2(N)=張力の平均値(N)-C2×標準偏差(N) ・・・式(2)
ここで、張力の平均値(N)は、針数Nに対応する張力の平均値であり、標準偏差(N)は、針数Nに対応する張力の標準偏差である。C1、C2は定数であり、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。C1、C2はミシン1の作業者が設定してもよいし、CPU101が縫製条件に応じて自動で設定してもよい。本実施形態では一例として、C1は2であり、C2は2又は3である。即ち、C1はC2以下の値である。CPU101は設定した閾値を針数Nと対応付けて記憶装置104に記憶する。CPU101は以上で閾値設定処理を終了する。
図9~図12を参照し、ミシン1の縫製処理を説明する。作業者が縫製データを指定後、縫製開始の指示を入力すると、CPU101はROM102からプログラムを読み出して図9の縫製処理を開始する。縫製データ30に従い縫製する場合の縫目に対する下糸67の有無を判定する具体例として、図10~図12の具体例D3~D6を用いる。具体例D3は、第一縫製期間に亘って縫目に対する下糸67が有る場合の上糸張力と針数Nとの関係の一例を示す。具体例D4は、縫製開始時に縫目に対する下糸67が無い場合の上糸張力と針数Nとの関係の一例を示す。具体例D5は、C2が3の条件で第二閾値H2を設定し、第二縫製期間の途中で縫目に対する下糸67が無くなる(下糸切れ)場合の上糸張力と針数Nとの関係の一例を示す。具体例D6は、C2が2の条件で第二閾値H2を設定し、第二縫製期間で多数針擬似縫製の場合の上糸張力と針数Nとの関係の一例を示す。尚、擬似縫製とは上糸55のみで縫目状のものを形成し、縫目ができているように見えるもので下糸67が上糸55と絡んでいない状態の不良縫製を指すものであり、多数針疑似縫製とはその疑似縫製が複数回発生した縫製例を意味する。擬似縫製の場合、順次下糸67が供給されない状態である。
図9の如く、CPU101は変数初期化処理を実行する(S1)。CPU101はRAM103に記憶した異常を連続して検出した回数を数えるカウンタE、Fを0にし、針数を数えるカウンタNを1にする。CPU101は、変数Nに基づき、第一縫製期間中かを判断する(S2)。第一縫製期間中である時(S2:YES)、CPU101は回転検出器141の検出結果に基づき、ボビンBの回転を検出したかを判断する(S3)。具体例D3では、ボビンBの回転が有ると検出され(S3:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定し、第一縫製期間のカウンタEに0を設定した後(S18)、後述のS21の処理を行う。具体例D4では、ボビンBの回転が無いと検出され(S3:NO)、第一縫製時期内の所定時機に張力検出器18が検出した上糸張力が、S59で設定した第一閾値H1(N)よりも大きいかを判断する(S4)。CPU101は記憶装置104に記憶した針数Nと、第一閾値H1との組合せに基づき、針数Nに応じた第一閾値H1(N)を用いる。図10の如く、針数Nが1である時、白四角で示す具体例D4の上糸張力は、白丸で示す第一閾値H1(1)よりも大きいので(S4:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定し、カウンタEに0を設定した後(S18)、後述のS21の処理を行う。このように、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出し(S3:NO)、且つ、張力検出器18の検出した張力が第一閾値H1(N)より大きい時(S4:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定する。一方、針数Nが3~6の何れかである時、具体例D4の上糸張力は、第一閾値H1(N)以下であるので(S4:NO)、CPU101は、下糸67の異常を検出するカウンタEに1加算する(S5)。
CPU101は、カウンタEが回数閾値よりも大きいかを判断する(S6)。回数閾値は、第一縫製期間に含まれる最大針数である9よりも小さい値が、予め設定されればよい。本実施形態の回転閾値は、3である。変数Nが6である時、具体例D4のカウンタEは4であり、回数閾値よりも大きいので(S6:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する(S17)。CPU101は判定結果を表示画面86に表示する指示を編集装置8に出力してもよい。ミシン1がLEDランプ等の報知部を備える場合は、CPU101は、報知部に縫目に対する下糸67無しの判定結果を報知してもよい。このように、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出し(S3:NO)、且つ、張力検出器18の検出した張力が第一閾値H1(N)以下である時(S4:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する(S17)。本実施形態では、回数閾値以上連続して張力検出器18の検出した量力が第一閾値H1(N)以下となり(S4:NO、S6:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に(S3:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する(S17)。CPU101は、縫製データ30に基づく縫製を、縫製途中で終了して(S23)、以上で縫製処理を終了する。尚、本実施形態において、(縫目に対する)下糸67が無いとは、下糸67が尽きて下糸切れを生じている状態、若しくは、縫製時の布の送りの際に下糸67が抜けてしまったりして、下糸67が上糸55と絡んでいない状態を意味している。
具体例D4では、変数Nが5以下である時、カウンタEは回数閾値以下であるので(S6:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定し(S7)、針数Nが最後の針数かを判断する(S21)。針数Nが最後の針数ではない時(S21:NO)、CPU101は、針数Nに1を加算して(S22)、処理をS2に戻す。針数Nが最後の針数である時(S21:YES)、CPU101は、縫製を終了し(S23)、以上で縫製処理を終了する。
第一縫製期間ではない時(S2:NO)、CPU101は、第二縫製時期内の所定時機に張力検出器18が検出した上糸張力が、S59で設定した第二閾値H2(N)よりも大きいかを判断する(S11)。CPU101は記憶装置104に記憶した針数Nと、第二閾値H2(N)との組合せに基づき、針数Nに応じた第二閾値H2(N)を用いる。図11(C)の如く、具体例D5では、針数Nが10である時、黒丸で示す上糸張力が、白四角で示す第二閾値H2(10)よりも大きいので(S11:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定し、第二縫製期間のカウンタFに0を設定した後(S18)、前述のS21の処理を行う。図12(C)の如く、具体例D6では、針数Nが10である時、黒丸で示す上糸張力が、白四角で示す第二閾値H2(N)以下であるので(S11:NO)、CPU101は、異常を検出したことを表示画面86の表示する指示を編集装置8に出力する(S12)。ミシン1がLEDランプ等の報知部を備える場合は、CPU101は、報知部に異常を検出したことを報知してもよい。CPU101は、第二縫製期間のカウンタFに1加算する(S13)。CPU101は、カウンタFが回数閾値よりも大きいかを判断する(S14)。S14の回数閾値は、S6の回数閾値と互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。本実施形態の回数閾値は例えば、5である。
具体例D6では、針数Nが10である時、カウンタFは1であり回数閾値以下であるので(S14:NO)、CPU101は、第二縫製時期内の所定時機に張力検出器18が検出した上糸張力が、第三閾値よりも大きいかを判断する(S15)。第三閾値は第二閾値よりも小さい。第三閾値は縫目での下糸67の絡みが無い場合を検出する閾値である。具体例D6では変数Nが10である時、上糸張力が、第三閾値よりも大きい時(S15:YES)、CPU101は、S21の処理を行う。具体例D3では、針数Nが11である時、上糸張力が第二閾値H2(N)よりも大きいので(S11:YES)、CPU101は、下糸67が有ると判定し、カウンタFに0を設定した後(S18)、前述のS21の処理を行う。このように、具体例D6では、上糸張力が第二閾値H2(N)以下となる場合があるが、連続して回数閾値以上、上糸張力が第二閾値H2(N)以下となる期間はないので、第二縫製期間に亘って、下糸67は有ると判定される。上糸張力が、第三閾値以下である時(S15:NO)、CPU101は、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定し(S17)、縫製データ30に基づく縫製を終了して(S23)、以上で縫製処理を終了する。即ち、CPU101は、上糸張力が一度でも第三閾値以下となった場合には、縫目に対する下糸67が無いと検出する。
一方、具体例D5では、針数Nが36である時カウンタFは6であり回数閾値より大きいので(S14:YES)、CPU101は、回転検出器141がボビンBの回転を検出したかを判断する(S16)。回転検出器141の検出結果が回転有りである時(S16:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定し(S19)、S21の処理を行う。このように、張力検出器18の検出した張力が第二閾値H2(N)以下であり、且つ、回転検出器141が、ボビンBの回転が有ると検出した時(S16:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定する。
回転検出器141の検出結果が回転無しである時(S16:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する(S17)。このように、張力検出器18の検出した張力が第二閾値H2(N)以下であり(S11:NO)、且つ、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出した時(S16:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する。本実施形態では、回数閾値以上連続して張力検出器18の検出した張力が第二閾値H2(N)以下となり(S11:NO、S14:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に(S16:NO)、CPU101は、下糸67が尽きた状態(下糸切れ)と判定する(S17)。CPU101は、縫製データ30に基づく縫製を、縫製途中で終了して(S23)、以上で縫製処理を終了する。
上記実施形態と同じく図9を参照して第一変形例の縫製処理を説明する。作業者が縫製データ30を指定後、縫製開始の指示を入力すると、CPU101はROM102からプログラムを読み出して図9の第一変形例の縫製処理を開始する。第一変形例のCPU101は縫製開始から所定針数縫製する迄の第一縫製期間と、第一縫製期間に続く第二縫製期間とで判定頻度を変更する。CPU101は、第一縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、天秤引上期間と、釜捕捉期間とに張力検出器18が検出した検出結果を用いて行う。CPU101は、第二縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、天秤引上期間に張力検出器18が検出した検出結果を用いて行う。即ち、CPU101は第一縫製期間では、針棒9の上下動の一周期に対して二回、上糸張力を検出し、S4の判定を行う。CPU101は、上糸張力の検出時機に応じた第一閾値H1(N)を用いてS4の判定を行う。CPU101は第二縫製期間では、針棒9の上下動の一周期に対して一回、上糸張力を検出し、S11の判定を行う。他の処理については上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
図13を参照して第二変形例の縫製処理を説明する。CPU101は、第二変形例の縫製処理で、針数Nに対する異常として検出された割合が、割合閾値よりも大きいか否かに基づき、縫目に対する下糸67の有無を判定する。作業者が縫製データ30を指定後、縫製開始の指示を入力すると、CPU101はROM102からプログラムを読み出して図13の縫製処理を開始する。図13において図9の縫製処理と同様の処理を行う場合には、同じ符号を付与している。図13の如く、第二変形例の縫製処理は、S6に替えてS31を行い、S14に替えてS32を行い、S18に替えてS33を行う点で、図9の縫製処理と互いに異なる。以下、図9の縫製処理と互いに異なるS31~S33を説明し、他の処理は説明を省略する。
S31では、CPU101は、カウンタEを針数Nで除した割合が、割合閾値よりも大きいかを判断する(S31)。割合閾値は、1よりも小さい値が、予め設定されればよい。割合閾値は、例えば、20~60%の何れかである。割合が、割合閾値よりも大きい時(S31:YES)、CPU101は、縫目に対する下糸67が無いと判定する(S17)。割合が、割合閾値以下である時(S31:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67が有ると判定する(S7)。
S32では、CPU101は、カウンタFを針数Nから第一縫製期間の最大針数である9を差し引いた値(則ち、第二縫製期間の針数)で除した割合が、割合閾値よりも大きいかを判断する(S32)。割合閾値は、1よりも小さい値が、予め設定されればよい。S32の割合閾値は、S31の割合閾値と互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。割合閾値は、例えば、5~10%の何れかである。割合が、割合閾値よりも大きい時(S32:YES)、CPU101は回転検出器141の検出結果に基づき、ボビンBの回転を検出したかを判断する(S16)。割合が、割合閾値以下である時(S31:NO)、CPU101は、第二縫製時期内の所定時機に張力検出器18が検出した上糸張力が、第三閾値よりも大きいかを判断する(S15)。S33では、CPU101は、カウンタE、Fを初期化せずに、下糸67は有ると判定する(S33)。変形例では、割合閾値を0.1に設定した時、図12の具体例D6の場合、割合が割合閾値よりも大きく(S32:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に(S16:NO)、CPU101は、縫目に対する下糸67無し、特に多数針疑似縫製であると判定できる。
上記実施形態、第一変形例、及び第二変形例において、ミシン1、針棒9、縫針11、張力検出器18、針棒上下動機構21、釜機構48、釜49、上糸55、下糸67、記憶装置104、及び回転検出器141は各々、本発明のミシン、針棒、縫針、張力検出器、針棒上下動機構、釜機構、釜、上糸、下糸、記憶装置、及び動作検出器の一例である。図9のS3~S7、S11~S19の処理を実行するCPU101は、本発明の下糸判定部の一例である。図9のS3~S7、S11~S19の処理は、本発明の下糸判定工程の一例である。図13のS3~S5、S7、S11~S13、S15~S17、S19、S31~33の処理を実行するCPU101は、本発明の下糸判定部の一例である。図13のS3~S5、S7、S11~S13、S15~S17、S19、S31~33の処理は、本発明の下糸判定工程の一例である。
上記実施形態、第一変形例、及び第二変形例のミシン1は、針棒9、針棒上下動機構21、釜49、釜機構48、張力検出器18、回転検出器141、及びCPU101を備える。針棒9は、上糸55を挿通する縫針11を装着する。針棒上下動機構21は、針棒9を上下動する。釜49は、針棒9の下方に設け、下糸67を巻回したボビンBを回動可能に収容する。釜機構48は、針棒9の上下動と同期して釜49を回動し、縫針11に挿通する環状の上糸55を捕捉して下糸67と絡め取ることで縫目を形成する。張力検出器18は、上糸55又は下糸67の張力を検出する。回転検出器141は、ボビンBの回転の有無を検出する。CPU101は、張力検出器18の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、回転検出器141の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸67の有無を判定する(S3~S7、S11~S19)。ミシン1は、張力検出器18の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、回転検出器141の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸67の有無を判定するので、張力検出器18のみを用いて判定する装置に比べ、縫目に対する下糸67の有無を的確に判定できる。
ミシン1のCPU101は、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出し(S3:NO)、且つ、張力検出器18の検出した張力が閾値である第一閾値H1(N)より大きい時(S4:YES)、縫目に対する下糸67は有ると判定する(S18、S33)。CPU101は、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出し(S3:NO)、且つ、張力検出器18の検出した張力が第一閾値H1(N)以下である時(S4:NO)、縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。ミシン1は、ボビンBの回転が無いと検出された場合でも、張力検出器18が検出する張力が第一閾値H1(N)よりも大きい時には、縫目に対する下糸67が有ると判定できる。ミシン1は、ボビンBの回転は一時的に停止しているが、下糸67が上糸55に絡んでいると考えられる状況で、縫目に対する下糸67無しと判定することを回避できる。
ミシン1のCPU101は、張力検出器18の検出した張力が閾値である第二閾値H2(N)以下であり(S11:NO)、且つ、回転検出器141が、ボビンBの回転が無いと検出した時(S16:NO)、縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。CPU101は、張力検出器18の検出した張力が第二閾値H2(N)以下であり(S11:NO)、且つ、回転検出器141が、ボビンBの回転が有ると検出した時(S16:YES)、縫目に対する下糸67は有ると判定する(S19)。ミシン1は、張力検出器18が検出する張力が第二閾値H2(N)以下であっても、ボビンBの回転が有る時には、縫目に対して下糸67が有ると判定できる。ミシン1は、張力が比較的小さいが、ボビンBは回転し続けており、縫目に対する下糸67が上糸55に絡んでいると考えられる状況で、縫目に対する下糸67無しと判定することを回避できる。
ミシン1のCPU101は、縫製開始から所定針数縫製する迄の第一縫製期間と、第一縫製期間に続く第二縫製期間とで、互いに異なる閾値を用いて判定する(S4、S11)。ミシン1は、第一縫製期間と、第二縫製期間とで閾値を変更することで、第一縫製期間と、第二縫製期間との各々に適した閾値を用いて縫目に対する下糸67の有無を判定できる。
上記実施形態及び第一変形例のミシン1のCPU101は、回数閾値以上連続して張力検出器18の検出した張力が閾値以下となり(S4:NO、S6:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合(S3:NO)に縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。ミシン1のCPU101は、回数閾値以上連続して張力検出器18の検出した張力が閾値以下となり(S11:NO、S14:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合(S16:NO)に縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。ミシン1は、縫目に対する下糸67の有無に基づき、下糸切れを判定できる。図11(A)の如く、縫目に対する下糸67が途中で無くなる場合は、縫製途中で黒丸で示す回転数に異常は見られないが、図11(B)、(C)の如く、縫目に対する下糸67が無くなったことを契機に、連続して上糸張力が第二閾値H2(N)以下となるのでので、上記実施形態の縫製処理を用いることで、早期に縫目に対する下糸67が無くなったことを検出できる。更にミシン1は、図11(C)の如く、天秤引上期間に取得した張力検出器18の検出した張力を用いて、縫目に対する下糸67の有無を判定した方が、図11(B)の如く釜補足期間に取得した張力検出器18の検出した張力を用いて、縫目に対する下糸67の有無を判定早期に縫目に対する下糸67が無くなったことを的確に検出できる。
第二変形例のミシン1のCPU101は、縫製済み針数に対する、張力検出器18の検出した張力が閾値以下となる割合が割合閾値以上であり(S4:NO、S31:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に(S3:NO)、縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。CPU101は、縫製済み針数に対する、張力検出器18の検出した張力が閾値以下となる割合が割合閾値以上であり(S11:NO、S32:YES)、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に(S16:NO)、縫目に対する下糸67は無いと判定する(S17)。ミシン1は、張力検出器18の特異値に基づき下糸67絡みの縫製不良の有無を誤判定することを回避できる。図12(A)の如く、多数針擬似縫製の場合は、黒丸で示す回転数に異常は見られず、図12(B)、(C)の如く、連続して上糸張力が第二閾値H2(N)以下となる期間はないので、上記実施形態の縫製処理では、擬似縫製を検出しにくいが、第二変形例の縫製処理を行うことで、複数の縫目の上糸張力と、ボビンBの回転の有無に基づき、擬似縫製を適切に検出できる。
上記実施形態、第一変形例、第二変形例のミシン1は、縫目の針数と、閾値との組合せを記憶する記憶装置104を更に備え、CPU101は、記憶装置104に記憶した組合せに基づき、針数に応じた閾値を用いて判定を行う。ミシン1は、針数を考慮した閾値を用いて縫目に対する下糸67の有無を判定できる。ミシン1は、縫製データ30に基づき、同様の布69に同様の縫目を形成できるため、縫製データの針数に応じた縫目は、互いに類似する縫目となる。故に、ミシン1は、縫製データに従って、同様の布69に縫目を形成する場合に、布69の厚み、曲線か否か、送り量等の影響を考慮して設定した閾値を用い、縫目に対する下糸67の有無を適切に判定できる。
CPU101は、針棒9の上下動の一周期の内の、縫目の針数に応じた時機に取得した張力検出器18の検出した張力を用いて判定を行う。ミシン1は、針数に依らず同じ時期に取得した張力検出器18の検出した張力を用いて縫目に対する下糸67の有無を判定する場合に比べ、針数に応じた縫目の影響を考慮して縫目に対する下糸67の有無を判定できる。本実施形態では、CPU101は、第一縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、釜捕捉期間に張力検出器18が検出した検出結果を用いて行う。このように張力検出器18の検出時機を設定することで、ミシン1は、第一縫製期間において、下糸67が無い場合を好適に検出できる。一方、図11に示すように、縫目に対する下糸67が途中でなくなる場合の上糸張力と、第二閾値H2との乖離は、図11(B)に示す釜補足期間内に取得した検出結果よりも、図11(C)に示す天秤引上間内に取得した検出結果の方が著しい。故にミシン1は第二縫製期間の縫目に対する下糸67の有無の判定を、天秤引上期間に張力検出器18が検出した検出結果を用いて行うことで、第二縫製期間において、縫目に対する下糸67が無い場合を好適に検出できる。
第一変形例のCPU101は、針棒9の上下動の一周期に対する、張力検出器18が検出結果を取得する時機の頻度を、縫目の針数に応じて変更して、張力検出器18の検出した張力を用いて判定を行う。ミシン1は、針数に依らず同じ頻度で取得した張力検出器18の検出した張力を用いて縫目に対する下糸67の有無を判定する場合に比べ、針数に応じた縫目の影響を考慮して縫目に対する下糸67の有無を判定できる。
ミシン1は、釜49が下糸67と絡めた上糸55を引上げる天秤19を更に備え、張力検出器18は、上糸張力を検出し、CPU101は、天秤19が上糸55を引上げる天秤引上期間、及び釜49が上糸55を捕捉する釜補足期間の何れかの時機の張力検出器18の検出した張力が閾値よりも大きいか否かと、回転検出器141の検出結果とに基づき、縫目に対する下糸67の有無を判定する。ミシン1は、天秤引上期間又は釜補足期間に検出された上糸張力に基づき、縫目に対する下糸67の有無を判定できる。天秤引上期間又は釜補足期間は、天秤引上期間と釜補足期間との間の期間に比べ、上糸張力が大きいので、上糸張力が比較的小さい期間にCPU101による判定を行う場合に比べ、誤判定することを回避できる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更ができる。ミシン1の構成は適宜変更してよく、例えば、保持体60で布69を挟持しないミシンでもよい。張力検出器18、回転検出器141の構成、配置、検出方法等は適宜変更してよい。ミシン1は編集装置8の機能を備えてもよい。具体的には、張力検出器18は、上糸55の経路の副糸調子器15と主糸調子器16の間に配置されても良いし、上糸55の経路の天秤19より下流側に配置するものであっても良い。また、上記実施形態のミシン1は、針棒9に一本の縫針11が装着した一本針ミシンであるが、針棒9に二本の縫針が装着した二本針ミシンや縫針が三本以上のミシンの場合、夫々の上糸55の張力を検出するために複数の糸張力検出装置を配置するミシンでも良い。更に、それらの場合、ミシン1は、複数の釜49の各々のボビンBの回転を検出するために、回転検出器141を複数配置しても良い。張力検出器18は、磁気センサ53を用いた構成を有するが、糸の力を電歪素子で受けて、その出力に基づいて張力を検出するものであっても良い。
ミシン1が処理を行うためのプログラムはCPU101が該プログラムを行う迄にミシン1の記憶装置104に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の夫々は適宜変更してもよい。CPU101が行うプログラムはケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶してもよい。他の装置は例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
ミシン1が行う処理の一部又は全部はCPU101とは別の電子機器(例えば、ASIC)が行ってもよい。ミシン1が行う処理は複数の電子機器(例えば、複数のCPU)が分散処理してもよい。ミシン1が行う処理の各ステップは必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加ができる。本発明の範囲はミシン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU101の指令で各処理の一部又は全部を行う態様も含む。例えば、上記実施形態に以下の変更を適宜加えてもよい。
上記実施形態のミシン1は、検出された上糸張力が第二閾値以下であった時(S11:NO)、そのまま異常検出カウンタを更新しているが(S13)、カウンタを更新する前にボビンBの回転の有無を検出し、ボビンBの回転が検出できない時のみカウンタを更新してもよい。その場合ミシン1は、S16でのボビンBの回転検出は行わず、カウンタが回転閾値を超えた場合(S14:YES)又は割合が割合閾値を超えた場合(S32:YES)に、そのまま縫目に対する下糸67は無いと判定をしてもよい(S17)。
第一縫製期間に、S11~S16の処理が実行されてもよいし、第二縫製期間に、S3~S7の処理が実行されてもよい。第一縫製期間と、第二縫製期間とで同様な処理が実行されてよい。第一縫製期間と、第二縫製期間とで閾値が互いに同じであってもよい。CPU101は第一縫製期間と、第二縫製期間とで同じ時機に張力検出器18の検出した張力を取得してもよい。CPU101は一針毎に、縫目に対する下糸67の有無を判定しなくてもよく、例えば所定針数毎に、縫目に対する下糸67の有無を判定してもよい。CPU101は第一縫製期間と、第二縫製期間とで同じ頻度で張力検出器18の検出した張力を取得してもよい。回数閾値、割合閾値は0であってもよく、CU101は、1度だけ張力検出器18の検出した張力が閾値以下となり、且つ、回転検出器141がボビンBの回転が無いと検出した場合に縫目に対する下糸67は無いと判定してもよい。第一閾値H1、第二閾値H2は各々、針数Nに応じた値でなくてもよく、例えば、一部、又は全部の複数の針数に共通の値が設定されてもよい。張力検出器18は、下糸67の張力を検出してもよい。ミシン1が縫製データに基づかずに縫目を形成する場合、布69又は糸の材質、布69の厚み、縫目の種類、送り量(縫目の長さ)、縫製速度等の条件に応じて、閾値を変更してよい。上記変形例は矛盾のない範囲で適宜組み合わせてもよい。
上記実施形態のミシン1は、回転検出器141によるボビンBの回転有無の検出結果をもってボビンBの動作の有無の検出結果としているが、回転検出器141に代えてボビンBに巻回される下糸67の量の変化の有無を検出する下糸残量検出器を、動作検出器として用いて、下糸残量の変化の有無をもってボビンBの動作の有無の検出結果としても良い。具体的には、ミシン1は、ボビンBを収容するボビンケースの側面及びボビンBの一方の鍔部の一部に透光部を設け、多方の鍔部の内壁に反射面を形成し、透光部から光を照射する照射部とその反射光を受光する受光部を備える光学センサを動作検出器として備え、光学センサが出力する反射光の変化により下糸残量の変化の有無を検出しても良い。若しくは、ミシン1は、ボビンBの重量を計測する重量センサを動作検出器として釜49に追加し、重量センサの出力の変化に基づき下糸残量の変化の有無を検出しても良い。縫製中にボビンBが正常に動作している時、ボビンBに巻回された下糸67の量は縫製量に応じて低減するため、該変形例のミシン1は、ボビンBに巻回された下糸67の量の変化の有無を検出することで、ボビンBの動作の有無を的確に検出できる。
1 :ミシン
9 :針棒
11 :縫針
18 :張力検出器
21 :針棒上下動機構
48 :釜機構
49 :釜
55 :上糸
67 :下糸
101 :CPU
104 :記憶装置
141 :回転検出器
B :ボビン
H1 :第一閾値
H2 :第二閾値

Claims (13)

  1. 上糸を挿通する縫針を装着する針棒と、
    前記針棒を上下動する針棒上下動機構と、
    前記針棒の下方に設け、下糸を巻回したボビンを回動可能に収容する釜と、
    前記針棒の上下動と同期して前記釜を回動し、前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して前記下糸と絡め取ることで縫目を形成する釜機構と、
    前記上糸又は前記下糸の張力を検出する張力検出器と、
    前記ボビンの動作の有無を検出する動作検出器と、
    前記張力検出器の検出した前記張力が閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定する下糸判定部と
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記下糸判定部は、
    前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出し、且つ、前記張力検出器の検出した前記張力が前記閾値である第一閾値より大きい時、前記縫目に対する前記下糸は有ると判定し、
    前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出し、且つ、前記張力検出器の検出した前記張力が前記第一閾値以下である時、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記下糸判定部は、
    前記張力検出器の検出した前記張力が前記閾値である第二閾値以下であり、且つ、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が無いと検出した時、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定し、
    前記張力検出器の検出した前記張力が前記第二閾値以下であり、且つ、前記動作検出器が、前記ボビンの前記動作が有ると検出した時、前記縫目に対する前記下糸は有ると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記下糸判定部は、縫製開始から所定針数縫製する迄の第一縫製期間と、前記第一縫製期間に続く第二縫製期間とで、互いに異なる前記閾値を用いて判定することを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のミシン。
  5. 前記下糸判定部は、回数閾値以上連続して前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値以下となり、且つ、前記動作検出器が前記ボビンの前記動作が無いと検出した場合に下糸切れと判定することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のミシン。
  6. 前記下糸判定部は、縫製済み針数に対する、前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値以下となる割合が割合閾値以上であり、且つ、前記動作検出器が前記ボビンの前記動作が無いと検出した場合に、前記縫目に対する前記下糸は無いと判定することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のミシン。
  7. 前記縫目の針数と、前記閾値との組合せを記憶する記憶部を更に備え、
    前記下糸判定部は、前記記憶部に記憶した前記組合せに基づき、前記針数に応じた前記閾値を用いて判定を行うことを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のミシン。
  8. 前記下糸判定部は、前記針棒の上下動の一周期の内の、前記縫目の針数に応じた時機に取得した前記張力検出器の検出した前記張力を用いて判定を行うことを特徴とする請求項1~7の何れかに記載のミシン。
  9. 前記下糸判定部は、前記針棒の上下動の一周期に対する、前記張力検出器が前記検出結果を取得する時機の頻度を、前記縫目の針数に応じて変更して、前記張力検出器の検出した前記張力を用いて判定を行うことを特徴とする請求項1~7の何れかに記載のミシン。
  10. 前記釜が前記下糸と絡めた前記上糸を引上げる天秤を更に備え、
    前記張力検出器は、前記上糸の前記張力を検出し、
    前記下糸判定部は、前記天秤が前記上糸を引上げる天秤引上期間、及び前記釜が前記上糸を捕捉する釜補足期間の何れかの前記時機の前記張力検出器の前記検出結果が前記閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の前記検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定することを特徴とする請求項8又は9に記載のミシン。
  11. 前記動作検出器は、前記ボビンの回転の有無を検出することを特徴とする請求項1~10の何れかに記載のミシン。
  12. 前記動作検出器は、前記ボビンに巻回された前記下糸の量の変化の有無を検出することを特徴とする請求項1~10の何れかに記載のミシン。
  13. 上糸を挿通する縫針を装着する針棒と、
    前記針棒を上下動する針棒上下動機構と、
    前記針棒の下方に設け、下糸を巻回したボビンを回動可能に収容する釜と、
    前記針棒の上下動と同期して前記釜を回動し、前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して前記下糸と絡め取ることで縫目を形成する釜機構と、
    前記上糸又は前記下糸の張力を検出する張力検出器と、
    前記ボビンの動作の有無を検出する動作検出器とを備えたミシンの制御部が実行する下糸判定方法であって、
    前記張力検出器の検出した前記張力が閾値よりも大きいか否かと、前記動作検出器の検出結果とに基づき、前記縫目に対する前記下糸の有無を判定する下糸判定工程を含むことを特徴とする下糸判定方法。
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