JP7089671B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本開示は、リアクトルに関する。
特許文献1は、車載コンバータ等に用いられるリアクトルとして、一対の巻回部を備えるコイルと、環状に組み合わせられる複数のコア片を有する磁性コアと、樹脂モールド部とを備えるものを開示する。上記複数のコア片は、各巻回部の内側にそれぞれ配置される複数の内コア片と、巻回部の外側に配置される二つの外コア片とを備える。上記樹脂モールド部は、磁性コアの外周を覆う。上記樹脂モールド部のうち、巻回部の内側に存在する箇所の一部は、隣り合う内コア片間に介在されて樹脂ギャップ部を構成する。
特開2017-135334号公報
磁気飽和し難く、製造性にも優れるリアクトルが望まれている。
上述のようにコア片間に樹脂ギャップ部を備えれば、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。しかし、樹脂ギャップ部を形成するためには、隣り合うコア片の間隔を所定の大きさに支持する部材(特許文献1では内側介在部51)が必要である。そのため、部品点数が多い。部品点数が多いことで組立時間が長くなり、リアクトルの製造性の低下を招く。
上述の樹脂ギャップ部に代えて、アルミナ板といったギャップ板を備える場合も部品点数が多い。また、特許文献1の明細書[0019]に記載されるように、コア片とギャップ板とを接着剤で接合するために、接着剤の固化時間も必要である。これらのことから、リアクトルの製造性の低下を招く。
そこで、本開示は、磁気飽和し難く、製造性にも優れるリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
前記複数のコア片のうち、少なくとも一つのコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片であり、
前記第一のコア片は、前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられる。
本開示のリアクトルは、磁気飽和し難く、製造性にも優れる。
実施形態1のリアクトルを示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片を示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片を示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片を示す概略正面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片を、第一のコア片の軸方向からみた概略側面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片の別例を示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片の更に別例を示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片の更に別例を示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一のコア片の更に別例を示す概略平面図である。 実施形態2のリアクトルを示す概略平面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
前記複数のコア片のうち、少なくとも一つのコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片であり、
前記第一のコア片は、前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられる。
本開示のリアクトルは、以下に説明するように磁気飽和し難く、製造性にも優れる。
(磁気特性)
本開示のリアクトルにおいて第一のコア片は、第一のコア片の軸方向(長手方向)が巻回部の軸方向、即ちコイルの磁束方向に沿うように配置される。その結果、第一のコア片のスリット部は、上記磁束方向に交差するように配置される。このようなスリット部は、磁気ギャップとして利用できる。従って、本開示のリアクトルは、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。ひいては、本開示のリアクトルは、使用電流値が大きい場合でも、所定のインダクタンスを維持できる。なお、ここでのスリット部の深さ方向とは、代表的には、第一のコア片の外周面に設けられた開口部から、第一のコア片の内部に向かってスリット部の底部までの最長距離をとる直線に沿った方向である。詳細は、後述する。
第一のコア片は、複合材料の成形体である。複合材料の成形体は、電磁鋼板の積層体や圧粉成形体(圧粉磁心)に比較して、代表的には非磁性材料である樹脂を多く含む(例、10体積%以上)。複合材料中の樹脂が磁気ギャップとして機能することからも、本開示のリアクトルは磁気飽和し難い。
(製造性)
本開示のリアクトルは、第一のコア片自体に磁気ギャップとして機能するスリット部を備える。第一のコア片と磁気ギャップ(エアギャップでもよい)とが一体の成形物であるため、上述の隣り合うコア片の間隔を保持する部材やギャップ板等を省略できる。部品点数を削減できることで、リアクトルの製造性に優れる。コア片とギャップ板とを接合する接着剤の固化時間も不要であることからも、リアクトルの製造性に優れる。更に、スリット部を有する第一のコア片は、複合材料の成形体であるため、射出成形等で容易に形成できる。この点からも、リアクトルの製造性に優れる。
その他、本開示のリアクトルは、第一のコア片が複合材料の成形体であるため、低損失で小型である。詳しくは、複合材料の成形体は、上述のように電磁鋼板の積層体や圧粉成形体に比較して磁気飽和し難い。そのため、スリット部の厚さを薄くし易い。スリット部の厚さがある程度薄いことで、スリット部からの漏れ磁束を低減できる。巻回部と第一のコア片とを近接させても、上記漏れ磁束に起因する損失(例、銅損)を低減できる。この点から、低損失である。複合材料が樹脂を含み、電気絶縁性に優れるため、渦電流損失(鉄損)といった交流損失を低減できることからも、低損失である。更に、巻回部と第一のコア片との間隔を小さくできる点で、小型である。上述のように電気絶縁性に優れることからも、巻回部と第一のコア片との間隔を小さくし易い。なお、ここでのスリット部の厚さとは、第一のコア片の軸方向に沿った最大長さである。
更に、本開示のリアクトルは、第一のコア片がスリット部を有するものの、強度にも優れる。第一のコア片は、スリット部が閉じた側の領域の体積をある程度大きく確保し易く、機械的強度を高め易いからである。
(2)本開示のリアクトルの一例として、
前記スリット部の深さにおける前記軸方向に直交する方向に沿った大きさは、前記第一のコア片における前記軸方向に直交する方向に沿った長さの1/3以上1/2以下である形態が挙げられる。
上記形態におけるスリット部は、磁気ギャップとして良好に機能する。従って、上記形態は、磁気飽和し難い。また、上記形態におけるスリット部が深過ぎない。そのため、第一のコア片を成形し易い。また、第一のコア片におけるスリット部が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易い。従って、上記形態は、製造性に優れる上に強度にも優れる。
(3)本開示のリアクトルの一例として、
前記第一のコア片は、複数の前記スリット部を備える形態が挙げられる。
上記形態において各スリット部は、第一のコア片の軸方向の異なる位置で、同じ向き又は異なる向きに開口する。つまり、各スリット部は、第一のコア片の外周面において、各スリット部の深さ方向の双方が開口しないように設けられる。このような形態は、上述の深さ方向の双方に開口するようにスリット部が設けられる場合に比較して、磁気飽和し難い。
また、上記形態は、複数のスリット部を備えるため、各スリット部の厚さを薄くし易い。このような形態は、上述のように巻回部と第一のコア片とを近接させても、低損失である。また、上記形態は、上述の近接配置によって小型である。
更に、上記形態は、複数のスリット部を備えるものの、各スリット部の形成位置が第一のコア片の軸方向にずれている。そのため、第一のコア片における各スリット部が閉じた側の領域の体積をある程度大きく確保し易い。このような形態は、上述のように強度にも優れる。
(4)本開示のリアクトルの一例として、
前記第一のコア片を前記軸方向に直交する平面で切断した断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、
前記スリット部の深さ方向は、仮想の前記長方形の短辺に沿った方向である形態が挙げられる。
上記形態は、スリット部の深さ方向が上記仮想の長方形の長辺に沿った方向である場合に比較して、スリット部を成形し易い。そのため、上記形態は、製造性により優れる。
(5)本開示のリアクトルの一例として、
前記コイルは、隣り合って並ぶ二つの前記巻回部を備え、
前記磁性コアは、
一方の前記巻回部の内側に配置される前記スリット部を含む前記第一のコア片と、
他方の前記巻回部の内側に配置される箇所を含み、前記複合材料の成形体からなり、前記スリット部が設けられていない第二のコア片とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、スリット部を有する第一のコア片、及び第一のコア片が配置される一方の巻回部が冷却機構(設置対象に内蔵されていてもよい)に近い側に配置されることで、以下に説明するように、放熱性にも優れる。ここで、例えば、第一のコア片と第二のコア片とはスリット部の有無を除いて、複合材料の組成やコア片の形状、大きさ等の仕様が実質的に等しいとする。この場合、スリット部を有する第一のコア片が配置される一方の巻回部は、スリット部を有さない第二のコア片が配置される他方の巻回部に比較して発熱し易い。一方の巻回部は、スリット部からの漏れ磁束によって銅損が生じ易いからである。相対的に高温になり易い第一のコア片及び一方の巻回部が冷却機構に近い側に配置され、相対的に高温になり難い第二のコア片及び他方の巻回部が冷却機構から遠い側に配置されることで、第一のコア片及び一方の巻回部は、冷却機構に効率よく放熱できる。
また、第一のコア片及び第二のコア片の双方が複合材料の成形体であり、射出成形等で容易に形成できる。そのため、上記形態は、製造性により優れる。
更に、第一のコア片及び第二のコア片の双方が複合材料の成形体であるため、上述のように各巻回部と各コア片とを近接させても低損失である。また、上記近接配置によって、小型なリアクトルにできる。
(6)本開示のリアクトルの一例として、
前記スリット部における前記第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さは、前記第一のコア片の周長の1/3以上1/2以下である形態が挙げられる。
上記形態におけるスリット部は、大きな開口部を有するといえる。このような第一のコア片は、製造過程でスリット部を成形する型材を抜き取り易いため、第一のコア片を成形し易い。従って、上記形態は、製造性により優れる。また、上記形態におけるスリット部が大き過ぎず、第一のコア片におけるスリット部が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易い。従って、上記形態は、強度にも優れる。
(7)本開示のリアクトルの一例として、
前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
前記巻回部の外側に配置される第三のコア片の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である形態が挙げられる。
上記形態は、複合材料の成形体(第一のコア片を構成するもの、上記(5)の形態では第一のコア片及び第二のコア片を構成するもの)の比透磁率(5~50)と第三のコア片の比透磁率とが同じである場合に比較して、大きなインダクタンスを有しつつ、小型にし易い。
また、複合材料の成形体の比透磁率が比較的低い。このような低透磁率の複合材料の成形体を含む形態は、磁気飽和し難い。磁気飽和し難いため、スリット部の厚さを薄くし易い。スリット部の厚さが薄ければ、スリット部からの漏れ磁束を低減できる。また、上述のように巻回部と第一のコア片(第二のコア片)とを近接させても、低損失である。このような形態は、上述のように低損失で、小型である。
更に、上記形態は、第三のコア片と第一のコア片(第二のコア片)との間での漏れ磁束を低減できる。このような形態は、上述の漏れ磁束に起因する損失を低減でき、低損失である。
(8)上記(7)のリアクトルの一例として、
前記第三のコア片の比透磁率は、50以上500以下である形態が挙げられる。
上記形態は、第三のコア片と第一のコア片(第二のコア片)との比透磁率の差を大きく確保し易い。そのため、上記形態は、第三のコア片と第一のコア片(第二のコア片)との間での漏れ磁束をより低減し易く、より低損失である。
(9)上記のリアクトルの一例として、
前記磁性コアの少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、複数のコア片を備えるものの、樹脂モールド部によって複数のコア片を保持できる。樹脂モールド部によって、磁性コアの一体物としての強度を高められるため、上記形態は、強度にも優れる。また、上記形態は、樹脂モールド部によって、コイルと磁性コアとの間の電気絶縁性の向上、外部環境からの保護、機械的保護等を図れる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1~図3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。
図1は、実施形態1のリアクトル1をコイル2の巻回部2a,2bの軸方向(図1では紙面左右方向)と、二つの巻回部2a,2bが並ぶ方向(図1では紙面上下方向)との双方に直交する方向(図1では紙面垂直方向)からみた平面図である。
〈概要〉
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、巻回部を有するコイル2と、巻回部の内側と巻回部の外側とに配置される磁性コア3とを備える。本例のコイル2は隣り合って並ぶ二つの巻回部2a,2bを有する。各巻回部2a,2bは、各軸が平行するように配置される。磁性コア3は、複数のコア片を組み合わせて構成される。本例の磁性コア3は、一方の巻回部2aの内側に配置される箇所を含む第一のコア片31aと、他方の巻回部2bの内側に配置される箇所を含む第二のコア片31bと、巻回部2a,2bの外側に配置される第三のコア片32とを備える。磁性コア3は、これらコア片31a,31b,32が環状に組み付けられて構成される。コア片31a,31bは、各軸方向が巻回部2a,2bの軸方向に沿うように配置される。二つのコア片32が両コア片31a,31bを挟むように配置される。このようなリアクトル1は、代表的には、コンバータケース等の設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。
特に、実施形態1のリアクトル1では、磁性コア3を構成するコア片として、スリット部7が設けられた第一のコア片31aを含む。また、第一のコア片31aは、樹脂を含む成形体とする。詳しくは、複数のコア片のうち、少なくとも一つのコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片31aである。第一のコア片31aは、巻回部2aの内側に配置される箇所にスリット部7を備える。スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向に交差する方向に沿っている。スリット部7は、第一のコア片31aの外周面において深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられる。
スリット部7の深さ方向とは、代表的には、第一のコア片31aに設けられたスリット部7の開口部から第一のコア片31aの内部に向かってスリット部7の底部(図1では内底面70)までの最長距離をとる直線に沿った方向である。本例のようにスリット部7が一つの内底面70と、平行に配置される二つの内壁面71とで構成される場合、スリット部7の深さ方向は、内壁面71の沿面方向に沿った方向である。本例では、スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向(図1では紙面左右方向)に直交する方向(図1では紙面上下方向)である。また、本例の第一のコア片31aは直方体状である(図2A)。そのため、第一のコア片31aの外周面は、二つの端面311,312と、四つの周面313~316とを含む。本例のスリット部7は、第一のコア片31aの外周面において深さ方向の一方に位置する周面314に開口し、深さ方向の他方に位置する周面316が閉じるように設けられている。つまり、スリット部7は、対向する周面314,316に対して、一方の周面314に開口部を有し、他方の周面316に開口部を有さないように設けられている。
なお、スリット部7を構成する内周面が複数の内底面を有する場合(図示せず)、例えば、直方体状の第一のコア片31aの角部にスリット部7が設けられており、スリット部7がL字状に配置された二つの内底面と、二つの壁面とで構成される場合等では、スリット部の深さ方向とは、以下とする。第一のコア片31aをその軸方向に直交する断面の外形を内包する最小の長方形を仮想する。この仮想の長方形にスリット部を投影する。そして、スリット部の投影像において、上記長方形の短辺方向、又は上記長方形の長辺方向に沿った方向とする。
第一のコア片31aは、第一のコア片31aの軸方向(長手方向)が巻回部2aの軸方向、即ちコイル2の磁束方向に沿うように配置される。その結果、スリット部7は、コイル2の磁束方向に交差するように配置される。本例のスリット部7は、コイル2の磁束方向に直交するように配置される。このようなスリット部7は、磁気ギャップとして機能し、リアクトル1を磁気飽和し難くすることに寄与する。また、スリット部7は、第一のコア片31aに一体化されており、リアクトル1の部品点数の削減に寄与する。
以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
〈コイル〉
本例のコイル2は、巻線(図示せず)が螺旋状に巻回されてなる筒状の巻回部2a,2bを備える。隣り合って並ぶ二つの巻回部2a,2bを備えるコイル2として、以下の形態が挙げられる。
(i)独立した2本の巻線によってそれぞれ形成される巻回部2a,2bと、以下の接続部(図示せず)とを備える。接続部は、巻回部2a,2bから引き出される巻線の両端部のうち、一方の端部同士が接続されて構成される。
(ii)1本の連続する巻線から形成される巻回部2a,2bと、巻回部2a,2bを連結する連結部(図示せず)とを備える。連結部は、巻回部2a,2b間に渡される巻線の一部から構成される。
いずれの形態も、各巻回部2a,2bから引き出される巻線の端部((i)では接続部に用いられていない他方の端部)は、電源等の外部装置が接続される箇所として利用される。(i)の接続部は、巻線の端部同士が直接接続される形態と、間接接続される形態とが挙げられる。直接接続には、溶接や圧着等が利用できる。間接接続には、巻線の端部に取り付けられる適宜な金具等を利用できる。
巻線は、導体線と、導体線の外周を覆う絶縁被覆とを備える被覆線が挙げられる。導体線の構成材料は、銅等が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミド等の樹脂が挙げられる。被覆線の具体例として、断面形状が長方形である被覆平角線、断面形状が円形である被覆丸線が挙げられる。平角線からなる巻回部2a,2bの具体例として、エッジワイズコイルが挙げられる。
本例の巻回部2a,2bは、四角筒状のエッジワイズコイルである。また、本例では、巻回部2a,2bの形状・巻回方向・ターン数等の仕様が等しい。巻線や巻回部2a,2bの形状、大きさ等は適宜変更できる。例えば、巻回部2a,2bを円筒状等としてもよい。又は、例えば、各巻回部2a,2bの仕様を異ならせてもよい。
〈磁性コア〉
《概要》
本例の磁性コア3は、上述のようにコア片31a,31bと、二つのコア片32との合計四つのコア片を環状に組み合わせて閉磁路を構成する。本例の第一のコア片31aは、一方の巻回部2aの内側に配置されるスリット部7を含む。本例の第二のコア片31bは、他方の巻回部2bの内側に配置される箇所を含み、スリット部7が設けられていない。本例では、二つの第三のコア片32はそれぞれ、巻回部2a,2bの外側に配置され、スリット部7が設けられていない。主として巻回部2a,2bの内側に配置されるコア片31a,31bと、巻回部2a,2bの外側に配置されるコア片32とを独立したコア片とすることで、コア片の構成材料の自由度を高められる。本例では、コイル2内のコア片31a,31bの構成材料とコイル2外のコア片32の構成材料とが異なる。コア片31a,31bの構成材料は等しい。また、一つの巻回部2a(又は2b)の内側に配置されるコア片の個数が一つである。そのため、磁性コア3、ひいてはリアクトル1の部品点数が少ない。コア片の構成材料、個数は適宜変更できる(後述の変形例E,G、第一のコア片31B~31C参照)。
《コア片の形状、大きさ》
本例のコア片31a,31b,32はいずれも、直方体状である。本例のコア片31a,31bは、スリット部7の有無を除いて、概ね同一形状、概ね同一の大きさである。各コア片31a,31bは、細長い直方体状であり、上述のように長手方向が巻回部2a,2bの軸方向に沿うように配置される。各コア片31a,31bの外周形状は、巻回部2a,2bの内周形状に概ね相似である。各コア片31a,31bの端面311,312の形状は、長方形状である(短辺長さ<長辺長さ、図2D)。本例では、二つのコア片32は、同一形状、同一の大きさである。各コア片32においてコア片31a,31bが接続される面は、二つの端面311(又は312)の合計面積よりも大きな面積を有する。コア片31a,31b,32の大きさは、リアクトル1が所定の磁気特性を満たすように、構成材料やスリット部7の大きさ等に応じて調整される。
なお、コア片31a,31b,32の形状、大きさ等は適宜変更できる。例えば、コア片31a,31bを円柱状、多角柱状等としてもよい。又は、例えば、第三のコア片32を、ドーム状の面(特許文献1)又は台形状の面を有する柱状体としてもよい。その他、例えば、コア片の角部の少なくとも一部をC面取り又はR面取り(第三のコア片32参照)してもよい。面取りされた角部は欠け難く、機械的強度に優れるコア片にできる。
《スリット部》
以下、主に図2,図3を参照して、スリット部7を説明する。
第一のコア片31aは、少なくとも一つのスリット部7を備える。スリット部7は、第一のコア片31aの外周面においてスリット部7の深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように第一のコア片31aに設けられる。このようなスリット部7は、第一のコア片31aの外周面の一部に開口する。また、スリット部7は、第一のコア片31aを貫通しない凹部である。スリット部7は、代表的には薄い板状の内部空間を有する(図2A)。図3B~図3Dに示すように、第一のコア片31B~31Dが複数のスリット部7を備える場合には、各スリット部7は、コア片31B~31Dの外周面において各スリット部7の深さ方向の双方が開口しないように設けられる。
≪基本構成≫
本例のスリット部7は、対向する二つの内壁面71と、両内壁面71を繋ぐ内底面70とで形成される(図1等)。各内壁面71は、第一のコア片31aの軸方向に直交するように設けられる。内底面70は、第一のコア片31aの軸方向に平行するように設けられる。このスリット部7は、第一のコア片31aの外周面のうち、スリット部7の深さ方向の一方に位置する周面314に開口する。スリット部7の深さ方向の他方に位置する周面316は閉じている。即ち、本例の周面316は、凹部を有しておらず、周面316の全体が一様な平面から構成される。更に、本例のスリット部7は、周面314に繋がる周面313,315の一部にも開口する。詳しくは、本例のスリット部7は、周面313,315を貫通すると共に、三つの周面313~315に連続して開口するように設けられる。残る一つの周面316は閉じている。スリット部7が第一のコア片31aの周方向に連続し、複数の周面313~315に亘って開口することで、開口縁の長さが比較的長い(後述の開口縁の長さの項も参照)。このようなスリット部7を有する第一のコア片31aは成形し易い。第一のコア片31aの成形過程で、スリット部7を成形する型材を抜き取り易いからである。
本例では、内壁面71の形状は、図2Dに示すように、第一のコア片31aの三つの周面313~315に沿った門型の開口縁と、開口縁の両端部を結ぶ直線とで描かれる長方形状である。内壁面71の形状が開口縁と、開口縁の両端部を結ぶ直線とで描かれる形状であれば、スリット部7は単純な形状といえる。そのため、スリット部7を有する第一のコア片31aを成形し易い。本例では、内底面70の形状も長方形状であり、スリット部7の内部空間が直方体状である。この点からも、スリット部7は単純な形状であり、第一のコア片31aを成形し易い。
内壁面71,内底面70の形状は適宜変更できる。例えば、内壁面71を、開口縁と、開口縁の両端を結ぶ曲線で描かれる形状とし、内底面70を湾曲面等の曲線形状としてもよい。又は、例えば、内底面70を省略してもよい。この場合、二つの内壁面71における底部側の縁を繋げて、周面313,315の開口縁の形状を三角形状とすることが挙げられる。この場合、スリット部7の内部空間は三角柱状である。
本例では、内壁面71は、第一のコア片31aの外周面(ここでは周面314)に実質的に直交する。そのため、内壁面71における上記外周面(周面314)に対する交差角度は90°である。内壁面71における第一のコア片31aの外周面に対する交差状態(上記交差角度)は適宜変更できる。上記交差角度は、0°超180°未満から適宜選択すればよい。例えば、内壁面71は、第一のコア片31aの外周面に対して非直交に交差していてもよい(後述の変形例D、図3Aの第一のコア片31A、スリット部7A参照)。
≪深さ方向≫
スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向に交差する方向、即ちコイル2の磁束方向に交差する方向であればよい。特に、スリット部7の深さ方向は、コイル2の磁束方向に直交する方向に近いほど、磁気ギャップとして良好に機能する。本例のスリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向に直交する方向、即ち上記磁束方向に直交する方向である(図1,図2B)。
スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aをその軸方向に直交する平面で切断した断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、この仮想の長方形の短辺に沿った方向である形態が挙げられる。本例の第一のコア片31aは直方体状である。そのため、第一のコア片31aの軸方向に直交する平面で切断した断面形状は長方形である。この場合、上記仮想の長方形には、第一のコア片31aの外形をそのまま利用できる。第一のコア片31aが例えば楕円柱や、端面形状がレーストラック状である柱状体等であれば、上述の断面をとる。そして、断面の外形(例、楕円、レーストラック等)に対して、この断面の外形を内包する最小の長方形を仮想的にとればよい。
スリット部7の深さ方向が上述の仮想の長方形の短辺方向に沿っている場合は、上記仮想の長方形の長辺方向に沿っている場合に比較して、第一のコア片31aを成形し易く、第一のコア片31aの製造性に優れる。ひいては、リアクトル1の製造性に優れる。スリット部7の深さd(図2B,図2D)を比較的大きくしても、上述の型材を抜き取り易いからである。第一のコア片31aが直方体(本例)や楕円体といった単純な形状であれば、第一のコア片31aをより成形し易く、製造性により優れる。
ここでのスリット部7の深さdとは、深さ方向に沿った最大長さである。本例では、深さdは、第一のコア片31aの軸方向に直交する方向に沿った最大長さである。なお、後述するスリット部7の厚さt(図2B,図2C)とは、第一のコア片31aの軸方向に沿った最大長さである。また、後述するスリット部7の高さh(図2C,図2D)とは、第一のコア片31aの軸方向及び深さ方向の双方に直交する方向に沿った最大長さである。
≪大きさ≫
スリット部7の大きさ、例えば厚さt、深さd、高さh、開口縁の長さ等は、リアクトル1が所定の磁気特性を満たす範囲で適宜選択できる。
厚さt、深さd、高さhが大きいほど、スリット部7の内部体積を大きく確保し易い。そのため、磁気飽和し難いリアクトル1にできる。また、厚さtが大きいほど、上述の型材を抜き取り易く、第一のコア片31aを成形し易い。
一方、厚さt、高さhが小さいほど、スリット部7からの漏れ磁束を低減し易い。本例のようにスリット部7が貫通する場合には深さdも小さいほど、上記漏れ磁束を低減し易い。この点から、巻回部2aと第一のコア片31aとを近接させても、上記漏れ磁束に起因する損失(例、銅損)を低減できる。また、上述の近接配置により、小型にし易い。従って、低損失で小型なリアクトル1にできる。加えて、第一のコア片31aにおけるスリット部7が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易いため、第一のコア片31aの機械的強度を高め易い。そのため、高強度なリアクトル1にできる。更に、深さd、高さhが小さいほど、上述の型材を抜き取り易く、第一のコア片31aを成形し易い。
磁性コア3の大きさ等にもよるが、厚さtが例えば1mm以上であると、磁気飽和し難い上に第一のコア片31aの成形性にも優れる。磁気飽和の低減、製造性の向上を望む場合等では、厚さtを1.5mm以上、2mm以上としてもよい。厚さtが例えば3mm以下であると、スリット部7からの漏れ磁束を低減し易い。深さdの詳細は後述の長さLを参照するとよい。高さhは、図2Cに例示するように第一のコア片31aの高さ(ここでは対向配置される周面313,315間の距離)に等しいと、磁気飽和し難い上に第一のコア片31aの成形性にも優れる。
スリット部7の大きさの一例として、スリット部7の深さdにおける第一のコア片31aの軸方向に直交する方向に沿った長さL(図2B,図2D)が第一のコア片31aにおける軸方向に直交する方向に沿った長さL(図2B,図2D)の1/3以上1/2以下であることが挙げられる。スリット部7の長さLは、本例のようにスリット部7の深さ方向が第一のコア片31aの軸方向に直交する方向であれば、深さdに相当する。スリット部7の深さ方向が上記軸方向に非直交に交差する方向であれば、長さLは、スリット部7の深さdを上記軸方向(磁束方向)に直交する平面に投影した長さに相当する。本例では、第一のコア片31aの長さLは、対向配置される周面314,316間の距離に相当する。更に、本例では第一のコア片31aの長さLは、長方形状の端面311,312の短辺方向に沿った長さに相当する。本例のスリット部7の長さLは、第一のコア片31aの長さLの1/3以上1/2以下である。
スリット部7の長さLが第一のコア片31aの長さLの1/3(33%)以上であれば、スリット部7が磁気ギャップとして良好に機能する。そのため、磁気飽和し難いリアクトル1にできる。スリット部7の長さLが長いほど、磁気ギャップを大きく確保できて、磁気飽和し難い。磁気飽和の低減を望む場合等では、スリット部7の長さLをコア片31aの長さLの35%以上、更に40%以上としてもよい。
スリット部7の長さLが第一のコア片31aの長さLの1/2(50%)以下であれば、スリット部7が深過ぎない。そのため、上述の型材を抜き取り易く、第一のコア片31aを成形し易い。ひいては、リアクトル1の製造性に優れる。また、スリット部7からの漏れ磁束を低減し易い。このことから、上述のように低損失で小型なリアクトル1にできる。また、スリット部7が深過ぎないことで、第一のコア片31aにおけるスリット部7が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易い。このことから、上述のように高強度なリアクトル1にできる。スリット部7の長さLが短いほど、これらの効果を得易い。製造性の向上、損失の低減、小型化、強度の向上を望む場合等では、スリット部7の長さLをコア片31aの長さLの48%以下、更に45%以下としてもよい。
スリット部7における第一のコア片31aの周方向に沿った開口縁の長さは、例えば、第一のコア片31aの周長の1/3以上1/2以下であることが挙げられる。本例の開口縁の長さは、第一のコア片31aの周長の1/3以上1/2以下である。ここでの第一のコア片31aの周長は、スリット部7の開口縁に沿って測定する。本例では、第一のコア片31aの周長は、四つの周面313~316において第一のコア片31aの軸方向に直交する方向に沿った長さを合計した値である。本例の周長は、2×(h+L)に等しい。
スリット部7の開口縁の長さが第一のコア片31aの周長の1/3(33%)以上であれば、スリット部7は大きな開口部を有するといえる。本例のように三つの周面313~315に連続するような大きな開口部を有し易い。開口部が大きいことで、スリット部7の内部空間が大きい場合でも、スリット部7を成形する型材を抜き取り易い。そのため、第一のコア片31aを成形し易い。ひいては、リアクトル1の製造性に優れる。また、スリット部7の内部空間が大きければ、より磁気飽和し難いリアクトル1にできる。開口縁の長さが長いほど、上述の効果を得易い。製造性の向上、磁気飽和の低減を望む場合等では、スリット部7の開口縁の長さをコア片31aの周長の35%以上、更に40%以上としてもよい。
スリット部7の開口縁の長さが第一のコア片31aの周長の1/2(50%)以下であれば、スリット部7が大き過ぎず、第一のコア片31aにおけるスリット部7が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易い。このことから、上述のように高強度なリアクトル1にできる。開口縁の長さが短いほど、上述の効果を得易い。強度の向上を望む場合等では、開口縁の長さをコア片31aの周長の48%以下、更に45%以下としてもよい。
その他、スリット部7を構成する内壁面71の面積について、第一のコア片31aをその軸方向に直交する断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、上記仮想の長方形に投影したときの面積(以下、投影面積と呼ぶ)が上記断面の外形の面積の1/3以上1/2以下であることが挙げられる。本例では、内壁面71の面積と投影面積とが等しい。内壁面71の投影面積が上記断面の外形の面積の1/3(33%)以上であれば、スリット部7が磁気ギャップとして良好に機能する。そのため、磁気飽和し難いリアクトル1にできる。スリット部7の投影面積が大きいほど磁気飽和し難い。磁気飽和の低減を望む場合等では、スリット部7の投影面積を上記断面の外形の面積の35%以上、更に40%以上としてもよい。一方、スリット部7の投影面積が上記断面の外形の面積の1/2(50%)以下であれば、スリット部7が深過ぎない。そのため、上述の型材を抜き取り易く、第一のコア片31aを成形し易い。ひいては、リアクトル1の製造性に優れる。また、スリット部7からの漏れ磁束を低減し易い。このことから、上述のように低損失で小型なリアクトル1にできる。また、スリット部7が深過ぎないことで、第一のコア片31aにおけるスリット部7が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易い。このことから、上述のように高強度なリアクトル1にできる。スリット部7の投影面積が小さいほど、これらの効果を得易い。製造性の向上、損失の低減、小型化、強度の向上を望む場合等では、スリット部7の投影面積を上記断面の外形の面積の48%以下、更に45%以下としてもよい。
≪個数≫
図1に示す第一のコア片31aは、一つのスリット部7を備える。図3B~図3Dに示す第一のコア片31B~31Dはそれぞれ、複数のスリット部7を備える。リアクトル1が複数のスリット部7を備える場合、各スリット部7は、第一のコア片31B~31Dの軸方向の異なる位置に設けられて、同じ向き、又は異なる向きに開口する。また、各スリット部7は、第一のコア片31B~31Dの外周面において、各スリット部7の深さ方向の双方が開口しないように設けられる。
例えば、図3Bに示す第一のコア片31Bは,第一のコア片31Bの軸方向にずれて、二つのスリット部7を備える。各スリット部7は、同じ向きに開口する。詳しくは、各スリット部7は、周面314に開口し、周面316に開口しない。第一のコア片31Bの外周面のうち、周面316において、両スリット部7の深さ方向の他方に位置する箇所は閉じている。
例えば、図3Cに示す第一のコア片31Cは、第一のコア片31Cの軸方向にずれて、二つのスリット部7を備える。但し、各スリット部7は、異なる向きに開口する。詳しくは、一方(図3Cでは紙面左側)のスリット部7は、周面314に開口し、周面316に開口しない。第一のコア片31Cの外周面のうち、周面316において、一方のスリット部7の深さ方向の他方に位置する箇所は閉じている。他方(図3Cでは紙面右側)のスリット部7は、周面316に開口し、周面314に開口しない。第一のコア片31Cの外周面のうち、周面314において、他方のスリット部7の深さ方向の他方に位置する箇所は閉じている。このように第一のコア片31Cは、上記軸方向にずれて、逆向きに開口する二つのスリット部7を備える。
例えば、図3Dに示す第一のコア片31Dは、第一のコア片31Dの軸方向にずれて、三つのスリット部7を備える。本例では、二つのスリット部7は、同じ向きに開口し、残り一つのスリット部7は、異なる向きに開口する。詳しくは、二つのスリット部7は、周面314に開口し、周面316に開口しない。第一のコア片31Dの外周面のうち、周面316において、上記二つのスリット部7の深さ方向の他方に位置する箇所は閉じている。残り一つのスリット部7は、周面316に開口し、周面314に開口しない。第一のコア片31Dの外周面のうち、周面314において、上記残り一つのスリット部7の深さ方向の他方に位置する箇所は閉じている。このように第一のコア片31Dは、上記軸方向にずれて、逆向きに開口する二つのスリット部7の組を含む。
一つの第一コア片が複数のスリット部7を備える場合、各スリット部7は、上述のように第一のコア片の外周面において各スリット部7の深さ方向の一方にのみ開口し、双方が開口しないように設けられる。そのため、リアクトル1は、深さ方向の双方に開口するようにスリット部が設けられる場合に比較して、磁気飽和し難い。また、複数のスリット部7を備える場合、各スリット部7の厚さtを薄くし易い。厚さtが薄ければ、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。ひいては、上述のように低損失で、小型なリアクトル1にできる。また、厚さtが薄ければ、第一のコア片31B~31Dにおける各スリット部7が閉じた側の領域の体積をある程度大きく確保し易い。このことから、上述のように高強度なリアクトル1にできる。
なお、図3A~図3Dに示すスリット部7はいずれも、対向配置される周面313,315を貫通し、周面314又は周面316に開口する。また、各スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31A~31Dの軸方向に直交する方向である。
リアクトル1が複数のスリット部7を備える場合、各スリット部7の形状、大きさは等しくすることもできるし、異ならせることもできる。図3B~図3Dに例示するように、一つの第一のコア片31B~31Dに設けられる複数のスリット部7の形状、大きさが等しい場合、第一のコア片31B~31Dは単純な形状といえ、成形し易い。また、局所的に大きなスリット部7を有する場合に比較して、スリット部7からの漏れ磁束、及びこの漏れ磁束に起因する損失を低減し易い。
≪形成位置≫
スリット部7は、第一のコア片31aの軸方向の任意の位置に設けられる。第一のコア片31aにおけるスリット部7の形成位置は、第一のコア片31aの軸方向の中心である。このような第一のコア片31aは、第一のコア片31aの軸方向に二等分する線分を軸として、対称形状である。対称形状である点は、図3A,図3B,図3Dに示す第一のコア片31A,31B,31Dについても同様である。
一つの第一のコア片が複数のスリット部7を備える場合、図3B~図3Dに例示するように、隣り合うスリット部7の間隔をある程度広く設けると、強度を高め易い。第一のコア片31B~31Dにおけるスリット部7が閉じた側の領域の体積を大きく確保し易いからである。隣り合うスリット部7の間隔は、スリット部7の個数にもよるが、例えば、第一のコア片の長さの10%以上、第一のコア片の長さの50%未満が挙げられる。上記間隔は、例えば、第一のコア片の長さ/(スリット部の個数+1)としてもよい。
《構成材料》
磁性コア3を構成する複数のコア片は、軟磁性材料を主体とする成形体等が挙げられる。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe-Si合金、Fe-Ni合金等)といった金属、フェライト等の非金属等が挙げられる。上記成形体は、複合材料の成形体、圧粉成形体、軟磁性材料からなる板材の積層体、焼結体等が挙げられる。複合材料の成形体は、磁性粉末と樹脂とを含む(詳細は後述する)。圧粉成形体の詳細は後述する。板材の積層体は、代表的には電磁鋼板等の板材が積層されたものが挙げられる。焼結体は、代表的には、フェライトコア等が挙げられる。全てのコア片の構成材料が等しい形態、全て異なる形態、構成材料が同じであるコア片を一部に含む形態(本例)のいずれも利用できる。但し、磁性コア3を構成する複数のコア片のうち、スリット部7を備える第一のコア片31aは、複合材料の成形体からなるものとする。本例では、主として他方の巻回部2b内に配置される第二のコア片31bも複合材料の成形体からなる。
≪複合材料の成形体≫
複合材料の成形体において、複合材料中の磁性粉末の含有量は、例えば、30体積%以上80体積%以下が挙げられる。複合材料中の樹脂の含有量は、例えば10体積%以上70体積%以下が挙げられる。磁性粉末の含有量が多く、樹脂の含有量が少ないほど、飽和磁束密度や比透磁率を高めたり、放熱性を高めたりし易い。飽和磁束密度や比透磁率の向上、放熱性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を50体積%以上、更に55体積%以上、60体積%以上としてもよい。磁性粉末の含有量が少なく、樹脂の含有量が多いほど、電気絶縁性を高められて渦電流損失を低減し易い。製造過程では、複合材料の流動性に優れる。損失の低減、流動性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を75体積%以下、更に70体積%以下としてもよい。又は樹脂の含有量を30体積%超としてもよい。
複合材料の成形体は、上述のように磁性粉末の含有量や樹脂の含有量の多寡だけでなく、磁性粉末の組成によっても、飽和磁束密度や比透磁率を容易に異ならせられる。リアクトル1が所定の磁気特性(例、インダクタンス)を有するように、上記磁性粉末の組成や磁性粉末の含有量、樹脂の含有量等を調整するとよい。
複合材料の成形体において複合材料中の樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、低温硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂の一例として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂の一例として、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等が挙げられる。その他、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴム等も利用できる。
複合材料の成形体は、磁性粉末及び樹脂に加えて、非磁性材料からなる粉末を含有してもよい。非磁性材料として、アルミナやシリカ等のセラミックス、各種の金属等が挙げられる。非磁性材料からなる粉末を含有することで、放熱性を高められる。また、セラミックスといった非金属かつ非磁性材料からなる粉末であれば、電気絶縁性にも優れて好ましい。非磁性材料からなる粉末の含有量は、例えば、0.2質量%以上20質量%以下が挙げられる。上記含有量は、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下としてもよい。
複合材料の成形体は、射出成形や注型成形等の適宜な成形方法によって製造できる。代表的には、磁性粉末と樹脂とを含む原料を用意し、流動状態の原料を成形型に充填した後、固化することが挙げられる。磁性粉末には、上述の軟磁性材料からなる粉末や、粉末粒子の表面に絶縁材料等からなる被覆層を備える粉末等が利用できる。
特に、スリット部7を備える第一のコア片31a,31A~31Dは、成形型として、キャビティ内に、スリット部7を成形する型材が配置されたものを利用することが挙げられる。型材は、例えば、キャビティの内面から立設される平板状の突出片等が挙げられる。
≪圧粉成形体≫
圧粉成形体は、代表的には、磁性粉末(上述参照)とバインダーとを含む混合粉末を所定の形状に圧縮成形した後、熱処理を施したものが挙げられる。バインダーは樹脂等を利用できる。バインダーの含有量は30体積%以下程度が挙げられる。熱処理を施すと、バインダーが消失したり、熱変性物になったりする。そのため、圧粉成形体は、複合材料の成形体よりも磁性粉末の含有割合を高め易い(例えば80体積%超、更に85体積%以上)。磁性粉末の含有割合が多いことで、圧粉成形体は、樹脂を含有する複合材料の成形体よりも飽和磁束密度や比透磁率が高い傾向にある。
《磁気特性》
複合材料の成形体の比透磁率は、例えば5以上50以下であることが挙げられる。複合材料の成形体の比透磁率は、10以上45以下、更に40以下、35以下、30以下とより低くしてもよい。このような低透磁率の複合材料の成形体から構成されるコア片、具体的にはコア片31a,31bを含む磁性コア3を備えるリアクトル1は、磁気飽和し難い。そのため、スリット部7の厚さtを薄くし易い。スリット部7の厚さtが薄ければ、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。ひいては、上述のように低損失で小型なリアクトル1にできる。
巻回部2a,2bの外側に配置される第三のコア片32の比透磁率は、上述の複合材料の成形体の比透磁率よりも大きいことが好ましい。コア片31a,31bと第三のコア片32間での漏れ磁束を低減できるからである。ひいては、上記漏れ磁束に起因する損失を低減でき、低損失なリアクトル1にできる。また、第三のコア片32の比透磁率が複合材料の成形体の比透磁率(例、5~50)と等しい場合に比較して、大きなインダクタンスを有しつつ、小型なリアクトル1にできるからである。
特に、第三のコア片32の比透磁率が複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上であると、コア片31a,31bと第三のコア片32間での漏れ磁束をより確実に低減できる。複合材料の成形体の比透磁率と第三のコア片32の比透磁率との差が大きいほど、上記漏れ磁束を低減し易い。損失の低減を望む場合等では、第三のコア片32の比透磁率を複合材料の成形体の比透磁率の2.5倍以上、更に3倍以上、5倍以上、10倍以上としてもよい。
第三のコア片32の比透磁率は、例えば50以上500以下であることが挙げられる。第三のコア片32の比透磁率は、80以上、更に100以上(複合材料の成形体の比透磁率が50である場合の2倍以上)、150以上、180以上とより高くしてもよい。このような高透磁率のコア片32は、複合材料の成形体の比透磁率との差をより大きくし易い。例えば、第三のコア片32の比透磁率を複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上にできる。上記比透磁率の差が大きいことで、上述のようにコア片31a,31bと第三のコア片32間での漏れ磁束をより低減し易く、より低損失なリアクトル1にできる。また、第三のコア片32の比透磁率が大きいほど、第三のコア片32をコア片31a,31bに比較して小さくし易い。この点から、より小型なリアクトル1にできる。
ここでの比透磁率は以下のように求める。
複合材料の成形体(ここでは、コア片31a,31bを構成するもの)、コア片32と同様の組成からなるリング状の試料(外径34mm、内径20mm、厚さ5mm)を作製する。
上記リング状の試料に一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施し、B-H初磁化曲線をH=0(Oe)~100(Oe)の範囲で測定する。
得られたB-H初磁化曲線のB/Hの最大値を求める。この最大値を比透磁率とする。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
各コア片31a,31bの比透磁率の測定に用いるリング状の試料は、スリット部7が無いものとする。
本例の第一のコア片31a及び第二のコア片31bは複合材料の成形体からなる。また、本例の第三のコア片32は圧粉成形体からなる。各コア片31a,31bの比透磁率は5以上50以下である。第三のコア片32の比透磁率は、50以上500以下であり、かつコア片31a,31bの比透磁率の2倍以上である。
なお、本例の第一のコア片31a,第二のコア片31bは、上述のようにスリット部7の有無を除いて、同一の組成の複合材料の成形体からなる。そのため、両コア片31a,31bの比透磁率は実質的に等しい。各コア片31a,31bを構成する複合材料の組成を異ならせてもよい。
〈保持部材〉
その他、リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に介在される保持部材5を備えてもよい。図1では、保持部材5を二点鎖線で仮想的に示す。
保持部材5は代表的には電気絶縁材から構成されて、コイル2と磁性コア3との間の電気絶縁性の向上に寄与する。また、保持部材5は、巻回部2a,2b及びコア片31a,31b,32を保持して、巻回部2a,2bに対するコア片31a,31b,32の位置決めに利用される。保持部材5は、代表的には、巻回部2a,2bに対して所定の隙間を設けるようにコア片31a,31bを保持する。リアクトル1が後述する樹脂モールド部6を備える場合、上記隙間は流動状態の樹脂の流路に利用できる。従って、保持部材5は、樹脂モールド部6の製造過程で上記流路を確保することにも寄与する。
図1に例示する保持部材5は、コア片31a,31bの端部と第三のコア片32との接触箇所及びその近傍に配置される長方形の枠状の部材である。例えば、保持部材5は、以下の貫通孔と、支持片と、コイル側の溝部と、コア側の溝部とを備えるものが挙げられる。保持部材5の詳細は図示しない(類似の形状として特許文献1の外側介在部52参照)。貫通孔は、保持部材5において第三のコア片32が配置される側(以下、コア側と呼ぶ)から巻回部2a,2bが配置される側(以下、コイル側と呼ぶ)に貫通し、コア片31a,31bが挿通される。支持片は、貫通孔を形成する内周面から部分的に突出してコア片31a,31bの外周面の一部(例、角部)を支持する。コア片31a,31bが支持片に保持されると、巻回部2a,2bとコア片31a,31bとの間には、支持片の厚さに応じた隙間が設けられる。コイル側の溝部は、保持部材5のコイル側に設けられ、各巻回部2a,2bの端面及びその近傍が嵌め込まれる。コア側の溝部は、保持部材5のコア側に設けられ、第三のコア片32におけるコア片31a,31bとの接触面及びその近傍が嵌め込まれる。
保持部材5は、上述の機能を有すれば、形状や大きさ等を適宜変更できる。また、保持部材5は、公知の構成を利用できる。例えば、保持部材5は、上述の枠状の部材とは独立した部材であって、巻回部2a,2bとコア片31a,31bとの間に配置される部材を含んでもよい(類似の形状として特許文献1の内側介在部51参照)。
保持部材5の構成材料は、樹脂といった電気絶縁材料が挙げられる。樹脂の具体例は、上述の複合材料の成形体の項を参照するとよい。代表的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。保持部材5は、射出成形等の公知の成形方法によって製造できる。
〈樹脂モールド部〉
その他、リアクトル1は、磁性コア3の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部6を備えてもよい。図1では、樹脂モールド部6を二点鎖線で仮想的に示す。
樹脂モールド部6は、磁性コア3の少なくとも一部を覆うことで、磁性コア3を外部環境から保護したり、機械的に保護したり、磁性コア3とコイル2や周囲部品との間の電気絶縁性を高めたりする機能を有する。樹脂モールド部6は、図1に例示するように磁性コア3を覆い、巻回部2a,2bの外周を覆わず露出させると、放熱性にも優れる。巻回部2a,2bが液体冷媒等の冷却媒体に直接接触できるためである。
樹脂モールド部6の一例として、図1に示すように巻回部2a,2bの内側に存在し、コア片31a,31bの少なくとも一部を覆う内側樹脂部61と、巻回部2a,2bの外側に存在し、第三のコア片32の少なくとも一部を覆う外側樹脂部62とを備える形態が挙げられる。また、樹脂モールド部6は、内側樹脂部61と外側樹脂部62とが連続する一体成形物であり、磁性コア3を構成するコア片31a,31b,32を一体に保持することが挙げられる。樹脂モールド部6によって磁性コア3を構成するコア片31a,31b,32が一体に保持されることで、磁性コア3の一体物としての剛性を高められ、強度に優れるリアクトル1とすることができる。その他、保持部材5が巻回部2a,2bとコア片31a,31bとの間に配置される部材を含む場合等では、樹脂モールド部6は、内側樹脂部61を備えておらず、実質的に第三のコア片32のみを覆うものであってもよい。内側樹脂部61を備える場合、内側樹脂部61の一部は、スリット部7の内部空間に充填されて樹脂ギャップとして機能する。内側樹脂部61を備えていない場合、スリット部7はエアギャップとして機能する。
内側樹脂部61,外側樹脂部62の被覆範囲、厚さ等は適宜選択できる。例えば、樹脂モールド部6は磁性コア3の外周面の全面を覆ってもよい。又は、例えば、外側樹脂部62は第三のコア片32の一部を覆わずに露出させてもよい。又は、例えば、樹脂モールド部6は、概ね一様な厚さでもよいし、局所的に厚さが異なっていてもよい。その他、樹脂モールド部6は、内側樹脂部61がコア片31a,31bにおけるコア片32との連結箇所及びその近傍のみを覆う、又は内側樹脂部61を備えておらず、実質的にコア片32のみを覆うものであってもよい。
樹脂モールド部6の構成材料は、各種の樹脂が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の一例として、PPS樹脂、PTFE樹脂、LCP、PA樹脂、PBT樹脂等が挙げられる。上記構成材料は、樹脂に加えて、熱伝導性に優れる粉末、上述の非磁性材料からなる粉末を含有してもよい。上記粉末を含む樹脂モールド部6は、放熱性に優れる。その他、樹脂モールド部6の構成樹脂と保持部材5の構成樹脂とが同じ樹脂であれば、両者の接合性に優れる。また、両者の熱膨張係数が同じであるため、熱応力による樹脂モールド部6の剥離や割れ等を抑制できる。樹脂モールド部6の成形には、射出成形等が利用できる。
〈リアクトルの製造方法〉
実施形態1のリアクトル1は、例えば、コア片31a,31b,32を用意して、コイル2と組み付けることで製造できる。適宜、保持部材5を組み付ける。樹脂モールド部6を備える場合には、コイル2と磁性コア3と保持部材5とを組み付けたものを樹脂モールド部6の成形金型(図示せず)に収納し、流動状態の樹脂によって磁性コア3を被覆することで製造できる。
複合材料の成形体からなるコア片31aは、上述のようにキャビティ内にスリット部7を成形する型材を備える成形型を利用して、射出成形等で製造するとよい。
樹脂モールド部6の製造では、流動状態の樹脂を一方のコア片32から他方のコア片32に向かう一方向の充填を利用できる。又は二つのコア片32のそれぞれから巻回部2a,2b内に向かう二方向の充填を利用できる。
〈用途〉
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品、例えば種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
〈主要な効果〉
実施形態1のリアクトル1は、第一のコア片31aに備えられるスリット部7を磁気ギャップとして利用できる。第一のコア片31aが複合材料の成形体から構成され、複合材料中の樹脂が磁気ギャップとして機能することからも、磁気飽和し難い。従って、リアクトル1は、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。
また、実施形態1のリアクトル1は、スリット部7が第一のコア片31aに一体に成形されている。そのため、ギャップ板等が不要であり、部品点数を削減できる。部品点数が少ないことで、リアクトル1を組み立て易い。コア片とギャップ板とを接着剤で接合しなくてよく、接着剤の固化時間も省略できる。従って、リアクトル1は、製造性に優れる。第一のコア片31aが複合材料の成形体から構成されるため、スリット部7を有していても射出成形等で容易に成形できる。このことからも、リアクトル1は、製造性に優れる。
更に、実施形態1のリアクトル1は、以下の効果を奏する。
(a)スリット部7が巻回部2aの内側に配置される。そのため、巻回部2aの外側に配置される場合に比較して、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。従って、リアクトル1は、所定のインダクタンスを良好に確保できる。
(b)複合材料の成形体からなる第一のコア片31aは、電磁鋼板の積層体や圧粉成形体に比較して磁気飽和し難い。この点から、スリット部7の厚さtを薄くし易い。スリット部7の厚さtが薄いことで、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。巻回部2aと第一のコア片31aとを近接させても、上記漏れ磁束に起因する損失(例、銅損)を低減できる。第一のコア片31aが樹脂を含むことで電気絶縁性に優れることからも、巻回部2aと第一のコア片31aとを近接させ易い。上述の近接配置によって、小型にし易い。従って、リアクトル1は、低損失で、小型である。
(c)複合材料の成形体からなる第一のコア片31aは、樹脂を含むことで、電気絶縁性に優れるため、渦電流損失(鉄損)といった交流損失を低減できる。従って、リアクトル1は、低損失である。
(d)第一のコア片31aは、スリット部7が閉じた側の領域の体積をある程度大きく確保し易いため、機械的強度に優れる。このような第一のコア片31aを含むリアクトル1は、強度にも優れる。
[実施形態2]
以下、主に図4を参照して、実施形態2のリアクトル1を説明する。
図4では、ケース4の内部が分かり易いように、ケース4については、ケース4の深さ方向に平行な平面で切断した断面を示す。コイル2については、巻回部2a,2bの軸方向に平行な平面で切断した断面を示す。
実施形態2のリアクトル1の基本的構成は、実施形態1と同様である。概略を述べると、実施形態2のリアクトル1は、巻回部2a,2bを有するコイル2と、コア片31a,31b,32を有する磁性コア3とを備える。主として一方の巻回部2a内に収納される第一のコア片31aは、複合材料の成形体からなる。第一のコア片31aは巻回部2a内に配置される箇所にスリット部7を備える。本例では、主として他方の巻回部2b内に収納される第二のコア片31bも複合材料の成形体からなる。第二のコア片31bはスリット部7を有さない。コア片31a,31bにおける複合材料の組成等は実質的に等しい。
特に、実施形態2のリアクトル1は、コイル2と磁性コア3とを含む組物を収納するケース4を備える点が実施形態1との相違点の一つである。以下、ケース4を詳細に説明し、実施形態1と重複する構成及び効果は詳細な説明を省略する。
ケース4の構成材料は、金属であることが好ましい。金属は樹脂よりも熱伝導性に優れる。そのため、金属製のケース4は、上記組物の放熱経路として利用できるからである。金属の具体例として、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。
ケース4の形状、大きさは、上述の組物を収納可能であれば、特に問わない。本例のケース4は、図4に示すように平板状の底部40と、底部40から立設する壁部41とを備える箱体である。また、本例では、壁部41の内壁面41iは、底部40に対して非直交に傾斜する。詳しくは、内壁面41iは、底部40側から開口側に向って開口幅(ここでは、図4の紙面左右方向に沿った長さ)が大きくなるように底部40に対して傾斜する。内壁面41iが上述のように傾斜することで、ケース4の製造性に優れる。ケース4を鋳造法等で製造する場合にケース4を鋳型から抜き取り易いからである。壁部41の内壁面41iが底部40に対して直交するように壁部41を設けてもよい。
コイル2と磁性コア3とを含む組物は、以下のようにケース4内に収納される。スリット部7を有する第一のコア片31a及び第一のコア片31aが配置される一方の巻回部2aがケース4の底部40に近い側に位置する。かつ、スリット部7を有さない第二のコア片31b及び第二のコア片31bが配置される他方の巻回部2bがケース4の開口部に近い側に位置する。そして、本例では、ケース4の底部40は、冷却機構を内蔵する設置対象(図示せず)に載置される。その結果、スリット部7を有する第一のコア片31a及び一方の巻回部2aは、上記設置対象に近い側に配置される。かつ、スリット部7を有さない第二のコア片31b及び他方の巻回部2bは、上記設置対象から離れる側(ケース4の開口側)に配置される。
《主要な効果》
実施形態2のリアクトル1は、以下に説明するように放熱性に優れる。スリット部7を有する第一のコア片31aが配置される一方の巻回部2aは、スリット部7を有さない第二のコア片31bが配置される他方の巻回部2bに比較して、スリット部7からの漏れ磁束に起因して発熱し易い。しかし、ケース4(特に底部40)が設置対象によって冷却されると、第一のコア片31a及び一方の巻回部2aは、ケース4の底部40を介して上記設置対象に効率よく伝熱できる。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態1,2に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(変形例A)コイルが二つの巻回部を備える場合に、各巻回部内に配置される箇所を含むコア片がいずれもスリット部を備える。
この形態は、スリット部の個数を多くできる。そのため、各コア片に備えられるスリット部の厚さを小さくし易い。スリット部の厚さが小さいことで、スリット部からの漏れ磁束を低減できる。ひいては、上述のように低損失で小型なリアクトルにできる。また、主として巻回部内に配置されるコア片を一つの成形型で成形できる。そのため、複数種の成形型が不要であり、製造コストを低減できる。
(変形例B)第一のコア片が直方体以外の形状である。
例えば、第一のコア片を円柱体や楕円柱体としてもよい。この場合、スリット部の開口縁において第一のコア片の周方向に沿った部分の形状は、代表的には円弧状や楕円弧状である。スリット部を構成する内壁面の形状は、上述の円弧状や楕円弧状の開口縁と、開口縁の両端を繋ぐ弦や直線とで描かれる湾曲形状が挙げられる。また、この形態は、例えば、スリット部における第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さが第一のコア片の周長の1/3以上1/2以を満たせば、上述のように磁気飽和し難い上に、型材を抜き取り易く、製造性にも優れる。特に、第一のコア片が楕円柱体である場合、スリット部の深さ方向は、上述のように断面について仮想の長方形をとり、この長方形の短辺に沿った方向であることが好ましい。
(変形例C)第一のコア片が直方体状であり、スリット部は、四つの周面のうち、一つの周面にのみ開口し、残り三つの周面が閉じている。
この形態では、スリット部における上述の開口縁の長さがある程度長ければ、例えば、上述のように第一のコア片の周長の1/3以上であれば、スリット部が磁気ギャップとして良好に機能する。但し、実施形態1で説明したスリット部7のように、直方体状の第一のコア片31aにおいて、四つの周面313~316のうち、三つの周面313~315に連続して開口すると、スリット部7を成形する型材を抜き取り易く、製造性に優れる。
(変形例D)スリット部を構成する内壁面が第一のコア片の外周面に対して非直交に交差する。
図3Aを参照して、変形例Dを説明する。
図3Aに示す第一のコア片31Aは、スリット部7Aを構成する内壁面71と内底面70とを備える。各内壁面71は、第一のコア片31Aの外周面(ここでは周面314)に非直交に交差する。図3Aでは、内壁面71における周面314に対する交差角度が90°超である場合を例示する。各内壁面71は、内底面70側からスリット部7Aの開口側に向かって、向かい合う内壁面71の間隔が広くなるように傾斜する。内底面70は、第一のコア片31Aの軸方向に沿って配置される。そのため、スリット部7Aにおける周面313の開口形状は台形状である。
スリット部7Aの成形には、端面形状が台形状である柱状体の型材を利用できる。このような特定の形状の型材は、第一のコア片31Aを成形後、スリット部7から抜き取り易い。従って、この形態は、第一のコア片31Aを成形し易く、製造性により優れる。
(変形例E)磁性コアを構成するコア片が全て複合材料の成形体からなる。
この形態は、例えば、複合材料の成形体と圧粉成形体とを備える実施形態1に比較して、磁気飽和し難い。そのため、スリット部の厚さを薄くし易い。スリット部からの漏れ磁束を低減できることで、低損失なリアクトルにできる。また、各コア片が電気絶縁性にも優れ、渦電流損失(鉄損)といった交流損失を低減できることからも、低損失である。
(変形例F)磁性コアを構成するコア片の個数が2個、3個、又は5個以上である。
コア片の個数が少ないほど、リアクトルの部品点数を削減でき、製造性に優れる。コア片の個数が多いと、実施形態1で説明したように各コア片の構成材料の自由度を高められ、磁気特性等を調整し易い。
コア片の個数が2個の場合、例えば、U字状のコア片を二つ備える形態、L字状のコア片を二つ備える形態、U字状のコア片とI字状のコア片とを備える形態等が利用できる。いずれの形態も、複合材料の成形体からなるコア片を含み、このコア片において巻回部内に配置される箇所にスリット部を備えるとよい。
(変形例G)第二のコア片を複合材料の成形体以外にする。
例えば、第二のコア片を圧粉成形体等としてもよい。
(変形例H)巻回部内に配置される箇所を含むコア片の外周形状が巻回部の内周形状に非相似である。
この形態は、巻回部とコア片との間隔を広く確保し易い。そのため、スリット部からの漏れ磁束に起因する損失(例、銅損)を低減できる。
(変形例I)リアクトルが以下の少なくとも一つを備える(いずれも図示せず)。
(I-1)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ等のリアクトルの物理量を測定するセンサ。
(I-2)コイルの巻回部の外周面の少なくとも一部に取り付けられる放熱板。
放熱板は、例えば金属板、熱伝導性に優れる非金属無機材料からなる板材等が挙げられれる。特にスリット部を備える第一のコア片が配置される巻回部に放熱板を設けると、放熱性に優れて好ましい。上述のようにスリット部を有する第一のコア片が配置される一方の巻回部は、スリット部を有しない第二のコア片が配置される他方の巻回部に比較して、発熱し易いからである。第一のコア片が配置されない巻回部に放熱板を設けてもよい。
(I-3)リアクトルの設置面と設置対象、又は上述のケース4の内底面(図4参照)、又は上記の放熱板との間に介在される接合層。
接合層は、例えば接着剤層が挙げられる。電気絶縁性に優れる接着剤とすると、放熱板が金属板であっても、巻回部と放熱板との間の絶縁性を高められて好ましい。
(I-4)外側樹脂部に一体に成形され、リアクトルを設置対象に固定するための取付部。
1 リアクトル
2 コイル
2a,2b 巻回部
3 磁性コア
31a,31A,31B,31C,31D 第一のコア片
31b 第二のコア片、32 第三のコア片
311,312 端面、313,314,315,316 周面
4 ケース
40 底部、41 壁部、41i 内壁面
5 保持部材
6 樹脂モールド部
61 内側樹脂部、62 外側樹脂部
7,7A スリット部
70 内底面、71 内壁面

Claims (8)

  1. 隣り合って並ぶ二つの巻回部を有するコイルと、
    前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
    前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
    前記複数のコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片及び第二のコア片を含み、
    前記複合材料における前記樹脂の含有量は10体積%以上70体積%以下であり、
    前記第一のコア片は、一方の前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
    前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
    前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられており、
    前記第二のコア片は、他方の前記巻回部の内側に配置される箇所を含み、前記スリット部が設けられていない、
    リアクトル。
  2. 前記スリット部の深さにおける前記軸方向に直交する方向に沿った大きさは、前記第一のコア片における前記軸方向に直交する方向に沿った長さの1/3以上1/2以下である請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第一のコア片は、複数の前記スリット部を備える請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第一のコア片を前記軸方向に直交する平面で切断した断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、
    前記スリット部の深さ方向は、仮想の前記長方形の短辺に沿った方向である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記スリット部における前記第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さは、前記第一のコア片の周長の1/3以上1/2以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
    前記巻回部の外側に配置される第三のコア片の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記第三のコア片の比透磁率は、50以上500以下である請求項に記載のリアクトル。
  8. 前記磁性コアの少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
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