以下に、本発明に係るコネクタ及びコネクタ付き電線の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るコネクタ及びコネクタ付き電線の実施形態の1つを図1から図24に基づいて説明する。
図1から図4の符号1は、本実施形態のコネクタを示す。また、図1から図4の符号WHは、このコネクタ1が電線Weに対して電気的に接続された状態で取り付けられたコネクタ付き電線を示す。
コネクタ1は、相手方コネクタ101(図1)と共にコネクタ装置を構成する。コネクタ装置とは、第1コネクタと第2コネクタとの間の物理的且つ電気的な接続によって、第1コネクタと第2コネクタとに各々電気的に接続された接続対象物同士を電気的に繋ぐ装置である。ここでは、便宜上、コネクタ1を第1コネクタとし、相手方コネクタ101を第2コネクタとする。
ここで、接続対象物とは、例えば、インバータ等の電源回路、回転機等の電気機器などのことを指している。例えば、コネクタ1は、電気機器(図示略)に対して、電線Weを介して電気的に接続される。一方、相手方コネクタ101は、電源回路200の筐体201に取り付けられ(図1)、電線(図示略)を介して電源回路200に電気的に接続される。このコネクタ1と相手方コネクタ101は、互いが電気的に接続されることによって、電気機器と電源回路200との間を電気的に繋ぐことができ、電源(二次電池等)からの電気機器への給電や電気機器で生成した電気の電源への充電を行うことができる。
本実施形態のコネクタ1は、相手方コネクタ101に挿入嵌合することによって、この相手方コネクタ101に対して電気的に接続される。一方、このコネクタ1は、相手方コネクタ101からの抜去と共に、この相手方コネクタ101との間の電気的な接続が解消される。ここでは、その挿入嵌合方向を「コネクタ挿入方向」と称し、その抜去方向を「コネクタ抜去方向」と称する。また、これらの双方向の向きを特定しない場合には、これを「コネクタ挿抜方向」と称する。これらの各方向については、コネクタ1を主体にして話を進める場合、このコネクタ1の相手方コネクタ101に対しての向きを示し、相手方コネクタ101を主体にして話を進める場合、この相手方コネクタ101のコネクタ1に対しての向きを示すものとする。
本実施形態のコネクタ1は、以下に詳述する構成を備えたものであれば、雌端子を有する雌コネクタであってもよく、雄端子を有する雄コネクタであってもよい。以下の例示では、このコネクタ1を雄コネクタとして説明すると共に、相手方コネクタ101を雌コネクタとして説明する。
本実施形態のコネクタ1は、端子金具10と筐体20とを備える(図4及び図5)。
本実施形態の端子金具10は、金属(銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等)などの導電性材料によって雄型に成形する。この例示では、導電性の金属板を母材とし、切断や折り曲げ等のプレス加工で雄型の端子金具10を成形する。この端子金具10は、相手方コネクタ101の後述する相手方端子110に対して電気的に接続される電気接続部11と、電線Weの端末に対して電気的に接続される電線接続部12と、を有する(図4及び図6から図9)。
この例示の電気接続部11は、雄型に形成する。この電気接続部11は、2つの平らな壁面(第1壁面11a、第2壁面11b)を有する平板状に形成する(図9)。ここでは、電気接続部11を矩形の平板状に形成しており、第1壁面11aと第2壁面11bとが平行状態で対向配置されている。この電気接続部11は、その第1壁面11aと第2壁面11bの内の少なくとも一方を相手方端子110との物理的且つ電気的な接続が成される接点部として利用する。ここでは、後述するように相手方端子110が2つの電気接続部(第1電気接続部121、第2電気接続部122)を有しているので、それぞれの電気接続部に対して電気的に接続されるように、第1壁面11aと第2壁面11bとを各々接点部として利用する。
この例示の電線接続部12は、電線Weの端末に対して物理的且つ電気的に接続する。この電線接続部12は、電線Weの端末に対して、加締め等で圧着されるものであってもよく、溶接等で固着されるものであってもよい。この例示の電線接続部12は、電線Weの端末に圧着している。
この例示の端子金具10においては、電気接続部11における対向配置された一方の端部11c側が先端となり、他方の端部11d側に電線接続部12が配置されている(図6から図9)。
この例示の端子金具10は、電線接続部12に物理的且つ電気的に接続された電線Weの端末の軸線方向に沿う仮想軸線Pを有しており(図8及び図9)、その仮想軸線Pに沿って、先端から、後述する被保持部13、電気接続部11、電線接続部12の順に配置されている。
具体的に、電気接続部11は、その仮想軸線Pに沿う方向(以下、単に「軸線方向」という。)に延在させている。この電気接続部11においては、その軸線方向における一端が上記の一方の端部11cとなり、その軸線方向における他端が上記の他方の端部11dとなる(図8及び図9)。また、この電気接続部11は、その対向配置された2つの端部11c,11dとは別の対向配置された2つの端面(第1端面11e、第2端面11f)を有する(図8)。その第1端面11eと第2端面11fは、端子金具10の軸線方向と第1及び第2の壁面11a,11bに対する直交方向とに各々直交する方向において、平行状態で対向配置されている。この電気接続部11においては、仮想軸線Pを中心とする第1端面11e側と第2端面11f側とが各々同一形状の略矩形の平板を成している。
本実施形態のコネクタ1は、この端子金具10を例えば極数毎に備えている。ここでは、端子金具10が2つ設けられている(図5)。尚、このコネクタ1については、同一の端子金具10を筐体20に複数備えるものとして示しているが、この例示の端子金具10とこの例示の端子金具10とは別の形状の端子金具とが混在するものであってもよい。
続いて、本実施形態の筐体20について説明する。
本実施形態の筐体20は、端子金具10が収容される収容体20Aを備える(図2から図5及び図10)。更に、本実施形態の筐体20は、その収容体20Aから電線Weの端末までの間を内方に収めて外方から覆うシールドシェル20Bを備える(図1から図5)。また更に、本実施形態の筐体20は、収容体20Aからの端子金具10の抜けを電線We側で抑える保持部材20Cを備える(図4及び図5)。
先ずは収容体20Aについて説明する。
収容体20Aは、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この収容体20Aは、電気接続部11を内方の後述する収容空間33に収容すると共に、電線接続部12を外方に突出させる。本実施形態の収容体20Aは、第1収容部材30と第2収容部材40とに大別される(図2から図5及び図10)。
第1収容部材30は、筒軸方向における少なくとも一端を開口させた筒体に成形する。故に、この第1収容部材30は、筒状の外周壁31を有する(図3から図5及び図10)。この例示の第1収容部材30は、外周壁31を角筒状に形成すると共に、筒軸方向における一端を開口させ且つ他端を閉塞させている。この第1収容部材30においては、その一端の開口32(図2、図4及び図10)から相手方端子110が筒軸方向に沿って内方の収容空間33(図2及び図10)に挿入される。但し、厳密に云うと、相手方端子110は、後述するように、第2収容部材40を介して開口32から収容空間33に挿入される。
外周壁31においては、その開口32側の端部が相手方コネクタ101の後述するコネクタ嵌合部153eとの嵌合部(コネクタ嵌合部)31aになる(図4及び図10)。コネクタ嵌合部153eは、そのコネクタ嵌合部31aの内方に挿入嵌合される。尚、コネクタ嵌合部31aの外周面には、環状のシール部材Se1が同心上で取り付けられている(図4、図5及び図10)。
外周壁31は、端子金具10を電気接続部11側の先端から収容空間33に挿入する挿入孔34を有する(図5及び図10)。この例示の第1収容部材30は、電気接続部11を内方の収容空間33に収容する一方、電線接続部12を挿入孔34から外方に突出させている(図4)。
ここで、挿入孔34は、端子金具10毎に設ける。よって、この例示の外周壁31には、2つの挿入孔34が形成されている(図5及び図10)。それぞれの挿入孔34は、それぞれの端子金具10が、互いの軸線方向を同じ向きにして挿入されるように形成及び配置する。つまり、ここでは、端子金具10の軸線方向が収容空間33への端子金具10の挿入方向(以下、「端子挿入方向」という。)となる。更に、それぞれの挿入孔34は、それぞれの端子金具10が、電気接続部11の第1及び第2の端面11e,11fを外周壁31の筒軸方向に向けた状態(つまり、電気接続部11の第1及び第2の壁面11a,11bを外周壁31の筒軸方向に沿わせた状態)で挿入されるように形成及び配置する。
この例示の第1収容部材30は、その挿入孔34を介した端子金具10の収容空間33への挿入を案内するガイド部35を有する(図4及び図10)。例えば、挿入孔34は、外周壁31の筒軸方向における他端の壁体36にまで続いている。よって、ガイド部35は、その壁体36の収容空間33側の壁面36aに設けている。このガイド部35は、端子金具10毎に設ける。よって、この例示の壁面36aには、ガイド部35が2箇所に設けられている。
この例示のガイド部35は、その壁面36aから外周壁31の筒軸方向に突出させ、かつ、端子挿入方向に延在させた突出部35aを2つ備える(図10)。それぞれの突出部35aは、互いに間隔を空けて対向配置する。その間隔は、電気接続部11の収容空間33への挿入を阻害しない範囲内で、この電気接続部11の板厚と同等の大きさに設定する。よって、このガイド部35においては、それぞれの突出部35aの間に、端子挿入方向に沿う溝(以下、「ガイド溝」という。)35bが形成される(図4及び図10)。端子金具10においては、そのガイド溝35bに沿って、一方の端部11c側から電気接続部11が案内されていく。また、ガイド溝35bは、上記の如く電気接続部11の板厚と同等の大きさに設定することによって、それぞれの突出部35aの間での電気接続部11のがたつきを抑えることができる。尚、この例示のガイド溝35bの溝底35b1は、壁面36aよりも開口32側に底上げされている(図4)。
更に、この例示のガイド部35は、挿入孔34から挿入された電気接続部11の一方の端部11c側をガイド溝35bまで案内するガイド壁面35cを有する(図4及び図10)。そのガイド壁面35cは、電気接続部11の一方の端部11c側を壁面36aからガイド溝35bの溝底35b1まで案内する傾斜面である。
第2収容部材40は、第1収容部材30の収容空間33の形状に合わせた多面体に成形する(図10及び図11)。そして、この第2収容部材40は、第1収容部材30の開口32から筒軸方向に沿って収容空間33に収容する(図2、図4、図5及び図10)。この第2収容部材40は、収容空間33への収容が完了している状態で、自らの内方に端子金具10の電気接続部11を収容する(図4)。
この第2収容部材40は、収容空間33で電気接続部11が収容される端子収容室41を有する(図4、図5及び図10から図12)。その端子収容室41は、第2収容部材40が収容空間33に挿入されていくにつれて、収容空間33に収容されている電気接続部11を開口41a(図5、図10及び図11)から収容し始める。そして、この端子収容室41は、第2収容部材40の収容空間33への収容が完了すると、電気接続部11の収容を完了させる。よって、第2収容部材40は、外周面側で端子収容室41を自らの外方に連通させる切欠き部42を有している(図5、図10及び図11)。電線接続部12は、その切欠き部42から第2収容部材40の外方に突出させる。その切欠き部42は、電線接続部12を第1収容部材30の挿入孔34から外方に突出させるように、第2収容部材40が収容空間33に収容されている状態で挿入孔34に対向配置させる。
端子収容室41には、コネクタ1と相手方コネクタ101の嵌合(以下、「コネクタ嵌合」という。)が完了した際に、相手方端子110の後述する第1及び第2の電気接続部121,122並びに2つの接点部材130が収容される。この端子収容室41においては、それぞれの接点部材130が電気接続部11の第1壁面11aと第2壁面11bとに各々接触し、その相互間を物理的且つ電気的に接続させる。よって、第2収容部材40は、その相手方端子110を端子収容室41に挿入するための端子挿入口43を有している(図2、図3、図10及び図12)。その端子挿入口43は、第2収容部材40が収容空間33に収容されている状態で第1収容部材30の開口32側に配置されるように形成し、外周壁31の筒軸方向で端子収容室41に対向配置させる。従って、この端子挿入口43には、収容空間33に収容された電気接続部11の第1端面11eと第2端面11fの内の何れか一方が対向配置される。
この第2収容部材40は、端子収容室41と端子挿入口43とを外周壁31の筒軸方向で連通させる連通室44を有する(図2、図3、図10及び図12)。よって、電気接続部11においては、端子収容室41に収容された際に、第1端面11eと第2端面11fの内の一方が連通室44を介して端子挿入口43に対向配置される。
この第2収容部材40は、作業者等の手指が端子挿入口43を経て電気接続部11に接触せぬように手指を止める接触防止部45を有する(図2から図4、図10及び図12)。その接触防止部45は、端子挿入口43を介して手指が電気接続部11に届くことがないように形成及び配置する。例えば、接触防止部45は、端子挿入口43に対向配置された電気接続部11の端面(第1端面11e又は第2端面11f)の少なくとも一部を外周壁31の筒軸方向で端子挿入口43側から覆うように配置する。また、この接触防止部45は、相手方端子110の端子収容室41への挿入を阻害せぬよう連通室44に設ける。
この例示の接触防止部45は、2つの平らな壁面を有する平板状に形成して、その2つの壁面が外周壁31の筒軸方向に沿うよう連通室44に形成する。ここでは、接触防止部45を矩形の平板状に形成している。そして、この接触防止部45は、電気接続部11の第1及び第2の壁面11a,11bに対する直交方向で、連通室44が2つの部屋に分割されるように配置している。つまり、連通室44は、接触防止部45によって、その直交方向で第1分割連通室44aと第2分割連通室44bとに区分けされている(図2、図3、図10及び図12)。更に、ここでは、端子挿入口43についても、接触防止部45によって、その直交方向で第1分割挿入口43aと第2分割挿入口43bとに区分けされている(図2、図3、図10及び図12)。従って、相手方端子110の後述する第1電気接続部121は、第1分割挿入口43aと第1分割連通室44aとを介して端子収容室41に挿入される。また、相手方端子110の後述する第2電気接続部122は、第2分割挿入口43bと第2分割連通室44bとを介して端子収容室41に挿入される。
この例示では、後述する一対の第1電気接続部121及び一方の接点部材130の組み合わせ並びに第1収容体151が、第1分割挿入口43aから第1分割連通室44aに挿入された後、端子収容室41に挿入される。その端子収容室41では、その一方の接点部材130が電気接続部11の第1壁面11aに接触し、この電気接続部11を第1電気接続部121に電気的に接続させる。また、この例示では、後述する一対の第2電気接続部122及び他方の接点部材130の組み合わせ並びに第2収容体152が、第2分割挿入口43bから第2分割連通室44bに挿入された後、端子収容室41に挿入される。その端子収容室41では、その他方の接点部材130が電気接続部11の第2壁面11bに接触し、この電気接続部11を第2電気接続部122に電気的に接続させる。よって、第2収容部材40においては、これらの挿入が行えるように、第1分割挿入口43aと第2分割挿入口43bと第1分割連通室44aと第2分割連通室44bと接触防止部45とを形成及び配置する。
この第2収容部材40は、電気接続部11が端子収容室41から抜け出ぬように端子金具10の被保持部13(図3、図4及び図6から図9)を保持する端子保持部46を有している(図4及び図11)。その端子保持部46は、被保持部13を保持することで、電気接続部11が端子収容室41から抜け出さないように形成する(図4)。その被保持部13と端子保持部46は、端子金具10の先端側と根元側の内の少なくとも一方を保持し得るように形成及び配置する。但し、この例示の端子金具10においては、電線接続部12を収容体20Aの外方に突出させている。よって、被保持部13の配置場所としての端子金具10の根元側とは、電気接続部11の電線接続部12側の端部11dのことをいう。例えば、ここでは、被保持部13を端子金具10の先端に被挿入部として形成し、かつ、端子保持部46を第2収容部材40の収容空間33への挿入と共に被保持部13に挿入される挿入部として形成する。そして、被保持部13と端子保持部46は、収容空間33に対する端子金具10の端子挿入方向への動きと、その端子挿入方向とは逆方向に向けた端子金具10の動きと、を係止するように形成する。
具体的に、この例示の被保持部13は、電気接続部11の先端(一方の端部11c)から仮想軸線Pに沿って突出させたT字体に形成する。この被保持部13は、電気接続部11の第1壁面11aと同一平面上に配置されたT字状の第1壁面13a(図6、図8及び図9)と、電気接続部11の第2壁面11bと同一平面上に配置されたT字状の第2壁面13b(図7及び図9)と、を有している。また、この被保持部13は、仮想軸線P上に中心軸を配置したT字の軸部13cと、この軸部13cの先端で軸部13cに直交させた交差部13dと、を有している(図6から図9)。この被保持部13は、電気接続部11の一方の端部11cとの間で形成される切欠き状の溝部13e(図4及び図6から図9))を被挿入部として利用するものである。その溝部13eは、仮想軸線Pを中心にした2箇所に形成されている。
この例示の被保持部13は、軸線方向と第1及び第2の壁面13a,13bに対する直交方向とに各々直交する方向で、仮想軸線Pを中心とする双方の形状が同一のものとなるように形成している。よって、この被保持部13は、双方の溝部13eを被挿入部として利用することができる。例えば、端子金具10は、端子収容室41で第1端面11eが端子挿入口43に対向配置されている場合、2つの溝部13eの内の一方が被挿入部として利用される。また、端子金具10は、端子収容室41で第2端面11fが端子挿入口43に対向配置されている場合、2つの溝部13eの内の他方が被挿入部として利用される。
端子保持部46は、第2収容部材40が収容空間33に収容されている状態で、その被保持部13の溝部13eに挿入する。この例示では、端子収容室41を成す壁部41bに、外周壁31の筒軸方向に沿って切り欠いた切欠き状の溝部41b1を形成している(図11)。この例示の端子保持部46は、その溝部41b1の底部側を頂点とする壁部41bの残存部位を被保持部13への挿入部として利用する。この例示の被保持部13と端子保持部46においては、第2収容部材40が収容空間33に挿入されていくにつれて、溝部13e,41b1同士の嵌め合いが始まる。そして、この被保持部13と端子保持部46においては、第2収容部材40の収容空間33への収容の完了と共に、壁部41bの残存部位の溝部13eへの挿入が完了し、端子収容室41で電気接続部11を収容状態のまま保持することができる。
ここで、被保持部13においては、壁部41bの残存部位が溝部13eへと挿入されているときに、交差部13dが第2収容部材40の外周面よりも外方に配置される(図3及び図4)。そこで、この収容体20Aにおいては、第1収容部材30の内周面と第2収容部材40の外周面との間に環状の隙間21を設けている(図3及び図4)。その隙間21の間隔は、交差部13dの配置が可能である一方、作業者等の手指が入り得ない大きさとする。このコネクタ1においては、その隙間21に配置された交差部13dを利用して導通チェックを行うことができる。
ところで、先に示したガイド部35においては、それぞれの突出部35aの間で電気接続部11のがたつきを抑えることができる。そして、電気接続部11は、第2収容部材40が収容空間33に収容されている状態で、第1端面11eと第2端面11fの内の一方がガイド溝35bの溝底35b1に対向配置され、その内の他方が接触防止部45の端面45a(端子挿入口43側とは逆側の端面)に対向配置されている(図4)。よって、第1収容部材30と第2収容部材40は、相互間での収容が完了している状態で、その溝底35b1と端面45aとで電気接続部11を挟持させるように形成してもよい。つまり、第1収容部材30と第2収容部材40は、相互間での収容が完了している状態で、電気接続部11を挟み込んで保持するように形成してもよい。これにより、このコネクタ1は、端子保持部46による端子収容室41での電気接続部11の抜け防止効果を高めることができると共に、端子収容室41での電気接続部11のがたつきを抑えることができる。従って、このコネクタ1は、耐振性を高めることができ、かつ、相手方コネクタ101との間での嵌合作業性を向上させることができる。この例示のコネクタ1においては、かかる効果を得るべく、後述するように、第1収容部材30と第2収容部材40を筒軸方向の軸力でシールドシェル20Bに共締めしている。
この第2収容部材40においては、端子収容室41と切欠き部42と端子挿入口43と連通室44と接触防止部45と端子保持部46の組み合わせを端子金具10毎に設ける。それぞれの組み合わせは、複数の端子金具10が互いの軸線方向及び収容空間33に対する端子挿入方向を同じ向きにして収容されるように配置する。この例示では、その組み合わせが2組設けられている。その内の一方の組み合わせは、端子金具10の電気接続部11が、第1端面11eを端子挿入口43に対向配置させた状態(つまり、第1及び第2の壁面11a,11bを外周壁31の筒軸方向に沿わせた状態)で端子収容室41に収容されるように形成及び配置する。この端子収容室41には、第1端面11e側から電気接続部11が挿入されていく。また、他方の組み合わせは、端子金具10の電気接続部11が、第2端面11fを端子挿入口43に対向配置させた状態(つまり、第1及び第2の壁面11a,11bを外周壁31の筒軸方向に沿わせた状態)で端子収容室41に収容されるように形成及び配置する。この端子収容室41には、第2端面11f側から電気接続部11が挿入されていく。
次に、シールドシェル20Bについて説明する。
シールドシェル20Bは、第1収容部材30と第2収容部材40とが組み付けられた収容体20Aから電線Weの端末までの間での外部からのノイズの侵入を抑制する第1シールド部材である。このシールドシェル20Bは、その間を内方に収めて外方から覆う。このシールドシェル20Bは、金属等の導電性材料で成形する。このシールドシェル20Bは、開口32側を露出させつつ収容体20Aを外方から覆う主シールド体51と、挿入孔34から収容体20Aの外方に突出している電線接続部12と電線Weの端末とを外方から覆う副シールド体52と、を有する(図1から図5、図13及び図14)。
主シールド体51は、一端を開口させ且つ他端を閉塞させた筒状の外周壁51aを有する(図1から図5、図13及び図14)。この例示の外周壁51aは、角筒状の第1収容部材30の外形に合わせて角筒状に形成している。この主シールド体51においては、その一端の開口51b(図2、図4及び図14)から第1収容部材30が互いの筒軸方向に沿って内方の収容空間51c(図14)に挿入される。シール部材Se1は、第1収容部材30が収容空間51cに収容された状態で外周壁51aの内周面に密着し、コネクタ嵌合部31aと主シールド体51との間の液密性を向上させる(図4)。
外周壁51aは、第1収容部材30が収容空間51cに収容された状態で挿入孔34に対向配置される貫通孔51a1を有する(図14)。その貫通孔51a1は、端子金具10毎に設ける。この例示では、貫通孔51a1が2つ設けられている。
副シールド体52は、端子金具10毎に設ける。よって、ここでは、この副シールド体52を2つ設けている。この副シールド体52は、両端を開口させた筒状に形成する。この例示の副シールド体52は、円筒状に形成している。このシールドシェル20Bにおいては、主シールド体51の貫通孔51a1の周縁部から副シールド体52を主シールド体51の外方に向けて突出させる。この例示の副シールド体52は、筒軸方向が端子挿入方向に沿うように突出させている。この副シールド体52においては、自由端側の開口52aから端子金具10が内方の収容空間52bに挿入される(図5)。その端子金具10は、主シールド体51の貫通孔51a1と第1収容部材30の挿入孔34を介して先端から収容空間33に挿入される。
このシールドシェル20Bは、並列配置された2つの副シールド体52を繋ぐ連結体53を有する(図2から図5及び図13)。この例示の連結体53は、2つの副シールド体52の間に介在させている。この連結体53は、コネクタ1を相手方コネクタ101側に固定するための貫通孔54を有している(図3)。その貫通孔54については、後で詳述する。
ここで、電線Weの端末には、環状のシール部材Se2が同心上で取り付けられている(図4及び図5)。そのシール部材Se2は、電気接続部11が収容空間33に収容された状態で副シールド体52の内周面に密着し、副シールド体52と電線Weとの間の液密性を向上させる(図4)。
保持部材20Cは、副シールド体52の開口52a側の端部が嵌め込まれる筒状の外周壁(後述する外周壁62)を有しており、その副シールド体52の収容空間52bに配策された電線Weを外方に引き出すことができるように形成された筒部材である。この保持部材20Cは、金属等の導電性材料で成形する。この保持部材20Cは、端子金具10毎に設ける。この例示では、保持部材20Cを2つ備えている。
この例示の保持部材20Cは、同心上で径方向に間隔を空けて配置された円筒状の内周壁61と円筒状の外周壁62とを有する(図13及び図14)。その内周壁61と外周壁62は、各々、筒軸方向における両端を開口させている。よって、この保持部材20Cには、内周壁61と外周壁62との間に円筒状の隙間63が形成される(図14)。この例示の保持部材20Cは、その円筒状の隙間63における筒軸方向の一端の円環状の開口を円環状の壁(以下、「環状壁」という。)64で塞いでいる(図13)。この保持部材20Cは、その円筒状の隙間63に、筒軸方向における他端の開口63a(図14)から副シールド体52の開口52a側の端部を挿入嵌合させる。よって、この保持部材20Cにおいては、内周壁61が副シールド体52の収容空間52bに挿入され、外周壁62が副シールド体52の外周面を覆う。この保持部材20Cにおいては、副シールド体52の収容空間52bに配策された電線Weが、その内周壁61の内方の空間に導かれ、この内周壁61の一端の開口から外方に引き出される。
副シールド体52と保持部材20Cは、ロック機構Lで互いの嵌合状態を保持する(図13及び図14)。この例示では、ロック機構Lを2箇所に設けている。このロック機構Lは、副シールド体52に設けた第1係合体55と、保持部材20Cに設けた第2係合体65と、を備える。
第1係合体55は、副シールド体52の開口52a側の端部にて外周面から径方向の外側に突出させる。この例示の第1係合体55は、第2係合体65を引っ掛けることが可能な爪状に形成している。
一方、第2係合体65は、保持部材20Cの外周壁62の周方向における一部を取り除いた場所に設ける。この例示の第2係合体65は、環状壁64と同一平面上で内周壁61の外周面から径方向の外側に突出させた基部65aを有する(図13及び図14)。更に、この例示の第2係合体65は、その基部65aの周方向における両端に、可撓性を持たせた第1及び第2の可撓軸部65b,65cを各々有する(図13及び図14)。その第1及び第2の可撓軸部65b,65cは、各々、基部65aの周方向における両端から保持部材20Cの筒軸方向で且つ開口63aに向けて各々突出させる。また、この第1及び第2の可撓軸部65b,65cは、保持部材20Cの径方向において、外周壁62と同等の位置に配置する。また更に、この例示の第2係合体65は、第1及び第2の可撓軸部65b,65cのそれぞれの突出側の端部を繋ぐ係合部65dを有する(図13及び図14)。この第2係合体65は、第1及び第2の可撓軸部65b,65cを撓ませることによって、係合部65dを内周壁61に対して径方向に動かすことができる。
このロック機構Lにおいては、保持部材20Cを副シールド体52の開口52a側の端部に挿入嵌合させ始めることで、第2係合体65を撓ませながら係合部65dが第1係合体55に乗り上がる。そして、このロック機構Lにおいては、副シールド体52と保持部材20Cとの嵌合が完了するときに、第2係合体65の係合部65dが第1係合体55を乗り越えて、第2係合体65の撓みが解消される。これにより、このロック機構Lにおいては、保持部材20Cが副シールド体52から外れぬように、第1係合体55と第2係合体65の係合部65dとが外周壁62の筒軸方向で係止可能な状態となる。
ここで、副シールド体52は、開口52a側の端部の外周面に係止体を備える。その係止体は、副シールド体52の開口52a側の端部の外周面から突出させた突出体であり、その外周面に複数設けることが望ましい。また、保持部材20Cは、その係止体が挿入される隙間を外周壁62に備える。ロック機構Lにおいては、保持部材20Cが副シールド体52の開口52a側の端部に嵌合され、かつ、第1係合体55と第2係合体65の係合が完了している状態で、その係止体が隙間に挿入されている。ここでは、2つの係止体(第1及び第2の係止体56A,56B)を副シールド体52に設け、かつ、2つの隙間(第1及び第2の隙間66A,66B)を保持部材20Cに設けている(図13及び図14)。このロック機構Lにおいては、保持部材20Cが副シールド体52の開口52a側の端部に嵌合され、かつ、第1係合体55と第2係合体65の係合が完了している状態で、第1係止体56Aを第1隙間66Aに挿入させ、かつ、第2係止体56Bを第2隙間66Bに挿入させる。
具体的に、この例示の第1及び第2の係止体56A,56Bは、副シールド体52の開口52a側の端部にて、その外周面から径方向の外側に向けて突出させ且つ副シールド体52の筒軸方向に延在させる。ここでは、第1及び第2の係止体56A,56Bを方体状に形成している。更に、この例示の第1及び第2の係止体56A,56Bは、副シールド体52の開口52a側の端部の外周面にて、副シールド体52の周方向で第1係合体55を間に介在させるように形成する。一方、外周壁62には、第1及び第2の隙間66A,66Bを設けることによって、第1隙間66Aにおける一方の壁面を成す一方の端部62aと、第2隙間66Bにおける一方の壁面を成す他方の端部62bと、が形成される(図13及び図14)。この例示の第1隙間66Aは、外周壁62の周方向にて、その一方の端部62aと第1可撓軸部65bとの間に設ける(図13及び図14)。また、この例示の第2隙間66Bは、外周壁62の周方向にて、その他方の端部62bと第2可撓軸部65cとの間に設ける(図13及び図14)。
第1係止体56Aと第1隙間66Aは、第1係止体56Aが第1隙間66Aに挿入されているときに、外周壁62の一方の端部62aと第1可撓軸部65bとの間で、これらに対して第1係止体56Aの周方向における一端と他端とが周方向で各々対向配置されるように形成及び配置する。そして、第1係止体56Aと第1隙間66Aは、副シールド体52と保持部材20Cとの間の周方向の相対回転を抑え得るように形成及び配置する。例えば、第1係止体56Aと第1隙間66Aは、第1係止体56Aの周方向における一端と外周壁62の一方の端部62aとの周方向での間隔及び第1係止体56Aの周方向における他端と第1可撓軸部65bとの周方向での間隔が、各々、第1係止体56Aの第1隙間66Aへの挿入を可能にする範囲内で最大限狭まるように形成及び配置する。これにより、第1係止体56Aは、副シールド体52と保持部材20Cとが周方向で相対回転しようとしたときに、外周壁62の一方の端部62a又は第1可撓軸部65bに対して周方向で係止される。よって、第1係止体56Aと第1隙間66Aは、副シールド体52と保持部材20Cの周方向の相対回転を抑えることができる。
これと同様に、第2係止体56Bと第2隙間66Bは、第2係止体56Bが第2隙間66Bに挿入されているときに、外周壁62の他方の端部62bと第2可撓軸部65cとの間で、これらに対して第2係止体56Bの周方向における一端と他端とが周方向で各々対向配置されるように形成及び配置する。そして、第2係止体56Bと第2隙間66Bは、副シールド体52と保持部材20Cとの間の周方向の相対回転を抑え得るように形成及び配置する。例えば、第2係止体56Bと第2隙間66Bは、第2係止体56Bの周方向における一端と外周壁62の他方の端部62bとの周方向での間隔及び第2係止体56Bの周方向における他端と第2可撓軸部65cとの周方向での間隔が、各々、第2係止体56Bの第2隙間66Bへの挿入を可能にする範囲内で最大限狭まるように形成及び配置する。これにより、第2係止体56Bは、副シールド体52と保持部材20Cとが周方向で相対回転しようとしたときに、外周壁62の他方の端部62b又は第2可撓軸部65cに対して周方向で係止される。よって、第2係止体56Bと第2隙間66Bは、副シールド体52と保持部材20Cの周方向の相対回転を抑えることができる。
このコネクタ1は、第1シールド部材としてのシールドシェル20Bの他に、このシールドシェル20Bに対して電気的に接続させる第2シールド部材71を備える(図1から図5及び図15)。その第2シールド部材71は、副シールド体52の開口52a側の端部と共にその開口52aから引き出された電線Weを外方から覆うことで、この電線Weに対する外部からのノイズの侵入を抑制する。この第2シールド部材71は、筒状に形成し、端子金具10毎に設ける。ここでは、第2シールド部材71を2つ備えている。このコネクタ1においては、副シールド体52の開口52aに取り付けた保持部材20Cから電線Weが外方に引き出されている。よって、この例示の第2シールド部材71は、副シールド体52の開口52a側の端部と、保持部材20Cと、保持部材20Cから引き出された電線Weと、を外方から覆うように形成する。これにより、この第2シールド部材71は、保持部材20Cから引き出された電線Weに対する外部からのノイズの侵入を抑制することができる。具体的に、この例示の第2シールド部材71は、導電性の素線が筒状且つ網目状に編み込まれた編組として設ける。よって、この例示の第2シールド部材71は、柔軟性を有しており、内方の電線Weの曲げ等の動きに追従することができる。尚、図中では、図示の便宜上、第2シールド部材71の具体的な形状(網目等)は省略している。
この第2シールド部材71は、金属等の導電性材料から成る結束部材(結束バンド75)で副シールド体52に固定する(図4、図5及び図15)。結束バンド75は、この技術分野で周知のものを用いる。例えば、結束バンド75は、第2シールド部材71の上から第2シールド部材71と副シールド体52の開口52a側の端部とに巻き付ける。この結束バンド75は、締め付けていくことによって円環状を成し、第2シールド部材71を副シールド体52の開口52a側の端部に固定する。
ここで、結束バンド75は、保持部材20Cの外周壁62における開口63a側の端面62c並びに第1及び第2の係止体56A,56Bの主シールド体51側の端面56aに対して、副シールド体52の筒軸方向で対向配置される位置にて巻き付けを行う(図15)。これにより、巻き付け後に環状(ここでは円環状)を成している結束バンド75は、その外周壁62の端面62cと第1及び第2の係止体56A,56Bの端面56aとに、筒軸方向で対向配置されることになる。この例示では、外周壁62の端面62cに対して、筒軸方向で第1及び第2の係止体56A,56Bの端面56aを突出させる。これにより、第1及び第2の係止体56A,56Bの端面56aは、締め付け後の結束バンド75を筒軸方向で係止することが可能な係止部として利用することができる。例えば、このコネクタ1においては、第2シールド部材71に対して副シールド体52から引き抜かれる方向の引っ張り力が発生した際に、この第2シールド部材71と共に結束バンド75が副シールド体52に対して筒軸方向に相対移動したとしても、その結束バンド75が第1及び第2の係止体56A,56Bの端面56aで係止される。よって、このコネクタ1においては、第2シールド部材71を副シールド体52に締め付けた状態のまま保持することができる。従って、このコネクタ1は、副シールド体52と第2シールド部材71との物理的且つ電気的な接続状態を保ち続けることができるので、シールド性能の低下を抑えることができる。このように、このコネクタ1において、第1及び第2の係止体56A,56Bは、副シールド体52に対する第2シールド部材71の保持機能を持ち、かつ、先に示した副シールド体52に対する保持部材20Cの相対回転抑止機能を持っている。故に、このコネクタ1は、それぞれの機能を別々の部位で成立させたものと比較して、体格の大型化を抑えることができる。
更に、このコネクタ1においては、シールドシェル20Bの副シールド体52を端子金具10毎に設け、かつ、その副シールド体52毎に第2シールド部材71を繋ぐことによって、それぞれの電線Weを個々に第2シールド部材71で覆っている。よって、このコネクタ1は、一纏めに束ねたそれぞれの電線Weを1つの編組で覆うものと比較して、それぞれの電線Weを副シールド体52から柔軟性を持たせたまま引き出すことができるので、それぞれの電線Weの配索経路の自由度を高めることができる。また、このコネクタ1は、それぞれの電線Weを一纏めに束ねずに済むので、それぞれの電線Weの間での熱干渉の発生を抑えることができる。故に、このコネクタ1においては、それぞれの電線Weの大径化を抑えることができるので、それぞれの電線Weの配索経路の自由度を更に高めることができる。
ところで、このコネクタ1においては、先に示したように、端子金具10の電線接続部12を絶縁性の収容体20Aから突出させ、この飛び出ている電線接続部12を導電性の副シールド体52で覆っている。従って、このコネクタ1では、その導電性の電線接続部12と副シールド体52との間に絶縁体を介在させ、その間の絶縁距離(空間距離及び沿面距離)を増大させる。このコネクタ1は、電線接続部12と電線Weの端末とを外方から覆う絶縁性の筒部材(以下、「絶縁筒」という。)80を備える(図3から図5、図16及び図17)。
絶縁筒80は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この例示の絶縁筒80は、電線接続部12と電線Weの端末とを内方に収容する角筒状の筒体81を有する(図4、図5、図16及び図17)。その筒体81の筒軸方向における一端側は、電線接続部12を内方に収容したままの状態で第1収容部材30の収容空間33に挿入される。よって、その収容空間33には、絶縁筒80における自らの筒軸方向の一方の端部と共に、端子金具10が電気接続部11側の先端から挿入孔34を介して挿入される。従って、このコネクタ1においては、第1収容部材30の挿入孔34を略矩形状に形成し、かつ、この挿入孔34に嵌め込むことができるように筒体81を形成することが望ましい。収容体20Aにおいては、その絶縁筒80の一方の端部と電気接続部11とが収容空間33に収容されている状態で、第2収容部材40を収容空間33に挿入していく。
この例示の絶縁筒80は、自らの筒軸方向における一方の端部に係止爪82を有する(図3、図5、図16及び図17)。この例示では、その係止爪82を筒体81における筒軸方向の一端側の少なくとも1箇所に設けている。その係止爪82は、筒体81の一端側の外周壁に突出体として形成し、収容空間33に収容させる。この係止爪82は、収容空間33に一端側が収容された筒体81の筒軸方向において、第1収容部材30の外周壁31における挿入孔34の周縁部に係止させることができる(図3及び図17)。よって、この係止爪82は、第2収容部材40が収容空間33に収容されるまでの間、絶縁筒80を第1収容部材30に仮保持させることができる。
更に、このコネクタ1においては、絶縁筒80に設けた被係止部83(図3、図5、図16及び図17)と、第2収容部材40に設けた係止部47(図10、図11及び図17)と、によって、収容体20Aに対する絶縁筒80の自らの筒軸方向への動きが係止されるように構成する。被係止部83と係止部47は、そのような係止が可能なものであれば、如何様な形状のものであってもよい。例えば、被係止部83と係止部47は、その内の一方を突起状に形成し、その内の他方を相手方が挿入される溝状に形成する。この例示の絶縁筒80は、自らの筒軸方向における一方の端部に被係止部83を有する。この例示では、その被係止部83を筒体81における筒軸方向の一端側に設けている。その被係止部83は、その筒体81の一端から筒軸方向に突出させた片体状のものとして設ける。この例示の被係止部83は、筒体81の一端から筒軸方向に突出させた第1片部83aと、この第1片部83aに直交配置した第2片部83bと、を有するL字状に形成する(図16及び図17)。絶縁筒80は、この被係止部83のL字状の断面に対する直交方向が第1収容部材30の筒軸方向を向くように、一方の端部を挿入孔34から収容空間33に挿入する。そして、第2収容部材40には、第2片部83bを収容空間33の中で収容する溝状の係止部47を設ける(図10、図11及び図17)。その係止部47は、第1収容部材30の筒軸方向に沿って延在させた絶縁筒80毎の溝であり、第2収容部材40の収容空間33への挿入と共に、第2片部83bを第1収容部材30の筒軸方向に沿って挿入させる。第2片部83bは、係止部47の2つの側壁(筒体81の筒軸方向に沿って対向配置されている壁)で係止することができる。従って、このコネクタ1においては、収容体20Aやシールドシェル20Bに対する絶縁筒80の筒軸方向に沿う位置ズレを抑えることができる。
尚、このコネクタ1は、第2シールド部材71を外装部材CBで外方から覆っている(図1から図5)。外装部材CBは、例えばコルゲートチューブやブーツ等であり、合成樹脂等の絶縁性材料で成形されている。この例示の外装部材CBは、電線Weの配索経路の自由度を高めるべく、屈曲可能なものとして形成されている。例えば、この外装部材CBは、保持部材20Cから引き出されている電線We毎に、屈曲可能な筒部CBa,CBbを設けている(図1から図3)。この外装部材CBは、例えば結束バンドCB0でシールドシェル20Bに固定する。
このコネクタ1においては、第1収容部材30が主シールド体51の収容空間51cに収容され、かつ、電線Weの端末に取り付けられ且つ絶縁筒80に挿入された端子金具10が先端から第1収容部材30の収容空間33に収容される。このコネクタ1においては、その状態で第2収容部材40を収容空間33に挿入していく。このコネクタ1では、これらの各部品を固定状態のまま保つべく、第1収容部材30と第2収容部材40とシールドシェル20Bとを螺子止め固定する。例えば、この例示の主シールド体51には、自らの筒軸方向を軸線とする雌螺子部Nが形成されている(図12及び図14)。第1収容部材30と第2収容部材40とシールドシェル20Bは、その雌螺子部Nに雄螺子部材B(図5)を螺合することによって固定する。第1収容部材30には、雌螺子部Nを有する円筒状のボス部51d(図12及び図14)を挿通させる貫通孔37が形成されている(図3、図5及び図12)。また、第2収容部材40には、雄螺子部材Bを挿通させる貫通孔48が形成されている(図3、図5、図11及び図12)。貫通孔37,48は、外周壁31の筒軸方向を軸線とする。ボス部51dは、外周壁51aの筒軸方向を軸線とする。よって、第1収容部材30と第2収容部材40とシールドシェル20Bは、筒軸方向の軸力で共締めされる。
以上示したコネクタ1は、先に示したように、相手方コネクタ101に挿入嵌合されて、この相手方コネクタ101に対して電気的に接続される。そこで、以下においては、その相手方コネクタ101について説明する。
相手方コネクタ101は、端子金具10に対して電気的に接続される相手方端子110を備える(図18及び図19)。その相手方端子110は、端子金具10毎に設ける。この例示の相手方コネクタ101は、相手方端子110を2つ備えている。
相手方端子110は、自らを接点部として利用するものであってもよい。この場合には、端子金具(以下、「相手方端子金具」という。)120そのものが相手方端子110となる。一方、相手方端子110は、その相手方端子金具120に接点部材130を取り付けたものであってもよい。
相手方端子金具120は、金属(銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等)などの導電性材料によって雌型に成形する。この例示では、導電性の金属板を母材とし、切断や折り曲げ等のプレス加工で雌型の相手方端子金具120を成形する。
この相手方端子金具120は、互いに間隔を空けて対向配置した第1電気接続部121と第2電気接続部122とを有する(図20及び図21)。第1電気接続部121と第2電気接続部122は、各々、2つの平らな壁面を有する平板状に形成する。この例示では、第1電気接続部121と第2電気接続部122を各々略矩形の平板状に形成している。また、この例示の第1電気接続部121と第2電気接続部122は、各々、同等の形状に形成している。この相手方端子金具120においては、第1電気接続部121と第2電気接続部122の2つの壁面の内の一方の壁面(以下、「対向壁面」という。)121a,122a同士を互いに間隔を空けて対向配置する(図20及び図21)。この対向壁面121a,122a同士は、平行になるように間隔を空けて対向配置している。
この相手方端子金具120においては、第1電気接続部121と第2電気接続部122のそれぞれの一端部121b,122b(図20及び図21)の間に電気接続部11を挿入し、その挿入された電気接続部11に対して電気的に接続させる。第1電気接続部121と第2電気接続部122は、それぞれの一端部121b,122bの対向壁面121a,122aの内の一方に電気接続部11の第1壁面11aと第2壁面11bの内の一方が対向配置され、かつ、その対向壁面121a,122aの内の他方に第1壁面11aと第2壁面11bの内の他方が対向配置されるように形成及び配置する。つまり、第1電気接続部121と第2電気接続部122は、第1壁面11aと第2壁面11bとがそれぞれの対向壁面121a,122aのどちらに対向配置されてもよいように形成及び配置する。この例示では、それぞれの対向壁面121a,122aと第1及び第2の壁面11a,11bとを平行状態で対向配置させる。
この相手方端子金具120は、自らを電気接続部11との接点として利用する場合、第1電気接続部121と第2電気接続部122とに各々接点部(図示略)を設ける。この場合、第1電気接続部121は、一端部121bの対向壁面121aから第2電気接続部122の対向壁面122aに向けて膨出させた膨出部を接点部として設ける。そして、第2電気接続部122は、一端部122bの対向壁面122aから第1電気接続部121の対向壁面121aに向けて膨出させた膨出部を接点部として設ける。それぞれの接点部は、例えば、接点となる球面を有しており、それぞれの対向壁面121a,122aに対する直交方向で互いに間隔を空けて対向配置する。それぞれの接点部の間隔は、電気接続部11の板厚よりも狭くする。よって、第1電気接続部121と第2電気接続部122は、その間に電気接続部11を挿入することによって、それぞれの接点部を電気接続部11の第1壁面11aと第2壁面11bとに接触させることができる。従って、第1電気接続部121と第2電気接続部122は、筐体20の第2収容部材40の端子収容室41にて、各々、電気接続部11に対して物理的且つ電気的に接続される。
この相手方端子金具120においては、第1電気接続部121と第2電気接続部122とを連結部123で繋ぐ(図20及び図21)。その連結部123は、第1及び第2の電気接続部121,122のそれぞれの他端部121c,122cにおける一方の側端部同士を繋いでいる。
また、この相手方端子金具120は、後述する筐体140に固定される被固定部124を有する(図20及び図21)。その被固定部124は、第1電気接続部121と第2電気接続部122の内の何れか一方に設ける。この例示の被固定部124は、片体状に形成し、第2電気接続部122の他端部122cのコネクタ挿抜方向における端部から突出させている。ここでは、第2電気接続部122の対向壁面122aに対する直交方向に向けて被固定部124を突出させている。この被固定部124には、後述する雄螺子部材B1を挿通させるための貫通孔124aが形成されている。
一方、接点部材130を設ける場合には、この接点部材130を第1電気接続部121と第2電気接続部122に各々取り付ける。本実施形態では、この場合について例に挙げている。
接点部材130は、第1電気接続部121と第2電気接続部122とで各々別のものを用いてもよく、第1電気接続部121と第2電気接続部122とで共通のものを用いてもよい。ここでは、第1電気接続部121と第2電気接続部122とで接点部材130の共用化を図っている。
接点部材130は、第1電気接続部121と第2電気接続部122のそれぞれの一端部121b,122bに取り付けることで、第1電気接続部121及び第2電気接続部122とに対して各々物理的且つ電気的に接続させる。つまり、この相手方端子110は、互いに接触状態にある一対の第1電気接続部121及び一方の接点部材130の組み合わせと、互いに接触状態にある一対の第2電気接続部122及び他方の接点部材130の組み合わせと、を備えている。これにより、この接点部材130は、第1及び第2の電気接続部121,122の一端部121b,122bの間に挿入された電気接続部11の第1壁面11a又は第2壁面11bに接触させることができる。よって、この接点部材130は、その電気接続部11を第1電気接続部121と第2電気接続部122とに電気的に接続させることができる。
接点部材130は、金属(銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等)などの導電性材料によって、バネ性を持つように成形する。この例示では、導電性の金属板を母材とし、切断や折り曲げ等のプレス加工で接点部材130を成形する。
接点部材130は、第1電気接続部121と第2電気接続部122とを嵌入させるように成形する。よって、接点部材130は、環状又は筒状に成形する。例えば、この例示の接点部材130は、互いの筒軸方向を合せて且つ互いに間隔を空けて対向配置された角筒状の2つの環状部131と、それぞれの環状部131を繋ぐ4つの連結部132と、を有する(図20及び図21)。それぞれの環状部131の内方には、第1電気接続部121の一端部121bや第2電気接続部122の一端部122bが嵌入される。それぞれの連結部132は、例えば2つの環状部131の隅部に各々配置し、筒軸方向で向かい合う隅部同士を連結させる。
更に、接点部材130は、それぞれの環状部131の間に、それぞれの環状部131よりも外方に向けて突出させ且つ弾性を持たせた少なくとも1つの接点部133を有する(図20及び図21)。この例示の接点部材130は、同等の突出量で同じ向きに突出させた複数の接点部133を有している。この接点部133は、筒軸方向における両端をそれぞれの環状部131に連結し、かつ、筒軸方向における中央の最大の突出位置に設けた曲面を接点とする。それぞれの接点部133は、最大の突出位置同士を繋ぐことで仮想平面(図示略)を形成する。この例示の仮想平面は、第1電気接続部121や第2電気接続部122が嵌入された際に、それぞれの対向壁面121a,122aに対して平行状態で対向配置される。
この相手方コネクタ101においては、その仮想平面同士が互いに平行状態で間隔を空けて対向配置されるように、第1電気接続部121と第2電気接続部122とを各々の接点部材130に嵌入する。これにより、それぞれの接点部材130におけるそれぞれの接点部133同士は、第1電気接続部121と第2電気接続部122のそれぞれの対向壁面121a,122aに対する直交方向で対向配置される。それぞれの仮想平面の間隔は、電気接続部11の板厚よりも狭くする。よって、それぞれの接点部材130においては、その間に電気接続部11を挿入することで、それぞれの接点部133を電気接続部11の第1壁面11aと第2壁面11bとに接触させることができる。従って、第1電気接続部121と第2電気接続部122は、筐体20の第2収容部材40の端子収容室41にて、各々、接点部材130を介して電気接続部11に物理的且つ電気的に接続される。
ここで、接点部材130を設ける場合、第1電気接続部121と第2電気接続部122は、各々、上述した接点部(膨出部)を有していてもよく、上述した接点部(膨出部)を有していなくてもよい。接点部(膨出部)を有している場合、この相手方コネクタ101は、接点部材130の有無に拘わらず、相手方端子金具120の共用化を図ることができる。ここでは、第1電気接続部121と第2電気接続部122とに接点部(膨出部)を設けていない。
この相手方コネクタ101は、その相手方端子110を収容する筐体140を備える(図1、図18及び図19)。その筐体140は、相手方端子110が収容される収容部材150(図1、図18及び図19)と、収容された相手方端子110の収容部材150からの抜けを抑える保持部材160(図18及び図19)と、を備える。
収容部材150は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この収容部材150は、一対の第1電気接続部121及び一方の接点部材130の組み合わせを収容する第1収容体151と、一対の第2電気接続部122及び他方の接点部材130の組み合わせを収容する第2収容体152と、を有する(図1、図18及び図19)。第1収容体151は、対向壁面121aと一方の接点部材130における接点部133側とを露出させた状態で第1電気接続部121と一方の接点部材130とを囲うように形成する。第2収容体152は、対向壁面122aと他方の接点部材130における接点部133側とを露出させた状態で第2電気接続部122と他方の接点部材130とを囲うように形成する。第1収容体151と第2収容体152は、それぞれの対向壁面121a,122aに対する直交方向で互いに間隔を空けて対向配置する。その間隔は、それぞれの接点部材130の間への電気接続部11の挿入を阻害しない大きさとする。この収容部材150は、その一対の第1収容体151と第2収容体152を相手方端子110毎に設けている。
この収容部材150は、コネクタ挿抜方向を筒軸方向とし、その筒軸方向における両端を開口させた筒体153を有している(図1、図18及び図19)。第1収容体151と第2収容体152の全ての組み合わせは、その筒体153の内部空間からコネクタ挿入方向に向けて延在させ、かつ、この筒体153の一端の開口153aから突出させている(図1及び図18)。この筒体153の他端の開口153bには、相手方端子110を挿入するための挿入口153cが相手方端子110毎に設けられている(図19)。また、この筒体153の内方には、第1収容体151と第2収容体152を保持し、かつ、相手方端子110が保持される保持部153dが設けられている(図19)。相手方端子110は、貫通孔124aに挿通させた雄螺子部材B1を介して保持部153dに固定する。その保持部153dには、その雄螺子部材B1が螺合される雌螺子部材N1が挿入嵌合されている(図19)。
この収容部材150は、筒体153の外方に、電源回路200の筐体201に取り付けるための鍔部154を有する(図1、図18及び図19)。その鍔部154は、雄螺子部材B2が挿通される貫通孔154aを有しており(図22)、その雄螺子部材B2を介して筐体201に固定する(図1)。その筐体201には、その雄螺子部材B2が螺合される雌螺子部N2が形成されている(図22)。
筒体153においては、その鍔部154よりもコネクタ挿入方向側(つまり、筐体201から突出させている部分)がコネクタ1の筐体20のコネクタ嵌合部31aとの嵌合部(コネクタ嵌合部)153eとなる(図1、図18及び図19)。そのコネクタ嵌合部153eの外周面には、環状のシール部材Se11が取り付けられている。このコネクタ嵌合部153eは、コネクタ嵌合部31aの内方に挿入嵌合される。シール部材Se11は、コネクタ嵌合部31aとコネクタ嵌合部153eとの間に介在し、双方の壁面に密着する。一方、筒体153における鍔部154よりもコネクタ抜去方向側(つまり、筐体201に埋設させている部分)は、保持部材160との嵌合部153fになる(図18及び図19)。
その保持部材160は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この保持部材160は、筒体153の他端の開口153b側で嵌合部153fに嵌合し、相手方端子110の挿入口153cを塞ぐ。この保持部材160は、内方に嵌合部153fを挿入嵌合させる。この保持部材160は、この相手方コネクタ101において、筐体201との嵌合部になる。よって、この保持部材160の外周面には、環状のシール部材Se12が取り付けられている(図18及び図19)。
相手方コネクタ101は、このような構成を採っている。
コネクタ1は、先に示したように、この相手方コネクタ101に挿入嵌合することによって、この相手方コネクタ101に対して電気的に接続させる(図23及び図24)。本実施形態のコネクタ1は、相手方コネクタ101との嵌合状態(つまり、相手方コネクタ101との電気的な接続状態)を保つべく、筐体201に螺子止め固定する。この例示では、シールドシェル20Bを金属等の導電性材料から成る筐体201に螺子止め固定することによって、コネクタ1の筐体201への固定を図ると共に、シールドシェル20Bと第2シールド部材71を筐体201に対して電気的に接続させる。尚、筐体201は、接地(アース)されている。
この例示のコネクタ1は、筐体201に固定するための保持体として、シールドシェル20Bの連結体53を利用する。この例示のシールドシェル20Bは、2つの副シールド体52の間に連結体53を介在させており、その連結体53において筐体201に固定する。
例えば、連結体53には、雄螺子部材B0(図1及び図24)の螺子部B0aを挿通させる貫通孔54を形成している(図3及び図24)。その貫通孔54は、主シールド体51の外周壁51aの筒軸方向を軸線とし、連結体53の片状部53aに形成する(図24)。その片状部53aの壁面は、雄螺子部材B0の頭部B0bの座面を成す。この例示では、頭部B0bとの間に片状部53aを介在させるべく、雄螺子部材B0の螺子部B0a側にCリング等の係止部材Rを取り付けている(図1及び図24)。雄螺子部材B0は、頭部B0bと係止部材Rとの間に片状部53aを挟み込むことで、軸周りに回動自在となるよう連結体53に組み付ける。一方、筐体201には、雌螺子部N0を設けている(図1、図22及び図24)。この例示では、コネクタ1と相手方コネクタ101との嵌合が完了している状態で、雄螺子部材B0を雌螺子部N0に螺合させる。これにより、コネクタ1は、相手方コネクタ101との嵌合状態(相手方コネクタ101との電気的な接続状態)を保持することができる。尚、連結体53には、頭部B0bにソケット等の工具を差し込み、かつ、その工具で頭部B0bを軸周りに回動させるための作業空間53bを形成している(図24)。
以上示した本実施形態のコネクタ1は、副シールド体52の内方で電線接続部12と電線Weの端末とを外方から覆う絶縁筒80を備えているので、電線接続部12と副シールド体52との間において、所望の絶縁距離を確保することができる。
ここで、従来のコネクタにおいては、電線接続部と電線の端末についても絶縁性の収容体に収容して、この収容体をシールドシェルで覆っている。いうなれば、従来のコネクタは、本実施形態の絶縁筒80に相当する筒体が第1収容部材30に一体成形されたもので、かつ、この第1収容部材30を含む収容体をシールドシェル20Bの主シールド体51で覆ったものに相当する。故に、従来のコネクタは、その収容体の体格が大きくなるので、この収容体を覆うシールドシェルについても大型化し、全体の体格の大型化を招いてしまう。しかしながら、本実施形態のコネクタ1においては、第1収容部材30と絶縁筒80とを別部品として用意しているので、収容体20Aと主シールド体51の体格の小型化が可能になり、全体の体格の小型化を図ることができる。そして、このコネクタ1においては、その絶縁筒80の位置ズレ抑制機能についても第2収容部材40に持たせている。従って、本実施形態のコネクタ1は、電気接続部11への手指の接触防止機能を、端子収容室41での電気接続部11の抜け防止機能及び絶縁筒80の位置ズレ抑制機能と共に体格の小型化を図りつつ実現させることができる。
ところで、このコネクタ1においては、その絶縁筒80に替えて、従来のような絶縁テープや熱収縮チューブを用いて、電線接続部12と副シールド体52との間の絶縁距離を増大させることも可能である。但し、絶縁テープについては、電線接続部12等に対する巻き位置や巻き数の管理を厳しくしなければ、巻き付け後の位置や形状にばらつきが生じてしまう。また、熱収縮チューブについては、熱収縮させる際の位置等の管理を厳しくしなければ、熱収縮後の位置や形状にばらつきが生じてしまう。このように、絶縁テープや熱収縮チューブは、安定した品質を確保することが難しい。しかしながら、絶縁筒80は、金型や切削加工等で成形することができ、かつ、収容体20Aに対する位置ズレを抑制することができるので、取り付け後の位置や形状のばらつきを抑えることができる。従って、本実施形態のコネクタ1は、従来よりも品質の安定化を図ることができる。
更に、本実施形態のコネクタ1は、雄螺子部材B0と雌螺子部N0との螺合状態を解除することによって、相手方コネクタ101から抜き取ることができる。そして、このコネクタ1は、相手方コネクタ101から抜き取ることで、相手方端子110の端子挿入口43が露出状態となる。しかしながら、このコネクタ1は、端子挿入口43を経て作業者等の手指が端子金具10の電気接続部11に届かないように、接触防止部45を備えている。従って、このコネクタ1は、電気接続部11への手指の接触を防ぐことができる。また、このコネクタ1においては、2つの平らな壁面を有する平板状の接触防止部45が、その2つの壁面を外周壁31の筒軸方向に沿わせた状態で連通室44に形成されている。よって、接触防止部45は、その筒軸方向での剛性が高く、その筒軸方向に手指から荷重を受けた際の過大な変形を抑えることができる。従って、このコネクタ1は、この点で、電気接続部11への手指の接触防止効果を高めることができる。特に、このコネクタ1は、高電流化に対応させる場合、端子金具10や相手方端子110の体格が大きくなり、これに伴い筐体20の体格も大型化して、端子挿入口43が拡張される。このような場合でも、本実施形態のコネクタ1は、電気接続部11への手指の接触を防ぐことができる。
また更に、このコネクタ1においては、接触防止部45による電気接続部11への手指の接触防止機能と、端子保持部46による端子収容室41での電気接続部11の抜け防止機能と、を第2収容部材40に持たせている。従って、本実施形態のコネクタ1は、それぞれの機能のための専用部品を必要とせず、部品点数の増加を抑えることができるので、電気接続部11への手指の接触防止機能を、端子収容室41での電気接続部11の抜け防止機能と共に原価の高騰を抑えつつ実現させることができる。
このような本実施形態のコネクタ1においては、端子金具10と電線Weと端子収容室41と切欠き部42と端子挿入口43と連通室44と接触防止部45と端子保持部46と副シールド体52と保持部材20Cと第2シールド部材71と絶縁筒80の組み合わせが極数毎に設けられている。つまり、このコネクタ1は、その組み合わせを極数に応じて用意すればよい。従って、このコネクタ1は、更に多くの極数に対応させたものを簡便に設計することができる。
以上示した各種効果は、このコネクタ1を備えるコネクタ付き電線WHにおいても同様に得ることができる。