JP6609758B2 - 担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子およびその製造方法に関し、さらに具体的には、白金シェルを形成する前の担体担持パラジウムコアをナトリウム水酸化物を利用して製造したコアシェル型微粒子に関する。
本特許明細書において用いている用語について、以下のように定義する。
シェル:ある微粒子を下地として、下地の周囲に下地とは異なる物質が層状または部分的層状もしくは粒子の部分的集合の形に配置されているときシェル構造を形成しているという。下地のナノ粒子をコア粒子とし、コアシェル構造ということもある。
水素を燃料とする固体高分子形燃料電池(以下、PEFCという)は、電動輸送車両が利用可能な環境に優しいエネルギー装置と考えられている。このPEFCの電気化学触媒として、金属ナノ粒子、例えばパラジウムコア白金シュルナノ粒子のような二元金属系金属粒子は、白金のみを使用している触媒と比べて高い酸素還元活性を示すため、また、貴重な白金の使用量の低減となるため、多大な関心を集めている。
二元金属系金属粒子を用いた金属ナノ粒子を含有する触媒は、触媒効果の最大化と導電性確保のため、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェンのような高い表面積を有する多孔質のカーボン材料に分散されて固定されるのが一般的である。
近年、複数種類の金属元素からなる金属ナノ粒子は、一種類の金属のみのナノ粒子と比べて異なる特性を示すことが明らかになってきている。このため、2種類の金属を合金化させた合金ナノ粒子や、ある金属ナノ粒子を別の金属で被覆したコアシェル型ナノ粒子などが盛んに研究され、種々の提案がなされている。
コアシェル型ナノ粒子は、外部と接触するシェル層を均一に形成することができれば、シェル金属のみのナノ粒子とは異なる触媒活性が付与されると期待されている。これは、コア粒子が下地になることにより、シェル層の電子的な性質や結晶構造の幾何学的配置が修飾を受け、より効果的に目的とする反応の活性化エネルギーを低下させるためと推察されている。
また、触媒活性を持つ金属が非常に高価な場合は、コアシェル構造にすることで反応物と接触するシェル層に高価な金属を効果的に配置できるので経済的である。加えて、化学的に安定な貴金属をシェルとして均一に被覆することで、酸化、溶解しやすい卑金属を外部と遮蔽しつつ間接的に反応に関与させることができ、新たな触媒特性を発揮させることも可能になる。
触媒用途のコアシェル型金属ナノ粒子のなかでも注目されているのがパラジウムコア白金シェル粒子である。白金ナノ粒子は、様々な化学反応の触媒として知られているが、コストが問題となっており、広範に使用されるまでには至っていない。コストを含めて十分な生産性が得られるプロセスに限定的に採用されているのみであった。
少ない量の白金を効果的に使い、なるべく優れた触媒能を得ようという試みがなされており、近年では家庭用、自動車用の燃料電池の触媒のコストを下げるためにパラジウムコア白金シェル金属ナノ粒子が有効であると考えられるようになってきている。
しかしながら、コアシェル型金属ナノ粒子の合成において、シェル層を均一に被覆することは非常に難しいため、合成条件は実験室における限定的なものが多く、さらに、粒子径がシングルナノメーターの小さな値になると電子顕微鏡による詳細な観察、および電子線やX線を用いた分析も難しさを増してくるため、コアシェル構造を証明するデータも不確実さが残る場合が多かった。そのため、均一なシェル層をもつコアシェル型金属ナノ粒子を低コストで安定な品質を保ちつつ量産するプロセスはまだ実現していない。
非特許文献1において、主に燃料電池用触媒用途に関してパラジウムコア白金シェル粒子が有望であることを示す主張がされている。
特許文献1と2には、電極上において電位を調整することでパラジウム粒子表面に銅の単原子層を形成させ、続いて白金塩を添加することにより銅と白金を置換するアンダーポテンシャル析出法が記載されている。この方法は原理上、単原子層のシェルを形成させることができる点で優れているが、材料に均一に電子が伝達されないことや、反応物質が均一に供給されないことなどの理由から、白金によるシェル被覆が十分にされない場合がある。また、実験室で少量のコアシェル粒子を形成させて特性を分析するという目的にはかなった方法であるが、量産の際の生産性や自動化を考えた場合にはまだ難点が残る方法である。
一方、電極を用いない無電解めっきによりシェルを形成させる方法も提案されている。特許文献3では、白金塩の種類を検討することでパラジウム粒子上に白金シェル層を形成させ、被覆率を測定しているが、満足なものではなく、シェル層が均一な厚さかどうかも確定的でない。
コアシェル型金属微粒子を触媒として利用する場合、導電性があり、高表面積の微粒子や微粒子の連合体を担体に選び、その担体上に微粒子を目的にかなった密度で分布させることが重要であるため、粒子径はなるべく小さい方が望ましく、また、特性を揃えるために粒子径が揃っている方が望ましい。現在、触媒の調製法として用いられている含浸法では、担持された粒子が凝集しやすいこと、2種類以上の金属を均一に合金微粒子やコアシェル型微粒子にするのは困難なことなどが問題となっている。
反応液の加熱手段として、反応液にマイクロ波を照射することが行われている。特許文献4では、半導体発振器とマイクロ波共鳴キャビティを用い、連続フロー系の反応管を電場の定在波の最も大きな位置に配置することで、急速加熱や均一性を損なうことなく化学反応のための加熱を行う試みがなされている。シングルモード加熱方式と連続フロー系を組み合わせたこの方式は、マイクロ波加熱により反応が十分に促進され、短時間で完了する場合には極めて有用である。
液相還元法を用いてコア粒子を合成することで、シェル形成などのその後の修飾がやりやすくなるが、バッチ法を用いて生産性を上げようとすると、加熱、撹拌の不均一により核形成が不均一になりやすく、粒子径が揃わないなどの弊害があった。このため、現時点では、粒子径の揃ったと称されている金属ナノ粒子のほとんどは実験室レベルであり、金属ナノ粒子を製造するにあたり、品質を犠牲にせず生産性を上げることは困難であった。
特に、パラジウムコア白金シェルナノ粒子は触媒用途として期待されているものの、均一なシェル層を安定な品質でコストを抑えて製造することは難しい。
この点に対応した技術として特許文献5には、パラジウムコア粒子の合成にマイクロ波加熱を用い、水酸化物イオンを添加することでシェル形成反応を調整し、均一な白金シェル層を形成して、安定な品質および生産性向上の両立を図る技術が記載されている。
特開2011−218278号公報 特開2012−16684号公報 特開2012−120949号公報 特開2011−137226号公報 特開2015−223535号公報
NEDO成果報告書:「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/基盤技術開発/低白金化技術」(平成22年度〜平成24年度)平成22年度分中間報告
燃料電池の酸素還元触媒用のコアシェル粒子の製造方法として様々な方法が提案されているが、いずれの方法も、連続的に、シェル層を安定な品質でコストを抑えて製造することが困難である。例えば、特許文献5に記載の方法は、ナトリウム水酸化物イオンを添加することでシェル形成反応を調整して均一な白金シェル層の形成を目指しているが、特許文献5には安定な品質と生産性の向上の両立を図るための細部の条件は記載されていない。
本発明の解決しようとする課題は、酸素還元触媒としての担体担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型微粒子、まず、特に重視されるカーボン担持パラジウムコア白金シェル(以下、PdPtとも記す)のコアシェル型微粒子の製造方法として、水酸化ナトリウム(NaOH)を含む反応液を流通させ、カーボン担体存在下でマイクロ波を照射して連続的にカーボン担持パラジウムコア粒子を安定して製造するための条件を見出すこと、および、カーボン担持パラジウムコア粒子を合成した後、そこにNaOH溶液と白金原料を添加してカーボン担体存在下で安定して白金シェル層を形成させ、高性能で生産性の良いPdPtコアシェル型微粒子を製造するための条件を見出すことにある。
そして、本発明の解決しようとする課題は、上記の製造方法によって、高価な貴金属原料を無駄なく使用し、余分な工程を削減することによりPdPtコアシェル型微粒子を安価に提供することにある。
上記の課題を解決し、かかる目的を達成するため、本発明は、例えば以下のような構成を備える。
すなわち、本発明に係る金属微粒子の製造方法は、パラジウム前駆物質、前記前駆物質の還元剤、パラジウムの担体としてのカーボンを含有する反応液を、マイクロ波照射空間内に配置された流通管内に流通させるとともに、該マイクロ波照射空間内の該流通管内に向けて、均一かつ集中的にマイクロ波を照射し、このマイクロ波照射により前記マイクロ波照射空間内の前記流通管内にある反応液をその流通方向の長さ方向全体にわたって、均一に加熱し、金属微粒子を生成させる金属微粒子の製造方法において、前記反応液には水酸化ナトリウムが含まれ、該水酸化ナトリウムの混合量により前記金属微粒子の径を制御することを特徴とする。
そして例えば、前記反応液に混合する水酸化ナトリウムの混合量により該反応液の水酸化物イオン濃度を制御することにより金属微粒子の径を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る金属微粒子の製造装置は、マイクロ波照射空間と、該マイクロ波照射空間にマイクロ波を照射するマイクロ波発振器とを備えた金属微粒子の製造装置であって、前記流通管は、前記マイクロ波照射空間内に配置された部分に配置された部分を有し、前記反応液は前記マイクロ波照射空間内を流通するものであり、前記マイクロ波発振器から照射されるマイクロ波は、前記マイクロ波照射空間内において流通管内の反応液を流通方向の長さ方向全体にわたって均一に加熱するものであり、金属前駆物質と該金属前駆物質の還元剤とを含有する反応液を保持する反応液保持部と、前記反応液保持部に保持されている反応液に水酸化ナトリウム溶液を混合する混合手段とを備え、前記混合手段で混合された前記反応液を、前記流通管に流通させて金属微粒子を製造することを特徴とする。
そして例えば、前記混合手段は、前記反応液に混合する水酸化ナトリウムの混合量により該反応液の水酸化物イオン濃度を制御することにより金属微粒子の径を制御することを特徴とする。
以下、本発明の例を具体的に説明する。
課題を解決するためになされた第1の発明(以下、発明1という)は、アルコール類を分散媒とし、担体が分散している分散液にパラジウム前駆体(パラジウム原料)を加えて反応原料液とし、マイクロ波加熱することで前記パラジウム原料を還元して担体担持パラジウム微粒子を合成する担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法であって、水酸化カリウムを除く水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する添加剤を添加することを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法である。
発明1を展開してなされた第2の発明(以下、発明2という)は、発明1において、前記アルコール類がエチレングリコールであり、前記担体がカーボン微粒子であり、前記パラジウム前駆体がテトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムであり、前記添加剤として、前記パラジウム原料の物質量の4〜7倍の物質量の水酸化ナトリウムを添加し、カーボン担持パラジウム微粒子触媒をマイクロ波連続加熱法で製造する工程を含むことを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法である。
発明1または2を展開してなされた第3の発明(以下、発明3という)は、発明1または2において原料の担体分散液に燃料電池用アイオノマーを添加していることを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法である。
発明3を展開してなされた第4の発明(以下、発明4という)は、発明3において、前記添加されているアイオノマーがパーフルオロフッ化スルホニルビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの共重合体であることを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法である。
上記の課題を解決するためになされた第5の発明(以下、発明5という)は、発明1〜4のいずれかに記載の方法で製造したコロイドを原料とし、白金前駆体を含む溶液と、水酸化カリウムを除く水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する添加剤を加えて反応原料液とし常温で反応させることで担体担持パラジウムコア粒子に白金シェルを形成する担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法であって、前記白金前駆体溶液(白金原料)に前記添加剤を加えた後の、遊離、配位、吸着している水酸化カリウムを除く水酸化物イオン濃度が前記白金原料の物質量の2〜6倍になることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
発明5を展開してなされた第6の発明(以下、発明6という)は、発明5において、前記白金原料がヘキサクロロ白金(4)酸イオン含有溶液であり、前記添加剤が水酸化ナトリウムであり、該水酸化ナトリウム溶液を添加した後の、遊離、配位、吸着している水酸化カリウムを除く水酸化物イオン濃度が前記白金原料の物質量の2〜6倍になることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
発明5を展開してなされた第7の発明(以下、発明7という)は、発明5において前記担体がカーボン微粒子であり、カーボン担持パラジウム微粒子触媒をマイクロ波連続加熱法で製造し、カーボン担持パラジウム微粒子コロイドの形成工程と常温による白金シェル形成工程がひと続きの流路によりつながった、連続フロー法で行うことでカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒を製造する工程を含むことを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
発明7を展開してなされた第8の発明(以下、発明8という)は、発明7において、前記パラジウムコア白金シェル微粒子触媒を乾燥粉にした際、ナトリウムイオンが該乾燥粉に残存していることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
発明5〜8を展開してなされた第9の発明(以下、発明9という)は、発明5〜8のいずれかにおいて、原料の担体分散液に燃料電池用アイオノマーを添加していることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
発明9を展開してなされた第10の発明(以下、発明10という)は、発明9において、前記添加されているアイオノマーがパーフルオロフッ化スルホニルビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの共重合体であることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法である。
上記課題を解決するためになされた第11の発明(以下、発明11という)は、発明5〜10のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とするカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子である。
上記課題を解決するためになされた第12の発明(以下、発明12という)は、発明5〜10のいずれかに記載の製造方法で製造されたカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子を触媒として使用したことを特徴とする固体高分子形燃料電池である。
発明1〜12を参照すると共に、実施例などを参照しつつ課題を解決するためになされた第13の発明(以下、発明13という)は、0.1M過塩素酸水溶液を、幅14.5cm、高さ12.5cm、300ml以上の容量を有する対流ボルタンメトリー測定用ガラス製5つ口フラスコに加え、3L/分の窒素を30分間バブリングして酸素を追い出したものを電解液として、白金が0.96μg含まれるように触媒インクを塗布したグラッシーカーボン部分の直径5mmのグラッシーカーボン回転電極に、
温度25℃において、可逆水素電極を参照電極とした電位0.6Vを3秒間、1.0Vを3秒間の方形波を1サイクルとして電位サイクルを印加する耐久性試験を行ったとき、
0.1M過塩素酸水溶液を前記フラスコに加え、3L/分の酸素を30分間バブリングして窒素を追い出したものを電解液として使用し、
前記電極の回転速度1600[回転/分]、温度25℃、20[mV/秒]の高電位側への走査速度、の条件において、
可逆水素電極を参照電極とした電位0.9Vにおける酸素還元電流値をKoutecky−Levich式より導き、溶液抵抗を補償して算出する質量活性算出法を使用して、
10000電位サイクル後の酸素還元触媒としての白金質量活性、すなわち前記質量活性算出法における電流値を塗布した白金量0.96μgで除した値が耐久性試験前の質量活性の95%以上を維持できていることを特徴とするパラジウムコア白金シェル微粒子触媒である。
発明13を展開してなされた第14の発明(以下、発明14という)は、発明5〜10のいずれかに記載の製造方法を用いて製造された担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒において、発明13に記載の質量活性算出法によって算出したパラジウムコア白金シェル微粒子触媒の質量活性値が、初期活性がにおいて300〜400[A/g]であることを特徴とするパラジウムコア白金シェル微粒子触媒である。
本発明の見出した方法によるカーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型微粒子におけるカーボン担持パラジウムコア粒子の合成に水酸化ナトリウムを用い水酸化物イオン濃度を適切に調整すれば、前記微粒子が触媒用微粒子の場合、触媒性能が高く、耐久性の優れたカーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型微粒子を、安価に提供することができる。
本発明に係るカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子の製造方法を説明する図である。 本発明の実施の形態例としてのカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子の透過型電子顕微鏡像を説明する図である。 本発明の実施の形態例としてのカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子と白金微粒子の電気化学測定法による耐久性試験前後の酸素還元能(質量活性)を比較した図である。 本発明の実施の形態例としてのカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子の耐久性試験における電位サイクル回数に対する質量活性の維持率の推移を説明する図である。
1:パラジウムコア粒子の原料塩、カーボン担体、水酸化ナトリウム水溶液を溶媒に溶解、分散させた原料液およびそれを送液するポンプ
2:マイクロ波キャビティ反応系
3:白金シェル層形成液及びその送液ポンプ系
4:白金シェル層形成用原料液及び送液ポンプ系
5a,5b:ミキサーを用いる工程
6:白金シェル形成反応用タンク
7:カーボン担持パラジウムコア白金シェル触媒
7a:カーボン担体
7b:パラジウムコア白金シェル触媒
8a:負荷応答耐久性試験における初期活性を100%として表した点
8b:白金シェル形成反応用タンク
8c:負荷応答耐久性試験10000サイクル後の質量活性の維持率を表した点
8d:8aと8bを結んだ線
8e:8bと8cを結んだ線
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態例について詳細に説明する。なお、説明に用いる各図は本発明の例を理解できる程度に各構成要素の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。また、本発明の説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、必ずしも実施例などの実物と相似形でない場合もある。また、各図において、同様の構成には同一番号を付して重複説明を省略する。さらに、以下の説明では、誤解が生じない範囲において、金属微粒子の製造方法の説明で金属微粒子や金属微粒子の製造装置の説明を兼ねる場合があり、また、その逆の場合もある。
カーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子を製造する上でとりわけ大きな課題なのが、コストの低減と品質の向上である。できるだけ触媒性能が高く、耐久性に優れた性能を有し、安価に製造できる製造方法が望まれる。
置換めっき、無電解めっきにおいて、導電性担体に担持されたコア金属粒子にシェル構造を形成させるのは、さらに難易度が上がる。担体が導電性であるので電子が担体を流れ、酸化反応と還元反応が離れた位置で起こるおそれがあり、また、担体上でシェル金属の単独粒子が生成する副反応が生じるおそれもある。
均一なシェル構造を有するコアシェル金属微粒子の形成にはめっきと類似の工程が必要と思われるが、既存のめっき手法をそのまま適用できるわけではない。しかし、微粒子の表面全体にわたって、粒子内においても粒子間においても副反応なく均一にシェル層を成長させるためには、シェル原料物質の供給と反応性ができるだけ均一である必要がある。
シェル原料物質の供給が均一であるためには、反応速度が速すぎないことが必要である。反応性については、できるだけ、パラジウムコア粒子の表面にピンホールがなく白金シェル層が形成される反応のみを進行させ、シェル層形成完了後は反応が進行しない様に制御することが望ましい。
例えば、不要な副反応経路を抑制するために、白金塩がパラジウムコア粒子、またはパラジウムコア粒子を下地とする白金シェル層表面と接触したときのみ0価の金属として析出することが必須である。つまり、下地コア粒子と接触していないのに周囲の化学種から電子を引き抜いて金属核になったり、すでに存在する白金シェル層の上に過剰なシェル層を形成するような反応は抑えなければならない。また、置換めっきにより溶媒中へ遊離したパラジウム(2)イオンが何らかのかたちで再び還元されてもいけない。
このような反応制御を、反応液中に存在するすべてのパラジウムコア粒子と白金シェル原料塩について実現するために、添加剤を何種類も加えたりする方法は反応条件が不均一になりがちであり、とりわけ、PEFCにおいては触媒表面への有機分子の付着は活性を低下させるおそれがあり、念入りな洗浄工程が必要となってしまう。
ここでは、液相還元法を用いてコア粒子を合成することで、シェル形成などのその後の修飾が容易になるが、バッチ法を用いて生産性を上げようとすると、加熱、撹拌の不均一により核形成が不均一になりやすく、粒子径が揃わないなどの弊害がでてくる。現在知られている粒子径の揃ったと称されている金属ナノ粒子のほとんどは実験室スケールで合成されたものであり、金属微粒子を製造するにあたり、品質を犠牲にせず生産性を上げることの難しさが証明されることにもなる。
液相還元法における反応液の加熱手段として、特許文献5に記載された発明のように、反応液にマイクロ波を照射することが行われている。すなわち、ここでは、半導体発振器とマイクロ波共鳴キャビティを用い、連続フロー系の反応管を電場の定在波の最も強度の高い位置に配置することで、急速加熱で均一性を損なうことのない化学反応のための加熱を行っている。寸法と共鳴周波数を適合させたキャビティ内において単独の電磁場のモードを発生させる方式であるシングルモード加熱方式が特に好ましく、マイクロ波加熱により反応が十分に促進され、短時間で完了させる場合には極めて有用である。加えて、バッチ法で問題となる加熱、反応の不均一も著しく改善できる。
触媒用微粒子としてパラジウムコア白金シェルを合成する場合、微粒子を合成してから担持する方法には、均一な担持が難しく貴金属微粒子のロスがあるという困難と、分散剤の除去工程が必要という困難などがある。触媒微粒子を担体と混合して担持する場合、カーボン担体表面にもれなく触媒微粒子を吸着担持させるのは難しく、そうかといって触媒微粒子を過剰に加えるとカーボン担体上で凝集が起き、有効に利用できない触媒表面が生じたり、担持されない遊離の触媒微粒子が生じたりして、貴金属原料が触媒として有効に機能しなくなってしまう。PEFCにおいて、電池反応に関与しない高分子分散剤や有機化合物は、触媒表面に吸着して活性サイトを塞いだり、一酸化炭素となって触媒の被毒の原因になったりして電池の不具合の原因になるので、そのような物質は極力除去しておく必要がある。しかし、高表面積のカーボンを担体とした場合、高分子分散剤や界面活性剤など疎水基を有する化合物はカーボン担体に吸着しやすく、除去しづらい。完全に除去するには念入りな洗浄の繰り返しや不活性雰囲気下での焼成などが必要であり、工程数が増えてコスト増になる。このため、マイクロ波加熱により貴金属微粒子をカーボン担体に担持させる方法を用いれば、金属微粒子触媒を均一に担体に担持でき、条件を整えれば貴金属原料をほぼすべて触媒として転換させることも可能であり、非常に有用である。
マイクロ波をよく吸収する溶媒を用いることで、ヒーターやオイルバスなどの通常加熱よりも急速に加熱を行うことができ、短時間での反応の完結、エネルギーの有効利用などの利点がある。その観点から、これに狭く限定されないが、本発明の実施の形態例の一つでは、マイクロ波をよく吸収する代表的な溶媒であり、短時間でその沸点(196℃)近くまで加熱することができるエチレングリコールを用いた。
さらに、本発明の実施の形態例では、原料金属塩を還元することで金属ナノ粒子を合成している。この反応は、化学式で表現すると、
+(金属イオン)+ e-(還元剤から供給される電子) → M0(金属)・・・(1)
となる。
上記化学式の右項の0価の金属が数千個程度集まることで金属微粒子が構成される。
上記の金属イオンの原料や、電子を供給するための還元剤に何を用いるかで様々な製造方法が考えられるが、本発明の実施の形態例では、金属イオンとしてテトラクロロパラジウム酸ナトリウムと塩化白金酸を、還元剤としてエチレングリコールを用いた。
エチレングリコールは加熱されると還元力をもつようになり、化学式では、
エチレングリコール → e- + エチレングリコール酸化産物+水素イオン・・・(2)
と表現される。
マイクロ波で金属原料塩を含んだエチレングリコールを急速に加熱することで、エチレングリコールから急速に電子が多量に供給され、原料金属塩が急速に還元されることによって粒子径の小さい微粒子が合成できる。一方、ゆるやかな加熱では金属粒子の核形成と結晶成長が穏やかになり、粒子径の大きいナノまたはミクロン粒子が生成される傾向がある。
上記の式(2)では、エチレングリコールからの電子の供給とともに水素イオンが放出されるが、これが蓄積すると反応速度が減少し、粒子径の小さなナノ粒子が形成されづらくなる。しかし、水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する化合物を添加しておくことで水素イオン濃度の増大を抑制することができ、高い反応速度を維持することが可能となり、結果として粒子径の小さな微粒子を製造することができる。
水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する化合物の一例として、水酸化物を含む水酸化塩類である、水酸化アルミニウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化マンガン、水酸化亜鉛、水酸化ランタンなどを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、分散媒中で解離することで水酸化物イオンを生成する物質として、炭酸塩類などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施の形態例では、コアについてはマイクロ波加熱を用いて小さな粒子径のパラジウムコア粒子を合成し、白金のシェルについては、塩化白金酸を常温でゆっくりと反応させることで、白金単独の微粒子の生成を抑制し、均一な厚みのシェルを形成させている。これらの場合においては、水酸化ナトリウムを還元反応の促進剤として用いることを特徴としている。ここでは、水酸化カリウムを除く水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する添加剤として水酸化ナトリウムを添加することにより、高温での還元反応はより速くなるとともに、常温でもゆるやかに反応が進行するようになる。このため、均一な厚みのシェルを形成させることができるが、特に水酸化ナトリウムを用いることにより、シェルをより高品質に形成することが可能となる。
なお、水素イオン濃度の増大を抑制する化合物としてアミン類も考えられるが、アミン類がパラジウム原料や白金原料と錯体を形成したり、生成した微粒子表面に吸着する傾向が強いため、これら原料の反応性や粒子成長の様子が複雑に変化してしまう。金属の水酸化物も水酸化物イオンの供給源として考えられるが、エチレングリコール中で十分に溶解するものでなければならない。以降において詳述するように、本発明の発明者らは多くの実験の結果、カーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型触媒微粒子におけるパラジウムコア粒子の合成に水酸化物としての水酸化ナトリウムを用いることが特に好ましく、その条件を見出した。
本発明の実施の形態例では、上記の反応をカーボン担体の共存下で行っている。この場合、パラジウム微粒子はカーボンにくっついた状態で生成し、白金シェルもカーボン上のパラジウム微粒子の表面で成長し、カーボン担体上でコアシェル構造が形成される。
特許文献5では、カーボン担体が共存しない環境でパラジウムコア粒子と白金シェル粒子の合成を行っているが、カーボン担体共存下では、カーボンの凝集、カーボンの反応管における閉塞、パラジウムコア粒子の担体上への不均一分布、カーボン上での白金単独粒子の生成というような触媒にとって好ましくない反応経路が生じ得ることとなる。そのため、コア粒子の合成とそのカーボンへの担持を同時に連続反応系で行い、次いで、カーボンに担持されたコア粒子に均一なシェル層の形成を行うことができる本発明の製造方法は知られていなかった。
本発明の発明者らは、反応における水酸化物イオンの濃度がパラジウムコア粒子の形成において極めて重要であることを見出した。そして、多大な試行錯誤の結果、上記の望ましくない反応経路を抑制し、反応液を流通させながらマイクロ波を反応液に照射する連続合成法を用いて、性能の高いカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒を得る工程を完成させることができた。
以上を踏まえた本発明の実施の形態例を以下に具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例としてのカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子の製造装置の構成を概略的に示した図である。図1において、符号1は、パラジウムコア粒子の原料塩、アイオノマー、カーボン担体、水酸化ナトリウム原料を溶媒に溶解、分散させた反応原料液および反応原料液を送液するポンプを示している。具体的には、テトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウム(Na2PdCl4)と、Nafion(登録商標)と、Vulcan(登録商標)XC72と、水酸化ナトリウム水溶液と、EG(エチレングリコール)とを混合した反応原料液を次工程に送液する送液ポンプを示している。
符号2は、マイクロ波の電場を閉じ込めて反応管内の液体に照射して加熱するためのキャビティである。具体的には、上記の反応原料液作製工程で作製され送液されてくる反応液を、マイクロ波キャビティ内を通る反応管に流通させ、反応管内を流通する反応原料液にマイクロ波を照射するキャビティであり、マイクロ波照射系を構成している。
符号3は、水酸化ナトリウム水溶液およびそれを送液するポンプから構成された、白金シェル層形成液及びその送液ポンプ系を示しており、符号5aは、送液ポンプ系3により送液された水酸化ナトリウム水溶液と、符号2で示すマイクロ波キャビティ反応系により生成されたカーボン担持パラジウムナノ粒子分散液とをミキサーにより混合する工程を示す。
符号4は、白金シェル層形成の原料塩を溶解させた溶液およびそれを送液するポンプであり、符号5bは、ポンプ4により送液された白金原料溶液と、符号5aで示す工程により混合された分散液とをミキサーにより混合する工程を示す。符号6は、カーボン担持パラジウムコア粒子分散液と白金シェル形成のための原料の混合物を回収し、白金シェル形成反応を行うためのタンクを示している。
図1の構成において、具体的には、キャビティ2でマイクロ波照射工程におけるマイクロ波照射により反応原料液を100℃まで上昇させる。これを冷却してから、その後の工程に進み、符号5aの工程において水酸化ナトリウム水溶液と、さらに、符号5bの工程において塩化白金酸エチレングリコール溶液と混合し、約72時間、室温に放置して還元反応を進行させ、カーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子コロイドを作製する。
以下、実施例および比較例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに狭く限定されない。
<実施例>
Vulcan(登録商標)XC72が0.1重量パーセント、テトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムが2mMになるようにエチレングリコールに混合し、テトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムを完全に溶解させる。また、超音波をかけてVulcan(登録商標)XC72が均一な分散液になるようにする。さらに、5MNaOH水溶液をテトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムの物質量の4〜7倍になるように加えてよく混合し、これを反応原料液とした。この反応原料液をカーボン分散液を扱うことができるポンプで送液する。
本発明の発明者らが詳細な実験を繰り返し検討を重ねた結果、添加するテトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムの物質量の4〜7倍の水酸化ナトリウムを反応原料液に添加することが望ましいということを明らかにした。水酸化物イオン濃度が低いと核形成が遅くなり粒子径が大きくなってしまい、また、未反応のパラジウムイオンが残存することもある。一方、水酸化物イオン濃度が高いと還元速度が速すぎ、担持されない遊離粒子やパラジウムナノ粒子の凝集体が生じてしまう。
反応原料液を内径2mmのPFA(Perfluoroalkoxy alkane)反応管で流速6ml/分で送液し、100℃で加熱した。反応管は、内径90mm、高さ10cmの円筒状の空間を有するマイクロ波キャビティの円筒中心軸に沿って配置した。TM010モードの定在波が形成される周波数のマイクロ波をキャビティに照射することで加熱を行い、反応原料液の温度は、放射温度計により反応管中央の位置にて計測した。また、TM010モードの定在波が形成される周波数は反応原料液の温度により変化するが、その周波数に常に一致するよう、照射するマイクロ波の周波数を調整した。このときの周波数範囲は、2.45GHzであった。
上記方法により合成されたカーボン担持パラジウムコア粒子分散液には、ミキサー(配管合流路における混合器)により、白金シェル形成反応に必要な水酸化ナトリウム水溶液を、濃度を微調整して添加した。本実施例においては、シェル形成反応に関与する水酸化物イオンがヘキサクロロ白金(4)酸イオンの物質量の2〜6倍程度になるように0.5M水酸化ナトリウム水溶液を加えた。
上記の方法により合成されたカーボン担持パラジウムコア粒子分散液は、水酸化ナトリウム水溶液を添加された後、ミキサーにより、混合後の液のパラジウムと白金のモル比が1:1になるように100mM塩化白金酸(4)エチレングリコール溶液と混合した。混合液は回収容器に集められ、完全反応させるため72時間、室温で放置した。
図1において符号3で示す工程(送液ポンプ系)で添加される水酸化物イオンは、符号4で示す工程(送液ポンプ系)で添加される白金原料から生じる水素イオンと速やかに中和反応するので、添加した水酸化物イオンの量がすべてシェル形成反応に関与するわけではない。しかし、中和反応後になお残存する遊離の水酸化物イオン、白金イオンと錯体を形成している水酸化物イオン、パラジウム粒子表面に吸着している水酸化物イオンはシェル形成反応に関与すると考えられる。発明者らは、詳細な実験を繰り返し検討を重ねた結果、これらの水酸化物イオン濃度が原料である白金シェル形成の前駆体であるヘキサクロロ白金(4)酸イオンの物質量の2〜6倍程度になることが望ましいということを明らかにした。シェル形成反応における水酸化物濃度が低いと反応速度が遅くなり白金原料が未反応となってしまい、水酸化物濃度が高すぎると白金がシェルでなく粒子としてカーボン担体やパラジウムコア表面で生成したり、白金の遊離粒子が副生しやすくなってしまう。白金原料塩が塩化白金酸を中和した塩である場合や、パラジウムコア粒子を別の方法で形成した場合、パラジウムコア粒子をシェル形成反応の前に精製した場合は、水酸化物イオンが前記の範囲内に入るように添加する水酸化ナトリウム濃度を調整する必要がある。
なお、白金シェル形成反応においては、上記の方法で合成し、回収されたカーボン担持パラジウムコア粒子分散液に、白金シェル原料液と水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合する方法でもカーボン担持パラジウムコア白金シェル粒子が合成できる。
上記の方法によるカーボン担持パラジウムコア粒子分散液のマイクロ波連続合成法において、高分子電解質の一種である燃料電池用アイオノマーを適切な濃度において共存させることもできる。燃料電池用アイオノマーの濃度がカーボンに対し過剰でなければ、パラジウムコア粒子合成およびそれに続く白金シェル形成に悪影響を与えることなく、カーボンの分散性を良好にし、連続反応における反応管の閉塞などのリスクを低減することができる。アイオノマーとしてはパーフルオロフッ化スルホニルビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの共重合体が広く使用されており、上記の方法においても適切な量のアイオノマーを添加することでカーボンの分散性を改善することができる。本実施例では、燃料電池用アイオノマーの一例としてNafion(登録商標)(DE520 CSタイプ)を用いており、Nafion(登録商標)の濃度が0.03%になるように原料液(図1において符号1で示す)に加えた。
実験室レベルでの少量の実験では、カーボンの均一な分散液を作製するのは容易であるが、数十リットル以上のスケールでは、凝集、沈降、超音波処理のムラなどの影響で、分散液の均一性を保つのが難しくなってくる。また、連続反応系において流路が閉塞すると圧力の高まりによる反応管の破裂などが起こるおそれもあり、また、連続反応系の頻繁な停止と復旧はプロセスも高コスト化の要因になる。そのため、製品の製造においてはカーボンの分散性と流路の閉塞が起きないことは、連続反応系においては安全性、経済性の観点から非常に重要である。
燃料電池用アイオノマーをカーボンの分散剤として使用した場合、精製、焼成などにより完全除去する必要がないことも重要である。ポリビニルピロリドンなどの高分子分散剤は、金属微粒子の合成に広く使用されているが、これらの分散剤は金属微粒子とカーボンの分散性を良好にする一方で、微粒子表面に強く吸着するので完全に除去することは難しいことがわかっており、触媒表面に残存した高分子分散剤は触媒性能を著しく害するということもわかっている。燃料電池用アイオノマーは触媒表面へのプロトンの移送のために電池作製工程で添加される電池の構成成分のひとつであるので、少量が残存しても燃料電池性能には殆ど影響しない。
形成されたコアシェル粒子は遠心分離により精製し、電子顕微鏡(日本電子製JEM−2200FS)を用いてTEM(透過電子顕微鏡法)による観察とEDS(エネルギー分散型X線分析)による分析を行った。
<比較例1>
比較例1として、市販の、カーボン担持白金触媒を用意し、酸素還元反応の触媒活性を比較した。
<比較例2>
比較例2として、マイクロ波連続法でカーボン担持白金触媒を合成し、酸素還元反応の触媒活性を比較した。その作製法を以下に述べる。カーボン担体としてVulcan(登録商標)XC72、分散剤としてNafion(登録商標)(DE520CS)をエチレングリコールに混合し、超音波を十分に照射してカーボンをよく分散させた。その分散液にヘキサクロロ白金(4)酸エチレングリコール溶液と水酸化カリウムエチレングリコール溶液を加え、最終的にカーボンが0.1g/L、Nafion(登録商標)が0.03g/L、ヘキサクロロ白金(2)酸が2mM、水酸化カリウムが20mMの濃度になるようにして原料液とした。原料液は、実施例と同様に、マイクロ波キャビティの円筒中心軸に配置された内径2mmのPFA反応管を流速2ml/minで流し、原料液の温度が85℃になるように加熱した。
FCCJ(燃料電池実用化推進協議会)の提案する標準法(「固体高分形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」に記載の方法)を参考に酸素還元触媒活性の測定および負荷応答電位サイクル耐久試験を行った。詳細な方法を以下に述べる。
上記の実施例および比較例で得られた触媒微粒子を、遠心分離による精製をくり返すことでエチレングリコールと水溶性の塩などを除去し、最終的にカーボン濃度0.0125重量%、Nafion(登録商標)濃度0.0125重量%の触媒インクを作製した。触媒インクの溶媒は、水とIPA(イソプロパノール)の混合溶媒(重量比3:1)を用いた。この触媒インク20μLを、研磨した直径5mmのグラッシーカーボン回転電極に塗布し、乾燥させ、電気化学測定に用いた。電解液は0.1Mの過塩素酸を用い、参照電極として可逆水素電極を用いた。窒素をバブリングして酸素を追い出した電解槽において0.05〜1.2V(以下、可逆水素電極を基準として電位の値を表現する)の範囲の電位走査により触媒表面のクリーニングを行い、水素の吸脱着ピークの形より電気化学的活性表面積の測定を行った。続いて、バブリングにより酸素を電解液に飽和するまで溶存させ、回転電極を1600rpmで回転させて対流ボルタンメトリーを行い、酸素還元活性を測定した。走査速度は低電位側から高電位側に向けて20mV/秒の速度で行い、0.9Vにおける酸素還元電流の値を記録し、Koutechy-Levich式より触媒の酸素還元活性を算出した。活性測定時の電解液の温度は25°Cとした。酸素還元活性は、原料として使用した白金の重量(g)当たりの酸素還元電流(A)(質量活性)の形で算出した。質量活性の単位はアンペア毎グラム[A/g]を用いる。
負荷応答耐久性試験における電位サイクルは、上記の電解液と回転電極を用いて0.6Vを3秒、1.0Vを3秒の方形波を1サイクルとし、電解液に窒素をバブリングして飽和させた条件で25℃において5000サイクル、10000サイクルの電位を印加し、電位サイクルの前後で上記と同様の方法で表面積と酸素還元活性を測定した。
図2は、透過型電子顕微鏡で観察したカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の像である。カーボン担体7aと、そこに担持されているパラジウムコア白金シェル触媒微粒子7bが、実施例で合成されたカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒を構成している。符号7bで例示されているように、3〜4nmの粒子がカーボン担体上にほぼ均一に担持されている。また、EDSの結果により、広い範囲にわたってパラジウムと白金の分布は均一で、かつ一致しており、その比も合成時の仕込み量の比とほぼ一致した。このことより、本発明の発明者らの提案する合成法は、貴金属を無駄無く使用しており、なおかつ酸素還元触媒に必要な高い表面積も達成できている。
図3は、上記実施例と比較例の耐久性試験前後の酸素還元触媒の質量活性を比較したグラフである。図3で示されている結果は、耐久性試験前の初期質量活性と、5000サイクルの負荷応答耐久性試験後の質量活性である。実施例では、耐久性試験前後の質量活性がそれぞれ394[A/g]、385[A/g]、比較例1では74[A/g]、33[A/g]、比較例2では241[A/g]、164[A/g]であった。実施例は市販の白金触媒の数倍の活性を有しており、また、マイクロ波を用いて合成した白金触媒よりも高価で希少な白金を触媒として有効利用できていることがわかる。また、負荷応答耐久性試験の結果、実施例では活性の低下がわずかであり、触媒活性と耐久性の増大の両方を達成することができた。それに対して比較例は、電位サイクルにより白金の溶出が進んだと考えられ、質量活性の低下が著しい。
図4は、実施例のカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の耐久性試験における電位サイクル回数に対する質量活性の維持率の推移を示している。ここで維持率とは、初期活性に対する耐久性試験後の活性を100分率で表したものであり、初期活性を100%として、電位サイクル回数の増加による活性の維持割合を示す指標である。初期活性(符号8aで示す)を100%とすると、5000サイクル後の活性(符号8bで示す)は98%であり、10000サイクル後の活性(符号8cで示す)は97%であった。このことより、実施例のカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒は、10000サイクルの電位サイクル後においてもほぼ初期活性に近い活性を維持していることがわかり、燃料電池の実用化における重要な特性である耐久性において、非常に優れていることが明らかとなった。図3の比較例2の場合、5000サイクル後の活性は初期値の68%であった。
例えば、実施例のカーボン担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の耐久性試験において、0.1M過塩素酸水溶液を、幅14.5cm、高さ12.5cm、300ml以上の容量を有する対流ボルタンメトリー測定用ガラス製5つ口フラスコに加え、3L/分の窒素を30分間バブリングして酸素を追い出したものを電解液として、白金が0.96μg含まれるように触媒インクを塗布したグラッシーカーボン部分の直径5mmのグラッシーカーボン回転電極に、温度25℃において、可逆水素電極を参照電極とした電位0.6Vを3秒間、1.0Vを3秒間の方形波を1サイクルとして電位サイクルを印加する耐久性試験を行ったとき、0.1M過塩素酸水溶液を前記フラスコに加え、3L/分の酸素を30分間バブリングして窒素を追い出したものを電解液として使用し、上記グラッシーカーボン回転電極の回転速度が1600[回転/分]、温度が25℃で、20[mV/秒]の高電位側への走査速度、という条件において、可逆水素電極を参照電極とした電位0.9Vにおける酸素還元電流値をKoutecky−Levich式より導き、溶液抵抗を補償して算出する質量活性算出法を使用して、電位サイクルとして10000サイクル後の酸素還元触媒としての白金質量活性、すなわち、上記質量活性算出法における電流値を塗布した白金量0.96μgで除した値が耐久性試験前の質量活性の95%以上を維持できていることを確認できた。
本発明の実施の形態例における耐久性試験用に作成した試料は、作成する環境など、資料の作成条件によって異なるが、例えば、上記5000サイクルの試験に用いた試料の一例は、初期値が388[A/g]の試料が試験後382[A/g]に、前記10000サイクルの試験に用いた試料の一例は、初期値が314[A/g]の試料が試験後306[A/g]に下がっている。この活性低下量は従来の活性低下量より充分に小さい量である。初期値を基準にした上記減少率は、5000サイクルの試験の場合は1.5%、10000サイクルの試験の場合は2.5%である。これに対して図3の比較例1は、5000サイクルの試験の場合、初期値が241[A/g]、試験後が164[A/g](減少率:32%)であった。
以上のように、本発明のカーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型触媒微粒子におけるカーボン担持パラジウムコア粒子の合成に水酸化物としての水酸化ナトリウムを用いることにより、触媒性能が高く、耐久性試験における性能劣化が小さいカーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型触媒微粒子を得ることができる。
上記において、図を参照しながら、実施例、比較例を加えて本発明を説明したが、本発明はこれに狭く限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づき多くのバリエーションを可能とするものであることは明白である。
本発明のカーボン担持パラジウムコア白金シェルのコアシェル型微粒子のパラジウムコアの合成にマイクロ波照射の下に水酸化ナトリウムを用い、さらに、水酸化ナトリウムを添加して白金原料溶液を含めて所定時間放置して形成して製造したパラジウムコア白金シェル触媒微粒子は、触媒効率が高く、耐久性が優れており、化学反応や燃料電池の触媒に利用できる。

Claims (4)

  1. アルコール類を分散媒とし、担体が分散している分散液にパラジウム前駆体(パラジウム原料)を加えて反応原料液とし、マイクロ波加熱することで前記パラジウム原料を還元して担体担持パラジウム微粒子を合成する担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法で、水酸化カリウムを除く水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する添加剤を添加することを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法であって、
    前記アルコール類がエチレングリコールであり、前記担体がカーボン微粒子であり、前記パラジウム前駆体がテトラクロロパラジウム(2)酸ナトリウムであり、前記添加剤として、前記パラジウム原料の物質量の4〜7倍の物質量の水酸化ナトリウムを添加し、カーボン担持パラジウム微粒子触媒をマイクロ波連続加熱法で製造する工程を含むことを特徴とする担体担持パラジウム微粒子コロイドの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造したコロイドを原料とし、白金前駆体を含む溶液と、水酸化カリウムを除く水酸化物イオンを分散媒中に生成する機能を有する添加剤を加えて反応原料液とし常温で反応させることで担体担持パラジウムコア粒子に白金シェルを形成する担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法であって、
    前記白金前駆体溶液(白金原料)に前記添加剤を加えた後の、遊離、配位、吸着している水酸化物イオン濃度が前記白金原料の物質量の2〜6倍になることを特徴とする担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法。
  3. 前記白金原料がヘキサクロロ白金(4)酸イオン含有溶液であり、前記添加剤が水酸化ナトリウムであり、該水酸化ナトリウム溶液を添加した後の、遊離、配位、吸着している水酸化物イオン濃度が前記白金原料の物質量の2〜6倍になることを特徴とする請求項に記載の担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法。
  4. 前記パラジウムコア白金シェル微粒子触媒を乾燥粉にした際、ナトリウム成分が該乾燥粉に残存していることを特徴とする請求項2または3に記載の担体担持パラジウムコア白金シェル微粒子触媒の製造方法。
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