JP6597713B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、車両に搭載され車室内を空調する車両用空調装置に関する。
特許文献1および特許文献2は、冷熱の源、または温熱の源をそのまま用いることなく、二次系統の媒体に冷熱または温熱を蓄える技術を開示する。しかし、圧縮機を有する冷凍サイクル(ヒートポンプとして利用される場合を含む)は、継続的な運転期間の中で一時的に停止される場合がある。冷凍サイクルが一時的に停止された場合、冷凍サイクルは急速に温度調節能力を失ってゆく。特許文献3は、冷凍サイクルが一時的に停止された場合に、その停止期間中に温度調節能力を提供する技術を開示する。特許文献4は、完全に閉弁することができる電気式膨張弁を開示している。
米国特許第5277038号明細書 米国特許第6807820号明細書 米国特許第6701731号明細書 特開2015−14306号
従来技術の構成では、冷凍サイクルが一時的に停止された場合に、冷凍サイクルが急速に温度調節能力を失う。このため、車室内を快適に保つことができない問題がある。また、特許文献3では、専用の低圧システムが必要であった。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、車両用空調装置にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、動力源との連動が適切な車両用空調装置を提供することである。
開示される他のひとつの目的は、動力源の再起動時に追従容易な車両用空調装置を提供することである。
開示されるさらに他のひとつの目的は、動力源の再起動時における圧縮機の駆動力を低減する車両用空調装置を提供することである。
ここに開示された車両用空調装置は、動力源からの動力供給が一時的に停止される圧縮機(11)を有し、高温および/または低温を提供する冷凍サイクル(3)と、冷凍サイクルにより提供される高温および/または低温の熱的なバッファとして設けられた系統(4、5)と、冷凍サイクルに設けられ、完全に閉じる全閉状態にできる電気式膨張弁(14、15)と、圧縮機が一時的に停止されると電気式膨張弁を全閉状態に駆動する全閉駆動部(175)と、圧縮機が一時的に停止されると、直前における電気式膨張弁の直前開度を記憶する記憶部(174)と、圧縮機が再び起動されると、電気式膨張弁を直前開度に駆動する直前駆動部(178)と、一時的に停止された後か否かを識別し、圧縮機が一時的に停止された後に再び起動された場合のみ直前駆動部による駆動を許容する識別部(177)とを備える。
開示される車両用空調装置によると、系統は、熱的なバッファを提供する。このため、圧縮機が停止され、圧縮機および冷凍サイクルが温度調節機能を失っても、系統によって温度調節能力が維持される。しかも、電気式膨張弁が完全に閉じられる。このため、高圧と低圧との圧力差が維持される。よって、圧縮機が停止され、圧縮機および冷凍サイクルが温度調節機能を失っても、系統によって温度調節が持続されるとともに、再起動時には維持された高圧と低圧との圧力差が冷凍サイクルの再起動を容易にする。また、多くの再起動する際に圧力差が維持されているため、圧力差を再度つける必要がなくなるため、圧縮機の駆動力を低減することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る車両用空調装置のブロック図である。 電気式膨張弁を説明する波形図である。 車両用空調装置の制御を示すフローチャートである。 電気式膨張弁の制御を示すフローチャートである。 電気式膨張弁の制御を示すフローチャートである。 電気式膨張弁の挙動を示す波形図である。 第2実施形態に係る電気式膨張弁の制御を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る電気式膨張弁の挙動を示す波形図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、車両用空調装置1の構成が示されている。車両用空調装置1は、車両に搭載されている。車両は道路走行車両である。車両は、走行用のエンジン(E/G)2を有する。エンジン2は、車両用空調装置1の動力源としても利用される。エンジン2は、一時的に停止されることがある。
車両用空調装置1は、冷凍サイクル3を有する。冷凍サイクル3は、車両用空調装置1の低温および/または高温の熱源機器として利用される。冷凍サイクル3は、エンジン2によって駆動される圧縮機11を有する。圧縮機11は、逆止機構を提供することができる。冷凍サイクル3は、蒸気圧縮型の冷凍サイクルである。冷凍サイクル3は、圧縮機11の吐出側に設けられた高温熱交換器12を有する。冷凍サイクル3は、圧縮機11の吸入側に設けられた低温熱交換器13を有する。高温熱交換器12と低温熱交換器13とは、冷凍サイクル3の熱交換器を提供する。高温熱交換器12は、冷凍サイクル3により得られる高温を利用する熱交換器を提供する。低温熱交換器13は、冷凍サイクル3により得られる低温を利用する熱交換器を提供する。
冷凍サイクル3は、電気式膨張弁14、15を有する。電気式膨張弁14、15は、高圧系統と低圧系統との間に設けられている。電気式膨張弁14、15は、絞りとして利用される。電気式膨張弁14、15は、冷凍サイクル3の高圧系統と低圧系統との境界に設けられ、それらの圧力差を維持するための部材である。電気式膨張弁14、15は、完全に閉じる全閉状態にできる。
冷凍サイクル3は、電気式膨張弁14と電気式膨張弁15とのいずれか一方を備えることができる。電気式膨張弁14の開度は、低温熱交換器13における冷媒温度、すなわち低温熱交換器13の出口における冷媒の過熱度(スーパーヒート)を、目標過熱度に制御するように制御される。電気式膨張弁14が絞りとして利用されるとき、低温熱交換器13の温度が調節される。電気式膨張弁15の開度は、高温熱交換器12における冷媒温度、すなわち高温熱交換器12の出口における冷媒の過熱度(スーパーヒート)を、目標過熱度に制御するように制御される。電気式膨張弁15が絞りとして利用されるとき、高温熱交換器12の温度が調節される。
電気式膨張弁14が設けられる場合、圧縮機11から電気式膨張弁14に至るまでの区間が高圧系統とされる。電気式膨張弁14が設けられる場合、電気式膨張弁14から圧縮機11に至るまでの区間が低圧系統とされる。
冷凍サイクル3は、放熱器16、レシーバ17、および過冷却器18を備える。高温熱交換器12、放熱器16、レシーバ17、および過冷却器18は、電気式膨張弁14が絞りとして利用されるときの高圧機器を提供する。放熱器16は、高温熱交換器12で放熱されない熱を放熱するために利用される。レシーバ17は、高圧冷媒を蓄える。過冷却器18は、冷媒に過冷却を与える。
車両用空調装置1は、高温系統4と、低温系統5とを有する。車両用空調装置1は、高温系統4および/または低温系統5を備えることができる。高温系統4と低温系統5とは、冷凍サイクル3の冷媒よりも熱的な容量が大きい水または不凍液を二次媒体として利用する二次系統である。高温系統4と低温系統5とは、冷凍サイクル3の冷媒と、熱交換の対象である空気とを、間接的に熱交換させる。高温系統4と低温系統5とは、冷凍サイクル3により得られる低温および/または高温を蓄えることによって、熱的なバッファを提供する。
高温系統4は、二次媒体のための流路21を有する。高温系統4は、二次媒体を流すためのポンプ22を有する。ポンプ22は、電動ポンプによって提供することができる。高温系統4は、冷凍サイクル3の高温熱交換器12と熱交換する熱交換器23を有する。高温熱交換器12と熱交換器23とによって、冷媒と二次媒体とを間の熱交換が提供される。高温系統4は、熱交換器24を有する。熱交換器24は、車両用熱交換器1の暖房用熱交換器、すなわちヒータに相当する。
低温系統5は、二次媒体のための流路31を有する。低温系統5は、二次媒体を流すためのポンプ32を有する。ポンプ32は、電動ポンプによって提供することができる。低温系統5は、冷凍サイクル3の低温熱交換器13と熱交換する熱交換器33を有する。低温熱交換器13と熱交換器33とによって、冷媒と二次媒体とを間の熱交換が提供される。低温系統5は、熱交換器34を有する。熱交換器34は、車両用熱交換器1の冷房用熱交換器に相当する。
高温系統4および低温系統5は、系統を提供する。系統は、冷凍サイクル3の冷媒、および車室内の空気とは異なる媒体であって、冷凍サイクル3により提供される高温および/または低温を蓄えることによりバッファとして機能する。圧縮機11が一時的に停止されると、室内温度を調節するための高温および/または低温を高温系統4および低温系統5だけが供給する。高温系統4および低温系統5だけによって提供される温度調節能力は、圧縮機11が一時停止されている期間における、冷凍サイクル3の状態の変化を抑制する。
車両用空調装置1は、制御装置(A/C ECU)41を備える。制御装置41は、少なくとも電気式膨張弁14、15を制御する。制御装置41は、電気式膨張弁14、15の開度を、完全に閉じた状態を含む複数の段階にフィードバック制御する。制御装置41は、エンジン2によって圧縮機11が駆動されているオン状態(ON状態)と、エンジン2によって圧縮機11が駆動されていないオフ状態(OFF状態)とを示す信号を入力する。
制御装置41は、圧縮機11を制御してもよい。圧縮機11が可変容量圧縮機である場合、制御装置41は圧縮機11の容量を調整してもよい。圧縮機11がON/OFF駆動される電磁クラッチを備える場合、制御装置41は電磁クラッチを制御しても良い。
車両は制御装置(E/G ECU)42を備える。制御装置42は、エンジン制御装置とも呼ばれる。制御装置42は、エンジン2が運転状態にある期間中に、エンジン2を一時的に停止させる。エンジン2が一時的に停止されると、圧縮機11が駆動されなくなる。よって、冷凍サイクル3が一時的に停止される。冷凍サイクル3が一時的に停止されると、高温および/または低温が供給されなくなる。高温系統4および/または低温系統5は、熱的なバッファを提供することにより、高温および/または低温を供給し続ける。
制御装置42は、交差点などでの一時停車にともなって、および/または、安定的な慣性走行状態にともなって、エンジン2を停止させる。交差点などでの一時停車にともなうエンジン2の一時停止は、アイドルストップと呼ばれる。安定的な慣性走行状態にともなうエンジン2の一時停止は、コースティングストップと呼ばれる。制御装置42は、所定時間を経過すると自動的にエンジン2を再度起動する。制御装置42は、エンジン2の一時的な停止を実現するために、多様な手法を用いることができる。制御装置42は、エンジン2の停止期間を示す信号を制御装置41に供給する。
これら制御装置41、42は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制
御装置は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置によって実行されることによって、制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。
制御システムは、制御装置に入力される情報を示す信号を供給する複数の信号源を入力装置として有する。制御システムは、制御装置が情報をメモリ装置に格納することにより、情報を取得する。制御システムは、制御装置によって挙動が制御される複数の制御対象物を出力装置として有する。制御システムは、メモリ装置に格納された情報を信号に変換して制御対象物に供給することにより制御対象物の挙動を制御する。
図2は、吐出圧Pdと吸入圧Psとを示す。実線Pd(EMB)、Ps(EMB)は、この実施形態を示す。破線Pd(CMP)、Ps(CMP)は、比較例を示す。図中には、時刻t11において、圧縮機11が停止された場合が図示されている。
破線Pd(CMP)、Ps(CMP)の場合、圧縮機11が停止されると、時刻t12で冷凍サイクル3は均圧状態に到達する。均圧状態では、高圧と低圧とが等しい圧力を有する。圧縮機11が停止されると、低圧を低い圧力に維持するために電気式膨張弁14、15は閉弁状態となる。しかし、圧縮機11を経由する漏れ、および電気式膨張弁14、15を経由する漏れによって均圧状態に到達する。
実線Pd(EMB)、Ps(EMB)の場合、時刻t11で電気式膨張弁14、15が閉じられている。電気式膨張弁14、15は、閉じられた場合、図示されるように、吐出圧Pdと吸入圧Psとの圧力差を維持することができる。言い換えると、電気式膨張弁14、15は、高低圧差を維持できる完全閉弁状態を実現可能な弁である。
図3は、車両用空調装置1の制御を示すフローチャートである。制御装置41は、基本制御161を行う。ステップ162では、制御装置41は、信号を入力する。ステップ163では、制御装置41は、冷凍サイクル3が運転されるか否か、すなわち圧縮機11がONか否かを判定する。圧縮機11がONされるとき、ステップ164へ分岐する。ステップ164、165では、制御装置41は、冷凍サイクル3が運転されるときの空調制御を実行する。圧縮機11がOFFされるとき、ステップ166へ分岐する。ステップ166、167では、制御装置41は、冷凍サイクル3が運転されないときの空調制御を実行する。
ステップ164では、制御装置41は、冷凍サイクル3によって、車両用空調装置1の熱源、冷熱源としての高温、および/または低温を新たに作り出す。ステップ164で提供される空調制御には、電気式膨張弁14、15のフィードバック(F/B)制御が含まれている。例えば、制御装置41は、冷凍サイクル3が最高の効率で運転されるように、すなわち、観測されるスーパーヒートが目標とするスーパーヒートに到達するように電気式膨張弁14、15を制御する。
ステップ165では、制御装置41は、空調制御を実行する。ステップ165では、制御装置41は、少なくとも室内温度が目標温度に到達するように、室内温度が目標温度に維持されるように、車両用空調装置1の複数の制御要素を制御する。ステップ165では、制御装置41は、例えば、所定の高温が熱交換器24において得られ、所定の低温が熱交換器34において得られるように、ポンプ22、32を制御する。ステップ165では、制御装置41は、例えば、所定の空調効果が得られるように空気系の機器を制御する。
ステップ166では、冷凍サイクル3によって、車両用空調装置1の熱源、冷熱源としての高温、および/または低温が新たに作り出されない。ステップ166で提供される制御には、電気式膨張弁14、15の全閉制御、すなわちFULL CLOSE MODE制御が含まれている。
ステップ167では、制御装置41は、冷凍サイクル3無しで、少なくとも室内温度が目標温度に到達するように、室内温度が目標温度に維持されるように、車両用空調装置1の制御要素を制御する。ステップ166を通る場合、冷凍サイクル3が停止されている。ステップ167では、高温系統4および/または低温系統5への蓄熱状態が決定される。ステップ167では、蓄熱状態だけ、および/または蓄冷状態だけを利用して、少なくとも室内温度が目標温度に到達するように、そして、室内温度が目標温度に維持されるように、車両用空調装置1の制御要素を制御する。ステップ167では、制御装置41は、蓄熱状態だけ、および/または蓄冷状態だけを利用して、高温および/または低温が熱交換器24、34において得られるように、ポンプ22、32を制御する。ステップ165では、制御装置41は、例えば、所定の空調効果が得られるように空気系の機器を制御する。
図4は、電気式膨張弁14、15の開度を制御するためのフローチャートを示す。制御装置41は、電気式膨張弁14、15のための開度制御171を行う。電気式膨張弁14、15の開度は、制御対象であるスーパーヒート(SH)またはスーパークール(SC)にが目標値になるようにフィードバック制御される。電気式膨張弁14、15の開度は、圧縮機11が停止されている期間中は最小の開度、すなわち全閉に安定的に制御される。さらに、圧縮機11が再始動されるときには、停止時の直前開度に安定的に制御される。直前開度はフィードバック制御の初期値ともされる。
ステップ172では、制御装置41は、信号を入力する。例えば、制御装置41は、圧縮機11のONまたはOFFを示す信号を検出する。ステップ173では、制御装置41は、圧縮機11が、ON状態からOFF状態へと切り換えられたか否かを判定する。圧縮機11がON状態からOFF状態へ切り換えられた場合、ステップ174へ進む。それ以外の場合、ステップ176へ進む。
ステップ174では、制御装置41は、直前における電気式膨張弁14、15の開度を記憶する。直前における電気式膨張弁14、15の開度は、直前開度として記憶される。制御装置41は、直前開度を、少なくとも圧縮機11がOFF状態に置かれている間中記憶している。
ステップ175では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度を、全閉にする。この結果、電気式膨張弁14、15の開度は全閉にされる。ステップ175は、圧縮機11が一時的に停止されると電気式膨張弁14、15を全閉状態に駆動する全閉駆動部を提供する。
ステップ176では、制御装置41は、圧縮機11が、OFF状態からON状態へと切り換えられたか否かを判定する。この「OFF状態からON状態へと切り換え」には、空調制御のために圧縮機11が、OFF状態からON状態へと切り換えられた場合が含まれている。この「OFF状態からON状態へと切り換え」には、制御装置42からの要求により、圧縮機11が、OFF状態からON状態へと切り換えられた場合、すなわち、一時的なOFF状態からの復帰に伴う切り換えの場合が含まれている。ステップ176において、「OFF状態からON状態へと切り換え」が判定された場合、ステップ177へ進む。ステップ173、およびステップ176の判定が否定的である場合、ステップ179へ進む。すなわち、圧縮機11がON状態に置かれている間中、ステップ179へ進む。
ステップ177では、制御装置41は、圧縮機11が一時的なOFF状態から復帰したか否かを判定する。この判定は、制御装置42によるエンジン2の一時的なOFF状態が実現されたか否かを判定することで実行できる。一時的なOFF状態からの復帰である場合、ステップ178へ進む。一時的なOFF状態からの復帰ではない場合、すなわち、空調要求に基づいて圧縮機11が継続的にON状態におかれる場合に、ステップ179へ進む。
ステップ178では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度を、直前開度に戻す。この結果、電気式膨張弁14、15の開度は直前開度に戻される。この状態は所定時間の間、維持される。例えば、制御サイクルの1サイクルの間、目標開度が直前開度に維持される。直前開度は、電気式膨張弁14、15の制御に要する演算負荷を抑制し、電気式膨張弁14、15をすばやく復帰させるために貢献する。
ステップ179では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度を、フィードバック制御によって与えられる開度とする。よって、ステップ178が実行された後に、ステップ179へ進む場合がある。この場合に、ステップ178は、ステップ179で与えられるフィードバック制御の初期値を与える。
ステップ174は、圧縮機11が一時的に停止されると、直前における電気式膨張弁14、15の直前開度を記憶する記憶部を提供する。記憶部は、制御装置41の記憶装置と協働して提供される。ステップ178は、圧縮機11が再び起動されると、電気式膨張弁14、15を直前開度に駆動する直前駆動部を提供する。ステップ177は、一時的に停止された後か否かを識別し、圧縮機11が一時的に停止された後に再び起動された場合のみ直前駆動部による駆動を許容する識別部を提供する。ステップ177が設けられることで、冷凍サイクル3が通常に使用状態に置かれた直後に圧縮機11が起動された場合と区別した制御が提供される。
図5は、電気式膨張弁14、15の開度を制御するためのフローチャートを示す。電気式膨張弁14、15は、知られたアクチュエータと、知られた弁機構とによって実現可能である。電気式膨張弁14、15は、特許文献4に開示される構成をとることができる。この場合、特許文献4は、参照によって導入される。
制御装置41は、ゲイン設定のために処理181を実行する。ステップ182では、制御装置41は、信号を入力する。例えば、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度示す信号を検出する。ステップ183では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度が全閉開度または直前開度であるか否かを判定する。目標開度が全閉状態を示す場合、または目標開度が直前開度を示す場合、ステップ184へ進む。それ以外の場合、ステップ186へ進む。
ステップ184では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度がすばやく実現されるようにゲインGtmを設定する。ゲインGtmは、電気式膨張弁14、15が実現可能な最高の速度に対応する。例えば、アクチュエータとしてステップモータが用いられる場合、1回の変化で得られるステップ変化の上限、例えば、ステップ/secが最大値に設定される。
ステップ185では、制御装置41は、電気式膨張弁14、15の目標開度が実現されるようにゲインGfbを設定する。ゲインGfbは、電気式膨張弁14、15が安定的に実現可能な応答性に対応する。
ゲインGtmは、ゲインGfb以上に設定されている。ステップ185は、電気式膨張弁14、15の開度をフィードバック制御するフィードバック制御部を提供する。フィードバック制御部は、電気式膨張弁14、15の安定的な挙動を実現するように設定されている。フィードバック制御部は、例えば、スーパーヒートまたはスーパークールを制御目標とするPID制御によって実現可能である。ステップ184は、フィードバック制御部よりもすばやく電気式膨張弁14、15を全閉状態へ駆動するように応答を促進する応答促進部を提供する。ステップ184は、フィードバック制御部よりもすばやく電気式膨張弁14、15を直前開度へ駆動するように応答を促進する応答促進部を提供する。応答促進部は、電気式膨張弁14、15の開度を制御するゲインを調節する。
図6は、圧縮機11のON/OFFと、電気式膨張弁14、15の制御ゲインと、制御対象であるスーパーヒート(SH)との挙動の一例を示す波形図である。縦軸は、圧縮機11(COMP)のON/OFF、電気式膨張弁14、15の制御ゲインGAIN、および、スーパーヒートSHを示す。横軸は、時間の経緯T(sec)を示す。時刻t21において、空調制御のために、圧縮機11がOFF状態から、ON状態へ制御されている。時刻t22では、圧縮機11が一時的にON状態からOFF状態に駆動されている。時刻t23では、圧縮機11がOFF状態からON状態へ、再度、自動的に、復帰している。
時刻t21の直後において、圧縮機11の作動開始に伴って低圧Psが低下し、スーパーヒートは急速に上昇する。時刻t21直後の制御開始直後において、電気式膨張弁14のゲインGfbは、目標値TGへのスーパーヒートの急速な応答を可能とする。スーパーヒートSHが目標値TGに到達すると、ゲインGfbは自動的に調節されてもよい。ゲインGfbは、スーパーヒートSHが目標値TG近傍に維持される安定性を与える。
時刻t22において、制御装置42により一時的にエンジン2が停止される。同時に、直前開度が記憶される。同時に、電気式膨張弁14のゲインGtmが与えられる。同時に、電気式膨張弁14の目標開度が全閉にされる。ゲインGtmは、電気式膨張弁14の開度が目標とする全閉状態へ向けて急速に応答することを可能とする。この結果、制御装置42により一時的にエンジン2が停止されると同時に電気式膨張弁14が全閉状態へ制御される。
時刻t23において、制御装置42によりエンジン2が自動的に始動される、同時に、直前開度が目標値として設定される。同時に、電気式膨張弁14のゲインGtmが与えられる。ゲインGtmは、電気式膨張弁14の開度が目標とする直前開度へ向けて急速に応答することを可能とする。この結果、制御装置42によりエンジン2が再始動されると同時に電気式膨張弁14が直前開度へ戻される。やがてフィードバック制御が開始されると、ゲインGtmからゲインGfbに戻される。
電気式膨張弁14、15は、エンジン2が、一時的に、しかも自動的に、停止されている間中、全閉状態におかれる。しかも、電気式膨張弁14、15はフィードバック制御されているが、フィードバック制御を上回る制御信号によって確実に全閉状態におかれる。このため、冷凍サイクル3の高低圧は、直前の作動状態に維持される。エンジン2が自動的に再始動されると、電気式膨張弁14、15は、直前の作動状態に戻される。しかも、電気式膨張弁14、15はフィードバック制御されているが、フィードバック制御を上回る制御信号によって確実に直前開度に戻される。このため、冷凍サイクル3の高低圧は、直前の作動状態から再び制御される。しかも、直前開度は、フィードバック制御の初期値を与えることになるから、フィードバック制御が安定して再開される。
第2実施形態
上記実施形態では、エンジン2が再起動されることによって、圧縮機11がOFF状態からON状態に切り換えられると、同時に、電気式膨張弁14、15に直前開度を与えている。これに加えて、圧縮機11の緩衝制御が加えられてもよい。
例えば、図7に示すフローチャートが用いられる。ステップ178に代えて、ステップ278が用いられる。ステップ278は、直前開度よりも大きい開度、すなわち、直前開度+αを与える。ステップ278は、圧縮機11が再起動されたときに電気式膨張弁14、15が全閉状態にあることを阻止する阻止部を提供する。ステップ278が与える大きめの開度は、圧縮機11が再起動されたときに高圧が過度に上昇するのを防ぐ。圧縮機11が再起動されたときの衝撃を弱めるために、直前開度よりも小さい開度が用いられてもよい。
また、ステップ278の後に、ステップ291の処理が加えられてもよい。ステップ291は、比較的大きい開度を遅延時間だけ与え続ける。このステップ291により与えられる遅延時間は、圧縮機11が再起動される場合において、高圧が過度に上昇するのを防ぐ。例えば、圧縮機を再起動する際に、圧縮機の衝撃を緩和する程度に高圧の過度の上昇が防止される。
第3実施形態
上記実施形態では、圧縮機11が一時的に停止される場合に、電気式膨張弁14、15の直前開度を記憶している。これに代えて、または加えて、圧縮機11の運転再開に適した開度を直前開度として記憶するように信号処理部を設けてもよい。この場合、例えば、信号処理部は、冷凍サイクル3の挙動の安定を判定する。記憶部は、冷凍サイクル3の挙動が安定しているときの開度を直前開度として記憶する。
図8において、縦軸は、圧縮機11(COMP)のON/OFF、電気式膨張弁14、15の開度(VOP)、および、蒸発器における過熱度、すなわちスーパーヒート(SH)を示す。横軸は、時間の経緯T(sec)を示す。時刻t31において圧縮機11が一時的に停止され、時刻t32において圧縮機11が一時的な停止から再運転されている。
この実施形態では、図4または図7のフローチャートを利用可能である。ステップ174において、冷凍サイクル3の挙動の安定が判定される。冷凍サイクル3の挙動の安定は、電気式膨張弁14、15の開度の安定によって判定される。ステップ174では、例えば、開度の変動が所定の閾値dVth以内であることが判定される。開度の変動が所定の閾値dVth以内である場合、冷凍サイクル3の挙動は安定的であると判定される。さらに、ステップ174において、冷凍サイクル3の挙動が安定しているときの開度が直前開度として記憶される。ステップ174は、記憶部を提供するとともに、信号処理部を提供する。
この実施形態によると、冷凍サイクル3の挙動が安定している期間の開度が、直前開度として記憶される。このため、圧縮機11が運転再開された後に、冷凍サイクル3の挙動が安定している状態を再現することができる。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、高温系統4と低温系統5との両方を設けている。これに代えて、高温系統4または低温系統5だけを備えてもよい。例えば、低温系統5だけを設けて、冷房感の悪化を抑制してもよい。
上記実施形態では、圧縮機11の運転再開に適した開度として、冷凍サイクル3の挙動が安定している期間における開度を直前開度として記憶している。これに代えて、または加えて、記憶部は、冷凍サイクルの挙動が安定している期間における開度の複数のサンプル値に基づいて、直前開度として記憶される値を計算してもよい。例えば、複数のサンプル値の平均値、中央値、なまし値(加重平均値)などを計算し、直前開度として記憶してもよい。
上記実施形態では、全閉状態および直前開度が実現されるように、ゲインGtmとゲインGfbとを切り換えている。これに代えて、電気式膨張弁14、15を制御するための信号を所定値にしてもよい。例えば、信号は、電気式膨張弁14、15を全閉状態に駆動する信号でもよい。また、信号は、電気式膨張弁14、15を直前開度に制御する信号でもよい。
上記実施形態では、エンジン2が再び始動されて、圧縮機11が再び始動されると、電気式膨張弁14、15が全閉状態から、所定の開度へ制御される。これに代えて、圧縮機11が始動される前に、電気式膨張弁14、15が全閉状態から、所定の開度へ制御されてもよい。電気式膨張弁14、15の全閉状態に起因する高圧の過度な上昇を防ぐ。
上記実施形態では、電気式膨張弁14、15として、単一の流路を開閉する電気式膨張弁14、15を例示した。これに代えて、複数の調節可能な流路を備えていてもよい。例えば、開閉可能な流路と、調節可能な流路とを併用することができる。このような電気式膨張弁は、流量を調節できる範囲を拡張することを可能とする。
上記実施形態では、電気式膨張弁14、15の制御について詳細に説明した。これに加えて、車両用空調装置1の送風機を連動して制御してもよい。例えば、圧縮機11がON状態からOFF状態にされると同時に、送風機の送風量を減少させてもよい。また、圧縮機11がOFF状態からON状態にされると同時に、送風機の送風量を、空調負荷に応じた風量に増加させてもよい。このような連動は、快適性を向上させる場合がある。また、このような連動は、高圧と低圧との圧力差の維持をより確実に、かつより長時間にする。
上記実施形態では、全閉状態にできる電気式膨張弁14、15が用いられる。これに代えて、多様な電気式膨張弁14、15を用いることができる。例えば、電気式膨張弁14、15は、開閉のみを行うための弁機構を備えることができる。
上記実施形態では、動力源としてエンジン2が用いられ、エンジン2により駆動される圧縮機11が使用される。これに代えて、動力源は電動機、または車両に搭載された蓄電池でもよい。この場合、圧縮機11は電動式の圧縮機とされ、車両用の蓄電池または高圧の電池によって駆動される。この場合にも、電動機は空調のための要請ではなく、アイドルストップあるいは騒音低減といった空調以外の外的な要請により停止される場合がある。エンジン2に代えて、電動機が強制的に停止される場合に、この実施形態は高圧と低圧を維持するから、再起動が容易になる。
上記実施形態では、一時的な停止であるか否かは、ステップ177によって判定される。一例として、動力源であるエンジン2が一時的に停止されることによって、圧縮機11が一時的に停止される場合がある。一例として、エンジン2と圧縮機11とを連動させる動力伝達系統に電磁クラッチを設け、電磁クラッチを連結状態から遮断状態に制御することによって、圧縮機11が一時的に停止される場合がある。
ステップ177における一時的か否かの判定は、予め設定されている短期間のオフ状態を判定するために利用される。また、一時的か否かの判定は、圧縮機11が再び起動された場合に、直前開度を利用可能か否かの判定でもある。一時的か否かの判定は、動力源の事情に起因する強制的な停止であるか否かの判定でもあると言える。典型的な例では、一時的か否かの判定では、空調状態に起因する停止は短時間のものであっても否と判定される場合がある。一時的な停止の語は、この明細書に述べられた複数の例を包含するものとして解されるべきである。
動力源が一時的に停止されているときでも、蓄熱または蓄冷が可能な熱的なバッファによって空調を維持可能である。一時的と呼ばれる期間は、蓄熱手段または蓄冷手段による補助的な空調の可能期間と同じか、蓄熱手段または蓄冷手段による補助的な空調の可能期間より短いことが望ましい。例えば、蓄熱手段または蓄冷手段として、蓄冷エバポレータ、冷房もしくは暖房のための水回路を設けることができる。例えば、蓄冷式冷房運転を実施する場合、蓄冷手段により冷房する期間は、動力源を停止することができる。また、蓄熱暖房運転を実施する場合、蓄熱手段により暖房する期間は、動力源を停止することができる。
動力源は、車両の走行用動力を供給するとともに、圧縮機11の駆動力を供給する場合がある。この場合、一時的な期間は、走行用動力としての必要量を満足するための停止期間である。例えば、走行用のエンジンの駆動力により圧縮機11を駆動する場合がある。
一例として、車両の加速のための動力を得るために、圧縮機11への動力供給が一時的に停止(遮断(カット))される。つまり、必要な走行出力が大きく、圧縮機11を駆動させる余力が得られないから、圧縮機11への動力供給が停止される。この場合、一時的な停止か否かの判定は、空調用途以外への動力供給のための停止であるか否かの判定といえる。この場合、エンジンと圧縮機11とは、例えばベルト式の動力伝達系統によって連結され、動力伝達系統は、電磁クラッチを備える。一時的な停止は、電磁クラッチを連結状態から遮断状態に制御することによって実行される。
他の一例として、エンジン2は、アイドルストップ制御を含む燃料消費を抑制するためのエンジン制御により停止される場合がある。この場合、燃料消費を抑制するためにアイドル時にエンジン2が停止されるから、圧縮機11が停止される。他の一例として、コースティング走行と呼ばれるエンジン制御方式が採用されている車両形式が知られている。この場合、燃料消費を抑制するために安定走行時にエンジン2が停止されるから、圧縮機11が停止される。これらの場合、一時的な停止か否かの判定は、燃料消費を抑制するための停止であるか否かの判定といえる。これらの例が、一時的な停止の語に含まれ得ると解されるべきである。
動力源は、電力により動力を発生する電動機が採用される場合がある。電動機は、車両の走行用動力、および/または圧縮機11の動力を供給する場合がある。典型的な一例では、電動機によって圧縮機11が駆動される場合がある。例えば、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、または電気自動車と呼ばれる車両形式が知られている。これらの車両でも、動力源の事情に起因して、一時的に圧縮機11の動力が停止される場合がある。
一例として、電池の残存電力量が低下する場合がある。この場合、電池電力の使用量を一時的に低下させるために、一時的に圧縮機11の動力が停止される。車両が発電機を備える場合には、電池が充電される。他の一例として、電池の温度は、電池の性能維持のために望ましくない高温になる場合がある。この場合、電池を保護し冷却するため、圧縮機11を駆動するための電池電力の使用を一時的に停止する。
動力源がエンジンまたは電動機によって提供される場合、空調負荷に応じて圧縮機11の回転数が制御される場合がある。空調負荷が低い場合、圧縮機11の回転数が低く制御される場合がある。この場合、圧縮機11の回転数は、最低回転数にまで下がる場合がある。しかし、冷凍サイクル3内における潤滑油の循環量を確保するために、圧縮機11の回転数は最低回転数より高いことが望ましい。そこで、圧縮機11は、間欠的に運転される場合がある。この場合、圧縮機11の動力は、一時的な運転と一時的な停止とを間欠的に繰り返す。この例でも、動力源は、空調状態に依存することなく、一時的に停止されているといえる。この場合、一時的な停止か否かの判定は、最小の空調能力を提供するための停止であるか否かの判定といえる。
1 車両用空調装置、 2 エンジン、 3 冷凍サイクル、
4 高温系統、 5 低温系統、
11 圧縮機、 12 高温熱交換器 、
13 低温熱交換器、 14、15 電気式膨張弁、
16 放熱器、 17 レシーバ、 18 過冷却器、
21、31 流路、 22、32 ポンプ、
23、24、33、34 熱交換器、 41、42 制御装置。

Claims (8)

  1. 動力源からの動力供給が一時的に停止される圧縮機(11)を有し、高温および/または低温を提供する冷凍サイクル(3)と、
    前記冷凍サイクルにより提供される高温および/または低温の熱的なバッファとして設けられた系統(4、5)と、
    前記冷凍サイクルに設けられ、完全に閉じる全閉状態にできる電気式膨張弁(14、15)と、
    前記圧縮機が一時的に停止されると前記電気式膨張弁を全閉状態に駆動する全閉駆動部(175)と、
    前記圧縮機が一時的に停止されると、直前における前記電気式膨張弁の直前開度を記憶する記憶部(174)と、
    前記圧縮機が再び起動されると、前記電気式膨張弁を前記直前開度に駆動する直前駆動部(178)と、
    一時的に停止された後か否かを識別し、前記圧縮機が一時的に停止された後に再び起動された場合のみ前記直前駆動部による駆動を許容する識別部(177)とを備える車両用空調装置。
  2. 前記電気式膨張弁の開度をフィードバック制御するフィードバック制御部(179、185)と、
    前記フィードバック制御部よりもすばやく前記電気式膨張弁を前記直前開度へ駆動するように応答を促進する応答促進部(184)とを備える請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記電気式膨張弁の開度をフィードバック制御するフィードバック制御部(179、185)と、
    前記フィードバック制御部よりもすばやく前記電気式膨張弁を前記全閉状態へ駆動するように応答を促進する応答促進部(184)とを備える請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記応答促進部(184)は、前記電気式膨張弁の開度を制御するゲインを調節する請求項2または請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記系統は、前記冷凍サイクルの冷媒、および車室内の空気とは異なる媒体であって、前記冷凍サイクルにより提供される高温および/または低温を蓄えることにより前記バッファとして機能する請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 前記圧縮機が一時的に停止されると、室内温度を調節するための高温および/または低温を前記系統が供給する請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 前記圧縮機は、一時的に停止される前記動力源により駆動される請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両用空調装置。
  8. 前記動力源は、エンジン(2)であり、アイドルストップ制御を含む燃料消費を抑制するためのエンジン制御により停止される請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用空調装置。
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