以下、本発明の一実施の形態に係るゲームシステム1について、図面を参照しつつ説明する。本発明のゲームシステム1により、例えば、スマートフォンなどのゲーム装置2においてゲームが実行される。
本実施の形態で説明されるゲームにおいて、ユーザは、任意のオブジェクトを操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦う。例えば、本実施の形態におけるゲームは、1のプレイヤオブジェクト(プレイヤキャラクタ)を仮想空間上で活動させ、そのプレイヤキャラクタと敵キャラクタ(モンスター等)とが戦うゲームである。また、本ゲームは、複数のユーザが操作する複数のコンピュータを通信ネットワークを介して同期し、複数のユーザが一つのパーティを組んで共通のゲームステージにおいて協力してゲームを進行させるマルチプレイが可能なゲームである。
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成されるゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLAN等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM15、およびRAM16が接続されている。
ゲーム装置2は、表示部であるモニタ19が設けられた移動筐体をユーザが把持するように構成される。当該移動筐体には操作入力部12が設けられている。本実施の形態において、ゲーム装置2の各構成は、移動筐体内に収められている。
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となるゲームデータ30b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、およびネットワークインタフェイス25が接続されている。
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をユーザが触れることにより、対応する操作入力が行われる。
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40を備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
サーバ装置3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
本実施の形態において、ゲームシステム1は、いわゆるネイティブアプリによって動作する。
サーバ装置3の記憶装置42は、サーバ装置3が内蔵する大容量記憶媒体である。サーバ装置3は、記憶装置42にゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを記憶している。CPU40は、各ゲーム装置2(アカウント)のセーブデータ42cを管理する。サーバ装置3とゲーム装置2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行(プレイ)するために、ゲーム装置2を介してサーバ装置3の記憶装置42に記憶されたゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、ゲーム装置2は、サーバ装置3からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
ゲーム装置2は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置2にてゲーム進行を行い、これらのゲーム進行に伴うゲーム演出(ゲーム画像、音声)を後述するモニタ19およびスピーカ22等に出力する。
なお、各ゲーム装置2および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。
サーバ装置3は、各ユーザのアカウント情報を管理し、各アカウントのゲーム進行状況に関するデータなどをゲーム装置2から受信して記憶装置42に記憶する。
例えば、ゲーム装置2は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたとき、各ゲーム装置2が通信ネットワークNWを介してサーバ装置3と通信を行い、このゲーム装置2からアカウント情報が送信される。サーバ装置3は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行い、ゲーム装置2にゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を送信する。
ゲーム装置2は、このアカウントのゲーム進行状況に関するデータ等を受信して、ゲーム装置2にてゲーム進行を行う。また、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費またはゲーム課題クリア等のデータ更新時)でサーバ装置3にゲーム進行状況に関するデータを送信する。このように、ネイティブアプリ型のゲームシステムは、所定のタイミングでサーバ装置3とゲーム装置2とで相互に通信を行い、サーバ装置3とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備えたコンピュータとして動作する。また、サーバ装置3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。
そして、図2に示すように、ゲーム装置2の制御部5aとサーバ装置3の制御部5bとが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5は、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、マッチング手段51、ゲームステージ生成手段52、ミッション実行手段53、対価付与手段54等の機能を発揮する。
このうち、マッチング手段51は、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタ同士を共通のゲームステージで行動させるために、複数のユーザ間のマッチングを行い、複数のユーザが属するパーティを生成する。このために、マッチング手段51は、マッチング要求手段511、マッチング情報表示手段512、入札手段513、パーティ生成手段514を含む。
また、ゲームステージ生成手段52は、生成されたパーティに属する複数のユーザが操作する複数のプレイヤキャラクタが行動する共通のゲームステージを生成する。ミッション実行手段53は、パーティに属する複数のユーザが参加するミッションを、共通のゲームステージ上で実行する。ミッションは、複数のミッションの中から選択される。複数のミッションのそれぞれには、各ミッションの開始位置、終了位置、達成条件についての情報が設定されている。
開始位置は、プレイヤキャラクタの当該ミッションにおける初期位置である。すなわち、開始位置は、ミッションをスタートする際に、共通のゲームステージにおいて、プレイヤキャラクタが配置されるスタート位置である。
終了位置は、プレイヤキャラクタが当該ミッションを達成するために必要な場所の位置である。例えば、達成条件がB地点に到達することであれば、当該B地点が終了位置となる。また、例えば、達成条件がC地点に出現するボスキャラクタを倒すことであれば、当該C地点が出現する位置が終了位置となる。
達成条件は、当該ミッションにおけるゲームのクリア条件として設定される。達成条件は、例えば、目的の位置に到達すること、ボスキャラクタ等の所定のキャラクタを倒すこと、所定のノンプレイヤキャラクタに出会うこと(会話をする、救出する等)、所定のアイテムを入手すること等、種々設定される。
さらに、ミッション実行手段53は、所定のゲーム画面を生成する。例えば、ミッション実行手段53は、共通のゲームステージに配置した仮想カメラで撮影した画像をゲーム画面として表示する。ミッション実行手段53は、ユーザの操作入力等に基づいて共通のゲームステージに配置されたプレイヤキャラクタの行動を制御し、ゲームを進行させる。また、ミッション実行手段53は、敵キャラクタ等のノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
対価付与手段54は、ゲストユーザがマッチングにおいて後述する入札を行う際に決定した対価要素をゲストユーザから徴収し(減少させ)、ホストユーザに付与する。
本実施の形態において、マッチング要求手段511は、ホストユーザとしてマッチング要求を行う第1ユーザのゲーム装置2おける制御部5a(第1コンピュータ)が実現する。マッチング情報表示手段512および入札手段513は、ゲストユーザとしてミッションに参加する第2ユーザのゲーム装置2における制御部5a(第2コンピュータ)が実現する。パーティ生成手段514および対価付与手段54は、サーバ装置3の制御部5bが実現する。ゲームステージ生成手段52およびミッション実行手段53は、パーティに属する各ユーザのゲーム装置2における制御部5aが実現する。
[マッチング処理]
以下、本実施の形態におけるマッチングの処理態様について具体例を挙げて詳しく説明する。図3は、本実施の形態におけるマッチングの流れを示すフローチャートである。まず、ホストユーザとなる第1ユーザは、マルチプレイを行う場合に、第1ユーザのゲーム装置2(第1コンピュータ)において実行を希望するミッションを、複数のミッションの中から選択する。ミッションが選択されると、マッチング要求手段511は、第1ユーザのゲーム装置2からサーバ装置3に対して第1ユーザが選択したミッションの情報および第1ユーザの情報とともにマッチング要求を行う(ステップS1)。マッチング要求は、第1ユーザをホストユーザとして他のユーザとのマッチングを行うための要求信号である。第1ユーザの情報には、第1ユーザの名前(ID等)、所属するゲーム内グループ、第1ユーザのレベル、使用キャラクタ、能力値(体力、攻撃力等)、装備等が含まれ得る。
本実施の形態において、各ミッションには、実行に必要なスタミナ値が設定されている。マルチプレイにおいては、第1ユーザがホストユーザとしてマルチプレイを行う場合に所定のスタミナ値が消費される。マッチング要求手段511は、マッチング要求を行う際、第1ユーザから所定のスタミナ値を徴収する。消費されるスタミナ値は、実行するミッションに応じて変化し得る。スタミナ値は、時間経過または所定のイベント(レベルアップ等)の達成により増加(回復)する。
マッチング情報表示手段512は、サーバ装置3において受信するホストユーザによるマッチング要求を記憶装置42に記憶する。サーバ装置3に接続されているゲーム装置2のユーザは、いずれもホストユーザになり得る。したがって、サーバ装置3には、複数のユーザによるマッチング要求が並列的に送信され得る。このように、マッチング情報表示手段512は、マッチング情報として、少なくとも一のホストユーザがマッチングを要求した少なくとも1つのミッションの情報を、そのミッションを選択したホストユーザの情報に関連付けて記憶装置42に記憶する。
このようにして、マッチング情報表示手段512は、マッチング情報および対応するホストユーザの情報を複数のゲーム装置2の表示部(モニタ19)に一覧表示可能とする。より具体的には、第2ユーザがゲストユーザとしてマルチプレイのミッションに参加を希望した場合、第2ユーザのゲーム装置2(第2コンピュータ)の制御部5aは、サーバ装置3に対して参加要求を送信する(ステップS2)。マッチング情報表示手段512は、参加要求を送信したゲーム装置2に対してマッチング情報を送信する(ステップS3)。サーバ装置3からマッチング情報を取得したゲーム装置2の制御部5a(第2コンピュータ)は、取得したマッチング情報および対応するホストユーザの情報をモニタ19に一覧表示する。
第2ユーザは、ゲーム装置2のモニタ19に一覧表示される少なくとも1つのミッションの中から参加を希望するミッションを選択する。一覧表示された少なくとも1つのミッションの中から第2ユーザが第2ユーザのゲーム装置2(第2コンピュータ)において実行されるミッションとして参加を希望するミッションを選択した場合、入札手段513は、選択したミッションにゲストユーザとして参加するための対価要素を第2ユーザに選択、決定させる。
対価要素は、例えば、ユーザがホストユーザとしてミッションを実行するたびに消費されるスタミナ値である。本実施の形態において、第2ユーザは、第1ユーザに対して提供するスタミナ値の量を決定する。入札手段513は、第2ユーザが決定した対価要素の情報(スタミナ値の量)および第2ユーザの情報を含む入札情報をサーバ装置3に送信する(ステップS4)。第2ユーザの情報には、例えば、第2ユーザの名前(ID等)、第1ユーザとの関係(フレンドか否か等)、第2ユーザのレベル、使用キャラクタ、能力値(体力、攻撃力等)、装備等が含まれ得る。
パーティ生成手段514は、ホストユーザが対応する入札情報に基づいてそのミッションに参加させるゲストユーザを決定し、ホストユーザおよび少なくとも一のゲストユーザが属するパーティを生成する。
本実施の形態において、パーティ生成手段514は、入札情報を入札対象のミッションにおけるホストユーザのコンピュータに送信する(ステップS5)。ホストユーザのゲーム装置2の制御部5a(第1コンピュータ)は、送信された入札情報をモニタ19に表示する。
本実施の形態において、入札情報は、第2ユーザの入札の実行に応じて随時ホストユーザのゲーム装置2に送信される。また、パーティに参加可能なユーザの最大人数は予め定められている。例えば、パーティに参加可能なユーザの最大人数は、ホストユーザを含めて4人に設定されている。一方、パーティに参加するゲストユーザが決定されるまでは、パーティに参加可能なユーザの最大人数より多くの第2ユーザによる入札が許容される。すなわち、上記例において、入札した第2ユーザの数が4人以上になる場合がある。
ホストユーザは、入札情報に基づいてミッションにゲストユーザとして参加させる第2ユーザを選択する。図4は、本実施の形態における入札情報の例を示す図である。図4の例では、ホストユーザであるユーザA(第1ユーザ)のマッチング要求に対して5人のユーザB〜F(第2ユーザ)が入札を行った場合を例示している。
ユーザAのコンピュータ(第1コンピュータ)の制御部5aは、モニタ19に入札情報が一覧表示される入札状況確認画面60を表示する。入札状況確認画面60は、入札した各ユーザB〜Fの情報および入札したスタミナ値が表示される入札情報表示欄61を含んでいる。入札情報表示欄61には、ユーザB〜Fごとにパーティへの参加可否を入力する仮想の参加可否選択ボタン62が表示される。
ユーザAは、入札情報表示欄61に表示された各ユーザB〜Fの情報および入札したスタミナ値を確認して、参加可否選択ボタン62を選択操作することにより、各ユーザをパーティへ参加させるか否かを選択する。
例えば、ユーザBとユーザEとは、同じレベルかつ同じスタミナ値で入札しているが、ユーザBは、ユーザAのフレンドに登録されている。フレンドに登録された各ユーザは、例えば、フレンドに登録された複数のユーザ間で特定のミッションを協力して行ったり、フレンドに対してゲーム内におけるアイテム供与等を行ったりすることができる。このような場合、ユーザAは、フレンドであるユーザBをゲストユーザとして選択し得る。
また、ユーザCは、スタミナ値が入札を行った第2ユーザの中で最低である。しかし、ユーザCは、操作するキャラクタの能力の基準となるレベル(キャラクタレベル)が最も高い。このため、ユーザCをパーティに参加させるとミッションMAの達成が容易になる可能性が高い。したがって、ユーザAが選択したミッションMAに初めて挑戦する場合、またはユーザAのレベルではミッションMAの達成が困難と考えられる場合等には、ユーザAは、ユーザCをゲストユーザとして選択し得る。
また、ユーザDは、レベルが入札を行った第2ユーザの中で最低である。しかし、ユーザDは入札したスタミナ値が最も高い。このため、ユーザDをパーティに参加させるとユーザAが受け取るスタミナ値が多くなり、ミッションMAを実行するために消費されるスタミナ値が実質的に少なくて済む。このような場合、ユーザAは、ユーザDをゲストユーザとして選択し得る。
また、ユーザEは、レベルもスタミナ値も入札を行った第2ユーザの中で最高値ではないが、ユーザEが使用するキャラクタSは、特殊能力を有している。ミッションMAがキャラクタSの特殊能力によって有利に進められる場合、ユーザAは、ユーザEをゲストユーザとして選択し得る。
また、ユーザFも、レベルもスタミナ値も入札を行った第2ユーザの中で最高値ではないが、ユーザFが使用するキャラクタFは、ユーザBおよびホストユーザであるユーザAと同じ水属性のキャラクタである。ホストユーザであるユーザAは、第2ユーザの入札値および使用キャラクタの属性を考慮してゲストユーザを決定し得る。
例えば、水属性は、火属性の敵に対して攻撃力が高くなり、または火属性からの攻撃による被ダメージが小さくなる。ミッションMAに出現する敵キャラクタが火属性である場合、パーティを水属性のプレイヤキャラクタで揃えることにより、有利に進められる。このような場合、ユーザAは、水属性のキャラクタFを使用するユーザBおよびユーザFをゲストユーザとして選択し得る。
ホストユーザであるユーザAが入札を行った第2ユーザの中からパーティに参加可能なゲストユーザの最大人数(3人)分を選択した場合、または、仮想のパーティ決定ボタン63を選択操作した場合、第1コンピュータの制御部5aは、ゲストユーザの選択結果をサーバ装置3に送信する(ステップS6)。
パーティ生成手段514は、ホストユーザに選択された第2ユーザをミッションMAに参加させるゲストユーザとして決定し、パーティを生成する(ステップS7)。生成されたパーティの情報は、記憶装置42に記憶される。
本実施の形態において、パーティ決定ボタン63の選択操作は、ゲストユーザとして選択した第2ユーザの数がパーティに参加可能なゲストユーザの最大人数未満であっても有効な操作として判定される。この場合、パーティ生成手段514は、最大人数未満(例えばホストユーザを含めて4人未満)のユーザが属するパーティを生成する。
パーティ生成手段514は、ホストユーザの第1コンピュータおよび各ゲストユーザの第2コンピュータとの間で通信を行い、ゲームを同期させる(ホストユーザおよび少なくとも一のゲストユーザによるセッションを形成する)。パーティ生成手段514は、ゲストユーザとして決定された第2ユーザのゲーム装置2に対してゲストユーザに決定した旨の通知を行う(ステップS8)。
図5は、本実施の形態における生成されたパーティの例を示す図である。図5の例においては、図4で示された第2ユーザ(ユーザB〜F)のうち、ユーザB〜Dがゲストユーザとして決定される。サーバ装置3は、生成したパーティの情報をパーティに参加する各ユーザに送信し、各ユーザのコンピュータのモニタ19に、図5のようなパーティ生成画面を表示させる。パーティ生成画面には、実行するミッションMAの情報、ホストユーザであるユーザAの情報、ゲストユーザであるユーザB〜Dの情報が一覧表示される。
パーティ生成後、対価付与手段54は、ゲストユーザが入札する際に決定した対価要素であるスタミナ値をそのゲストユーザが入札した量徴収する(ステップS9)。図5の例では、ユーザBは、スタミナ値が50低下し、ユーザCは、スタミナ値が20低下し、ユーザDは、スタミナ値が80低下する。
この際、ホストユーザのミッション実行に必要なスタミナ値が消費される。図5の例では、ユーザAは、スタミナ値が100低下する。
ゲームステージ生成手段52は、生成されたパーティに属する複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタ同士が同じ仮想空間内で行動する共通のゲームステージを生成する(ステップS10)。ミッション実行手段53は、ホストユーザである第1ユーザ(ユーザA)とゲストユーザに決定された第2ユーザ(ユーザB〜D)とが参加するミッションMAを、共通のゲームステージ上で実行する(ステップS11)。
ミッションMAの実行後、対価付与手段54は、各ゲストユーザから徴収したスタミナ値をホストユーザに付与する(ステップS12)。図5の例においては、ゲストユーザから徴収したスタミナ値の合計値150がユーザAに付与される。これにより、ユーザAは、ミッションMAを実行することにより、ミッション実行前(マッチング要求前)に比べてスタミナ値が50増える結果となる。
本実施の形態において、ゲストユーザから徴収したスタミナ値のホストユーザへの付与は、ホストユーザがミッション終了までパーティから自主的に抜けない限り、ミッションの成否(ミッションの達成度)に拘わらず実行される。
以上をまとめると、本実施の形態は、記憶部(記憶装置)14および表示部(モニタ)19をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータ(ゲーム装置)2と、前記複数のコンピュータ2に、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されたサーバ装置3とを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、前記複数のコンピュータ2は、それぞれ、前記複数のユーザが参加して前記複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタ同士が同じ仮想空間内で行動する共通のゲームステージを生成するとともに、少なくとも前記コンピュータ2への操作入力を行うユーザに対応するプレイヤキャラクタを、前記ユーザによる前記コンピュータ2への操作入力に応じて前記共通のゲームステージにて行動させることにより、前記ゲームを進行させるよう構成され、前記ゲームプログラムは、前記サーバ装置3および前記複数のコンピュータ2の少なくとも1つにより構成される制御部5を、第1ユーザのコンピュータにおいて実行されるミッションMAとして、前記第1ユーザが複数のミッションの中から選択した場合に、前記第1ユーザをホストユーザとして前記サーバ装置3に他のユーザとのマッチングを要求するマッチング要求手段511、第2ユーザが、前記第2ユーザのコンピュータにおいて実行されるミッションとして、前記第1ユーザが選択した前記ミッションへの参加要求をする場合に、このミッションにゲストユーザとして参加するための対価要素(スタミナ値)を前記第2ユーザが決定し、前記対価要素の情報および前記第2ユーザの情報を含む入札情報を前記サーバ装置3に送信する入札手段513、前記入札情報に基づいて前記ミッションMAに参加させる前記ゲストユーザを決定し、前記ホストユーザおよび少なくとも一のゲストユーザが属するパーティを生成するパーティ生成手段514、前記共通のゲームステージを生成するゲームステージ生成手段52、前記ホストユーザである前記第1ユーザと前記ゲストユーザに決定された前記第2ユーザとが参加する前記ミッションMAを、前記共通のゲームステージ上で実行するミッション実行手段53、および前記ゲストユーザが入札する際に決定した前記対価要素を前記ゲストユーザから徴収し、前記ホストユーザに付与する対価付与手段54、として機能させる、ゲームプログラムである。
[発明の効果]
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、第2ユーザが第1ユーザであるホストユーザのパーティに参加するために、対価要素(スタミナ値)を供出することによる入札が行われる。ゲストユーザに決定された第2ユーザが供出した対価要素は、第1ユーザに付与されるため、第1ユーザがホストユーザになる動機付けを与えることができる。また、ゲーム経験の浅い(キャラクタレベルの低い)ユーザであっても、対価要素を多く提供することにより、ゲストユーザに選ばれ易くなる(ホストユーザがゲストユーザに選択する積極的な理由が生じる)ため、このようなユーザに対してもパーティへの参加機会が与えられる。
このようなことから、マルチプレイのためのパーティが成立し易くなり、マルチプレイの実行頻度を高くすることができる。したがって、マルチプレイに参加するユーザが不満を覚えることなく、パーティの成立頻度を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、ホストユーザにゲストユーザの選択権が与えられるため、例えば、フレンドであるか否か、第2ユーザの使用キャラクタ、能力、レベル等、対価要素以外の要素に基づいてもゲストユーザを選択可能である。また、パーティに参加させたくない第2ユーザ(レベルの低いユーザ等)が入札した場合でも、その第2ユーザのパーティへの参加を拒否することができるため、従来のように、そのようなユーザのパーティへの参加を嫌って、パーティを組むのを中断させるようなことも起こらない。
したがって、ホストユーザにゲストユーザの選択権を与えることにより、ホストユーザに、より自分が一緒に行きたいユーザとパーティを成立させる機会を与えることができる。
また、本実施の形態において、対価付与手段54は、上述のように、ミッションMAの実行前に対価要素(スタミナ値)をゲストユーザ(ユーザB〜D)から徴収し、ミッションMAの終了後に徴収した対価要素をホストユーザ(ユーザA)に付与する。ミッションMAの実行前にゲストユーザから徴収した対価要素を付与すると、ホストユーザがミッションMAの実行前にパーティを解散してゲストユーザの対価要素が奪われる恐れがある。また、ミッションMAの実行後にゲストユーザから対価要素を徴収すると、ミッションMAの実行途中または実行直後にパーティから抜けて対価要素を徴収できない恐れがある。
したがって、ミッションMAの実行前にゲストユーザから対価要素を徴収し、ミッションMAの実行後にホストユーザに対価要素を付与することにより、ユーザの不正を未然に防止することができる。
なお、ミッションMAが通信不良等により途中で中断された場合、ゲストユーザの対価要素はゲストユーザに返却される。これにより、不当にゲストユーザの対価要素が消費されることを防止することができる。
[他の実施形態]
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、第2ユーザが入札する対価要素は、第1ユーザ(ホストユーザ)のコンピュータ(第1コンピュータ)においてそのミッションの実行時に消費される対価要素を超えない範囲で設定可能としてもよい。
また、ホストユーザは、各第2ユーザが入札した対価要素の合計が、ホストユーザがそのコンピュータにおいてそのミッションの実行時に消費される対価要素を超えない範囲で、第2ユーザを選択できるようにしてもよい。この場合、ホストユーザは、対価要素なしでミッションを実行できる以上の利益を受けることはできない。
また、第2ユーザが入札する対価要素は、上記実施の形態のスタミナ値に限られず、例えば、ゲーム内通貨、ゲームポイント、アイテム等であってもよい。ゲームポイントは、例えば、ゲームポイントを集めることでレアアイテムと交換できるパラメータである。
また、対価要素は、複数種類の対価要素から第1ユーザまたは第2ユーザにより選択されてもよい。第1ユーザ(ホストユーザ)が選択する場合は、第2ユーザが入札に利用するマッチング情報に第1ユーザが選択した対価要素の情報が含まれる。これにより、第1ユーザが希望する対価要素を得ることができる。これに代えて、第2ユーザが選択する場合は、第1ユーザがゲストユーザの決定に利用する第2ユーザの入札情報に第2ユーザが選択した対価要素の情報が含まれる。これにより、第2ユーザが供出可能な対価要素を選択してマルチプレイの実行の機会を増やすことができる。
また、一のパーティに参加する複数のゲストユーザの対価要素の種類が互いに異なってもよい。また、第1ユーザが第2ユーザに応じて(例えばフレンドか否か等に応じて)異なる種類の対価要素を設定してもよい。この場合、第2ユーザが対価要素を決定して入札する前に第2ユーザの情報をホストユーザのコンピュータに送信し、その情報に基づいて第1ユーザが各第2ユーザに対して入札すべき対価要素を選択してもよい。
また、上記実施の形態においては、パーティに参加を希望する第2ユーザは、必ず対価要素を決定することを例示した。これに代えて、例えば第1ユーザのフレンドである等、特定の第2ユーザにおいては、対価要素の供出を行わずにパーティに参加(または参加申請)可能としてもよい。また、レベルが低い第2ユーザ、属性が適正でないキャラクタを使用する第2ユーザ等、特定の第2ユーザに対してのみ対価要素の供出が必要としてもよい。
また、スタミナ値、ゲーム内通貨、ゲームポイント等、価値が数値で変化する対価要素については、第1ユーザが入札に必要な最低量を設定してもよい。これに代えて、入札に必要な対価要素の最低量が、第1ユーザが選択したミッションの内容に応じてまたは一律に予め設定されてもよい。
また、上記実施の形態において、ホストユーザがミッションを実行する際に消費する要素は予め定められた値に設定されている例を示した。これに代えて、ミッションの内容に応じて予め設定されてもよい。また、上記実施の形態では、ホストユーザがミッションを実行する際に消費する要素(スタミナ値)とゲストユーザが供出する対価要素とが同じである場合を例示した。これに代えて、ホストユーザがミッションを実行する際に消費する要素(スタミナ)と異なる要素をゲストユーザの対価要素として設定してもよい。
また、上記実施の形態において、ゲストユーザの決定は、第1ユーザの選択に従って行う態様を例示した。これに代えて、パーティ生成手段514が入札情報に基づいて、ゲストユーザの決定を自動的に行ってもよい。この場合、例えば、フレンドがいる場合はフレンドを優先的にパーティに参加させ、フレンドがいない場合またはパーティに参加できる最大人数より入札したフレンドが少ない場合には、スタミナ値(入札された対価要素)が多い順にパーティに参加させてもよい。
パーティ生成手段514がゲストユーザの決定を自動的に行う際、対価要素の種類が異なる場合には予め定められた優先順位順にゲストユーザを決定してもよい。例えば希少なアイテムを対価要素として選択したユーザの方が、ゲーム内通貨を対価要素として選択したユーザより優先順位が高く設定されてもよい。
また、上記実施の形態において、ゲストユーザの決定を第1ユーザの選択に従って行う場合、入札情報に含まれる第2ユーザの情報は、第2ユーザの名前(ID等)、第1ユーザとの関係(フレンドか否か等)、第2ユーザのレベル、使用キャラクタ、能力値(体力、攻撃力等)、装備等の一部であってもよい。具体的には例えば第2ユーザの名前だけでもよい。
また、上記実施の形態において、ゲストユーザから徴収した対価要素(スタミナ値)のホストユーザへの付与は、ホストユーザがミッション終了までパーティから自主的に抜けない限り、ミッションの成否に拘わらず実行される。これに代えて、ミッションの達成条件を満たした場合にのみホストユーザに対価要素を付与してもよい。また、ミッションの成否に拘わらず対価要素を付与する場合であっても、ミッションの達成度に応じて対価要素が変化(例えばホストユーザに付与されるスタミナ値が増減)してもよい。
また、上記実施の形態では、ゲストユーザとなる第2ユーザがパーティに参加する際にホストユーザに対して対価要素を供出する態様について説明したが、これに加えて、またはこれに代えて、ホストユーザとなる第1ユーザがパーティを生成する際に、ゲストユーザとなる第2ユーザに対して対価要素を供出してもよい。
この場合、入札手段513は、第1ユーザのコンピュータにおいて実行されるミッションとして、第1ユーザが複数のミッションの中から選択した場合に、第1ユーザをホストユーザとしてサーバ装置3に他のユーザとのマッチングを要求する場合に、このミッションにゲストユーザとして参加した場合にゲストユーザに提供する対価要素を第1ユーザが決定し、対価要素の情報および第1ユーザの情報を含む入札情報をサーバ装置3に送信する。
第2ユーザは、第1ユーザが提供する対価要素の情報を見て第1ユーザのパーティに参加するかどうかを判断する。第2ユーザがパーティに参加した場合、対価付与手段54は、第1ユーザがマッチングを要求する際に決定した対価要素を第1ユーザ(ホストユーザ)から徴収し、ゲストユーザとして決定された第2ユーザに付与する。
レベルが低いキャラクタまたはミッションに対して適正でないキャラクタを使用する第1ユーザ(例えば水属性が有効なミッションにおいて水属性のキャラクタを有していない第1ユーザ)がホストユーザとしてミッションを実行したい場合、ゲストユーザとなる第2ユーザがなかなかパーティに参加してくれないおそれがある。このような場合に、第1ユーザが第2ユーザにパーティに参加してもらうための対価要素を提供することにより、第1ユーザが、レベルが高いまたはミッションに対して適正なキャラクタを使用する第2ユーザに、そのミッションを手伝ってもらい易くすることができる。
第1ユーザが対価要素を第2ユーザに供出する場合、第2ユーザは、パーティに参加するための対価要素の最低量(最低額)を予め設定してもよい。この場合、例えば第2ユーザがゲストユーザとして参加するための参加要求を行う際に、その参加要求とともに設定された対価要素の最低量がサーバ装置3に送信される。パーティ生成手段514は、第1ユーザが設定した対価要素の量と、第2ユーザが設定した対価要素の最低量とに基づいて、マッチングを行い、パーティを生成してもよい。
また、上記実施の形態においては、パーティ生成手段514および対価付与手段54は、サーバ装置3の制御部5bが実現する態様について説明したが、これらをゲーム装置2の制御部5a(例えばホストユーザの第1コンピュータ)が実現してもよい。また、上記実施の形態においては、ゲームステージ生成手段52およびミッション実行手段53は、パーティに属する各ユーザのゲーム装置2が実現する(ゲームの進行が、ゲーム装置2側で行われる)態様について例示した。これに代えて、ゲームの進行をサーバ装置3側で管理してもよい。
また、上記実施の形態において、パーティは、サーバ装置3に形成されることを例示したが、複数のゲーム装置2(ホストユーザの第1コンピュータまたはゲストユーザの第2コンピュータ)のうちの何れかに形成されてもよい。
また、上記実施の形態ではゲーム装置2として、スマートフォン、タブレットPC等の携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。
また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD−ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。