JP6565816B2 - 過給機の制御装置 - Google Patents

過給機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6565816B2
JP6565816B2 JP2016143541A JP2016143541A JP6565816B2 JP 6565816 B2 JP6565816 B2 JP 6565816B2 JP 2016143541 A JP2016143541 A JP 2016143541A JP 2016143541 A JP2016143541 A JP 2016143541A JP 6565816 B2 JP6565816 B2 JP 6565816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
intake air
compression
engine
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016143541A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018013093A (ja
Inventor
嘉孝 柴野
嘉孝 柴野
義久 廣澤
義久 廣澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2016143541A priority Critical patent/JP6565816B2/ja
Publication of JP2018013093A publication Critical patent/JP2018013093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6565816B2 publication Critical patent/JP6565816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Description

本発明は、過給機の制御装置に関する。
過給機を備えるエンジンにおいては、過給機のコンプレッサの内部にデポジットが付着し得ることが知られている。コンプレッサの内部にデポジットが付着すると、コンプレッサの過給効率が低下する。そのため、デポジットの付着を抑制することが望まれる。
特開2014−15876号公報(特許文献1)には、過給機を備えるエンジンにおいて、コンプレッサへのデポジットの付着を抑制する技術が開示されている。このエンジンは、過給機に加えて、吸気通路におけるコンプレッサの上流に設けられた吸気絞り弁と、吸気通路における吸気絞り弁とコンプレッサとの間の部分にオイルミストを含んだブローバイガスを流入させるPCV(Positive Crankcase Ventilation)装置と、吸気絞り弁の開度を制御する制御装置とを備える。制御装置は、コンプレッサへのデポジットの付着の程度を表す指標値を算出し、この指標値が所定値よりも大きい場合に吸気絞り弁の開度を閉じ側に調整する。吸気絞り弁が閉じ側に調整されることで、吸気通路内の負圧が増大し、吸気通路内に流入するブローバイガスの流量が増大する。これにより、オイルミストを含んだ空気がコンプレッサにより多く供給されるため、コンプレッサに付着したデポジットはオイルミストによって洗われて流動性が増し、空気によって吹き飛ばされ易くなる。その結果、コンプレッサへのデポジットの付着が抑制される。
特開2014−15876号公報
しかしながら、過給機とPCV装置とを備えるエンジンにおいて特許文献1に開示されたようにオイルミストの流量を増大すると、外気温によっては、コンプレッサへのデポジットの付着をかえって促進させてしてしまうことが懸念される。
本願の発明者等がコンプレッサの内部に付着するデポジットを解析したところ、デポジットは、特にコンプレッサのデフューザ部に多く付着し、その主な成分はブローバイガスに含まれるオイルミストの濃縮物であることが確認された。オイルミストの濃縮物とは、オイルミストの水分の蒸発が進行することによって、オイル粘性が増加したものである。
さらに、本願の発明者等は、コンプレッサのデフューザ部へのデポジットの付着は、外気温度(圧縮前の吸気温度)に対して感度があること、具体的には外気温度が高いほどデポジットが付着し易くなることを実験等によって新たに見出した。しかしながら、特許文献1には、当該特性および当該特性を考慮したデポジットの抑制手法について何ら開示されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、過給機とPCV装置(ブローバイガス還元装置)とを備えるエンジンにおいて、過給圧を過剰に制限することなく、過給機のコンプレッサの内部にデポジットが付着することを抑制することである。
(1) 本開示による制御装置は、エンジンの排気通路に設けられたタービンと、エンジンの吸気通路に設けられ、吸気通路を流れる吸気を圧縮してエンジンに供給するコンプレッサとを備える過給機の制御装置である。エンジンは、エンジンから流出するブローバイガスを吸気通路におけるコンプレッサよりも上流の部分に流入させてエンジンへ還元させるブローバイガス還元装置(PCV装置)を有する。制御装置は、コンプレッサの入口側の圧縮前吸気の温度を検出する検出部と、検出部によって検出された圧縮前吸気の温度が高いほどコンプレッサの出口側の圧縮後吸気の許容温度を低い値に設定し、圧縮後吸気の温度が許容温度以下となるように過給機による過給圧を制御する制御部とを備える。
既に述べたように、本願の発明者等は、過給機とPCV装置とを備えるエンジンにおいては、外気温度が高いほど、コンプレッサのデフューザ部にデポジットが付着し易くなることを実験等によって新たに見出した。従来、デポジット対策として圧縮後吸気の温度を許容温度未満に制限する制御が行なわれることがあった。ここで、許容温度とは、実験などによって予め設定される温度であって、デポジットの発生量を所定量以下に抑制することができる圧縮後吸気の上限温度である。ところが、従来においては、この許容温度が外気温に関わらず一定値に固定されていた。したがって、従来においては、外気温度によっては、過給圧が過剰に制限されたり、コンプレッサの内部にデポジットが付着し易くなったりするという問題が生じ得る。具体的には、仮に圧縮後吸気の許容温度が低い値に固定されてしまうと、使用温度範囲(エンジンの使用が想定される環境温度の範囲)内においてコンプレッサの内部へのデポジットの付着を抑制できるが、外気温度が低いときに圧縮後吸気の温度とほぼ比例関係にある過給圧が過剰に制限されてしまう。また、仮に圧縮後吸気の許容温度が高い値に固定されてしまうと、使用温度範囲内において過給圧の過剰な制限を回避できるが、外気温度が高いときにデポジットの付着が発生し得る。
上記の問題に鑑み、上記構成による制御部は、外気温度が高いほど、圧縮後吸気の許容温度を低い値に設定する。そのため、外気温度が低いときには、デポジットの付着を抑制可能な範囲で、圧縮後吸気の許容温度を高い値に設定して過給圧の過剰な制限を回避することができる。また、外気温度が高いときには、過給圧を過剰に制限しない範囲で、圧縮後吸気の許容温度を低い値に設定してデポジットの付着を抑制することができる。その結果、圧縮後吸気の許容温度が外気温度に関わらず一定値に固定される場合に比べて、過給圧を過剰に制限することなく、過給機のコンプレッサの内部にデポジットが付着することを抑制することができる。
(2) ある実施の形態においては、過給機は、過給圧を調整するための可変ノズル機構を備える。制御部は、エンジンの運転状態に応じて設定される目標過給圧に対応する圧縮後吸気の目標温度が許容温度よりも低い場合、目標温度に基づいて可変ノズル機構の開度を制御する。制御部は、目標温度が許容温度よりも高い場合、許容温度に対応して設定される上限過給圧に基づいて可変ノズル機構の開度を制御する。
上記構成によれば、圧縮後吸気の温度が許容温度を超えない範囲で、過給圧を目標過給圧あるいは目標過給圧に近い値にすることができる。
(3) ある実施の形態においては、許容温度は、コンプレッサのデフューザ部にブローバイガスに起因するデポジットが付着することを抑制可能な圧縮後吸気の上限温度に対応する。
上記構成によれば、圧縮後吸気の温度が許容温度を超えないようにすることによって、過給機のコンプレッサのデフューザ部にデポジット(オイルミストの濃縮物)が付着することを抑制することができる。
本発明によれば、過給機とPCV装置(ブローバイガス還元装置)とを備えるエンジンにおいて、過給圧を過剰に制限することなく、過給機のコンプレッサの内部にデポジットが付着することを抑制することができる。
エンジンのシステム構成を模式的に示す図(その1)である。 コンプレッサの内部構造およびコンプレッサ周辺の吸気経路を模式的に示す図である。 圧縮過程における吸気許容温度曲線のイメージを示す図である。 外気温TOUTと圧縮後許容温度TAmaxとの対応関係の一例を模式的に示す図である。 制御装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 制御装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 エンジンのシステム構成を模式的に示す図(その2)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
<エンジンのシステム構成>
図1は、本実施の形態による制御装置100によって制御される過給機30を備えるエンジン1のシステム構成を模式的に示す図である。このシステムは、エンジン1と、エンジン1を制御する制御装置100とを備える。
エンジン1は、たとえばディーゼルエンジンである。なお、エンジン1は、その他の形式のエンジン(たとえばガソリンエンジン等)であってもよい。エンジン1は、エンジン本体10と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、過給機30と、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置40とを備える。過給機30は、コンプレッサ31と、タービン35と、可変ノズル機構37と、連結軸38とを含む。
エンジン本体10は、複数の気筒を有し、各気筒内で燃料を燃焼させることによって動力を発生する内燃機関である。エアクリーナ20は、エンジン1の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20は、第1吸気管22の一方端に接続される。
第1吸気管22の他方端は、過給機30のコンプレッサ31の入口に接続される。コンプレッサ31の出口は、第2吸気管24の一方端に接続される。第2吸気管24の他方端は、インタークーラ26の入口に接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。インタークーラ26の出口は、第3吸気管27の一方端に接続される。第3吸気管27の他方端は、図示しない吸気マニホールドを介してエンジン本体10の各気筒に連結される。
エンジン本体10の各気筒の排気ポートは、図示しない排気マニホールドを介して第1排気管52の一方端に接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン35の入口に接続される。タービン35の出口は、第2排気管54の一方端に接続される。タービン35から排出された排気ガスは第2排気管54に排出される。
タービン35のハウジング内には、タービンホイール36および可変ノズル機構37が収納される。タービンホイール36は、第1排気管52から供給される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動される。可変ノズル機構37は、タービンホイール36の回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置される。可変ノズル機構37は、制御装置100からの制御信号によって作動してその開度を変更することで、第1排気管52からタービンホイール36に供給される排気ガスの流路幅を調整してタービンホイール36に供給される排気ガスの流速を変化させる。
コンプレッサ31のハウジング内には、コンプレッサホイール(インペラ)32が収納される。インペラ32は、連結軸38によってタービンホイール36に連結される。そのため、インペラ32は、タービンホイール36と一体的に回転駆動される。インペラ32は、タービンホイール36によって回転駆動されることによって、コンプレッサ31よりも上流側(入口側)の吸気(以下「圧縮前吸気」という)を圧縮して第2吸気管24に供給する。これにより、コンプレッサ31よりも下流側(出口側)の吸気(以下「圧縮後吸気」という)の圧力は、圧縮前吸気の圧力よりも高められる。
PCV装置40は、PCV通路(ブローバイガス配管)41と、PCVバルブ42とを含む。PCV通路41は、エンジン本体10のクランクケース内と第1吸気管22(吸気通路におけるコンプレッサ31よりも上流の部分)とを接続する。エンジン本体10のクランクケース内のオイルミストを含んだブローバイガスは、PCV通路41を通って第1吸気管22に流入する(一点鎖線矢印参照)。PCVバルブ42は、PCV通路41上に設けられ、ブローバイガスの逆流を防止する。
エンジン1には、吸気温センサ110,120,130と、過給圧センサ140とが備えられる。吸気温センサ110は、コンプレッサ31よりも上流側のエアクリーナ20を流れる吸気の温度を、外気温TOUTとして検出する。吸気温センサ120は、コンプレッサ31よりも下流側かつインタークーラ26よりも上流側の第2吸気管24を流れる吸気の温度を、圧縮後吸気温TAとして検出する。吸気温センサ130は、インタークーラ26よりも下流側の第3吸気管27を流れる吸気の温度を、インタークーラ後吸気温として検出する。過給圧センサ140は、第3吸気管27を流れる吸気の圧力を、過給圧として検出する。これらのセンサは、検出結果を制御装置100に送信する。
制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成される。制御装置100は、エンジン1の運転状態(回転速度、燃料噴射量、点火時期など)およびユーザの要求駆動力などに応じて目標過給圧を設定し、過給圧が目標過給圧となるように過給機30の可変ノズル機構37の開度をフィードバック制御する。これにより、過給圧が目標過給圧となるようにコンプレッサ31およびタービンホイール36の回転速度がフィードバック制御される。
<デポジットの付着およびその抑制>
上記のような過給機30とPCV装置40とを備えるエンジン1においては、過給機30のコンプレッサ31の内部にデポジットが付着し、過給機30の過給効率が低下し得る。本願の発明者等がコンプレッサ31の内部に付着するデポジットを解析したところ、デポジットは、コンプレッサ31のデフューザ部33(後述の図2参照)に特に多く付着し、その主な成分はブローバイガス中に含まれるオイルミストの濃縮物であることが確認された。オイルミストの濃縮物とは、オイルミストの水分の蒸発が進行することによって、オイル粘性が増加したものである。
さらに、本願の発明者等は、デフューザ部33へのデポジットの付着は、外気温TOUT(圧縮前の吸気温度)に対して感度があること、具体的には外気温TOUTが高いほどデポジットが付着し易くなることを実験等によって新たに見出した。この現象の要因としては、外気温TOUTが高いほど、吸気口から取り込まれた圧縮前の吸気によってブローバイガス中のオイルミストが多くの熱量を受けているために、デフューザ部33でのオイルミストの濃縮化が促進され易いことが考えられる。また、他の要因としては、外気温TOUTが高いほど、吸気中のオイルミストのミキシング性が良く粒径が小さくなることによって、デフューザ部33でのオイルミストの濃縮化がより促進されることが考えられる。
図2は、コンプレッサ31の内部構造およびコンプレッサ31周辺の吸気経路を模式的に示す図である。コンプレッサ31のハウジング内には、インペラ32に加えて、デフューザ部33と、スクロール部34とが設けられる。
インペラ32が回転駆動されると、第1吸気管22内の吸気はPCV通路41から還元されるブローバイガスと合流した後、インペラ32に吸入されて圧縮および増速される。インペラ32で圧縮および増速された吸気はデフューザ部33に供給されてデフューザ部33で減速および昇圧された後、スクロール部34に供給される。スクロール部34に供給された吸気は、第2吸気管24を通ってインタークーラ26へ供給される。
以下では、説明の便宜上、第1吸気管22におけるPCV通路41との接続箇所よりも上流の部分を「第1通過経路P1」、第1吸気管22におけるPCV通路41との接続箇所よりも下流の部分を「第2通過経路P2」、インペラ32周辺を「第3通過経路P3」、デフューザ部33の入口33a付近を「第4通過経路P4」、デフューザ部33の中間付近を「第5通過経路P5」、デフューザ部33の出口33b付近を「第6通過経路P6」、スクロール部34を「第7通過経路P7」、スクロール部34からインタークーラ26までの経路を「第8通過経路P8」とも記載する。
吸入口から吸入通路に流入した吸気は各通過経路P1〜P8を順に通って圧縮されていく。この圧縮過程で吸気温度が上昇していくことによって、吸気中に含まれるオイルミストの濃縮化が進行していくと考えられる。そして、圧縮過程でオイルミストが受ける総熱量(以下「オイルミスト総受熱量」という)がある許容量を超えると、濃縮化されたオイルミストがデフューザ部33に付着してデポジットとなることが実験等によって新たに見出された。
図3は、圧縮過程における吸気許容温度曲線のイメージを示す図である。吸気許容温度曲線とは、デフューザ部33へのデポジットの付着を抑制可能な各通過経路P1〜P8の吸気温度の上限値を繋ぎ合わせた曲線である。
図3において、横軸は圧縮過程の各通過経路P1〜P8(図2参照)を表わし、縦軸は吸気温度を表わす。図3において、破線で示す曲線L1は外気温TOUT(第1通過経路P1の吸気温度)が低い温度Tlowであるときの吸気許容温度曲線を示し、実線で示す曲線L2は外気温TOUTが高い温度Thiであるときの吸気許容温度曲線を示す。
吸気許容温度曲線L1より低温側の領域(斜線を付した領域)の面積Slowが、外気温TOUTが低い温度Tlowである場合におけるオイルミスト総受熱量の許容量に相当する。吸気許容温度曲線L2より低温側の領域(ドットを付した領域)の面積Shiが、外気温TOUTが高い温度Thiである場合におけるオイルミスト総受熱量の許容量に相当する。オイルミスト総受熱量の許容量そのものは、外気温度TOUTの影響を大きくは受けないため、面積Slowと面積Shiとは概ね同じ面積である。なお、図3に示すように実際には面積Shiが面積Slowよりも僅かに小さいが、これは、外気温TOUTが高いほど、オイルミストのミキシング性が良くオイルミストの濃縮化が促進され易いために、外気温TOUTが高いほど、オイルミスト総受熱量の許容量が僅かに低下していると考えられる。
外気温TOUTが低い温度Tlowである場合の吸気許容温度曲線L1は、図3に示すように、圧縮過程が進むにつれて増加し、通過経路P8で所定値TAmax_Tlowに達している。これは、外気温TOUTが低い温度Tlowである場合には、通過経路P8の吸気温度すなわち圧縮後吸気温TAを所定値TAmax_Tlow未満にすれば、デポジットの付着を抑制可能であることを意味する。
外気温TOUTが高い温度Thiである場合の吸気許容温度曲線L2も、図3に示すように、圧縮過程が進むにつれて増加する。しかしながら、外気温TOUTが高い場合は、吸気口から取り込まれた圧縮前の吸気によってブローバイガス中のオイルミストが多くの熱量を受けている影響により、吸気許容温度曲線L2は、通過経路P4以前の経路で吸気許容温度曲線L1よりも高くなり、その分、通過経路P5以降の経路で吸気許容温度曲線L1よりも低くなってしまう。その結果、通過経路P8における吸気許容温度曲線L2の値TAmax_Thiは、所定値TAmax_Tlowよりも低くなってしまう。すなわち、外気温TOUTが高い温度Thiである場合にデポジットの付着を抑制するためには、圧縮後吸気温TAを所定値TAmax_Tlowよりも低い値TAmax_Thi未満にする必要がある。これは、外気温TOUTが高いほど、デポジットが付着し易くなることを意味する。
このように、デフューザ部33へのデポジットの付着は、外気温TOUTに対して感度がある。すなわち外気温TOUTが高いほどデポジットが付着し易くなる。この点に鑑み、本実施の形態による制御装置100は、外気温TOUTが高いほど、圧縮後吸気温TAの許容温度(以下、単に「圧縮後許容温度TAmax」ともいう)を低い値に設定する。
図4は、外気温TOUTと圧縮後許容温度TAmaxとの対応関係の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、本実施の形態においては、外気温TOUTが高いほど、圧縮後許容温度TAmaxが低い値に設定される。そのため、外気温TOUTが低いときには、デポジットの付着を抑制可能な範囲で圧縮後許容温度TAmaxを高い値に設定することで、圧縮後吸気温TAとほぼ比例関係にある過給圧の過剰な制限を回避することができる。また、外気温TOUTが高いときには、過給圧を過剰に制限しない範囲で圧縮後許容温度TAmaxを低い値に設定することで、デポジットの付着を抑制することができる。その結果、圧縮後許容温度TAmaxが外気温度に関わらず一定値に固定される場合に比べて、過給圧を過剰に制限することなく、デフューザ部33にデポジットが付着することを抑制することができる。
すなわち、仮に圧縮後許容温度TAmaxが、たとえば、使用温度範囲(エンジン1の使用が想定される環境温度の範囲)内における最も高い温度T1に対応する値TAmax1に固定されてしまう(一点鎖線参照)と、使用温度範囲内の全体に亘ってデポジットの付着を抑制することができるが、外気温TOUTが低いときには過給圧が過剰に制限されてしまうことになる。これに対し、本実施の形態においては、外気温TOUTが低いときには、デポジットの付着を抑制可能な範囲で、圧縮後許容温度TAmaxを高い値に設定して過給圧の過剰な制限を回避することで、エンジン1の出力アップを図ることができる。
また、仮に圧縮後許容温度TAmaxが、たとえば、使用温度範囲内における最も低い温度T2に対応する値TAmax2に固定されてしまう(二点鎖線参照)と、使用温度範囲内の全体に亘って過給圧の過剰な制限を回避できるが、外気温度が高いときにはコンプレッサ31へのデポジットの付着が発生し易くなる。これに対し、本実施の形態においては、外気温TOUTが高いときには、過給圧を過剰に制限しない範囲で、圧縮後許容温度TAmaxを低い値に設定してコンプレッサ31へのデポジットの付着を抑制することができる。
図5は、制御装置100がデフューザ部33へのデポジットの付着を抑制する際に行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、所定周期で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、制御装置100は、吸気温センサ110から外気温TOUTを取得する。
S11にて、制御装置100は、外気温TOUTに応じて圧縮後許容温度TAmaxを算出する。たとえば、制御装置100は、外気温TOUTと圧縮後許容温度TAmaxとの対応関係(図4参照)を規定するマップを予めメモリに記憶しておき、このマップを参照して、現在の外気温TOUTに対応する圧縮後許容温度TAmaxを算出する。
S12にて、制御装置100は、目標過給圧に対応する圧縮後目標吸気温TAtagを算出する。たとえば、制御装置100は、目標過給圧と圧縮後目標吸気温TAtagとの対応関係を規定するマップ(図示せず)を予めメモリに記憶しておき、このマップを参照して、現在の目標過給圧に対応する圧縮後目標吸気温TAtagを算出する。なお、目標過給圧は、上述したように、エンジン1の運転状態(回転速度、燃料噴射量、点火時期など)に応じて設定される値である。
S13にて、制御装置100は、圧縮後目標吸気温TAtagが圧縮後許容温度TAmaxよりも高いか否かを判定する。
圧縮後目標吸気温TAtagが圧縮後許容温度TAmaxよりも高い場合(S13にてYES)、仮に過給圧を目標過給圧にするとデポジットの付着が生じ得る(オイルミスト総受熱量が許容量を超える)ため、これを防止すべく、制御装置100は、S14にて、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxとなるように可変ノズル機構37の開度を制御する。具体的には、制御装置100は、圧縮後許容温度TAmaxに対応する過給圧を上限過給圧として算出し、過給圧が上限過給圧(目標過給圧よりも低い値)となるように可変ノズル機構37の開度を制御する。これにより、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxを超えない範囲(デポジットの付着が生じない範囲)で、可能な限り過給圧を目標過給圧に近い値にすることができる。
圧縮後目標吸気温TAtagが圧縮後許容温度TAmaxよりも低い場合(S13にてNO)、過給圧を目標過給圧にしてもデポジットの付着が生じない(オイルミスト総受熱量が許容量を超えない)ため、制御装置100は、S15にて、過給圧が目標過給圧となるように可変ノズル機構37の開度を制御する。これにより、デポジットの付着を抑制しつつ、過給圧を目標過給圧にすることができる。
以上のように、本実施の形態による制御装置100は、外気温TOUTが高いほどコンプレッサ31のデフューザ部33にデポジット(オイルミストの濃縮物)が付着し易くなることに鑑み、外気温TOUTが高いほど圧縮後許容温度TAmaxを低い値に設定する。そのため、圧縮後許容温度TAmaxが外気温TOUTに関わらず一定値に固定される場合に比べて、過給圧を過剰に制限することなく、コンプレッサ31のデフューザ部33にデポジットが付着することを抑制することができる。
<変形例1>
上述の実施の形態においては、目標過給圧に対応する圧縮後目標吸気温TAtagを圧縮後許容温度TAmaxと比較し、圧縮後目標吸気温TAtagが圧縮後許容温度TAmaxよりも高い場合に、圧縮後吸気温TAが圧縮後目標吸気温TAtagではなく圧縮後許容温度TAmaxとなるように、過給圧を目標過給圧よりも低い上限過給圧に制限した。
これに対し、本変形例1では、吸気温センサ120によって検出される圧縮後吸気温TAを直接的に圧縮後許容温度TAmaxと比較し、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも高い場合に、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxに低下するように過給圧を低下させる。
図6は、本変形例1による制御装置100がデフューザ部33へのデポジットの付着を抑制する際に行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示したステップのうち、上述の図5に示したステップと同じ番号を付しているステップについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
S11にて圧縮後許容温度TAmaxが算出された後、制御装置100は、S20にて、吸気温センサ120から圧縮後吸気温TAを取得する。
S21にて、制御装置100は、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも高いか否かを判定する。圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも低い場合(S21にてNO)、制御装置100は、そのまま処理を終了する。
圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも高い場合(S21にてYES)、制御装置100は、S22にて、過給圧が現在の値よりも所定量低下するように可変ノズル機構37の開度を制御する。なお、S22の処理は、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも低くなるまで、繰り返し実行される。
以上のように、本変形例1による制御装置100は、吸気温センサ120によって検出される圧縮後吸気温TAを直接的に圧縮後許容温度TAmaxと比較し、圧縮後吸気温TAが圧縮後許容温度TAmaxよりも高い場合に過給圧を低下させる。このようにしても、上述の実施の形態と同様、過給圧を過剰に制限することなく、コンプレッサ31のデフューザ部33にデポジットが付着することを抑制することができる。
<変形例2>
上述の実施の形態1においては、吸気温センサ120による圧縮後吸気温TAの検出値を圧縮後許容温度TAmaxと比較した(図6のS20、S21参照)。
しかしながら、エンジン1の運転状態(回転速度、燃料噴射量など)、過給圧センサ140によって検出される過給圧、吸気温センサ110によって検出される外気温TOUT、吸気温センサ130によって検出されるインタークーラ後吸気温度から、圧縮後吸気温TAを推定し、推定された圧縮後吸気温TAを圧縮後許容温度TAmaxと比較するようにしてもよい。このようにすると、圧縮後吸気温TAを検出する吸気温センサ120を省略することが可能になる。
図7は、本変形例2によるエンジン1Aのシステム構成を模式的に示す図である。このエンジン1Aは、上述の図1に示すエンジン1に対して、吸気温センサ120を省略したものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A エンジン、10 エンジン本体、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、26 インタークーラ、27 第3吸気管、30 過給機、31 コンプレッサ、32 インペラ、33 デフューザ部、34 スクロール部、35 タービン、36 タービンホイール、37 可変ノズル機構、38 連結軸、40 PCV装置(ブローバイガス還元装置)、41 PCV通路、42 PCVバルブ、52 第1排気管、54 第2排気管、100 制御装置、110,120,130 吸気温センサ、140 過給圧センサ。

Claims (3)

  1. エンジンの排気通路に設けられたタービンと、前記エンジンの吸気通路に設けられ、前記吸気通路を流れる吸気を圧縮して前記エンジンに供給するコンプレッサとを備える過給機の制御装置であって、
    前記エンジンは、前記エンジンから流出するブローバイガスを前記吸気通路における前記コンプレッサよりも上流の部分に流入させて前記エンジンへ還元させるブローバイガス還元装置を有し、
    前記制御装置は、
    前記コンプレッサの入口側の圧縮前吸気の温度を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出された前記圧縮前吸気の温度が高いほど前記コンプレッサの出口側の圧縮後吸気の許容温度を低い値に設定し、前記圧縮後吸気の温度が前記許容温度以下となるように前記過給機による過給圧を制御する制御部とを備える、過給機の制御装置。
  2. 前記過給機は、前記過給圧を調整するための可変ノズル機構を備え、
    前記制御部は、
    前記エンジンの運転状態に応じて設定される目標過給圧に対応する前記圧縮後吸気の目標温度が前記許容温度よりも低い場合、前記目標温度に基づいて前記可変ノズル機構の開度を制御し、
    前記目標温度が前記許容温度よりも高い場合、前記許容温度に対応して設定される上限過給圧に基づいて前記可変ノズル機構の開度を制御する、請求項1に記載の過給機の制御装置。
  3. 前記許容温度は、前記コンプレッサのデフューザ部に前記ブローバイガスに起因するデポジットが付着することを抑制可能な前記圧縮後吸気の上限温度に対応する、請求項1または2に記載の過給機の制御装置。
JP2016143541A 2016-07-21 2016-07-21 過給機の制御装置 Active JP6565816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016143541A JP6565816B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 過給機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016143541A JP6565816B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 過給機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018013093A JP2018013093A (ja) 2018-01-25
JP6565816B2 true JP6565816B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=61021143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016143541A Active JP6565816B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 過給機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6565816B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7127312B2 (ja) * 2018-03-19 2022-08-30 いすゞ自動車株式会社 ブローバイガス還流装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018013093A (ja) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101592070B (zh) 涡轮增压发动机的瞬态压缩机喘振响应
KR101490959B1 (ko) 터보 차저 제어 방법
JP2005248860A (ja) 電動機付過給機の制御装置
JP2008546946A (ja) 過給ディーゼルエンジン
EP1464808A1 (en) Control apparatus and control method for internal combustion engine
US9494076B2 (en) Engine system
JP5825434B2 (ja) 内燃機関の排気再循環装置
JP2008045411A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP2010265854A (ja) ターボ式過給機付き内燃機関およびその制御方法
US9765712B2 (en) System and method for turbocharger compressor surge control
JP5768404B2 (ja) 過給機付き内燃機関及びその制御方法
JP6540815B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法
JP2010024878A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2019171671A1 (ja) エンジンシステム
JP6565816B2 (ja) 過給機の制御装置
JP6565109B2 (ja) 内燃機関の制御方法及び制御装置
JP2010138787A (ja) 内燃機関のegr装置
JP6642321B2 (ja) エンジン
JP2019015185A (ja) 内燃機関の制御装置
KR102588946B1 (ko) 차량의 서지 발생 방지방법
JP2012154292A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP4742970B2 (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP5964260B2 (ja) エンジンの排ガスエネルギー回収装置
JP2008223613A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP2015190412A (ja) ターボ過給機付エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6565816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151