以下の説明において、手段と記載している用語は、部と置き換えて表現してもよい。図1A〜図1Dは、本発明のコミュニケーションロボット(以下、ロボットという)の機能的構成を示すブロック図である。図1Aでは、ロボット1の移動に合わせて、照明手段も一緒に移動する場合のブロック図を示している。図1Bでは、ロボット1の移動の際に、照明手段が分離されるタイプのロボット1のブロック図を示している。図1Cでは、表示兼照明手段を用いて、表示手段が照明手段を兼ねているタイプのロボット1のブロック図を示している。図1Cに示すロボット1では、撮像手段39及びマイク37が、可動手段40によって、移動できるようにしている。図1Dでは、移動の際に照明手段が分離されるタイプのロボット1のブロック図を示している。図1Dに示すロボット1では、撮像手段39及びマイク37が、可動手段40によって、移動できるようにしている。以下、ロボット1の機能的構成について説明する。
図1Aに示すロボット1は、電源接続部2aと、制御手段31と、表示手段32と、移動手段33と、通信手段34と、照明手段35と、通知手段36と、マイク37と、スピーカ38と、撮像手段39とを備える。電源接続部2aは、たとえば、プラグや口金等であり、天井に取り付けられているコンセントやソケット、ライティングレールなどの電源供給部4に接続可能である。ロボット1への電源は、電源接続部2a及びケーブルを介して、供給されている。
照明手段35は、LED照明や蛍光灯照明、有機EL照明などの照明装置であり、照明を行なう装置であれば、形状、構造、部材、数量、品質、価格、回路構成等は、特に限定されない。ロボット1は、コミュニケーションロボットとして機能していない場合は、天井に設置されており、照明装置として機能している。ロボット1は、たとえば、ペンダントライトや、シーリングライト、ダウンライト、スポットライト、シャンデリアなどのように、照明器具に類似するような印象を与える外観を有してもよいし、本発明のために特別に設計された外観を有していてもよい。
表示手段32は、ディスプレイやプロジェクタ等である。ディスプレイとしては、平面又は曲面の液晶ディスプレイやLEDディスプレイ、有機ELディスプレイなどが用いられるとよいが、本発明を限定するものではない。
移動手段33は、ロボット1を上下、左右、前後の少なくともどこかの方向に移動させることができる手段であるとよい。移動手段33については、後述で、例示するが、たとえば、回転翼によって、移動してもよいし、ケーブルの巻き取りによって移動してもよいし、伸縮ケーブルと回転翼の組み合わせで移動してもよいし、レールを摺動することで移動してもよいし、一軸を中心に回動させることで前後又は左右に移動してもよいし、伸縮部を伸縮させることで前後又は左右に移動してもよく、ロボット1を移動させるための手段であれば、限定されるものではない。
通信手段34は、外部のネットワーク(グローバルネットワーク、ローカルネットワーク、携帯電話網、電話網、近距離の無線通信等のあらゆる通信網を含む)に存在する情報処理装置と双方向通信するための手段であり、後述で、例示するが、無線LAN通信手段や、電灯線通信手段、携帯電話による通信手段など、あらゆる通信手段を用いることができる。
ロボット1は、コミュニケーションロボットとして使用していない場合、照明装置として機能している。一方、ロボット1は、外部との通信手段を用いているため、いつ、コミュニケーションロボットとして機能しているのか、プライバシーの問題もあり、使用者にとっては、不安感を感じる原因となる。そのため、ロボット1は、コミュニケーションロボットして機能を開始したときや機能している間は、周囲の人間に、コミュニケーションロボットとして機能している旨を通知しておくことで、そのような不安感を和らげることができる。通知手段36は、ロボット1がコミュニケーションロボットとして機能を開始したこと、又は機能していることを通知するための手段である。たとえば、LEDの点灯や点滅、振動、音声、上下への移動、物体の露出、回転、左右への移動など、人間が認識できるような手段によって、通知手段は、当該機能を実行していることを通知するものとする。
マイク37は、周囲の音声を集める装置である。スピーカ38は、通信手段を介して送信されてくる外部からの音声や、制御のための音声などを出力する装置である。
撮像手段39は、周囲を撮像するための装置である。撮像手段39は、一つである場合に限らない。たとえば、視点方向を撮像するためのカメラを第1の撮像手段とし、周囲を広範囲に撮像するためのカメラを第2の撮像手段として、複数のカメラを用いてもよい。
マイク37,スピーカ38及び撮像手段39は、外部のユーザ端末とのコミュニケーションを図る上で使用されるものであり、コミュニケーション手段と言える。なお、マイク37,スピーカ38及び撮像手段39は、どれか一つがあれば、コミュニケーションが可能であるので、全てを内蔵することは必須ではない。
制御手段31は、各機能ブロックの動作を制御している。
コミュニケーションロボットして機能する際、外部で操作するユーザの指示に応じて、移動手段1は、ロボット1の筐体を移動させて、外部のユーザが所望する位置に、ロボットを移動させる。
そして、撮像手段39によって撮像された画像やマイク37によって得られた音声を通信手段34を介して、外部に送信する。外部のユーザが使用するユーザ端末にも、撮像手段、マイク及びスピーカが設けられており、映像や音声が出力されると共に、ユーザ端末の周囲の画像及び音声が、ロボット1に送信される。ロボット1は、ユーザ端末からの画像を表示手段32に表示させると共に、音声をスピーカ38に出力させる。このように、して、ロボット1を用いれば、ロボット1の周囲の画像や音声をユーザ端末に送ると共に、ユーザ端末からの画像や音声がロボット1から出力されるため、ロボット1とユーザ端末との間での双方向通信によるコミュニケーションが可能となる。
図1Bに示すロボット1は、電源接続部2aと、制御手段31と、表示手段32と、移動手段33と、通信手段34と、照明手段35と、通知手段36と、マイク37と、スピーカ38と、撮像手段39とを備える。
移動手段34によって、ロボット1の筐体が移動した際に、照明手段35が、筐体から分離されるような構造をロボット1は、有している。その他の構成は、図1Aに示すロボット1と同様である。
これにより、照明手段35は、元の位置で、周囲を照らしておきながら、コミュニケーションのための手段のみが、移動して、コミュニケーションが可能となる。たとえば、室内の天井に、ロボット1を取り付けている場合、照明手段35と一緒にロボットが移動してしまうと、室内の照明が不足する場合がある。そのため、照明手段35は、元の位置に残しておいた状態で、ロボット1が移動すれば、室内の照明が不足することなく、コミュニケーションが可能となる。
照明手段35からの分離構造としては、種々考えられるが、たとえば、ペンダントライトのような照明装置の場合、照明の傘部分が分離するのが考えられる。そして、傘部分に表示手段32等を配置しておくとよい。
また、天井に取り付けられたシーリングライトのような照明の場合、シーリングライトの一部が分離して、残りの照明が天井付近に残ったままであるとよい。
また、複数の電球を備えるシーリングライトの場合、電球を取り付ける一部分を移動できるようにして、移動部分だけが分離して、残りの電球は、そのままの位置に残ったままであるとよい。
また、ロボット1の全体を口金タイプの電球のような形状で構成し、照明手段35は口金部分からは移動しないようにしておいて、移動部分だけが、照明手段35から分離して移動するようにしてもよい。
図1Cに示すロボット1は、電源接続部2aと、制御手段31と、表示兼照明手段32aと、移動手段33と、通信手段34と、通知手段36と、マイク37と、スピーカ38と、撮像手段39と、稼働手段40とを備える。
表示兼照明手段32aは、たとえば、球体状のLED表示装置や、円柱状のLED表示装置、球体状の有機EL表示装置、円柱状の有機EL表示装置などである。制御手段31は、表示兼照明手段32aに入力する信号を制御するとことで、表示兼照明手段32aを照明手段として用いるか、表示手段として用いるか、若しくは、同時に両方の手段として用いるかを切り替えることとする。
たとえば、照明手段として用いる場合、制御手段31は、表示兼照明手段32aに必要な信号を送り、白色や電球色などを表示兼照明手段32aに発光させる。表示手段として用いる場合、制御手段31は、表示兼照明手段32aに必要な信号を送り、必要な画像を表示させる。両方の手段として用いる場合、制御手段31は、照明手段として使用させたい領域に白色や電球色などを発光させて、表示手段として使用させたい領域に必要な画像を表示させる。
表示兼照明手段32aは、球面状や円筒状、多面体状など筐体の周囲を囲うような形状に設けておく。それにより、制御手段31は、表示兼照明手段32aが表示する領域を適宜変更することができる。たとえば、ロボット1が、周囲の人とコミュニケーションを取っている際には、その人に向かって、ユーザ端末側に人の画像を表示させる必要がある。その際、制御手段31は、ロボット1の周囲の人側の領域で、表示兼照明手段32aが画像を表示するように制御する。ロボット1の周囲のどの方向に人がいるかは、人感知センサや、画像認識等によって、ロボット1の制御手段31が判断するとよい。若しくは、次に説明するように、撮像手段39の位置によって、ロボット1の制御手段31が表示領域を判断するとよい。
可動手段40は、撮像手段39及びマイク37を、外部からの制御によって、所望の方向に移動させるためのモータや歯車等の装置である。なお、可動手段40は、スピーカ38を移動させてもよい。制御手段31は、外部からの指示に応じて、可動手段40の動作を制御して、撮像手段39及びマイク37(又はスピーカ38)を所望の方向に移動させる。たとえば、外部のユーザ端末によって、撮像手段39によって撮像したい領域が変更された場合、制御手段31は、可動手段40を制御して、撮像手段39を所望の方向に移動させて、所望の領域を撮像させ、通信手段34を介して、ユーザ端末に送信する。
先述の表示兼照明手段32aに画像を表示させる領域であるが、撮像手段39は、ユーザの視線と擬制できるので、撮像手段39が向いている方向を表示領域として、制御手段31が、画像を表示させればよい。
このように、表示兼照明手段32aを筐体の周囲を囲むように配置し、制御手段によって、表示兼照明手段32aが映像を表示する範囲を切り替えて使用すれば、あたかも、表示兼照明手段32aが移動しているかのように、みせることができるので、ロボット1が、表示兼照明手段32aの向きを変えなくてもよい。
図1Dに示すロボット1は、電源接続部2aと、制御手段31と、表示手段32bと、移動手段33と、通信手段34と、照明手段35と、通知手段36と、マイク37と、スピーカ38と、撮像手段39と、稼働手段40とを備える。
図1Dに示すロボット1は、図1Cに示すロボット1と異なり、照明手段35が、図1Bに示すロボット1と同様に分離することとなっている。
また、図1Dに示すロボット1が使用する表示手段32bは、図1Cの表示兼照明手段32aと同様に、たとえば、球体状のLED表示装置や、円柱状のLED表示装置、球体状の有機EL表示装置、円柱状の有機EL表示装置などである。そのため、制御手段31は、表示手段32bに入力する信号を制御するとことで、表示手段32bに表示される画像の領域を制御することができる。
たとえば、制御手段31は、人感知センサや画像認識処理等によって認識した周囲の人の方向や撮像手段39が向いている方向に、外部からの画像が表示されるように、表示手段32bに入力する信号を制御する。
このように、表示手段32bを筐体の周囲を囲むように配置し、制御手段31によって、表示手段32bが映像を表示する範囲を切り替えて使用すれば、あたかも、表示手段32bが移動しているかのように、みせることができるので、ロボット1が、表示手段32bの向きを変えなくてもよい。
なお、図1Cに示すロボット1において、表示兼照明手段32aの代わりに、図1Dの表示手段32bを用いることとして、別途、図1Aと同様に、照明手段35を用いることとすれば、照明手段35については、通常の照明を用いたままで、表示手段32bについては、移動させずに、表示領域を変更することで、あたかも、表示手段32bが向きを変えているとのみせかけることが可能となる。
なお、移動手段34は、必ずしも必要ではなく、移動手段34がなくても、外部とのコミュニケーションは可能であればよい。
図1Bに示すロボット1の応用例として、図40に示すロボット1がある。図40に示すロボット1は、図1Bに示すロボット1の移動手段33として、回動手段131と、左右動手段132と、上下動手段133とを備える。
回動手段131は、天井に固定されており、ロボット全体を一軸を中心に回動させることができるモータや駆動機構などからなる。左右動手段132は、ロボット全体を左右に移動させることができるモータや駆動機構からなる。上下動手段133は、ロボット全体を上下に移動させることができるモータや駆動機構からなる。回動手段131、左右動手段132、及び上下動手段133の具体例については、図41ないし図43を参照して、後述する。
次に、図2を参照しながら、ロボット1を天井に取り付けたときの概念構造について説明する。図2は、本発明のロボットを天井に取り付けたときの概念構造を概略的に示す図である。図2では、6つのパターンの概念構造を図2(a)ないし(f)に示している。図2において、点線は、移動後のロボット1の位置を仮想した線である。
図2(a)に示すロボット1は、天井から吊り下げられた伸縮ケーブル2と、回転翼(図示略)によってロボットを移動させるための移動手段と、移動手段を内蔵している筐体3とを備える。筐体3は、伸縮ケーブル2の下端に連結されている。
伸縮ケーブル2は、たとえば、らせん状の可撓性の樹脂等で被覆されたケーブルである。なお、伸縮ケーブル2は、らせん形状に合わせたスプリングを内蔵していてもよい。伸縮ケーブル2には、少なくとも電源用のケーブルが内蔵されている。有線通信を行なう場合は、伸縮ケーブル2には、通信用のケーブルが内蔵されていてもよい。また、伸縮ケーブル2は、電源用と通信用のケーブルをまとめた集合ケーブルであってもよいし、それらを別々にしたケーブルであってもよい。伸縮ケーブル2は、らせん状の可撓性樹脂等でケーブルを被覆したり、スプリングを内蔵したりすることで、ケーブルの長さを調整できる。また、伸縮ケーブル2は、筐体を天井から吊り下げるための吊り下げ手段として機能している。また、伸縮ケーブル2は、らせん状ケーブル以外に、伸縮可能なゴムによるものであってもよいし、その他、伸縮可能な部材からなればよく、本発明を限定するものではない。
ここで、ケーブルについて説明しておく。ケーブルという場合、一般的には、電気を伝達することができる部材を意味することとなるが、本発明において、電気を伝達する必要が無い場合でも、ケーブルとの表現を用いている場合がある。たとえば、電気を伝達する必要が無い場合とは、後述の図6Cのようなロボットで、回転用モータ19を用いないような場合である。また、電気を伝達する必要が無い場合とは、筐体3内の内蔵電池で、十分に、対応できるように構成されたロボットの場合である。ここで、吊り下げ手段として、電気を伝達する必要が無い場合は、ケーブルである必要はない。電気の伝達の有無を問題としない場合は、吊り下げ手段は、紐状の部材で構成されていると解釈できる。紐状の部材は、ケーブルやワイヤ、ピアノ線などを抽象化した表現として用いることとする。
伸縮ケーブル2は、ロボット1の自重を考慮して、天井から筐体3が吊り下げられた際に、移動手段を内蔵した筐体3を天井側に引っ張り上げ、伸縮ケーブル2が伸びきらないように、ばね定数等が適宜設計されている。伸縮ケーブル2が引っ張る力をどのように設計するべきかは、当業者にとっては、設計事項に過ぎないため、本明細書では、詳述を省略するが、適宜、当該技術分野の技術常識を用いて、設計可能である。
図2(b)は、具体的な伸縮ケーブル2の概略構造の一例を示す概念図である。図2(b)において、伸縮ケーブル2は、上端に電源接続部2aを有し、下端に電源供給口2bを有する。電源接続部2aは、プラグや口金等であり、天井に取り付けられている電源供給部4と着脱可能に連結できるようになっている。電源供給口4は、市販されているコンセントやソケット、レール(電源が供給されているようなライティングレールなど)等を用いることができ、すでに、建物に取りつけられているものを使用してもよいし、新設してもよい。
電源供給口2bは、コンセントやソケット等となっている。筐体3の上部には、プラグや口金等の着脱可能部3aが設けられている。着脱可能部3aを、電力供給口2bに連結させることで、ロボット1に電源を供給することが可能となる。
このように、電源接続部2a及び電源供給口2bを有する伸縮ケーブル2は、たとえば、リーラーコンセントという名称で、市販されている。なお、言うまでもないが、ここで示した伸縮ケーブル2の構造は、一例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、市販されている製品を用いるのではなく、新たに設計してもよい。
なお、電力供給口2b及び着脱可能部3aはなくてもよく、電源接続部2aにらせん状ケーブルを接続し、らせん状ケーブルと筐体3とを直接接続してもよい。
なお、らせん状ケーブルを用いずに、電源供給口4に接続する電源接続部2aとケーブルとを用いるだけの構成も考えられる。
図2(c)は、伸縮ケーブル2を用いない場合のロボット1の概略構造を示す概念図である。図2(c)では、図2(a)の伸縮ケーブル2に代えて、巻き取り手段5と、巻き取り手段5に巻き取ることができるケーブル2cとを用いることとしている。なお、先述したように、ケーブル2cに電気を通す必要が無い場合は、ケーブル2cは、紐状の部材として、単なるワイヤや、樹脂製のロープ、繊維性のロープ、ピアノ線、釣り糸等を用いることができるものとする。紐状の部材とは、巻き取り可能な部材であれば何でもよく、一般に、紐と呼ばれるものに限定するものではない。
巻き取り手段5には、どの程度ケーブル2cを巻き取り又は引き出したかを検出するセンサ(たとえば、ポテンショメータやエンコーダ等)を備えるようにしておく。
図2(c)において、ロボット1は、回転翼(図示略)による移動手段と、移動手段を内蔵している筐体3と、ケーブル2cと、巻き取り手段5とを備える。巻き取り手段5は、モータ等で、ケーブル2cを巻き取り及び引き出す装置であってもよいし、単に、バネの力でケーブル2cを巻き取るという器具(たとえば、掃除機の電源コードを巻き取る器具のようなもの)であってもよい。なお、巻き取り手段5が、バネの力でケーブル2cを巻き取る場合、ケーブル2cの引き延ばしは、移動手段による移動によって行なわれる。図2(c)のロボット1において、ケーブル2cが、筐体3を吊り下げるための吊り下げ手段として機能している。また、巻き取り手段が、ケーブルの長さを調整する。
なお、巻き取り手段は、天井側ではなく、筐体3側に設けられていてもよい。
図2(d)は、レール6を摺動する場合のロボット1の概略構造を示す概念図である。図2(d)において、ロボット1は、回転翼(図示略)による移動手段と、移動手段を内蔵している筐体3と、ケーブル2cと、巻き取り手段5と、摺動手段7とを備える。ケーブル2cと巻き取り手段5の関係は、図2(c)と同様である。摺動手段7は、天井に取り付けられたレール6を摺動するための装置であり、モータ等の駆動によって、レール6をスライドできるようになっている。なお、レール6は、摺動方向を規制するためのガイドであればよく、本明細書において例示する構造に限られるものではない。
摺動手段7が駆動することで、ロボット1をレールに沿って移動させることができる。図2(d)のロボット1において、ケーブル2cが、筐体3を吊り下げるための吊り下げ手段として機能している。また、巻き取り手段が、ケーブルの長さを調整する。
なお、摺動手段7には、どの程度ロボット1が摺動したかを検出するためのセンサ(たとえば、ポテンショメータやエンコーダ、リードスイッチ等)を設けておく。
図2(e)は、レール6自体が回転する場合のロボット1の概略構造を示す概念図である。図2(e)において、ロボット1は、回転翼(図示略)による移動手段と、移動手段を内蔵している筐体3と、ケーブル2cと、巻き取り手段5と、摺動手段7と、レール回転手段6aとを備える。レール回転手段6aは、モータ等の駆動によって、一軸を中心に、レールを回転させることができるようになっている。その他は、図2(d)と同様である。図2(e)のロボット1において、ケーブル2cが、筐体3を吊り下げるための吊り下げ手段として機能している。また、巻き取り手段が、ケーブルの長さを調整する。
図2(f)は、レール6の他の例を示す概念図である。図2(f)に示すように、レール6は、直線状に限るものではなく、湾曲していたり、折れ曲がっていたりして、天井に取り付けられていてもよい。レール上を、ロボット1が摺動手段の駆動によって、移動することが可能となる。
なお、吊り下げ手段に、AC/CDコンバータのように、交流直流変換部を含むように構成しておいてもよい。そうすれば、ロボット1に対して、直流を供給することができ、ロボット1の筐体3内に交流直流変換部を設ける必要がなく、重量を軽くすることができ、ロボット1の移動のためのモータ等の負荷を軽減することが可能となる。たとえば、コンセントやプラグ、レール等の電源供給部4に、直接、交流直流変換器を取りつけて、交流直流変換器の下にケーブルを設けるようにすれば(図2(b)の※参照)、交流直流変換器の重量がケーブルに加わらないので、負荷荷重を軽減できる。伸縮ケーブルを用いない場合についても、同様に、吊り下げ手段に、交流直流変換部を含むように構成しておいてもよいことは言うまでもない。
ここで、図2(a)ないし(f)の場合について、天井に設けられている電源供給部4(図2(b)に限らない)とロボット1との接続について説明しておく。電源供給部4の構造としては、既存のコンセントやソケット、ライティングレール等を用いてもよいし、新たに設計してもよい。電源供給部4としては、すでに、設置されているコンセントやソケット、ライティングレール等を用いてもよいし、新設してもよい。ロボット1を電源供給部4に接続するための電源接続部2a(図2(b)に限らない)の構造としては、既存のプラグや口金等を用いてもよいし、新たに設計してもよい。仮に、電源供給部4の構造として、既存のコンセントやソケット、ライティングレール等を用いるのであれば、電源接続部2aも、既存のプラグや口金を用いることができるので、既存の設備との相性がよくなる。たとえば、すでに、店舗内に、ライティングレールが設置されているような場合、当該ライティングレールに、電源接続部2aとしてのプラグを取り付けるだけで、店舗内にロボット1を設置することが可能となる。また、たとえば、家庭内の天井のコンセントに、電源接続部2aとしてのプラグを取り付けるだけで、家庭内にロボット1を設置することが可能となる。
次に、外部からの指示に応じて、筐体を移動させるための移動手段について説明する。まず、前提として、ロボット1は、ネットワークを介して、外部と通信することができるように、通信手段を備えている。そして、通信手段によって、外部のユーザ端末から移動の指示がなされた場合、移動手段は、その指示に応じて、筐体3を所望の位置に移動させる。
まず、図3及び図4に示すように、筐体3内に、回転翼による移動手段を設けることで、筐体3を移動させることが考えられる。そして、図2(c)ないし(e)に示したように、回転翼による移動手段と巻き取り手段5及び摺動手段7(巻き取り手段5及び摺動手段7の構造例については、図4A及び図4Bにおいて例示する)を組み合わせて使用してもよい。また、回転翼による移動手段を用いずに、巻き取り手段5及び摺動手段7を移動手段として用いてもよい。また、巻き取り手段5だけを移動手段として用いてもよい。よって、巻き取り手段、摺動手段、及び回転翼は、それぞれ、1以上組み合わせて使用することができるので、移動手段の組み合わせとしては、以下が考えられる。
(1)巻き取り手段のみを移動手段とする場合
(2)回転翼のみを移動手段とする場合
(3)巻き取り手段と摺動手段を移動手段とする場合
(4)巻き取り手段と回転翼を移動手段とする場合
(5)摺動手段と回転翼を移動手段とする場合
(6)巻き取り手段と摺動手段と回転翼を移動手段とする場合
移動手段として、吊り下げ手段の長さをさせることができる構成としては、上記(1)ないし(6)となる。
なお、摺動手段のみを移動手段とする場合でも、筐体3を移動させることができる。
上記の前提を踏まえて、回転翼による移動手段について、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、上述のように、回転翼を用いる場合でも、巻き取り手段5及び摺動手段7を併用してもよく、図2(c)ないし図2(f)は、回転翼による移動手段と巻き取り手段5及び摺動手段7とを併用している場合を想定している。
図3(a)は、回転翼8を用いた場合のロボット1の筐体3内部の概略構造を示す正面図である。図3(b)は、回転翼8を用いた場合のロボット1の筐体3内部の概略構造を示す平面図である。なお、図3(a)と図3(b)は、用いている筐体3や回転翼8等を異なるものとしているため、双方の図面は、お互いに、正面図と平面図の関係にあるものではない。あくまでも、図3(a)と図3(b)は、ロボット1の概略構造として理解するものである。
なお、ここでは、4つの回転翼8を用いているが、回転翼は、1以上あればよい。また、回転翼8の形状については、特に限定されるものではない。また、回転翼8を用いる技術は、既存のマルチコプター等の技術を流用することが可能である。
カメラ等取り付け部9に、回転翼8を取り付けておく。ケーブル2又は2cから、電源が供給されており、その電源によって、回転翼8を回転させるためのモータ等(図示略)が駆動する。カメラ等取り付け部9には、カメラ10、マイク11、スピーカ12、及びプロジェクタ13が取り付けられている。なお、カメラ10、マイク11、スピーカ12、及びプロジェクタ13については、少なくともどれか1つが取り付けられていれる場合も、本発明に含まれることとする。なお、本発明において、ロボット1内部の内臓電池で駆動可能な部分については、内蔵電池で駆動してもよい。
さらに、カメラ等取り付け部9には、照明14が取り付けられている。すなわち、ロボット1は、照明として利用されてもよい。たとえば、コミュニケーションに使用していない場合は、天井付近にロボット1が待機して、照明として機能しているとよい。なお、照明14は、筐体3の外に設けられていてもよい。
回転翼8、カメラ等取り付け部9、カメラ10、マイク11、スピーカ12、プロジェクタ13、及び照明14が、筐体3の内部に収容されている。図3(a)に示す筐体3は、ここでは、略球状の枠体であるとしている。すなわち、図3(a)に示す筐体3は、概ね球体の形状を有する枠で構成されている。
また、図3(b)に示す筐体3は、略多面体状の枠体である。すなわち、図3(b)に示す筐体3は、概ね多面体の形状を有する枠で構成されている。
その他、筐体3としては、概ね円筒状の形状を有する枠で構成された略円筒状の枠体や、概ね四角柱や六角柱など柱体の形状を有する枠で構成された略柱体状の枠体で構成されていてもよい。
また、枠体は、一部が覆われていてもよい。また、筐体3は、透明又は半透明として、周囲の画像を撮像できたり、音声の入出力が可能とすれば、枠体でなくてもよい。筐体3が枠体でない場合、その形状は、略球状、略円筒状、略多面体状、略柱体状などにすることが可能である。
筐体3は、使用している素材が、柔軟性を有する材料であるとよく、たとえば、ウレタン樹脂やシリコーン樹脂、発泡樹脂などの柔軟性材料で構成されているとよい。これにより、ロボット1が人や周囲の物に衝突したとしても、傷や故障等の問題を回避することができる。
ただし、筐体3の形状や構造は、本発明を限定するものではない。
図3に示すロボット1の場合、カメラ10で撮像された画像やマイクに入力された音声が、通信手段によって、外部に送信される。また、外部から音声信号が送られてきた場合、スピーカ12から、音声が出力される。また、外部から、画像信号が送られてきた場合、プロジェクタ13から、画像が出力され、室内の壁やスクリーン等に画像を映し出すことができる。さらに、外部からの操作信号に応じて、各回転翼8の回転速度が調整されることで、ロボット1を操作者の所望の位置に移動させることができる。その際、外部の操作者は、カメラ10が撮像した画像を見ながら、ロボット1を操作することで、所望の位置に、ロボット1を移動させることができる。
なお、回転翼8を用いる場合、ロボット1内に、ジャイロスコープや傾きセンサなどの傾き検出手段を備えておき、傾き検出手段の検出結果に基づいて回転翼8が水平を維持するように、筐体を移動するよう制御してもよい。
図4(a)は、曲面ディスプレイ15を用いた場合のロボット1の斜視図である。図4(b)は、内部構造が分かるように、曲面ディスプレイ15部分を透明にして図示した斜視図である。図4(a)及び(b)に示すロボット1では、図4(a)に示すロボット1と異なり、プロジェクタ13の代わりに、曲面ディスプレイ15を用いている。曲面ディスプレイ15は、筐体3に沿う形を有する。曲面ディスプレイ15は、複数のLEDで構成されたLED表示装置であってもよいし、曲面形状の液晶表示装置であってもよいし、有機ELによる表示装置であってもよい。なお、平面ディスプレイを筐体3内部若しくは筐体3の表面に設置して、表示部を構成してもよい。
図3及び図4に示したように、回転翼8を移動手段に用いる場合のロボット1の移動について説明する。まず、図4に示したように伸縮ケーブル2を用いる場合、回転翼8は、上方向に空気を吹くように回転することで、筐体3を下に移動させることができる。したがって、伸縮ケーブル2が上方向に引っ張る力よりも強い力が下方向に働くように、回転翼8の形状や使用するモータのパワーを設計しておく必要がある。伸縮ケーブル2を用いる場合は、回転翼8の回転を弱めることで、筐体3を上方向に移動させることができる。このようにして、回転翼8の回転速度を調整することで、吊り下げ手段であるところの伸縮ケーブル2の長さを変化させることができ、筐体3を上下に移動させることができる。また、各回転翼8の回転速度を調整することで、筐体3を左右前後に移動させることができる。このように、回転翼8の回転を外部から制御することで、筐体3を所望の位置に移動させることが可能となる。
次に、図2(c)及び(d)に示したように、巻き取り手段5を用いる場合について説明する。巻き取り手段を用いる場合は、筐体3の上下の移動は、外部から巻き取り手段5によるケーブル2cの巻き取り量を調整することで、実現することができる。筐体3を下げるときは、ケーブルを引き出すように、巻き取り手段5を駆動させ、筐体3を上げるときは、ケーブルを巻き取るように、巻き取り手段5を駆動させるとよい。このように、巻き取り手段5を移動手段として用いて、吊り下げ手段であるところのケーブル2cの長さを変化させることで、筐体3を上下に移動させることができる。筐体3を左右前後に移動させる場合は、各回転翼8の回転速度を調整することで、実現できる。
このように、伸縮ケーブル2を用いる場合も、巻き取り手段5を用いる場合も、回転翼8によって、基本的には、揚力を生じさせる必要がない。よって、回転翼8を回転させるためのパワーが、モータには、要求されないので、ロボット1の小型化及び軽量化を図ることが可能となる。
ただし、揚力を生じさせて、回転翼8の回転によって、ロボット1を上方向に移動可能としてもよいことを本発明で排除するものではない。
なお、回転翼8の回転によって、ケーブル2cにたるみが生じた場合に備え、たるみを検出するためのたるみ検出部(図示せず)をロボット1に設けておき、巻き取り手段5がケーブル2cを巻き取って、たるみが減少するように制御してもよい。たるみ検出部の構成は、種々考えられるが、たとえば、ケーブル2cの筐体3側の下部にひずみゲージを取り付けておき、ひずみゲージの検出結果に基づいて、たるみの有無を検出して、たるんでいると判断される場合は、巻き取り手段5がケーブル2cを巻き取るようにするとよい。
図5Aは、図1Aに示す機能ブロックを有するロボット1の外観構造を示す斜視図である。図5Aに示すロボット1は、移動手段33として、巻き取り用モータ33aと、プーリー33bとを備える。巻き取り用モータ33aが駆動して、プーリー33bを回転させ、ケーブルを巻き取ることで、ロボット1を上下に移動させることができる。また、ロボット1は、移動手段33として、回転用モータ33cを備える。回転用モータ33cは、表示手段32、撮像手段39、マイク37、スピーカ38及び照明手段35の筐体を回転させて、向きを変更することができる。移動手段33の制御は、通信手段(図5Aでは図示せず)を介して、外部からの指示に応じて、制御手段31(図5Aでは図示せず)によって、行なわれる。
電源供給部4は、天井にある、コンセントであり、電源接続部2aは、コンセントに適合するプラグである。
図5Aでは、表示手段32の下に、照明手段35を設けている。照明手段35は、有機EL照明や、LED照明など、どのような照明であってもよい。表示手段32は、ここでは、曲面状のディスプレイであるとしているが、平面上のディスプレイであってもよい。また、表示手段32等の全体又は一部を枠体等で覆ってもよい。
図5B及び図5Cは、図1Bに示す機能ブロックを有するロボット1の外観構造を示す斜視図である。図5Bは、移動前の斜視図であり、図5Cは、移動後の斜視図である。図5B及び図5Cに示すロボット1は、移動手段33として、複数の巻き取り用モータとプーリーとを用いている。移動手段33によって、ケーブルを巻き取る又は引き出すことによって、ロボット1を上下に移動させることができる。表示手段32,撮像手段39,マイク37及びスピーカ38は、表明手段35の傘を兼ねている。傘の部分が、照明手段35から分離して、移動手段33によって、移動できるようになっている。
なお、照明手段35に使用するケーブルを伝って表示手段32や撮像手段39等が上下に移動したり、当該ケーブルを中心に表示手段32や撮像手段39等が回転できるようにしてもよい。その場合は、当該ケーブルに沿って、上下したり、回転したりすることができる1以上のモータを、当該ケーブルの周りに配置するとよい。
図5Dないし図5Fは、図1Cに示す機能ブロックを有するロボット1の外観構造を示す斜視図である。図5Dないし図5Fにおいて、移動手段33は、巻き上げ用モータと、プーリーである。巻き上げ用モータでケーブルを巻くことで、ロボット1を上下させることができる。図5Dないし図5Fのロボット1では、図5Aと異なり、回転用モータ33cを用いていない。
表示兼照明手段32aは、照明として使用する際は、白色や白熱色などを発光している。表示兼照明手段32aの上部には、撮像手段39及びマイク37が設けられており、スピーカ38は、表示兼照明手段32aの内部に設けられている。撮像手段39及びマイク37は、可動手段40によって、回転できるようになっている。外部からの指示に基づき、可動手段40は、制御手段31からの指示に応じて、撮像手段39及びマイク37を移動させる。なお、表示兼照明手段32aの下部が、独立して別な照明手段となっていてもよい。ロボットとして機能していない場合は、表示兼照明手段32aは、照明となっている。
ロボットとして機能する場合、通知手段36によって、表示兼照明手段32aの表示の色が変るなり、点滅するなりして、コミュニケーションモードに入ったことを、通知する。
図5Eは、表示兼照明手段32aが下に移動したときの斜視図である。このとき、表示兼照明手段32aは、撮像手段39が向いている視線方向に画像を表示する。なお、このとき、画像以外の箇所が照明として機能していてもよいし、その他、外部からの指示に応じるか、通知手段36からの指示に従うかなどして、適宜、点滅、発光色の変更などで、イルミネーションや感情表現を行なうようにしてもよい。
なお、画像を表示する方向は、可動手段40と連動している他、人感知センサによって、人の存在が確認できる方向であってもよいし、画像認識によって、人が存在する方向であってもよい。
図5Fは、可動手段40によって、撮像手段39及びマイク37が、図5Eに示す意思から135度移動したときの様子を示す斜視図である。可動手段40は、モータ等であり、適宜、歯車など(図示略)を備えることで、撮像手段39及びマイク37を回転させることができる。ここでは、あくまでも、撮像手段39及びマイク37のみが回転しており、表示兼照明手段32aは、回転していない。制御手段31は、表示兼照明手段32aに、撮像手段39の向いている方向に画像を表示するように指示する。これによって、表示兼照明手段32aは、視線方向に画像を表示することができる。
このような構成にすれば、表示手段を移動させる機構をロボットに内蔵しなくても、ロボット1の周辺にいる者に対して、あたかも、表示手段が移動しているかのような錯覚を与えることで、見かけ上、移動しているかのようにみせかけることができる。
図5Gないし図5Iは、図1Dに示す機能ブロックを有するロボット1の外観構造を示す斜視図である。図5Gないし図5Iに示す移動手段33は、図5B及び図5Cの場合と同様である。図5Gないし図5Iに示すロボット1では、図5B及び図5Cの場合と異なり、撮像手段39及びマイク37を移動させるための可動手段40が設けられている。可動手段40は、モータ等であり、適宜、歯車など(図示略)を備えることで、撮像手段39及びマイク37を回転させることができる。
表示手段32bは、円筒状の曲面ディスプレイであり、制御手段31からの指示に応じて、適宜、所望の範囲に、画像を表示することができる。
図5Hは、表示手段32bが下に移動したときの斜視図である。このとき、図5Eに示したロボット1と同様に、表示手段32bは、撮像手段39が向いている視点方向に、画像を表示する。次に、図5Iは、撮像手段39が、135度、回転移動したときの斜視図である。このとき、図5Fに示したロボット1と同様に、表示手段32bは、撮像手段39が向いている方向に画像を表示する。これにより、表示手段32bを移動させなくても、あたかも、移動したかのように見せかけて、表示手段34bに映し出されているユーザとのコミュニケーションが可能となる。
図5Jないし図5Mは、図1Dに示す機能ブロックを有するロボット1の外観構造を示す斜視図である。図5Jないし図5Mに示すロボット1の移動手段33は、図5Aの移動手段33と同様である。図5Jに示すように、移動手段33は、照明手段35を取り付けている筐体である外枠の内部に収容されている。移動手段33から伸びるケーブルは、スピーカ38,表示手段32b、マイク37撮像手段39、及び可動手段40を収容する筐体とつながっている。外枠の上部には、口金等の電源接続部2aが設けられており、天井のソケットや照明器具のソケットなどの電源供給部4に接続できるようになっている。
図5Kに示すように、可動手段40は、図示しない歯車等によって、撮像手段39及びマイク37を回転移動できるような構成を有している。可動手段40の可動によって、撮像手段39及びマイク37は、回転するが、表示手段32b及びスピーカ38は、回転しないように構成されている。
表示手段32bは、円筒状のディスプレイであり、制御手段31からの指示に応じて、所望の範囲に画像を表示することができる。スピーカ38の取付位置は、図示した例に限られず、また、スピーカ38は移動せずに、外枠に取り付けられていてもよい。
照明手段35は、ここでは、複数のLEDから構成されているように図示しているが、これに限られるものではない。有機ELや蛍光灯等でもよい。
図5Lは、表示手段32bが下降したときの斜視図である。このように、移動手段33がケーブルを引き延ばすことで、表示手段32bが、外枠の下部の照明手段35から分離して、下に移動する。このとき、制御手段31は、表示手段32bに、撮像手段39が向いている視点方向に画像を表示する。画像が表示されている領域以外は、通知手段36によって、コミュニケーション中であることを示す表示や点滅がなされるとよい。
図5Mは、可動手段40によって、撮像手段39及びマイク37が135度回転させられたときの様子を示す斜視図である。このとき、図5Mに示したロボット1と同様に、表示手段32bは、撮像手段39が向いている方向に画像を表示する。これにより、表示手段32bを移動させなくても、あたかも、移動したかのように見せかけて、表示手段34bに映し出されているユーザとのコミュニケーションが可能となる。
なお、外枠の下部の穴から、表示手段32bが出てくるわけであるが、まっすぐ下降するか、若しくは、まっすぐ上昇しなければ、表示手段32bが、適切に、露出及び収納ができない可能性がある。そのため、露出及び収納をガイドするための手段が設けられているとよい。たとえば、伸縮自在のガイド棒などが、ケーブルに沿って設けられているとよい。また、表示手段32bの上部を先細りの形状にしておいて、上昇して、穴に収納される際に、スムーズに、穴に沿って収納されるようにしておいてもよい。その他、あらゆる方法で、収納がスムーズに行なわれるようにするとよい。また、ケーブルを巻き取ることで、ケーブルに形状の癖がついてしまう可能性があるため、できる限り、癖のつかないケーブル(ワイヤやピアノ線などその他の紐状部材を含む)を用いるだけでなく、表示手段や撮像手段等のための必要な電源を充電式にしておいて、下降時には、電源を内蔵電池から供給するなどして、撓みや癖の少ない金属製のワイヤなどを使用するようにするとよい。
図5Nは、移動手段として巻き取り手段及び摺動手段を用いた場合のロボット1の斜視図である。図4Aにおいて、ロボット1は、ケーブル2cと、巻き取り手段5と、摺動手段7と、台車16と、プーリー17と、ベルト18とを備える。台車16には、スライド用の車が両側面についており、台車16は、レール6内に摺動可能に挿入されている。ベルト18は、台車16内を貫通しているが、その一部は台車16と連結している。
摺動手段7は、左右用モータ7aとプーリー7bとを含む。プーリー7bとプーリー17とに、ベルト18が掛けられている。左右用モータ7aが回転するとプーリー7bが回転し、ベルト18が回転して、台車16がレール6内をスライドするようになっている。
巻き取り手段5は、台車16に取り付けられている。巻き取り手段5は、上下用モータ5aと、プーリー5bとを含む。上下用モータ5aが回転するとプーリー5bが回転するようになっている。プーリー5bは、ケーブル2cを巻き取ることができるようになっている。上下用モータ5aの回転に合わせて、ケーブル2cが、プーリー5bに巻き取られたり、プーリー5bから引き出されたりする。このように、巻き取り手段5の上下用モータ5aの回転量を制御することで、ケーブルの長さを調整することができ、ロボット1の上下の高さを制御することができる。
図5Oは、図5Nのロボット1の変形例を示す斜視図である。図5Oにおいて、摺動手段として、左右用モータ7aと、台車16の側面に配置された車7cとを用いることする。すなわち、左右用モータ7aによって、台車16の車7cを直接回転させて、台車16をレール6内をスライドできるようにする。なお、台車16の内部には、左右モータ7aの回転を車7cに伝達するためのギアが内蔵されている。
図5Nのように、レール6自体に、摺動手段7を設置してもよいし、図5Oのように、台車16自体に、摺動手段7を設置してもよい。いずれにしても、ロボット1に摺動手段を設けておくことで、ロボット1を移動させることが可能となる。
なお、図5N及び図5Oにおいて、筐体3には、回転翼による移動手段が備わっていないとしているが、図1(d)のように、回転翼による移動手段が備わっていてもよい。また、図5N及び図5Oに示した摺動手段7のみを使用してもよいし、あるいは、巻き取り手段5のみを使用してもよいし、伸縮ケーブル2と組み合わせて使用してもよい。
なお、図5Pに示すように、図5Aないし図5Mのロボットにおいて、レール6に摺動手段を設けるようにして、ガイドに沿った摺動も可能にしてもよい。図5Pに示すように、台車16に、ソケットとなる電源供給部4を設けて、摺動手段として、左右用モータ7aを用い、ロボット1の口金となる電源接続部2aを電源供給部4に接続すれば、ロボット1を摺動させることができる。なお、図5Pにおいて、台車16のソケットに、照明器具を取り付けて、当該照明器具のソケットに、ロボットを取り付けてもよい。また、台車16のソケットの代わりに、電源供給部4として、コンセントを設けてもよい。当該コンセントにあう照明器具を取り付けて、当該照明器具にロボットを取り付けてもよい。
その他図5Pに限らず、本発明においては、電源供給部4の種類は限定されない。また、ロボットの取付方法として、電源供給部4に直接に取り付けるだけに限らず、市販の照明器具を介して、ロボットを取り付けてもよいことはいうまでもない。
図41ないし図43は、図40に示したロボット1の概略構造を示す斜視図である。図41に示すように、ロボット1は、回動手段131と、左右動手段132と、上下動手段133とを備える。
図41において、ロボット1には、表示手段32、通信手段34、通知手段36、マイク37、スピーカ38、及び撮像手段39の少なくとも一つが内蔵されている。なお、ここでは、図示していないが、ロボット1は、向きを変えることができるように、回動手段(たとえば、図5Kの回動手段40)を備えていてもよい。
図41において、回動手段131は、天井に固定される。回動手段131に、電源接続部2aが取り付けられており、電源接続部2aを介して、電源が供給される。回動手段131は、モータを内蔵しており、当該モータの回転に合わせて、左右動手段132が回動するようになっている。左右動手段132が回動させるために、適宜、ギアボックスや軸受等が設けられているとよい。
左右動手段132は、モータ132aと、ワイヤ巻き取りプーリー132bと、ワイヤ132cと、伸縮部132dとを備える。伸縮部132dは、入れ子式になっている伸縮部132dの先端には、上下動手段133とロボット1の本体が取り付けられている。ワイヤ132cは、伸縮部132dの内部に挿入されており、その先端は、伸縮部132dの先端に取り付けられている。ワイヤ132cがプーリー132bに巻き取られると、伸縮部132dが縮む。図42は、伸縮部132dが伸びた状態の斜視図である。図42に示すように、ワイヤ132cが伸ばされるとワイヤ132が伸縮部132dを押すことになるので、伸縮部132dが伸びる。したがって、伸縮部132dの伸縮に応じて、ロボット1の本体が左右に移動することとなる。
図43は、回動手段131が回動したときの様子を示す斜視図である。図43に示すように、回動手段131が回動することにより、左右動手段132、上下動手段133、及びロボット1の本体が、回動手段131の一軸を中心に回動する。このようにして、ロボット1の本体の筐体が、左右動手段132及び上下動手段133と共に、回動することが可能となっている。
上下動手段133は、モータ133aと、ワイヤ巻き取りプーリー133bと、ワイヤ133cとを備える。モータ133aによって、ワイヤ133cが送り出されたり、巻き取られたりすることによって、ロボット1の本体を上下させることができる。なお、上下動手段133は、天井からロボット1の本体の筐体を吊り下げるための吊り下げ手段としても機能している。また、上下動手段133は、ロボット1の本体を移動させるための移動手段としても機能している。
照明手段35は、別途独立して取り付けられており、天井から電源が照明手段35に供給されている。
図41ないし図43に示すように、回動手段131、左右動手段132、及び上下動手段133によって、ロボット1の本体を、所望の位置に移動させることが可能となる。
なお、ここでは、左右動手段及び上下動手段にワイヤによる巻き取りを用いたが、ワイヤ以外に、フレキシブルラックなどが用いられてもよく、巻き取られる部材は限定されない。
なお、左右動手段として、ここでは、伸縮部132dを用いることとしたが、伸縮することなく、棒部材が左右に移動するような構造であってもよい。たとえば、ラックを棒部材として、ラックの先に、上下動手段を取り付けておき、左右動手段のモータにラックに噛み合う歯車を取り付けておき、モータで歯車を回転させることで、ラックを左右させて、ロボット1を左右に移動させてもよい。当然、このようなラックアンドピニオン機構以外の機構を用いて、ロボット1を左右に移動させてもよい。
なお、本発明では、本明細書中に示した、技術を種々に組み合わせて、ロボットを構成してもよいことは言うまでもない。
次に、筐体3の内部構造の変形例を説明する。図3(a)に示した実施形態では、プロジェクタ13からの画像を外部に投影することとしたが、画像を筐体3自体に投影することも可能である。図5Qは、プロジェクタ13からの画像を筐体3に投影した場合の実施形態を示す左側面図、正面図、及び斜視図である。
図5Qにおいて、ロボット1は、ケーブル2cと、回転用モータ19と、筐体3と、複眼カメラ10aと、プロジェクタ13と、マイク11と、スピーカ12とを備える。複眼カメラ10a、プロジェクタ13、マイク11、及びスピーカ12は、筐体3内に収納されている。図5Qでは、筐体3は、透明若しくは半透明であるとしているが、枠体であってもよい。ただし、筐体3には、プロジェクタ13からの画像を投影するための投影面3aが設けられていることとする。なお、図5Qにおいて、各種配線は略記している。また、図5のロボット1において、照明装置が設けられていてもよい。
通信手段を介して、外部から送られてきた映像信号に基づいて、プロジェクタ13から、画像が出力されて、投影面3aに投影される。投影面3aとして、たとえば、半透明の樹脂板等を用いれば、プロジェクタ13から投影面3aに投影された画像を筐体3の外部から視認することができる。ただし、本発明を限定するものではない。
複眼カメラ10aによって撮像された画像が通信手段を介して、外部に送信され、外部では、立体画像を再現することが可能となる。ただし、通常のカメラが用いられてもよい。マイク11は、ここでは、ステレオ音声を入力するために、左右に2つ付けているが、1つでもよい。スピーカ12は、ステレオ音声を出力するために、2つ以上であってもよい。
図5Qの実施形態を用いる場合、図5N又は図5Oに示したように、摺動手段7及び巻き取り手段5によって、筐体3が移動可能とするとよいが、筐体3の形状を変形する(たとえば、略円柱枠体等に変形する)ことで、回転翼8を用いて、移動させることも可能となる。
図5Qに示すように、プロジェクタ13の画像を筐体に投影することで、画像を映し出すためのスクリーンや壁などをロボット1の外部に設ける必要がないので、生活空間等を特に変更する必要がなくなる。
また、筐体3に投影することで、ロボット1を視認した者は、あたかも、コミュニケーション相手が、その場にいるかのような体験をすることができる。
なお、筐体3の投影面3aを図5Qでは、曲面としているが、筐体3内若しくは筐体3の外側に平面状の投影面を設けて、当該投影面に、プロジェクタ13からの画像を投影するようにしてもよい。
次に、回転用モータ19について説明する。回転用モータ19は、ケーブル2cと連接しており、回転用モータ19を回転させることで、筐体3の向きを変えることができる。回転用モータ19は、通信手段を介して、外部からの制御により駆動する。このように、筐体3の向きを変える回転手段を設けることで、筐体3を所望の向きにすることで、外部のユーザは、所望の向きの画像を視聴することができると共に、ロボット1の存在する空間にいる者に対して、投影面3aに投影された画像を視認させることが可能となる。なお、回転用モータ19は、筐体3側ではなく、天井側に設けられていて、筐体3をケーブル毎回転させる構造であってもよい。
図6Aは、二種以上のカメラを用いる場合のロボット1の筐体3内部の構造を示す概念側面図である。図6Aにおいて、ロボット1は、ケーブル2cと、回転用モータ19と、筐体3と、カメラ10と、プロジェクタ13と、マイク11と、スピーカ12と、全天球カメラ21とを備える。各部材は、基板20に取り付けられている。
なお、ここでは、図5の実施形態と同様に、回転用モータ19によって、筐体3を回転させて、筐体3の向きを変更することとしているが、回転用モータ19によって、筐体3の内部で、ロボット1の内部構造であるカメラ10、プロジェクタ13、マイク11、スピーカ12、及び全天球カメラ21を基板20毎回転させて、カメラ10やプロジェクタ13の向きを変更してもよい。このように、回転用モータ19は、内部回転手段であってもよい。
図6Aでは、全天球カメラ21を用いる点が他の実施形態と異なる。なお、全天球カメラ21は、360度の方向を撮像可能な装置であり、魚眼レンズを複数使用して360度画像を撮像するような装置であってもよいし、カメラを移動させて画像を合成することで360度画像を撮像するような装置であってもよく、周囲を広範囲に撮影可能なカメラであればよい。
図6Aにおいて、カメラ10は、通常のカメラであり、一定の方向の範囲のみを撮像可能である。図6Aに示す実施形態では、ロボット1は、通常のカメラ10で撮像した画像と、全天球カメラ21で撮像した画像とを、通信手段を介して、外部に送信する。外部のユーザ端末側では、通常のカメラ10の画像と全天球カメラ21の画像とを表示することとで、現在、ロボット1がどこに位置しているかを把握することができる。
図7は、ユーザ端末におけるユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。図7に示すように、ユーザ端末は、通常のカメラ10からの映像を「視点カメラ映像」の部分に表示する。一方、ユーザ端末は、全天球カメラ21からの画像を「全方位映像」の部分に表示する。なお、現在使用しているロボット1の位置が分かるように、「ロボット位置地図」の部分に、ロボットが位置している場所を地図で示すようにしてもよい。ユーザ端末の使用者は、指やマウスなどで、「視点カメラ映像」を上下左右や回転動作等によって操作することで、その操作指示に関する制御信号が、ネットワークを介して、ロボット1側に送信され、ロボット1がその指示に応じて、移動手段を移動させることで、ユーザの好みの位置に、ロボット1を移動させることとする。なお、図7の画面は、あくまでも一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
なお、図6Aにおいて、プロジェクタ13は、ホログラム画像を投影可能な装置であってもよい。
図6Bは、情報処理端末25を筐体3内に取り付けた場合のロボット1の概略構成を示す正面図である。図6Bの実施形態において、吊り下げ手段は、すでに説明した手段を使用するものとする。
図6Bにおいて、筐体3内に、情報処理端末25を取り付けるための取り付け手段26を備えておき、取り付け手段26に、情報処理端末25を取り付ける。取り付け手段26の構造は特に限定されず、情報処理端末25を挟み込む手段であってもよいし、接着するような手段であってもよい。
情報処理端末25は、通信手段を内蔵しており、携帯電話網や無線LAN、近距離無線通信、赤外線通信等によって外部と通信可能となっている。また、情報処理端末25は、カメラ、マイク、スピーカなどを内蔵している。筐体3は、回転翼8を有するマルチコプターによって、移動可能となっている。マルチコプターには、ケーブル2を介して電源が供給されている。図6Bに示した構成により、スマートフォンやタブレット端末、携帯オーディオプレイやなどの情報処理端末25を筐体3に取り付けて、外部との通信や画像の撮像等は情報処理端末25に処理させて、移動は回転翼8に行わせることが可能となる。なお、図6Bのロボット1において、巻き取り手段や摺動手段を併用してもよい。
図6Cは、情報処理端末25を筐体3内に取り付けた場合のロボット1の他の概略構成を示す正面図である。図6Bの実施形態において、吊り下げ手段は、すでに説明した手段を使用するものとする。
図6Cにおいて、図6Bと同様、筐体3内に、情報処理端末25を取り付けるための取り付け手段26を備えておき、取り付け手段26に、情報処理端末25を取り付ける。筐体3は、ケーブル2cを介して天井と接続されている。巻き取り手段や摺動手段によって、筐体3は、上下、左右に移動可能となっている。筐体3には、回転手段として回転用モータ19を取り付けて、筐体3の向きを制御することができるようにしておく。図6Cに示した構成により、外部との通信や画像の撮像等は情報処理端末25に処理させておき、移動は、巻き取り手段や摺動手段、回転手段に行わせることが可能となる。
図6B及び図6Cに示すタイプのロボット1を用いる場合、情報処理端末25の内蔵電池によって、通信を行うことができるが、内蔵電池が切れないように、吊り下げ手段から電源が供給されていてもよい。
次に、図8を参照しながら、ロボット1の機能的な構成について説明する。図8は、ロボット1の機能的構成を示すブロック図である。図8において、ロボット1は、ネットワーク23と接続されており、外部のユーザ端末や管理サーバと通信可能となっている。また、ロボット1は、天井等に取り付けられたAC電源22とケーブル2又は2cと接続されており、電源が供給されていることとする。
図8において、ロボット1は、移動手段100と、制御ドライバ101と、カメラ102と、スピーカ103と、各種センサ104と、マイク105と、プロジェクタ106と、表示部107と、メインメモリ108と、内部Flashメモリ109と、LED照明110と、電源回路111と、メインCPU112と、アンテナ113と、AC/DCコンバータ114と、USB端子115と、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信部116と、赤外線通信部117と、ICカードリーダー118と、SIM/USIMリーダー119と、有線/無線LAN通信部120と、電力線通信部(PLC)121とを備える。
移動手段100は、今まで説明したように、回転翼や巻き取り手段、摺動手段のためのモータ等で構成されている。制御ドライバ101は、移動手段100内のモータを駆動するための回路である。
カメラ102は、通常の視点方向のカメラに加え、必要に応じて、周囲を広範囲に撮影可能な全天球カメラや広角カメラ、魚眼カメラ、全方向カメラを用いてもよいし、立体画像を撮像するための立体カメラを用いてもよい。
スピーカ103、マイク105、及びプロジェクタ106については、今までに説明したようなものを用いるとよい。
表示部107は、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機EL、LEDによるディスプレイなど曲面ディスプレイや平面ディスプレイであってもよいし、プロジェクタのための投影面であってもよい。なお、プロジェクタとディスプレイは、任意選択であり、両方用いなくてもよく、どちらか一方だけを用いることとしてよい。
なお、ロボット1が、撮像だけ行なえばよいのであれば、表示部107、スピーカ103、マイク105、及びプロジェクタ106は、無くてもよい。
各種センサ104としては、温度センサや、湿度センサ、高度センサ、距離センサ、生体センサ等を用いることとする。たとえば、温度センサを用いる場合、ロボット1の存在する場所の温度に関する情報を外部に送信する。また、湿度センサを用いる場合、ロボット1の存在する場所の湿度に関する情報を外部に送信する。高度センサを用いる場合、ロボット1の存在する場所の高度に関する情報を外部に送信する。
距離センサを用いる場合、ロボット1の床面からの高さを計測したり、壁面や周囲の障害物、周囲のロボットからの距離を測定して、移動手段による制御に、距離情報を用いる。たとえば、周囲に壁や障害物、他のロボット、人が存在したような場合、ロボット1の移動手段は、外部から移動指示があったとしても、衝突しないように、当該移動指示には従わずに、衝突を回避するように移動するとよい。また、床面やテーブル、棚、商品などにロボット1が近づき過ぎるのも人間との干渉の問題となったり、商品の破損につながったりするため、距離センサによって、床やテーブル、棚、商品などに近づき過ぎないように、ロボット1が制御されているとよい。ユーザによって、移動指示がなされたとしても、周囲との距離が近くなりすぎる場合は、ロボット1自らか若しくは管理サーバによって、ロボット1の移動を制限する。
生体センサを用いる場合、ロボット1の存在する場所にいる人の生体情報を外部に送信する。たとえば、生活支援でロボット1を用いる場合、ロボット1が存在する場所の人の生体情報(脈拍や血圧、血糖値等)を、外部に送信して、外部の支援者(医者や看護師、介護士、家族など)に送信する。
その他、ロボット1内に、レンジファインダや、GPS、人感知センサなどが内蔵されていてもよい。これらの各種センサやオプション機能からのデータを通信手段を介して、外部に送信するとよい。
内部Flashメモリ109、メインメモリ108、及びメインCPU112によって、ロボット全体の動作が制御されている。
AC電源22からの交流は、AC/DCコンバータ114によって、直流に変換され、電源回路111に供給される。なお、AC/DCコンバータ114は、先述したように、筐体3内部に設けられるのではなく、吊り下げ手段内に設けられていてもよい。電源回路111は、必要な電力をメインCPUや制御ドライバ101に供給する。
なお、ここでは、交流を直流に変換するという前提で説明を行うが、交流で動作する装置たとえば、LED照明110や移動手段のためのモータについては、交流電源が直接供給されてもよいことは言うまでもない。
図8に記載した外部I/Oは、全て必要というわけではなく、適宜、必要なものを組み合わせて使用する。ただし、外部との通信手段は、必要となる。ネットワーク23を介した外部との通信手段としては、USB端子115を介した通信、近距離無線通信部116による無線通信、赤外線通信部117による赤外線通信、有線/無線LAN通信部120による有線通信又は無線通信、電力線通信部121による電力線通信などが考えられるが、これに限られるものではない。また、SIM/USIMカードを用いて、アンテナ113を介して、携帯電話網を利用してネットワークに接続することで通信手段が提供されてもよい。その他、あらゆる周知の通信手段を用いて、ロボット1は、ネットワークを介して、外部のユーザ端末や管理サーバと通信することができる。ネットワークとしては、屋内のローカルネットワークや電話回線網、携帯電話網、インターネット網、公衆無線LAN網など、あらゆるネットワークを用いてよい。
ここまで説明したロボット1の実施形態では、天井から筐体を吊り下げるための吊り下げ手段と、ネットワークを介して、外部と通信するための通信手段、外部からの指示に応じて筐体を移動させるための移動手段を必要な構成とし、移動手段によって吊り下げ手段の長さを変化させることで、所望の位置にロボットを移動させることができ、ロボット1を使用しない場合は、天井付近にロボット1を収容しておくことができることとした。なお、情報処理端末25を後付するタイプのロボットの場合(図6B及び図6C)は、通信手段に変わって、情報処理端末25が用いられる。
なお、ロボット1をコミュニケーションサービスに使用するという観点で見た場合、移動手段は、必ずしも必要ではなく、また、ケーブルが人の活動スペース等において邪魔にならないのであれば(たとえば、ペンダントライトなどは、天井から吊り下がっているが活動スペースの邪魔にはならない)、ロボット1において、ケーブルの長さ調整は必要なくなる。
なお、ロボット1内の近距離無線通信部116などを用いて、表示手段に表示すべき画像やスピーカに出力すべき音声などを、外部の情報処理端末やスピーカ等に出力するようにしてもよい。
ただし、移動手段やケーブルの長さ調整手段を用いない場合において、コミュニケーションサービスを提供するには、カメラが広範囲を撮影したり、複数のカメラを一台のロボットで使用するなどの構成を備えておくのが好ましい。この点を、図9及び図10を用いて説明する。
図9(a)は、広範囲を撮影可能なカメラを用いる場合のロボット1の概略構造を示す図である。図9(a)において、ロボット1は、広範囲を撮影するカメラを搭載しているとする。図9(b)は、複数のカメラをロボット1が備えているとした場合の概略構造を示す図である。図9(a)及び図9(b)に示すロボット1は、ペンダントライトのイメージである。
図9(a)のように、広範囲を撮影するカメラを用いた場合、一台のロボット1が撮影した画像の一部を1人のユーザが拡大して、所望の範囲の画像を視聴するという使用方法が考えられる。また、複数のユーザが同時に、一台のロボット1にアクセスして、それぞれが、所望の範囲の画像を拡大して、視聴するという使用方法が考えられる。
図10は、複数のユーザが同時に一台のロボット1にアクセスして、それぞれが、所望の範囲(図に示す点線部分)の画像を視聴しているときのイメージを示す図である。図10(a)に示すように、各ユーザがそれぞれ点線で示した範囲を視聴し、矢印の方向に視聴方向を移動したとしたら、図10(b)に示したように、移動後の範囲をそれぞれのユーザが視聴することができる。このように、広範囲のカメラを用いる場合、ロボット1を移動させるための手段が必ずしも必要とはならないことが分かる。
次に、複数のロボットを使用する場合のホッピングの概念について説明する。図11は複数のロボットA〜Cが用いられているとした場合について説明するための図である。なお、ロボットA〜Cは、移動手段を有しているとしている。
各ロボットは、移動手段を有しているため、一台のロボットにつき、1人のユーザが割り当てられることとなる。したがって、図11(a)に示したロボットA〜Cの画像は、図11(b)に示すように、ユーザA〜Cがそれぞれ視聴することとなる。この際、たとえば、ユーザAのみしか視聴者がいなかったとしたら、ロボットB及びCに割り当てられているユーザはいないので、ユーザAは、ロボットBやCの操作や視聴に切り替えることができる。ロボットを切り替えることをホッピングということにする。
複数のロボットを使用する場合について考えられる問題点を、図12A及び図12Bを用いて、説明する。図12Aは、天井に備え付けられたロボットa〜cを示したものであり、レールa〜cをロボットa〜cが移動できるものとしている。このような場合、各ロボットに回転翼を取り付けて、旋回できるようにしておくと、各ロボットが衝突しないように、最大限の旋回範囲を決めておく必要がある。そして、各ロボットは、決められた最大限の旋回範囲を超えて、移動できないように、制御されている必要がある。仮に、ユーザが最大限の旋回範囲を超えた範囲までの移動を指示したとしても、ロボットは、移動しないようにしておく。このような移動可能範囲の制限は、ロボット自体が判断して行なってもよいし、管理サーバにおいて管理して行なってもよい。もし、最大限の旋回範囲を超えて移動したければ、ロボット若しくは管理サーバが、ユーザ端末に対して、隣接するロボットにホッピングするように促す画面を、ユーザ端末に表示してもよい。
ユーザは、使用したいロボットに適宜ホッピングすることができるが、その場合、各ロボットがどこに存在するのかをユーザ自身が認識できるようにしておく必要がある。そこで、たとえば、あらかじめ撮影した画像を示して、現在、ユーザが操作しているロボットがどこに位置するものであるのか、地図上で表示するようにしてもよい。また、図12Bに示すように、全体画像を撮像するための撮像装置(これもロボットである)を配置しておき、ユーザが操作しているロボットをリアルタイムで指し示すようにしてもよい。これらの画面表示は、ロボットから映像を受け取った管理サーバ内で画像処理や演算処理等を行い、ユーザ端末に必要なデータを送信するようにするとよい。ただし、各ロボットにある程度の画像処理までを実行させて、分散処理により、管理サーバの負荷を軽減してもよいことは言うまでもない。
なお、ホッピングの際に、他のユーザによって、ホッピング先のロボットが使用されている場合は、ホッピングができないようにするか、ホッピング希望先のロボットを他のユーザと時分割して利用するか、あらかじめホッピング先のロボットが撮像していて保存しておいた画像をユーザに提供するかなどして、ソフトウエア的に、ホッピングの重複を管理サーバにて処理するようにするとよい。
以下、本発明のロボットを用いて、サービスを提供するときに取り得る処理方法について、いくつか例を挙げて説明することとする。
図13は、ロボットとユーザ端末が一対一の場合のシステム概略を示す図である。ここでは、ネットワークの記載は省略している(図14〜図19についても同様)。ユーザ端末は、管理サーバに接続して、使用したいロボットへのアクセスを許可してもらう。アクセス許可後、ユーザ端末は、ロボットへ管理サーバを介して若しくは管理サーバを介さず直接アクセスして、ロボットを操作し、ロボットからの画像を視聴する。図13に示すようなシステムとしては、たとえば、在宅支援でのシステムやテレビ会議でのシステム、買い物支援でのシステムでの利用が考えられる。
なお、ロボットとユーザ端末との間で、双方向通信を可能とするための方法については、周知のネットワーク技術を利用することで実現できるので、ここでは、双方向通信に関する技術的な説明を省略する。また、ここでは、管理サーバを介して、アクセス許可をもらうシステムを想定しているが、管理サーバを介さずに、ロボットのグローバルIPアドレスを利用して、ユーザ端末が直接ロボットにアクセスすることもでき、その場合のアクセス許可は、各ロボットによって行われることとなる(図14〜図19についても同様)。
図14は、一台のロボットを複数のユーザ端末で使用する場合のシステム概略を示す図である。各ユーザ端末は、管理サーバに接続して、使用したいロボットへのアクセスを許可してもらう。この際、管理サーバは、アクセス許可を複数のユーザ端末に与えるものとする。アクセス許可後、ユーザ端末は、ロボットへ管理サーバを介して若しくは管理サーバを介さず直接アクセスして、ロボットを操作し、ロボットからの画像を視聴する。図14に示すようなシステムの場合、ロボットの操作を誰が行うかという問題が生じる。このような場合、ロボットは、移動できないというようにして、カメラからの画像の視聴のみとすることも可能であるし、ある一の特別なユーザ端末にのみ操作権限を与え、他のユーザ端末からの操作はできないというようにしておくこともできる。また、カメラを複数搭載している場合は、搭載しているカメラの台数に応じて、カメラを操作できるユーザを割り当てるという方法も考えられる。このようなシステムの使用方法としては、たとえば、劇場の天井に、ロボットを設置しておいて、会場に来ることができなかったユーザに対して、劇場のリアルタイムの画像を提供するという利用方法が考えられる。その場合、劇場の主催者のユーザ端末でのみ移動手段の操作が可能としておくなどの方法が考えられる。また、監視での使用において、複数のユーザが同時に、監視するような場合での使用が考えられる。
図15は、一台のロボットを一台のユーザ端末が操作することができるとし、他のユーザ端末は、ロボットが取り溜めた保存画像を視聴するとした場合のシステム概略を示す図である。一台のユーザ端末は、図13と同様にして、ロボットを操作し、リアルタイムの画像を視聴できるものとする。そして、ロボットは、使用されていない場合、自立的に移動して、あらゆる方向の画像を撮り溜めておくこととする。他のユーザ端末に使用されているロボットにアクセスしたいユーザ端末が現れた場合、当該ユーザ端末には、撮り溜めた画像を送信することで、あたかも、ロボットを操作しているかのようなバーチャルな体験をユーザ端末に与えることができる。この際、リアルタイムの画像と撮り溜めた画像との差分データをユーザ端末に送信するようにしてもよい。差分データの送信は、操作権限を有しているユーザ端末に対して行ってもよい。差分データを送信することで、処理速度の向上が期待できる。
ここで、撮り溜めた画像によって、バーチャルな移動体験をユーザ端末で再現する場合の方法について言及する。たとえば、ロボットが、閉店時間中などに自動で巡回しながら店舗内の商品を順番に撮影しておいて、撮り溜めを行っておく。次に、各商品をより詳細に様々な角度から詳細に撮影した撮り溜めを行っておく。そして、ユーザ端末に対して、撮り溜め画像の送信を行う場合、まず、店舗を巡回する様子をユーザ端末に対して、送信しておき、ユーザが、画面上に映し出された商品をクリックやタップで指示した場合、当該商品についての様々な角度から撮影した詳細な画像データをユーザ端末に対して送信する。これにより、ユーザは、店舗内をまず、大雑把に移動して、陳列されている商品を大まかに理解した上で、興味のある商品を詳細に手に取るようにして確認するといったバーチャルな体験を得ることができる。なお、閉店時だけでなくてもよいのは、言うまでもない。また、撮影用の専用店舗を構築してもよい。
なお、このような撮り溜め画像によるバーチャルなショッピング体験は、図15に示したように、操作権限とは関係なく、全てのユーザ端末に提供するようにしてもよい。
図16は、操作権限を有するユーザ端末を時間制限するときのシステムの概要を示す図である。管理サーバは、ユーザ端末に対して操作権限を一定時間のみ与えることとして、当該時間が過ぎたら、別なユーザ端末に操作権限を移行させることで、ロボットを複数のユーザに使用させることが可能である。
図17は、ロボットが広範囲な画像を撮像するとした場合のシステムの概要を示す図である。ロボットが広範囲な画像(できる限り高画質な方がよい)を撮像しておいて、各ユーザ端末は、所望の範囲を選択して、指定した範囲の画像を管理サーバが拡大して、ユーザ端末に送信するようにしてもよい。なお、この場合、管理サーバは、詳細な画像として、リアルタイムな画像の拡大ではなく、撮り溜めている詳細な画像をユーザ端末に送信することとしてもよい。
本発明では、インターフェイスとして、ロボットを使用するが、商業支援などの活用においては、商品についての具体的な詳細情報を知りたくなった場合には、あらかじめ保存してあるデータをユーザ端末に送信することとして、リアルタイムな画像と保存データとを組み合わせるようにしてもよい。
図18は、一台のロボットに複数のカメラが搭載されている場合のシステムの概要を示す図である。管理サーバは、カメラA〜Cを使用できるユーザ端末をそれぞれ割り当てることとする。カメラA〜Cを移動できるようにしておけば、各ユーザ端末は、所望の方向にカメラを移動させて、所望の画像を視聴することが可能となる。
図19は、複数のロボットをユーザ端末が使用する場合のロボットの切替(ホッピング)に関するシステムの概要を示す図である。管理サーバは、ユーザ端末に、使用したいロボットを選択させて、所望のロボットを操作できるように、操作対象となるロボットを切り替えることができる。
次に、コミュニケーションシステムがどのように使用されるのかについて、その一例をわかりやすいイメージで示すこととする。図20は、ショッピングや倉庫管理にロボット1を使用する場合のイメージを示す図である。店舗や倉庫内に、ロボットを配置しておき、客や管理者が外部からネットワークを介して、ロボットを操作し、購入したい商品や確認したい製品を外部から視聴できるようにしておく。このように、本発明のコミュニケーションシステムは、商業支援に使用することができる。
ここで、倉庫での使用について、本発明のロボット1を用いた場合の作用効果について述べる。現在は、人手不足から移動型ロボットに在庫管理などを実行させるという試みがなされている。しかし、床の移動は困難な場合が多く、また棚の高さ方向の商品の認識も、従来のロボットで難しい。
しかし、本発明のロボット1であれば、照明器具がロボットとなっているわけであるから、いとも簡単に商品管理が可能になる。すなわち、倉庫の商品があるところには、必ず、照明があるわけであり、当該照明をロボットにして、その照明が照らしている範囲をロボットが管理できる。
また、人が倉庫にいても問題なく管理ができる。現状の移動型ロボットでは、人の活動を妨げてしまうし、また、移動しながらしか確認ができないので、人の能力を超える管理は、難しいです。しかし、本発明のロボットであれば、照明の数だけロボットがあることになるので、多数の商品同時に管理することができ、人の移動範囲に比べて高い位置での移動も可能になる。
次に、ショッピングでの使用について、本発明のロボット1を用いた場合の作用効果について述べる。テレビショッピングのような購買モデルを実際のリアル店舗で実現できる。平日、昼間でも買い物ができる。出かけるのが困難な高齢者がリアルな感覚でショッピングができる。介護施設の日常活動の一つとして遠隔散歩、ショッピングができる。高齢者が元気になる可能性がある。将来、センサが進化してくれば、よりリアルな映像や手触り感なども再現できる。
図21は、室内の見守りや監視にロボット1を使用した場合のイメージを示す図である。室内にロボット1を配置しておき、外部から、ユーザが室内の様子を確認することで、見守りや監視に本発明を利用することが可能となる。このように、本発明のコミュニケーションシステムは、生活支援に使用することができる。
ここで、家庭での見守りについて、本発明のロボット1を用いた場合の作用効果について述べる。従来のロボットは、人型など室内に新たなものを導入するものがほとんどであった。しかし、全て室内を人と同じように移動はできないし、また夜に帰宅した時暗闇から突然ロボットの目が光るなどの現象に遭遇すると誰もが一瞬恐怖を感じ、その感触は残存する。いわゆる不気味の谷現象といわれるとも関係するが、人は人に対しても恐怖心を持つのであるから、まして無機物のロボットにはかなりの恐怖感を持つ可能性がある。
一方、照明器具に組み込む本発明のロボットは、普通は照明でしかないが、人は取り付けられている装置がロボットであることを認識している。しかし、普段は単なる照明である。
そして、その装置をロボットとして活用するのは人であるので、ロボットとなる時を、通知手段36などによって、事前に知らせてやれば、恐怖心はなくなり、真っ暗な部屋で電気をつける前、あるいはつけた時に話しかけても、心の準備ができているので、逆に安心感が生まれるということが想定される。
また、普段普通の照明器具であるから、日常的なものであり、これまでのロボットのようにおもちゃを置いていることとは大きく異なる。なぜなら、従来のロボットであれば、動かせば、どこにあったのかを忘れてしまい、これがまた恐怖感を生む原因となるからである。照明器具は天井に固定してあるので、ロボットがどこにいるか人は意識せずに無意識のうちに理解をしていることになる。
また、複数の部屋にロボットを取り付けておけば、部屋を移動すれば、異動先のロボットがいるということになり、これまでのロボットのように、ロボットをどのようにして移動させるという問題を根本的に解決できる。
図22は、街灯に本発明のロボットを使用した場合のイメージを示す図である。街灯の電源供給部分に、ロボット1を取り付けておくことで、監視等に使用することが可能である。なお、街灯は、ロボット1の上方にあるものの、天井ということはできないが、天井にも利用できる構成にしておくことで、室内用途、屋外用とを兼用することが可能であるが、本発明を限定するものではない。
ここで、本発明を屋外や公共施設で使用した場合の作用効果について説明する。たとえば、観光地や公共施設の照明設備に、本発明のロボットを設置しておくことで、遠隔地から、あたかも、その場所に行ったかのような映像による観光体験を行なうことができる。
また、ロボットがいたるところに装着されれば、屋内の位置情報の収集も可能になる。従来、グーグル(登録商標)マップのように、車にカメラをつけて地図情報を更新していくサービスも存在するが、このようなサービスでは、現在は、屋内での画像が存在しない。そこで、本発明のロボットを普及させれば、ロボットによる画像を元に、画像による地図作成が可能となり、公共施設などの屋内の地図情報の作成が可能となる。
街灯で使用する場合、たとえば、痴漢等を検出した場合や、非常ボタンが押された場合には、赤色に点滅するなども考えられる。
また、信号機そのものをロボットにすることも可能である。そうすれば単なる交通信号機が、災害時など緊急時にはロボットとして避難先の誘導や、災害状況などを知らせることが可能になる。信号機が見守り機能を持てることになる。
図23は、劇場などのホールの天井に本発明のロボットを使用した場合のイメージを示す図である。このように、ホールにロボット1を使用することで、劇場に行くことができなかった外部のユーザが演目を視聴することが可能となる。
図24は、釣り竿形式で、ロボットを使用した場合のイメージを示す図である。なお、釣り竿は、天井ということはできないが、天井にも利用できる構成にしておくことで、本発明の技術的範囲に属するロボットとなる。
ここで、図25を用いて、複数のロボットを天井に設置する場合の隣接するロボットのケーブルとの絡み防止について説明しておく。ロボットを天井に設置する設置ポイントと隣のロボットの設置ポイントとの距離を2等分した半径を、円柱の半径として、その円柱の範囲をロボットが移動できると設定する。このように設定すれば、複数のロボットの移動範囲を加え合わせることで、空間全体を複数のロボットでカバーできると共に、ロボットのケーブルが絡むことを防止できる。
上記までの説明で、本発明のコミュニケーションロボットの利用形態は、多岐に渡ることが理解できるが、ロボットの利用パターンを図26にまとめることとする。なお、図26に示す利用パターンも、一例に過ぎず、図26以外に示すパターンも当然考え得る。
一台のロボットが有する条件としては、移動手段が存在し、カメラが1台、プロジェクタが1台の場合と、移動手段が存在し、カメラがn台、プロジェクタが1台の場合と、移動手段が存在せずに、カメラが1台で、プロジェクタも無い場合との3つの場合が考えられる。
第1の場合、ユーザの条件としては、一人目のユーザの場合と、二人目以降のユーザの場合が考えられる。一人目のユーザの場合は、操作、視聴、及びコミュニケーション(ユーザの画像をロボットに表示して、ロボットの前の人と会話等ができる)ともに、可能である。この場合の用途は、代理人ロボットや、買い物、観劇、監視等である。二人目以降のユーザの場合は、操作とコミュニケーションができないが、視聴については、条件付きで可能となる。その条件とは、図26の※1に示したもので、360度の全方向カメラを用いた場合に、視聴範囲を選択して視聴することができたり、撮り溜めた画像を視聴したり、撮り溜めた画像とライブ画像とを合成して(差分データを送信するなど)視聴可能となるものである。この場合、買い物や観劇等に使用できる。
次に、第2の場合であるが、一人目のユーザの場合は、第1の場合と同様である。二人目からn人目のユーザの場合であるが、操作とコミュニケーションができないが、視聴については、条件付きで可能となる。その条件とは、図26の※2に示したものであり、カメラがn台あるので、ユーザに割り当てられたカメラを操作して、当該カメラの画像をユーザが視聴できるという条件である。n+1人目以降のユーザの場合は、※2の条件付きでの視聴となる。
第3の場合であるが、全ユーザが、※1での条件付きでの視聴となる。
なお、n台のカメラを用いることで、ロボット1の全方向を撮影することができるのであれば、ユーザは、自身が視聴したい範囲の画像を選択することで、所望の範囲の画像を視聴することができる。したがって、図26の※1に記載している「360度カメラ」には、n台のカメラを用いることで、全方向を撮影することができるカメラも概念として含まれるものである。
したがって、整理すると以下の通りである。
※1とは、全方向など、360度とは限らないが広い範囲を撮影できることができるようなカメラ(1台とは限らず、複数台で広い範囲を撮影する場合も含む)を用いている場合、操作できないユーザであっても、視聴範囲を選択して、ライブ画像を視聴できる。若しくは、撮り溜めが画像を視聴できる。または、撮り溜めた画像とライブ画像とを合成して視聴できる。
このように、一台のロボットを複数のユーザに使用させたい場合は、条件付きでの使用となるが、本発明のコミュニケーションロボットは、ロボット対ユーザが一対一の場合に限らず、一対多の場合にも利用可能である。
そして、本発明のコミュニケーションシステムでは、複数のロボットを複数のユーザ端末が使用することで、より、有意義な活用が可能となる。以下、複数のロボットを複数のユーザ端末が使用するという前提で、本システムの構成及び動作の概要を説明することとする。
図27は、本発明の一実施形態におけるコミュニケーションシステムの構成概要を示す図である。図27に示すとおり、複数のロボットr1〜rnが、ネットワークを介して、管理サーバに接続されている。また、複数のユーザ端末u1〜umが、ネットワークを介して、管理サーバに接続されている。ロボットのネットワークへの接続は、ローカルネットワークを介した接続でもよい。図27に示すように、管理サーバを介して、ロボットとユーザ端末とが接続されることとなるが、ロボットへのユーザ端末のアクセスが許可された後は、ロボットとユーザ端末とは、インターネットを介して、直接接続してもよいし、管理サーバを介して、接続してもよい。
図28は、ローカルネットワーク内のシステムの構成概要を示す図である。ローカルネットワークとして、たとえば、店舗内に構築された社内LANを想定した場合、社内LANのルータを介して、各ロボットA1〜A4が接続されており、各ロボットは、他のロボットの位置関係やアクセス状況を認識できるようにしておく。
図29は、遠隔ショッピングの場合のユーザ端末での表示される画面の遷移の一例を示す図である。以下、図29を参照しながら、本発明のシステムを利用した遠隔ショッピングの概要について説明する。ここでは、A百貨店のローカルネットワーク内に、ロボットA1〜A4が存在して、棚a1〜a3に対応して、ロボットA1〜A3が配置されているとし、ロボットA4は、全体を撮影しているものと仮定する。
図29の左上の画像のように、A百貨店の仮想ショッピングサイトにおいて、ロボットA4の画像が映し出され、店舗の全体像がユーザ端末に映し出されているとする。この状態で、ユーザ端末によって、ロボットA1が選択されたとする。すると、画面では、ロボットA1の画像が映し出されることなる。適宜、このとき、ユーザ端末を利用して、ユーザは、適宜、店員と会話するなどのコミュニケーションを取ることができる。また、ロボットA1にユーザの顔を映し出すなどして、コミュニケーションをとることができる。
ユーザは、ロボットA1を移動させる指示をユーザ端末に与えるとすると、ロボットA1は、移動して、画面が図29の左下の画像のように遷移する。ここで、興味のある商品が見つかったとすると、ユーザは、当該商品を拡大する指示をユーザ端末に与える。すると、ロボットA1は、カメラをズームするように操作し、ズーム画像をユーザ端末に送信する。なお、管理サーバが、画像処理によって、拡大画像をユーザ端末に送信してもよい。
そして、図29の右下の画面のように、所望の商品が拡大される。ここで、当該商品に二次元コートやバーコード等のコードが付されているとする。当該コードを読み込むこととする。コードの読み込み方としては、ロボットA1がコードを拡大撮影して、ロボットA1がコードに含まれている情報を読み込んで、管理サーバ又はユーザ端末に送信するという方法の他、ユーザ端末に表示されている画面の画像から、ユーザ端末内のリーダーアプリが当該画像からコードに含まれている情報を認識するという方法もある。また、管理サーバが、当該画像からコードに含まれている情報を認識するという方法もある。いずれの方法を利用するにしても、読み込まれた情報が管理サーバに送信される。管理サーバは、当該情報に基づいて、当該情報に対応する商品についての詳細な情報を管理サーバが保存している情報から選択して、ユーザ端末に送信する。ユーザ端末には、図29の右中段のような商品の詳細情報が表示され、必要であれば、買い物に入れて、決済処理へと進むことができる。決済処理後の在庫管理であるが、購入した商品が、リアル店舗の在庫とリンクしていてもよいし、購入した商品は、リアル店舗とは関係なく、倉庫内の在庫とリンクするようにしてもよい。倉庫内の在庫とリンクさせた方が、在庫管理や決済処理が容易であると考えられるが、適宜、リアル店舗の売り上げとして管理するなどしてもよい。
図29には示していないが、適宜、ロボットA4の画像に戻って、A店舗内の他のロボットにホッピングができるようなインターフェイスにしておくとよい。また、A店舗以外の店舗にもホッピングできるように、インターフェイスを構築しておくとよい。
図30は、他の店舗にホッピングする場合のインターフェイスの一例である。たとえば、図30の上段に示すように、B店舗への誘導をA店舗の画面で表示することで、ユーザをB店舗に自然と誘導することも可能である。ユーザがB店舗へのホッピングを選択したとしたら、B店舗の全体映像を撮影しているロボットB4の画像が画面に映し出される。その後、図29と同様にして、ユーザは、B店舗でのバーチャルなショッピングを体験することができる。
図31は、ロボットが360度画像を撮像できるカメラを内蔵していたときのユーザ端末のインターフェイスの一例である。図31の上段の画像のように、360度画像の内、一部の画像が画面に表示されている。ユーザが画面の移動を指示すると、あたかも、ロボットが移動しているかのように、画面が遷移し、移動後の角度からの画像が画面に表示される。そして、ユーザが画像の拡大を指示したら、拡大画像が表示される。このように、高解像度の360度画像をロボットが撮像することで、ロボットの操作権限がないユーザでも、あたかも、ロボットを操作しているかのような体験を得ることができる。
図32は、観劇などの仮想サイトでのインターフェイスの一例である。ユーザ端末を利用して、ロボットを移動させ、移動後の領域で画像を拡大する指示を行うことで、見たい役者の拡大画像などを視聴することが可能となる。なお、観劇などでも、広範囲に撮影できる高解像度のカメラを利用することで、ロボットを移動させずに、あたかも移動しているかのような体験をユーザに与えることも可能である。
図33は、ユーザ端末、管理サーバ、及びロボットの間の動作シーケンスの概要を示すフローチャートである。図33では、図26に示した一人目のユーザ端末についての動作概要を示している。
まず、ユーザ端末は、ネットワークを介して、管理サーバに接続する(S10)。それに応じて、管理サーバは、他のユーザが利用していない利用可能なロボットに関する情報をアクセスしてきたユーザ端末に送信する(S20)。ユーザ端末は、利用可能なロボットの情報を表示する(S11)。そして、ユーザの指示に応じて、ユーザ端末は、利用したいロボットを選択する(S12)。S12の選択において、一人目のユーザであったとしている。
管理サーバは、ユーザからの選択を受信して、利用したいロボットとユーザ端末とを接続する(S21)。これにより、ユーザ端末とロボットとの双方向通信が確立し、ユーザ端末によって、ロボットを操作し、ロボットが撮像している画像をユーザ端末で視聴して、コミュニケーションのための双方向通信を行うことが可能となる(S30)。
双方向通信の間に、ユーザ端末が別なロボットを選択することを希望すれば(S13)、管理サーバが、再度、利用可能なロボットに関する情報をユーザ端末に送信して(S20)、ユーザ端末がロボッを選択できるようにする。
たとえば、商業支援のサービスにおいて、ロボットとユーザ端末との間で、双方向通信が行われている際に、ユーザ端末が、商品の詳細な情報を要求したとする。この場合、ロボットが商品に付されているコードを読み込み、管理サーバに送信する(S31)。それに応じて、管理サーバは、さらに詳しい商品情報を保存しているデータに基づいて、ユーザ端末に送信する(S22)。その後は、通常のECサイトと同様の処理が行われ、ユーザ端末から、商品購入の指示があれば(S14)、商品の決済処理を管理サーバが行い(S23)、在庫管理や商品発送に進むこととなる。
なお、先述したが、商品のコードの読み込みは、ロボット側ではなく、ユーザ端末側で、表示されている画像に基づいて行ってもよい。
図34は、ユーザ端末、管理サーバ、及びロボットの間の動作シーケンスの概要を示すフローチャートである。図34では、図26に示した二人目以降のユーザ端末で、視聴が図26における条件付き※2の場合についての動作概要を示している。
図34において、図33と同様の動作が行われるステップについては、同一の参照番号を付し、説明を省略する。図34において、二人目以降のユーザ端末が管理サーバにアクセスしてきた場合、管理サーバは、利用可能なロボットの情報をユーザ端末に送信する(S20−1)。この際、管理サーバは、複数台のカメラを有するロボットの情報をユーザ端末に送信することとなる。
ユーザ端末は、利用したいロボットを選択する際、カメラを操作できるロボットを選択することとなる(S12−1)。
その後、ユーザ端末とロボットとの通信が確立したら、ユーザ端末がロボットのカメラを操作して、ロボットが撮像した画像をユーザ端末で視聴できることとなる(S30−1)。
視聴の際に、カメラを操作して、好みの商品を見つけたら、ロボットに商品コードを読ませるなどして、購入処理に進むことができる。
図35は、ユーザ端末、管理サーバ、及びロボットの間の動作シーケンスの概要を示すフローチャートである。図35では、図26に示した二人目以降のユーザ端末で、視聴が図26における条件付き※1の場合についての動作概要を示している。
図35において、図33と同様の動作が行われるステップについては、同一の参照番号を付し、説明を省略する。図35において、二人目以降のユーザ端末が管理サーバにアクセスしてきた場合、管理サーバは、利用可能なロボットの情報をユーザ端末に送信する(S20−2)。この際、管理サーバは、視聴のみを行うことができるロボットに関する情報を送信する。
ユーザ端末は、利用したいロボットを選択する際、視聴のみができるロボットを選択することとなる(S12−2)。
その後、ユーザ端末とロボットとの通信が確立したら、ロボットが撮像した画像をユーザ端末で視聴できることとなる(S30−2)。この際、ロボットが広範囲に周囲を撮影している場合は、ユーザ端末で、画像を移動させることで、あたかも、ロボットを操作しているかのような体験を得ることができる。好みの商品などが見つかり、拡大してみたいところがあれば、ユーザ端末は、画像を拡大することができる。このような画像の移動や拡大の処理は、ユーザ端末に送信されてくる画像に基づいて、ユーザ端末内での画像処理によって実現してもよいが、管理サーバが画像の移動や拡大処理を行ってユーザ端末に送信してもよいし、あらかじめ保存されているデータを管理サーバが加工して、ユーザ端末に送信してもよい。なお、これらの画像の移動や拡大の処理は、図33や図34の動作の場合に行われてもよい。本明細書に記載されている処理は、適宜、組み合わせて適用してよい。
ロボットから送られてくる画像によって、好みの商品が見つかったら、ユーザ端末は、商品のコードをロボットに読み込ませるか、ユーザ端末内でコードを読み込むかして、管理サーバとの間で、商品情報をやりとりして購入処理に進むことができる。
図36は、管理サーバによる複数のロボットの管理の概要を示すフローチャートである。管理サーバは、各ロボットの利用ユーザを管理する(S40)。たとえば、管理サーバは、「ロボットA1は、ユーザu1が使用している」というように管理している。ユーザ端末からロボットの利用要求があれば、管理サーバは、管理内容を更新する(S41)。たとえば、ロボットA1の利用について、二人目のユーザu2から利用要求があれば、管理サーバは、「ロボットA1は、ユーザu1及びu2が使用している」というように管理内容を更新する。ユーザ端末から別なロボットの利用要求があれば、管理サーバは、管理内容を更新する(S42)。たとえば、ロボットA1を利用していたユーザu1がロボットA2の利用を希望している場合、管理サーバは、「ロボットA1はユーザu2が利用、ロボットA2は、ユーザu1が利用している」というように管理内容を更新する。
管理サーバは、ロボットとユーザとを対応付けるともに、ユーザに許可されている権限(操作が可能な権限であるか、視聴のみの権限であるかなど)も合わせて管理する。
図37は、ローカルネットワーク内のロボット間において、衝突を回避するためのロボットの動作を示すフローチャートである。ロボットは、他のロボットに対して、自身の位置情報を送信する(S50)。位置情報とは、筐体の高さやケーブルの角度、レール上の位置などである。
また、ロボットは、他のロボットからの位置情報も受信する(S51)。
ユーザ端末からの操作指示があった場合、移動後の位置が、他のロボットの位置と干渉し、衝突が生じないか否かをロボットは、判断する(S52)。ロボットは、干渉が生じない場合、指示通りに移動し、干渉が生じる場合、干渉しない限界値まで移動する(S53)。限界値については、図25に示したように、予め決めておくことができる。
図38は、ロボット1が撮り溜めた動画を保存するときのシステムの概要を示す図である。図38において、ロボットA1には、棚a1が割り当てられているとし、同様にして、ロボットAnには、棚anが割り当てられているとする。棚a1には、商品x1〜xmが陳列されているとする。ロボットA1が棚a1を巡回して撮影したデータが棚a1の巡回動画となる。同様に、ロボットAnが棚anを巡回して撮影したデータが棚anの巡回動画となる。なお、店舗の全体動画も撮影されているとする。なお、ロボットによる撮影は、閉店時などに行なえば、他の客の映り込みや邪魔になることなどを防止できる。なお、ロボットによる撮影は、自動的に行なわれてもよいし、たとえば、店舗側の人が、商品等を確認しながら、手動で行なってもよい。
ロボットA1は、巡回動画を撮影すると共に、棚a1に存在する商品x1〜xmの詳細動画を撮影する。同様にして、ロボットAnも、商品の詳細動画を撮影する。
これらの撮影は、各ロボットが移動しながら行なわれる。巡回動画の場合は、棚を全体的に移動しながら撮影し、詳細動画の場合は、ロボットが商品に近づいて撮影する。
管理サーバは、商品毎に、巡回動画及び詳細動画と関連づけて、商品情報(価格やサイズ、素材、品質、仕様、機能など)を保存しておく。
このようにして、管理サーバに保存されている保存データを複数のユーザ端末u1〜ukが視聴し、商品を購入できるようになっている。
図39は、図38に示すシステムの動作の概要を示す図である。まず、管理サーバが、ロボットに対して、撮影指示を行なう(S61)。なお、ロボットに直接、人間が撮影を指示してもよい。
ロボットは、撮影指示を受信し(S71)、各棚の巡回動画の撮影を行ない、データを管理サーバに送信する(S72)。このとき、複数のロボットが、各自が担当する棚を撮影してもよいし、一つのロボットだけが担当する棚を撮影してもよい。
そして、管理サーバは、巡回動画を保存する(S62)。次に、ロボットが、各商品の詳細動画を撮影し、管理サーバに送信する(S73)。
これに応じて、管理サーバは、詳細動画を保存し(S63)、各動画と商品情報とを関連づけて保存しておく(S64)。このようにして、店舗内の商品の撮影が完了する。
次に、ユーザ端末が、店舗の仮想ショッピングサイトに訪問したとした場合、まずは、巡回動画を表示して、ユーザに視聴させる(S81)。ユーザによって、巡回動画が視聴されている最中に、興味のある商品が選択されたとする(S82)。当該選択は、クリックやタップなどで行なわれるが、限定されない。
商品が選択された際、ユーザ端末は、商品に付されているコードを読み込んで、読み込んだコードを管理サーバに送信する。これに応じて、管理サーバは、対応する商品を認識して(S65)、詳細動画をユーザ端末に送信する(S66)。ユーザ端末では、詳細動画が表示され、ユーザに視聴される(S83)。
その後、さらに、詳細な商品情報の送信がユーザ端末によって要求されたとしたら(S84)、管理サーバは商品情報をユーザ端末に送信し(S67)、ユーザ端末は、商品情報を表示する(S85)。もし、当該商品を購入したい場合は、決済処理に進む。
なお、図38及び図39では、商品購入を想定した記載となっているが、物体に対する巡回動画、物体に対する詳細動画、物体に対する詳細情報として概念化して、捉えることができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。