JP6626267B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、カスコード回路を備えた半導体装置に関し、特に窒化物半導体装置に関する。
近年、サーバーやパソコン等のIT機器、エアコンを始めとする白物家電、太陽光発電システムで利用するパワー・コンディショナー、ハイブリッド車等の電動車両、電車や送電システム等の分野において、パワー半導体が重要な役割を果たしている。
中でもGaN(窒化ガリウム)を用いたデバイスは、上記GaNの材料物性の優位性から、現行材料のSiデバイスと比較して、大幅な高耐圧化や低抵抗化や高周波化が期待されている。
GaNトランジスタの特徴の一つとして、高周波化が挙げられる。スイッチング周波数の向上が可能になる一因は、キャリアとなる電子の移動度が高いことである。一般的に、GaNトランジスタは、AlGaN層とGaN層とを接合させた「HEMT(High Electron Mobility Transistor)構造」を採用し、上記両層の界面付近には「2次元電子ガス」が発生する。この「2次元電子ガス」内では電子が高速で移動できるため、スイッチング速度の高速化が可能となる。
そのために、上記GaNトランジスタとしては、スイッチング電源装置等への用途が急拡大している。しかしながら、GaNトランジスタは主にノーマリーオン型のスイッチング素子であるため、スイッチング電源装置等に一般的に用いられるノーマリーオフ型のスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路(ノーマリーオフ動作用のゲート駆動回路)を適用することはできない。
そこで、上記ノーマリーオン型のスイッチング素子をノーマリーオフ動作させる場合には、ノーマリーオン型のスイッチング素子のソースにノーマリーオフ型のスイッチング素子のドレインを接続して、カスコード回路を構成することが考えられる。このようなカスコード回路を構成した場合、ノーマリーオン型のスイッチング素子は、ノーマリーオフ動作用のゲート駆動回路でターンオフ動作させると、ノーマリーオフ型のスイッチング素子と同様にオフ状態となるため、ノーマリーオフ動作用のゲート駆動回路をそのまま適用することが可能となる。
ところで、上記パワー半導体がインバータ回路等で使用される場合、使用環境によっては、負荷や電源の異常変動によってトランジスタ素子が短絡状態となることがある。そこで、上記パワー半導体には、短絡状態となった場合に、保護回路が働くまでの時間(短絡時間)は、短絡状態であってもトランジスタが壊れないことが求められている。
ところが、上記短絡時においては、トランジスタには高電圧が印加された状態で大電流が流れるため、電圧×電流のエネルギーが掛かることになり、トランジスタ素子が一気に発熱して、上記トランジスタ素子の劣化や破壊を起こしてしまうという問題がある。
特に、上記GaNトランジスタは、上述したように、その材料物性の優位性からSiデバイスと比較して大幅な高耐圧/低抵抗化が可能であり、そのチップ面積縮小に伴って、短絡時間の増大が大きな課題となっている。そのために、短絡時における発熱抑制が重要となってきている。
上記短絡時における発熱を抑制できる回路として、米国特許出願公開第2014/0055192号明細書(特許文献1)に開示されたパワートランジスタの飽和電流制限回路および米国特許第8624662号明細書(特許文献2)に開示された半導体の電子構成および回路がある。
図5は、上記特許文献1に開示された回路構成を示す回路図である。当該回路は、飽和電流に制限を与えるパワートランジスタ1の具体的な回路の一部を例示している。
このパワートランジスタ1は、第1ドレインD1と第1ソースS1と第1ゲートG1とを有するノーマリーオン型のGaNトランジスタM1を含んでいる。また、パワートランジスタ1は、第2ドレインD2と第2ソースS2と第2ゲートG2とを有するノーマリーオフ型のMOSトランジスタM2を含んでいる。そして、ノーマリーオントランジスタM1の第1ソースS1とノーマリーオフトランジスタM2の第2ドレインD2とが接続されて、ノーマリーオントランジスタM1とノーマリーオフトランジスタM2とは直列に接続されている。
上記第1ゲートG1に接続された第1端子T1と第2ソースS2に接続された第2端子T2との間には、電流制限回路2が接続されている。この電流制限回路2は、抵抗のような少なくとも一つの受動回路素子および/または最大の安定状態電圧VGS(ゲート‐ソース間電圧)が0Vより低い少なくとも一つの能動回路素子で構成されており、一例としてダイオード3で成る。このように、ノーマリーオントランジスタM1とノーマリーオフトランジスタM2とが、カスコード接続されている。
また、図6は、上記特許文献2に示される回路構成を示す回路図である。当該回路は、負荷5を駆動する回路構成であり、上記特許文献1に示された回路構成と同様に、互いに直列に接続された高電圧のデプレッションモードのGaNトランジスタ(ノーマリーオントランジスタ)7と低電圧のエンハンスメントモードのMOSトランジスタ(ノーマリーオフトランジスタ)8とを含んでいる。そして、デプレッションモードトランジスタ7のゲートと、エンハンスメントモードトランジスタ8のソースとが、負バイアスの電源9を介して接続されている。このように、ノーマリーオントランジスタ7とノーマリーオフトランジスタ8とがカスコード接続されており、ノーマリーオントランジスタ7のゲートとノーマリーオフトランジスタ8のソースとの間に負バイアスの電源9を接続することにより、飽和電流を制限するようにしている。
一般的に、図7に示すように、カスコード回路11においては、外部端子として、例えば、外部ドレイン端子Dc,外部ソース端子Scおよび外部ゲート端子Gcを有している。なお、カスコード回路11は、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ11と、ノーマリーオフ型の第2トランジスタQ12とがカスコード接続されており、第2トランジスタQ12のゲートG12と外部ゲート端子Gcとをゲート抵抗Rgを介して接続している。また、第1トランジスタQ11のゲートG11と外部ソース端子Scとを抵抗R11を介して接続している。
ここで、上記外部ドレイン端子Dcには電源と負荷とが接続され、外部ソース端子ScはGND電位に固定されている。そして、外部ゲート端子Gcにオンの入力信号が入力された場合に、トランジスタQ11およびトランジスタQ12に流れる電流をIDとすると、GaNトランジスタQ11のゲート‐ソース間電圧をVgsとし、閾値電圧をVthとし、飽和領域のトランスコンダクタンスをgmとすると、実験的に電流IDを次式で表わすことができる。
ID ≒ gm×(Vgs−Vth)
先ず、上記ゲート‐ソース間電圧をVgsについて考察する。GaNトランジスタQ11のゲートG11の電位は0Vであり、MOSトランジスタQ12のオン抵抗が十分に低い場合には、GaNトランジスタQ11のソースS11の電位は略0Vとなり、Vgs≒0Vとなる。
したがって、上記電流IDは、
ID ≒ gm×(−Vth)
で表され、ノーマリーオン型のGaNトランジスタQ11の閾値電圧を例えば−6Vとすると、電流IDは、
ID ≒ 6×gm
で算出される。
一方、例えば,図5に示す上記特許文献1に開示された回路構成では、電流制限回路2によってノーマリーオントランジスタM1のゲート‐ソース間電圧VGSが負バイアスとなる。同様に、図6に示す上記特許文献2に開示された回路構成では、電源9によってノーマリーオントランジスタ7のゲート‐ソース間電圧VGSが負バイアスとなる。
ここで、上記特許文献1および上記特許文献2に開示された回路構成におけるゲート‐ソース間電圧Vgsを、例えば−2Vとする。そうすると、上記特許文献1におけるノーマリーオントランジスタM1およびノーマリーオフトランジスタM2に流れる飽和電流、および、上記特許文献2におけるノーマリーオントランジスタ7およびノーマリーオフトランジスタ8に流れる飽和電流Idsatは、
Idsat ≒ gm×(Vgs−Vth) = gm×(−2+6) = 4×gm
により算出される。
すなわち、図7に示す一般的なカスコード回路と比較して、上記特許文献1および上記特許文献2に開示された回路構成においては、飽和電流を3割程度低減できることが分かる。
したがって、上記特許文献1および上記特許文献2における回路構成のカスコード回路においては、ノーマリーオン型のGaNトランジスタにおけるゲート‐ソース間電圧Vgsとして負バイアスに印加することによって、飽和電流を低減できるのである。
米国特許出願公開第2014/0055192号明細書 米国特許第8624662号明細書
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示された従来の回路構成においては、以下のような問題がある。
すなわち、上記特許文献1および上記特許文献2に開示されたカスコード回路においては、スイッチング動作中、常にノーマリーオン型のGaNトランジスタにおけるゲート‐ソース間電圧Vgsとして、負バイアスが印加されている。そのために、常にGaNトランジスタのオン抵抗が大きくなるという問題がある。
一般的にノーマリーオン型のGaNトランジスタとノーマリーオフ型のMOSトランジスタをカスコード接続する場合に、GaNトランジスタのオン抵抗をRon(GaN)とし、MOSトランジスタのオン抵抗をRon(MOS)として、
Ron(GaN) >> Ron(MOS)
となるように設計されている(例えば、Ron(GaN)はRon(MOS)の3倍〜10倍程度)。
したがって、カスコード回路を形成した場合、GaNトランジスタとMOSトランジスタとにおけるカスコード接続全体のオン抵抗に占める割合は、その大半がGaNトランジスタであり、MOSトランジスタの割合は小さい。その理由は、以下のとおりである。
すなわち、上記GaNトランジスタは、高電圧が印加されるためにドリフト長を長く設計して高耐圧化を図る必要がある。ところが、横型デバイスであるGaNトランジスタにとっては、ドリフト長の増大がそのままオン抵抗の増大およびチップの増大に反映されることになる。一方、上記MOSトランジスタは、高電圧が印加されないためにドリフト長を短く設計することができ、さらに縦型構造にすること等によってチップ面積を縮小することができる。結果的に、
Ron(GaN) >> Ron(MOS)
となるのである。
上記特許文献1および上記特許文献2の回路構成においては、飽和電流を低減することは可能である。ところが、上述したように、カスコード接続全体のオン抵抗に占める割合の高いGaNトランジスタのオン抵抗が、スイッチング動作中に常に大きくなり、結果的には、カスコード接続全体のオン抵抗が、スイッチング動作中に常に大きくなるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができる半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の半導体装置は、
ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオン型の第1スイッチング素子と、
ソースとドレインとゲートとを有すると共に、上記ドレインが上記第1スイッチング素子の上記ソースに電気的に接続されて、上記第1スイッチング素子と共にカスコード回路を構成しているノーマリーオフ型の第2スイッチング素子と、
上記第2スイッチング素子と並列に接続されると共に、上記カスコード回路を流れる過電流を検出する過電流検出回路と
を備え、
上記過電流検出回路は、上記カスコード回路を流れる電流の値が予め設定された所定の過電流値以上となったときに、上記カスコード回路を流れる電流を制限するようになっていることを特徴とする。
また、一実施の形態の半導体装置では、
上記過電流検出回路は、
上記第2スイッチング素子と並列に接続されると共に、ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオフ型の第3スイッチング素子と、
上記第3スイッチング素子の上記ソースと上記第2スイッチング素子の上記ソースとの間に接続された過電流検出用抵抗と、
ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオフ型の第4スイッチング素子と
を備え、
上記第4スイッチング素子の上記ドレインが上記第3スイッチング素子の上記ゲートおよび上記第2スイッチング素子の上記ゲートと共通に接続され、
上記第4スイッチング素子の上記ゲートが上記第3スイッチング素子の上記ソースおよび上記過電流検出用抵抗の一端と共通に接続され、
上記第4スイッチング素子の上記ソースが上記過電流検出用抵抗の他端および上記第2スイッチング素子の上記ソースと共通に接続され、
上記第3スイッチング素子のゲート幅W3は、上記第2スイッチング素子のゲート幅W2の1/n(n>1)倍になるように設定されている。
また、一実施の形態の半導体装置では、
上記第3スイッチング素子の上記ゲートと上記第2スイッチング素子の上記ゲートと上記第4スイッチング素子の上記ドレインとに共通に接続された外部ゲート端子を備え、
上記過電流検出回路は、
上記外部ゲート端子と上記第4スイッチング素子の上記ドレインとの間に接続されたゲート抵抗を有する。
また、一実施の形態の半導体装置では、
上記第2スイッチング素子と、上記第3スイッチング素子と、上記第4スイッチング素子とは、同一チップに形成されている。
また、一実施の形態の半導体装置では、
上記第1スイッチング素子と、上記第2スイッチング素子と、上記第3スイッチング素子と、上記第4スイッチング素子とは、同一パッケージに内蔵されている。
以上より明らかなように、この発明の半導体装置は、上記過電流検出回路によって、上記カスコード回路を流れる電流値が予め設定された所定の過電流値以上になったことが検知された場合には、上記カスコード回路のオン抵抗が増大されて、流れる電流が制限される。したがって、短絡時間における発熱量を大幅に抑制することができる。
その場合、上記過電流検出回路は、上記カスコード回路を流れる電流値が上記過電流値以上となった場合のみ、上記カスコード回路のオン抵抗を増大させて、流れる電流を制限するようにしている。したがって、通常動作時に上記カスコード回路のオン抵抗が増大することはない。
すなわち、この発明の半導体装置によれば、オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができる。
図1はこの発明の第1実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置の回路図である。 図2はこの発明の第2実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置の回路図である。 図3はこの発明の第3実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置の回路図である。 図4は図2および図3の窒化物半導体装置に流れる電流の計時変化を示す図である。 図5は従来のパワートランジスタの飽和電流制限回路部の回路図である。 図6は従来の半導体の電子回路の回路図である。 図7は一般的なカスコード回路の回路図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、この第1実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置21の回路図である。
この窒化物半導体装置21は、外部端子として、例えば、外部ドレイン端子Dc,外部ソース端子Scおよび外部ゲート端子Gcを有している。
また、上記窒化物半導体装置21は、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1と、ノーマリーオフ型の第2トランジスタQ2と、過電流検出回路22とから概略構成される。ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1は、例えばGaNトランジスタである。そして、ノーマリーオフ型の第2トランジスタQ2は、例えばMOSトランジスタである。尚、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、上記第1スイッチング素子および上記第2スイッチング素子の一例である。
上記第1トランジスタQ1のドレインD1には、外部ドレイン端子Dcが接続されている。また、第2トランジスタQ2のドレインD2には、第1トランジスタQ1のソースS1が接続され、第2トランジスタQ2のソースS2には外部ソース端子Scが接続されている。また、第1トランジスタQ1のゲートG1と第2トランジスタQ2のソースS2との間に抵抗R1を接続している。こうして、直列に接続された第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2とでカスコード回路を構成している。また、過電流検出回路22は、第2トランジスタQ2と並列に接続されている。
さらに、上記第2トランジスタQ2のゲートG2は、過電流検出回路22を介して外部ゲート端子Gcに接続されている。
以下、上記構成の窒化物半導体装置21に過電流が流れる際に、流れる電流が制限される動作の一例について説明する。ここで、外部ドレイン端子Dcには電源(図示せず)と負荷(図示せず)とが接続され、外部ソース端子ScはGND電位に固定されているとする。また、外部ゲート端子Gcにオンの入力信号が入力された際に、第1,第2トランジスタQ1,Q2で構成されたカスコード回路に流れる電流をIDとする。
上記過電流検出回路22は、第2トランジスタQ2のドレインD2とソースS2とに接続されており、第2トランジスタQ2に流れる電流IDを検出可能になっている。そして、過電流検出回路22は、検出した電流IDの電流値が予め設定された過電流値以上となったときに、外部ゲート端子Gcからのオン信号の電位を低下させて、第2トランジスタQ2のゲートG2に供給する。
こうして、上記過電流検出回路22によって、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が予め設定された所定の過電流値以上となったときに、第2トランジスタQ2のゲートG2の電位が低下するように制御される。その結果、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大し、第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大する。その場合、第1トランジスタQ1のゲートG1の電位は0Vであるため、ソースS1の電位が増大することは、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下することを意味する。そのために、第1トランジスタQ1の飽和電流値は低下することになる。
一方、上記過電流検出回路22は、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が予め設定された所定の過電流値よりも小さい通常動作時の場合には、上記制御動作を行わないために、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大することがない。そのために、カスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
以上のごとく、上記第1実施形態においては、ノーマリーオン型のGaN第1トランジスタQ1とノーマリーオフ型のMOS第2トランジスタQ2とを直列に接続した上記カスコード回路を有する窒化物半導体装置21において、第2トランジスタQ2に流れる電流IDを検出する過電流検出回路22を第2トランジスタQ2と並列に接続している。
そして、上記過電流検出回路22によって、窒化物半導体装置21を流れる電流IDの電流値が予め設定された過電流値以上となったときに、第2トランジスタQ2のゲートG2の電位を低下するように制御している。したがって、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大して第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大し、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下する。そのため、第1トランジスタQ1の飽和電流値を低下させることができる。
したがって、この第1実施形態の窒化物半導体装置21によれば、短絡時間における発熱量を大幅に改善することができる。
その場合、上記過電流検出回路22によって上記所定の過電流を検出した場合のみ、飽和電流が制限される。したがって、通常動作時にカスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
すなわち、上記第1実施形態の窒化物半導体装置21によれば、オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができるのである。
〔第2実施形態〕
図2は、この発明の第2実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置31の回路構成図である。
この第2実施形態の窒化物半導体装置31は、上記第1実施形態における過電流検出回路22の具体的構成に関する。したがって、上記第1実施形態において図1に示す部材と同じ部材には、上記第1実施形態の場合と同じ番号を付して、詳細な説明は省略する。
この窒化物半導体装置31における過電流検出回路32は、ノーマリーオフ型の第3トランジスタQ3と第4トランジスタQ4とを含んでいる。この第3,第4トランジスタQ3,Q4は、例えばMOSトランジスタである。ここで、第3トランジスタQ3および第4トランジスタQ4は、上記第3スイッチング素子および上記第4スイッチング素子の一例である。
上記第3トランジスタQ3は、第2トランジスタQ2と過電流検出用抵抗Rgs4を介して並列に接続されており、第3トランジスタQ3のドレインD3は第2トランジスタQ2のドレインD2と共通に接続されている。さらに、第3トランジスタQ3のゲートG3と第2トランジスタQ2のゲートG2とが外部ゲート端子Gcに共通に接続されている。ここで、第3トランジスタQ3のゲート幅W3は、第2トランジスタQ2のゲート幅W2の1/n(n>>1)となっている。
上記第4トランジスタQ4のドレインD4は、第3トランジスタQ3のゲートG3および第2トランジスタQ2のゲートG2と共通に接続されている。上記第4トランジスタQ4のドレインD4と第3トランジスタQ3のゲートG3および第2トランジスタQ2のゲートG2は、外部ゲート端子Gcに接続されている。さらに、第3トランジスタQ3のソースS3と第4トランジスタQ4のゲートG4が接続されている。
また、上記過電流検出用抵抗Rgs4の一端が第3トランジスタQ3のソースS3および第4トランジスタQ4のゲートG4に接続される一方、過電流検出用抵抗Rgs4の他端が第4トランジスタQ4のソースS4および第2トランジスタQ2のソースS2に接続されている。こうして、過電流検出用抵抗Rgs4の上記他端と、第4トランジスタQ4のソースS4と、第2トランジスタQ2のソースS2とが、外部ソース端子Scに接続されている。
以下、上記構成の窒化物半導体装置31に過電流が流れる際に、電流が制限される動作について説明する。ここで、外部ドレイン端子Dcには電源(図示せず)と負荷(図示せず)とが接続され、外部ソース端子ScはGND電位に固定されているとする。また、外部ゲート端子Gcにオンの入力信号が入力された際に、第1,第2トランジスタQ1,Q2で構成されたカスコード回路に流れる電流をIDとし、第3トランジスタQ3を流れる電流をID3とし、第4トランジスタQ4を流れる電流をID4とする。
例えば、上記第3トランジスタQ3のゲート幅W3に対する第2トランジスタQ2のゲート幅W2の倍率nを、n=1000とした場合、第3トランジスタQ3のゲート幅W3は、第2トランジスタQ2のゲート幅W2の1/1000となる。したがって、第3トランジスタQ3を流れる電流ID3は、
ID3 ≒ ID/n = ID/1000
となる。
その場合、上記第3トランジスタQ3のソースS3の電位は、過電流検出用抵抗Rgs4によって吊上げられて、
ID3×Rgs4
となる。したがって、第4トランジスタQ4のゲート‐ソース間電圧は、
ID3×Rgs4
となり、この電圧が第4トランジスタQ4の閾値電圧に達すると、第4トランジスタQ4がオンする。その際に、第4トランジスタQ4のドレインD4の電圧Vgは、第4トランジスタQ4のオン抵抗Ron4と電流ID4との積により制限され、第2トランジスタQ2のゲート電位が、
Ron4×ID4
に制限されることになる。
その結果、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大して、第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大する。その場合、第1トランジスタQ1のゲートG1の電位は0Vであるため、ソースS1の電位が増大することは、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下することを意味する。そのため、第1トランジスタQ1の飽和電流値は低下することになる。
つまり、図4に示すように、この実施の形態に示す過電流検出回路32がある場合には、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が、短絡時等において、予め設定された過電流値ID(max)以上になった場合に、第2トランジスタQ2のゲート電圧が制限され、窒化物半導体装置31の電流IDが制限されることになる。
尚、上記過電流検出用抵抗Rgs4の値は、第2トランジスタQ2のゲート幅W2に対する第3トランジスタQ3のゲート幅W3の比を(1/n)とした場合に、第4トランジスタQ4の閾値電圧Vth4が、
Vth4 = (ID(max)/n)×Rgs4
となるように設計すれば良い。
一方、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が、予め設定された所定の過電流値よりも小さい通常動作時の場合には、過電流検出回路32は上記制御動作を行わないために、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大することがない。そのために、カスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
以上のごとく、上記第2実施形態においては、上記第1実施形態における過電流検出回路32を、第2トランジスタQ2と過電流検出用抵抗Rgs4を介して並列に接続されたノーマリーオフ型の第3トランジスタQ3、および、この第3トランジスタQ3のゲートG3と第2トランジスタQ2のソースS2との間に接続された第4トランジスタQ4を含んで構成している。
そして、上記第4トランジスタQ4のゲートG4を第3トランジスタQ3のソースS3に接続している。さらに、第4トランジスタQ4のドレインD4と第3トランジスタQ3のゲートG3および第2トランジスタQ2のゲートG2を外部ゲート端子Gcに接続している。また、第3トランジスタQ3のゲート幅W3を、第2トランジスタQ2のゲート幅W2の1/n(n>>1)にしている。
そうすると、上記第3トランジスタQ3を流れる電流ID3が、
ID3 ≒ ID/n
であり、ソースS3の電位が、
ID3×Rgs4
となる。したがって、第4トランジスタQ4のゲート‐ソース間電圧は、
ID3×Rgs4
となり、この電圧が第4トランジスタQ4の閾値電圧Vth4に達すると、第4トランジスタQ4がオンする。つまり、
ID3×Rgs4 = (ID/n)×Rgs4 ≧ Vth4
であるから、この式を整理して、
ID ≧ (Vth4×n)/Rgs4
となると、第4トランジスタQ4がオンする。
したがって、上記カスコード回路を流れる電流IDが、過電流値ID(max)=(Vth4×n)/Rgs4以上になると、第2トランジスタQ2のゲートG2の電位が、
Ron4×ID4
に制限される。
その結果、上記第2トランジスタQ2のゲートG2の電位が低下してオン抵抗Ron2が増大する。そして、第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大し、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下する。そのため、第1トランジスタQ1の飽和電流値を低下させることができる。
したがって、この第2実施形態の窒化物半導体装置31によれば、短絡時間における発熱量を大幅に改善することができる。
その場合、上記過電流検出回路32は、電流IDが上記過電流値ID(max)以上になった場合のみ、飽和電流を制限するようにしている。したがって、通常動作時にカスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
すなわち、オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができるのである。
〔第3実施形態〕
図3は、この発明の第3実施形態の半導体装置としての窒化物半導体装置41における回路構成図である。
この第3実施形態の窒化物半導体装置41は、上記第2実施形態の過電流検出回路32とは異なる具体的構成に関する。したがって、上記第2実施形態の図2に示す部材と同じ部材には、上記第2実施形態の場合と同じ番号を付して、詳細な説明は省略する。
この窒化物半導体装置41における過電流検出回路42は、上記第2実施形態の場合と同様に、ノーマリーオフ型の第3トランジスタQ3および第4トランジスタQ4を含んで構成されている。この第3,第4トランジスタQ3,Q4は、例えばMOSトランジスタである。そして、第3トランジスタQ3のソースS3と第2トランジスタQ2のソースS2との間に過電流検出用抵抗Rgs4を接続している。
この第3実施形態の窒化物半導体装置41における過電流検出回路42では、外部ゲート端子Gcと第4トランジスタQ4のドレインD3との間にゲート抵抗Rgを有する点で、上記第2実施形態における過電流検出回路32とは異なる。
以下、上記構成の窒化物半導体装置41に過電流が流れる際に、電流が制限される動作について説明する。ここで、上記外部ドレイン端子Dcには電源(図示せず)と負荷(図示せず)とが接続され、上記外部ソース端子ScはGND電位に固定されているとする。また、上記外部ゲート端子Gcにオンの入力信号が入力された際に、第1,第2トランジスタQ1,Q2で構成されたカスコード回路に流れる電流をIDとし、第3トランジスタQ3を流れる電流をID3とし、第4トランジスタQ4を流れる電流をID4とする。
例えば、上記第3トランジスタQ3のゲート幅W3に対する第2トランジスタQ2のゲート幅W2の倍率nを、n=1000とした場合、第3トランジスタQ3のゲート幅W3は、第2トランジスタQ2のゲート幅W2の1/1000となる。したがって、第3トランジスタQ3を流れる電流ID3は、
ID3 ≒ ID/n = ID/1000
となる。
その場合、上記第3トランジスタQ3のソースS3の電位は、過電流検出用抵抗Rgs4によって吊上げられて、
ID3×Rgs4
となる。したがって、第4トランジスタQ4のゲート‐ソース間電圧は、
ID3×Rgs4
となり、この電圧が第4トランジスタQ4の閾値電圧に達すると、第4トランジスタQ4がオンする。その際に、第4トランジスタQ4のドレインD4の電圧Vgは、上記外部ゲート端子Gcの電圧をVGとすると、ゲート抵抗Rgと第4トランジスタQ4のオン抵抗Ron4との分圧になるので、次式(1)で表される。
Vg = {Ron4/(Rg+Ron4)}×VG ………(1)
したがって、上記第4トランジスタQ4のドレインD4の電圧Vgは、上記式(1)によって制限され、第2トランジスタQ2のゲート電位が、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
に制限されることになる。
その結果、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大して、第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大する。その場合、第1トランジスタQ1のゲートG1の電位は0Vであるため、ソースS1の電位が増大することは、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下することを意味する。そのために、第1トランジスタQ1の飽和電流値は低下することになる。
つまり、図4に示すように、この実施の形態に示す過電流検出回路42がある場合には、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が、短絡時等において、予め設定された過電流値ID(max)以上になった場合に、第2トランジスタQ2のゲート電圧が制限され、窒化物半導体装置41の電流IDが制限されることになる。
尚、上記過電流検出用抵抗Rgs4の値は、第2トランジスタQ2のゲート幅W2に対する第3トランジスタQ3のゲート幅W3の比を(1/n)とした場合に、第4トランジスタQ4の閾値電圧Vth4が、
Vth4 = (ID(max)/n)×Rgs4
となるように設計すれば良い。また、ゲート抵抗Rgは上記式(1)に従って、適切な電流IDとなるような電圧Vgに調整すれば良い。
一方、上記カスコード回路を流れる電流IDの電流値が、予め設定された所定の過電流値よりも小さい通常動作時の場合には、過電流検出回路42は上記制御動作を行わないために、第2トランジスタQ2のオン抵抗が増大することがない。そのために、カスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
以上のごとく、上記第3実施形態においては、上記過電流検出回路42を、上記第2実施形態における過電流検出回路32と同様に、第2トランジスタQ2と過電流検出用抵抗Rgs4を介して並列に接続されたノーマリーオフ型の第3トランジスタQ3と、この第3トランジスタQ3のゲートG3と第2トランジスタQ2のソースS2との間に介設された第4トランジスタQ4を含んで構成している。
そして、上記第4トランジスタQ4のゲートG4を第3トランジスタQ3のソースS3に接続している。さらに、第4トランジスタQ4のドレインD4と第3トランジスタQ3のゲートG3および第2トランジスタQ2のゲートG2を外部ゲート端子Gcに接続している。また、第3トランジスタQ3のゲート幅W3を、第2トランジスタQ2のゲート幅W2の1/n(n>>1)にしている。
さらに、上記外部ゲート端子Gcと第4トランジスタQ4のドレインD3との間に、ゲート抵抗Rgを介設している。
そうすると、上記第3トランジスタQ3を流れる電流ID3が、
ID3 ≒ ID/n
であり、ソースS3の電位が、
ID3×Rgs4
となる。したがって、第4トランジスタQ4のゲート‐ソース間電圧は、
ID3×Rgs4
となり、この電圧が第4トランジスタQ4の閾値電圧Vth4に達すると、第4トランジスタQ4がオンする。つまり、
ID3×Rgs4 = (ID/n)×Rgs4 ≧ Vth4
であるから、この式を整理して、
ID ≧ (Vth4×n)/Rgs4
となると、第4トランジスタQ4がオンする。
したがって、上記カスコード回路を流れる電流IDが、過電流値ID(max)= (Vth4×n)/Rgs4以上になった場合に、第2トランジスタQ2のゲートG2の電位が、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
に制限される。
その結果、上記第2トランジスタQ2のゲートG2の電位が低下してオン抵抗Ron2が増大する。そして、第1トランジスタQ1のソースS1の電位が増大し、ノーマリーオン型の第1トランジスタQ1のゲートオーバードライブ電圧が低下する。そのため、第1トランジスタQ1の飽和電流値を低下させることができる。
したがって、この第3実施形態の窒化物半導体装置41によれば、短絡時間における発熱量を大幅に改善することができる。
その場合、上記過電流検出回路42は、電流IDが上記過電流値ID(max)以上になった場合のみ、飽和電流を制限するようにしている。したがって、通常動作時にカスコード接続全体のオン抵抗が増大することはない。
すなわち、オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができるのである。
また、上述したように、上記電流IDが過電流値ID(max)以上になった場合における第2トランジスタQ2のゲートG2の電位を、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
に制限している。したがって、ゲート抵抗Rgがない(Rg=0)上記第2実施形態の場合に比して、ゲート抵抗Rgへの分圧分だけ第2トランジスタQ2のゲートG2の電位を下げることができる。したがって、第1トランジスタQ1の飽和電流値を上記第2実施形態の場合よりもさらに低下させることができる。
ここで、上記第1〜第3実施形態における上記第2,第3,第4トランジスタQ2,Q3,Q4は、同一チップに形成されることが望ましい。こうすることによって、ノーマリーオフ型である第2,第3,第4トランジスタQ2,Q3,Q4を、同一工程においてMOSトランジスタで形成することが容易に可能になる。
さらに、上記第1トランジスタQ1〜第4トランジスタQ4は、同一パッケージに内蔵されることが望ましい。こうすることによって、第1トランジスタQ1〜第4トランジスタQ4を同一パッケージに内蔵して、短絡時間における発熱量が大幅に減少された小型の半導体装置を得ることができる。
また、上記第1〜第3実施形態において、上記第2トランジスタQ2におけるオン/オフの繰り返しによるドレイン電流の発振対策として、位相補償回路による位相補償をかけて安定動作をさせても構わない。
また、上記第1〜第3実施形態においては、上記第1トランジスタQ1をGaNトランジスタで構成しているが、GaNトランジスタ等の窒化物半導体装置に限定されるものではない。しかしながら、GaNトランジスタである場合には、オン抵抗の減少により大きな効果を得ることができる。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第3実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
以上を纏めると、この発明の半導体装置21,31,41は、
ソースS1とドレインD1とゲートG1とを有するノーマリーオン型の第1スイッチング素子Q1と、
ソースS2とドレインD2とゲートG2とを有すると共に、上記ドレインD2が上記第1スイッチング素子Q1の上記ソースS1に電気的に接続されて、上記第1スイッチング素子と共にカスコード回路を構成しているノーマリーオフ型の第2スイッチング素子Q2と、
上記第2スイッチング素子Q2と並列に接続されると共に、上記カスコード回路を流れる過電流を検出する過電流検出回路22,32,42と
を備え、
上記過電流検出回路22,32,42は、上記カスコード回路を流れる電流の値が予め設定された所定の過電流値以上となったときに、上記カスコード回路を流れる電流を制限するようになっていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記過電流検出回路22,32,42によって、上記カスコード回路を流れる電流が予め設定された所定の過電流値以上になったことが検知された場合には、上記第2スイッチング素子Q2のオン抵抗が増大されて、流れる電流が制限される。したがって、短絡時間における発熱量を大幅に抑制することができる。
その場合、上記過電流検出回路22,32,42は、上記カスコード回路を流れる電流値が上記過電流値以上となった場合のみ、第2スイッチング素子Q2のオン抵抗を増大させて、流れる電流を制限するようにしている。したがって、通常動作時に上記カスコード回路のオン抵抗が増大することはない。
すなわち、上記オン抵抗の増大を最小限に抑制しつつ、飽和電流を低減して短絡時間の発熱量を抑制し、短絡時間長の大幅な増大を図ることができる。
また、一実施の形態の半導体装置31では、
上記過電流検出回路32は、
上記第2スイッチング素子Q2と並列に接続されると共に、ソースS3とドレインD3とゲートG3とを有するノーマリーオフ型の第3スイッチング素子Q3と、
上記第3スイッチング素子Q3の上記ソースS3と上記第2スイッチング素子Q2の上記ソースS2との間に接続された過電流検出用抵抗Rgs4と、
ソースS4とドレインD4とゲートG4とを有するノーマリーオフ型の第4スイッチング素子Q4と
を有し、
上記第4スイッチング素子Q4の上記ドレインD4が上記第3スイッチング素子Q3の上記ゲートG3および上記第2スイッチング素子Q2の上記ゲートG2と共通に接続され、
上記第4スイッチング素子Q4の上記ゲートG4が上記第3スイッチング素子Q3の上記ソースS3および上記過電流検出用抵抗Rgs4の一端と共通に接続され、
上記第4スイッチング素子Q4の上記ソースS4が上記過電流検出用抵抗Rgs4の他端および上記第2スイッチング素子Q2の上記ソースS2と共通に接続され、
上記第3スイッチング素子Q3のゲート幅W3は、上記第2スイッチング素子Q2のゲート幅W2の1/n(n>1)倍になるように設定されている。
この実施の形態によれば、上記カスコード回路を流れる電流をIDとし、上記過電流検出用抵抗をRgs4とすると、上記第3スイッチング素子Q3を流れる電流ID3は、
ID3≒ID/n
であり、上記第3スイッチング素子Q3のソースS3の電位が、上記第2スイッチング素子Q2のソースS2の電位を基準として、
ID3×Rgs4
となる。したがって、上記第4スイッチング素子Q4のゲート‐ソース間電圧は、
ID3×Rgs4
となり、この電圧が第4スイッチング素子Q4の閾値電圧Vth4に達すると、第4スイッチング素子Q4がオンする。つまり、ID≧(Vth4×n)/Rgs4になると、上記第4スイッチング素子Q4がオンする。
したがって、上記カスコード回路を流れる電流IDが過電流値ID(max)=(Vth4×n)/Rgs4以上になった場合に、上記第2スイッチング素子Q2のゲートG2の電位が、
Ron4×ID4
に制限される。
その結果、上記第2スイッチング素子Q2の上記ゲートG2の電位が低下して、オン抵抗Ron2が増大する。そして、上記第1スイッチング素子Q1の上記ソースS1の電位が増大し、ノーマリーオン型の上記第1スイッチング素子Q1のゲートオーバードライブ電圧が低下する。そのため、上記第1スイッチング素子Q1を流れる電流値を低下させて、上記カスコード回路を流れる電流を制限することができる。
また、一実施の形態の半導体装置41では、
上記第3スイッチング素子Q3の上記ゲートG3と上記第2スイッチング素子Q2の上記ゲートG2と上記第4スイッチング素子Q4の上記ドレインD4とに共通に接続された外部ゲート端子Gcを備え、
上記過電流検出回路42は、
上記外部ゲート端子Gcと上記第4スイッチング素子Q4の上記ドレインD4との間に接続されたゲート抵抗Rgを有する。
この実施の形態によれば、上記第2スイッチング素子Q2のソースS2の電位を基準として、上記カスコード回路を流れる電流をIDとし、上記過電流検出用抵抗をRgs4とし、上記外部ゲート端子Gcの電圧をVGとし、上記第4スイッチング素子Q4の上記オン抵抗をRon4とすると、上述した実施の形態の場合と同様に、ID≧(Vth4×n)/Rgs4になると上記第4スイッチング素子Q4がオンする。
その際に、上記第4スイッチング素子Q4の上記ドレインD4の電圧Vgは、ゲート抵抗Rgと上記第4スイッチング素子Q4のオン抵抗Ron4との分圧になるので、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
となる。
したがって、上記カスコード回路を流れる電流IDが過電流値ID(max)=(Vth4×n)/Rgs4以上になった場合に、上記第2スイッチング素子Q2のゲートG2の電位が、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
に制限される。
その結果、上述した実施の形態の場合と同様に、上記第1スイッチング素子Q1を流れる電流値を低下させて、上記カスコード回路を流れる電流IDを制限することができる。
さらに、上述したように、上記電流IDが過電流値ID(max)以上になった場合における上記第2スイッチング素子Q2のゲートG2の電位を、
{Ron4/(Rg+Ron4)}×VG
に制限している。したがって、上記ゲート抵抗Rgがない(Rg=0)上述した実施の形態の場合に比して、ゲート抵抗Rgへの分圧分だけ下げることができる。すなわち、上記カスコード回路を流れる電流を、上述した実施の形態の場合よりもさらに制限することができる。
また、一実施の形態の半導体装置21,31,41では、
上記第2スイッチング素子Q2と、上記第3スイッチング素子Q3と、上記第4スイッチング素子Q4とは、同一チップに形成されている。
この実施の形態によれば、上記第2スイッチング素子Q2と上記第3スイッチング素子Q3と上記第4スイッチング素子Q4とを、同一チップに形成している。したがって、ノーマリーオフ型である上記第2スイッチング素子Q2〜上記第4スイッチング素子Q4を、同一工程においてMOSトランジスタで形成することが容易に可能になる。
また、一実施の形態の半導体装置21,31,41では、
上記第1スイッチング素子Q1と、上記第2スイッチング素子Q2と、上記第3スイッチング素子Q3と、上記第4スイッチング素子Q4とは、同一パッケージに内蔵されている。
この実施の形態によれば、上記第1スイッチング素子Q1〜上記第4スイッチング素子Q4を同一パッケージに内蔵して、短絡時間における発熱量が大幅に減少された小型の半導体装置を得ることができる。
21,31,41…窒化物半導体装置
22,32,42…過電流検出回路
Dc…外部ドレイン端子(外部端子)
Sc…外部ソース端子(外部端子)
Gc…外部ゲート端子(外部端子)
Q1…ノーマリーオン型の第1トランジスタ
S1…第1トランジスタのソース
D1…第1トランジスタのドレイン
G1…第1トランジスタのゲート
Q2…ノーマリーオフ型の第2トランジスタ
S2…第2トランジスタのソース
D2…第2トランジスタのドレイン
G2…第2トランジスタのゲート
Q3…ノーマリーオフ型の第3トランジスタ
S3…第3トランジスタのソース
D3…第3トランジスタのドレイン
G3…第3トランジスタのゲート
Q4…ノーマリーオフ型の第4トランジスタ
S4…第4トランジスタのソース
D4…第4トランジスタのドレイン
G4…第4トランジスタのゲート
R1…抵抗
Rgs4…過電流検出用抵抗
Rg…ゲート抵抗

Claims (5)

  1. ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオン型の第1スイッチング素子と、
    ソースとドレインとゲートとを有すると共に、上記ドレインが上記第1スイッチング素子の上記ソースに電気的に接続され、上記第1スイッチング素子と共にカスコード回路を構成しているノーマリーオフ型の第2スイッチング素子と、
    上記第2スイッチング素子と並列に接続されると共に、上記カスコード回路を流れる過電流を検出する過電流検出回路と
    上記第2スイッチング素子の上記ゲートに接続された外部ゲート端子と
    を備え、
    上記過電流検出回路は、
    上記カスコード回路を流れる電流の値が予め設定された所定の過電流値以上となったときに、上記外部ゲート端子から上記第2スイッチング素子の上記ゲートに供給されるオン信号の電位を低下させることによって、上記第2スイッチング素子のオン抵抗を増大させ、上記カスコード回路に電流が流れている状態で上記第1スイッチング素子の発熱量を抑制するように構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記過電流検出回路は、
    上記第2スイッチング素子と並列に接続されると共に、ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオフ型の第3スイッチング素子と、
    上記第3スイッチング素子の上記ソースと上記第2スイッチング素子の上記ソースとの間に接続された過電流検出用抵抗と、
    ソースとドレインとゲートとを有するノーマリーオフ型の第4スイッチング素子とを有し、
    上記第4スイッチング素子の上記ドレインが上記第3スイッチング素子の上記ゲートおよび上記第2スイッチング素子の上記ゲートと共通に接続され、
    上記第4スイッチング素子の上記ゲートが上記第3スイッチング素子の上記ソースおよび上記過電流検出用抵抗の一端と共通に接続され、
    上記第4スイッチング素子の上記ソースが上記過電流検出用抵抗の他端および上記第2スイッチング素子の上記ソースと共通に接続され、
    上記第3スイッチング素子のゲート幅W3は、上記第2スイッチング素子のゲート幅W2の1/n(n>1)倍になるように設定されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    上記外部ゲート端子は、
    上記第3スイッチング素子の上記ゲートと上記第2スイッチング素子の上記ゲートと上記第4スイッチング素子の上記ドレインとに共通に接続され
    上記過電流検出回路は、
    上記外部ゲート端子と上記第4スイッチング素子の上記ドレインとの間に接続されたゲート抵抗を有することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の半導体装置において、
    上記第2スイッチング素子と、上記第3スイッチング素子と、上記第4スイッチング素子とは、同一チップに形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項2から請求項4までの何れか一つに記載の半導体装置において、
    上記第1スイッチング素子と、上記第2スイッチング素子と、上記第3スイッチング素子と、上記第4スイッチング素子とは、同一パッケージに内蔵されていることを特徴とする半導体装置。
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