JP6609437B2 - 水中油乳化型組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、疎水変性ポリエーテルウレタンの自己集合特性を利用し、復元性を有することを特徴とする水中油乳化型組成物に関し、更に詳細には、特定の含有比の高級アルコールと25℃で液状の油を含有しながら、復元性を有しつつ、経時安定性に優れる水中油乳化型組成物に関する。
水中油乳化型組成物において、剤型としての種々の温度範囲で安定性を保持できることは、上記組成物によりつくられる化粧料を、継続して使用するために要求される重要な項目の一つである。それと同時に、化粧料においては、継続して使用するための優れた使用感に代表される効果も要求される。安定性を保持するための成分としては、増粘剤により剤型全体の粘度を向上させ、水と油の比重差によるクリーミングや乳化滴の合一を低減させることが一般的に知られている。増粘剤の代表例としては水溶性高分子が挙げられ、これまでに種々の水溶性増粘剤が検討されてきた。例えば、水溶性増粘剤としては、多糖類やアクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー、会合性増粘剤、粘土鉱物等が目的によって適宜選択されている。種々選択される会合性増粘剤の中でも疎水変性ポリエーテルウレタンは、良好な増粘力に加えて、良好な質感(テクスチャ)ならびに皮膚および/または毛髪への優れた使用感を与える増粘剤として、利用されてきた。また、その増粘特性と優れた使用性を有する特徴を活かし、他の水溶性増粘剤と組み合わせることによって、種々の温度範囲での安定性とさらに優れた使用感を実現することが知られている(特許文献1、2参照)。
一方で、油剤を併用する水中油乳化型組成物の場合では、会合性増粘剤の単独使用では、十分な降伏値をもたないため、キサンタンガムやカルボマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーといった他の水溶性高分子と併用して降伏値をもたせる方法(特許文献1参照)や、アクリル酸ポリマー(特許文献2参照)、セチルアルコールを使用することで降伏値をもたせる方法(特許文献3、4参照)により、クリーミングを防止する安定化方法が開示されている。
特開2006−62996号公報 特開2007−291026号公報 特開2000−239120号公報 特表2011−523630号公報
しかしながら、特許文献1、2の技術では、カルボマーやカルボキシビニルポリマー、アクリル酸ポリマー等を併用して水中油乳化型ゲル状を安定化しているが、これらの水溶性高分子を併用することにより降伏値が増加して、復元性を発現し難く、水溶性高分子特有のぬめり感等により、満足のいく使用感が得られなかった。また、特許文献3、4の技術ではセチルアルコールを使用しているが、形成するゲルの強度が十分ではないため経時安定性に劣り、かつ復元性による求める使用感も発現できなかった。また、高級アルコールを増量すると、経時安定性は向上するものの、化粧料の粘度があがり、使用感が損なわれる可能性があった。
すなわちこれら従来の技術において開示された水中油乳化型組成物では、経時安定性を考慮することに重点がおかれ、増粘剤の復元性という特性を十分に生かしきれていないものであった。従って、本発明は復元性を維持した水中油乳化型組成物を提供することを目的とする。
このような事情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、会合性増粘剤である疎水変性ポリエーテルウレタンに、炭素数が14〜18の直鎖状の飽和アルコールと炭素数が20〜22の直鎖状の飽和アルコールを特定比率で併用して含有することにより、経時安定性が向上することを見出し、この知見に基づいて、さらに特定量の液状油を含有した水中油乳化型とすることにより、上記課題として会合性増粘剤の復元性を有しつつも良好な使用性や経時安定性に優れる水中油乳化型組成物である本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の成分(a)〜(d);
(a)下記一般式(1):
R─{(O─R)─OCONH─R[─NHCOO─(R─O)─R]} (1)
〔式中、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有していても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、kおよびnは独立に0〜1000の範囲の数である。〕
で表わされる疎水変性ポリエーテルウレタン
(b)炭素数が14〜18の直鎖状の飽和アルコール
(c)炭素数が20〜22の直鎖状の飽和アルコール
(d)25℃で液状の油剤 0.5〜9質量%
を含有し、成分(b)、(c)の含有質量割合(b)/(c)が、1〜5の範囲であることを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
成分(a)、成分(b)、成分(c)の含有質量割合(a)/[(b)+(c)]が、1〜5の範囲であることを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
前記成分(d)が、エステル結合を有する油であることを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
前記成分(d)が、エステル結合を2つ以上有する油であることを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
さらに、成分(e)として、アシルメチルタウリン塩を含有することを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
さらに、前記成分(d)が、炭素数8〜22の脂肪酸とグリセリンを由来とするトリグリセリンを含むことを特徴とする水中油乳化型組成物を提供するものである。
疎水変性ポリエーテルウレタンと、特定の比率とした炭素数が14〜18および20〜22の直鎖状の飽和アルコールと、25℃で液状の油を含有することにより、目的の水中油乳化型組成物を提供することができる。
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明に用いられる(a)疎水変性ポリエーテルウレタンは、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつ両親媒性コポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示す会合性増粘剤(なお、以後本明細書において成分(a)の疎水変性ポリエーテルウレタンを、会合性増粘剤と称することもある)である。成分(a)は下記一般式(1)で表わされる。

R─{(O─R)─OCONH─R[─NHCOO─(R─O)─R]} (1)
上記式(1)中、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有していても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、kおよびnは独立に0〜1000の範囲の数である。R、RおよびRの炭素数は2〜4、Rの炭素数は1〜10、Rの炭素数は8〜36であることが好適である。またmは好ましくは2、hは好ましくは1であり、kは1〜500が好ましく、100〜300がより好ましい。またnは1〜200が好ましく、10〜100がより好ましい。
上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えばR−[(O−R)−OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R−O)−Rで表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
この場合、一般式(1)中のR〜Rは、用いるR−[(O−R)−OH]、R−(NCO)h+1、HO−(R−O)−Rにより決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であることが好ましい。
その中でも、ポリエチレングリコールの両末端をデシルテトラデシルアルコールで修飾した構造を有し、平均重量分子量が約5万程度(GPC法)のものが好適に用いられる。このような疎水変性ポリエーテルウレタンの市販品として、例えば、PEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネートコポリマーである「アデカノールGT−700」(ADEKA(株)製)等が挙げられる。
本発明における成分(a)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜5質量%(以下単に「%」で示す)、好ましくは1〜2%であり、より好ましくは1.2〜1.8%である。この範囲の含有量とすることにより、疎水変性ポリエーテルウレタンとしての特有な使用感として優れるものとすることができ、好ましい。
本発明に用いられる成分(b)炭素数が14〜18の直鎖状の飽和アルコールは、本発明の水中油乳化型組成物において、乳化助剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられる炭素数が14〜18の直鎖状の飽和アルコールであれば何れのものも用いることができる。具体的には、ミリスチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、成分(b)として、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコールの何れかを選択すると、より微細な乳化滴を得やすく、経時安定性が特に良好な水中油乳化型組成物を得ることができ、好ましい。より好ましいものは、セトステアリルアルコールである。
本発明における成分(b)の水中油乳化型組成物中の含有量は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されるものではないが、0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、そして0.2〜2%の範囲とすることがより好ましい。
本発明に用いられる成分(c)炭素数が20〜22の直鎖状の飽和アルコールは、本発明の水中油乳化型組成物において、乳化助剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられる炭素数が20〜22の直鎖状の飽和アルコールであれば何れのものも用いることができる。具体的には、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、成分(c)として、ベヘニルアルコールを選択すると、より微細な乳化滴を得やすく、経時安定性が特に良好な水中油乳化型組成物を得ることができ、好ましい。
本発明における成分(c)の水中油乳化型組成物中の含有量は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されるものではないが、0.01〜10%、好ましくは0.05〜5%、そしてさらには0.1〜2%の範囲とすることがより好ましい。
本発明においては、上記成分(b)、成分(c)と炭素数の異なる2種(以上)のアルコールを併用することに特徴がある。このような成分(b)と成分(c)の含有質量割合(b)/(c)は、1〜5の範囲にすると、水中油乳化型組成物の安定化の効果に優れたものとなり好ましい。さらに(b)/(c)は、2〜5の範囲とすればより好ましい。
さらに、成分(a)、成分(b)、成分(c)を特定の比率にて含有することにより優れた増粘作用を示すこととなり好ましい。具体的には成分(a)と成分(b)、成分(c)の含有質量割合(a)/[(b)+(c)]は、1〜5の範囲であると、成分(b)および成分(c)の直鎖状の飽和アルコールと、成分(a)疎水変性ポリエーテルウレタンの2つの末端セクションの疎水部との相互作用が好適なものとなり、水中油乳化型組成物の復元性を維持して優れた使用感を発現するものとなる。さらに(a)/[(b)+(c)]は、2〜5の範囲とすればより好ましい。
本発明に用いられる成分(d)の25℃で液状の油剤は、水中油乳化型組成物における油性成分として塗布時の皮膚への潤滑剤に寄与するとともに、優れた使用感を発現することを目的として含有されるものである。
成分(d)としては、化粧料一般に使用される動物油、植物油、鉱物、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素類、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、オリーブ油等の油脂類、トリエチルヘキサノイン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジカプリン酸プロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、炭酸ジアルキル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の分岐飽和あるいは不飽和脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の分岐飽和あるいは不飽和高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル等の油溶性紫外線吸収剤類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン油類等が挙げられる。
これらの中でも特に、25℃において液状であるエステル油であれば、より使用性の面においても優れたものとすることができる。このようなエステル油としては、具体的にはメドウフォーム油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、オリーブ油等の油脂類、トリエチルヘキサノイン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジカプリン酸プロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、炭酸ジアルキル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールなどが、成分(a)疎水変性ポリエーテルウレタンの2つの末端セクションの疎水部との相互作用が好適なものとなり、復元性による使用感の点で優れ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
さらに25℃において液状であるエステル油の中でも特に、エステル結合を2つ以上含有するエステル油であれば、本発明において成分(a)の増粘性の観点及び経時安定性において、特に好ましい。このようなエステル油は、具体的には、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、トリエチルヘキサノイン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジカプリン酸プロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、炭酸ジアルキル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールなどが、成分(a)疎水変性ポリエーテルウレタンの2つの末端セクションの疎水部との相互作用が好適なものとなり、復元性による使用感の点で優れ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
そしてさらには、25℃において液状であるエステル油の中でも特に、炭素数8〜22の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルが保湿性・保湿持続性の点で優れるため好ましい。
なお、本発明における液状とは、25℃で1〜3000mPa・sの範囲にある粘度値を指し、十分な流動性を有する性状である。ここでの粘度測定は、B型回転粘度計(東芝システム株式会社・ビスメトロン粘度計VDA2)を用いて測定できる。
本発明における成分(d)の水中油乳化型組成物中の含有量は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されず、目的や他の構成成分の配合により、適宜調整することが可能であるが、0.5〜9%の範囲内である。この範囲は、本発発明において経時安定性に優れる水中油型乳化組成物であり、また該組成物の復元性を有するという点からも好ましい。さらには1.0〜5.0%の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、成分(d)の保湿性・保湿持続性の効果を発揮することができる。
本発明に用いられる成分(e)アシルメチルタウリン塩は、油分や粉体を分散、安定化する為のものである。本発明の水中油乳化型組成物において、成分(a)に加えて乳化剤として機能するものであり、特に限定されることはないが、具体的には、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。これらの中でもパルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムがより良好な経時安定性を得る為に好ましい。
本発明における成分(e)の水中油乳化型組成物中の含有量は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されず、目的や他の構成成分の配合により、適宜調整することが可能であるが、概ね0.1〜5%の範囲内であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、成分(a)、成分(b)、(c)の含有量、含有比を調製することが可能であるが、なかでも、成分(a)疎水変性ポリエーテルウレタンに起因する使用性を特に発揮させうるためには、性状としてゲル状であることが好ましい。ここで「ゲル」とは、ニュートン流体のようなゲルではなく、成分(a)による非ニュートン流体であることを特徴である。このような特性を有するゲルの降伏値は特に限定されるものではないが、使用性の観点から、30℃においてゲルの降伏値が100Pa以上であることが好ましい。なお、ここでいうゲルの降伏値とは、特開2006−249001に開示されたストレス制御式レオメーターで測定することができる。具体的にはシェアレート、シェアストレス曲線を測定し、シェアレート、シェアストレス曲線の原点から引いた直線がずれる点のシェアストレス値のことを指す。
本発明の組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分の他に、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。
本発明の組成物の用途に関しては特に制限はなく、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等種々の用途の組成物として用いることができる。本発明は肌への優れた使用感という観点から、化粧料又は皮膚外用剤として用いるのが好ましい。
本発明の化粧料の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、美容液、パック等のスキンケア化粧料、ファンデーション、頬紅、口紅、アイカラー、マスカラ、アイライナー、マニキュア等のメーキャップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアワックス等の頭髪用化粧料、洗顔料等の洗浄料、等のいずれの形態であってもよい。
本発明の皮膚外用剤の例としては、特に限定されず、例えば、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、リニメント剤、ハップ剤等のいずれの形態であってもよい。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明品1〜6、参考品7〜8、本発明品9〜20及び比較品1〜4:保湿クリーム(水中油乳化型ゲル状)
表1〜3に示す組成及び下記製造方法にてクリームを調製し、いかに示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1〜3に示した。
(製造方法)
A:成分(2)〜(8)、(10)を70℃で均一に混合する。
B:成分(1)、(9)、(11)を70℃で均一に混合する。
C:BにAを加えて乳化し、保湿クリーム(水中油乳化型ゲル状)を得た。
<復元性試験評価>
本実施例における、保湿クリーム(水中油乳化型ゲル状)の復元性試験評価は、直径8cmの円形型樹脂容器に高さ4cmとなるように試料を入れ、水平状態で表面が平坦な状態から、表面より直径:1cmの円形型プレートを、深さ:2cmまで押し込んで穴を開けた後、5℃恒温槽で静置して、もとの平坦な状態に戻るまでの復元に要する時間を測定することにより評価を行った。測定は目視測定にて、後述する4段階基準により評価を行った。
復元性試験評価の4段階判定基準
(判定) :復元性試験評価結果
◎ :1時間後に平坦な状態に戻っている
○ :6時間後に平坦な状態に戻っている
△ :24時間後に平坦な状態に戻っている
× :平坦な状態に戻っていない
<経時安定性試験評価>
本実施例における、水中油乳化型ゲル状組成物の高温条件下での経時安定性評価は、試料を40℃の恒温槽に最大3ヶ月保管した後、室温環境下に戻し、目視測定にて以下に示す4段階基準により評価を行った。
経時安定性評価の4段階判定基準
(判定) :経時安定性目視評価結果
◎ :3ヶ月経過時点でも安定である
○ :1ヶ月経過時点は安定であるが、3ヶ月経過時点では水系の層が確認
△ :1ヶ月経過時点では製剤の下部に1mm未満の水系の層が確認
× :1ヶ月経過時点では製剤の下部に1mm以上の水系の層が確認
なお、ここで観察される水系の層は、クリーミングによるものである。
本発明品1〜6、参考品7〜8、本発明品9〜20の水中油乳化型ゲル状組成物は、比較品1〜4の水中油乳化型ゲル状組成物に比べ、復元性試験、経時安定性試験において優れたものであった。
これに対して成分(b)/成分(c)の値が1.0未満である比較品1では、成分(c)の安定化効果が強く発現し、製剤が高い降伏値を有することから、復元性に劣り満足のいく使用感が得られなかった。また、成分(b)/成分(c)の値が5.0より多い比較品2では、成分(c)の安定化効果の発現が弱く、製剤が十分な降伏値を有しないことから、経時安定性に劣り満足のいくものが得られなかった。また、成分(d)25℃で液状の油剤が9%より多い比較品3では、液状の油剤が過剰量であったため経時安定性が担保できず、満足いくものが得られなかった。また、成分(b)の代わりにラウリルアルコールを含有した比較品4では、安定化効果の発現が弱く、製剤が十分な降伏値を有しないことから、経時安定性に劣り満足のいくものが得られなかった。
以上の検討結果から、本発明品である成分(a)〜(d)の全てを含有した本発明品でなければ、復元性を有しつつ経時安定性に優れることを特徴とする水中油乳化型ゲル状組成物を提供することができないことが示された。
参考例2 マッサージクリーム(水中油乳化型クリーム状)
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 0.7
2.ベヘニルアルコール 0.3
3.グリセリルモノステアレート 0.4
4.トリエチルヘキサノイン 3.0
5.マカデミアナッツ油 0.5
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.フェノキシエタノール 0.1
8.(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)
コポリマー(注1) 1.5
9.精製水 残 量
10.エタノール 3.0
11.アスタキサンチン−5C(注2) 0.01
12.香料 0.05
(注2)アスタキサンチン1%溶液 (オリザ油化社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を70℃で均一に混合する。
B:成分(8)〜(9)を70℃で均一に混合する。
C:BにAを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:(10)〜(12)を加えて均一に混合し、マッサージクリーム(水中油乳化型クリーム状)を得た。
参考例2のマッサージクリーム(水中油乳化型クリーム状)は、復元性を有しつつ、経時安定性に優れた水中油乳化型組成物であった。また、保湿持続効果にも優れるものであった。
参考例3 リキッドファンデーション(水中油型クリーム状)
(成分) (%)
1.1,3ブチレングリコール 5.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.酸化チタン 5.0
4.ベンガラ 0.1
5.黄酸化鉄 1.0
6.黒酸化鉄 0.05
7.(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)
コポリマー(注1) 1.5
8.精製水 残 量
9.グリセリン 5.0
10.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
11.ステアリン酸 0.9
12.モノステアリン酸グリセリン 0.3
13.セトステアリルアルコール 0.6
14.ベヘニルアルコール 0.3
15.モノオレイン酸POE(20モル)ソルビタン 0.2
16.トリオレイン酸POE(20モル)ソルビタン 0.2
17.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
18.イソデカン 2.0
19.トコフェノール 0.01
20.香料 0.02
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を分散する。
B:成分(7)〜(10)を70℃で均一に混合する。
C:AにBを加え70℃で均一に混合する。
D:成分(11)〜(18)を70℃で均一に混合する。
E:DにCを加え乳化し、室温まで冷却する。
F:Eに成分(19)〜(20)を添加して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
参考例3のゲル状クリームは、復元性を有しつつ、経時安定性に優れた水中油乳化型組成物であった。また、保湿持続効果にも優れるものであった。
参考例4 軟膏剤(水中油乳化型ゲル状)
(成分) (%)
1.トリエタノールアミン 2.0
2.グリセリン 5.0
3.グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
4.(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)
コポリマー(注1) 2.0
5.精製水 残量
6.ステアリン酸 18.0
7.セタノール 1.0
8.ベヘニルアルコール 0.3
9.トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン 0.5
10.酢酸dl−α―トコフェロール 0.2
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を均一溶解し、75℃に保つ。
B.成分(6)〜(11)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、軟膏剤を得た。
参考例4の軟膏剤は、復元性を有しつつ、経時安定性に優れた水中油乳化型組成物であった。また、保湿持続効果にも優れるものであった。
参考例5 水中油型日焼け止め料
(成分) (%)
1.グリセリン 1.0
2.DPG 9.0
3.(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)
コポリマー(注1) 1.5
4.精製水 残量
5.PEG−5フィトステロール 0.5
6.PEG−30フィトステロール 0.5
7.セトステアリルアルコール 0.8
8.ベヘニルアルコール 0.5
9.モノステアリン酸グリセリル 0.5
10.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 4.0
11.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル
安息香酸ヘキシル 1.0
12.ビズエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン 0.5
13.トリエチルヘキサノイン 3.0
14.アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30)
コポリマー 0.1
15.水酸化ナトリウム 適量
16.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
17.エタノール 7.0
18.精製水 5.0
19.香料 0.02
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で混合する。
B:成分(5)〜(13)を80℃で混合する。
C:Aに成分(14)を加え、膨潤させる。
D:Cに成分(15)を加え、中和する。
E:DにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
F:成分(16)〜(18)を混合する。
G:EにF、成分(19)を添加し、水中油型日焼け止め料を得た。
参考例5の水中油型日焼け止め料は、復元性を有しつつ、経時安定性に優れた水中油乳化型組成物であった。また、保湿持続効果にも優れるものであった。

Claims (5)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)下記一般式(1):
    1─{(O─R2k─OCONH─R3[─NHCOO─(R4─O)n─R5hm (1)
    〔式中、R1、R2およびR4は、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有していても良い炭化水素基を表し、R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、kおよびnは独立に0〜1000の範囲の数である。〕
    で表わされる疎水変性ポリエーテルウレタン
    (b)炭素数が14〜18の直鎖状の飽和アルコール
    (c)炭素数が20〜22の直鎖状の飽和アルコール
    (d)25℃で液状の油剤 0.5〜9質量%
    を含有し、
    成分(b)、(c)の含有質量割合(b)/(c)が、1〜5の範囲であり、
    成分(a)、成分(b)、成分(c)の含有質量割合(a)/[(b)+(c)]が、5〜6の範囲であ
    ことを特徴とする水中油乳化型組成物。
  2. 前記成分(d)が、エステル結合を有する油であることを特徴とする請求項1に記載の水中油乳化型組成物。
  3. 前記成分(d)が、エステル結合を2つ以上有する油であることを特徴とする請求項2に記載の水中油乳化型組成物。
  4. さらに、成分(e)として、アシルメチルタウリン塩を含有することを特徴とする請求項1〜の何れか記載の水中油乳化型組成物。
  5. さらに、前記成分(d)が、炭素数8〜22の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを含むことを特徴とする請求項1〜の何れか記載の水中油乳化型組成物。
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