JP6601275B2 - 真空冷却装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、異なる食材を同時に冷却する場合でも、冷却後温度の差を軽減して安定した冷却が可能な真空冷却装置及び真空冷却方法が開示されている。具体的には、食材の過冷却を防止する過冷却防止装置を備えることで、真空冷却時に処理槽内の圧力を予め設定された設定圧力まで減圧し、処理槽内の圧力が設定圧力に到達した後は、処理槽内をその設定圧力で維持する。そうすることで、冷却されやすい食材は、設定圧力に対応する飽和温度に近似する温度まで冷却され、当該飽和温度を下回ることがない。他方、冷却され難い食材は、処理槽内の飽和温度に近づくように時間をかけて冷却される。このように、処理槽内の圧力を減圧手段によって到達し得る圧力まで低下させないように、処理槽内の最大真空度を制御することで、被冷却物を冷却し過ぎることも、また、被冷却物の冷却不足もなくなり、異食材を安定して冷却するというものである。
しかしながら、食材の種類によっては、途中で目標温度まで下がらず、品温が高止まりすることがある。
真空ユニット31は、例えば、水封式真空ポンプを備えて構成される。
減圧ライン33には、熱交換器32を設けることが好ましい。また、減圧ライン33の熱交換器32の上流側に蒸気エゼクタ(図示せず)を設けてもよい。
復圧ライン42には、外気と冷却槽2内との連通の有無を切り替える復圧操作弁43が設けられる。従って、復圧操作弁43を閉じた状態で、減圧手段3により冷却槽2内を減圧した後、減圧手段3による減圧を停止して、復圧操作弁43を開放することで、冷却槽2内の真空状態を解除して大気圧下に戻すことができる。
より具体的には、圧力センサ22の出力に基づき、復圧操作弁43の開度を調整しつつ、減圧手段3による減圧操作を行うことで、冷却槽2内の圧力調整を容易に行うことができる。
具体的には、制御装置5は、圧力センサ22からの検出信号に基づいて、復圧操作弁43の開度を調整して、真空ユニット31による冷却槽2内の減圧レベルを調整する。
制御装置5は、冷却槽2内の減圧時に、冷却槽2内の圧力を設定圧力で維持した状態で、減圧手段3及び復圧手段4を停止させることで、冷却後温度が安定した均一な真空冷却を行うことができる。
真空冷却処理終了時に、制御装置5は、復圧操作弁43を開いて冷却槽2内を大気圧まで復圧する。そして、圧力センサ22からの検出信号に基づいて、復圧操作弁43による冷却槽2内の復圧完了を確認する。
ここで、本実施形態では、制御部50を、冷却槽の内部を第1目標圧力値まで減圧する第1冷却制御部と、この第1冷却制御部により品温が目標温度まで低下しなかった場合に、冷却槽の内部を第1目標圧力値よりも低く設定される設定圧力値まで減圧する第2冷却制御部と、を含んで構成することで、食材の種類にかかわらず、食材温度を好適に目標温度に到達させることを可能としている。
冷却下限温度差としては、減圧冷却において被冷却物23の過冷却など不適切な冷却現象を起こさない減圧幅に相当する温度差が設定されることが好ましい。なお、最適な冷却下限温度差は被冷却物23によって異なり、一般的には3度以下とすることが好ましい。
より具体的には、第1冷却保持制御部5012は、圧力センサ22の出力に基づき、復圧操作弁43の開度を調整しつつ、減圧手段3による減圧操作を行うことで、冷却槽2の内部の圧力を第1時間、第1目標圧力値に維持する。
また、品温判定部502は、第2冷却保持制御部5033による制御の終了時に品温センサ21の検出温度(被冷却物23の温度)が目標温度に到達したか否かを判定する。
更に、第2冷却パラメータ設定部5031は、第2冷却保持制御部5033による冷却終了時に、品温センサ21の検出温度が品温判定部502により目標温度に到達していないと判定された場合に、前回設定された設定温度から第1温度を減算した値を設定温度として記憶部51に新たに記憶する。同時に、第2冷却パラメータ設定部5031は、新たに設定された設定温度の圧力換算値である圧力値を設定圧力値として記憶部51に記憶する。
すなわち、冷却中断部504は、今回(第n番目)の第2冷却制御部503による冷却後における品温センサ21の検出温度(n)が、前回(第n−1番目)の第2冷却制御部503による冷却後における品温センサ21の検出温度(n−1)よりも高い場合には、冷却異常が発生したと判断して、異常を警報し、運転を中断させる。
具体的には、冷却槽2内の真空冷却運転を開始してから最大冷却時間を経過した場合、冷却停止部505は、復圧操作弁43を開いて冷却槽2内を大気圧まで復圧する。そして、圧力センサ22からの検出信号に基づいて、復圧操作弁43による冷却槽2内の復圧完了を確認する。
そうすることで、冷却停止部505は、これ以上第2冷却制御部503による処理を繰り返しても、冷却効果が少ないと想定される場合、冷却を停止させることで、無駄を防ぐことができる。
以上のように、制御部50は構成される。
また、記憶部51には、上述の第n番目(n≧1)の第2冷却パラメータ設定処理により設定される設定温度(n)及び設定圧力値(n)が記憶される。
また、記憶部51には、上述の第n番目(n≧1)の第2冷却制御部503による冷却処理後に検出される検出温度(n)が記憶される。
次に図3を参照して、本実施形態の冷却動作について説明する。図3は、本実施形態の真空冷却装置1の冷却動作の一例を示した図である。横軸は時間t、縦軸(左側)は圧力P、縦軸(右側)は温度Tを表すものとする。ここで、温度Tは圧力Pに対応する飽和温度であり、逆に圧力Pは温度Tに対応する飽和圧力を意味する。
また、冷却前の被冷却物23の温度を100度(飽和圧力換算値1013hPa)とし、目標温度17度まで冷却するものとする。
第2減圧制御部5032により時間t3において、冷却槽2内圧力を設定圧力(1)まで下げた後、第2冷却保持制御部5033は、それから第2時間(2分)が経過する時間t4までの間、復圧制御弁の開度を調整しつつ、真空ユニット31を作動させることにより、冷却槽2内の圧力を、16hPa(飽和温度14度に対応)に維持する。
第2減圧制御部5032により時間t5において、冷却槽2内圧力を設定圧力(2)まで下げた後、第2冷却保持制御部5033は、それから第2時間(2分)が経過する時間t6までの間、復圧制御弁の開度を調整しつつ、真空ユニット31を作動させることにより、冷却槽2内の圧力を、15hPa(飽和温度13度に対応)に維持する。
冷却停止部505は、冷却を停止させる。具体的には、冷却停止部505は、真空ユニット31を停止させるとともに復圧操作弁43を開放させる。
このように、食材が目標温度まで到達していない場合には、目標圧力を少しずつ下げていくことで目標温度に近づけることが可能となる。
以上のように、本実施形態の真空冷却装置1は、冷却槽2の内部圧力を第1目標圧力値まで減圧し、冷却槽2の内部圧力が第1目標圧力値に達した後、第1時間(例えば15分間)、冷却槽2の内部圧力を第1目標圧力値に維持する第1冷却制御部501と、第1冷却制御部501による冷却後、品温センサ21の検出温度が目標温度に到達していない場合に、第1温度(例えば1度)を減算した温度の圧力換算値を新たに設定圧力値として設定して、当該設定圧力値まで減圧し、冷却槽2の内部圧力が新たな設定圧力値に達した後、第2時間(例えば2分間)、冷却槽2の内部圧力を新たな設定圧力値に維持する第2冷却制御部503と、を備える。
これにより、冷却され難い食材が第1冷却制御部501の処理により途中で目標温度まで下がらずに品温が高止まりする場合であっても、第2冷却制御部503により目標圧力を下げて再度冷却させることで、目標温度まで近づけることが可能となる。
これにより、冷却され難い食材が第2冷却制御部503の処理により途中で目標温度まで下がらずに品温が高止まりする場合であっても、更に目標圧力を下げて第2冷却制御部503による冷却を繰り返すことで、目標温度まで近づけることが可能となる。
これにより、食材の過冷却を防止することができる。
これにより、第2冷却制御部503による処理を必要以上に繰り返さないことで、無駄を防ぐことができる。
これにより、真空冷却装置1の異常を早期に検知することができ、異常な運転を早期に中断させることができる。
これにより、冷却停止部505は、これ以上第2冷却制御部503による処理を繰り返しても、冷却効果が少ないと想定される場合、冷却を停止させることで、無駄を防ぐことができる。
これにより、品温センサ21の検出温度を早く目標温度まで近づけることが可能となる。
これにより、例えば、第1温度及び第2時間はnが大きくなるにつれて、徐々に小さくして収束させるように構成することができる。
例えば、本実施形態において、減圧ライン33の冷却槽2側に蒸気エゼクタを設けてもよい。蒸気エゼクタは、蒸気を噴出させることにより冷却槽2内の流体を吸引排出させる。この場合、熱交換器32は、減圧ライン33内の食材蒸気及び蒸気エゼクタの蒸気を予め冷却し凝縮させておくことで、冷却槽2内の流体温度を低下させるとともに、排出される流体の体積を減少させる。そうすることで、蒸気エゼクタによって真空ユニット31の吸引側の圧力を高めることができ、冷却槽2内の減圧を有効に図ることができる。
2 冷却槽
21 品温センサ
22 圧力センサ
3 減圧手段
31 真空ユニット
32 熱変換器
33 減圧ライン
4 復圧手段
41 フィルター
42 復圧ライン
43 復圧操作弁
5 制御装置
50 制御部
501 第1冷却制御部
5011 第1減圧制御部
5012 第1冷却保持制御部
502 品温判定部
503 第2冷却制御部
5031 第2冷却パラメータ設定部
5032 第2減圧制御部
5033 第2冷却保持制御部
504 冷却中断部
505 冷却停止部
51 記憶部
Claims (8)
- 被冷却物を収容する冷却槽と、
前記被冷却物の温度を検出する品温センサと、
前記冷却槽の内部空間を減圧する減圧手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記減圧手段により、前記冷却槽の内部の圧力値を予め設定された目標温度に基づいて設定される第1目標圧力値まで減圧する第1減圧制御部と、前記冷却槽の内部の圧力値が前記第1目標圧力値に達した後、第1時間、前記冷却槽の内部の圧力値を前記第1目標圧力値に維持する第1冷却保持制御部と、を備える第1冷却制御部と、
前記第1冷却制御部による冷却後、前記品温センサの検出温度が前記目標温度に到達したか否かを判定する品温判定部と、
前記品温判定部により前記目標温度に到達していないと判定された場合に、設定温度として前記目標温度から予め設定された第1温度を減算した温度を設定するとともに、設定圧力値として前記設定温度の圧力換算値である圧力値を設定する第2冷却パラメータ設定部と、前記減圧手段により前記第2冷却パラメータ設定部により設定された設定圧力値まで減圧する第2減圧制御部と、前記冷却槽の内部の圧力値が前記設定圧力値に達した後、予め設定された第2時間、前記冷却槽の内部の圧力値を前記設定圧力値に維持する第2冷却保持制御部と、を備える第2冷却制御部と、
を備える真空冷却装置。 - 前記品温判定部は、前記第2冷却保持制御部による制御の終了時に前記品温センサの検出温度が前記目標温度に到達したか否かを判定し、
前記第2冷却パラメータ設定部は、前記品温判定部により前記目標温度に到達していないと判定された場合に、前記設定温度を、更に前記第1温度を減算した値に置き換えるとともに、前記設定圧力値を置き換えた前記設定温度の圧力換算値である圧力値に置き換える、
請求項1に記載の真空冷却装置。 - 前記制御部は、
前記品温判定部により前記目標温度に到達したと判定された場合に、冷却を停止させる、
請求項1又は2に記載の真空冷却装置。 - 前記制御部は、
前記第2冷却制御部による冷却後に、前記品温判定部により前記目標温度に到達していないと判定された場合であっても、前記冷却槽の内部の真空冷却運転を開始してから予め設定された最大冷却時間を経過した場合、冷却を停止させる、
請求項2又は請求項3に記載の真空冷却装置。 - 前記第2冷却制御部による冷却後に、前記品温センサの検出温度を順番に記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記第2冷却制御部による冷却後に、前記品温センサの検出温度が前記記憶部に記憶された前回の前記品温センサの検出温度よりも高い場合、異常を警報し、運転を中断させる、
請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の真空冷却装置。 - 前記制御部は、前記第2冷却制御部による冷却後に、前記品温センサの検出温度が前記記憶部に記憶された前回の前記品温センサの検出温度よりも低い場合であっても、検出温度差が所定の値以下の場合、冷却を停止させる、
請求項5に記載の真空冷却装置。 - 前記第1目標圧力値は、前記目標温度から予め設定された冷却下限温度差を減算した温度の圧力換算値である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
- 前記第1温度は、前記第2冷却制御部が実行される順序番号毎に予め設定され、
前記第2時間は、前記第2冷却保持制御部が実行される順序番号毎に予め設定される、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
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