JP6610763B2 - 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 - Google Patents
熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6610763B2 JP6610763B2 JP2018222850A JP2018222850A JP6610763B2 JP 6610763 B2 JP6610763 B2 JP 6610763B2 JP 2018222850 A JP2018222850 A JP 2018222850A JP 2018222850 A JP2018222850 A JP 2018222850A JP 6610763 B2 JP6610763 B2 JP 6610763B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- heat
- shrinkable
- less
- label
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
包装用熱収縮性ラベル用途などの場合、遮光性に加えて、デザインの鮮明性や光沢度などに代表されるラベルの外観も重要となる。また、飲料包装用熱収縮性ラベル用途の場合、特にビール、清酒、ワイン等のアルコール飲料や、緑茶、ビタミン入り飲料など、特定波長領域の光によって変色や変質が起こりやすい飲料包装用ラベルに用いられる場合は、デザインの鮮明性や光沢等のラベルの外観とともに、高いレベルの遮光性能が要求され、異物混入等の改竄を防ぐ目的で内容物の状態、液面が確認できることと遮光性能の両立が求められる。
[1]少なくとも一方向に延伸されてなる熱収縮性フィルムであって、前記フィルムは、波長200〜500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域の割合が50%以上であり、かつ波長200〜500nmにおいて光線反射率が30%以下であり、光沢度が90%以上であり、かつ表面粗さが60nm以下であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
[3]前記着色剤を含有する層の厚みが、フィルム全体厚みに対して30〜98%である前記[1]または[2]に記載の熱収縮性フィルム。
[4]80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%〜80%である前記[1]から[3]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[5]ポリエステル系樹脂を主成分とする層を少なくとも1層有する前記[1]から[4]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[6]前記ポリエステル系樹脂が、下記(A)または/および(B)を含有する混合物である前記[5]に記載の熱収縮性フィルム。
(A)ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分がエチレングリコールを主成分とし、さらに1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールのうちいずれか1種以上を含むポリエステル系樹脂
(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリトリメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上を含むポリエステル系樹脂
[7]前記[1]から[6]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する成形品。
[8]前記[1]から[6]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
[9]前記[7]に記載の成形品を用いた、または前記[8]に記載の熱収縮性ラベルを装着した、容器。
本発明のフィルムは、少なくとも一方向に延伸されてなる熱収縮性フィルムであって、前記フィルムは、波長200〜500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域の割合が50%以上であり、かつ波長200〜500nmにおいて光線反射率が30%以下であり、光沢度が90%以上であり、かつ表面粗さが60nm以下であることを特徴とするものである。
本発明のフィルムは、波長200〜500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域が50%以上であることが重要である。上記5%以下となる波長領域は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
また、本発明のフィルムは、波長200〜500nmにおいて光線透過率が20%以下となる波長領域が60%以上であることが好ましく、20%以下となる波長領域は、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
光線透過率を上記範囲とすることにより、飲料用ラベル用途、特には、ビール、清酒、ワイン等のアルコール飲料や、緑茶、ビタミン入り飲料など、特定波長領域の光によって変色や変質が起こりやすい飲料等の包装用としても使用可能な、十分な遮光性能を得ることができ、同時に、飲料用ラベルに求められる美麗性、鮮明性、光沢感を得ることができ、遮光性とラベルとしての外観の両立が可能となる。なおこの光線透過率の範囲は、着色剤の種類や含有割合、着色剤を含む層の厚み等により調整することができる。
本発明のフィルムは、波長200〜500nmにおいて光線反射率が30%以下であることが重要である。光線反射率が30%以下の範囲は、200〜550nmが好ましく、200〜600nmがより好ましい。光線反射率を上記範囲とすることにより、容器内の内容物の状態や液面を確認することが可能となり、改竄防止の観点から好ましい。この光線反射率の範囲は、着色剤の種類や含有割合、着色剤を含む層の厚み等により調整することができる。
<着色剤>
本発明のフィルムに用いる着色剤は、フィルムを着色できるものであれば特に制限はなく、顔料であっても染料であっても構わないが、好ましくは顔料系着色剤であり、無機顔料,有機顔料を単独,または組み合わせて使用して、所望の色調と遮光性を付与する。具体的には、多様な色調を表現する為に赤系顔料、黄系顔料、青系顔料、緑系顔料、茶系顔料などを用いることができる。また、隠蔽性や遮光性を上げるために白系顔料、黒系顔料を用いることができる。
赤系顔料としては、例えば、カドミウムレッド、カドモポンレッド、クロムレッド、バーミリオン、ベンガラなどの無機顔料;アゾ系顔料、アリザリンレーキ、キナクリドン、コチニールレーキペリレンなどの有機顔料が挙げられる。黄系顔料としては、例えば、イエローオーカー、オーレオリン、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、クロムイエロー、ジンクイエロー、ネイプルスイエロー、ニッケルイエローなどの無機顔料;アゾ系顔料、グリニッシュイエローなどの有機顔料が例示される。青系顔料としては、例えば、ウルトラマリン、岩群青、コバルトなどの無機顔料;フタロシアニン、アントラキノン、インジコイドなどの有機顔料が挙げられる。緑系顔料としては、例えば、シナバーグリーン、カドミウムグリーン、クロムグリーンなどの無機顔料;フタロシアニン、アゾメチン、ペリレンなどの有機顔料が挙げられる。茶系顔料としては、例えば、アンバー、ローアンバー、バーントアンバー、イエローオーカー、ヴァンダイクブラウン、シェンナ、ローシェンナ、バーントシェンナ、ベンガラなどの無機顔料;セピアなどの有機顔料が例示される。白系顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛,リトポンなどがの無機顔料が挙げられる。黒系顔料としては、代表例としてカーボンブラックが挙げられる。
これらの中でも遮光性能と美麗性と鮮明性の観点から、有色系顔料を用いることが好ましく、中でも茶系顔料、緑系顔料がより好ましく、茶系顔料であることがさらに好ましい。
なお、これら着色剤は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれら着色剤にはさらに、金属微粒子が添加されていてもよい。また着色剤は、種々公知の方法によって各種の分散処理が施されたものであってもよい。
本発明のフィルムは、光沢度の値が90%以上であることが重要である。光沢度が90%以上であれば、フィルムの鮮明性や光沢感が失われず、収縮後のフィルム外観にも優れ、商品の高級感が損なわれることがないため好ましい。光沢度は、層構成,着色剤の添加量,樹脂の構成により調整できる。
本発明のフィルムは、表面粗さが60nm以下であることが重要である。表面粗さは、50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。表面粗さが上記範囲内であれば、フィルムが曇ることもなく、鮮明性や光沢感に優れた良好なフィルム外観を得ることができ好ましい。表面粗さは、層構成,着色剤の添加量,樹脂の構成により調整できる。
本発明のフィルムは、L*値が10以上であることが好ましく、30以上がより好ましく、50以上がさらに好ましい。また、b*値が0以上であることが好ましく、20以上がより好ましく、40以上がさらに好ましい。a*値については特に制限されない。色差が上記範囲内であれば、遮光性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。なおこの色差は、着色剤の種類や含有割合等により調整することができる。
本発明のフィルムを少なくとも1層が着色剤を含有する層である熱収縮性フィルムとする場合、着色剤を含有する層の片側、または両側に着色剤を含まない層を積層することが好ましい。また必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でさらに別の層を追加することもできる。
本発明のフィルムの、着色剤を含有する層の全体の厚みに対する厚み比は、下限は30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、また上限は、98%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下がさらに好ましい。着色剤を含有する層の厚み比が前記範囲内であれば、本発明のフィルムの鮮明性と光沢度と遮光性能とのバランスを好適なものとすることができ好ましい。
熱収縮率とは、後述するように、縦方向あるいは横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表したものである。これは、ペットボトルの収縮ラベル用途等の比較的短時間(数秒〜十数秒程度)での収縮加工工程への適応性を判断する指標となる。なお、「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸倍率の大きい方を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。
本発明のフィルムは、80℃の温水中に10秒間浸漬させたときの主収縮方向の熱収縮率が20%〜80%であることが好ましい。80℃の温水中に10秒間浸漬させたときの主収縮方向の熱収縮率の下限は、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上であり、上限は、より好ましくは75%以下、さらに好ましくは70%以下である。
なお、本発明のフィルムをフルシュリンクラベル等の用途に用いる場合は、80℃の温水中に10秒間浸漬させたときの主収縮方向の熱収縮率は40%以上とすることが好ましい。40%以上であれば、ペットボトル全体を覆っても蓋上部まで皺などがなく外観に優れた良好な収縮仕上がり性を得ることができるため好ましい。
本発明のフィルムの80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率は、フィルム製造時における延伸温度および延伸倍率を適宜調整することにより所望の熱収縮率とすることができる。
80℃の温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%以下であれば、収縮後の主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなり難く、収縮後の印刷柄や文字の歪み等も生じ難いため好ましい。また、例えば被装着物が角型ボトル等の場合に発生し易い、縦ひけ等のトラブルも発生し難いため好ましい。主収縮方向と直交する方向の熱収縮率もまた、前記主収縮方向の熱収縮率と同様に調整しうる。
本発明のフィルムに用いるポリエステル系樹脂は、具体的には、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合させることにより得られる、いわゆる芳香族ポリエステル、あるいは、脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
リコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。これらジオール成分は、2種以上用いてもよい。これらジオール成分の中でも、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジオールを用いることが本発明において好適である。
ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸エステル)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)等が挙げられる。またこれらは、共重合可能なその他のモノマーとの共重合体であってもよい。
ジオールとジカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ブチレンサクシネート−ブチレンアジペート共重合体、ブチレンサクシネート−ブチレンテレフタレート共重合体、ブチレンアジペート−ブチレンテレフタレート共重合体、エチレンサクシネート−エチレンテレフタレート共重合体等が挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルの共重合体、いわゆる脂肪族芳香族ポリエステルを用いることもできる。脂肪族芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、などを挙げることができる。
なお、上記主成分とは、全ポリエステル系樹脂成分中におけるジカルボン酸成分、ジオール成分を各々100モル%(合計200モル%)としたとき、各成分においてモル比率が最も高いものを主成分という。同様に2番目に高いものを第2成分といい、第2成分以降を含有しても構わない。第2成分の含有量は、全ジオール成分100モル%中、好ましくは10モル%以上45モル%以下であり、より好ましくは20モル%以上40モル%以下である。
また、本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で本発明のフィルムを構成する層の主成分となる樹脂とは異なる他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。具体的には、ポリエステル系エラストマー、コア−シェル型、グラフト型又は線状のランダム及びブロック共重合体のようなゴム状改質剤などが挙げられる。
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の原料を計量、混合し、1台または複数台の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にはロール延伸をし、横方向にはテンター延伸をし、アニールし、冷却し、巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。
縦方向の延伸と横方向の延伸の順序、並びに回数に特に制限は無く、縦延伸/横延伸、縦延伸/横延伸/縦延伸、横延伸/縦延伸、縦延伸/横延伸/横延伸などの組み合わせが挙げられる。延伸方向、延伸倍率を適宜調整することで、主たる延伸方向を横方向とし、主たる収縮方向が横方向のフィルム、または主たる延伸方向を縦方向とし、主たる収縮方向が縦方向のフィルムのいずれの延伸方法、フィルムも選択することができる。
また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
押出条件は用いる樹脂に応じて調整が必要であり、押出の温度やせん断の状態を最適化することにより着色剤を含む各種原材料の分散状態を制御することも、フィルムの種々の特性を所望の値にするのに有効である。
前記一軸延伸の範疇にある範囲内の延伸倍率で延伸した延伸フィルムは、主たる収縮方向と直交する方向の熱収縮率が大きくなりすぎることはなく、例えば、熱収縮ラベルとして用いる場合、容器に装着するとき容器の高さ方向にもフィルムが熱収縮する、いわゆる縦引け現象を抑えることができるため好ましい。
また、本発明のフィルムは、必要に応じて帯電防止処理、コロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工などを施すことができる。
本発明のフィルムは、遮光性能に優れ、鮮明性や光沢度、収縮後の仕上がり外観にも優れたものであるため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、各種樹脂のボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等の様々な成形品の基材として用いることができる。そして、得られる本発明の成形品は、容器等として使用できる。また、本発明のフィルムは、食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用の熱収縮性ラベルの基材として用いることができる。本発明の熱収縮性ラベルは、遮光性能に優れ、鮮明性や光沢度に優れる上、収縮特性にも優れるので、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、皺やアバタ等のない美麗に装着されたラベルとなる。そして、そのラベルを装置した本発明の容器は、各種用途用容器として使用することができる。
フィルムの主収縮方向および直交方向の収縮率の測定は下記の方法により行った。収縮率の測定方向に120mm、測定方向と直角する方向に10mmの大きさに切り出したサンプルを作製し、測定方向に100mm間隔の標線を付して、80℃の温水中に10秒間浸漬し、下記の式により収縮率を用いた。
収縮率={(100−L)/100}×100(%)
L(単位mm)は収縮後の標線間隔
近赤外、紫外、可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 商品名「U―3900H」)を用いて、波長200〜800nmの範囲における光線透過率を測定し、以下の基準で評価した。
◎:200−500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域が80%以上
○:200−500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域が50%以上
×:200−500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域が50%未満
近赤外、紫外、可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 商品名「U―3900H」)を用いて、波長200〜800nmの範囲における光線反射率を測定し、以下の基準で評価した。
○:200−500nmにおいて光線反射率が30%を超える波長領域なし
×:200−500nmにおいて光線反射率が30%を超える波長領域あり
JIS K7105に準拠して、光沢度を測定し、以下の基準で評価した。
○:90%以上 ×:90%未満
表面粗さ計測装置(電子線三次元粗さ解析装置:(株)エリオニクス製、表面形態解析ソフトウェア:菱化システム(株)製「VertScan2.0」)を用いて、倍率50倍にて、表面粗さを測定し、面粗さSaを以下の基準で評価した。
○:60nm以下 ×:60nmを超える
フィルムを、下記の350ml用ボトルを用いる場合は主収縮方向に205mm、下記の500ml用ボトルを用いる場合は主収縮方向に235mmで切り出し、主収縮方向に10mm分重なるように折り、重なった部分をヒートシールし、円筒状とする。次いで、この円筒状のフィルムを下記の350ml、並びに500mlの多面体ボトルにボトルの下面までかぶせて収縮仕上り評価用サンプルを作製した。評価用サンプルは蒸気加熱方式の長さ3m(3ゾーン構成)の収縮トンネル中を回転させずに、トンネル内の各ゾーンの温度を以下の温度条件として5秒間で通過させ、ボトルに収縮したフィルムのシワ、ムラがないか、収縮不足ではないかの確認を行い評価した。評価は各サンプルN=10で行った。シュリンカー内の温度条件は以下のように設定した。
温度条件:
1ゾーン/80〜85℃、2ゾーン/85〜95℃、3 ゾーン/95 〜100℃
蒸気を噴射するトンネル内のノズル位置:
1 ゾーン/ フィルム下部、2 ゾーン前半/ フィルム中央部、2 ゾーン後半/ フィルム全体、3 ゾーン/ フィルム全体
温度調整:
ノズルに通じる蒸気配管のバルブ開閉により蒸気量を調整して行う。
フィルムの主収縮方向と直交する方向の長さ(PETボトルの高さ方向)は、ボトル形状に応じてPETボトルのキャップ上部まで被覆する場合とPETボトルの胴部全体を被覆する場合で適宜調整した。
使用したPETボトル:
350ml用(高さ208mm、胴径60mm、口径26mm)
500ml用(高さ200mm、胴径66mm、口径26.5mm)
評価基準:
◎:PETボトルのキャップ上部まで被覆可能で、シワ、ムラ、収縮不足なし
○:PETボトルの胴部全体を被覆可能で、シワ、ムラ、収縮不足なし
△:PETボトルの胴部にて収縮不足、シワ、ムラのいずれかあり
測色計((株)スガ試験機製 型式「SC−T」)を用いて、透過方式にてJIS Z8729に基づき、L*値、a*値、b*値を測定した。
(ポリエステル系樹脂)
Pes1:ジカルボン酸残基がテレフタル酸残基100モル%、グリコール残基がエチレングリコール残基65モル%、ジエチレングリコール残基3モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基32モル%で構成される共重合ポリエステル
Pes2:ジカルボン酸残基がテレフタル酸残基90モル%、イソフタル酸残基10モル%、グリコール残基が1,4−ブタンジオール残基100モル%で構成される共重合ポリエステル
Pes3:ジカルボン酸基がテレフタル酸残基70モル%、イソフタル酸残基30モル%、グリコール残基がエチレングリコール残基100モル%で構成される共重合ポリエステル
(着色剤)
赤色マスターバッチ:前記Pes1に対し、C.I. Pigment Red 177 を10〜15%含有。
青色マスターバッチ:前記Pes1に対し、C.I. Pigment Blue 15:3を1〜5%含有。
緑色マスターバッチ:前記Pes1に対し、C.I. Pigment Green 7 を1〜5%、カ−ボンブラックを1%未満、アゾ−ニッケル錯体顔料を5〜15%含有。
茶色マスターバッチ:前記Pes1に対し、C.I. Pigment Red 101 を5〜10%、カーボンブラックを1%未満、アゾ−ニッケル錯体化顔料を1〜5%含有。
白色マスターバッチ:前期Pes1に対し、酸化チタンを60%含有。
(その他)
シリカマスターバッチ1:前記Pes1を90質量%、球状シリカ(平均粒径3.0μm)を10質量%含有。
着色剤として、茶色マスターバッチを25質量%配合し、Pes1を60質量%、Pes2を14質量%、シリカマスターバッチを1質量%の割合でドライブレンドしたものを中心層組成物A1とした。
Pes1を85質量%、Pes2を14質量%、シリカマスターバッチを1質量%の割合でドライブレンドしたものを表裏層組成物B1とした。
中心層組成物A1と表裏層組成物B1を別々の押出機で押出し、多層成型用のTダイを用い延伸後の膜厚比率がB/A/B=1/7/1となるように270℃の溶融状態で積層させた後、ダイ温度270℃、ダイ幅240mm、リップギャップ1mmとなるTダイから押出し、キャスト温度65℃の設定でキャスティングし、幅=220mm、平均厚み=200μmのシートを得た。
次に、得られた原反シートの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で、横方向に延伸温度83℃、延伸倍率6倍で延伸を行い、L*値=35、a*値=10、b*値=50となる平均厚み39μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
中心層組成物A1を、Pes1を35質量%、Pes2を15質量%、Pes3を25質量%に変更し、表裏層組成物B1を、Pes1を60質量%、Pes2を15質量%、Pes3を25質量%に変更した以外は、実施例1と同様に、L*値=30、a*値=11、b*値=43となる平均厚み40μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
着色剤を緑色に変更し、膜厚比を表裏層/中間層/表裏層=1/6/1に変更した以外は、実施例1と同様に、L*値=52、a*値=−30、b*値=63となる平均厚み41μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
着色剤を緑色に変更し、膜厚比を表裏層/中間層/表裏層=1/6/1に変更した以外は、実施例2と同様に、L*値=54、a*値=−29、b*値=62となる平均厚み40μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
中心層組成物A1の着色剤を赤色に変更し、マスターバッチの添加量を15質量%に変更し、Pes1を70質量%に変更し、膜厚比を表裏層/中心層/表裏層=1/6/1に変更した以外は実施例1と同様に、L*値=19、a*値=34、b*値=11となる平均厚み40μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
中心層組成物の着色剤を青色に変更した以外は、実施例5と同様に、L*値=25、a*値=7、b*値=−30となる平均厚み41μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1示す。
膜厚比を表裏層/中心層/表裏層=1/2/1とした以外は、実施例1と同様に、L*値=50、a*値=8、b*値=60となる平均厚み39μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1示す。
膜厚比を1/10/1とした以外は、実施例1と同様に、L*値=29、a*値=20、b*値=38となる平均厚み40μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1示す。
フィルムの主収縮方向の収縮率を25%となるよう調整した以外は、実施例1と同様に、L*値=34、a*値=10、b*値=49となる平均厚み39μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
フィルムの主収縮方向の収縮率を18%となるよう調整した以外は、実施例1と同様に、L*値=34、a*値=11、b*値=50となる平均厚み39μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
着色剤として赤色マスターバッチを15質量%配合し、Pesを70質量%、Pes2を14質量%、シリカマスターバッチを1質量%の割合で配合し、設定温度250℃〜260℃に設定した同方向二軸押出機(東芝機械株式会社製、口径=25mmφ、L/D=40)に投入して溶融混練し、ダイ温度260℃、ダイ幅300mm、リップギャップ1mmとなるTダイから押出し、キャスト温度60℃の設定でキャスティングし、幅=280mm、平均厚み=200μmのシートを得た。
次に、得られた原反シートの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で、横方向に延伸温度83℃、延伸倍率6倍で延伸を行い、L*値=3、a*値=14、b*値=8となる厚み平均39μmの単層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
着色剤を青色に変更した以外は、比較例1と同様に、L*値=6、a*値=7、b*値=−21となる厚み平均39μmの単層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
上記着色剤を使用せず、Pes1を85質量%、Pes2を14質量%、シリカマスターバッチを1質量%の割合で配合し、比較例1と同様にして厚み平均42μmの単層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
着色剤として、白色マスターバッチを35質量%配合し、Pes1を50質量%とした以外は、実施例1と同様にして平均厚み39μmの積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
着色剤を使用せず、Pes1を60質量%、Pes2を15質量%、Pes3を25重量%の割合で配合し、平均46μmの単層フィルムを得た。これに実施例4と類似の色調になるように印刷を行い、L*値=55、a*値=−33、b*値=59となるフィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
着色剤を使用せず、Pes1を60質量%、Pes2を15質量%、Pes3を25重量%の割合で配合し、平均51μmの単層フィルムを得た。これに実施例6と類似の色調になるように印刷を行い、L*値=28、a*値=5、b*値=−27となるフィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表2に示す。
ものは得られなかった。
Claims (7)
- 少なくとも一方向に延伸されてなるポリエステル系樹脂を主成分とする層を表裏層に有する熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、かつ着色剤を含有する中間層を少なくとも1層有し、前記中間層は、0.25〜1.25%のアゾ−ニッケル錯体顔料と0.25%未満のカーボンブラックを含み、前記フィルムの片面または両面に機能性層を有し、前記フィルムは、波長200〜500nmにおいて光線透過率が5%以下となる波長領域の割合90%以上であり、かつ波長200〜500nmにおいて光線反射率が30%以下であり、かつ表面粗さが60nm以下であり、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%〜80%であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 前記機能性層が、コーティングによる層である、請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 前記着色剤を含有する層の厚みが、フィルム全体厚みに対して30〜98%である請求項1または2に記載のポリエステル系熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 前記ポリエステル系樹脂が、下記(A)または/および(B)を含有する混合物である請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(A)ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分がエチレングリコールを主成分とし、さらに1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールのうちいずれか1種以上を含むポリエステル系樹脂
(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリトリメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上を含むポリエステル系樹脂 - 請求項1から4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材として有する成形品。
- 請求項1から4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
- 請求項5に記載の成形品を用いた、または請求項6に記載の熱収縮性ラベルを装着した、容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018222850A JP6610763B2 (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018222850A JP6610763B2 (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014007720A Division JP6442828B2 (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019048470A JP2019048470A (ja) | 2019-03-28 |
JP6610763B2 true JP6610763B2 (ja) | 2019-11-27 |
Family
ID=65905247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018222850A Active JP6610763B2 (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6610763B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000056689A (ja) * | 1998-08-12 | 2000-02-25 | Fuji Seal Inc | 紫外線吸収性熱収縮ラベル |
JP2000094513A (ja) * | 1998-09-25 | 2000-04-04 | Teijin Ltd | ポリエステルフィルム |
JP2006328271A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリエステル系フィルム及び熱収縮性ラベル |
EP2233284B1 (en) * | 2007-12-27 | 2012-11-07 | Fuji Seal International, Inc. | Shrink film and cylindrical shrink label |
-
2018
- 2018-11-28 JP JP2018222850A patent/JP6610763B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019048470A (ja) | 2019-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN111629900B (zh) | 聚酯包装材料 | |
JP5151015B2 (ja) | 熱収縮性ポリエステル系フィルム及びラベルとその製造方法 | |
KR101951291B1 (ko) | 용기용 수지 피복 금속판 및 그 제조 방법 | |
JP6493275B2 (ja) | 空洞含有熱収縮性ポリエステル系フィルム | |
JP2023509523A (ja) | 色のグラデーションを有するブロー成形多層物品 | |
JP4464356B2 (ja) | 熱収縮性乳白フィルム、シュリンクラベル及びラベル付き容器 | |
US10076888B2 (en) | Multi-layer materials and articles made therefrom and methods of making | |
JP2005145066A (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JP3112086B2 (ja) | ブロー成形ボトル用遮光性樹脂組成物 | |
JP6442828B2 (ja) | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 | |
JP6610763B2 (ja) | 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品、または該ラベルを装着した容器 | |
JP2005219760A (ja) | 多層構造樹脂容器 | |
JP3159387B2 (ja) | 耐熱遮光性ボトル | |
JP2009214535A (ja) | 遮光性シュリンクフィルム | |
JP3807037B2 (ja) | 押出ラミネート法及びこの方法により得られる製缶用ラミネート | |
JP2002331581A (ja) | 熱収縮性ポリエステル系フィルム | |
JP4633286B2 (ja) | 熱収縮性ラベル用白色フィルム、それを用いた熱収縮性ラベル及び容器 | |
JP7007962B2 (ja) | 熱収縮性多層フィルム | |
JPH04115938A (ja) | 耐熱遮光性多層ボトル | |
JP2007203569A (ja) | 金属板貼り合わせ成形加工用積層フィルム | |
JP2006082855A (ja) | 合成樹脂製容器 | |
JP2004176042A (ja) | 容器成形用白色ポリエステルフィルムおよび容器 | |
JP2005068392A (ja) | 熱収縮性ポリエステル系フィルム | |
JP2958081B2 (ja) | 耐熱遮光性多層ボトル | |
JP2006082851A (ja) | 合成樹脂製容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181213 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190820 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190905 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191001 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191014 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6610763 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |