JP6581722B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの前輪を備えた鞍乗型車両に関する。
従来、特許文献1及び2に開示されているように、2つの前輪を有する鞍乗型車両が知られている。このような鞍乗型車両では、一般に、2つの前輪の後方斜め上方にハンドルが設けられている。また、ハンドルよりも後側にパワーユニット(駆動装置)が設けられている。パワーユニットの少なくとも一部の上方に、シートが設けられている。
ハンドルよりも後側にパワーユニットが配置された上述のような鞍乗型車両では、車両前部のデザインの自由度は高い。このため、車両前部に特徴のあるデザインを採用することによって、商品性を高めることができる。
伊国特許出願第MI2009A2076号公報 米国意匠特許第D547242号公報
上記のような鞍乗型車両には、種々のセンサが設けられる場合がある。特許文献1に開示された車両では、衝突を検知するための加速度センサが設けられている。具体的には、特許文献1の鞍乗型車両では、車幅方向中央部において、2つの前輪を有する一般の鞍乗型車両よりも車体フレームが前方に延びていて、該車体フレームの延びた部分に加速度センサが取り付けられている。また、特許文献1の鞍乗型車両では、車体フレームの上記延びた部分及び加速度センサを覆うように、カバーが取り付けられている。
特許文献1に記載された鞍乗型車両の構成によれば、カバーによって加速度センサを保護しつつ、車両前部の衝突を早期に検出することが可能になると考えられる。
しかしながら、車両前部に、衝突を早期に検出するための加速度センサ等を設ける場合には、前記車両前部の構成を、前記加速度センサ等を配置可能な構成にする必要がある。そのため、車両のデザインの自由度が制約を受けやすい。
したがって、本発明は、2つの前輪を有する鞍乗型車両において、車両の衝突を検出するセンサを設けた場合でも、車両前部のデザインの自由度が低下しない構成を得ることを目的とする。
本発明者らは、特許文献1及び2に記載されたような構成の鞍乗型車両も含めて、2つの前輪を有する鞍乗型車両の衝突について種々の検討を行った。この検討のなかで、鞍乗型車両の種々の構成部材のうち最初に衝突する部材に、衝突を検知するためのセンサを設けることにより、鞍乗型車両の衝突を判定できることが分かった。この観点からは、特許文献1及び2に記載されたような、車体フレーム及びカバーが2つの前輪よりも前方まで延びた構成の鞍乗型車両では、車体フレームまたはカバーの上記前方に延びた部分にセンサを設けることが考えられる。
一方、デザインの観点からは、2つの前輪の前端部が、車体フレームの前端部及びカバーの前端部よりも前方に位置する構成も考えられる。このような構成の鞍乗型車両では、特許文献1の構成(車体フレームのうち2つの前輪よりも前方に延びた部分にセンサを取り付ける構成)をそのまま適用することはできない。
そこで、本発明者らは、上記のような鞍乗型車両においても衝突を判定できる構成について研究を進めた。その結果、本発明者らは、ヘッドパイプよりも前側、かつ、左右方向において中央線よりも右側及び左側にそれぞれセンサを設けることによって、車両前部の衝突位置にかかわらず、該衝突を迅速に検知できることを見出した。この場合、鞍乗型車両の種々の構成部材のうち最初に衝突する部材にセンサを設けなくても、衝突を判定することができる。
また、本発明者らは、2つの前輪を有する鞍乗型車両では、前輪が1つの鞍乗型車両とは異なり、オフセット衝突という状況が考えられることに留意して、さらに研究を進めた。その結果、上記のように車両の左右にセンサを設けることによって、左右のセンサの信号に基づいて、鞍乗型車両がオフセット衝突した場合でも、該鞍乗型車両の衝突を検知できることが分かった。
このように、本発明者らの研究の結果、2つの前輪を有する鞍乗型車両において、少なくとも車両の左右にそれぞれセンサを設けることによって、衝突を判定できることが分かった。例えば、少なくとも車両の左右にそれぞれセンサを設けることによって、車体フレームのうち2つの前輪よりも前方に延びた部分にセンサを取り付けなくても、衝突を判定することができる。これにより、車両前部のデザインの自由度の低下を防止できる。
本発明者らは、以上の知見に基づいて、以下のような構成に想到した。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両は、鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央に設けられた中央ステアリングシャフトと、前記中央ステアリングシャフトに接続されるハンドルと、前記中央ステアリングシャフトを回転可能に支持する中央ヘッドパイプを有する車体フレームと、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央よりも左側に配置され、前記中央ステアリングシャフトの回転によって操舵される左前輪と、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央よりも右側に配置され、前記中央ステアリングシャフトの回転によって操舵される右前輪と、前記鞍乗型車両の前後方向において、前記ハンドルよりも後側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線上に配置され、前記車体フレームに支持される中央シートと、前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ステアリングシャフトよりも後側に配置され、前記車体フレームに支持されるパワーユニットと、前記車体フレームに取り付けられた車体カバーと、前記左前輪と、前記左前輪を支持し、前記左前輪に加わる衝撃を緩衝する左緩衝装置と、を含み、前記車体フレームに支持される左前輪ユニットと、前記右前輪と、前記右前輪を支持し、前記右前輪に加わる衝撃を緩衝する右緩衝装置と、を含み、前記車体フレームに支持される右前輪ユニットと、前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の左側に配置され、前記車体フレーム、前記車体カバー、または前記左前輪ユニットに設けられ、かつ車両の衝突に関する第1衝突情報を検出する左衝突検出センサと、前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の右側に配置され、前記車体フレーム、前記車体カバー、または前記右前輪ユニットに設けられ、かつ車両の衝突に関する第2衝突情報を検出する右衝突検出センサと、前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報に基づいて車両の衝突を判定する判定部と、を備える。
上述の構成では、鞍乗型車両の前後方向において、中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の左側に左衝突検知センサが設けられる。前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の右側に右衝突検知センサが設けられる。このように、上述の構成では、前記中央ヘッドパイプよりも前側に、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央よりも左側及び右側にそれぞれ衝突検知センサが配置される。この場合、車両前部の衝突位置にかかわらず、左右の衝突検知センサによって車両の衝突を検知することができる。これにより、車両の種々の構成部材のうち最初に衝突する部材に衝突検知センサを設けなくても、衝突を判定することができる。
また、車両の左右に衝突検知センサを設けることによって、オフセット衝突の判定も行うことができる。
さらに、上述の構成は、フレーム及びカバーの少なくとも一方が左右の前輪よりも前方に延びた構成を有する鞍乗型車両にも適用できるし、フレーム及びカバーの少なくとも一方の前端が左右の前輪の前端よりも後側に位置する構成を有する鞍乗型車両にも適用できる。したがって、車両前部のデザインの自由度の低下を防止できる。
以上のように、上述の構成によれば、車両前部のデザインの自由度を低下させることなく、車両の衝突を判定することができる。
前記左衝突検出センサおよび前記右衝突検出センサは、前記中央ステアリングシャフトに対して左右対称の位置で、かつ、前記左衝突検出センサと前記左前輪との間の前記鞍乗型車両の左右方向における距離と前記右衝突検出センサと前記右前輪との間の前記鞍乗型車両の左右方向における距離とが等しくなる位置に配置されていてもよい。前記左衝突検出センサおよび前記右衝突検出センサの両方が、前記車体フレーム、前記車体カバー、前記左前輪ユニットおよび前記右前輪ユニットのうちのいずれか一つに設けられていてもよい。
これにより、車両前部のデザインの自由度を低下させることなく、鞍乗型車両が衝突した際に、左右の衝突検出センサによって衝突をより精度良く検出できる。
前記判定部は、前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報のうちの少なくとも一つの衝突情報が所定の条件を満たしている場合に、前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報が同時に所定の条件を満たしている場合に、または、前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報のうちの一つの衝突情報が所定の条件を満たした後、所定時間内に他の衝突情報が前記所定の条件を満たした場合に、車両が衝突したと判定してもよい。
これにより、鞍乗型車両が正面衝突した場合でもオフセット衝突した場合でも、左衝突検出センサおよび右衝突検出センサを用いて、車両の衝突を検出できる。よって、車両前部のデザインの自由度を低下させることなく、車両の衝突を判定することができる。
前記鞍乗型車両は、外部装置に信号を送信する送信機、エアバッグ装置、及びドライブレコーダのうちの少なくとも一つと、前記判定部の判定結果に基づいて前記少なくとも一つを制御する駆動制御部とをさらに備えていてもよい。
これにより、左衝突検出センサおよび右衝突検出センサを用いて鞍乗型車両の衝突を検出した際に、エアバッグ装置及びドライブレコーダ等を含む他の装置を駆動させることができる。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両によれば、車両の衝突を検出するセンサを設けた場合でも、車両前部のデザインの自由度が低下することを防止できる。
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本発明の説明においては、いくつもの技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てとともに使用することもできる。
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせを全て繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
本明細書では、本発明に係る鞍乗型車両の実施形態について説明する。
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
<鞍乗型車両の定義>
本明細書において、鞍乗型車両とは、乗員がシートを跨いだ状態で該シートに着座する車両である。よって、鞍乗型車両には、乗員がシートを跨いだ状態で該シートに着座する車両であれば、三輪車及び四輪車などの車両も含む。
<鞍乗型車両の中央の定義>
本明細書において、鞍乗型車両の中央とは、ある方向において、鞍乗型車両の中央部分の領域を意味する。
<鞍乗型車両の中央線の定義>
本明細書において、鞍乗型車両の中央線とは、ある方向において、鞍乗型車両の中央に位置する仮想線を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の全体構成の概略を示す側面図である。 図2は、車体カバーを外した状態で車両を前方から見た場合の車両前部の構成を示す正面図である。 図3は、車両前部を図2におけるIII−III線で切断した場合の断面図である。 図4は、取付ブラケットを示す斜視図である。 図5は、図3のV矢視図である。 図6は、図2の状態から、車両を鉛直方向に対して傾斜させた場合の正面図である。 図7は、車両の制御系の一例を示すブロック図である。 図8は、判定部によって実行される判定処理の一例を示すフロー図である。 図9は、送信機を有する鞍乗型車両の制御系の一例を示すブロック図である。 図10は、ドライブレコーダを有する鞍乗型車両の制御系の一例を示すブロック図である。 図11は、複数のステアリングシャフトを有する鞍乗型車両の全体構成の概略を示す側面図である。 図12は、図11の鞍乗型車両の前部を前方から見た概略正面図である。 図13は、第一ステアリングシャフトと第二ステアリングシャフトとの連結構造を拡大して示す平面図である。 図14は、衝突検出センサの配置の例を示す図である。
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
以下、図中の矢印Fは、鞍乗型車両の前方向を示す。図中の矢印Uは、鞍乗型車両の上方向を示す。図中の矢印Rは、鞍乗型車両の右方向を示す。また、車幅方向中央とは、鞍乗型車両の正面視において、鞍乗型車両の車幅方向の中心位置を意味する。さらに、前後左右の方向は、それぞれ、鞍乗型車両を運転する乗員から見た場合の前後左右の方向を意味する。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両1(以下、車両1と略記する。)の全体構成の概略を示す側面図である。車両1は、車両本体2と、左右一対の前輪3と、後輪4とを備えている。すなわち、この実施形態における車両1は、左右一対の前輪3を有する三輪車である。
車両本体2は、リンク機構5と、エアバッグ装置7と、制御装置10と、操舵機構11と、車体フレーム21と、車体カバー22と、ハンドル23と、シート24(中央シート)と、パワーユニット25と、左緩衝装置33と、右緩衝装置34と、左衝突検出センサ40aと、右衝突検出センサ40bと、ステアリングシャフト60(中央ステアリングシャフト)と、ヘッドランプ80とを備えている。
(車体フレーム)
車体フレーム21は、シート24及びパワーユニット25等を支持する。シート24は、前後方向において、ハンドル23よりも後側、かつ、左右方向において、車両1の中央線X上に配置され、車体フレーム21に支持されている(図14参照)。図1を参照して、パワーユニット25の少なくとも一部は、シート24の下方に位置している。パワーユニット25は、前後方向において、ステアリングシャフト60よりも後側に配置され、車体フレーム21に支持される。パワーユニット25は、エンジンあるいは電動モータ等の動力源と、ミッション装置等の変速機構とを含んでいる。なお、図1では、車体フレーム21を破線で示す。
車体フレーム21は、上下方向に延びるヘッドパイプ211と、ヘッドパイプ211から後方に延びるフロントフレーム212と、フロントフレーム212の後端から後方に延びるリアフレーム213とを含んでいる。ヘッドパイプ211は、車両1の前部に配置されている。ヘッドパイプ211の周囲には、リンク機構5が配置されている。
ヘッドパイプ211は、円筒形状を有しかつフロントフレーム212に支持されている。ヘッドパイプ211には、ステアリングシャフト60が回転自在に挿入されている。ステアリングシャフト60は、上下方向に延びている。ステアリングシャフト60は、左右方向において、車両1の中央に設けられている。
図2は、車両1において車体カバー22を外した状態を示す正面図である。図3は、車両1の前部を図2におけるIII−III線で切断した場合の断面図である。なお、図2では、車体カバー22の後述するフロントカバー221及びウィンドシールド226を破線で示している。また、図2では、ヘッドランプ80、後述する取付ブラケット90及び後述する支持フレーム214は図示していない。図3では、ステアリングシャフト60等の回転軸、ヘッドランプ80及びナットは、断面で示していない。
図2及び図3を参照して、車体フレーム21は、更に、第一貫通部211a、第二貫通部211b、及び第三貫通部211cを含む。第一貫通部211aは、ヘッドパイプ211から、リンク機構5を貫通するように、前方に突出している。第二貫通部211bは、ヘッドパイプ211から、リンク機構5を貫通するように、前方に突出している。第三貫通部211cは、ヘッドパイプ211から、リンク機構5を貫通するように、後方に突出している。
図1及び図2を参照して、ステアリングシャフト60の上端には、車幅方向に延びるハンドル23が接続されている。フロントフレーム212は、ヘッドパイプ211に接続された前端から後方かつ下方に延びている。図1を参照して、リアフレーム213は、シート24及びテールランプ(図示省略)を支持する。
図1及び図3を参照して、フロントフレーム212の上部には、上下方向に延びる支持フレーム214が接続されている。支持フレーム214は、前後方向においてヘッドパイプ211の後側に配置されている。支持フレーム214は、ヘッドパイプ211にも接続されている。
支持フレーム214の上部には、エアバッグ装置7が収納されたエアバッグ収納ケース215が接続されている。
図1及び図3を参照して、車体フレーム21は、更に、取付ブラケット90を含む。図4は、取付ブラケット90を示す斜視図である。
図3及び図4を参照して、取付ブラケット90は、ヘッドパイプ211に固定される固定部91、車体カバー22が取り付けられる取付部92、及びヘッドランプ80が取り付けられる取付部93を有している。
固定部91は、上下方向に延びる板状の第1固定部91aと、第1固定部91aの上端部から後方に延びかつ車両1の平面視においてL字形状を有する第2固定部91bとを含む。図3を参照して、第1固定部91aは、例えば、ボルト等の固定部材95によって、第二貫通部211bに固定されている。第2固定部91bは、例えば、ボルト等の固定部材96によって、第一貫通部211aに固定されている。このようにして、取付ブラケット90の固定部91は、第一貫通部211a及び第二貫通部211bを介してヘッドパイプ211に固定されている。
図3及び図4を参照して、取付部92は、支持部92a、フロントカバー固定部92b及びウィンドシールド固定部92cを含む。支持部92aは、車両1の正面視においてU字形状を有している。支持部92aは、固定部91の上端部から前方かつ上方に延びるように設けられている。本実施形態では、支持部92aは、円筒状の部材からなる。フロントカバー固定部92bは、車両1の平面視においてU字形状を有している。フロントカバー固定部92bは、支持部92aの上部から前方かつ下方に延びるように設けられている。本実施形態では、フロントカバー固定部92bは、板状の部材からなる。ウィンドシールド固定部92cは、左右方向に延びるように設けられている。ウィンドシールド固定部92cの左右方向における両端部は、支持部92aの両端部にそれぞれ支持されている。本実施形態では、ウィンドシールド固定部92cは、板状の部材からなる。
図3を参照して、フロントカバー固定部92bの前端部に、図示しない固定部材(ボルト及びナット等)を用いて、車体カバー22の後述するフロントカバー221が固定されている。ウィンドシールド固定部92cの左右方向における両端部に、図示しない固定部材(ボルト及びナット等)を用いて、車体カバー22の後述するウィンドシールド226が固定されている。
図3及び図4を参照して、取付部93は、一対の固定部93a,93bを含む。固定部93a,93bはそれぞれ、車両1の上面視においてL字形状を有している。固定部93a,93bはそれぞれ、第1固定部91aの下部から前方に延びるように設けられている。固定部93a,93bの前端部に、ボルト及びナット等の固定部材97を用いて、ヘッドランプ80が固定されている。
(車体カバー)
図1を参照して、車体フレーム21には、車両外観部品の一つである車体カバー22が取り付けられている。車体フレーム21は、車体カバー22によって覆われている。車体カバー22は、フロントカバー221と、一対のフロントフェンダー223と、リアフェンダー224と、レッグシールド225と、ウィンドシールド226(図2参照)とを含んでいる。なお、図1では、ウィンドシールド226の図示を省略している。
フロントカバー221は、シート24よりも前側に位置している。フロントカバー221は、ヘッドパイプ211及びリンク機構5のうち、少なくとも一部を覆っている。
各フロントフェンダー223は、左右一対の前輪3の上側に配置されている。各フロントフェンダー223は、フロントカバー221の下側に配置されている。リアフェンダー224は、後輪4の上側に配置されている。
レッグシールド225は、ヘッドパイプ211の後側に配置されている。レッグシールド225は、上下方向に延びている。レッグシールド225は、車両1に乗員が乗車した状態で該乗員の脚に対して前側に位置するように配置されている。
図2を参照して、ウィンドシールド226は、車幅方向中央において、ハンドル23の前側に位置するように配置されている。
(前輪)
図1を参照して、本実施形態では、左右一対の前輪3は、ヘッドパイプ211及びリンク機構5よりも下側に位置する。また、一対の前輪3は、フロントカバー221の下側に配置されている。
図2を参照して、本実施形態では、一対の前輪3は、操舵可能な左前輪31及び右前輪32を含む。左前輪31は、車幅方向中央よりも左側に配置されている。右前輪32は、車幅方向中央よりも右側に配置されている。右前輪32は、車幅方向中央に対して、左前輪31と対称に配置されている。上述のように、左前輪31及び右前輪32の上側にそれぞれ、フロントフェンダー223(図1参照)が配置されている。以下においては、左右一対のフロントフェンダー223(図1参照)のうち、左前輪31の上側に配置されたフロントフェンダー223を第一フロントフェンダー223a(図2参照)と呼び、右前輪32の上側に配置されたフロントフェンダー223を第二フロントフェンダー223b(図2参照)と呼ぶ。
図2に示すように、左前輪31は、左緩衝装置33に接続されている。詳しくは、左前輪31は、左緩衝装置33の下部に接続されている。左前輪31は、左緩衝装置33に、車軸311を中心として回転可能に支持されている。車軸311は、左緩衝装置33の下部に、車体フレーム21の左右方向に延びるように配置されている。左前輪31は、後述する左操舵軸線N1回りに回転可能である。
右前輪32は、右緩衝装置34に接続されている。詳しくは、右前輪32は、右緩衝装置34の下部に接続されている。右前輪32は、右緩衝装置34に、車軸321を中心として回転可能に支持されている。車軸321は、右緩衝装置34の下部に、車体フレーム21の左右方向に延びるように配置されている。右前輪32は、後述する右操舵軸線N2回りに回転可能である。
すなわち、本実施形態では、左前輪31は、左右方向において、車両1の中央よりも左側に配置され、ステアリングシャフト60の回転によって操舵される。右前輪32は、左右方向において、車両1の中央よりも右側に配置され、ステアリングシャフト60の回転によって操舵される。
また、本実施形態では、左前輪31が左操舵軸線N1回りに回転するとともに右前輪32が右操舵軸線N2回りに回転することにより、車両1の進行方向が変更される。
(緩衝装置)
左緩衝装置33は、左前輪31に加えられた衝撃を吸収する。図1及び図2を参照して、左緩衝装置33は、車体フレーム21の上下方向においてリンク機構5の下側に配置されている。図2を参照して、左緩衝装置33は、左サイド部材53と左前輪31との間に設けられている。左緩衝装置33は、ステアリングシャフト60及びヘッドパイプ211に対して平行に延びる左操舵軸線N1に沿って、車体フレーム21の上下方向に延びるように配置されている。左緩衝装置33は、車体フレーム21の左右方向において、ヘッドパイプ211よりも左側に配置されている。左緩衝装置33は、車体フレーム21の左右方向において、左前輪31よりも右側に配置されている。図1及び図2を参照して、左緩衝装置33の上部は、左ブラケット335に接続されている。詳細は後述するが、左緩衝装置33は、左ブラケット335を介してリンク機構5に接続されている。
右緩衝装置34は、右前輪32に加えられた衝撃を吸収する。右緩衝装置34は、車体フレーム21の上下方向においてリンク機構5の下側に配置されている。図2を参照して、右緩衝装置34は、右サイド部材54と右前輪32との間に設けられている。右緩衝装置34は、ステアリングシャフト60及びヘッドパイプ211に対して平行に延びる右操舵軸線N2に沿って、車体フレーム21の上下方向に延びるように配置されている。右緩衝装置34は、車体フレーム21の左右方向において、ヘッドパイプ211よりも右側に配置されている。右緩衝装置34は、車体フレーム21の左右方向において、右前輪32よりも左側に配置されている。図1及び図2を参照して、右緩衝装置34の上部は、右ブラケット336に接続されている。詳細は後述するが、右緩衝装置34は、右ブラケット336を介してリンク機構5に接続されている。
(リンク機構)
図2及び図3を参照して、リンク機構5は、後述するように、第一貫通部211a、第二貫通部211b及び第三貫通部211cに回転可能に取り付けられている。リンク機構5は、複数のクロス部材50と、複数のサイド部材55(図2参照)とを有する。
図2及び図3に示すように、複数のクロス部材50は、上クロス部材51と、複数の下クロス部材52とを含む。図3に示すように、上クロス部材51は、前後方向において、ヘッドパイプ211の前側に位置する前上クロス部材51Aを有する。前上クロス部材51Aは、平板状の部材である。複数の下クロス部材52は、前後方向において、ヘッドパイプ211の前側に位置する前下クロス部材52Aと、ヘッドパイプ211の後側に位置する後下クロス部材52Bとを有する。前下クロス部材52A及び後下クロス部材52Bは、それぞれ、平板状の部材である。
換言すれば、複数のクロス部材50は、前後方向において、ヘッドパイプ211の前側に位置し、かつ前上クロス部材51A及び前下クロス部材52Aを含む前クロス部材50Aと、ヘッドパイプ211の後側に位置し、かつ後下クロス部材52Bを含む後クロス部材50Bとを含む。クロス部材については後述する。
複数のサイド部材55は、図2に示すように、左サイド部材53と、右サイド部材54とを含む。
左サイド部材53は、車体フレーム21の左右方向において、ヘッドパイプ211よりも左側に配置されている。右サイド部材54は、車体フレーム21の左右方向において、ヘッドパイプ211よりも右側に配置されている。本実施形態では、左サイド部材53及び右サイド部材54は、それぞれ、円柱状の部材である。なお、左サイド部材53及び右サイド部材54は、他の柱状の部材または筒状の部材であってもよい。
左サイド部材53及び右サイド部材54は、車両1が直立した状態で、それぞれ、車体フレーム21の上下方向に延びている。
左サイド部材53の下部には、左ブラケット335が、左操舵軸線N1回りに回転可能に設けられている。上述したように、左ブラケット335には、左緩衝装置33が接続されている。したがって、左サイド部材53の下部は、左操舵軸線N1回りに回転可能に左緩衝装置33を支持している。
右サイド部材54の下部には、右ブラケット336が、右操舵軸線N2回りに回転可能に設けられている。上述したように、右ブラケット336には、右緩衝装置34が接続されている。したがって、右サイド部材54の下部は、右操舵軸線N2回りに回転可能に右緩衝装置34を支持している。
(上クロス部材)
図2に示すように、上クロス部材51は、車両1の前方から見て、車体フレーム21の左右方向に延びる部材である。図2及び図3に示すように、上クロス部材51は、ヘッドパイプ211の前側に設けられている。車体フレーム21の左右方向において、上クロス部材51の中央には、第一貫通穴514が設けられている。第一貫通穴514には、ヘッドパイプ211から延びる第一貫通部211aが貫通している。図2に示すように、上クロス部材51の左端部には、上左軸受512が設けられている。上クロス部材51の右端部には、上右軸受513が設けられている。
図3に示すように、上クロス部材51には、第一貫通部211aと第一貫通穴514の内面との間に、上中間軸受511が設けられている。したがって、第一貫通部211aと上中間軸受511とにより、上クロス部材51はヘッドパイプ211に対して回転可能に支持されている。上クロス部材51は、上中間軸受511の回転中心である上中間軸線(中間軸線)M1を中心として、ヘッドパイプ211に対して回転する。すなわち、上中間軸線M1は、第一貫通穴514の内方に位置する。この上中間軸線M1は、車両前方に向かうほど上方に位置付けられるように水平方向に対して傾斜している。
図2に示すように、上クロス部材51は、上左軸受512を介して左サイド部材53の上部に連結されているとともに、上右軸受513を介して右サイド部材54の上部に連結されている。これにより、上クロス部材51は、左サイド部材53及び右サイド部材54に対して回転可能である。
図5は、図3のV矢視図である。図5に示すように、上中間軸受511(図2参照)の回転中心である上中間軸線M1、上左軸受512(図2参照)の回転中心である上左軸線M2、及び、上右軸受513(図2参照)の回転中心である上右軸線M3は、互いに平行である。なお、図5においては、一部の構成要素(左緩衝装置33、右緩衝装置34、左ブラケット335、右ブラケット336、支持フレーム214、第一フロントフェンダー223a、及び第二フロントフェンダー223b等)の図示を省略している。
(下クロス部材)
図2及び図3に示すように、複数の下クロス部材52は、上クロス部材51よりも下側に配置されている。図2に示すように、複数の下クロス部材52は、車両の前方から見て左右方向に延びている。複数の下クロス部材52の左右方向の長さは、上クロス部材51の左右方向の長さと略同等である。図3に示すように、複数の下クロス部材52は、ヘッドパイプ211を前後に挟むように配置された前下クロス部材52A及び後下クロス部材52Bを有する。
図2及び図3に示すように、前下クロス部材52Aの車幅方向の中央部には、第二貫通穴524が設けられている。第二貫通穴524には、第二貫通部211bが貫通している。図2に示すように、左右方向において、前下クロス部材52Aの第二貫通穴524よりも左側には、下左軸受522が設けられている。前下クロス部材52Aの第二貫通穴524よりも右側には下右軸受523が設けられている。
図3に示すように、第二貫通部211bと第二貫通穴524の内面との間に、下中間軸受521が設けられている。第二貫通部211b及び下中間軸受521によって、前下クロス部材52Aは、ヘッドパイプ211に対して回転可能に支持されている。前下クロス部材52Aは、下中間軸受521の回転中心である下中間軸M4回りにヘッドパイプ211に対して回転する。すなわち、下中間軸M4は、第二貫通穴524の内方に位置する。
後下クロス部材52Bも、前下クロス部材52Aと同様の構成を有する。すなわち、後下クロス部材52Bの車幅方向の中央部には、第三貫通穴534が設けられている。第三貫通穴534には第三貫通部211cが貫通している。第三貫通部211cと第三貫通穴534の内面との間に、下中間軸受531が設けられている。第三貫通部211c及び下中間軸受531によって、後下クロス部材52Bは、ヘッドパイプ211に対して回転可能に支持されている。後下クロス部材52Bは、下中間軸受531の回転中心である下中間軸M4回りにヘッドパイプ211に対して回転する。すなわち、下中間軸M4は、第三貫通穴534の内方に位置する。
なお、特に図示しないが、後下クロス部材52Bにも、前下クロス部材52Aと同様、下左軸受及び下右軸受が設けられている。これらの下左軸受及び下右軸受は、後下クロス部材52Bにおいて、下中間軸M4の軸線方向から見て、前下クロス部材52Aに設けられた下左軸受522及び下右軸受523の位置と同じ位置に設けられている。
図5に示すように、下中間軸受521,531(図3参照)の回転中心である下中間軸線M4、下左軸受522(図2参照)の回転中心である下左軸線M5、及び、下右軸受523(図2参照)の回転中心である下右軸線M6は、互いに平行である。また、下中間軸線M4は、上中間軸線M1と平行である。
図2に示すように、車両1の直立状態において、車体フレーム21の左右方向における下左軸受522の位置は、車体フレーム21の左右方向における上左軸受512の位置と同じである。車両1の直立状態において、車体フレーム21の左右方向における下右軸受523の位置は、車体フレーム21の左右方向における上右軸受513の位置と同じである。
下クロス部材52は、下左軸受522を介して左サイド部材53の下部に連結されている。下クロス部材52は、下右軸受523を介して右サイド部材54の下部に連結されている。これにより、下クロス部材52は、左サイド部材53及び右サイド部材54に対して回転可能である。
リンク機構5が作動する範囲である可動領域V1は、上クロス部材51、複数の下クロス部材52、左サイド部材53及び右サイド部材54の可動領域を含む。図3に示すように、可動領域V1における前後方向の範囲は、前側が、前上クロス部材51A及び前下クロス部材52Aの可動領域によって規定される一方、後側が、後下クロス部材52Bの可動領域によって規定される。すなわち、可動領域V1の前側の面(前面)は、前上クロス部材51A及び前下クロス部材52Aのそれぞれ前面によって規定される。可動領域V1の後側の面(背面)は、後下クロス部材52Bの後面によって規定される。また、車両前方から見た可動領域V1の範囲は、図2に太い二点鎖線で示すように、前方から見て下方側の中央部分が凹んだM字状になる。
なお、リンク機構5は、第一貫通部211a、第二貫通部211b及び第三貫通部211cを介してヘッドパイプ211に支持されている。このため、ハンドル23の操舵に伴ってステアリングシャフト60が左右に回転した場合でも、リンク機構5は、車体フレーム21に対して左右に回転しない。
(前輪ユニット)
図2を参照して、本実施形態では、車両1の前部に、前輪ユニット8が設けられている。前輪ユニット8は、左前輪ユニット8a及び右前輪ユニット8bを含む。左前輪ユニット8aは、前輪ユニット8のうち、車両1が直立した状態において車幅方向中央よりも左側の部分である。右前輪ユニット8bは、前輪ユニット8のうち、車両1が直立した状態において車幅方向中央よりも右側の部分である。左前輪ユニット8aは、少なくとも左前輪31及び左緩衝装置33を含む。本実施形態では、左前輪31は、左緩衝装置33、左ブラケット335、左サイド部材53、上クロス部材51、及び下クロス部材52を介して車体フレーム21に支持される。したがって、本実施形態における左前輪ユニット8aは、左前輪31、左緩衝装置33以外に、左ブラケット335、左サイド部材53、上クロス部材51の左半分、及び下クロス部材52の左半分をも含む。右前輪ユニット8bは、少なくとも右前輪32及び右緩衝装置34を含む。本実施形態では、右前輪32は、右緩衝装置34、右ブラケット336、右サイド部材54、上クロス部材51、及び下クロス部材52を介して車体フレーム21に支持される。したがって、本実施形態における右前輪ユニット8bは、右前輪32、右緩衝装置34以外にも、右ブラケット336、右サイド部材54、上クロス部材51の右半分、及び下クロス部材52の右半分をも含む。以下、前輪ユニット8について具体的に説明する。
本実施形態では、前輪ユニット8は、懸架機構9、左前輪31及び右前輪32を含む。懸架機構9は、リンク機構5、操舵機構11、左緩衝装置33、及び右緩衝装置34を含む。
図2及び図5を参照して、操舵機構11は、左ブラケット335、右ブラケット336、複数の伝達プレート81,82,83、複数の接続部材84,85,86、及びタイロッド6を含む。なお、図2においては、タイロッド6を簡略化して示している。本実施形態では、乗員がハンドル23を操舵することによって、ステアリングシャフト60が回転する。ステアリングシャフト60の回転は、操舵機構11、左緩衝装置33及び右緩衝装置34を介して、左前輪31及び右前輪32に伝達される。これにより、左前輪31及び右前輪32が操舵される。このようにして、左前輪31及び右前輪32をハンドル23によって操舵することができる。以下、操舵機構11の各構成要素について具体的に説明する。
図2を参照して、左ブラケット335は、左サイド部材53の下部に設けられている。左ブラケット335は、左緩衝装置33と連結されている。左ブラケット335は、左サイド部材53に対し、左サイド部材53の延伸方向に延びる左操舵軸線N1回りに回転可能に設けられている。
右ブラケット336は、右サイド部材54の下部に設けられている。右ブラケット336は、右緩衝装置34と連結されている。右ブラケット336は、右サイド部材54に対し、右サイド部材54の延伸方向に延びる右操舵軸線N2回りに回転可能に設けられている。
図2及び図5を参照して、伝達プレート81は、車幅方向中央に配置されている。伝達プレート81は、ステアリングシャフト60と一体に回転するように、ステアリングシャフト60の下端部に接続されている。本実施形態では、伝達プレート81は、ステアリングシャフト60の中心軸を回転中心として、ステアリングシャフト60と一体に回転する。
左右方向において、伝達プレート82は、伝達プレート81の左側に配置されている。伝達プレート82は、左サイド部材53に対して左操舵軸線N1回りに回転可能に、左サイド部材53に連結されている。図2を参照して、本実施形態では、伝達プレート82は、左ブラケット335の下部に固定されている。これにより、伝達プレート82は、左ブラケット335を介して左サイド部材53に連結されている。伝達プレート82は、左ブラケット335と一体に左操舵軸線N1回りに回転するように、左ブラケット335に固定されている。
図2及び図5を参照して、伝達プレート83は、伝達プレート81の右側に配置されている。伝達プレート83は、右サイド部材54に対して右操舵軸線N2回りに回転可能に、右サイド部材54に連結されている。図2を参照して、本実施形態では、伝達プレート83は、右ブラケット336の下部に固定されている。これにより、伝達プレート83は、右ブラケット336を介して右サイド部材54に連結されている。伝達プレート83は、右ブラケット336と一体に右操舵軸線N2回りに回転するように、右ブラケット336に固定されている。
図2及び図5を参照して、タイロッド6は、前後方向において、ヘッドパイプ211よりも前側に配置されている。タイロッド6は、車体フレーム21の左右方向に延びている。タイロッド6は、上下方向において、下クロス部材52の下側で、かつ、左前輪31及び右前輪32の上側に配置されている。タイロッド6は、前後方向において、伝達プレート81,82,83の前側に配置されている。
伝達プレート81とタイロッド6とは、接続部材84によって接続されている。伝達プレート82とタイロッド6とは、接続部材85によって接続されている。伝達プレート83とタイロッド6とは、接続部材86によって接続されている。
図5を参照して、接続部材84の後端部は、伝達プレート81の前端部に接続されている。接続部材84は、伝達プレート81に対して上下方向に延びる回転軸R1回りに回転可能に、伝達プレート81に接続されている。本実施形態では、回転軸R1は、ステアリングシャフト60に対して平行に延びている。
接続部材85の後端部は、伝達プレート82の前端部に接続されている。接続部材85は、伝達プレート82に対して上下方向に延びる回転軸R2回りに回転可能に、伝達プレート82に接続されている。本実施形態では、回転軸R2は、左操舵軸線N1に対して平行に延びている。
接続部材86の後端部は、伝達プレート83の前端部に接続されている。接続部材86は、伝達プレート83に対して上下方向に延びる回転軸R3回りに回転可能に、伝達プレート83に接続されている。本実施形態では、回転軸R3は、右操舵軸線N2に対して平行に延びている。
図2及び図5を参照して、接続部材84の前端部は、タイロッド6の左右方向における中央部に接続されている。接続部材84は、タイロッド6に対して前後方向に延びる回転軸R4回りに回転可能に、タイロッド6に接続されている。本実施形態では、回転軸R4は、上中間軸線M1及び下中間軸M4に対して平行に延びている。
接続部材85の前端部は、タイロッド6の左端部に接続されている。接続部材85は、タイロッド6に対して前後方向に延びる回転軸R5回りに回転可能に、タイロッド6に接続されている。本実施形態では、回転軸R5は、上左軸線M2及び下左軸線M5に対して平行に延びている。
接続部材86の前端部は、タイロッド6の右端部に接続されている。接続部材86は、タイロッド6に対して前後方向に延びる回転軸R6回りに回転可能に、タイロッド6に接続されている。本実施形態では、回転軸R6は、上右軸線M3及び下右軸線M6に対して平行に延びている。
上記のように構成された操舵機構11では、乗員がハンドル23を操舵することによってステアリングシャフト60が左右に回転すると、伝達プレート81が左右に回転する。伝達プレート81が左右に回転することによって、接続部材84及びタイロッド6が左右に移動する。タイロッド6が左右に移動することによって、接続部材85,86が左右に移動する。これにより、伝達プレート82,83が左右に回転する。本実施形態では、伝達プレート82が左操舵軸線N1回りに回転するとともに、伝達プレート83が右操舵軸線N2回りに回転する。その結果、左ブラケット335(図2参照)が左操舵軸線N1回りに回転するとともに、右ブラケット336(図2参照)が右操舵軸線N2回りに回転する。
図2を参照して、左ブラケット335が左操舵軸線N1回りに回転することによって、左緩衝装置33が左操舵軸線N1回りに回転する。また、右ブラケット336が右操舵軸線N2回りに回転することによって、右緩衝装置34が右操舵軸線N2回りに回転する。これにより、左前輪31が左操舵軸線N1回りに回転するとともに、右前輪32が右操舵軸線N2回りに回転する。このようにして、左前輪31及び右前輪32が操舵される。
(衝突検出センサ)
図1及び図2に示すように、前後方向においてヘッドパイプ211よりも前側でかつ左右方向において車両1の中央線X(図14参照)の左側に、左衝突検出センサ40aが設けられている。また、前後方向においてヘッドパイプ211よりも前側でかつ左右方向において車両1の中央線X(図14参照)の右側に、右衝突検出センサ40bが設けられている。
本実施形態では、車両1の直立状態において、左衝突検出センサ40aと右衝突検出センサ40bとは、車幅方向中央に対して対称に配置されている。すなわち、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、ステアリングシャフト60に対して左右対称の位置で、かつ、左衝突検出センサ40aと左前輪31との間の左右方向における距離と右衝突検出センサ40bと右前輪32との間の左右方向における距離とが等しくなる位置に配置されている。
本実施形態では、左衝突検出センサ40aは、左緩衝装置33の下部に取り付けられ、右衝突検出センサ40bは、右緩衝装置34の下部に取り付けられている。すなわち、本実施形態では、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、左緩衝装置33および右緩衝装置34内のばね(図示省略)よりも下側に配置されている。左衝突検出センサ40aは、車両1の衝突に関する情報(第1衝突情報)を検出する。右衝突検出センサ40bは、車両1の衝突に関する情報(第2衝突情報)を検出する。左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bはそれぞれ、検出した情報を制御装置10へ出力する。制御装置10は、後述するように、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bから出力された情報に基づいて車両1の衝突を検知する。左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとしてはそれぞれ、例えば、加速度センサを用いることができる。この場合、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bは、それぞれ、衝突に関する情報として加速度を検出する。
なお、本明細書において、前後方向において、左衝突検出センサがヘッドパイプよりも前側に設けられるとは、左衝突検出センサがヘッドパイプの前端よりも前側に設けられることを意味する。同様に、前後方向において、右衝突検出センサがヘッドパイプよりも前側に設けられるとは、右衝突検出センサがヘッドパイプの前端よりも前側に設けられることを意味する。
(エアバッグ装置)
図3に示すように、エアバッグ装置7は、エアバッグ収納ケース215内に収納されている。エアバッグ装置7は、エアバッグ611と、エアバッグ611に膨張用ガスを供給するインフレータ(図示省略)とを有する。エアバッグ611は、畳まれた状態で収納されている。本実施形態では、エアバッグ611は、例えば、制御装置10によって車両1の衝突が検出された際に、シート24に着座した乗員の前側の位置から展開する。エアバッグ611は、インフレータが起動した際に、該インフレータから供給される膨張用ガスによって膨張しながら、エアバッグ収納ケース215から外方に向かって展開する。
(車体の傾斜)
次に、上述のような構成を有する車両1が傾斜した場合について説明する。図6は、図2の状態から、車両1を鉛直方向に対して左右方向に角度T、傾斜させた場合の正面図である。車両1は、リンク機構5が作動することにより、鉛直方向に対して傾斜する。なお、図6においては、操舵機構11を簡略化して示している。
本明細書において、車体フレーム21の右方RFとは、車両1の正面視でヘッドパイプ211の軸方向に直交する方向の右方を意味する。また、車体フレーム21の上方UFとは、車両1の正面視で、車両1が傾斜した状態におけるヘッドパイプ211の軸方向上方を意味する。
図2に示すように車両1が直立した状態では、車体フレーム21の上方は、車両1の正面視でヘッドパイプ211の軸方向の上方と一致する。また、車両1が直立した状態では、車体フレーム21の右方RFは、水平方向の右方Rと一致する。
一方、図6に示すように、車両1が路面Gに対して傾斜した状態では、車体フレーム21の右方RFは水平方向の右方Rと一致せず、車体フレーム21の上方UFは鉛直方向の上方Uと一致しない。
図6に示す状態では、上クロス部材51及び下クロス部材52は、その延伸方向が路面Gに対して平行の状態で、左右方向に平行移動する。上クロス部材51及び下クロス部材52は、それぞれ、上左軸受512の上左軸線M2及び下左軸受522の下左軸線M5を回転中心として、左サイド部材53に対して回転する。また、上クロス部材51及び下クロス部材52は、それぞれ、上右軸受513の上右軸線M3及び下右軸受523の下右軸線M6を回転中心として、右サイド部材54に対しても回転する。
リンク機構5は、車両1を上中間軸線M1方向の前方から見て、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53及び右サイド部材54が、車両1の直立状態で長方形を構成する一方、車両1の傾斜によって平行四辺形を構成するように、変形する。
図6に示す例では、上クロス部材51の左端が下クロス部材52の左端よりも車体フレーム21の左右方向の左方に移動するように、リンク機構5が作動する。このリンク機構5の作動により、左緩衝装置33及び右緩衝装置34が鉛直方向に対して傾斜する。このようにして、車両1が鉛直方向に対して左方に傾斜すると、車両1は、図2に示す直立状態から図6に示す傾斜状態になる。
車両1を走行中に左右方向に傾けることにより、車両1を旋回させることができる。なお、既述のように、ハンドル23の操作によって、左前輪31及び右前輪32の向きを変えることができる。
また、車両1を直立状態から左方及び右方に最も傾斜させた際に、上クロス部材51及び下クロス部材52が車体フレーム21に対して移動する領域が、複数のクロス部材50の可動領域V1(図2及び図6に太い二点鎖線で示す)である。図3に示すようにクロス部材50の可動領域V1は、前クロス部材50Aの車体フレーム21に対する可動領域である前可動領域V1Aと、後クロス部材50Bの車体フレーム21に対する可動領域である後可動領域V1Bとを有する。
(制御系)
次に、車両1の制御系について説明する。図7は、車両1の制御系の一例を示すブロック図である。
図7を参照して、車両1の制御系100は、エアバッグ装置7、制御装置10、左衝突検出センサ40a、及び右衝突検出センサ40bを含む。なお、以下においては、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとしてそれぞれ、加速度センサを用いる場合について説明する。図2を参照して、本実施形態では、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bは、左緩衝装置33及び右緩衝装置34の前後方向の加速度を検出する。より具体的には、左衝突検出センサ40aは、車軸311の延伸方向(左右方向)と左緩衝装置33の延伸方向(左操舵軸線N1に対して平行な方向)とに対して垂直な方向の加速度を検出する。また、右衝突検出センサ40bは、車軸321の延伸方向(左右方向)と右緩衝装置34の延伸方向(右操舵軸線N2に対して平行な方向)とに対して垂直な方向の加速度を検出する。
図7を参照して、制御装置10は、判定部10a、タイマ10b及び駆動制御部10cを含む。判定部10aは、例えば、CPU(中央演算処理装置)及びメモリを含む。メモリには、CPUの制御プログラム、及び後述する判定マップ等が記憶されている。駆動制御部10cは、エアバッグ装置7を制御する。具体的には、駆動制御部10cは、判定部10aからの指示に従って、エアバッグ装置7のインフレータを起動し、エアバッグ611(図3参照)を展開する。本実施形態では、駆動制御部10cは、例えば、有線通信または無線通信によって、エアバッグ装置7を制御する。
本実施形態では、左衝突検出センサ40aは、検出した加速度を、車両1の衝突に関する第1衝突情報として判定部10aへ送信する。右衝突検出センサ40bは、検出した加速度を、車両1の衝突に関する第2衝突情報として判定部10aへ送信する。判定部10aは、第1衝突情報、第2衝突情報、メモリに記憶された判定マップ、及びタイマ10bによって計測された時間に基づいて、車両1の衝突を判定する処理(以下、判定処理という。)を実行する。判定部10aは、判定結果に応じて、エアバッグ装置7の起動を指示する指示信号を駆動制御部10cへ送信する。以下、判定部10aによって実行される判定処理について具体的に説明する。なお、以下の説明では、左衝突検出センサ40aによって検出される第1衝突情報を第1加速度といい、右衝突検出センサ40bによって検出される第2衝突情報を第2加速度という。
(判定処理)
図8は、判定部10aによって実行される判定処理の一例を示すフロー図である。本実施形態では、判定部10aは、例えば、0.5msの周期で、下記のステップS1〜S5の処理を繰り返し実行する。すなわち、本実施形態では、判定部10aは、1回の判定処理としてステップS1〜S5の処理を実行し、該判定処理を所定の周期(例えば、0.5ms)で繰り返し実行する。
図8を参照して、判定部10aは、まず、左衝突検出センサ40aから第1加速度を取得し、右衝突検出センサ40bから第2加速度を取得する(ステップS1)。
次に、判定部10aは、取得した第1加速度及び第2加速度の両方が所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS2)。本実施形態では、ステップS2において、判定部10aは、例えば、第1加速度の区間積分値及び全積分値を算出する。区間積分値は、直近の所定期間(例えば、10ms)において左衝突検出センサ40aによって検出された第1加速度を区間積分することによって得られる。全積分値は、左衝突検出センサ40aによる第1加速度の検出開始時点から現時点までの間に検出された第1加速度を全積分することによって得られる。本実施形態では、判定部10aのメモリには、区間積分値と全積分値との関係を示すマップが記憶されている。当該マップには、例えば、衝突判定領域が設定されている。判定部10aは、当該マップにおいて、算出した区間積分値及び全積分値によって定まる値が、衝突判定領域に属する場合に、第1加速度が所定の条件を満たしていると判定する。同様に、判定部10aは、第2加速度についても、区間積分値及び全積分値を算出し、上記マップに基づいて、第2加速度が所定の条件を満たしているか否かを判定する。
本実施形態では、第1加速度及び第2加速度が同時に所定の条件を満たしている場合に、ステップS2において、第1加速度及び第2加速度の両方が所定の条件を満たしていると判定される。第1加速度及び第2加速度が同時に所定の条件を満たしている場合とは、1回の判定処理において取得された第1加速度及び第2加速度が、共に所定の条件を満たしている場合を意味する。
なお、ステップS2の処理としては、加速度の区間積分値及び全積分値を用いた公知の衝突検出方法を利用することができるので、詳細な説明は省略する。また、ステップS2の処理としては、区間積分値及び全積分値を用いた方法以外にも、他の公知の衝突検出方法を利用することもできる。
また、第1加速度用の判定マップ及び第2加速度用の判定マップが判定部10aのメモリに記憶されていてもよい。この場合、ステップS2における所定の条件には、第1加速度用の第1条件と、第2加速度用の第2条件とが含まれる。判定部10aは、第1加速度用の判定マップを用いて、第1加速度が所定の条件(第1条件)を満たしているか否かを判定し、第2加速度用の判定マップを用いて、第2加速度が所定の条件(第2条件)を満たしているか否かを判定することができる。
ステップS2において、第1加速度及び第2加速度の両方が所定の条件を満たしている場合、判定部10aは、車両1が正面衝突したと判定する(ステップS3)。
ステップS2において、第1加速度及び第2加速度の両方が所定の条件を満たしていると判定されなかった場合、判定部10aは、第1加速度及び第2加速度のうちの一方が所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS4)。第1加速度及び第2加速度のうちの一方の加速度が所定の条件を満たしている場合、判定部10aは、車両1が斜め衝突またはオフセット衝突したと判定する(ステップS5)。
ステップS4において、第1加速度及び第2加速度がそれぞれ所定の条件を満たしていない場合、判定部10aは、ステップS1の処理に戻る。
(エアバッグの展開制御)
本実施形態では、判定部10aは、上述の判定処理において、車両1が正面衝突、斜め衝突またはオフセット衝突したと判定された場合に、エアバッグ装置7の起動指示信号を駆動制御部10cへ送信する。これにより、駆動制御部10cによってエアバッグ装置7が起動され、エアバッグ611が展開される。
なお、上述の判定処理において、車両1が斜め衝突またはオフセット衝突したと判定された場合には、エアバッグ装置7を起動しなくてもよい。
(作用効果)
車両1では、前後方向においてヘッドパイプ211よりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の左側に左衝突検出センサ40aが設けられ、前後方向においてヘッドパイプ211よりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の右側に右衝突検出センサ40bが設けられる。このように、車両1では、車両前部において、車両1の左右にそれぞれ衝突検出センサが配置される。この場合、車両前部の衝突位置にかかわらず、左右の衝突検出センサ40a,40bによって車両1の衝突を迅速に検出することができる。これにより、車両1の種々の構成部材のうち最初に衝突する部材に衝突検出センサを設けなくても、衝突を判定することができる。
また、車両1の左右に衝突検出センサ40a,40bを設けることによって、車両1がオフセット衝突した場合でも、車両1の衝突を検知することができる。
なお、図1を参照して、上述の実施形態では、前後方向において、車体フレーム21及び車体カバー22は、左右一対の前輪3よりも後側に位置する。しかしながら、車体フレーム、車体カバー及び一対の前輪の位置関係は上述の例に限定されない。例えば、前後方向において、車体フレーム及び車体カバーが、左右一対の前輪よりも前方に延びていてもよい。この場合も、前後方向においてヘッドパイプよりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の左側に左衝突検出センサが設けられ、前後方向においてヘッドパイプよりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の右側に右衝突検出センサが設けられることによって、上述の車両1と同様の作用効果が得られる。このように、本発明は、車体フレーム及び車体カバーが左右の前輪よりも前方に延びた構成を有する鞍乗型車両にも適用できるし、前後方向において車体フレーム及び車体カバーの前端が左右の前輪の前端よりも後側に位置する構成を有する鞍乗型車両にも適用できる。したがって、車両前部のデザインの自由度の低下を防止できる。
(他の判定処理)
上述のステップS4において、第1加速度及び第2加速度のうちの一方の加速度が所定の条件を満たしていると判定された場合に、更に、以下の判定を行ってもよい。すなわち、ステップS4において所定の条件を満たしていないと判定された他方の加速度が、現時点よりも前の所定期間(例えば、0.015秒)の間に、上記所定の条件を満たしているか否かを判定してもよい。そして、現時点よりも前の所定期間の間に、他方の加速度が上記所定の条件を満たしている場合には、判定部10aは、車両1が斜め衝突したと判定してもよい。すなわち、第1加速度及び第2加速度のうちの一の加速度が上記所定の条件を満たした後、所定期間(所定時間)内に他の加速度が上記所定の条件を満たしている場合に、車両1が斜め衝突したと判定されてもよい。本実施形態では、判定部10aは、例えば、上記のようにして車両1が斜め衝突したと判定した場合に、エアバッグ装置7の起動指示信号を駆動制御部10cへ送信してもよい。これにより、駆動制御部10cによってエアバッグ装置7が起動され、車両1が斜め衝突した場合に、エアバッグ611を展開することができる。
(他の制御例)
上述の実施形態では、判定部10aの判定結果に基づいてエアバッグ装置7を制御する場合について説明したが、判定部10aの判定結果に基づいて、他の装置を制御してもよい。例えば、外部装置に信号を送信する送信機、またはドライブレコーダを有する鞍乗型車両においては、判定部10aの判定結果に基づいて、上記送信機、または上記ドライブレコーダを制御してもよい。以下、具体的に説明する。
図9は、送信機71を有する鞍乗型車両の制御系の一例を示すブロック図である。以下、図9に示す制御系100aのうち、図7の制御系100と異なる点について説明する。
図9を参照して、制御系100aには、上述のエアバッグ装置7の代わりに、送信機71が含まれている。送信機71は、特に図示しないが、車両本体2に設けられている。送信機71は、制御装置10の駆動制御部10cによって制御されることによって、外部装置(図示せず)に所定の信号を送信する。送信機71から送信される信号としては、例えば、事故の発生を知らせるために緊急センタの受信装置へ送信される緊急通報信号、及び乗員が装着しているインフレータブルジャケットを起動するための起動信号等が挙げられる。
本実施形態では、駆動制御部10cは、判定部10aによる上述の判定処理の結果に基づいて、送信機71を制御する。例えば、車両が衝突したと判定された場合、判定部10aは、送信機71から外部装置への信号送信を指示する指示信号を駆動制御部10cへ送信する。駆動制御部10cは、判定部10aから受けた指示に従って、送信機71を制御して、送信機71から信号を送信する。このようにして、緊急センタへの緊急通報、及びインフレータブルジャケットの起動等が行われる。
図10は、ドライブレコーダ72を有する鞍乗型車両の制御系の一例を示すブロック図である。以下、図10に示す制御系100bのうち、図7の制御系100と異なる点について説明する。
図10を参照して、制御系100bには、上述のエアバッグ装置7の代わりに、ドライブレコーダ72が含まれている。ドライブレコーダ72は、特に図示しないが、車両本体2に設けられている。ドライブレコーダ72は、撮影装置(図示せず)と、撮影装置によって撮影された画像のデータ(以下、画像データともいう。)を記録する記録装置(図示せず)とを含む。撮影装置は、例えば、車両の前方を撮影するように設けられている。記録装置は、制御装置10の駆動制御部10cによって制御されることによって、所定期間の間に撮影装置によって撮影された画像のデータを記録する。
本実施形態では、駆動制御部10cは、判定部10aによる上述の判定処理の結果に基づいて、ドライブレコーダ72の記録装置を制御する。例えば、車両が衝突したと判定された場合、判定部10aは、画像データの記録を指示する指示信号を駆動制御部10cへ送信する。駆動制御部10cは、判定部10aから受けた指示に従って、ドライブレコーダ72の記録装置を制御して、画像データを記録させる。本実施形態では、ドライブレコーダ72は、例えば、車両の衝突前後の所定期間に撮影された画像のデータを記録する。
なお、詳細な説明は省略するが、判定部10aの判定結果に基づいて、駆動制御部10cが、エアバッグ装置7、送信機71及びドライブレコーダ72のうちの2つ以上を制御してもよい。
(衝突検出センサの位置の他の例)
上述の実施形態では、左緩衝装置33の下部に左衝突検出センサ40aが設けられ、右緩衝装置34の下部に右衝突検出センサ40bが設けられる場合について説明した。しかしながら、図14(a)から(d)に示すように、左衝突検出センサ40aは、前後方向において、ヘッドパイプ211よりも前側、かつ、左右方向において、車両1の中央線Xの左側に配置されるとともに、車体フレーム4220,5220、車体カバー3221、または左前輪ユニット2008aに設けられていればよい。また、右衝突検出センサ40bは、前後方向において、ヘッドパイプ211よりも前側、かつ、左右方向において、車両1の中央線Xの左側に配置されるとともに、車体フレーム4220,5220、車体カバー3221、または左前輪ユニット2008bに設けられていればよい。
ここで、車体フレームは、車体カバー等の各部品を支持するとともに、車両の骨格を構成する部材である。
図14に、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bの配置のバリエーションを示す。なお、図14の各図において、シート24は破線で示している。
図14(a)に示すように、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、左緩衝装置33および右緩衝装置34内のばね(図示省略)よりも上側に配置されていてもよい。すなわち、左衝突検出センサ40aは、例えばリンク機構5において、左前輪ユニット2008aを構成する部品に設けられていてもよい。右衝突検出センサ40bは、例えばリンク機構5において、右前輪ユニット2008bを構成する部品に設けられていてもよい。このような左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bの配置は、図14(a)に示すように、左前輪31および右前輪32が、車体カバー2221よりも前方に突出している場合に適用されることが好ましい。
なお、図14(a)において、符号2221は、車体カバーである。左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bから出力された信号は、図示しない制御装置に入力される。
図14(b)に示すように、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、車体カバー3221に配置されていてもよい。このような左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bの配置は、車体フレーム3220よりも車体カバー3221が前方に突出している場合に適用されることが好ましい。なお、図14(b)では、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、車体カバー3221のうち左前輪31および右前輪32の前側を覆う部分に配置されている。
図14(b)においても、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bから出力された信号は、図示しない制御装置に入力される。
図14(c)、(d)に示すように、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、車体フレーム4220,5220のうち車両1の前側部分に配置されていてもよい。このような左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bの配置は、左前輪31および右前輪32よりも車体フレーム4220,5220が前方に突出している場合に適用されることが好ましい。
なお、図14(c)では、車体フレーム4220の一部は、前後方向において、左前輪31および右前輪32の前側に位置する。左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、車体フレーム4220のうち、左前輪31および右前輪32の前側に位置する部分に配置されている。図14(d)では、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bは、それぞれ、車体フレーム5220のうち、左前輪31および右前輪32よりも前側に位置する部分に配置されている。
図14(c)において、符号4221は、車体カバーである。また、図14(d)において、符号5221は、車体カバーである。図14(c)、(d)において、左衝突検出センサ40aおよび右衝突検出センサ40bから出力された信号は、図示しない制御装置に入力される。
なお、図14における左端の場合は、衝突検出センサ9040が、前後方向において、ヘッドパイプ211よりも前側で車体フレーム9220に設けられているものの、左右方向において、車両1の中央線X上に位置するため、本実施形態の構成には含まれない。符号9221は、車体カバーである。衝突検出センサ904から出力された信号は、図示しない制御装置に入力される。
上述以外にも、例えば、左衝突検出センサ40aが左緩衝装置33の上部に設けられてもよく、右衝突検出センサ40bが右緩衝装置34の上部に設けられてもよい。また、例えば、左衝突検出センサ40aが左前輪31に設けられてもよく、右衝突検出センサ40bが右前輪32に設けられてもよい。更に、例えば、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bが、リンク機構5、操舵機構11、取付ブラケット90、フロントカバー221、フロントフェンダー223、またはウィンドシールド226に設けられてもよい。
なお、本明細書において、「左衝突検出センサが、車体フレーム、車体カバー、または左前輪ユニットに設けられる」には、左衝突検出センサが、車体フレーム、車体カバー、または左前輪ユニットに直接取り付けられる場合だけでなく、左衝突検出センサが、接続部材等を介して間接的に車体フレーム、車体カバー、または左前輪ユニットに取り付けられる場合も含まれる。同様に、「右衝突検出センサが、車体フレーム、車体カバー、または右前輪ユニットに設けられる」には、右衝突検出センサが、車体フレーム、車体カバー、または右前輪ユニットに直接取り付けられる場合だけでなく、右衝突検出センサが、接続部材等を介して間接的に車体フレーム、車体カバー、または右前輪ユニットに取り付けられる場合も含まれる。
(衝突検出センサの他の例)
上述の実施形態では、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとしてそれぞれ加速度センサを用いる場合について説明したが、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとして、他のセンサを用いてもよい。例えば、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとして、歪みゲージを利用したセンサを用いてもよい。この場合、制御装置10(判定部10a)は、歪みゲージの抵抗変化に基づいて、車両の衝突を判定することができる。この場合、歪みゲージの抵抗を示す情報(信号)が、第1衝突情報及び第2衝突情報として用いられる。また、例えば、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bとして、空気圧センサを左前輪31及び右前輪32に設けてもよい。この場合、制御装置10(判定部10a)は、空気圧センサによって測定された左前輪31及び右前輪32の空気圧に基づいて車両の衝突を判定することができる。この場合、空気圧を示す情報(信号)が、第1衝突情報及び第2衝突情報として用いられる。
(車両本体の他の例)
上述の実施形態では、1つのステアリングシャフト60を有する車両本体2について説明したが、車両本体の構成は上述の例に限定されない。例えば、車両本体が複数のステアリングシャフトを有していてもよい。以下、複数のステアリングシャフトを有する車両本体を備えた車両について図面を用いて説明する。なお、以下では、上述の車両1の構成要素と同様の機能を有する構成要素については、車両1と同一の符号を付して説明を省略し、車両1と異なる部分について主に説明する。車両1の構成要素と同様の機能を有する構成要素には、車両1の構成要素と形状及び機能が同一の構成要素だけでなく、形状は異なるが、同一または同様の機能を有する構成要素も含まれる。
図11は、複数のステアリングシャフトを有する鞍乗型車両の全体構成の概略を示す側面図であり、図12は、図11の鞍乗型車両の前部を前方から見た概略正面図である。なお、図11及び図12では、車体カバーを外した状態の鞍乗型車両を示している。
図11及び図12を参照して、車両1000は、車両本体1002と、左右一対の前輪3(左前輪31及び右前輪32)と、後輪4とを備える。車両本体1002は、リンク機構5と、エアバッグ装置7と、制御装置10と、操舵機構11と、車体フレーム1021と、図示しない車体カバーと、ハンドル23と、シート24と、パワーユニット25と、左緩衝装置33と、右緩衝装置34と、一対の衝突検出センサ40a,40bと、第一ステアリングシャフト1060Aと、第二ステアリングシャフト1060Bとを備えている。シート24は、前後方向において、ハンドル23よりも後側に配置されている。パワーユニット25の少なくとも一部は、上下方向において、シート24の下側に位置している。図示しない車体カバーは、車体フレーム1021に取り付けられている。
図11を参照して、車体フレーム1021は、車両1000の前後方向に延びている。車体フレーム1021は、上下方向に延びる第一ヘッドパイプ1211Aと、第一ヘッドパイプ1211Aの前側において上下方向に延びる第二ヘッドパイプ1211Bと、第二ヘッドパイプ1211Bから後方に延びるフロントフレーム1212と、フロントフレーム1212の後端から後方に延びるリアフレーム1213とを備える。
第一ヘッドパイプ1211Aと第二ヘッドパイプ1211Bとは連結されている。第一ヘッドパイプ1211Aは、内部に挿入された第一ステアリングシャフト1060Aを回転可能に支持している。第一ステアリングシャフト1060Aの上端には、車幅方向に延びるハンドル23が取り付けられている。第一ヘッドパイプ1211Aの後側には、後方に向かって延びる支持フレーム1214が設けられている。支持フレーム1214の先端部分には、エアバッグ装置7が収納されたエアバッグ収納ケース215が取り付けられている。
第二ヘッドパイプ1211Bは、内部に挿入された第二ステアリングシャフト1060Bを回転可能に支持している。図12を参照して、第二ヘッドパイプ1211Bには、上述の車両1のヘッドパイプ211と同様に、第一貫通部211a、第二貫通部211b及び第三貫通部(図示せず)が設けられている。リンク機構5は、車両1と同様に、第一貫通部211a、第二貫通部211b及び第三貫通部に回転可能に取り付けられている。
フロントフレーム1212は、上フロントフレーム1212Aと、下フロントフレーム1212Bとを有する。上フロントフレーム1212A及び下フロントフレーム1212Bは、車両前後方向に延びている。上フロントフレーム1212Aは、前側が第二ヘッドパイプ1211Bに接続されている。下フロントフレーム1212Bは、上フロントフレーム1212Aの下側に配置されている。下フロントフレーム1212Bの前側は、第二ヘッドパイプ1211Bの下端部に接続されている。
リアフレーム1213は、シート24及びテールランプ(図示省略)を支持する。
第一ステアリングシャフト1060Aと第二ステアリングシャフト1060Bとは、連結部材1007を介して接続されている。図13は、第一ステアリングシャフト1060Aと第二ステアリングシャフト1060Bとの連結構造を拡大して示す平面図である。
図11〜図13を参照して、連結部材1007は、第一ステアリングシャフト1060Aに接続された第一固定部1071と、第二ステアリングシャフト1060Bに接続された第二固定部1072と、第一固定部1071と第二固定部1072とを接続する接続軸1073とを有する。
第一固定部1071は、ハンドル23よりも下側に配置されている。第一固定部1071は、第一ステアリングシャフト1060Aの上部に接続されている。第一固定部1071は、第一ステアリングシャフト1060Aから左方に延びている。
第二固定部1072は、第二ステアリングシャフト1060Bの上端に接続されている。第二固定部1072は、第二ステアリングシャフト1060Bから左方に延びている。
接続軸1073は、上下方向において、ハンドル23よりも下側に配置されている。接続軸1073は、一方の端部が、第一固定部1071の左端部に対して、上下方向に延びる軸線回りに回転可能に接続されている。接続軸1073は、他方の端部が、第二固定部1072の左端部に対して、上下方向に延びる軸線回りに回転可能に接続されている。
これにより、ハンドル23の操作によって、第一ステアリングシャフト1060Aを時計回りに回転させた場合、第一固定部1071も第一ステアリングシャフト1060Aとともに時計回りに回転する。第一固定部1071の回転に応じて、接続軸1073が車両前方へ変位する。接続軸1073の変位によって、第二固定部1072及び第二ステアリングシャフト1060Bを時計回りに回転させる。
一方、ハンドル23の操作によって、第一ステアリングシャフト1060Aを反時計回りに回転させた場合、第一固定部1071も第一ステアリングシャフト1060Aとともに反時計回りに回転する。第一固定部1071の回転に応じて、接続軸1073が車両後方へ変位する。接続軸1073の変位によって、第二固定部1072及び第二ステアリングシャフト1060Bを反時計回りに回転させる。
このように、第一ステアリングシャフト1060Aと第二ステアリングシャフト1060Bとを連結部材1007によって連結することにより、第一ステアリングシャフト1060Aの回転を第二ステアリングシャフト1060Bに伝えることができる。
図12を参照して、本実施形態においても、車両1と同様に、車両1000の前部に、左前輪ユニット8a及び右前輪ユニット8bを含む前輪ユニット8が設けられている。左前輪ユニット8aは、前輪ユニット8のうち、車両1000が直立した状態において車幅方向中央よりも左側の部分である。前輪ユニット8は、懸架機構9、左前輪31及び右前輪32を含む。懸架機構9は、リンク機構5、操舵機構11、左緩衝装置33、及び右緩衝装置34を含む。本実施形態では、タイロッド6は、伝達プレート81を介して、第二ステアリングシャフト1060Bに接続されている。具体的には、伝達プレート81は、第二ステアリングシャフト1060Bと一体に回転するように、第二ステアリングシャフト1060Bの下端部に接続されている。本実施形態では、伝達プレート81は、第二ステアリングシャフト1060Bを回転軸として、第二ステアリングシャフト1060Bと一体に回転する。伝達プレート81とタイロッド6とは、図示しない接続部材を介して接続されている。該接続部材は、上述の接続部材84(図5参照)と同様に、伝達プレート81に対して上下方向に延びる回転軸(図示せず)回りに回転可能に、伝達プレート81に接続されている。また、該接続部材は、上述の接続部材84(図5参照)と同様に、タイロッド6に対して前後方向に延びる回転軸(図示せず)回りに回転可能に、タイロッド6に接続されている。
本実施形態では、乗員がハンドル23を操舵することによって、第一ステアリングシャフト1060Aが回転する。第一ステアリングシャフト1060Aの回転は、連結部材1007、第二ステアリングシャフト1060B、操舵機構11、左緩衝装置33及び右緩衝装置34を介して、左前輪31及び右前輪32に伝達される。これにより、左前輪31及び右前輪32が操舵される。このようにして、左前輪31及び右前輪32をハンドル23によって操舵することができる。
図11及び図12を参照して、前後方向において第二ヘッドパイプ1211Bよりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の左側に、左衝突検出センサ40aが設けられている。また、前後方向において第二ヘッドパイプ1211Bよりも前側で、かつ、左右方向において車両1の中央の右側に、右衝突検出センサ40bが設けられている。本実施形態では、車両1の直立状態において、左衝突検出センサ40aと右衝突検出センサ40bとは、車幅方向中央に対して対称に配置されている。本実施形態では、左衝突検出センサ40aは、左緩衝装置33の下部に取り付けられ、右衝突検出センサ40bは、右緩衝装置34の下部に取り付けられている。
車両1000においても、上述の実施形態と同様に、左衝突検出センサ40a及び右衝突検出センサ40bによって検出される第1衝突情報及び第2衝突情報に基づいて、判定部10aが車両1000の衝突を判定する。また、駆動制御部10cは、判定部10aの判定結果に基づいて、エアバッグ装置7を制御する。これにより、上述の実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、駆動制御部10cが、判定部10aの判定結果に基づいて、送信機71またはドライブレコーダ72を制御してもよい。
なお、複数のヘッドパイプを有する車両においては、左衝突検出センサは、前後方向において、最も前側に配置されたヘッドパイプの前端よりも前側に設けられる。同様に、右衝突検出センサは、前後方向において、最も前側に配置されたヘッドパイプよりも前側に設けられる。したがって、上記の条件を満たしていれば、車両1000において、車体フレーム1021、車体カバー(図示せず)、及び左前輪ユニット8aの任意の位置に、左衝突検出センサ40aを設けてよい。また、上記の条件を満たしていれば、車両1000において、車体フレーム1021、車体カバー(図示せず)、及び右前輪ユニット8bの任意の位置に、右衝突検出センサ40bを設けてもよい。
(リンク機構の他の例)
上述の実施形態では、リンク機構5は、前上クロス部材51Aと、前下クロス部材52Aと、後下クロス部材52Bとを有する。すなわち、リンク機構5では、前後方向において前上クロス部材51Aの後側にクロス部材が設けられていない。しかしながら、前後方向において、前上クロス部材51Aの後側に、後上クロス部材を設けてもよい。
(クロス部材の他の例)
上述の実施形態では平板状のクロス部材を備えた車両について説明した。しかしながら、クロス部材が、平板状以外の形状を有していてもよい。
(懸架機構の他の例)
上述の実施形態では、リンク機構5を有する懸架機構9を備えた車両について説明したが、懸架機構の構成は上述の例に限定されない。例えば、懸架機構が、リンク機構5の代わりに、いわゆるダブルウィッシュボーン式のリンク機構を有していてもよい。
(鞍乗型車両(全体構成)の他の例)
上述の実施形態では、本発明を三輪の鞍乗型車両に適用した場合について説明したが、鞍乗型車両の構成は上述の例に限定されない。例えば、本発明をATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)に適用してもよい。

Claims (4)

  1. 鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央に設けられた中央ステアリングシャフトと、
    前記中央ステアリングシャフトに接続されるハンドルと、
    前記中央ステアリングシャフトを回転可能に支持する中央ヘッドパイプを有する車体フレームと、
    前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央よりも左側に配置され、前記中央ステアリングシャフトの回転によって操舵される左前輪と、
    前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央よりも右側に配置され、前記中央ステアリングシャフトの回転によって操舵される右前輪と、
    前記鞍乗型車両の前後方向において、前記ハンドルよりも後側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線上に配置され、前記車体フレームに支持される中央シートと、
    前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ステアリングシャフトよりも後側に配置され、前記車体フレームに支持されるパワーユニットと、
    前記車体フレームに取り付けられた車体カバーと、
    前記左前輪と、前記左前輪を支持し、前記左前輪に加わる衝撃を緩衝する左緩衝装置と、を含み、前記車体フレームに支持される左前輪ユニットと、
    前記右前輪と、前記右前輪を支持し、前記右前輪に加わる衝撃を緩衝する右緩衝装置と、を含み、前記車体フレームに支持される右前輪ユニットと、
    前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の左側に配置され、前記車体フレーム、前記車体カバー、または前記左前輪ユニットに設けられ、かつ車両の衝突に関する第1衝突情報を検出する左衝突検出センサと、
    前記鞍乗型車両の前後方向において、前記中央ヘッドパイプよりも前側、かつ、前記鞍乗型車両の左右方向において、前記鞍乗型車両の中央線の右側に配置され、前記車体フレーム、前記車体カバー、または前記右前輪ユニットに設けられ、かつ車両の衝突に関する第2衝突情報を検出する右衝突検出センサと、
    前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報に基づいて車両の衝突を判定する判定部と、を備える、鞍乗型車両。
  2. 前記左衝突検出センサおよび前記右衝突検出センサは、
    前記中央ステアリングシャフトに対して左右対称の位置で、かつ、
    前記左衝突検出センサと前記左前輪との間の前記鞍乗型車両の左右方向における距離と前記右衝突検出センサと前記右前輪との間の前記鞍乗型車両の左右方向における距離とが等しくなる位置に配置され、
    前記左衝突検出センサおよび前記右衝突検出センサの両方が、前記車体フレーム、前記車体カバー、前記左前輪ユニットおよび前記右前輪ユニットのうちのいずれか一つに設けられている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記判定部は、
    前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報のうちの少なくとも一つの衝突情報が所定の条件を満たしている場合に、
    前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報が同時に所定の条件を満たしている場合に、または、
    前記左衝突検出センサ及び前記右衝突検出センサによって検出された前記第1衝突情報及び前記第2衝突情報のうちの一つの衝突情報が所定の条件を満たした後、所定時間内に他の衝突情報が前記所定の条件を満たした場合に、
    車両が衝突したと判定する、請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 外部装置に信号を送信する送信機、エアバッグ装置、及びドライブレコーダのうちの少なくとも一つと、
    前記判定部の判定結果に基づいて前記少なくとも一つを制御する駆動制御部とをさらに備える、請求項1から3のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。

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