JP6579513B2 - 熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法に関する。
アクリル樹脂のモノマーを他の反応性モノマーと重合させることによって改質した熱硬化型アクリル樹脂組成物を用いた成形品は、他の熱硬化性樹脂成形品と比較して、高い光沢、透明感および深み感を備えており意匠性に優れている。このため、従来より、熱硬化型アクリル樹脂組成物を用いた成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール等の家具の部材や住宅の建材として広く使用されている。一方で、熱硬化型アクリル樹脂組成物には、上記反応性モノマーの沸点が低い場合、加熱加圧成形時に反応性モノマーが発泡してしまい、成形品が白化しやすいという問題があった。
そこで、これまでに、熱硬化型アクリル樹脂組成物中における反応性モノマーの配合割合を変更することにより、低い硬化温度における熱硬化型アクリル樹脂組成物の硬化反応性を改善したり、粘度を適正に調節して発泡性を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された熱硬化型アクリル樹脂組成物は、分子中にメタクリル酸メチルを70質量%〜99質量%、および、特定の構造式で示されるメタクリル酸エステルを30質量%〜1質量%含むアクリルポリマー5質量%95質量%と、メタクリル酸メチル5質量%〜100質量%を含む反応性アクリルモノマー95質量%〜5質量%を含むことを特徴としている。このような組成を有することから、特許文献1に記載された熱硬化型アクリル樹脂組成物は、硬化反応性が良好であって硬化時に発泡せず、透明感に優れ、かつ表面硬度が高く、耐傷性にも優れているとされている。
特開2011−231162号公報
しかしながら、特許文献1に記載された熱硬化型アクリル樹脂組成物では、アクリルポリマーとして、特定の構造式で示されるメタクリル酸エステルの配合を必須としている。そして、特許文献1においては、熱硬化型アクリル樹脂成形品の表面硬度および耐傷性についての測定試験が行われているものの、熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感については、具体的には全く評価されておらず、検討が十分ではない。また、特許文献1においては、成形温度との関係には全く着目されていない。例示された硬化温度も85℃と低く、熱硬化型アクリル樹脂成形品の硬化時間および成形サイクルが長くなり、生産性は高くない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、硬化性が良好であって、かつ加熱加圧成形後の熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感と生産性とをバランスよく両立させることができる熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、アクリル樹脂組成物に、沸点が異なる少なくとも2種類の反応性モノマーを配合することにより、沸点の低い反応性モノマーの硬化時における発泡が抑制されて、アクリル樹脂成形品において白化が抑制されるという知見を得た。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明の熱硬化型アクリル樹脂組成物は、少なくともポリメタクリル酸メチル(A)と反応性モノマーを含有する熱硬化型アクリル樹脂組成物であって、前記反応性モノマーとして、沸点が成形温度よりも低い第1の反応性モノマー(B)と、沸点が成形温度よりも高い第2の反応性モノマー(C)とを含むことを特徴とする。
本発明の熱硬化型アクリル樹脂組成物によれば、硬化性が良好であって、かつ加熱加圧成形後の熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感と生産性とをバランスよく両立させることができる。
以下に、本発明の熱硬化型アクリル樹脂組成物について、詳細に説明する。
なお、本明細書中において、「成形温度」の用語は金型温度を意味しており、前記金型の上金型の金型温度と下金型の金型温度が相違する場合、より温度の低い方の金型温度を成形温度とする。
熱硬化型アクリル樹脂組成物は、少なくともポリメタクリル酸メチル(A)と反応性モノマーを含有する熱硬化型アクリル樹脂組成物であって、前記反応性モノマーとして、沸点が成形温度よりも低い第1の反応性モノマー(B)と、沸点が成形温度よりも高い第2の反応性モノマー(C)とを含むことを特徴とし、前記第2の反応性モノマー(C)の配合量が、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
熱硬化型アクリル樹脂組成物においては、前記第1の反応性モノマー(B)が、メタクリル酸メチルであることが好ましい。
また、本発明の前記熱硬化型アクリル樹脂成形品は、熱硬化型アクリル樹脂組成物を加熱加圧成形することによって得られる熱硬化型アクリル樹脂成形品である。
ポリメタクリル酸メチル(A)は、熱可塑性樹脂の一種であって、熱硬化型アクリル樹脂に配合することにより、加熱加圧成形して得られる熱硬化型アクリル樹脂成形品の機械的強度や平面平滑性を向上させることができる。
このようなポリメタクリル酸メチルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリル単量体を重合させることによって得られるものが例示される。これらの単官能のアクリル単量体は、単独または2種類以上を併用することができる。また、前記単官能のアクリル単量体を変性させたアクリルポリマーであってもよい。
ポリメタクリル酸メチル(A)の配合量としては、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、例えば、9質量部以上30質量部以下の範囲が例示される。ポリメタクリ酸メチル(A)の配合量が上記の範囲内であれば、熱硬化型アクリル樹脂硬化物の機械的強度や平面平滑性を向上させることができる。
第1の反応性モノマー(B)は、熱硬化型アクリル樹脂組成物の主剤である。
第1の反応性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、グリシジルメタクリレート(GMA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸イソブチル(IBA)等が例示される。これらの第1の反応性モノマーは、単独または2種類以上を併用することができる。第1の反応性モノマー(B)は、使用するポリメタクリル酸メチル(A)を溶解させることができるものであれば特に制限されないが、入手のしやすさとコスト面を考慮するとメタクリル酸メチルであることが好ましく考慮される。
第1の反応性モノマー(B)の沸点は、後述の成形温度よりも低く、例えば、110℃以下、さらには80℃以上110℃以下の範囲であることが好ましく考慮される。第1の反応性モノマー(B)の沸点が110℃を超えると、加熱加圧成形時に発泡しやすくなり、得られる熱硬化型アクリル樹脂成形品に白化が起こり易くなる。
第1の反応性モノマーの配合量(B)としては、例えば、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、60質量部以上90質量部以下の範囲が例示される。第1の反応性モノマー(B)の配合量が上記の範囲内であれば、熱硬化型アクリル樹脂組成物の粘性やハンドリング性、および生産性が良好となる。
第2の反応性モノマー(C)は、第1の反応性モノマー(B)の発泡を抑制することにより、成形時の白化を抑制することが可能である。第2の反応性モノマー(B)の沸点は、後述の成形温度よりも高く、例えば、100℃超180℃以下であることが好ましく考慮される。第2の反応性モノマー(B)の沸点が、上記の範囲内であれば、熱硬化型アクリル樹脂成形品における白化抑制効果を実現することができる。また、第2の反応性モノマー(C)の沸点が高いほど、より白化抑制効果を得ることができる。
このような第2の反応性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル等が例示される。これらの第2の反応性モノマーは、単独または2種類以上を併用することができる。
第2の反応性モノマー(C)の配合量は、全反応性モノマー量の3質量%以上10質量%以下が好ましい。第2の反応性モノマー(C)の含有量が全反応性モノマー量の10質量%を超える場合、得られる熱硬化型アクリル樹脂組成物の成形時間が長くなり、第2の反応性モノマー(C)を配合しない場合と比較すると短縮は可能ではあるが、成形サイクルが延びてしまう。また、第2の反応性モノマー(C)の含有量が全反応性モノマー量の3質量%を下回る場合、成形時における第1の反応性モノマー(B)の発泡を抑制するために成形温度を低めに設定する必要が生じ、第2の反応性モノマー(C)を配合しない場合と比較すると短縮は可能ではあるが、生産性を向上する効果が少なくなる。
また、第2の反応性モノマー(C)の配合量は、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。10質量部を超える場合、得られる熱硬化型アクリル樹脂組成物の成形時間が長くなり、第2の反応性モノマー(C)を配合しない場合と比較すると短縮は可能ではあるが、成形サイクルが延びてしまう。また、1質量部を下回る場合、成形時における第1の反応性モノマー(B)の発泡を抑制するために、成形温度を低めに設定する必要が生じ、第2の反応性モノマー(C)を配合しない場合と比較すると短縮は可能ではあるが、生産性を向上する効果が少なくなる。
このような熱硬化型アクリル樹脂組成物には、ポリメタクリル酸メチル(A)、第1の反応性モノマー(B)、および第2の反応性モノマー(C)以外に、必要に応じて、添加剤を加えることができる。
添加剤としては、本発明の目的や効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、架橋剤、硬化剤、内部離型剤、無機充填剤等が例示される。
架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジアクリレートや2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート等の多官能モノマー等が例示される。これらの架橋剤は、単独または2種類以上を併用することができる。前記架橋剤の添加量は、反応性モノマーの全量に対して、例えば、0.1質量部以上2.0質量部以下の範囲が好ましく例示される。架橋剤の添加量が上記の範囲内であれば、成形品の架橋密度を適度に高めることができ、耐傷性や耐薬品性等を高めることができる。
硬化剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,1,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等が例示される。これらの硬化剤は、単独または2種類以上を併用することができる。前記硬化剤の選択は、熱硬化型アクリル樹脂成形品の成形温度によって半減期温度の値に基づいて行うことができる。また、前記硬化剤の配合量は、反応性モノマーの種類、特に第1の反応性モノマー(B)の種類によって設定することができる。例えば、第1の反応性モノマー(B)として、メタクリル酸メチルを使用する場合、前記硬化剤の配合量は、反応性モノマーの全量に対して、例えば、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲が好ましく例示される。前記硬化剤の配合量が上記の範囲内であれば、重合反応の反応速度を速めることにより、第1の反応性モノマー(B)の発泡を抑制し、前記熱硬化型アクリル樹脂成形品の白化を抑制することができる。
内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等が例示される。これらの内部離型剤は、単独または2種類以上を併用することができる。前記内部離型剤の配合量は、反応性モノマーの全量に対して、例えば、0.05質量部以上1.0質量部以下の範囲が好ましく例示される。前記内部離型剤の配合量が上記の範囲内であれば、加熱加圧成形後の熱硬化型アクリル樹脂成形品の金型からの離型性が良好となり、得られる成形品の意匠性を損なうことが無い。
無機充填剤としては、熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感を損なわない限り特に制限されず、例えば、シリカ、ガラス繊維、水酸化アルミニウム等が例示される。これらの無機充填剤は、単独または2種類以上を併用することができる。前記無機充填剤の配合量は、熱硬化型アクリル樹脂組成物の硬化を阻害しない範囲で適宜設定することができるが、例えば、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、20質量部以上400質量部以下、好ましくは50質量部以上200質量部以下の範囲が例示される。前記無機充填剤の配合量が上記の範囲内であれば、熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感および、表面硬度を確保することができる。
また、前記無機充填剤の形状が球状である場合、その粒子径は、例えば、0.1μm以上100μm以下の範囲が例示される。一方、無機充填剤の形状が繊維状である場合、その繊維長は、例えば、0.1mm以上5mm以下の範囲が例示される。前記無機充填剤の粒子径や繊維長が上記の範囲内であれば、得られる熱硬化型アクリル樹脂成形品の透明感を損なうことなく表面硬度および耐傷性を向上することができる。
このようなポリメタクリル酸メチル(A)と第1の反応性モノマー(B)および第2の反応性モノマー(C)とを含有する熱硬化型アクリル樹脂組成物は、水あめ状の重合性液状混合物(アクリルシラップ)の状態で使用することができる。また、一旦、熱硬化型アクリル樹脂組成物を用いて、バルクモールディングコンパウンド(Bulk Molding Compound; BMC)やシートモールディングコンパウンド(Sheet Molding Compound; SMC)を作製した後に、加熱加圧成形して所望の形状を有する熱硬化型アクリル樹脂成形品を得ることもできる。
以上の、ポリメタクリル酸メチル(A)と第1の反応性モノマー(B)および第2の反応性モノマー(C)とを含有する熱硬化型アクリル樹脂組成物を金型に供給し、金型の内部において熱硬化型アクリル樹脂組成物を加熱加圧成形することによって、透明感が優れた熱硬化型アクリル樹脂成形品が生産性よく製造される。
熱硬化型アクリル樹脂組成物の加熱加圧成形は、例えば、成形温度が100℃超200℃未満の範囲で、30kgf/cm以上150kgf/cm以下の保持圧で、10分間〜60分間加熱加圧することにより行うことができる。
前記金型の金型温度は、第1の反応性モノマー(B)の沸点よりも高く、第2の反応性モノマー(C)の沸点未満である限り特に制限されることはなく、例えば、100℃超200℃未満の範囲、より好ましくは105℃以上130℃以下の範囲が例示される。前記金型温度が上記の範囲内であれば、熱硬化型アクリル樹脂組成物の加熱加圧成形時に、第1の反応モノマー(B)の発泡が抑制され、白化の発生がほとんど見られない透明感の高い熱硬化型アクリル樹脂成形品を得ることができる。
また、前記金型温度は、前記金型内の上金型と、対向する下金型とが必ずしも同一温度である必要はない。例えば、前記金型内の前記上金型の温度が、対向する前記下金型の温度よりも低い温度で加熱される場合も好ましく考慮される。この場合、熱硬化型アクリル樹脂成形品の裏面側と接する前記上金型の温度が、熱硬化型アクリル樹脂成形品の意匠面側と接する前記下金型の温度よりも低いことが好ましく考慮される。また、この場合、前記意匠面側と接する前記下金型の温度が、第2の反応性モノマー(C)の沸点より高くても、前記裏面側と接する前記上金型の温度が、第2の反応性モノマー(C)の沸点より低ければ、白化の発生が抑制される。
熱硬化型アクリル樹脂成形品の成形方法としては、例えば、プレス成形、インサート成形、注型成形等の公知の成形方法を適用することができる。特に、金型を構成する上金型と下金型とで、金型温度を個別に設定、制御することが容易な、プレス成形を適用することが好ましく考慮される。
前記金型および金型面の形状は、所望の熱硬化型アクリル樹脂成形品の形状に応じて、様々な形状をとることが可能である。例えば、板状、シート状、浴槽や洗面台などの曲面部を有する形状等が好ましく例示される。
このようにして得られた熱硬化型アクリル樹脂成形品は、浴槽、洗面台やキッチンカウンター等に幅広く適用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ポリメタクリル酸メチル(A)(PMMA、商品名「パラペットG」、クラレ株式会社製)を20質量部、第1の反応性モノマー(B)として沸点が100℃であるメタクリル酸メチル(住友化学株式会社製)を80質量部、第2の反応性モノマー(C)として沸点が118℃であるメタクリル酸エチル(三菱レーヨン株式会社製)を4質量部、架橋剤として2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(商品名「701A」、新中村化学工業製)を1質量部、硬化剤として10時間半減期温度が61℃であるジアシルパーオキサイド(商品名「ラウロックス」、化薬アクゾ株式会社製)を0.5質量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛(商品名「ダイワックスZP」、大日化学工業株式会社製)0.1質量部を混合して、熱硬化型アクリル樹脂組成物を調製した。
次に、得られた熱硬化型アクリル樹脂組成物100質量部と、平均粒子径が14μmであるシリカ(商品名「溶融シリカ」、瀬戸窯業原料株式会社製)220質量部、カット長さが3mmのガラス繊維(商品名「CS 3PE−907」、日東紡株式会社製)10質量部を混錬機にて混練することでアクリル樹脂系BMCを作製した。作製したアクリル樹脂系BMCを、保持圧70kgf/cm、上金型温度115℃、下金型温度135℃に設定した金型に、平板状の成形品の厚みが4mmになるようにチャージし、20分間加熱加圧成形を行うことで熱硬化型アクリル樹脂成形品を得た。
(実施例2)
第2の反応性モノマー(C)として沸点が118℃であるメタクリル酸エチルの配合量を8質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして成形品を得た。
(実施例3)
第2の反応性モノマー(C)として沸点が118℃であるメタクリル酸エチルの代わりに、沸点が163℃であるメタクリル酸n−ブチル(三菱レーヨン株式会社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして成形品を得た。
(実施例4)
第2の反応性モノマー(C)として沸点が118℃であるメタクリル酸エチルの代わりに、沸点が163℃であるメタクリル酸n−ブチルを使用し、配合量を3質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして成形品を得た。
(実施例5)
ポリメタクリル酸メチル(A)の配合量を10質量部に変更し、第2の反応性モノマー(C)の配合量を90質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして成形品を得た。
(実施例6)
ポリメタクリル酸メチル(A)の配合量を30質量部に変更し、第2の反応性モノマー(C)の配合量を70質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして成形品を得た。
(比較例1)
第2の反応性モノマー(C)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして成形品を得た。
(参考例1)
上金型温度を90℃、下金型温度を110℃に変更したこと以外は比較例1と同様にして成形品を得た。
(参考例2)
上金型温度を90℃、下金型温度を110℃に変更し、成形時間を40分に延長したこと以外は比較例1と同様にして成形品を得た。
実施例1〜6および比較例1、参考例1、2で得られた成形品について、透明感、耐傷性を以下の基準により評価した。
<透明感>
実施例および比較例で得られた成形品の白化の発生状況について、成形品の表面を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
◎:全く白化がない
○:裏面にごくわずかに白化した箇所がある。
×:白化した箇所が多数ある
<耐傷性(表面鉛筆硬度)>
実施例および比較例で得られた成形品の耐傷性について、表面鉛筆硬度をJIS K5600に基づいて測定し、以下の基準で評価した。
○:表面鉛筆硬度の測定値が4H以上である
×:表面鉛筆硬度の測定が4H未満である
評価結果を表1に示す。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
Figure 0006579513
表1に示すように、実施例1〜6と比較例1の比較から、第2の反応性モノマー(C)を含有していない比較例1の成形品では、耐傷性には優れているものの、透明性が著しく低下することが確認された。
また、参考例1、2と比較1の比較から、第2の反応性モノマー(C)を添加していない場合は、成形温度を低くして、成形時間を長くしないと白化の発生と耐傷性が両立できないが、各実施例は、成形時間を短くしても、白化の発生と耐傷性を満足することができ、生産性が優れることが確認された。
これらの結果から、少なくとも、ポリメタクリル酸メチル(A)と、沸点が成形温度よりも低い第1の反応性モノマー(B)と、沸点が成形温度よりも高い第2の反応性モノマー(C)とを配合することによって、熱硬化性樹脂成形品の透明感と生産性とをバランスよく両立可能であることが確認された。

Claims (3)

  1. 少なくともポリメタクリル酸メチル(A)と反応性モノマーを含有する熱硬化型アクリル樹脂組成物を加熱加圧成形して製造する熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法であって、前記反応性モノマーとして、沸点が110℃以下である第1の反応性モノマー(B)と、沸点が100℃超118℃以下であり、沸点が前記第1の反応性モノマー(B)の沸点よりも高く、かつ、単官能モノマーである第2の反応性モノマー(C)とを含む熱硬化型アクリル樹脂組成物を得た後、前記第1の反応性モノマー(B)の沸点よりも高く、前記第2の反応性モノマー(C)の沸点未満の温度で前記熱硬化型アクリル樹脂組成物を加熱加圧成形することを特徴とする熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法
  2. 前記第1の反応性モノマー(B)が、メタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法
  3. 前記第2の反応性モノマー(C)の配合量が、(A)(B)(C)の総量100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化型アクリル樹脂成形品の製造方法
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