以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかる冷蔵庫が接続される蓄電池を備えた電力供給システムの一例のブロック図である。図1に示すように電力供給システムPSは、給電制御部PPと、予備電源系統BSと、負荷系統LSとを備えている。電力供給システムPSは、商用電力系統CSから電力の供給を受けている。ここで、商用電力系統CSとは、電力会社等の電力供給家による電力供給網のことである。
負荷系統LSは電気機器が接続される系統である。本発明にかかる冷蔵庫Rfは、負荷系統LSに接続され、負荷系統LSから電力供給を受ける。また、負荷系統LSには冷蔵庫Rf以外の機器(例えば、照明、テレビ、洗濯機等、いずれも不図示)も接続される。
予備電源系統BSは、予備電力源である蓄電池BS1と、パワーコンディショナーBS2とを含んでいる。予備電源系統BSは、商用電力系統CSからの電力で蓄電池BS1を充電し、蓄電池BS1からの放電電力で必要に応じて負荷系統LSに電力を供給する。なお、蓄電池BS1としては、据え置き型の蓄電池、可搬型の蓄電地としてもよい。可搬型の蓄電地としては、電気自動車、ハイブリッドカー等に搭載されたバッテリーを挙げることができる。
また、予備電源系統BSとして、太陽光、風力、燃料電池等の発電装置を接続し、蓄電池BS1を充電しつつ利用するようにしてもよい。また、上述の発電装置が発電可能である(例えば、太陽光の場合日照がある)場合、発電装置からの電力も負荷系統LSに供給されるようになっていてもよい。
パワーコンディショナーBS2は、給電制御部PPと接続されており、商用電力系統CSから供給される電力で蓄電池BS1を充電するときには、交流を直流に、蓄電池BS1から負荷系統LSに電力を供給するときには、直流を交流に変換する。
給電制御部PPは、商用電力系統CSからの電力を予備電源系統BS及び負荷系統LSに供給する又は負荷系統LSのみに供給する分電盤の機能を備えている。また、給電制御部PPは商用電力系統CSからの電力が途絶えた時(停電時)に予備電源系統BSから負荷系統LSに電力を供給する分電盤の機能も備えている。そのため、給電制御部PPは、商用電力系統CSからの電力供給を監視するとともに、蓄電池BS1の蓄電残量を取得している。
また、給電制御部PPは、負荷系統LSに接続された機器のうち、通信機能を有する機器と通信が可能な構成を有している。この通信方法としては、例えば、無線、電力線を介した通信等、従来周知の方法が用いられている。本発明にかかる冷蔵庫Rfは、給電制御部PPと通信を行っており、給電制御部PPは、商用電力系統CSからの電力供給が停止した(すなわち停電開始した)ときには停電の情報(例えば、停電信号)を送信する。また、商用電力系統CSからの電力供給が復旧したときには復旧の情報(例えば、復旧信号)を送信する。
なお、予備電源系統BSから負荷系統LSへの電力供給は、停電時としているが、これに限定されるものではない。例えば、商用電力系統CSへの需要が低い時間(例えば、深夜)に蓄電池BS1を充電し、需要が高い時間(例えば、昼間)に商用電力系統CSからの電力を補うように予備電力系統BSから電力供給を行う、いわゆる、ピークカット運転を行う場合もある。
(第1実施形態)
次に、本発明にかかる冷蔵庫について図面を参照して説明する。図2は本発明にかかる冷蔵庫の一例の正面から見た断面図であり、図3は図2に示すIII-III線で切断した断面図であり、図4は図2に示すIV-IV線で切断した断面図である。なお、以下の説明では、図2の位置を基準として説明することとし、右又は左という場合、図2の状態を基準とするものとする。
冷蔵庫Rfは発泡断熱材を充填した断熱箱体100を有している。冷蔵庫Rfは、断熱箱体100の内部を仕切壁で仕切って複数個の貯蔵室を備えている。断熱箱体100の内部を上下に分割する仕切壁101が上下方向の中間部分に設けられている。また、下部の空間の内部を上下に分割する仕切壁102が設けられている。そして、仕切壁102で仕切られた上部の空間を左右に分割する仕切壁103が設けられている。さらに仕切壁103で仕切られた左側の空間を上下に分割する仕切壁104が設けられている。
冷蔵庫Rfの複数の貯蔵室のうち、仕切壁101の上方に形成された貯蔵室が冷蔵室1である。仕切壁102の下方に形成された貯蔵室が下段冷凍室2である。仕切壁103で仕切られた左側の空間の下段の貯蔵室が上段冷凍室3であり、上段の貯蔵室が製氷室4(氷収容部)である。さらに、上段冷凍室3及び製氷室4の右側の貯蔵室が野菜室5である。
なお、冷蔵室、下段冷凍室、上段冷凍室、製氷室及び野菜室は必ずこの順番である必要はなく、使用頻度、貯蔵物の量等に合わせて変更することが可能であってもよい。また、これらの貯蔵室以外の温度で貯蔵物を貯蔵する貯蔵室を備えていてもよい。
下段冷凍室2及び上段冷凍室3は貯蔵物を冷凍保存する(例えば、−18℃で保存する)ための貯蔵室である。製氷室4は不図示の製氷装置で製造された氷を貯蔵しておく貯蔵室であり、下段冷凍室2及び上段冷凍室3と同じ温度に維持される。
図3に示すように、仕切壁102には、下段冷凍室2と上段冷凍室3とが連通するように開口105が設けられている。また、同様に仕切壁104には、上段冷凍室3と製氷室4とが連通するように開口106が設けられている。冷蔵庫Rfにおいて、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4は1つのまとまった断熱領域となっている。
そして、冷蔵室1は貯蔵物を下段冷凍室2及び上段冷凍室3よりも高い温度(例えば、3℃〜5℃)で冷蔵保存し、野菜室5は冷蔵室3よりも高い温度(例えば、7℃〜8℃)に維持して野菜等の貯蔵物を冷蔵保存する。なお、各貯蔵室の温度はこれに限定されるものではなく、各貯蔵室に貯蔵される物品の劣化を抑制できる温度に設定される。また、使用者が必要に応じて或いは好みに合わせて温度設定できるようになっていてもよい。
冷蔵室1は左右端でそれぞれ枢支された観音開きの一対の扉11により開閉される。そして、冷蔵室1には、空間を上下に仕切るための複数個の棚12が設けられているとともに、扉11の内側には複数個のポケット13が設けられており、調味料、飲料等の転倒しやすい物品を貯蔵できるようになっている。
下段冷凍室2、上段冷凍室3、製氷室4及び野菜室5はそれぞれ収納ケース22、32、42、52と一体に形成される引出式の扉21、31、41、51によって開閉される。なお、下段冷凍室2には、収納ケース22の上部に収納ケース22に対して摺動可能に配置された摺動ケース23が設けられている。
冷蔵庫Rfは、ダンパ71を介して連通する冷気通路6及び冷気流路7を備えている。冷気通路6は下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4の背面に設けられている。また、冷気流路7は冷蔵室1の背面側に設けられている。
冷気通路6及び冷気流路7にはそれぞれ冷気を循環させる冷凍室ファン61、冷蔵室ファン72が配されている。冷凍室ファン61の下方には冷気を発生する蒸発器62が配されている。蒸発器62の下方には蒸発器62に付着した霜を取り除く(除霜する)ための除霜ヒータ63が配されている。
冷気通路6は、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4それぞれに冷気を吐出する開口である吐出口601、602及び603と、下段冷凍室2から冷気通路6に冷気が戻る開口である戻り口604とを備えている。吐出口601、602及び603された冷気は、それぞれ、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4を冷却し、戻り口604から冷気通路6に戻る。
なお、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4は1つのまとまった断熱領域であるため、吐出口603のみを備えており、冷気が製氷室4に吹付けるようにしてもよい。このようにすることで、吐出口603から吐出された冷気が製氷室4、上段冷凍室3、下段冷凍室2の順に流れて、戻り口604から冷気通路6に冷気を戻すことができ、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4を効率よく冷却することができる。また、製氷室4が冷気流路の上流に設けられているため、停電時に製氷室4に貯蔵されている氷で上段冷凍室3及び下段冷凍室2を冷却することも可能であるため、低温状態を維持することが可能である。
冷気流路7は、冷気を冷蔵室に吐出する開口である複数の吐出口701を備えている。複数の吐出口701は冷蔵室1の棚で仕切られたそれぞれの段に冷気を吐出するように4カ所備えられている。仕切壁101には、冷蔵室1と野菜室5とを連通する連通路702が設けられている。なお、冷気は冷蔵室1を流動するときに貯蔵物から熱を奪うため昇温される。そして、その昇温された冷気が連通路702から野菜室5に流入する。そのため、野菜室5は冷蔵室1よりも高温に維持される。野菜室5を流動した冷気は、戻り口703を介して冷気流路6に戻る。戻り口703は、野菜室5の下側及び背面側に設けられている。
下段冷凍室2の背面の冷気通路6の下方には機械室10が設けられており、機械室10の内部には冷凍サイクルを運転する圧縮機14が設置されている。圧縮機14の駆動によって冷媒配管(不図示)内を冷媒が流通し、冷媒配管を介して圧縮機14と接続された蒸発器62が低温になる。
蒸発器62では、熱交換を行う度に空気中の水分が結露しさらに凍結した霜としてフィンに付着する。霜が付着すると空気が流れにくくなるため、熱交換ができなくなり、冷却効率が低下する。そこで、蒸発器62の下方には、蒸発器62に付着した霜を取り除く(除霜する)ための除霜ヒータ63が配されている。除霜ヒータ63の上面はヒータカバー631に覆われている。ヒータカバー631によって、除霜水が除霜ヒータ63上に滴下することによる除霜ヒータ63の故障、破損等を抑制する。
次に冷蔵庫Rfの電気的な構成について説明する。図5は図2に示す冷蔵庫の構成を示すブロック図である。図5に示すように、冷蔵庫Rfは各部の動作を制御する制御部200を備えている。制御部200には、圧縮機14、冷凍室ファン61、冷蔵室ファン72、ダンパ71、除霜ヒータ63、冷凍室温度センサS1、冷蔵室温度センサS2、操作部Ip及び通信部Nwが接続されている。そして、制御部200は、計時部201と、記憶部202とを備えている。
なお、圧縮機14、冷凍室ファン61、冷蔵室ファン72、ダンパ71及び除霜ヒータ63は制御部200からの制御信号によって動作するものである。また、冷凍室温度センサS1、冷蔵室温度センサS2及び操作部Ipは、制御部200に対して信号を入力するものである。また、通信部Nwは、制御部200と信号の送受信を行う。
冷凍室温度センサS1は下段冷凍室2の内部の温度を検知して温度信号を生成し、制御部200に送る。冷蔵室温度センサS2は、冷蔵室1の内部の温度を検知して温度信号を生成し、制御部200に送る。なお、冷凍室温度センサS1及び冷蔵室温度センサS2は、温度を検知するセンサであり、例えば、サーミスタを用いたものを挙げることができるがこれに限定されない。なお、冷凍室温度センサS1は、下段冷凍室2と同じ設定温度の上段冷凍室3或いは製氷室4の温度を検知するようにしてもよい。
圧縮機14は、制御部200により回転数が可変制御(例えば、インバータ制御)される。操作部Ipは冷蔵室1の扉11又は冷蔵室1の内面に設けられており、冷蔵室1、下段冷凍室2、上段冷凍室3、製氷室4及び野菜室5の条件設定(例えば、温度)を行う。なお、操作部Ipは、ノッチ等で段階的に温度設定できる構成であってもよいし、複数個のスイッチで操作を行うような構成であってもよい。また、操作部Ipは、現在の冷蔵庫Rfの状態(例えば、現在の温度や温度設定)を表示する表示部を備えるとともに、タッチセンサを用いたタッチパネルで操作入力を行う構成であってもよい。
通信部Nwは、電力供給システムPSの給電制御部PPと情報の送受信を行う。給電制御部PPから受信する情報としては、停電開始/終了の情報、蓄電池BS1の蓄電残量を挙げることができる。
計時部201は、任意の時点からの経過時間を計測する。記憶部202は制御部2に送られてきた情報、制御部200で処理した情報、予め制御部200に与えられている情報等の情報を記憶するメモリである。なお、計時部201及び記憶部202は制御部200に一体に形成されているが、これに限定されるものではなく、制御部200と独立して設けられるとともに、制御部200が自由にアクセスできる構成であってもよい。
次に冷蔵庫Rfの動作について説明する。上述したように、冷蔵室1、下段冷凍室2、上段冷凍室3、製氷室4及び野菜室5の各貯蔵室には、貯蔵物を冷却するときの適切な温度域がある。そして、各貯蔵室がそれぞれ適切な温度となるような運転を行う。この運転を通常運転とする。なお、冷蔵庫Rfは商用電力系統CSから電力供給されているとき、すなわち、非停電のときに通常運転を行う。
また、商用電力系統CSからの電力供給が停止されたとき、すなわち、停電のとき、冷蔵庫Rfは、蓄電池BS1からの電力供給による運転期間を延ばすことができるように、消費電力を抑えた停電運転を行う。
なお、冷蔵庫Rfでは、通常使用時たとえば商用電力系統CSから電力供給を受けているとき(非停電時)に、消費電力を抑えることができる節電運転が行われることがある。
節電運転は、非停電時に稼働する運転であり、冷蔵庫Rfの利便性を損なわない範囲、例えば、食品の適正保存温度を逸脱しない範囲で庫内温度の調整等を行うことで消費電力を通常運転よりも低減する運転である。節電運転は使用者の設定に基づいて或いは扉開閉の頻度が著しく少ない等の条件に基づいて、通常運転から切り替わるようになっている。
一方、停電運転は、停電時にだけ稼働する運転であり、冷蔵庫の利便性を一部損なう可能性のある範囲まで庫内の温度を調節することなどにより消費電力を節電運転よりもさらに低減する運転である。冷蔵庫Rfでは、通常使用時(非停電時)に自動的に停電運転することは原則として(例えば、使用者の指示がある場合を除いて)ない。すなわち、停電運転は節電運転とは異なる。
次に通常運転と停電運転について説明する。図6は通常運転時と停電運転時の各運転条件を示す表である。また、図7は通常運転時の各貯蔵室の温度設定を示す図であり、図8は停電運転時の各貯蔵室の温度設定を示す図である。図6に示す表では、運転条件として、冷凍室温度、冷蔵室温度、ダンパ動作切り替えを示している。なお、図6に示す表は運転条件の一例であり、これに限定されるものではない。また、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4は同じ断熱領域内にある貯蔵室であるのでまとめて冷凍室としている。
図6に示すように、通常運転時には、冷凍室は第1冷凍温度Fr1に設定される。また、ダンパ71の開閉を許可しており、冷蔵室の温度調整が可能でその温度は第1冷蔵温度Fc1に設定される。第1冷凍温度Fr1は貯蔵物を冷凍して長期間保存できる温度であり例えば、−18℃以下を挙げることができる。同様に冷蔵室は貯蔵物を低温貯蔵して長期間保存できる温度であり、例えば、4℃以下を挙げることができる。なお、冷蔵室は貯蔵物を冷凍しないようにするため、0℃以上とすることができる。
図7に示すように通常運転時には、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4は第1冷凍温度Fr1となるように調整される。また、冷蔵室1は第1冷蔵温度Fc1となるように調整され、野菜室5は第1冷蔵温度Fc1よりも高い第1野菜室温度Fv1(例えば、7℃)となるように調整される。
停電、すなわち、商用電力系統CSからの電力供給が停止する原因としては、送電線の不具合や送電装置の故障等の比較的早い復旧が見込めるものと、地震、台風、土砂崩れ、雪崩等による送電停止といった復旧の見通しが立ちにくいものとがある。冷蔵庫Rfの停電モードは後者の復旧の見通しが立ちにくいときに、外気よりも低温の貯蔵室を長期間に渡って維持するための運転条件となっている。
また、図6に示すように、停電運転時には、消費電力を抑えるため、冷凍室は第1冷蔵温度Fc1に設定される。また、ダンパ71が常時閉に設定され、冷蔵室(及び野菜室)の温度設定は不可となる。
図8に示すように、停電運転時には、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4が第1冷蔵温度Fc1となるように調整される。また、冷蔵室1及び野菜室5は温度調整がされない、すなわち、設定温度なしの状態になる。この場合、冷蔵室1及び野菜室5は断熱体で囲まれた空間であるため、徐々に温度が上昇し、その後外部の温度と同じ温度になる。
このように、停電運転時には、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4の設定温度を第1冷蔵温度Fc1にし、冷蔵室1及び野菜室5の冷却を停止することで、冷却装置(圧縮機14)で消費される電力を減らすことが可能である。また、長期間の停電が発生するような状態の場合、地震や台風等の災害で外部との連絡が途絶え、食糧等の補充が困難になる場合もある。このような場合にも、冷蔵庫Rfの一部の貯蔵室(ここでは、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4)を第1冷蔵温度Fc1に設定することで、停電時にも食品を長期保存できる。これにより、食糧等の補充ができない場合でも、食品を確保できる。
次に本発明にかかる冷蔵庫の通常運転と停電運転とを切り替える制御について説明する。図9は本発明にかかる冷蔵庫の運転を示すフローチャートである。図1に示すように、冷蔵庫Rfは給電制御部PPと電力線で接続されており、電力線を流れる電力に信号を重畳した通信(PLC:Power Line Communication)が可能な構成を有している。そして、商用電力系統CSからの電力供給が停止されると、給電制御部PPは停電を検出するとともに停電信号を生成して冷蔵庫Rfに送る。
冷蔵庫Rfの制御部200は、通信部Nwを介して停電信号を受信しているか確認し(ステップS101)、停電信号を受信していない場合(ステップS101でNoの場合)、通常運転状態のまま待機する。通信部Nwを介して停電信号を受信した場合(ステップS101でYesの場合)、制御部200は計時部201を利用して停電開始からの時間のカウントを開始する(ステップS102)。
給電制御部PPは商用電力系統CSからの電力供給が復旧すると、商用電力系統CSからの電力供給の復旧を伝えるために復旧信号を送信する。そのため、制御部200は、通信部Nwを介して復旧信号を受信したか、すなわち、停電が終了したか否か確認する(ステップS103)。商用電力系統CSからの電力供給が復旧した、すなわち、停電が終了した場合(ステップS103でYesの場合)、現在、停電運転中であるか否か確認する(ステップS104)。停電運転中の場合(ステップS104でYesの場合)、制御部200は通常運転に切り替える(ステップS105)。そして、停電運転中ではない場合(ステップS104でNoの場合)又は通常運転に切り替えた(ステップS105)後、停電の検出(ステップS101)に戻る。
また、時間カウントを開始した後、商用電力系統CSからの電力供給が復旧していない、すなわち、停電が終了していない場合(ステップS103でNoの場合)、制御部200は停電開始から一定時間経過したか確認する(ステップS106)。停電開始から一定時間経過していない場合(ステップS106でNoの場合)、ステップS103に戻る。停電開始から一定時間経過した場合(ステップS106でYesの場合)、制御部200は停電運転に切り替える(ステップS107)。
制御部200は、通信部Nwを介して復旧信号を受信したか、すなわち、停電が終了したか否か確認する(ステップS108)。通信部Nwを介して復旧信号を受信していない、すなわち、停電が継続している場合(ステップS108でNoの場合)、制御部200は、復旧信号の受信の確認を継続する。通信部Nwを介して復旧信号を受信した場合、すなわち、停電が終了した場合(ステップS108でYesの場合)、制御部200は通常運転に切り替えて(ステップS105)、停電の検出(ステップS101)に戻る。
本発明にかかる冷蔵庫Rfは、上述のような運転を行うことで、停電開始から一定時間経過するまでは、通常運転(図7に示す)を行う。このように、停電開始から一定時間経過するまで通常運転を行うことで、停電が短時間(例えば、数分から数時間)の場合には、貯蔵室の温度が上昇する停電運転を行わないので各貯蔵室内の貯蔵物の劣化を抑制することができる。また、一定時間を越えても停電が続く場合、低温に維持する貯蔵室を限定し、すなわち、冷却する熱容量を減らすとともに、設定温度を高い温度に設定するため、消費電力を低減することができるため、貯蔵室を低温に維持できる期間を延ばすことができる。
また、使用者は、停電の原因(例えば、災害等を把握している場合が多く、すぐに復旧できる停電か、復旧の見通しが立ちにくい停電か判断することができる。見通しが立たない場合には、冷蔵室1や野菜室5に冷蔵保存されている食品を優先的に消費する。これにより、冷蔵室1及び野菜室5の冷却が停止したときには冷蔵室1及び野菜室5に貯蔵する物品が少なくなり冷凍室(下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4)の容量でも貯蔵できる量となる。これにより、冷蔵庫の内部に貯蔵している物品を無駄にするのを抑制することができる。また、短期間で復旧する停電の場合、通常運転を継続するので、停電開始とともに停電運転を行ったときに発生する貯蔵物の劣化を抑制することができる。
以上に示した冷蔵庫Rfを用いることで、例えば災害が発生したときのように、停電の復旧の目途が立たず、支援を受けられるかどうかわからない状況であっても、食品を長期間保存でき、使用者の不安感を少なくすることができる。また、短期間の停電の場合、冷蔵庫Rfの貯蔵室を通常と同じ温度とするため、内部の物品の劣化を抑制することが可能である。
また、停電運転に切り替わるまでの一定時間として、例えば、2日を挙げることができる。日本国内において、災害以外の原因による停電が2日以上続くことはほとんどないためである。また、災害で2日以上停電する場合でも、災害発生後2日経過すると、支援物資が届くことが多い。この場合でも停電が継続することがあるが、冷蔵庫Rfでは支援物資の食品を低温保存することが可能である。
なお、本実施形態において、通常運転及び停電運転の運転条件には予め決められた温度設定が設けられていたが、いずれの温度設定も使用者が自由に決定できるようになっていてもよい。また、通常運転と停電運転とを使用者が自由に切り替えることができるようになっていてもよい。この場合は、冷蔵庫Rfに通信部Nwがなくても、使用者が停電を判断して冷蔵庫Rfを通常運転から停電運転に切り替える態様とすることができる。
また、本実施形態では、冷蔵室1及び野菜室5の冷却を停止し、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4を冷蔵温度に設定する停電運転を行っているが、冷蔵室1を冷蔵温度に維持するとともに、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4の冷却を停止するようにしてもよい。しかしながら、冷蔵庫Rfでは、蒸発器62が下段冷凍室2の背面にあるため、冷蔵室1や野菜室5を冷却するよりも、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4の冷却を継続する方が効率がよく、冷却期間を延ばすことが可能である。
第1実施形態にかかる冷蔵庫Rfでは、停電開始から一定時間が経過した場合は、通常運転から停電運転に切り替わるが、その際に停電運転に切り替わることを音や光等で通知するようにしてもよい。これにより、冷蔵庫Rfが通常動作ではなくなることを使用者に知らしめて、貯蔵している食品の移動や消費を促すことができる。また、停電開始から一定時間以内であっても、停電中だが通常運転していることを報知することもできる。
また、第1実施形態にかかる冷蔵庫Rfでは、停電が終了すると、自動的に停電運転から通常運転に切り替わるものとして説明しているが、これに限定されない。例えば、停電運転時には、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4には、第1冷蔵温度Fc1で低温保存する物品が貯蔵される。この状態で下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4を第1冷凍温度Fr1まで冷却すると、貯蔵物によっては劣化や破損の原因になる恐れがある。
そのため、冷蔵庫Rfでは、停電運転から通常運転に戻るときには、使用者が手動で切り替えるようにしてもよい。このとき、使用者に停電運転から通常運転に切り替えることができる、すなわち、停電が終了したことを音や光等で通知するようにしてもよい。さらには、通知後、予め決められた時間経過した後に自動で通常運転に切り替わるようにしてもよい。
なお、運転条件として、冷凍室の温度、冷蔵室の温度を挙げているがこれに限定されるものではなく、結露防止ヒータの動作制限、除霜ヒータの動作制限(除霜なし、除霜周期を伸ばす等)、圧縮機の回転数の制限等の条件を通常運転時と停電運転時とで切り替えるようにしてもよい。また、これら以外にも消費電力の変化に影響がある条件を切り替えるようにしてもよい。停電運転条件では、一部の貯蔵室が一定の低温を維持しつつ、可能な限り消費電力を低減できるような運転条件を広く採用することができる。
(第2実施形態)
本発明にかかる冷蔵庫の他の例について図面を参照して説明する。図10は本発明にかかる冷蔵庫の停電運転時の運転条件を示す表である。また、図11は第1停電運転モード時の各貯蔵室の温度設定を示す図であり、図12は第2停電運転モード時の各貯蔵室の温度設定を示す図である。なお、本実施形態において、冷蔵庫Rfの構成は第1実施形態の冷蔵庫Rfと同じであるため、同じ符号を利用するとともに詳細な説明は省略する。
第1実施形態では、停電発生から一定時間経過後に、一部の貯蔵室(冷蔵室1及び野菜室5)の冷却を停止し、さらに、残りの貯蔵室(下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4)の設定温度を冷凍保存が不可能な温度に上昇させた停電運転を行っている。このような設定の場合、通常運転と停電運転との運転条件の差が大きい。そのため、貯蔵物が貯蔵された状態で通常運転から停電運転に切り替わると、貯蔵物の劣化の原因となる。
そこで、本実施形態の冷蔵庫Rfでは、停電運転の運転条件として複数の停電運転モードを備え、停電発生から一定時間経過後に段階を経て消費電力が少ない運転条件に切り替えるようにする。
図10に示すように、停電運転時の運転条件は、第1停電運転モード、第2停電運転モード及び第3停電運転モードを備えている。第1停電運転モードは、冷凍室の設定温度を第1冷凍温度Fr1よりも高い第2冷凍温度Fr2とし、冷蔵室1の設定温度を第1冷蔵温度Fc1よりも高い第2冷蔵温度Fc2とする。
図11に示すように第1停電運転モードでは、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4は第2冷凍温度Fr2となるように調整される。また、冷蔵室1は第2冷蔵温度Fc2となるように調整される。冷蔵室1が第2冷蔵温度Fc2に調整されるため、野菜室5は第1野菜室温度Fv1よりも高い第2野菜室温度Fv2に調整される。各貯蔵室の設定温度が通常運転時よりも高いため、消費電力を小さくすることができる。これにより、冷蔵庫Rfの運転時間を延ばすことが可能である。
また、停電が長期化すると、第1停電運転モードでは消費電力のカットが十分でなくなる。そこで、第2停電運転モードを備えている。第2停電運転モードは、冷凍室の設定温度は第2冷凍温度Fr2のままである。また、ダンパ71が常時閉に設定され、冷蔵室(及び野菜室)の温度設定は不可となる。
図12に示すように、第2停電運転モードでは、下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4が第2冷凍温度Fr2となるように調整される。また、冷蔵室1及び野菜室5は温度調整がされない、すなわち、設定温度なしの状態になる。この場合、冷蔵室1及び野菜室5は断熱体で囲まれた空間であるため、徐々に温度が上昇し、その後外部の温度と同じ温度になる。冷蔵庫Rfでは、第2停電運転モードのとき、冷蔵室1及び野菜室5の温度調整を行わないため、第1停電運転モードに比べて消費電力が少なくなる。
さらに停電が長期化すると、第2停電運転モードでも消費電力のカットが十分でなくなる。そこで、第3停電運転モードを備えている。第3停電運転モードは図7に示す停電運転時の運転条件と同じであるため図示を省略する。
第1停電運転モード、第2停電運転モード及び第3停電運転モードの切り替えについて説明する。図13は停電運転時のモード切替のタイミングを示す図である。
図13は横軸が時間であり、縦軸が消費電力になっている。また、図13は、停電発生時を基準、すなわち、0としている。図13に示すように、停電発生直後、冷蔵庫Rfは通常運転Tqで運転される。停電発生から一定時間Tp1が経過すると、冷蔵庫Rfは通常運転Tqから停電運転Tmに切り替わる。図13に示すように、停電運転Tmに切り替わった直後、冷蔵庫Rfは第1停電運転モードTm1で運転される。また、時間Tp2が経過すると、冷蔵庫Rfは消費電力が第1停電運転モードTm1よりも少ない第2停電運転モードTm2に切り替わる。さらに、時間Tp3が経過すると、冷蔵庫Rfは消費電力が第2停電モードTm2よりもさらに低い第3停電モードTm3で運転される。
このように、冷蔵庫Rfの消費電力を徐々に減らすことで、貯蔵物の劣化を遅らせるとともに、内部を低温に維持できる貯蔵室を長期間確保することが可能である。
なお、運転条件として、冷凍室の温度、冷蔵室の温度を挙げているがこれに限定されるものではなく、結露防止ヒータの動作制限、除霜ヒータの動作制限(除霜なし、除霜周期を伸ばす等)、圧縮機の回転数の制限等の条件を替えた停電運転モードを備えていてもよい。また、これら以外にも消費電力の変化に影響がある条件を切り替えて停電運転モードとしてもよい。また、複数の停電運転モードの中に上述した、節電運転と同等の運転条件のものを含んでいてもよい。
(第3実施形態)
本発明にかかる冷蔵庫のさらに他の例について図面を参照して説明する。図14は本発明にかかる冷蔵庫のブロック図である。図14に示すように、本発明にかかる冷蔵庫Rfは表示部Dpを備えている以外、図5に示す冷蔵庫と同じ構成である。そのため、実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
電力供給システムPSでは、給電制御部PPが蓄電池BS1の蓄電容量の情報を取得している。冷蔵庫Rfの制御部200は、蓄電容量の情報を給電制御部PPから取得する。そして、制御部200は、現在の運転状態と蓄電容量とから、冷蔵庫Rfが貯蔵室を継続して冷却可能な時間(期間)を算出して、表示部Dpに表示する。なお、表示部Dpとして冷蔵室1の扉11の外面に設けられた液晶表示装置やLED表示を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
このように表示部Dpに冷却可能な時間を表示することで、使用者は低温保存が可能な残り期間を知ることができ、次の行動、例えば、避難、別の給電方法(例えば、蓄電池の切替)を選択する適切なタイミングを見計らうことができる。
冷却可能な時間の算出について説明する。冷却を継続可能な時間は、蓄電残量と現在の設定温度だけでなく、外気温、湿度、各種ヒータの駆動状態等によって左右される。そこで、制御部200は、設定温度だけでなく、外気温、湿度、各種ヒータの駆動状態、貯蔵物の量の情報を取得しておき、これらの情報と設定温度の条件と、蓄電残量から冷却を継続可能な時間を算出する。
なお、これ以外の算出方法で冷却を継続可能な時間を算出してもよい。例えば、現在の運転モードにおける圧縮機14や冷凍室ファン61、冷蔵室ファン72の運転時間および消費電力を計測するとともに、圧縮機14および冷凍室ファン61、冷蔵室ファン72の停止時間を計測することで、平均消費電力を計算し、蓄電残量から冷却を継続可能な時間を算出してもよい。
さらには、これら以外の情報を加味して計算するようにしてもよい。また、貯蔵物の量については、停電発生前からの庫内温度(冷蔵室、冷凍室、野菜室の温度)を測定して記憶部202に蓄積しておき、その蓄積したデータから推測することが可能である。
(第4実施形態)
本発明にかかる冷蔵庫のさらに他の例について図面を参照して説明する。図15は本発明にかかる冷蔵庫の表示部の表示内容を示す図である。本実施形態の冷蔵庫Rfは第3実施形態の冷蔵庫と同様の構成を有しており、同様の部分には同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。本実施形態にかかる冷蔵庫Rfでは、操作部Ipを利用して、停電運転開始、第1停電運転モード、第2停電運転モード及び第3停電運転モードの切り替わりのタイミングを使用者が決定できるようになっている。
制御部200は通信部Nwを介して停電信号を受信すると、表示部Dpの表示を図15に示すような、停電時表示Dp1に切り替える。制御部200は、停電が発生した後の停電運転に切り替わるタイミング、停電運転での各停電運転モードの切り替えのタイミングの情報を記憶部202に備えている。そして、停電発生と同時に各切替のタイミングの情報を呼出す。そして、その情報に基づいて、図15に示すような、横軸に現在からの時間とし、運転の切替或いは各停電運転モードの切替を示す停電時表示Dp1を生成して、表示部Dpに表示する。
図15に示す停電時表示Dp1が停電直後の表示とする。停電時表示Dp1では、制御部200によって決められている、停電運転、各停電運転モードの切り替わり時間を示している。停電時表示Dp1では、左端が現在の時刻である。そして、経過時間が点P1(時間Tp1)までは、通常運転Tqである。そして、経過時間が点P1になると、停電運転Tmに切り替わる。停電運転Tmに切り替わった最初は、第1停電運転モードTm1である。そして、経過時間が点P2(時間Tp2)に到達すると、停電運転モードTm2に切り替わる。さらに経過時間が点P3(時間Tp3)に到達すると、停電運転モードTm3に切り替わる。
停電時表示Dp1では、右端に現在決められている切り替わりのタイミングで運転を切り替えたときの継続して冷却可能な時間(期間)表示Ctを表示している。すなわち、、図15において、現在の設定では、8日間継続して冷却可能であることを示している。
そして、使用者は、操作部Ipを使用して、各切り変わりのタイミング点P1、点P2及び点P3をずらすことが可能となっている。制御部200はこのタイミングを変更するごとに、継続して冷却可能な時間を再計算して表示する。そして、使用者は操作部Ipを使用して停電時表示Dp1で表示しているタイミングでの切替を決定することができる。制御部200は、決定されたタイミングを記憶部202に記憶させるとともに、そのタイミングで運転の切替を行う。
このような、表示部Dp及び操作部Ipを使用する方法の一例について説明する。例えば、下段冷凍室2、上段冷凍室3に貯蔵物が無い又は略無い状態であることを使用者が知っている場合、冷凍室を冷凍温度で維持する必要が無いため、使用者は、停電発生から一定時間後すぐに下段冷凍室2や上段冷凍室3の冷却を停止する、または冷蔵温度とするように設定することが可能である。また、停電の復旧時期がわかる場合がある。例えば、第2停電運転モードTm2の期間を延ばしても、停電の復旧時期まで継続して冷却可能である場合、点P3を後ろに移動させることで、温度は高くなるが冷凍室を物品を冷凍保存可能な温度を維持することができる。
このように、蓄電池Bs1からの電力で継続して冷却可能な期間の情報を使用者が取得することで、その情報に基づいて冷却庫Rfの運転を制御することができるため、貯蔵物の劣化を抑制しつつ、低温の貯蔵室を伸ばすことが可能である。なお、本実施形態では、表示部Dpと操作部Ipを別体で示しているが、これに限定されない。例えば、タッチセンサを用いた、いわゆる、タッチパネルを用いた操作入力部を利用してもよい。また、操作部Ipの操作によって表示部Dpが表示されるようにしてもよい。これにより、表示部Dpによる電力消費を最小限に抑えることができる。
なお、上記の例では、停電後に停電時表示Dp1が表示されて各停電運転モードの切替を設定可能としているが、非停電時にも同様の表示および設定が可能とすることもできる。これにより、使用者は、非停電時つまり通常使用時に、停電運転の設定を熟考して設定することができ、災害などによる長時間停電にも対応できる停電運転の設定を使用者が理解しながら設定することができる。
(第5実施形態)
本発明にかかる冷蔵庫のさらに他の例について説明する。上述の各実施形態では、冷蔵庫Rfは、停電時からの時間に基づいて、運転(通常運転、停電運転、各停電運転モード)を切り替えている。この運転の切替は、予め決められたタイミングで切り替えるものや切り替えタイミングを使用者が変更可能である。
このように、切替を時間で制御する場合、蓄電残量によっては、冷蔵庫Rfが継続して冷却可能な時間を十分に確保できない場合がある。そこで、制御部200は、供給制御部PPから定期的に蓄電池BS1の蓄電残量を確認する。そして、蓄電残量に基づいて、運転を切り替えるようにしてもよい。なお、蓄電池BS1の蓄電残量に基づいた運転の切替は、停電運転時の各停電運転モードの切替時に適用するようにしてもよい。つまり、停電発生後、通常運転から停電運転に切り替わるタイミングは時間(予め決めた時間)で行うようにし、その後停電運転モードの切替を蓄電池BS1の蓄電残量に基づいて行うようにしてもよい。
なお、冷蔵庫Rfの通信部Nwは給電制御部PPと双方向通信が可能であるため、上述の継続して冷却可能な時間を給電制御部PPに送り、給電制御部PPの表示部(不図示)に表示するようにしてもよい。このとき、停電時表示Dp1も一緒に表示するようにしてもよい。さらには、給電制御部PPの設けられている操作部(不図示)で操作して、冷蔵庫Rfの運転切替を行うことができるようにしてもよい。
さらには、通信部Nwを有線又は無線でネットワークに接続可能な構成とし、同じネットワークに接続している機器、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン等で継続して冷却可能な時間及び(又は)停電時表示Dp1を表示するようにしてもよい。また、これらの機器で行われた操作入力で冷蔵庫Rfの運転切替を行うことができるようにしてもよい。
上述の各実施形態で示した冷蔵庫では、全ての貯蔵室を1つの蒸発器で冷却する構成のもので説明しているが、冷蔵領域(冷蔵室1及び野菜室5)と冷凍領域(下段冷凍室2、上段冷凍室3及び製氷室4)とを独立した蒸発器で冷却する構成の冷蔵庫でも同様である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
停電時に予備電力源BS1から電力供給を受けて貯蔵室を冷却する冷蔵庫であって、通常運転時の運転条件で運転する通常運転と、前記通常運転よりも消費電力が少ない運転条件で運転する停電運転とを切り替えることができ、停電発生後に所定時間経過するまでは前記通常運転を維持するとともに前記所定時間経過後に停電が継続しているときは前記停電運転に移行する。
上述した冷蔵庫は、前記運転条件に前記貯蔵室の温度条件を含み、前記停電運転時の温度条件が前記通常運転時の温度条件よりも高い温度であってもよい。
上述した冷蔵庫は、前記停電運転時に使用者によって運転条件を変更可能であってもよい。
上述した冷蔵庫は、前記停電運転は消費電力が異なる複数の停電運転モードを含んでおり、前記所定時間経過後には経過時間に応じて消費電力が少ない停電運転モードに移行してもよい。
上述の冷蔵庫は、前記停電運転は消費電力が異なる複数の停電運転モードを含んでおり、前記停電運転時に前記複数の停電運転モードを使用者が自由に選択し、選択された停電運転モードで運転してもよい。
上述の冷蔵庫は、複数の貯蔵室が設けられているとともに前記停電運転時には、少なくとも一つの貯蔵室の冷却を停止してもよい。
上述の冷蔵庫は、前記複数の貯蔵室は、冷蔵室と、前記冷蔵室よりも低温の冷凍室が設けられており、前記停電運転時に前記冷凍室を前記冷蔵室と同じ温度に設定して運転してもよい。
上述の冷蔵庫は、前記予備電力源の残容量の情報を取得するとともに内部状態を検出し、前記予備電力源の残容量と前記内部状態から継続運転可能時間を計算し、前記継続運転可能時間を使用者に通知してもよい。
上述の冷蔵庫は、前記内部状態として、内部の温度検出を継続しその結果より取得した収納量を含んでいてもよい。
上述の冷蔵庫は、氷を収納する氷収納部を備えており、前記氷収納部は、少なくとも停電運転時に冷気回路の上流に配置されていてもよい。