JP6624223B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、発電機や電動機等の回転電機に関する。
高出力化や高速回転化等を要求される大型の発電機や電動機等の回転電機においては、高出力化に対応して、固定子の内部やコイルエンド等の巻線部分に厚手の高圧絶縁紙が使用されると共に、高速回転化に対応して、回転子の磁石が回転軸にリングで覆われるように固定されることから、固定子の巻線部分や回転子の磁石部分が放熱しにくくなり、温度上昇しやすくなっている。
そのため、例えば、下記特許文献１においては、フレームと固定子との間に水冷ジャケットを設けると共に、水冷ジャケットとフレームとの間に通風路を形成し、水冷ジャケットに冷却水を流通させると共に、フレーム内の空気を上記通風路に流通させるように循環させることにより、固定子や回転子を冷却することを提案している。
特開２０１１−２１１８１６号公報 特開２００８−３０１６４６号公報
上述したような大型の回転電機においては、更なる高出力化や高速回転化等の要求に伴って、冷却性能の更なる向上が強く求められている。
前述した課題を解決するための、本発明に係る回転電機は、円筒形をなすフレームと、前記フレームの内部に取り付けられた円筒形をなす固定子と、前記固定子との間にギャップを有するように当該固定子の内部に配設された円筒形をなす回転子と、前記回転子の内部を貫通するように当該回転子に取り付けられた回転軸と、前記フレームに取り付けられて前記回転軸を回転可能に支持するブラケットとを備えている回転電機において、前記固定子が、軸方向中央部分に径方向へ沿って形成されて前記ギャップに連通するダクトを有し、前記フレームが、冷却風を軸方向両端寄りの内部に供給する第一の供給口及び内部の冷却風を外部へ排出する排出口をそれぞれ有すると共に、冷却風を前記固定子の前記ダクトへ供給する第二の供給口を有していることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機は、上述した回転電機において、前記フレームの軸方向中程の一方端寄りと他方端寄りとに対をなすように配設されて冷却水を供給される供給口を軸方向中央寄りに有すると共に冷却水を排出する排出口を軸方向端部寄りに有する冷却水管を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機は、上述した回転電機において、前記フレームが、前記冷却水管を外周面と内周面との間に内装するように鋳込まれたアルミニウム金属製であることを特徴とする。
本発明に係る回転電機では、第一，二の供給口に冷却風を送給すると、第一の供給口に送給された冷却風が、フレームの内部の軸方向両端寄りを流通して、コイルエンド等を冷却しながら排出口から排出されると共に、第二の供給口に送給された冷却風が、固定子のダクト内を流通して固定子を軸方向中央部分から冷却しながらギャップに到達し、軸方向中央部分から両端側へ向かって分岐するようにギャップ内を流通して固定子の内周面と回転子の外周面とを冷却しながらギャップから流出して排出口から排出される。
このため、本発明に係る回転電機によれば、コイルエンドを冷却するだけでなく、固定子の最も温度の高い軸方向中央部分の内部を径方向外側から径方向内側へ向かって空冷してから固定子の内周面と回転子の外周面とを軸方向中央部分から端部側へ向かって空冷することができるので、高出力化への対応で固定子の内部やコイルエンド等の巻線部分に厚手の高圧絶縁紙を使用したり、高速回転化への対応で磁石をリングで覆うように回転子を回転軸に固定しても、固定子の内部及びコイルエンド等の巻線部分や、回転子の磁石部分を効果的に冷却して、温度上昇を大幅に抑制することができる。
したがって、本発明に係る回転電機によれば、冷却性能を大きく向上させて、高出力化や高速回転化を更に図ることができる。
本発明に係る回転電機の主な実施形態の要部外観図である。 図１の回転電機の概略断面図である。 図１，２の回転電機の冷却水管の構成図である。 図１の回転電機の冷却水及び冷却風の給排方向の説明図である。 図２の回転電機の冷却風の流通方向の説明図である。
本発明に係る回転電機の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
〈主な実施形態〉
本発明に係る回転電機の主な実施形態を図１〜５に基づいて説明する。
図１，２に示すように、内部中空の円筒形をなす高伝熱性材料であるアルミニウム金属製のフレーム１１の内部の軸方向中程の内周面には、円筒形をなす固定子１２の外周面が当該フレーム１１と同軸をなすようにして固定されている。前記固定子１２の内部には、回転軸１４が同軸をなして貫通するように配設されている。前記回転軸１４の両端側は、前記フレーム１１の両端側にそれぞれ取り付けられた対をなす環状のブラケット１５にそれぞれ回転可能に支持されている。
前記回転軸１４の軸方向中程の外周面には、永久磁石１３ａが前記固定子１２の内周面と対向するように当該回転軸１４の周方向にわたって配設されると共に、磁性を有する鉄等からなる円筒形のリング１３ｂが当該永久磁石１３ａを当該回転軸１４の外周面に固定するように嵌合しており、当該永久磁石１３ａ及び当該リング１３ｂ等により、回転子１３が構成されている。言い換えると、前記回転軸１４は、前記回転子１３の内部を貫通するように当該回転子１３に取り付けられているのである。そして、前記回転子１３は、前記固定子１２の内周面と前記リング１３ｂの外周面との間に規定間隔のギャップＧを有するように当該固定子１２の内部に設けられている。
前記フレーム１１の周面の軸方向両端寄りには、当該フレーム１１の外部と内部とを連通させる第一の供給口１６と排出口１８とが互いに対向するようにそれぞれ形成されている。前記フレーム１１の周面の軸方向中程には、前記固定子１２の軸方向中央部分に径方向へ沿って形成されて前記ギャップＧに連通するダクト１２ａと当該フレーム１１の外部とを連通させる第二の供給口１７が、周方向に沿って等間隔で複数（本実施形態では二つ）形成されている。
前記フレーム１１の外周面と内周面との間の軸方向中程には、螺旋状をなすステンレス（ＳＵＳ）製の冷却水管２１Ａ，２１Ｂ（図３参照）が当該フレーム１１の一方端寄りと他方端寄りとで対をなして内装されるように鋳込まれており、当該冷却水管２１Ａ，２１Ｂは、当該フレーム１１の軸方向中央寄りの下方位置に、当該フレーム１１の外部へ露出する供給口２１Ａａ，２１Ｂａを有し、当該フレーム１１の軸方向端部寄りの上方位置に、当該フレーム１１の外部へ露出する排出口２１Ａｂ，２１Ｂｂを有している。
なお、図中、１９はコイルエンドである。
このような本実施形態に係る回転電機１０においては、図４に示すように、前記供給口１６，１７から前記フレーム１１の内部に冷却風１を送給すると共に、前記供給口２１Ａａ，２１Ｂａから前記冷却水管２１Ａ，２１Ｂの内部に冷却水２を送給する。
すると、図５に示すように、前記第一の供給口１６に送給された冷却風１は、前記フレーム１１の内部の軸方向両端寄りを流通して、前記コイルエンド１９等を冷却しながら前記排出口１８から当該フレーム１１の外部へ排出され、前記第二の供給口１７に送給された冷却風１は、前記固定子１２の前記ダクト１２ａ内を流通して当該固定子１２を軸方向中央部分から冷却しながら前記ギャップＧに到達し、軸方向中央部分から両端側へ向かって分岐するように当該ギャップＧ内を流通して当該固定子１２の内周面と前記回転子１３の外周面とを冷却しながら当該ギャップＧから流出し、上記第一の供給口１６から送給された冷却風１と合流して上記排出口１８から上記フレーム１１の外部へ排出される。
他方、前記供給口２１Ａａ，２１Ｂａに送給された冷却水２は、前記冷却水管２１Ａ，２１Ｂ内を流通する、すなわち、前記固定子１２の外周面に対して軸方向中央側から両方の端部側へ各々向かうように螺旋状に流通しながら前記フレーム１１を介して当該固定子１２を外周面から全体的に冷却して、前記排出口２１Ａｂ，２１Ｂｂから排出される。
つまり、本実施形態に係る回転電機１０では、前記第一の供給口１６に送給する冷却風１により、コイルエンド１９を冷却するだけでなく、前記第二の供給口１７に送給する冷却風１により、前記固定子１２の最も温度の高い軸方向中央部分の内部を径方向外側から径方向内側へ向かって空冷してから当該固定子１２の内周面と前記回転子１３の外周面とを軸方向中央部分から端部側へ向かって空冷すると共に、前記供給口２１Ａａ，２１Ｂａに送給する冷却水２により、上記固定子１２の外周面を最も温度の高い軸方向中央部分から端部側へ向かって水冷するようにしたのである。
このため、本実施形態に係る回転電機１０においては、高出力化への対応で前記固定子１２の内部や前記コイルエンド１９等の巻線部分に厚手の高圧絶縁紙を使用したり、高速回転化への対応で前記永久磁石１３ａを前記リング１３ｂで覆うように前記回転子１３を前記回転軸１４に固定しても、当該固定子１２の内部及び上記コイルエンド１９等の巻線部分や、当該回転子１３の上記永久磁石１３ａ部分を効果的に冷却して、温度上昇を大幅に抑制することができる。
したがって、本実施形態に係る回転電機１０によれば、冷却性能を大きく向上させることができるので、高出力化や高速回転化を更に図ることができる。
また、二本の冷却水管２１Ａ，２１Ｂに冷却水２を並列的に流通させて前記固定子１２を冷却するようにしたことから、当該冷却水管２１Ａ，２１Ｂ内の圧力損失を増加させることなく、冷却水２の単位時間当たりの流量を増加させることができるので、冷却水２による冷却性能を大きく向上させることができる。
本発明に係る回転電機は、冷却性能を大きく向上させて、高出力化や高速回転化を更に図ることができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
１ 冷却風
２ 冷却水
１０ 回転電機
１１ フレーム
１２ 固定子
１２ａ ダクト
１３ 回転子
１３ａ 永久磁石
１３ｂ リング
１４ 回転軸
１５ ブラケット
１６ 第一の供給口
１７ 第二の供給口
１８ 排出口
１９ コイルエンド
２１Ａ，２１Ｂ 冷却水管
２１Ａａ，２１Ｂａ 供給口
２１Ａｂ，２１Ｂｂ 排出口
Ｇ ギャップ

Claims (2)

  1. 円筒形をなすフレームと、
    前記フレームの内部に取り付けられた円筒形をなす固定子と、
    前記固定子との間にギャップを有するように当該固定子の内部に配設された円筒形をなす回転子と、
    前記回転子の内部を貫通するように当該回転子に取り付けられた回転軸と、
    前記フレームに取り付けられて前記回転軸を回転可能に支持するブラケットと
    を備えている回転電機において、
    前記固定子が、軸方向中央部分に径方向へ沿って形成されて前記ギャップに連通するダクトを有し、
    前記フレームが、冷却風を軸方向両端寄りの内部に供給する第一の供給口及び内部の冷却風を外部へ排出する排出口をそれぞれ有すると共に、冷却風を前記固定子の前記ダクトへ供給する第二の供給口を有し、
    前記フレームの軸方向中程の一方端寄りと他方端寄りとに対をなすように配設されて冷却水を供給される供給口を軸方向中央寄りに有すると共に冷却水を排出する排出口を軸方向端部寄りに有する冷却水管を備え、
    前記第二の供給口が、前記両冷却水管の供給口間に配置されていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項１記載の回転電機において、
    前記フレームが、前記冷却水管を外周面と内周面との間に内装するように鋳込まれたアルミニウム金属製である
    ことを特徴とする回転電機。
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