JP6611071B1 - ガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶 - Google Patents

ガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶 Download PDF

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Abstract

【解決手段】貼付ステップは、絵柄の線部分と閉領域部分のいずれか一方に対応し、粘着層を有するマスキングフィルムと、線部分と閉領域部分のいずれか他方に対応し、粘着層を有しない非粘着フィルムとで構成されるマスキングテープをガラス瓶の表面に貼付する。剥離ステップは、前記マスキングシールを剥離して、前記処理対象部分にマスキングフィルムが残った部分を不着色部分とし、前記処理対象部分にガラス瓶の表面が露出した部分を着色部分とする。サンドブラスト処理ステップは、マスキング後のガラス瓶の処理対象部分にサンドブラスト処理を行い、前記着色部分に微細な凹凸面を形成させる。下地色塗布ステップは、前記ガラス瓶の処理対象部分に、下地色の樹脂コーティング塗料を塗布する。上塗色塗布ステップは、前記ガラス瓶の着色部分の下地色のコーティング層に、前記絵柄に合わせて、複数の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗り分けする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶に関する。
従来より、ガラス器、ボトル等のガラス瓶に凹凸の模様を付けて着色する技術は存在する。例えば、特開昭58−176147号公報(特許文献1)には、ガラス器の裏面にサンドブラストで模様を刻み込み、刻み込んだ模様に透明着色剤を流し込んで着色するガラス器の着色装飾法が開示されている。これにより、ガラス器に対して、所望の模様が容易に得られるばかりでなく、その模様は極めてシャープで、細い線も極めて明瞭に着色出来るとしている。
又、特開昭63−233897号公報(特許文献2)には、装飾模様を施すべき部材(ガラス体)に所望の着色を施す工程、着色面に対し形成すべき文字、線画等の模様に対応してマスキングを施す工程、着色面及びマスキングの上からサンドブラストを施してマスキング部分以外の着色面及び部材を削る工程、マスキングを除去し、マスキングで隠れた着色面を露出させる工程を一連に実施する装飾面の形成方法が開示されている。これにより、マスキングを除去すると、予め着色された部分が露出して着色模様が表出し、この模様の輪郭部はサンドブラストによって削れた部分から浮き上がり立体感を醸し出すとしている。又、部材に着色した後、マスキングを施し、サンドブラストを行うため、従来のように模様の輪郭に合わせて着色する手間が省け、更に、模様の輪郭部から着色塗料が食み出して、輪郭部が不明瞭になるという問題は生じないとしている。
又、特開平10−194782号公報(特許文献3)には、ガラス器表面をサンドブラスト処理して微細な凹凸面を形成して不透明な摺ガラスに加工するか、あるいは弗化水素処理によりガラス器表面を荒らして不透明な摺ガラスに加工し、次に当該太明に加工されたガラス器の任意箇所に、朱合漆100部に対して、Xは無機質を示し、Rは有機基を示す場合にX・Si・(OR)3の化学構造より成るシランカップリング剤を1〜5部混合して得た塗料により、刷毛、筆などを使用して手書きで所望模様の透明部を形成するか、シルクスクリーンの型置きによるスクリーン印刷により所望模様の透明部を転写形成して得る漆加飾を施したガラス製品が開示されている。これにより、ガラス製品は、比較的簡易な方法によって得ることができ、不透明なガラス面に深み感のある微細な透明模様あるいは透明蒔絵模様を現出し得て、極めて優美な漆特有な色合と光沢を呈した加飾性を有するとしている。又、洗浄を繰り返しても加飾面から漆塗膜の剥離がなく漆塗膜の密着性が良好なものであるから、一般の食器類同様の用法に耐えることが出来るとしている。更に、当該製品の表面に漆加飾による密着塗膜層を有しているので耐衝撃性が向上し、ガラス製品に対して補強効果があるとしている。
又、特開2001−72441号公報(特許文献4)には、ガラス瓶に樹脂コーティング層を形成したのち、同樹脂コーティング層を染色することによって着色する着色ガラス瓶の製造方法が開示されている。樹脂コーティング層は、例えば、熱硬化アクリル樹脂クリアで形成される。又、ガラス瓶の表面をサンドブラストなどによって荒らしたのち樹脂コーティング層を施す。これにより、ガラス瓶に形成した樹脂コーティング層の厚さに不均一があっても、色むらに影響せず、樹脂コーティング層は一様な着色を得て、色むらのない良好な着色瓶を得ることが出来るとしている。又、ガラス瓶に形成する樹脂コーティング層とガラス瓶の接着性が向上されてその着色瓶の寿命を長いものとすることが出来るとしている。
特開昭58−176147号公報 特開昭63−233897号公報 特開平10−194782号公報 特開2001−72441号公報
上述のように、ガラス瓶又はガラス器に模様を施して着色する技術は多数存在する。ガラス瓶の着色技術では、通常、ガラス瓶の表面にサンドブラスト処理を施した後に塗料を塗布して、色を付ける。この場合、塗料の下地色がガラス瓶の地色に負けて混色し、塗料の色が鮮やかにならないという課題がある。特に、塗料の色を多色にして塗り分けたとしても、ガラス瓶の地色の存在により、多色の良さが出難いという課題がある。
又、通常の塗料では、耐久性が弱く、水洗等、多少の力が加わると、ガラス瓶の表面から容易に剥がれてしまうという課題がある。
このような課題に対して、上述の特許文献1−4に記載の技術では解決することが出来ない。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、耐久性を有し、色鮮やかなフルカラーの着色を実現するとともに、ガラス瓶の装飾性及び芸術性を高めることが可能なガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶を提供することを目的とする。
本発明に係るガラス瓶のフルカラー着色方法は、貼付ステップと、第一の剥離ステップと、マスキングステップと、サンドブラスト処理ステップと、下地色塗布ステップと、上塗色塗布ステップと、第二の剥離ステップと、を備える。貼付ステップは、絵柄の線を構成する線部分と、前記絵柄の線で区分けされた閉領域部分とのいずれか一方に対応し、粘着層を有するマスキングフィルムと、前記線部分と前記閉領域部分とのいずれか他方に対応し、粘着層を有しない非粘着フィルムとで構成されるマスキングシールをガラス瓶の表面の処理対象部分に貼付する。第一の剥離ステップは、前記貼付したマスキングシールを剥離して、前記処理対象部分にマスキングフィルムが残った部分を不着色部分とし、前記処理対象部分にガラス瓶の表面が露出した部分を着色部分とする。マスキングステップは、前記マスキングシールを剥がした処理対象部分以外のガラス瓶の表面全体をマスキング部材でマスキングする。サンドブラスト処理ステップは、前記マスキング後のガラス瓶の処理対象部分にサンドブラスト処理を行い、前記着色部分に微細な凹凸面を形成させる。下地色塗布ステップは、前記サンドブラスト処理を行ったガラス瓶の処理対象部分に、下地色の樹脂コーティング塗料を塗布して、前記着色部分の微細な凹凸面に、前記下地色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の下地色のコーティング層を形成させる。上塗色塗布ステップは、前記ガラス瓶の着色部分の前記下地色のコーティング層に、前記絵柄に合わせて、複数の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗り分けして、前記下地色のコーティング層に、前記上塗色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の上塗色のコーティング層を形成させる。第二の剥離ステップは、前記ガラス瓶の全体のマスキング部材を剥がすとともに、前記ガラス瓶の不着色部分のマスキングフィルムを剥離する。
本発明に係るフルカラー着色ガラス瓶は、絵柄と、凸部と、凹部と、下地色のコーティング層と、上塗色のコーティング層と、を備える。絵柄は、ガラス瓶の表面のうち、特定の部分に設けられる。凸部は、前記絵柄の線を構成する線部分と、前記絵柄の線で区分けされた閉領域部分とのいずれか一方に対応し、前記ガラス瓶の表面と同等の高さであり、前記ガラス瓶の表面と同等の地色である。凹部は、前記線部分と前記閉領域部分とのいずれか他方に対応し、前記ガラス瓶の表面よりも深く形成され、微細な凹凸面が形成される。下地色のコーティング層は、前記凹部の微細な凹凸面の上に形成され、不透明である。上塗色のコーティング層は、前記下地色のコーティング層の上に、前記絵柄に合わせて、塗り分けされて形成され、複数であり、不透明である。
本発明によれば、耐久性を有し、色鮮やかなフルカラーの着色を実現するとともに、ガラス瓶の装飾性及び芸術性を高めることが可能となる。
本発明のガラス瓶のフルカラー着色方法の実行手順を示すフローチャートである。 前段階のガラス瓶の洗浄の一例を示す図(図2A)と、マスキングシールの一例を示す概念図(図2B)と、マスキングシールの貼付の一例を示す図(図2C)とである。 板材を用いたマスキングシールの貼付の一例を示す図(図3A)と、マスキングシールの剥離とガラス瓶とマスキングシールの断面の一例を示す図(図3B)と、ガラス瓶の全体のマスキングの一例を示す図(図3C)とである。 処理対象部分の洗浄の一例を示す図(図4A)と、1回目のサンドブラスト処理の一例を示す図(図4B)とである。 1回目のサンドブラスト処理後のガラス瓶の表面の一例を示す図(図5A)と、2回目のサンドブラスト処理の一例を示す図(図5B)とである。 2回目のサンドブラスト処理後のガラス瓶の表面と断面の一例を示す図(図6A)と、下地色の樹脂コーティング塗料の調製の一例を示す図(図6B)とである。 エアブラシを用いた一回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図7A)と、エアブラシを用いた一回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布の完了後のガラス瓶の一例を示す図(図7B)とである。 エアブラシを用いた二回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図8A)と、エアブラシを用いた二回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布の完了後のガラス瓶とその断面の一例を示す図(図8B)とである。 上塗色の樹脂コーティング塗料の調製の一例を示す図(図9A)と、クラフト棒を用いた上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図9B)とである。 台を用いた上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布とガラス瓶の断面の一例を示す図(図10A)と、着色部分の凹部への上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図10B)とである。 半着色部分の凸部への上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図11A)と、他の上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布の一例を示す図(図11B)とである。 マスキング部材の剥離の一例を示す図(図12A)と、マスキングフィルムの剥離の一例を示す図(図12B)とである。 剥離手段を用いたマスキングフィルムの剥離の一例を示す図(図13A)と、スポンジを用いたガラス瓶の処理対象部分の水洗の一例を示す図(図13B)とである。 従来技術に対応する一色着色ガラス瓶と、本発明で製造したフルカラー着色ガラス瓶とを並べた写真と、フルカラー着色ガラス瓶の断面の一例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について、図1−図14を参照しながら、説明する。先ず、前段階として、作業者は、フルカラー着色する対象のガラス瓶を用意し、ガラス瓶の表面を洗浄液(例えば、メタノール)で洗浄し、その後、図2Aに示すように、ドライヤー等の加熱手段Hによりガラス瓶1の表面Sを乾燥させる。これにより、ガラス瓶1の表面Sを綺麗にする。
次に、作業者は、絵柄の線を構成する線部分と、絵柄の線で区分けされた閉領域部分とのいずれか一方に対応し、粘着層を有するマスキングフィルムと、線部分と閉領域部分とのいずれか他方に対応し、粘着層を有しない非粘着フィルムとで構成されるマスキングシールを用意する。
例えば、図2Bに示すように、マスキングシール10の基本的な構成は、ベースフィルム11の一面に対して、絵柄(ここでは、理解を容易にするために、例えば、楕円)の線部分aに対応するマスキングフィルム12と、絵柄の閉領域部分bに対応する非粘着フィルム13とを備えている。マスキングフィルム12の一面は、ベースフィルム11と対面してベースフィルム11から剥離し、マスキングフィルム12の他面は、粘着層を備える。一方、非粘着フィルム13の一面は、ベースフィルム11と対面してベースフィルム11に接着し、非粘着フィルム13の他面は、粘着層を備えていない。これにより、マスキングフィルム12のみを接着させることが出来る。ここで、絵柄に特に限定は無く、動物、植物、人物、風景等の他に、文字、図形、記号等を含むことが出来る。又、本発明の実施形態では、マスキングフィルム12を線部分aに対応させ、非粘着フィルム13を閉領域部分bに対応させているが、絵柄の種類によって、マスキングフィルム12を閉領域部分bに対応させ、非粘着フィルム13を線部分aに対応させても構わない。
そして、作業者は、ガラス瓶1の表面Sのうち、処理対象部分Stにマスキングシール10を貼付する(図1:S101)。ここで、処理対象部分Stとは、後述するように、サンドブラスト処理を施したり、フルカラー着色をしたりする部分を意味する。
マスキングシール10は、例えば、図2Cに示すように、女性が筆を持っている絵柄で構成されている。ガラス瓶1の側面の表面Sは、円周面で湾曲していることから、作業者は、マスキングシール10をガラス瓶1の処理対象部分Stに合わせ、ガラス瓶1の側面の表面Sに沿って手で丁寧に貼り付ける。
ここで、図3Aに示すように、長方形状の板材Bを用いて、ガラス瓶1の表面Sに貼り付けたマスキングシール10を板材Bの端部で押し付けて貼り付けると好ましい。これにより、マスキングシール10をガラス瓶1の処理対象部分Stにムラなく貼り付けることが出来る。
さて、作業者がマスキングシール10の貼付を完了すると、次に、貼付したマスキングシール10を剥離して、処理対象部分Stにマスキングフィルム12が残った部分を不着色部分Caとし、処理対象部分Stにガラス瓶の表面が露出した部分を着色部分Cbとする(図1:S102)。
例えば、マスキングシール10を剥離すると、図3Bに示すように、マスキングシール10のマスキングフィルム12だけがガラス瓶1の処理対象部分Stに残り、マスキングシール10のベースフィルム11と非粘着フィルム13がガラス瓶1の処理対象部分Stから剥がれる。マスキングフィルム12が残存している部分が、着色対象とならない不着色部分Caとなり、マスキングフィルム12が残存していない部分が、着色対象となる着色部分Cbとなる。
さて、作業者がマスキングシール10の剥離を完了すると、次に、マスキングシール10を剥がした処理対象部分St以外のガラス瓶1の表面全体をマスキング部材でマスキングする(図1:S103)。
マスキング部材に特に限定は無いが、例えば、図3Cに示すように、軟質フィルムMaやマスキングテープMbを挙げることが出来る。作業者は、先ず、ガラス瓶1の処理対象部分Stの周縁に軟質フィルムMaを貼り付けてガラス瓶1を囲い、処理対象部分St以外のガラス瓶1の表面全体を軟質フィルムMaで巻き付ける。そして、作業者は、処理対象部分Stの周縁を囲むようにマスキングテープMbを貼り付け、軟質フィルムMaを固定すると好ましい。これにより、処理対象部分St以外のガラス瓶1の表面全体を保護することが出来る。
ここで、不着色部分Caのマスキングフィルム12の粘着層がはみ出して着色部分Cbに存在している場合がある。そこで、図4Aに示すように、作業者は、処理対象部分Stに洗浄液Wa(例えば、メタノール)を吹き付けて、紙等のふき取り部材Wbで処理対象部分Stの洗浄液をふき取って、着色部分Cbに存在する粘着層を除去すると好ましい。これにより、後に続くサンドブラスト処理において、砂等が着色部分Cbの粘着剤に付着する可能性を無くし、着色部分Cbに対するサンドブラスト処理を均一に行うことが可能となる。
さて、作業者がマスキングを完了すると、次に、マスキング後のガラス瓶1の処理対象部分Stにサンドブラスト処理を行い、着色部分Cbに微細な凹凸面を形成させる(図1:S104)。
サンドブラスト処理の方法に特に限定は無いが、例えば、市販のサンドブラスト処理用装置を挙げることが出来る。作業者は、マスキング後のガラス瓶1をサンドブラスト処理用装置の処理室に収容し、砂の吹き付け圧力を第一の値に設定し、図4Bに示すように、吹き付け部Spをガラス瓶1の処理対象部分Stに対向させて、吹き付け部Spから砂を処理対象部分Stに吹き付けて、サンドブラスト処理を行う。
ここで、吹き付け部Spが吹き付けることが可能な砂の領域は、所定の面積に限定されることから、作業者は、吹き付け部Spをガラス瓶1の上下方向に少しずつ動かして、処理対象部分Stに対してガラス瓶1の上下方向に満遍なく走査したり、ガラス瓶1をガラス瓶1の左右方向に少しずつ回転させて、吹き付け部Spを処理対象部分Stに対してガラス瓶1の左右方向に満遍なく走査したりすると好ましい。これにより、着色部分Cbの全てに対して同等の深さを有する微細な凹凸面を形成させることが可能となる。図5Aに示すように、1回のサンドブラスト処理の処理対象部分Stの不着色部分Caでは、マスキングフィルム12の保護により、微細な凹凸面が形成されることなく、ガラス瓶1の表面Sと同等の高さのままであり、着色部分Cbでは、ガラス瓶の表面よりも深く形成され、微細な凹凸面が形成される。特に、不着色部分Caは、絵柄の線部分に対応し、着色部分Cbは、絵柄の閉領域部分に対応することから、絵柄が立体的に浮かび上がっているように見えることが理解される。
ここで、1回のサンドブラスト処理であっても、着色部分Cbに微細な凹凸面を形成させることが出来るが、本発明では、2回以上のサンドブラスト処理を行うことで、着色部分Cbの微細な凹凸面の深さを特定の深さ(例えば、0.5mm等)までより深く形成すると好ましい。これにより、着色部分Cbに下地色を塗り、更に、上塗色を塗ったとしても、二色塗った後の着色部分Cbと不着色部分Caとの間に所定の深さを設けておくことが可能となり、より一層、絵柄の立体的な装飾を表出させることが出来る。
ここで、2回目以降のサンドブラスト処理に特に限定は無いが、例えば、2回目以降のサンドブラスト処理では、1回目のサンドブラスト処理の砂の吹き付け圧力よりも高い砂の吹き付け圧力で行うと好ましい。これにより、1回目のサンドブラスト処理で均一に形成された微細な凹凸面に対して、より深く、且つ、均一に切削することが可能となる。
例えば、作業者は、砂の吹き付け圧力を第一の値よりも高い第二の値に設定し、図5Bに示すように、吹き付け部Spをガラス瓶1の処理対象部分Stに対向させて、吹き付け部Spから砂を処理対象部分Stに吹き付けて、サンドブラスト処理を行う。そして、作業者は、吹き付け部Spをガラス瓶1の上下方向に少しずつ動かしたり、ガラス瓶1をガラス瓶1の左右方向に少しずつ回転させたりして、処理対象部分Stに砂を満遍なく吹き付けると好ましい。これにより、更に、着色部分Cbに微細な凹凸面をより深く形成させることが可能となる。図6Aに示すように、2回目のサンドブラスト処理の着色部分Cbでは、1回目のサンドブラスト処理の着色部分Cbと比較して微細な凹凸面がより深く形成される一方、不着色部分Caには、マスキングフィルム12が存在するため、全く微細な凹凸面が形成されない。これにより、不着色部分Ca(ここでは、絵柄の線部分)が浮かび上がり、強調されていることが理解される。尚、2回目以降のサンドブラスト処理であっても、同様である。
さて、作業者がサンドブラスト処理を完了すると、次に、下地色の樹脂コーティング塗料を調製する(図1:S105)。
ここで、下地色の樹脂コーティング塗料の種類に特に限定は無いが、例えば、アクリル系樹脂塗料と硬化性アクリル系樹脂コーティング剤とを混合した硬化性樹脂コーティング塗料を挙げることが出来る。例えば、図6Bに示すように、作業者は、下地色(例えば、白色)のアクリル系樹脂塗料Aaと透明の硬化性アクリル系樹脂コーティング剤Abとを所定の混合割合で混合して、一つの瓶Cに入れて攪拌棒で攪拌することで、下地色の樹脂コーティング塗料を調製している。
ここで、混合割合とは、アクリル系樹脂塗料Aaの総体積と硬化性アクリル系樹脂コーティング剤Abの総体積との割合を示し、この混合割合に特に限定は無いが、例えば、下地色の樹脂コーティング塗料の全体に対して、アクリル系樹脂塗料Aa:40体積%〜70体積%、硬化性アクリル系樹脂コーティング剤Ab:60体積%〜30体積%であると好ましく、アクリル系樹脂塗料Aa:50体積%〜60体積%、硬化性アクリル系樹脂コーティング剤Ab:50体積%〜40体積%であると更に好ましい。又、樹脂の種類に特に限定は無く、例えば、アクリル系樹脂の他に、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等でも構わない。
さて、作業者が下地色の樹脂コーティング塗料の調製を完了すると、次に、サンドブラスト処理を行ったガラス瓶1の処理対象部分Stに下地色の樹脂コーティング塗料を塗布して、着色部分Cbの微細な凹凸面に、下地色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の下地色のコーティング層を形成させる(図1:S106)。
ここで、下地色の樹脂コーティング塗料の塗布方法に特に限定は無いが、下地色の樹脂コーティング塗料は、下地用となるため、着色部分Cbの全てに塗布する必要がある。一方、不着色部分Caはマスキングフィルム12で保護されている。そこで、下地色の樹脂コーティング塗料の塗布については、エアブラシによる処理対象部分Stへの下地色の樹脂コーティング塗料の吹き付けによると好ましい。例えば、図7Aに示すように、エアブラシDを用意し、エアブラシDの塗料カップDaに下地色の樹脂コーティング塗料を充填し、サンドブラスト処理後のガラス瓶1の処理対象部分Stに対してエアブラシDのノズルDcを対向させ、エアブラシDのメインレバーDbを操作することで、エアブラシDのノズルDcからガラス瓶1の処理対象部分Stに下地色の樹脂コーティング塗料を吹き付ける。これにより、着色部分Cbへの下地色の樹脂コーティング塗料の塗布を短時間に、効率よく行うことが可能となる。
ここで、作業者は、図7Bに示すように、エアブラシDのノズルDcをガラス瓶1の上下方向に少しずつ動かして、処理対象部分Stに対してガラス瓶1の上下方向に満遍なく走査したり、ガラス瓶1をガラス瓶1の左右方向に少しずつ回転させて、エアブラシDのノズルDcを処理対象部分Stに対してガラス瓶1の左右方向に満遍なく走査したりすると好ましい。これにより、下地色の樹脂コーティング塗料を、着色部分Cbを含む処理対象部分Stの全てに対して満遍なく塗布させることが可能となる。
そして、作業者は、下地色の樹脂コーティング塗料の塗布後に所定時間だけ放置して、下地色の樹脂コーティング塗料を乾燥させることで、下地色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の下地色のコーティング層を形成させる。
ここで、1回の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布であっても、着色部分Cbに下地色のコーティング層を形成させることが出来るが、本発明では、2回以上、下地色の樹脂コーティング塗料を塗布すると好ましい。これにより、下地色のコーティング層の厚みを厚くし、耐久性を向上させるとともに、コーティング層の下地色をガラス瓶1の地色に負けない鮮明な色にすることが出来る。
ここで、2回以上の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布に特に限定は無いが、例えば、1回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布と同様に、エアブラシDのノズルDcから下地色の樹脂コーティング塗料を処理対象部分Stに満遍なく吹き付けることで行うことが出来る。
例えば、作業者は、図8Aに示すように、下地色の樹脂コーティング塗料の乾燥後のガラス瓶1の処理対象部分Stに対してエアブラシDのノズルDcから下地色の樹脂コーティング塗料をガラス瓶1の上下方向及び左右方向に満遍なく吹き付ける。そして、図8Bに示すように、作業者は、2回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布後に所定時間だけ放置して、下地色の樹脂コーティング塗料を乾燥させて、不透明の下地色のコーティング層を形成させる。
ここで、図8Bに示すように、2回目の下地色の樹脂コーティング塗料の塗布により形成された下地色のコーティング層L1では、下地色が非常に鮮明になっていることが理解される。又、下地色の樹脂コーティング塗料の塗布後の処理対象部分Stでは、着色部分Cbの微細な凹凸面に下地色のコーティング層L1が形成されていることから、下地色のコーティング層L1は、微細な凹凸面と噛み合って固化(硬化)している。そのため、多少の力が加わっても下地色のコーティング層は剥がれることが無く、下地色のコーティング層L1とガラス瓶1の表面Sとの接着性を極めて向上させることが出来る。一方、不着色部分Caのマスキングフィルム12にも下地色のコーティング層L1が形成されるが、これは、後述するように、マスキングフィルム12が剥離されることでマスキングフィルム12の上の下地色のコーティング層L1も除去されるため、特に問題とならない。
さて、作業者が下地色のコーティング層L1の形成を完了すると、次に、上塗色の上塗色の樹脂コーティング塗料を調製する(図1:S107)。
ここで、上塗色の樹脂コーティング塗料の種類に特に限定は無いが、上述と同様に、硬化性樹脂コーティング塗料を挙げることが出来る。例えば、図9Aに示すように、スポイトを用いて、上塗色(例えば、黄土色)のアクリル系樹脂塗料Acと透明の硬化性アクリル系樹脂コーティング剤Abとをそれぞれ所定の混合割合で一つの皿に入れ、攪拌棒で攪拌することで、上塗色の樹脂コーティング塗料を調製する。混合割合や樹脂の種類は、上述と同様である。
さて、作業者が上塗色の樹脂コーティング塗料の調製を完了すると、次に、ガラス瓶1の着色部分Cbの下地色のコーティング層L1に、絵柄に合わせて、複数の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗り分けして、着色部分Cbの下地色のコーティング層L1に、上塗色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の上塗色のコーティング層を形成させる(図1:S108)。
ここで、上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布方法に特に限定は無いが、特定の(種類の色の)上塗色の樹脂コーティング塗料は、上塗り用であるため、複数の着色部分Cbのうち、絵柄に合わせて、(上塗色に対応する)特定の着色部分Cbに塗り分けする必要がある。そこで、特定の上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布については、例えば、図9Bに示すように、クラフト棒Eを用意し、クラフト棒Eの先端に特定の上塗色の樹脂コーティング塗料を付けて、クラフト棒Eの先端で特定の着色部分Cbの下地色のコーティング層L1をなぞることで、クラフト棒Eの先端に付着した特定の上塗色の樹脂コーティング塗料を特定の着色部分Cbの下地色のコーティング層L1に置くことで、特定の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布すると好ましい。これにより、木目細かい特定の着色部分Cbであっても特定の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗り分けて塗布することが可能となる。他の上塗色の樹脂コーティング塗料であっても同様である。又、下地色のコーティング層L1の上に上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布することで、乾燥固化した上塗色のコーティング層は下地色のコーティング層L1と強固に密着する。これにより、上塗色のコーティング層に多少の力が加わっても、剥がれることなく、上塗色のコーティング層の耐久性を向上させることが出来る。
ここで、上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布する場合、ガラス瓶1は円筒形であり、ガラス瓶1の長手方向から見ると円形で表面Sは湾曲している。そのため、上塗色の樹脂コーティング塗料を広範囲で一度に塗布すると上塗色の樹脂コーティング塗料が重力により表面Sの湾曲に沿って流れ落ちて、着色部分Cbで上塗色の樹脂コーティング塗料にムラが生じたり、上塗色の樹脂コーティング塗料にダマ(粒状のかたまり)が生じたりして、上塗色のコーティング層の品質が悪化する可能性がある。
そこで、本発明では、作業者は、図10Aに示すように、ガラス瓶1の側面の表面Sを固定するための台Fを用意し、ガラス瓶1の側面の表面Sのうち、処理対象部分Stを上方にするようにガラス瓶1を台Fで固定する。次に、作業者は、ガラス瓶1の長手方向から見て、ガラス瓶1の処理対象部分Stのうち、上塗色の樹脂コーティング塗料が未だ塗布されていない着色部分Cbを上にして、上にした着色部分Cbを中心にガラス瓶1の左右方向(円周方向)に沿って所定の幅R1内における着色部分Cbの下地色のコーティング層L1にだけ上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布し、上塗色の樹脂コーティング塗料を乾燥させる。ここで、幅R1は、ガラス瓶1の形状やサイズにより適宜設定されるが、例えば、上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布した際に上塗色の樹脂コーティング塗料が重力で垂れない程度の幅に設定される。
そして、作業者は、上塗色の樹脂コーティング塗料が乾燥すると、ガラス瓶1をガラス瓶1の左右方向に少しずつ回転させて、上塗色の樹脂コーティング塗料が未だ塗布されていない着色部分Cbを上にして、上にした着色部分Cbを中心にガラス瓶1の左右方向に沿って所定の幅R2内における着色部分Cbの下地色のコーティング層L1にだけ上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布し、上塗色の樹脂コーティング塗料を乾燥させる。このように、上塗色の樹脂コーティング塗料が未塗布であるガラス瓶1の着色部分Cbを上方にするようにガラス瓶1を回転し、所定の幅Rでの前記着色部分Cbの下地色のコーティング層L1へ上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布し、上塗色の樹脂コーティング塗料が次に未塗布であるガラス瓶1の着色部分Cbを上方にするようにガラス瓶1を回転することを繰り返すことで、上塗色の樹脂コーティング塗料を均一にムラなく綺麗に塗布することが可能となる。
ここで、処理対象部分Stの着色部分Cbで構成される凹部への上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布について、例えば、図10Bに示すように、着色部分Cbの下地色のコーティング層L1から不着色部分Caのマスキングフィルム12及びその上の下地色のコーティング層L1に所定量はみ出して上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布すると好ましい。これにより、着色部分Cbの下地色のコーティング層L1の周縁の壁面から不着色部分Caのマスキングフィルム12及びその上の下地色のコーティング層L1まで上塗色の樹脂コーティング塗料がはみ出して塗布される。すると、後述するように、不着色部分Caのマスキングフィルム12及びその上の下地色のコーティング層L1を剥がした際に、マスキングフィルム12まで固化した上塗色のコーティング層L2が剥がれるものの、上塗色のコーティング層L2が着色部分Cbの下地色のコーティング層L1の周縁の壁面から内部までを覆うため、着色部分Cbと不着色部分Caとの境界に下地色のコーティング層L1が現れることが無くなり、上塗色の仕上がりを向上させることが出来る。
又、絵柄の構成や種類によって、処理対象部分Stの不着色部分Caで構成される凸部へ上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布したい場合は、工夫する必要がある。S104において、一度、サンドブラスト処理を行って、着色部分Cbに微細な凹凸面を形成させた後、図11Aに示すように、不着色部分Caのマスキングフィルム12を剥離し、マスキングフィルム12を剥離した不着色部分Caに軽くサンドブラスト処理を施すことで、不着色部分Caを半着色部分Ca1として微細な凹凸面を形成させる。そして、S105とS106において、着色部分Cb及び半着色部分Ca1の微細な凹凸面に下地色の樹脂コーティング塗料を塗布し、S107とS108において、半着色部分Ca1に上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布する。これにより、半着色部分Ca1で構成される凸部にも、微細な凹凸部の上に下地色のコーティング層L1を形成させて、その上に上塗色のコーティング層L2を形成させることが出来るため、半着色部分Ca1の上塗色のコーティング層L2に多少の力が加わっても、剥がれることなく、上塗色のコーティング層の耐久性を向上させることが出来る。
ここで、仮に、マスキングフィルム12を剥離しただけの半着色部分Ca1に、サンドブラスト処理を行わずに、直接、上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布した場合、接着性を高める微細な凹凸面が半着色部分Ca1に存在しないことから、乾燥後の上塗色のコーティング層L2は半着色部分Ca1から簡単に剥離してしまい、商品とならない。
さて、作業者が上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布を完了すると、他の(種類の色の)上塗色で着色部分Cbを塗布する必要がある場合は(図1:S109YES)、作業者は、S107に戻って、他の上塗色の樹脂コーティング塗料の調製を行い(図1:S107)、S108において、他の上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布を行う(図1:S108)。
例えば、図11Bに示すように、作業者が、クラフト棒Eを用いて、上述と同様に、絵柄に合わせて、特定の他の上塗色(例えば、薄だいだい色)の樹脂コーティング塗料を特定の着色部分Cbの下地色のコーティング層L1に塗布し、他の上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布後に所定時間だけ放置して、他の上塗色の樹脂コーティング塗料を乾燥させることで、他の上塗色の樹脂コーティング塗料が固化した他の上塗色のコーティング層を形成させる。このように、絵柄に合わせて、複数の着色部分Cbに様々な複数(種類)の上塗色の樹脂コーティング塗料が塗り分けされることで、フルカラー着色を実現することが可能となる。尚、絵柄の種類によっては、下地色の下地色のコーティング層L1だけで、上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布しない着色部分Cbが存在することもある。
さて、作業者が、S107とS108とを繰り返し、着色部分Cbに複数の上塗色の樹脂コーティング塗料の塗り分けを完了すると(図1:S109NO)、ガラス瓶1の全体のマスキング部材Ma、Mbを剥がすとともに、ガラス瓶1の不着色部分Caのマスキングフィルム12(及びその上の下地色のコーティング層L1)を剥離する。
マスキング部材Ma、Mb及びマスキングフィルム12の剥離に特に限定は無い。例えば、図12Aに示すように、作業者が、ガラス瓶1の全体をマスキングしているマスキング部材Ma、Mbを剥がして、処理対象部分Stの周囲に隠れていたガラス瓶1の表面Sを露出させる。次に、図12Bに示すように、作業者が、ヘラ等の剥離手段Gを用いて、処理対象部分Stの周辺の不着色部分Caのマスキングフィルム12を剥離する。マスキングフィルム12の剥離により、その上の下地色のコーティング層L1は自然に除去される。
又、図13Aに示すように、作業者が、剥離手段Gを用いて、処理対象部分Stの中央の不着色部分Caのマスキングフィルム12を剥離する。これにより、不着色部分Caには、ガラス瓶1の表面Sが露出される。
そして、作業者が全てのマスキングフィルム12の剥離を完了すると、処理対象部分Stを水洗し、剥がし損ねたマスキングフィルム12等を除去する(図1:S110)。
処理対象部分Stの水洗方法に特に限定は無いが、例えば、スポンジIを水で濡らして、スポンジIを処理対象部分Stに擦ることで、残存するマスキングフィルム12等を除去する。又、水洗後、作業者は、タオル等のふき取り手段Jを用いて処理対象部分Stに残存する水分を拭き取ることで、ガラス瓶1のフルカラー着色を完了する。
ここで、処理対象部分Stを水洗したとしても、下地色のコーティング層L1及び上塗色のコーティング層L2は剥がれ落ちない。これは、下地色のコーティング層L1は微細な凹凸面に密着性を高めているとともに、上塗色のコーティング層L2は下地色のコーティング層L1を介して微細な凹凸面に密着性を高めていることから、水洗等の多少の力が下地色のコーティング層L1及び上塗色のコーティング層L2に加わっても、両者は剥がれない。このように、ガラス瓶1のフルカラー着色に対する耐久性を高めているのである。
さて、本発明の顕著な効果を説明する。図14には、従来技術に対応する一色着色ガラス瓶2と、本発明で製造したフルカラー着色ガラス瓶1とを並べた写真を示す。図14に示すように、従来技術の一色着色ガラス瓶2では、一色で、且つ、ガラス瓶の地色の存在により、不透明のコーティング層であるにもかかわらず、ガラス瓶の地色に負けて、色がぼやけて見えるのが理解される。一方、本発明のフルカラー着色ガラス瓶1では、不透明の下地色のコーティング層L1の上に不透明の上塗色のコーティング層L2を設けているため、上塗色が、ガラス瓶の地色に負けることなく、色鮮やかに現れていることが理解される。
更に、不着色部分Caの線部分にガラス瓶1の地色が現れ、着色部分Cbの閉領域部分に上塗色のコーティング層L2の上塗色(又は上塗色の樹脂コーティング塗料の塗布が無い場合は、下地色のコーティング層L1の下地色)が現れるため、ガラス瓶1の地色と上塗色(又は下地色)との差異が強調され、絵柄が極めて色鮮やかに現れ、浮かび上がっていることが理解される。ガラス瓶1にまるでラベルを貼り付けたかのような色合いになっている。しかも、水等に侵食されずに、耐久性を有している。そして、不着色部分Caと着色部分Cbとの凹凸により、絵柄が立体的な装飾となり、ガラス瓶1の装飾性及び芸術性を増している。
このように、本発明により製造されたフルカラー着色ガラス瓶1は、ガラス瓶1の表面Sのうち、特定の部分(処理対象部分St)に設けられた絵柄と、絵柄の線を構成する線部分(不着色部分Ca)対応し、ガラス瓶1の表面Sと同等の高さであり、ガラス瓶1の表面Sと同等の地色である凸部と、閉領域部分(着色部分Cb)に対応し、ガラス瓶1の表面よりも深く形成され、微細な凹凸面が形成された凹部と、凹部の微細な凹凸面の上に形成された、不透明の下地色のコーティング層L1と、下地色のコーティング層L1の上に、絵柄に合わせて、塗り分けされて形成された、複数の不透明の上塗色のコーティング層L2と、を備えている。このような構成のフルカラー着色ガラス瓶は、耐久性を有し、色鮮やかなフルカラーの着色を実現するとともに、ガラス瓶1の装飾性及び芸術性を高めている。尚、上述のように、マスキングシール10の構成により、凸部が閉領域部分になり、凹部が線部分になっても、同様の作用効果を有することは明らかである。
このように、本発明では、耐久性を有し、色鮮やかなフルカラーの着色を実現するとともに、ガラス瓶1の装飾性及び芸術性を高めることが可能となるのである。
以上のように、本発明に係るガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶は、様々なガラス瓶に有用であり、耐久性を有し、色鮮やかなフルカラーの着色を実現するとともに、ガラス瓶1の装飾性及び芸術性を高めることが可能なガラス瓶のフルカラー着色方法及びフルカラー着色ガラス瓶として有効である。
1 ガラス瓶
10 マスキングシール
11 ベースフィルム
12 マスキングフィルム
13 非粘着フィルム
S ガラス瓶の表面
St ガラス瓶の処理対象部分
Ca 不着色部分
Cb 着色部分
L1 下地色のコーティング層
L2 上塗色のコーティング層

Claims (4)

  1. 絵柄の線を構成する線部分と、前記絵柄の線で区分けされた閉領域部分とのいずれか一方に対応し、粘着層を有するマスキングフィルムと、前記線部分と前記閉領域部分とのいずれか他方に対応し、粘着層を有しない非粘着フィルムとで構成されるマスキングシールをガラス瓶の表面の処理対象部分に貼付する貼付ステップと、
    前記貼付したマスキングシールを剥離して、前記処理対象部分にマスキングフィルムが残った部分を不着色部分とし、前記処理対象部分にガラス瓶の表面が露出した部分を着色部分とする第一の剥離ステップと、
    前記マスキングシールを剥がした処理対象部分以外のガラス瓶の表面全体をマスキング部材でマスキングするマスキングステップと、
    前記マスキング後のガラス瓶の処理対象部分にサンドブラスト処理を行い、前記着色部分に微細な凹凸面を形成させるサンドブラスト処理ステップと、
    前記サンドブラスト処理を行ったガラス瓶の処理対象部分に、下地色の樹脂コーティング塗料を塗布して、前記着色部分の微細な凹凸面に、前記下地色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の下地色のコーティング層を形成させる下地色塗布ステップと、
    前記ガラス瓶の着色部分の前記下地色のコーティング層に、前記絵柄に合わせて、複数の上塗色の樹脂コーティング塗料を塗り分けして、前記下地色のコーティング層に、前記上塗色の樹脂コーティング塗料が固化した不透明の上塗色のコーティング層を形成させる上塗色塗布ステップと、
    前記ガラス瓶の全体のマスキング部材を剥がすとともに、前記ガラス瓶の不着色部分のマスキングフィルムを剥離する第二の剥離ステップと、
    を備えるガラス瓶のフルカラー着色方法。
  2. 前記下地色塗布ステップは、エアブラシによる前記処理対象部分への前記下地色の樹脂コーティング塗料の吹き付けにより塗布し、
    前記上塗色塗布ステップは、クラフト棒の先端に前記上塗色の樹脂コーティング塗料を付けて、前記クラフト棒の先端で前記着色部分の下地色のコーティング層をなぞることで、前記クラフト棒の先端に付着した上塗色の樹脂コーティング塗料を前記着色部分の下地色のコーティング層に置くことで塗り分ける
    請求項1に記載のガラス瓶のフルカラー着色方法。
  3. 前記上塗色塗布ステップは、前記上塗色の樹脂コーティング塗料が未塗布である前記ガラス瓶の着色部分を上方にするように前記ガラス瓶を回転し、所定の幅での前記着色部分の下地色のコーティング層へ前記上塗色の樹脂コーティング塗料を塗布し、前記上塗色の樹脂コーティング塗料が次に未塗布である前記ガラス瓶の着色部分を上方にするように前記ガラス瓶を回転することを繰り返す
    請求項1又は2に記載のガラス瓶のフルカラー着色方法。
  4. ガラス瓶の表面のうち、特定の部分に設けられた絵柄と、
    前記絵柄の線を構成する線部分と、前記絵柄の線で区分けされた閉領域部分とのいずれか一方に対応し、前記ガラス瓶の表面と同等の高さであり、前記ガラス瓶の表面と同等の地色である凸部と、
    前記線部分と前記閉領域部分とのいずれか他方に対応し、前記ガラス瓶の表面よりも深く形成され、微細な凹凸面が形成された凹部と、
    前記凹部の微細な凹凸面の上に形成された、不透明の下地色のコーティング層と、
    前記下地色のコーティング層の上に、前記絵柄に合わせて、塗り分けされて形成された、複数の不透明の上塗色のコーティング層と、
    を備える
    フルカラー着色ガラス瓶。
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