JP6565735B2 - パワーモジュール用基板及びパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

パワーモジュール用基板及びパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板及びパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法に関する。
パワーモジュールには、絶縁基板である窒化アルミニウムを始めとするセラミックス基板の一方の面に回路層を形成する金属板が接合されたパワーモジュール用基板が用いられる。なお、この種のパワーモジュール用基板としては、セラミックス基板の他方の面にも、熱伝導性に優れた金属板を接合することで金属層を設け、その金属層を介して放熱板(ヒートシンク)を接合することも行われる。そして、パワーモジュール用基板の回路層の上面に、パワー素子等の半導体素子がはんだ材を介して搭載されることにより、パワーモジュールが製造される。
このようなパワーモジュールでは、半導体素子の高出力化、高密度化に伴う小型化が進められており、高集積化の要望が高まっている。これに伴い、従来のパワーモジュールでは、半導体素子の上部電極とパッケージとの間はアルミニウムワイヤによる配線がなされていたが、アルミニウムワイヤを設置できる物理的な本数の限界もあることから、大面積の銅又は銅合金製のリードフレームを超音波接合等により直接半導体素子に接合することが行われている。このように大面積のリードフレームを用いることで、半導体素子表面の温度を均一化できるとともに、配線スペースの簡略化や配線抵抗を低減でき、より高性能のパワーモジュールが得られることが期待されている。
特開2015‐216370号公報
ところで、リードフレームを用いたパワーモジュールでは、半導体素子の上部電極だけでなく、回路層上への接合信頼性を確保することが重要とされる。ところが、回路層には、セラミックス基板への応力軽減と放熱性能を向上する観点から高純度(剛性の比較的低い)のアルミニウムが用いられており、リードフレームを回路層上に超音波接合する際に、回路層との接合部に変形(歪み)が生じたり、回路層の変形に起因してセラミックス基板にクラックが生じたりするおそれがある。この場合、パワーモジュール用基板の接合信頼性や放熱性能が損なわれることやセラミックス基板の破壊が課題となっている。
この点、特許文献1には、回路層を第1層と第2層との積層構造として、回路層の上面に剛性の高いアルミニウム板からなる第2層を配置したパワーモジュール用基板が開示されている。この特許文献1に記載のパワーモジュール用基板のように、回路層の上面に剛性の高い第2層を設けることで、リードフレームを超音波接合する際に生じる回路層の変形を低減できると考えられる。しかし、回路層の上面全体を剛性の高い、すなわち純度の低いアルミニウム板により構成した場合には熱抵抗が大きくなり、放熱性能が損なわれるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、接合信頼性と放熱性能とを良好に維持でき、高集積化されたパワーモジュール用基板及びパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のパワーモジュール用基板は、窒化物系セラミックス、もしくは酸化物系セラミックスからなる厚さ0.2mm以上1.5mm以下のセラミックス基板の一方の面に回路層が接合されるとともに、前記回路層の上面に銅又は銅合金からなるリードフレームが直接接合されており、前記回路層が、前記セラミックス基板に接合される第1層と、該第1層の前記セラミックス基板とは反対側の面に部分的に設けられて前記リードフレームが接合される第2層とにより構成され、前記第1層は、純度99.90質量%以上のアルミニウム材からなり、前記第2層は、ビッカース硬度が19以上のアルミニウム材からなる。
なお、本発明におけるビッカース硬度は25℃における値である。
回路層の上面のリードフレームとの接合部分に、ビッカース硬度が19以上の剛性の高いアルミニウム材からなる第2層を部分的に設けることで、リードフレームと回路層との超音波接合時に、セラミックス基板にクラック等が生じることを防止できるとともに、リードフレームと回路層とを強固に接合でき、接合信頼性を良好に維持できる。また、回路層の上面の半導体素子との実装部分は、熱抵抗が低く比較的剛性の低い高純度のアルミニウム材からなる第1層により設けられているので、半導体素子の熱を円滑に放熱でき、良好な放熱性能を維持できるとともに、セラミックス基板への応力が低減し、セラミックス基板の破壊を防止することができる。
本発明のパワーモジュールは、前記パワーモジュール用基板と、前記第1層に実装された半導体素子とを備える。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、窒化物系セラミックス、もしくは酸化物系セラミックスからなる厚さ0.2mm以上1.5mm以下のセラミックス基板の一方の面に純度99.90質量%以上のアルミニウム材を接合して第1層を形成するとともに、前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウム材を接合して金属層を形成することにより、第1積層基板を形成する第1接合工程と、前記第1層の前記セラミックス基板とは反対側の面に部分的にビッカース硬度が19以上のアルミニウム材をろう付けして第2層を形成するとともに、前記金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面にアルミニウム材をろう付けして放熱板を形成することにより、第2積層基板を形成する第2接合工程と、前記第2積層基板の前記第2層に銅又は銅合金からなるリードフレームを超音波接合により直接接合する第3接合工程とを有する。
この方法によれば、放熱板と回路層を構成する第2層とを第1積層基板に一度に接合することができ、第2層を設けることによって接合工程が増加することがない。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法の前記第2接合工程において、前記第2層となるアルミニウム材の前記第1層との接合面にろう材層が積層されたクラッド材を用いるとよい。
第2層は、回路層の第1層の上面に部分的に積層されるが、予めろう材層が積層されたクラッド材を用いることで、ろう材(ここではろう材層)の取り回しが容易となり、第2接合工程を容易に進めることができる。また、第1層と第2層となるアルミニウム材との間に、ろう材を確実に介在させてろう付けを行うことができ、第1層と第2層とを強固に接合できる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、少なくとも前記第2接合工程前に、前記第1層の上面に凹部を形成しておき、前記第2接合工程において、前記凹部内に前記第2層を収容した状態とすることにより、前記凹部の周囲の前記第1層の上面と前記第2層の上面とを面一に設けるとよい。
第1層に凹部を設けておき、凹部内に第2層を収容した状態で設けているので、第1層と第2層との位置決めを容易に行うことができる。また、凹部の周囲の第1層の上面と第2層の上面とを面一に設けることにより、第2接合工程において、第2層と放熱板とを第1積層基板に接合する際に、回路層の上面全体を積層方向に押圧できるので、第2層と放熱板とを第1積層基板に強固に接合でき、パワーモジュール用基板の接合信頼性を良好に維持できる。
本発明によれば、パワーモジュール用基板の接合信頼性と放熱性能とを良好に維持でき、セラミックス基板の破壊を防止したパワーモジュール用基板を提供することができ、リードフレームを用いて回路の高集積化を図ることができる。
本発明の第1実施形態のパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの断面図である。 第1実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態のパワーモジュール用基板の断面図である。 第2実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法を説明する断面図である。 本発明の第3実施形態のパワーモジュール用基板の断面図である。 本発明の第4実施形態のパワーモジュール用基板の断面図である。 比較例1のパワーモジュール用基板の断面図である。 比較例2のパワーモジュール用基板の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す第1実施形態のパワーモジュール100は、パワーモジュール用基板101と、パワーモジュール用基板101の回路層12に実装された半導体チップ等の半導体素子61とを備えたものである。
また、パワーモジュール用基板101は、セラミックス基板11と、セラミックス基板11の一方の面に接合された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面に接合された金属層13と、回路層12のセラミックス基板11とは反対側の上面に接合されたリードフレーム51と、金属層13のセラミックス基板11とは反対側の面に接合された放熱板41とを備えている。
セラミックス基板11は、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスを用いることができる。また、セラミックス基板11の厚さは0.2mm以上1.5mm以下とされる。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に接合される第1層21と、この第1層21のセラミックス基板11とは反対側の面に部分的に接合される第2層22との積層構造とされている。第2層22は、リードフレーム51の接合部に設けられており、半導体素子61の実装領域には、第1層21が露出して設けられる。
第1層21は、純度99.90質量%以上のアルミニウム材からなり、例えばJIS規格では純度99.99質量%以上の純アルミニウム板(いわゆる4Nアルミニウム)や、純度99.90質量%以上の純アルミニウム板(いわゆる3Nアルミニウム:例えば1N99)をセラミックス基板11に接合することにより形成される。また、第2層22は、ビッカース硬度が19以上のアルミニウム材からなり、例えばA1050、A3003、A6063、A5052等のアルミニウム合金板を第1層21に接合することにより形成される。第1層21の厚さは0.1mm以上2.5mm以下、第2層22の厚さは0.1mm以上3.0mm以下とされる。
金属層13は、アルミニウム又はアルミニウム合金、若しくは銅又は銅合金からなる金属材からなり、これらの金属材からなる金属板をセラミックス基板11の他方の面(回路層12とは反対側の面)に接合することにより形成される。金属層13の厚さは0.1mm以上2.5mm以下とされる。本実施形態では、金属層13は、回路層12の第1層21と同様に、純度99.90質量%以上の純アルミニウム板により設けられる。
放熱板41は、熱伝導性が良好な材料で構成されるが、具体的には純度99.00質量%以上の純アルミニウム板(2Nアルミニウム)、A3003、A6063、A5052等のアルミニウム合金板、AlSiCやMgSiC等の低熱膨張材を用いることができる。なお、放熱板41の形状としては、平板状のもの、熱間鍛造等によって多数のピン状フィンを一体に形成したもの、押出成形によって相互に平行な帯状フィンを一体に形成したもの等、適宜の形状のものを採用でき、内部に冷媒が流通する冷却器の部品として他の部品にねじ止め等によって組み込まれて使用される。本実施形態では、放熱板41は図1に示すように平板状に設けられ、A6063アルミニウム合金より形成される。
リードフレーム51は、銅又は銅合金からなり、本実施形態では無酸素銅(OFC)により形成され、アルミニウム材により設けられた回路層12の第2層22に、超音波接合により接合されている。
なお、半導体素子61は半導体を備えた電子部品であり、回路層12の第1層21の上面に、例えばSn‐Cu系等のはんだ材によりはんだ付けされ、パワーモジュール100が製造される。
次に、このように構成されたパワーモジュール用基板101を製造する方法について説明する。このパワーモジュール用基板101は、セラミックス基板11に回路層12の第1層21と金属層13とを接合して第1積層基板15を形成(第1接合工程)した後、第1層21に第2層22、金属層13に放熱板41をそれぞれ接合して第2積層基板16を形成(第2接合工程)し、最後に第2層22にリードフレーム51を接合(第3接合工程)することにより製造される。以下、パワーモジュール用基板101の製造方法を、この工程順に説明する。
(第1接合工程)
図2(a)に示すようにセラミックス基板11の一方の面に回路層12のうちの第1層21となる第1層アルミニウム板21Sをろう材31を介して積層し、他方の面に金属層13となる金属層アルミニウム板13Sをろう材31を介して積層する。ろう材31は、Al‐Si系合金等のろう材を箔の形態で用いるとよい。そして、これらの積層体を積層方向に加圧した状態で加熱することにより、セラミック基板11の一方の面に第1層21を形成するとともに、セラミックス基板11の他方の面に金属層13を形成して、図2(b)に示すように、セラミックス基板11と第1層21と金属層13とが一体に接合された第1積層基板15を形成する。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.5MPa、加熱温度としては例えば640℃とされる。
(第2接合工程)
次に、第1接合工程により得られた第1積層基板15の第1層21のセラミックス基板11とは反対側の面に、図2(b)に示すように、ろう材(ろう材層32)を介して第2層22となる第2層アルミニウム板22Sを積層するとともに、金属層13のセラミックス基板11とは反対側の面にろう材35を介して放熱板アルミニウム板41Sを積層する。この際、予め、第2層22となる第2層アルミニウム板22Sの第1層21との接合面にろう材層32が積層されたクラッド材25を用意しておき、このクラッド材25を用いることで、第1層21の上面に部分的に第2層22を接合する際にも、ろう材の取り回しを容易に進めることができる。
クラッド材25を構成するろう材層32のろう材は、Al‐Si‐Mg系合金の箔とされる。また、金属層13と放熱板41との間を接合するろう材35は、接合芯材33の両面にろう材層34を形成した両面ろうクラッド材とされる。ろう材35は、接合芯材33が厚さ0.05mm以上0.6mm以下のA3003アルミニウム合金とされ、両面のろう材層34がAl‐Si‐Mg系合金とされる。
そして、これらの積層体を積層方向に加圧した状態で加熱することによりろう付けして、第1層21の上面に部分的に第2層22を形成するとともに、金属層13に放熱板41を形成して、図2(c)に示すように、第1層21と第2層22、金属層13と放熱板41とが一体に接合された第2積層基板16を形成する。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.05〜0.5MPa、加熱温度としては例えば580〜620℃とされる。
(第3接合工程)
図2(d)に示すように、第2接合工程により得られた第2積層基板16の第2層22に、リードフレーム51を超音波接合により接合して、パワーモジュール用基板101を製造する。
そして、このようにして製造されたパワーモジュール用基板101に、図1に示すように、回路層12の第1層21の上面に半導体素子61がはんだ付けによって接合され、パワーモジュール100が製造される。
このようにして製造されるパワーモジュール用基板101では、回路層12の上面に露出するリードフレーム51との接合部分に、ビッカース硬度が19以上の剛性の高いアルミニウム材からなる第2層22を部分的に設けることで、リードフレーム51と回路層12との超音波接合時に、セラミックス基板11にクラック等が生じることが防止できるとともに、リードフレーム51と回路層12とを強固に接合でき、接合信頼性を良好に維持できる。また、回路層12の上面の半導体素子61との実装部分は、熱抵抗が低く比較的剛性の低い高純度のアルミニウム材からなる第1層21により設けられているので、半導体素子61の熱を円滑に放熱でき、良好な放熱性能を維持できるとともに、セラミックス基板11への応力が低減し、セラミックス基板11の破壊を防止することができる。
また、本実施形態のパワーモジュール用基板101の製造方法によれば、放熱板41と回路層12を構成する第2層22とを第1積層基板15に一度に接合することができ(第2接合工程)、第2層22を設けることによって接合工程が増加することがない。また、第2接合工程において第1層21の上面に部分的に設けられる第2層22を接合するにあたって、予めろう材層32が積層されたクラッド材25を用いることで、ろう材(ろう材層32)の取り回しが容易となり、第2接合工程を容易に進めることができる。また、第1層21と第2層22との間に、ろう材を確実に介在させてろう付けを行うことができ、第1層21と第2層22とを強固に接合できる。
また、第1実施形態のパワーモジュール用基板101では、第1層21の上面から突出するようにして第2層22を設けていたが、図3に示す第2実施形態のパワーモジュール用基板102のように、第1層21の上面に凹部23を形成しておき、第1層21の凹部23内に第2層22を収容した状態とすることにより、凹部23の周囲の第1層21の上面と第2層22の上面とを面一に設けることもできる。この第2実施形態において、図1及び図2に示す第1実施形態と共通要素には同一符号を付している。以下の各実施形態においても同様である。
この第2実施形態のパワーモジュール用基板102は、第1実施形態と同様に、セラミックス基板11に回路層12の第1層21と金属層13とを接合して第1積層基板15を形成(第1接合工程)した後、第1層21に第2層22、金属層13に放熱板41をそれぞれ接合して第2積層基板16を形成(第2接合工程)し、最後に第2層22にリードフレーム51を接合(第3接合工程)することにより製造されるが、図4(a)に示すように、少なくとも第2接合工程前に、第1層21の上面に凹部23を形成しておき、図4(b)に示すように、第2接合工程において、凹部23内に第2層22を収容した状態とすることにより、凹部23の周囲の第1層21の上面と第2層22の上面とを面一に設ける。
第1層21の凹部23は、例えばエッチング処理により形成できる。具体的には、第1接合工程後に、第1積層基板15の第1層21の上面に、凹部23を形成する部分を残してエッチングレジストインキを塗布し、紫外線を照射してエッチングレジストを形成することにより、パターニングを行う。なお、ドライフィルムレジストを貼り付けることにより、パターニングを行うこともできる。そして、塩化第二銅や塩化第二鉄等の水溶液を用いてエッチング処理を行い、凹部23を形成する。エッチングレジストは、凹部23の形成後に水酸化ナトリウムで剥離する。
なお、凹部23は、次のような方法により形成することもできる。
第1接合工程前に、第1層アルミニウム板21Sにプレス加工等によって凹部23を形成し、凹部23が形成された第1層アルミニウム板21Sの凹部23が形成された面側とは反対側の面にセラミックス基板11を接合することで、第1積層基板15に凹部23を形成することができる。
そして、このようにして第1積層基板15に凹部23を形成した後、第2接合工程において、図4(b)に示すように、凹部23の底面に第2層22となる第2層アルミニウム板22Sをろう材(ろう材層32)を介して積層するとともに、金属層13にろう材35を介して放熱板アルミニウム板41Sを積層する。この際、凹部23の深さとクラッド材25の厚みとを同程度に設けることで、複雑な治具を用いることなく、回路層12の上面全体を積層方向に均一に押圧できる。
このように構成される第2実施形態のパワーモジュール用基板102の製造方法では、第1層21に凹部23を設けて、その凹部23内に第2層22を収容した状態で設けているので、第1層21と第2層22との位置決めを容易に行うことができる。また、凹部23の周囲の第1層21の上面と第2層22の上面とを面一に設けることにより、第2接合工程において、第2層22と放熱板41とを第1積層基板15に接合する際に、回路層12の上面全体を積層方向に確実に押圧できるので、第2層22と放熱板41とを第1積層基板15に強固に接合でき、パワーモジュール用基板102の接合信頼性を良好に維持できる。
なお、パワーモジュール用基板102の接合信頼性と放熱性能とを良好に維持する観点では、少なくとも第1層21の凹部23の底面と第2層22の下面とが接合されていればよく、凹部23の側面と第2層22の側面との間に隙間が設けられていてもよい。
また、第2実施形態のパワーモジュール用基板102では、第1層21の上面と第2層22の上面とを面一に設けていたが、図5に示す第3実施形態のパワーモジュール用基板103のように、第1層21の上面よりも第2層22の上面を低く設けてもよい。また、図6に示す第4実施形態のパワーモジュール用基板104のように、第1層21の上面よりも第2層22の上面を突出させて高く設けてもよい。
次に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板と、厚さ0.6mmの4N‐Alからなる第1層及び厚さ1.6mmの4N‐Alからなる金属層と、厚さ0.4mmの表1記載のアルミニウム合金からなる第2層と、厚さ5mmのA6063アルミニウム合金からなる放熱板と、純銅からなる厚さ1mmのリードフレームとを用意し、発明例1〜8と比較例1〜3のパワーモジュール用基板を作製した。なお、各部材の平面サイズは、セラミックス基板が40mm×40mm、回路層及び金属層が37mm×37mm、第2層が10mm×10mm、放熱板が50mm×60mmとした。
発明例1〜8は、第1実施形態から第4実施形態で述べたパワーモジュール用基板であり、表1の実施形態は、各パワーモジュール用基板がその実施形態に該当するかを示している。
また、比較例1は、図7に示すように第2層が形成されていないパワーモジュール用基板である。比較例2は、図8に示すように第2層22を第1層21の上面全体、すなわち37mm×37mmのサイズで設けたパワーモジュール用基板である。比較例3は、回路層を積層構造とせず、A3003アルミニウム合金からなる第1層21をセラミックス基板に接合したパワーモジュール用基板である。なお、比較例1,3では、第2層が形成されていないので、第1層21の一部にリードフレーム51を接合した。
そして、得られた各パワーモジュール用基板に対して、「回路層とリードフレームとの接合強度」、「熱抵抗」、「接合信頼性」を評価した。
(回路層とリードフレームとの接合強度)
プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製、デジタルプッシュプルゲージRXシリーズ)を用い、リードフレームが回路層から剥離するまでの最大強度を測定した。測定は15回行い、その平均値を接合強度とした。そして、比較例1の接合強度を基準とし、接合強度が比較例1の1.2倍以上の場合を「◎」、1.0倍以上1.2倍未満の場合を「○」、1.0倍未満を「×」と評価した。
(熱抵抗)
各パワーモジュール用基板の回路層の上面に半導体素子を実装し、熱抵抗を熱抵抗評価装置(メンターグラフィックス社製、過渡熱測定装置)にて確認した。熱抵抗の評価は3回行い、その平均値を熱抵抗とした。比較例1の熱抵抗を基準とし、熱抵抗が比較例1の1.2倍未満の場合を「◎」、1.2倍以上の場合を「×」と評価した。
(接合信頼性)
液槽式して低温側−40℃×5分、高温側150℃×5分の冷熱サイクル試験を実施した。2000サイクル後のセラミックス基板の破壊の有無を超音波探傷装置(Insight社製、超音波探傷装置)で調査した。それぞれ6個のパワーモジュール用基板に対し試験を実施し、破壊確率が0%の場合を「◎」、0%より大きく50%未満の場合を「○」、50%以上の場合を「×」と評価した。
表1に結果を示す。
表1からわかるように、リードフレーム接合部(第2層)にビッカース硬度が19以上のアルミニウム合金を用いた発明例1〜8では、接合強度が比較例1に比べ高くなることがわかった。
また、第2層を形成しなかった比較例1では、回路層とリードフレームとの接合強度が低かった。第2層を第1層の全面に設けた比較例2では、半導体素子が熱伝導率の低いアルミニウム合金に接合されているため、熱抵抗が大きくなった。さらに、第1層に純度の低い(剛性の高い)アルミニウム合金を用いた比較例3では、接合信頼性が低下した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
15 第1積層基板
16 第2積層基板
21 第1層
22 第2層
23 凹部
25 クラッド材
31 ろう材
32,34 ろう材層(ろう材)
33 接合芯材
35 ろう材(両面ろうクラッド材)
41 放熱板
51 リードフレーム
61 半導体素子
100 パワーモジュール
101〜104 パワーモジュール用基板

Claims (5)

  1. 窒化物系セラミックス、もしくは酸化物系セラミックスからなる厚さ0.2mm以上1.5mm以下のセラミックス基板の一方の面に回路層が接合されるとともに、前記回路層の上面に銅又は銅合金からなるリードフレームが直接接合されており、
    前記回路層が、前記セラミックス基板に接合される第1層と、該第1層の前記セラミックス基板とは反対側の面に部分的に設けられて前記リードフレームが接合される第2層とにより構成され、
    前記第1層は、純度99.90質量%以上のアルミニウム材からなり、
    前記第2層は、ビッカース硬度が19以上のアルミニウム材からなることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  2. 請求項1に記載の前記パワーモジュール用基板と、前記第1層に実装された半導体素子とを備えることを特徴とするパワーモジュール。
  3. 窒化物系セラミックス、もしくは酸化物系セラミックスからなる厚さ0.2mm以上1.5mm以下のセラミックス基板の一方の面に純度99.90質量%以上のアルミニウム材を接合して第1層を形成するとともに、前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウム材を接合して金属層を形成することにより、第1積層基板を形成する第1接合工程と、
    前記第1層の前記セラミックス基板とは反対側の面に部分的にビッカース硬度が19以上のアルミニウム材をろう付けして第2層を形成するとともに、前記金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面にアルミニウム材をろう付けして放熱板を形成することにより、第2積層基板を形成する第2接合工程と、
    前記第2積層基板の前記第2層に銅又は銅合金からなるリードフレームを超音波接合により直接接合する第3接合工程とを有することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 前記第2接合工程において、
    前記第2層となるアルミニウム材の前記第1層との接合面にろう材層が積層されたクラッド材を用いることを特徴とする請求項3に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
  5. 少なくとも前記第2接合工程前に、前記第1層の上面に凹部を形成しておき、
    前記第2接合工程において、前記凹部内に前記第2層を収容した状態とすることにより、前記凹部の周囲の前記第1層の上面と前記第2層の上面とを面一に設けることを特徴とする請求項3又は4に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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