JP2908528B2 - 人工石用組成物 - Google Patents

人工石用組成物

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JP2908528B2 JP2171089A JP17108990A JP2908528B2 JP 2908528 B2 JP2908528 B2 JP 2908528B2 JP 2171089 A JP2171089 A JP 2171089A JP 17108990 A JP17108990 A JP 17108990A JP 2908528 B2 JP2908528 B2 JP 2908528B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プレス成形用素材として優れた成形性と離
型性を有し、且つ耐衝撃強度、曲げ強度、耐熱性、耐候
性、耐水性、耐溶剤性等の良好な成形体を与える人工石
用組成物に関するものである。
[従来の技術] 従来より、不飽和ポリエステル樹脂やアクリル樹脂に
水酸化アルミニウム等の充填材を加えて混合し、大理石
調の外観を持った成形品を製造することが知られてい
る。また御影石調の外観を得るため、天然石の破砕片を
不飽和ポリエステル樹脂やアクリル樹脂等に混合して硬
化させることもよく知られている。また、成形品の表層
部に透明ゲルコート層を設け、内部に破砕片を分散させ
て天然石調の質感を持たせる方法も知られている。更に
最近では、天然石の破砕片に代えて、アクリル樹脂等の
熱可塑性樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等の硬化物を破
砕して得られる樹脂粒子を用いる方法(特開昭59−3113
4号公報)も提案され、成形性や切削・研磨性等の優れ
たものとして注目されている。
一方マトリックス用樹脂としては、例えば不飽和ポリ
エステル樹脂やアクリル樹脂等の樹脂に充填材を添加し
たものが用いられている。
しかしそれらの樹脂は、成形品の耐熱性や耐候性が十
分でなかったり、あるいは硬化時にその体積が減少する
(即ち硬化収縮を起こす)ため、平板状以外の三次元形
状物を成形したときに割れやクラックを起こし易く、ま
た成形型からの離型が困難になる等の問題を有してい
た。
そこで、マトリックス用樹脂の硬化時の収縮を低減す
る方法として、ラジカル重合性組成物に熱可塑性樹脂を
配合し、硬化時に熱可塑性樹脂を相分離させたり或は発
泡させることにより成形時の収縮を抑える方法も提案さ
れている。しかしながらこの方法では、得られる硬化物
が白濁して外観が不透明になり、人工石としての風合い
が損なわれるばかりでなく、耐熱性、耐候性、耐溶剤
性、耐熱水性、耐汚染性等も悪くなるという問題があっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであ
って、その目的は、優れた成形性と離型性を有し、且つ
プレス成形時の収縮が少なくてクラック等を生じること
がなく、耐熱性、耐熱水性(熱水により白化・不透明化
を起こさない性質)、耐候性、耐溶剤性、耐汚染性等の
良好な成形体を与えるプレス成形用の人工石用組成物を
提供しようとするものである。
[課題を解決する為の手段] 上記課題を解決することのできた本発明に係る人工石
用組成物の構成は、 A:分子中に水酸基を有し、スチレン又はメチルメタクリ
レートを主体とするポリマーと、 B:上記水酸基に対し0.2〜2.0倍モルの無水マレイン酸 C:ラジカル共重合性単量体、及び D:充填材 を必須成分として含み、上記D成分の配合量が、上記成
分A,B,Cの総和100重量部に対し200〜600重量部であり、
且つ上記C成分の配合量が、上記成分A,B,C,Dの総和を
真比重で100容量部としたとき35容量部以下であるとこ
ろに要旨を有するものである。
尚、上記構成においてA成分としては、分子中に水酸
基を有するスチレン系ポリマー及び/又はメチルメタク
リレート系ポリマーが好ましく、分子中に含まれる水酸
基の量としては0.3重量%以上が好ましい。またC成分
の好ましいものとしてはスチレンあるいは多官能(メ
タ)アクリレートが挙げられ、C成分がスチレンを含む
ものであるときの好ましいスチレンの配合量は、A,B,C
成分の総和100重量部に対して8〜55重量部、C成分が
多官能(メタ)アクリレートを含むものであるときの好
ましい多官能(メタ)アクリレートの配合量は、A,B,C
成分の総和100重量部に対して2〜60重量部である。ま
た充填材としては、粒径3〜50μmの水酸化アルミニウ
ム、ガラス粉末、シリカ等が好ましいものとして例示さ
れ、これらは単独で配合し得るほか、必要に応じて2種
以上を併用することができる。また、御影石調の外観を
得るために充填材の一部に替えて樹脂破砕物を用いるこ
とができる。
[作用] 本発明に係る人工石用組成物は、前述の如く分子中に
水酸基を有し、スチレン又はメチルメタクリレートを主
体とするポリマー(A成分)と無水マレイン酸(B成
分)、ラジカル重合性単量体(C成分)及び充填材(D
成分)を必須成分として含有するもので、B成分の配合
量は上記A成分中に含まれる水酸基に対して0.2〜2.0倍
モル、より好ましくは0.4〜1.5倍モルの範囲、D成分の
配合量は上記成分A,B,Cの総和を100重量部としたとき20
0〜600重量部、より好ましくは250〜400重量部の範囲で
ある。またC成分の配合量は、上記A,B,C,Dの総和を真
比重で100容量部としたときに35容量部以下、より好ま
しくは15〜30重量部の範囲に夫々設定される。以下、上
記各成分および配合率等を定めた理由並びに各成分の具
体例等について説明する。
A成分:分子中に水酸基を有し、スチレン又はメチルメ
タクリレートを主体とするポリマー マトリックス成分の主体となる成分であり、ポリマー
自身の物理的諸特性に加えて、分子中に含まれる水酸基
が、B成分として配合される無水マレイン酸と反応して
ポリマー中にラジカル反応性の二重結合を導入し、プレ
ス成形時にラジカル共重合性単量体Cと共重合すること
によってプレス成形体に優れた強度を与えると共に耐溶
剤性、耐熱性、耐熱水性を高める。該ポリマーは、無水
マレイン酸と反応し得る適量の水酸基を分子中に有する
スチレン又はメチルメタクリレートを主体とするもので
あり、特に好ましいのは、分子中に水酸基を有するスチ
レン系ポリマー(分子中に50重量%以上、より好ましく
は75重量%以上のスチレン構造を有するポリマー)又は
メチルメタクリレート(分子中に50重量%以上、より好
ましくは75重量%以上のメチルメタクリレート構造を有
するポリマー)であり、スチレン系ポリマーを用いた場
合は、高屈折率で透明感の高い大理石調の人工石が得ら
れ、またメチルメタクリレート系ポリマーを使用した場
合は、耐候性や耐熱性の良好な人工石が得られる。更に
スチレン系ポリマーとメチルメタクリレート系ポリマー
を併用すると、透明感、耐候性、耐熱性のいずれも良好
な人工石が得られる。尚、分子中に含まれる水酸基の量
は、水酸基の重量を分子量から計算した値が、全体の重
量に占める割合である水酸基の含有重量%で表わしたと
きに、0.3重量%以上、より好ましくは0.8重量%以上の
ものが良く、0.3重量%未満のものでは、架橋が不十分
となるため、機械的強度や耐熱性、耐溶剤性、耐熱水性
に対する改質効果が十分に発揮され難くなる。上限は特
に定めないが、多過ぎるとポリマー重合時の安定性が損
なわれやすく、物性が低下する傾向が生じてくるので5
%以下が好ましい。
分子中に水酸基を有し、スチレン又はメチルメタクリ
レートを主体とするポリマーの製法は特に限定されない
が、通常は主たるポリマー構成成分であるスチレン又は
メチルメタクリレートに、分子中に水酸基を有する共重
合性モノマー[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの
如きヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレートやポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の
如きグリコールモノ(メタ)アクリレート等]を適量共
重合させることによって得ることができる。尚、水酸基
含有共重合性モノマーとしては、ヒドロキシ低級アルキ
ル(メタ)アクリレートを使用することによりガラス転
移点(Tg)の高いポリマーが得られるので好ましく、グ
リコールモノ(メタ)アクリレートは硬さ調整等のため
少量併用する程度に止めるのがよい。上記の各共重合性
モノマーは夫々1種ずつを共重合させたもののほか、夫
々2種以上を併用して3元系も若しくは4元系以上の水
酸基含有ポリマーとしたものであっても勿論かまわな
い。
B成分:無水マレイン酸 上記水酸基含有ポリマーと反応してラジカル重合性二
重結合を導入する作用を持つほか、それ自身ラジカル重
合し、更にはC成分として配合されるラジカル共重合性
単量体と共重合し、プレス成形体の強度、耐熱性、耐溶
剤性、耐熱水性の向上に寄与する。こうした効果を有効
に発揮させるには、上記水酸基含有ポリマー中に含まれ
る水酸基に対して0.2〜2.0倍モル量、より好ましくは0.
4〜1.5倍モル量の範囲で含有させなければならず、0.2
倍モル未満では上記水酸基含有ポリマーに導入されるラ
ジカル重合性二重結合の量が不足し、架橋点が少なくな
るため上記の効果が有効に発揮されない。しかし多過ぎ
ると未反応の無水マレイン酸が成形材料中に多量に残存
し、成形時の離型性に悪影響を与えると共にプレス成形
体の耐熱性および耐水性も悪くなるので、2.0倍モル以
下に抑えなければならない。
C成分:ラジカル共重合性単量体 ラジカル重合性単量体は成形材料を硬化させるときの
重合反応の主体となるものであり、成形品の物性を決定
する大きな要素の1つである。但しC成分は硬化時に成
形収縮を起こす要因となるので、全体としての収縮率が
成形品の破断伸度を上回ることのないようにする必要が
あり、この観点からC成分の含有率には上限が定められ
る。即ち上記成分A,B,C,Dの総和を真比重で100容量部と
したとき35容量部以下に抑えなければならない。しかし
C成分の量が不足する場合は、得られる組成物の成形時
の流動性が悪くなったり、硬化反応が不十分となり、希
望する機械強度の硬化物が得られ難くなる場合があるの
で、5容量部以上配合するのがよい。該C成分の好まし
い配合量は15〜30容量部の範囲である。尚C成分の配合
量を真比重としての容量部で定めたのは、特にD成分
(充填材)の比重が他の成分に比べてかなり大きく、そ
の配合量によってC成分の好適配合量はかなり変わり、
真比重での容量部で規定した方が本発明の目的を達成す
るうえで、より有利であるからである。
ラジカル共重合性単量体の具体例としては、単官能の
単量体、例えばスチレン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、中でも特に好ましいの
はスチレンであって、その好ましい使用量は前記A,B,C
成分の総量100重量部に対して8〜55重量部である。ま
たラジカル共重合性単量体の他の好ましい例として、多
官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メ
タ)アクリレートとしては、1分子中に2個以上のアク
リロイル基を有する化合物、たとえばエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等が例
示され、なかでも特に好ましいのは脂肪族の多官能(メ
タ)アクリレートであり、その好ましい使用量は、前記
A,B,C成分の総量100重量部に対して2〜60重量部の範囲
である。これらのラジカル共重合性単量体は単独で使用
してもよく、あるいは2種以上を併用することも勿論可
能であるが、単官能の単量体、たとえばスチレンを多官
能(メタ)アクリレートと併用すると、より耐熱性、耐
候性、耐熱水性が優秀な成形体を得ることができる。
D成分:充填材 この成分はプレス成形体に天然石調の質感を与えると
共に物性、殊に表面硬度、剛性、耐摩耗性等を高め、更
には成形収縮率を小さくしてクラック等の発生を抑える
うえで欠くことのできない成分であり、その配合量は上
記成分A,B,Cの総和を100重量部としたとき200〜600重量
部の範囲としなければならない。200重量部未満では上
記の効果、殊に質感改善効果が十分に発揮されず、一方
600重量部を超えると組成物全体としての流動性が低下
して成形性が悪くなる。
充填材の具体例としては、水酸化アルミニウム、ガラ
ス粉、シリカ等が挙げられ、これらは単独で使用し得る
ほか、2種以上を併用することもでき、乳白色で半透明
な大理石調の外観を有する硬化物が得られる。これらの
充填材は、プレス成形性や成形物の切削・研磨性を高め
るため3〜50μm程度の粒径のものを使用するのがよ
い。また御影石調の質感を持った人工石を得る目的で、
上記充填材の一部に替えて合成樹脂破砕物あるいは天然
石破砕物を併用することもできる。中でも合成樹脂破砕
物、殊に不飽和ポリエステル系樹脂や多官能アクリレー
トを含有する熱硬化性アクリル系樹脂に充填材を加えて
硬化せしめた後粉砕した破砕物を使用すると、マトリッ
クス樹脂との親和性が高められ、加工性及び成形性の一
層優れた組成物が得られるので好ましい。
本発明に係る人工石用組成物は、上記A,B,C,Dの必須
の成分に加え、さらに必要に応じて内部離型剤、硬化
剤、顔料、紫外線吸収剤、安定剤、消泡剤、湿潤剤、カ
ップリング剤等を配合し得るほか、補強材としてガラス
繊維等を配合することができる。
上記各成分を混練ロール、ニーダー等任意の混練装置
によって混練すると、本発明のプレス成形用組成物が得
られる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受け
るものではない。
製造例1(水酸基含有スチレン系ポリマーの製造) 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を
備えたフラスコに、ポリビニルアルコール0.2部を溶解
した脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ予め調整して
おいたスチレン93.2重量部および2−ヒドロキシエチル
アクリレート6.8重量部からなる重合性単量体にベンゾ
イルパーオキサイド4重量部を溶解した混合物を仕込
み、高速で攪拌して均一な懸濁液とした。次いで窒素ガ
スを吹き込みながら80℃に加熱し、同温度で5時間攪拌
を続けて重合反応を行なった後冷却して重合体懸濁液を
得た。この重合体懸濁液を濾過洗浄した後乾燥すること
により、水酸基を1重量%有するスチレン系ポリマー
(以下、PS1%と称す)を得た。
製造例2(水酸基含有スチレン系ポリマーの製造) 製造例1で用いた、スチレン93.2重量部および2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート6.8重量部からなる重合性
単量体にベンゾイルパーオキサイド4重量部を溶解した
混合物に代えて、スチレン86.3重量部および2−ヒドロ
キシエチルアクリレート13.7重量部からなる重合性単量
体にベンゾイルパーオキサイド4重量部を溶解した混合
物を用いた以外は製造例1と全く同様にして、水酸基を
2重量部含有するスチレン系ポリマー(以下、PS2%と
称す)を得た。
製造例3 製造例1で用いた、スチレン93.2重量部および2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート6.8重量部からなる重合性
単量体にベンゾイルパーオキサイド4重量部を溶解した
混合物に代えて、スチレン79.5重量部および2−ヒドロ
キシエチルアクリレート20.5重量部からなる重合性単量
体にベンゾイルパーオキサイド4重量部を溶解した混合
物を用いた以外は製造例1と全く同様にして、水酸基を
3重量部含有するスチレン系ポリマー(以下、PS3%と
称す)を得た。
実施例1〜8、比較例1〜7 上記で得た水酸基含有ポリスチレン(PS1%,PS2%,PS
3%)を双腕型ニーダーに投入し、攪拌しつつラジカル
共重合性単量体及び無水マレイン酸を加えて室温で混練
した後、更に充填材を徐々に加えて十分に混合する。次
いで内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を加えて混練
し、更に硬化触媒としてt−ブチルイソプロピルカーボ
ネートを加えてから十分に混練して取り出し、バルク状
のプレス成形用組成物を得た。
使用した配合成分の種類は下記の通りであり、配合組
成は第1表に示した。但し配合組成の数値は、特記しな
い限り重量部を意味する。
また第1表に示されていない第3成分の種類および配
合量は同一であり、下記の通りである。
(A,B,C成分の総和100重量部に対し) ステアリン酸亜鉛:2重量部 t−ブチルイソプロピルカーボネート:2重量部 ハイドロキノン:0.03重量部 得られた各プレス成形用組成物を使用し、500mm角の
平板成形用プレス成形装置を用いて厚さ6mmの大理石調
の質感を持った成形体を成形し(型温度は上・下とも13
0℃、圧力は100Kg/cm2、保持時間は10分)、得られた各
成形体について、下記の方法で物性等を調べ、第2表に
一括して示す結果を得た。
(配合成分の種類) PS0%:住友化学工業(株)のポリスチレン「エスブ
ライトGP−8」水酸基含有量=0% PS1%:製造例1で得た水酸基含有スチレン系ポリマ
ー PS2%:製造例2で得た水酸基含有スチレン系ポリマ
ー PS3%:製造例3で得た水酸基含有スチレン系ポリマ
ー M A:無水マレイン酸 S M:スチレン MMA:メチルメタクリレート TMP:トリメチロールプロパントリアクリレート EGD:エチレングリコールジメタクリレート Al(OH)3:昭和電工(株)製の水酸化アルミニウム
「ハイジライトH−320」、平均粒径3.5μm G P:日東紡績(株)製品のガラスパウダー「コナック
FMB5W001」、平均粒径6.4μm 第1表中の指標の項目については、以下の方法で計算
した値で示した。
MA/OH:無水マレイン酸のモル数を水酸基含有ポリマー
に含まれる水酸基のモル数で割った値 C成分容量%:A,B,C,Dの総和を真比重で100容量部と
したときのC成分の容量部 各成分の容量計算のための真比重値としては以下の値
を用いた。
品名 比重 PS0%,PS1%, PS2%,PS3% :1.06 MA :1.51 SM :0.9 MMA :0.9 TMP :1.06 EGD :1.06 Al(OH)3 :2.42 GP :2.55 (成形体の評価法) 曲げ強度:JIS K−6911 荷重たわみ温度(HDT) :JIS K−7207 耐溶剤性:メチルエチルケトン中に25℃ 24時間漬浸した後の外観の変化を見る。
◎:変化なし ○:わずかに変化 △:変化するが実用上問題とならない程度 ×:不良 耐熱変色性:180℃の空気浴に2時間置いて変色の程度
を見る。
◎,○,△,×の評価基準は上記と同じ 耐 候 性:サンシャインウェザーオメーターで500
時間照射後の表面の変化の程度を見る。
◎,○,△,×の評価基準は上記と同じ 流 動 性:500×1000mmの平板状の金型を使用し、中
央部に、縦、横、高さが15cmのサイコロ状にした成形材
料を置き、上・下型温130℃で40Kg/cm2の圧力をかけて
成形し、得られた成形体の状態で評価。
◎:金型の4隅まで完全に充填された板
状成形体が得られる ○:隅部にわずかな充填不良が見られる △:4隅に充填不良が発生する ×:端部まで流れ切らない 耐クラック性:縦×横×高さが250×400×100(mm)
で上面が開放された箱型を用いて成形を行ない、成形体
のクラックの有無で評価した。成形温度は上、下型とも
130℃、成形圧力は70Kg/cm2とした。
◎:クラックの全く無い成形体が得られ
る ○:コーナー部にわずかなクラックが発
生する △:コーナー部にクラックが発生する ×:多数のクラックが発生する 離 型 性:耐クラック性試験で用いたのと同じ型の
箱型を使用して成形したときの離型のし易さで評価。
◎:良好 ○:良好だがとれにくいことがある △:やや離型しにくい ×:型に付着しがちである 第1,2表より次の様に考察することができる。
実施例1〜3はいずれも本発明の規定要件を満たすも
ので、用いる水酸基含有ポリマー中の水酸基の量を1
%,2%,3%と増加させたものである。水酸基量の増加す
るにつれて強度と耐溶剤性が改善されるが、耐熱変色性
についてはやや悪くなる傾向がみられる。しかし、いず
れも人工石としての性能を十分に備えたものであるとい
える。
実施例4,5も本発明の規定要件を満たすものではある
が、実施例4は使用する無水マレイン酸の量を少なめに
抑えた例、実施例5は無水マレイン酸量を多めにした例
であり、無水マレイン酸の量が少ない場合は耐溶剤性や
耐熱変色性がやや不足気味となり、多くなると離型性が
やや悪くなる。従って無水マレイン酸の使用量は、本発
明の規定範囲内でも使用目的に応じてその都度適正に選
択することが望まれる。
実施例6,7も本発明の規定要件を満たすものである
が、実施例6の様に共重合性単量体としてのスチレンを
多量に用いた場合は、耐熱変色性や耐候性においてやや
劣る結果が得られている。また実施例7の様にC成分の
量をあまり少なくすると、流動性が悪くなる傾向が認め
られる。しかしながらいずれも人工石としての基本的な
要求物性は満たすものである。
実施例8は、多官能共重合性単量体としてエチレング
リコールジメタクリレートを多量に用いたものである
が、強度、耐熱性の共に優れた成形体が得られている。
これらに対し比較例1は、水酸基を含まないポリスチ
レンをA成分として用いたもので、耐溶剤性や耐熱変色
性が非常に悪い。
比較例2は、B成分の配合量が不足するものであり、
比較例1に比べて若干の改善傾向は認められるものの、
やはり耐溶剤性や耐熱変色性の点で十分なものが得られ
ない。
比較例3は、B成分の配合量が規定範囲を超えるもの
であり、物性の点では良好な成形体が得られえるもの
の、プレス成形時の離型性が悪く、実用にそぐわない。
比較例4は、C成分として配合されるスチレンの量が多
過ぎるものであり、成形体の耐溶剤性および耐候性が十
分でなく、且つ耐熱変色性が非常に悪い。
比較例5はC成分の配合量が多過ぎるもので、C成分
の全体に占める容積比率が35%を超えており、そのため
成形時にクラックが発生し健全な成形体が得られない。
比較例6はD成分の配合量が不足する例であり、比較
例5と同様にC成分の容積比率が35%を超えているため
成形時にクラックが発生し、健全な成形体が得られな
い。
比較例7は逆にD成分の配合が多過ぎる例であるが、
この場合は成形時の流動性および離型性が非常に悪く、
しかも多量のクラックが発生して満足な成形体が得られ
ない。
製造例4 メチルメタクリレート50重量部、スチレン20重量部、
エチレングリコールジメタクリレート30重量部よりなる
混合物に、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製「ハ
イジライトH−320」、平均粒径3.5μm)200重量部を
加えて攪拌し、次いで白色顔料(大日精化工業(株)製
「AT−3」)1.5重量部と硬化剤(化薬アクゾ(株)製
「パーカドックスPX−16」)0.8重量部を加えてよく混
合した。次いでこの混合物を200×200×20mmの平板を製
造するのに用いる注型用の型に注入し、70℃で30分間加
熱して硬化させた後、更に150℃で4時間後硬化を行な
った。得られた硬化物は、乳白色、半透明で大理石調の
外観を有しており、この樹脂硬化物を厚さ0.3mmに削り
出して全光線透過率を測定したところ60%であった。こ
の樹脂硬化物をハンマーミルで破砕し、20メッシュのAS
TM標準篩で粗粒を除去した後80メッシュの同標準篩で微
粒を除去し、20〜80メッシュで比重1.75の破砕物(A)
を得た。
製造例5(充填用破砕物の製造) 製造例4で用いた白色顔料1.5重量部の代わりに、黒
色顔料(大日精化工業(株)製「AT−854」)2.4重量部
を使用した以外は製造例4と全く同様にして20〜80メッ
シュ、比重1.75の破砕物(B)を得た。尚、破砕前の硬
化物の全光線透過率(厚さ0.3mm)は16%であった。
実施例 前記実施例1〜8と同様にして、第1表に示した組成
でA,B,C,D成分を十分に混合した後、上記製造例4で得
た破砕物(A)12重量部と製造例5で得た破砕物(B)
12重量部を加えて均一に混合し、バルク状の成形材料を
得た。
この成形材料を用いて実施例1〜8と同様の方法でプ
レス成形および成形体の性能評価を行ったところ、第2
表に示した通りであり、物性、成形性共に良好な結果を
得た。尚この成形体は御影石調の優れた外観と感触を有
するものであった。
実施例10 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を
備えたフラスコに、ポリビニルアルコール0.2部を溶解
した脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ予め調整して
おいたメチルメタクリレート200.2重量部および2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート26.0重量部からなる重合
性単量体にベンゾイルパーオキサイド9部を溶解した混
合物を仕込み、高速で攪拌して均一な懸濁液とした。次
いで窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、この温度
で5時間攪拌を続けて重合反応を行った後冷却して重合
体懸濁液を得た。この重合体懸濁液を濾過洗浄した後乾
燥すると、水酸基を1.5重量%有する比重1.17のメチル
メタクリレート系ポリマーが得られた。
実施例1で用いた水酸基含有スチレン系ポリマー(PS
1%)に代えて、上記で得た水酸基含有メチルメタクリ
レート系ポリマーを使用した以外は実施例1と全く同様
にして、バルク状の成形材料を得、次いで実施例1〜8
と同様の方法でプレス成形および成形体の性能の評価を
行ったところ、第3表に示した通り成形性および成形体
の物性のいずれにおいても良好な結果を得た。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、プレス成形用素
材等として優れた成形性と離型性を有し、且つ優れた物
性の人工石を与える組成物を提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 稔 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社樹脂研究所内 (72)発明者 橋本 輝国 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社樹脂研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 26/04 C04B 26/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A:分子中に水酸基を有し、スチレン又はメ
    チルメタクリレートを主体とするポリマーと、 B:上記水酸基に対し0.2〜2.0倍モルの無水マレイン酸、 C:ラジカル共重合性単量体、及び D:充填材 を必須成分として含み、上記D成分の配合量が、上記成
    分A,B,Cの総和100重量部に対し200〜600重量部であり、
    且つ上記C成分の配合量が、上記成分A,B,C,Dの総和を
    真比重で100容量部としたとき35容量部以下であること
    を特徴とするプレス成形用の人工石用組成物。
  2. 【請求項2】A成分が、分子中に水酸基を有するスチレ
    ン系ポリマー及び/又はメチルメタクリレート系ポリマ
    ーである請求項(1)記載の人工石用組成物。
  3. 【請求項3】分子中に含まれる水酸基の量が0.3重量%
    以上である請求項(1)又は(2)記載の人工石用組成
    物。
  4. 【請求項4】C成分がA,B,C成分の総和100重量部に対し
    8〜55重量部のスチレンを含むものである請求項(1)
    記載の人工石用組成物。
  5. 【請求項5】C成分がA,B,C成分の総和100重量部に対し
    2〜60重量部の多官能(メタ)アクリレートを含むもの
    である請求項(1)記載の人工石用組成物。
  6. 【請求項6】D成分が、粒径3〜50μmの水酸化アルミ
    ニウム、ガラス粉末、シリカよりなる群から選択される
    少なくとも1種の充填材を含むものである請求項(1)
    〜(5)のいずれかに記載の人工石用組成物。
  7. 【請求項7】D成分が、更に他の成分として樹脂破砕物
    を含むものである請求項(6)記載の人工石用組成物。
  8. 【請求項8】樹脂破砕物として色調の異なる2種の樹脂
    破砕物を使用したものである請求項(7)記載の人工石
    用組成物。
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