JP6574108B2 - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents

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本発明は、地中に埋設されているコンクリート構造物の補強方法に関する。
地中に埋設され、鉄道用地下トンネルや自動車用地下トンネルその他の地下構造物を構築するボックスカルバート等のコンクリート構造物が知られている。このようなコンクリート構造物の補強方法として、コンクリート構造物の壁に穴を形成し、この穴に補強部材を挿入した上で充填材を充填したり、注入材を注入したりする方法が提案されている(特許文献1)。
特開2015−21299号公報
特許文献1に記載されている補強方法は、コンクリート構造物の壁に、壁の内面から穴を形成するのではなく、壁の上端面から穴を形成する。よって、施工中にコンクリート構造物によって構築されている地下トンネル内における電車や自動車の通行を制限する必要がなく、施工時間等に対する制約が少ない。
また、特許文献1に記載されている補強方法では、コンクリート構造物の壁に鉛直方向に延在する穴を形成し、この穴にその略全長にわたって補強部材を挿入する。よって、補強部材の延在方向とせん断破壊線とが確実に交差し、高い補強効果が得られる。
一方、特許文献1には、補強部材が挿入された穴に充填される充填材としてコンクリート,モルタル,接着剤が列挙されているが、穴に充填される充填材は常に1種類であって、同一の穴に複数種類の充填材が充填されることはない。
ここで、コンクリート構造物においては、その部位によって求められる補強強度や補強性能が異なる場合がある。具体的には、コンクリート構造物全体の耐力をバランス良く向上させるためには、ある部分には圧縮強度に重点をおいた補強を施し、他のある部分には引張強度に重点をおいた補強を施すことが望ましい。しかし、コンクリート構造物の壁に設けられた穴に1種類の充填材を充填する特許文献1記載の補強方法では、圧縮強度に重点をおいた補強と引張強度に重点をおいた補強とを使い分けることができない。
本発明の目的は、コンクリート構造物の任意の部位に、当該部位に適した補強を施すことができる方法を提供することである。
本発明のコンクリート構造物の補強方法の一つは、底部と該底部から鉛直に起立する壁部とを備え、地中に埋設されるコンクリート構造物の補強方法である。この補強方法は、前記壁部に、鉛直方向に延在し、下端が前記底部の内面よりも鉛直方向下方に達する複数の穴を形成する穿孔工程と、それぞれの前記穴に、前記底部と前記壁部とに跨る一連の補強部材を挿入する挿入工程と、それぞれの前記穴に、引張強度が異なる2種類の注入材を順次注入する注入工程と、を有する。
本発明の一態様では、前記注入工程において、第1の注入材と、該第1の注入材に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度が低い第2の注入材と、が注入される。
本発明の他の態様では、前記注入工程において、第1の注入材と、該第1の注入材に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度も高い第2の注入材と、が注入される。
本発明の他の態様では、前記第1の注入材を前記底部の内面よりも低い位置まで注入し、前記第2の注入材を前記第1の注入材の上に、前記底部の内面よりも高い位置まで注入する。
本発明の他の態様では、前記第1の注入材が無機系注入材であり、第2の注入材が有機系注入材である。
本発明の他の態様では、前記注入工程では、前記第2の注入材を注入した後に、前記第1の注入材を再び注入する。
本発明の他の態様では、それぞれの前記穴に、引張強度が異なる3種類以上の注入材を順次注入する。かかる態様では、例えば、第1の注入材,第2の注入材,第3の注入材及び前記第1の注入材をこの順で注入する。この際、前記第2の注入材の引張強度は前記第1の注入材より高く、前記第3の注入材の引張強度は、前記第1の注入材より高く、かつ、前記第2の注入材より低い。
本発明によれば、コンクリート構造物の各部位に、当該部位に適した補強を施すことができる。
補強対象の一例であるボックスカルバートの斜視図である。 図1に示されるボックスカルバートによって構築される地下トンネルの断面図である。 穴が形成されたボックスカルバートの斜視図である。 壁部の内部構造を示す部分拡大断面図である。 挿入工程の説明図である。 注入工程の説明図である。 注入材の充填状態(積層状態)の一例を示す透視図である。 注入材の充填状態(積層状態)の一例を示す断面図である。 注入材の充填状態(積層状態)の他の一例を示す断面図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。本実施形態におけるコンクリート構造物は、図1に示されているボックスカルバート1である。ボックスカルバート1は、図1に示されるように一列に並べて地中に埋設され、図2に示されるような自動車用の地下トンネル2を構築している。換言すれば、軸方向に接続された状態で地中に埋設された複数のボックスカルバート1によって自動車用の地下トンネル2が構築されている。地下トンネル2の内部には、片側一車線の車道が設けられており、地下トンネル2の上(地上)にも片側一車線の車道が設けられている。もっとも、地下トンネル2の内部に線路が布設される場合もある。すなわち、ボックスカルバート1によって鉄道用の地下トンネルが構築される場合もある。この場合、鉄道用の地下トンネルの上(地上)に、車道が設けられたり、別の線路が布設されたりすることもある。
図1に示されるように、それぞれのボックスカルバート1は、底部10と、底部10の幅方向両端から鉛直に起立する一対の壁部11と、底部10と対向し、かつ、2つの壁部11の上端同士を接続する天井部12と、を備えている。これら底部10,壁部11及び天井部12は、それぞれ矩形板状であり、鉄筋コンクリートによって一体に作られている。
次に、図2に示される地下トンネル2を構築しているボックスカルバート1の補強方法について説明する。
まず、ボックスカルバート1の壁部11の真上からバックフォーやハンマーグラブ等の重機を用いて、或いは、手掘りにより、地盤を鉛直方向に掘削する。
ボックスカルバート1の天井部12の外面12aまで地盤を掘削した後、図2に示されるように、天井部12及び壁部11を貫通し、下端20aが底部10に達する複数の穴20を形成する(穿孔工程)。かかる穿孔工程には、ドリル装置,コアボーリング装置,ウォータジェット切断装置(ウォータジェット加工装置)等の様々な穿孔装置30を用いることができる。尚、穿孔装置30としてドリル装置やコアボーリング装置を用いると穴20の断面形状は円形となり、ウォータジェット切断装置(ウォータジェット加工装置)を用いると穴20の断面形状はスリット状となる。
図3に示されるように、上記穿孔工程では、ボックスカルバート1のそれぞれの壁部11に、ボックスカルバート1の軸線Xに沿って複数の穴20を形成する。また、それぞれの壁部11に形成される複数の穴20が水平断面内において千鳥配置されるように、それぞれの穴20の位置を定める。
尚、図4に示されるように、ボックスカルバート1(図3)の壁部11の内側には、その内面寄りに、鉛直方向に延在する第1縦筋41aと、水平方向に延在する第1横筋41bとが格子状に配筋されてなる内側鉄筋41が設けられている。また、ボックスカルバート1の壁部11の内側には、その外面寄りに、鉛直方向に延在する第2縦筋42aと、水平方向に延在する第2横筋42bとが格子状に配筋されてなる外側鉄筋42が設けられている。穴20は、内側鉄筋41と外側鉄筋42との間、つまり既存鉄筋(第1縦筋41a,第1横筋41b,第2縦筋42a,第2横筋42b)が存在していない箇所に形成される。
次に、図5に示されるように、穿孔工程によって形成されたそれぞれの穴20に、穴20の略全長にわたって延在する一連の補強部材50を挿入する(挿入工程)。本実施形態における補強部材50は、穴20の深さと略同一の全長を有する鉄筋である。
ここで、それぞれの穴20の下端20aが底部10に達していることは既述の通りである(図2参照)。すなわち、穴20の下端20aは、底部10の内面10bよりも鉛直方向下方に位置している。よって、穴20の深さと略同一の全長を有する一連の補強部材50は、底部10と壁部11とに跨る。換言すれば、それぞれの穴20に挿入された補強部材50の下端は、底部内面10bよりも下方に位置する。
その後、図6に示されるように、補強部材50が挿入されたそれぞれの穴20に、引張強度が異なる2種類以上の注入材を注入する(注入工程)。具体的には、第1の注入材61と第2の注入材62とを順次注入する。より具体的には、第1の注入材61を注入した後に第2の注入材62を注入し、次いで第1の注入材61を再び注入する。
ここで、第1の注入材61は、第2の注入材62に比べて、圧縮強度が高く、かつ、引張強度が低い注入材である。換言すれば、第2の注入材62は、第1の注入材61に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度が低い注入材である。すなわち、本実施形態における注入工程は、相対的に圧縮強度に優れる第1の注入材61を注入する第1注入工程と、相対的に引張強度に優れる第2の注入材62を注入する第2注入工程と、相対的に圧縮強度に優れる第1の注入材61を再注入する第3注入工程とを含み、これら第1注入工程,第2注入工程及び第3注入工程をこの順で実行する。尚、以下の説明では、第1の注入材61と第2の注入材62とを特に区別しない場合には、これらを“注入材60”と総称する場合がある。また、図6はイメージ図である。実際には、パイプやホース等を介して所定量の注入材60が地上から各穴20に注入される。
2種類以上の注入材60が注入される上記注入工程が終了すると、図7に示されるように、各穴20の内部には、第1の注入材61,第2の注入材62及び第1の注入材61がこの順で充填(積層)される。
ここで、第1注入工程では、ボックスカルバート1の底部内面10bよりも低い位置まで第1の注入材61を注入する。第2注入工程では、第1の注入材61の上に、底部内面10bよりも高い位置まで第2の注入材62を注入する。第3注入工程では、第2の注入材62の上に、所定位置(例えば、穴20の上端)まで第1の注入材61を注入する。
もっとも、穴20の内部を目視で確認することはできない。そこで、穴20の容積及び補強部材50の体積に基づいて、注入材60の嵩高を所定の嵩高とするために必要な注入材60の量を予め定めておく。上記注入工程では、所定量の第1の注入材61及び第2の注入材62を上記順序で注入することにより、穴内部の所定位置に所定の嵩高を有する第1の注入材61及び第2の注入材62を充填する。
以上の工程により、図8に示されるように、それぞれの穴20には、底部10と壁部11とに跨る一連の補強部材50が挿入される。さらに、穴20の内周面と穴20に挿入された補強部材50の外周面との間の隙間には、第1の注入材61,第2の注入材62及び第1の注入材61がこの順で充填される。また、第2の注入材62は、底部内面10bよりも低い位置から底部内面10bよりも高い位置まで充填される。換言すれば、第1注入工程において注入される第1の注入材61はボックスカルバート1の底部10にのみ充填され、第3注入工程において注入される第1の注入材61はボックスカルバート1の壁部11にのみ充填される。一方、第2注入工程において注入される第2の注入材62は、ボックスカルバート1の底部10と壁部11とに跨って充填される。さらに換言すれば、第2の注入材62は、ボックスカルバート1の底部10と壁部11との間のコーナ部分に充填される。
本実施形態における第1の注入材61は無機系注入材であり、より具体的にはモルタルである。また、本実施形態における第2の注入材62は有機系注入材であり、より具体的には熱可塑性樹脂である。
すなわち、本実施形態に係る補強方法によれば、相対的に引張強度に優れる第2の注入材62がボックスカルバート1の底部10と壁部11との間のコーナ部分に充填され、この第2の注入材62の上下に、相対的に引張強度に優れる第1の注入材61が充填される。
以上のように、本実施形態では、圧縮強度に比べて引張強度が劣るコンクリート構造物に引張強度に優れた第2の注入材62が注入されることにより、コンクリート構造物の耐力が向上する。さらに、地震時などに曲げ力を受け、圧縮縁と引張縁とが同時に発生するコーナ部分に引張強度に優れた第2の注入材62が選択的に充填され、その他の部分に圧縮強度に優れた第1の注入材61が選択的に充填されるので、コンクリート構造物全体の耐力がバランス良く向上する。このように、2種類以上の注入材60を適材適所で用いる本実施形態の補強方法によれば、ボックスカルバート1の各部位に、当該部位に適した補強を施すことができる。
尚、穴20の全長にわたって、圧縮強度及び引張強度の双方において注入材60よりも優れた他の注入材を充填することも考えられる。しかし、相反する強度の双方に関して優れている注入材は一般的に高価であり、かかる注入材を穴20の全長にわたって注入することは補強工事の高コスト化を招くことになる。
また、本実施形態に係る補強方法では、地中に埋設されているボックスカルバート1に地上からアクセスして穴20を形成する。また、穴20への補強部材50の挿入や注入材60の注入も地上から行われる。すなわち、穿孔工程,挿入工程及び注入工程の全てが地上から行われる。従って、図2に示される地下トンネル2内での作業は不要であり、地下トンネル2内における車両の通行を制限することなく作業を完了することができる。
また、補強部材50の延在方向が鉛直方向であるため、地震時に想定される様々な方向のせん断破壊線をカバーする上で有利であり、地下トンネル2の耐震性能を確保する上で有利である。例えば、補強部材が壁部の厚さ方向に延在している場合、補強部材は同方向に延びるせん断破壊線と交差しにくく、補強部材の機能が十分に発揮されなくなる。これに対し、本実施形態における補強部材50は、鉛直方向(壁部11の高さ方向)に延在しているので、補強部材50の延在方向とせん断破壊線とが確実に交差し、補強部材50の機能が十分に発揮される。
また、補強部材が壁部の厚さ方向に延在している場合、壁部のせん断補強としては靱性補強が主な効果となり、曲げ補強の効果は得られない。これに対し、本実施形態における補強部材50は壁部11の高さ方向に延在しているので、壁部11のせん断補強として曲げ補強の効果が得られる。
想定されるせん断破壊線をカバーするためには多数のせん断補強が必要となる。しかし、穴の数が多くなるほど既存躯体がダメージを受ける。これに対し、壁部11の高さ方向に沿って穴20が形成される本実施形態では、想定されるせん断破壊線をカバーするために必要な穴20の数が少なく、既存躯体に与えるダメージを最小限に止めることができる。
また、図4に示されるように、ボックスカルバート1(図3)の壁部11には、格子状に配筋された多数本の鉄筋からなる内側鉄筋41及び外側鉄筋42が埋め込まれている。よって、壁部11の厚さ方向に穴を形成しようとする場合には、内側鉄筋41及び外側鉄筋42をかわして穿孔する必要がある。このため、超音波等を用いた鉄筋探査により鉄筋の位置を確認しながら穿孔するものの、探査で探せない鉄筋との干渉により穿孔作業のやりなおしが頻発するおそれがある。しかし、本実施形態では、内側鉄筋41と外側鉄筋42との間に穴20を形成するので、鉄筋との干渉が発生する可能性は極めて低い。
図3に示されるように、ボックスカルバート1のコーナ部分は屈曲している。よって、壁部11にその内側から厚さ方向に延在する穴を形成する場合、コーナ部分に穴を形成することは困難である。これに対し、ボックスカルバート1の壁部11に、その外側から鉛直方向に延在する穴20を形成する本実施形態では、コーナ部分についても穴20を容易に形成することができる。
(第2の実施形態)
次の本発明の実施形態の他の一例について説明する。もっとも、本実施形態に係る補強方法と第1の実施形態に係る補強方法との相違点は、注入工程のみである。よって、以下、本実施形態における注入工程について詳細に説明する一方、穿孔工程及び挿入工程についての説明は省略する。
本実施形態における注入工程では、引張強度が異なる3種類の注入材が順次注入される。具体的には、本実施形態における注入工程は、第1の注入材を注入する第1注入工程,第2の注入材を注入する第2注入工程,第3の注入材を注入する第3注入工程,第1の注入材を再注入する第4注入工程を含む。
第1注入工程及び第4注入工程によって注入される第1の注入材は、第1の実施形態における第1の注入材61(図8)と同一の注入材である。また、第2注入工程によって注入される第2の注入材は、第1の実施形態における第2の注入材62(図8)と同一の注入材である。
一方、第3注入工程によって注入される第3の注入材は、圧縮強度は第1の注入材61より低く、第2の注入材62より高い注入材である。また、第3の注入材は、引張強度は第2の注入材62より低く、第1の注入材61より高い注入材である。つまり、第3の注入材は、第1の注入材61と第2の注入材62との間の中間的な性質を備えている。かかる第3の注入材としては、例えば、第1の注入材61に樹脂等を混ぜて引張強度を高めた注入材や第2の注入材62に石灰等を混ぜて圧縮強度を高めた注入材等が用いられる。
上記注入工程が終了すると、図9に示されるように、各穴20の内部には、第1の注入材61,第2の注入材62,第3の注入材63及び第1の注入材61がこの順で充填(積層)される。本実施形態においても、第2の注入材62は、底部内面10bよりも低い位置から底部内面10bよりも高い位置まで充填される。また、第2の注入材62の嵩高は、第3の注入材63の嵩高よりも低い。つまり、第2の注入材62の注入量は、第3の注入材63の注入量よりも少ない。第3の注入材63が第2の注入材62にフィラーやスラリーを混ぜて嵩増しした注入材である場合、第3の注入材63を第2の注入材62よりも多く注入することにより、コストの高い第2の注入材62の使用量を抑制しつつ、構造物全体の圧縮強度及び引張強度を向上させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、注入材は本明細書に明示されている注入材に限定されない。例えば、上記実施形態における第1の注入材61には、通常のモルタルの他に、高強度モルタル,無収縮モルタル,セメント等を用いることができる。また、上記実施形態における第2の注入材62には熱硬化性樹脂やコールタールを用いることができる。もっとも、第2の注入材62として熱可塑性樹脂やコールタールを用いた場合、変形後に熱を加えることで当初の形状又はこれに近い形状に復帰させることができるという利点がある。さらに、各注入材には必要に応じて各種のフィラーを混ぜて引張強度や圧縮強度の調整を図ることができる。かかる調整により、前記実施形態における第1の注入材61に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度も高い注入材を得ることもでき、かかる注入材を上記実施形態における第2の注入材62として用いることもできる。このように引張強度及び圧縮強度の双方に優れる第2の注入材62を第1の注入材61や第3の注入材63と組み合わせて用いることにより、高価な注入材の使用量を抑制しつつ、コンクリート構造物全体の耐力を向上させることができるとともに、コーナ部分の靱性を向上させることができる。
補強部材は鉄筋に限定されない。例えば、補強部材には、H型鋼やI型鋼等の型鋼も使用可能である。また、補強部材としての型鋼に鉄筋を巻き付けてもよい。
補強部材には、円筒状又は角筒状の鉄筋籠、円筒状又は角筒状の鋼管や平板状の鋼板等も使用可能であり、鋼管や鋼板に多数の穴を形成してもよい。すなわち、有孔鋼管や有孔鋼板も補強部材として使用可能である。さらに、有孔鋼管の内側に、高強度繊維材からなる繊維チューブを配置してもよい。上記のような各種補強部材は、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
また、補強部材の表面に摩擦低減材を設けることにより、補強部材と注入材との固着を回避してもよい。このような処理は、補強部材が埋設された壁部のせん断破壊を防止する上で有利である。
本発明の補強方法によって補強可能なコンクリート構造物はボックスカルバートに限定されない。例えば、本発明の補強方法は、地盤に掘削された溝にコンクリートを現場打ちすることにより、又はプレキャスト部材を並べることにより構築された掘割道路の壁部(側壁)の補強にも適用できる。また、本発明の補強方法は、底部(床版)から起立する擁壁の壁部(縦壁)の補強にも適用できる。
本発明は、損傷を受けていないコンクリート構造物の補強はもちろんのこと、地震等によって損傷を受けたコンクリート構造物の補強(補修)にも適用できる。この場合、外部からは確認できない、又は確認が容易ではない内部のひび割れ等対しても効果的な補修・補強が行える。
1 ボックスカルバート
2 地下トンネル
10 底部
10b 内面(底部内面)
11 壁部
12 天井部
12a 外面
20 穴
20a 下端
30 穿孔装置
41 内側鉄筋
41a 第1縦筋
41b 第1横筋
42 外側鉄筋
42a 第2縦筋
42b 第2横筋
50 補強部材
60 注入材
61 第1の注入材
62 第2の注入材
63 第3の注入材
X 軸線

Claims (6)

  1. 底部と該底部から鉛直に起立する壁部とを備え、地中に埋設されるコンクリート構造物の補強方法であって、
    前記壁部に、鉛直方向に延在し、下端が前記底部の内面よりも鉛直方向下方に達する複数の穴を形成する穿孔工程と、
    それぞれの前記穴に、前記底部と前記壁部とに跨る一連の補強部材を挿入する挿入工程と、
    それぞれの前記穴に、第1の注入材と、該第1の注入材に比べて引張強度が高い第2の注入材と、をこの順で順次注入する注入工程と、を有し、
    前記第1の注入材はモルタルであり、前記第2の注入材は熱可塑性樹脂である、
    コンクリート構造物の補強方法。
  2. 請求項1に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
    前記第2の注入材としての前記熱可塑性樹脂は、前記第1の注入材に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度が低い
    コンクリート構造物の補強方法。
  3. 請求項1に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
    前記第2の注入材としての前記熱可塑性樹脂は、前記第1の注入材に比べて、引張強度が高く、かつ、圧縮強度も高い
    コンクリート構造物の補強方法。
  4. 請求項2又は3に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
    前記第1の注入材を前記底部の内面よりも低い位置まで注入し、
    前記第2の注入材を前記第1の注入材の上に、前記底部の内面よりも高い位置まで注入する、
    コンクリート構造物の補強方法。
  5. 請求項2〜のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法において、
    前記注入工程では、前記第2の注入材を注入した後に、前記第1の注入材を再び注入する、
    コンクリート構造物の補強方法。
  6. 底部と該底部から鉛直に起立する壁部とを備え、地中に埋設されるコンクリート構造物の補強方法であって、
    前記壁部に、鉛直方向に延在し、下端が前記底部の内面よりも鉛直方向下方に達する複数の穴を形成する穿孔工程と、
    それぞれの前記穴に、前記底部と前記壁部とに跨る一連の補強部材を挿入する挿入工程と、
    それぞれの前記穴に、第1の注入材と、引張強度が前記第1の注入材より高い第2の注入材と、引張強度が前記第1の注入材より高く、かつ、前記第2の注入材より低い第3の注入材と、をこの順で順次注入する注入工程と、を有し
    前記第1の注入材はモルタルであり、前記第2の注入材は熱可塑性樹脂である、
    コンクリート構造物の補強方法。
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