JP6551784B2 - レジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法および炭酸濃度管理装置 - Google Patents

レジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法および炭酸濃度管理装置 Download PDF

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Description

本発明は、フォトリソグラフィ工程に用いられるレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法および装置に関するものであり、特に、銅膜上に設けられたノボラック樹脂を有するレジスト膜をアルカリ溶液で剥離する際の剥離液中の炭酸濃度の管理方法および管理装置に係る。
フォトリソグラフィ工程は、集積回路を作製するのに用いられ、現在では、フラットパネルといった表示装置の薄膜トランジスタ回路形成にも用いられている。エッチングでは、対象とする薄膜の残したいパターン若しくはなくしたいパターンの形状にレジスト膜を成形し、ウエットエッチングやドライエッチング等で対象とする薄膜を加工し、その後不要となったレジスト膜を除去する。特に、導電ラインをウエットエッチングで加工する機会は現在非常に多い。
従来導電ラインは、アルミニウムで形成されていた。導電率が高く、アルカリ液に対して比較的耐性が高いため、他の膜に影響を与えることなく、レジストを剥離することができたからである。
しかし、フラットパネルなどのように、広い面積に多くのトランジスタを形成する場合は、アルミニウムよりも高い導電率を有する材料が必要となった。銅は安価であって導電性もアルミニウムより高く、フラットパネルに利用するには好適な材料である。しかし、銅は酸性溶液だけでなく、アルカリ溶液にも容易に溶解しやすいため、レジスト剥離工程で、銅膜が消失してしまうという課題があった。
この課題に対して、特許文献1は、レジスト剥離液に添加剤を加えることで、銅膜へのダメージを低減し、銅膜のレジスト剥離を可能にする技術を示した。その後、特許文献2では、アミンを用いたアルカリ系の剥離液が提案された。
さらに、三級アミンと2種類の極性溶媒および水を有するレジスト剥離液が、提案されている。このレジスト剥離液は、銅膜上に形成されたノボラック樹脂を含む、所謂ポジ型レジストを、銅膜にダメージを与えることなく、銅膜上のレジストを剥離することができる。
一方、特許文献4では、レジスト剥離液のライフタイムに対して、レジスト剥離液中の炭酸濃度が増加すると、剥離力が減少するという報告があった。特許文献4では、レジスト剥離液中の炭酸濃度が3重量%を超えていると、剥離力が低下するとされている。
特開2001−188363号公報 特開2012−113101号公報 特開2012−225959号公報 特開2003−122029号公報
三級アミンと2種類の溶媒および水を有するレジスト剥離液は、上記のように銅のエッチングに対して好適に利用することができる。しかし、使用しているうちに、レジストの剥離力が低下する前に、銅膜の表面が荒れるという現象が確認された。
銅膜の表面が荒れるというのは、銅膜が消失若しくは一部消失するといったことは生じないものの、銅膜の消失若しくは一部消失に繋がることが経験則上わかっている。つまり、銅膜の表面が荒れるというのは、銅膜が表面から金属腐食されていると解される。
銅膜の表面が荒れて、凹凸ができると、レジスト剥離工程において、凹んだ部分に薬液や水が残存する可能性が高まる。薬液や水が凹みに残存した場合、剥離工程後の成膜工程における加熱によって、残存薬液や水分が膨張し、膜剥がれといった不具合を起こす課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、レジスト剥離液中の炭酸成分が上昇すると電気伝導度が上昇し、ガルバノ電流が流れるために銅膜が少しずつ溶解しているのが原因であると結論付け本発明を想到するに至った。つまり本発明は、上記のレジスト剥離液で銅膜上のノボラック樹脂を含むレジスト膜を安定して剥離するためのレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法および管理装置を提供するものである。
より、具体的に本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法は、
銅膜上に形成されたノボラック樹脂とナフトキノンジアゾからなるレジスト膜を、
三級アミンと、
極性溶媒と、
水を含むレジスト剥離液で剥離する工程と、
前記レジスト剥離液中の炭酸濃度をNDIR装置で測定する工程と、
前記レジスト剥離液中の炭酸濃度が2000ppm以上になったら、前記レジスト剥離液の少なくとも一部を入れ替える工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置は、
銅膜上に形成されたノボラック樹脂とナフトキノンジアゾからなるレジスト膜を、
三級アミンと、
極性溶媒と、
水を含むレジスト剥離液を貯留する貯留部から循環使用しながら剥離するレジスト剥離装置に用いるレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理装置であって、
前記貯留部中の前記レジスト剥離液を取り出すサンプル取得用配管と、
前記サンプル取得用配管に接続されたNDIR装置と、
前記NDIR装置で測定された前記レジスト剥離液中の炭酸濃度が2000ppm以上になったら前記レジスト剥離液の一部を交換するための信号を発信する制御装置を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法では、レジスト剥離液中の炭酸成分濃度が2000ppm以上になるとレジスト剥離液の少なくとも一部を入れ替えるので、レジスト剥離液中の炭酸成分は常に2000ppm未満に維持される。したがって、銅膜上に形成されたノボラック樹脂を有するレジスト膜を剥離しても、銅膜の荒れを抑制することができる。
また、レジスト剥離液中の炭酸成分は非分散型赤外線吸収装置を用いて測定する。そのため、非常に感度が高く、またレジスト剥離液中に溶解したレジスト成分が増えても、同じ精度で測定を続けることができる。
レジスト剥離装置と、本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置の構成を示す図である。 NDIR装置の構成を示す図である。 NDIRと電気伝導率との測定精度を比較するグラフである。 レジスト剥離液中の炭酸濃度が20ppmの場合と2000ppmの場合で銅膜の表面の腐食状態をSEM観測した写真である。
以下、図を参照しながら本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法および管理装置について説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、改変し実施することができる。
図1には本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置の構成を示す。レジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置1は、レジスト剥離装置50の一部であってもよい。レジスト剥離装置50は、被処理物62を搬送するコンベア54と、コンベア54の下方に設けられたレジスト剥離液の貯留部52と、貯留部52からコンベア54上方まで配置されたシャワー用パイプ56と、被処理物62にレジスト剥離液を吹き付けるシャワー58と、シャワー用パイプ56の途中に設けられたポンプ60を含む。
そして、レジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置1は、貯留部52から剥離液は配送するサンプル取得用配管12と、その配管に接続されたNDIR装置10と、NDIR装置10に接続された制御装置14を有する。また、制御装置14には、表示器16が接続されていてもよい。
サンプル取得用配管12は、レジスト剥離装置50のシャワー用パイプ56若しくは貯留部52からレジスト剥離液の一部を取得するためのものである。したがって、サンプル取得用配管12の一端は、貯留部52もしくはシャワー用パイプ56の少なくともいずれかに接続されてよい。なお、いずれの場所から取得したレジスト剥離液のサンプルであっても、貯留部52中のレジスト剥離液を取得したといってよい。レジスト剥離装置50では、レジスト剥離液は循環しているからである。
サンプル取得用配管12の他端は、NDIR(Non Dispersive InfraRed)装置(非分散赤外吸収装置)10に接続されている。NDIR装置10は、よく知られているように、光を分光せずに吸収量を測定する装置である。図2に簡単な原理を示す。サンプリングされたレジスト剥離液はガス発生セル20に投入される。ガス発生セル20内には、無機強酸溶液が予め注入されている。
ガス発生セル20内において、レジスト剥離液と無機強酸溶液の混合液となった状態で、不活性ガスなどでバブリングを行う。レジスト剥離液中の炭酸成分はガス発生セル20内の無機強酸溶液によって二酸化炭素ガスとなって、気化し、ガス発生セル20のヘッドスペース20hに貯留する。それをキャリアガスと共に、吸収室24に導入する。
吸収室24は一方端と他方端が透明部材で形成されており、一方端からスリット26を通した光源28の光を入れる。ここで、光源28からの光を分散させることなく、吸収室24に導入する。吸収室24の他方端から抜けた光は、測定室30に導入される。測定室30は、薄膜32で少なくとも2つの部屋に分けられている。
吸収室24に近い方の部屋には二酸化炭素が充填されている二酸化炭素室34であり、他方の部屋は、静電容量など、体積を検出するための容量室36となっている。容量室36には、容量室36の体積変化を検出する測定器38の端子38tが備えられている。
光源28から発せられた光は、吸収室24を通過する。その際吸収室24に二酸化炭素が含まれていると、二酸化炭素に応答する波長成分だけは、二酸化炭素の量に応じて吸収される。吸収室24を通過した光は二酸化炭素室34に入り、二酸化炭素が吸収可能な波長成分で残っている光量分だけ二酸化炭素を加熱し膨張させる。すなわち、NDIR装置10は、光の吸収を体積の変化に置き換えて、炭酸ガス量を測定する。なお、測定された二酸化炭素の量は信号Scによって制御装置14に送信される。
なお、NDIR装置10では、吸収室24に送られるサンプルのガスから二酸化炭素と吸収帯が近接している水分を除去する点と、レジスト液中の炭酸成分を追い出すことができ、炭酸ガスとは吸収帯が異なるキャリアガスの選択が、精度のよい測定のためのポイントとなる。図2では、ガス発生セル20から吸収室24までの二酸化炭素移送配管40の途中に冷却機22を設けた例を示した。
以上のような構成を有するレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置1についてその動作を説明する。図1を再度参照して、被処理物62はコンベア54上に載置され、レジスト剥離装置50内に移送されてくる。被処理物62は、露光、リンスといった工程が終了した基板である。したがって、基板上には少なくとも銅膜と銅膜上に形成されたレジスト膜が存在する。レジスト膜はノボラック樹脂とナフトキノンジアゾ(NQD)が混合されたもので構成されている。
なお、レジスト膜は、露光されるとナフトキノンジアゾがインデンカルボン酸に変化し、アルカリ溶液に溶解する。したがって、レジスト剥離工程で銅膜上に残留しているレジスト膜は、ノボラック樹脂とナフトキノンジアゾが混合され、レジスト膜を強固にするために加熱処理(ベイク処理)の工程を経たレジスト膜である。
レジスト剥離装置50では、貯留部52に溜まったレジスト剥離液がポンプ60によってシャワー用パイプ56中をシャワー58まで移送される。そしてシャワー58からレジスト剥離液が被処理物62に吐出される。吐出されたレジスト剥離液は、被処理物62上のレジスト膜を剥離し、貯留部52に戻る。このように、レジスト剥離液は、貯留部52から送り出され、レジスト膜を剥離した後、再び貯留部52に戻る。すなわち、レジスト剥離液は、貯留部52から循環使用されているといえる。
レジスト剥離液は、三級アミンと、2種類の極性溶媒と水を混合したものである。ここで2種類の極性溶媒は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)とプロピレングリコール(PG)が好適に利用できる。
レジスト剥離液は、循環使用しているので、炭酸成分の濃度が徐々に高まる。すると、被処理物62の銅膜の表面が荒れてくる。そこで、炭酸成分の濃度をNDIR装置10で測定する。
より具体的には、NDIR装置10は制御装置14からの指示によって、貯留部52からレジスト剥離液を取得する。レジスト剥離液の取得は、サンプル取得用配管12を通じてNDIR装置10内にレジスト剥離液を移送することで行う。なお、サンプル取得用配管12には途中にサンプル取得ポンプ13が設けられていてもよい。
NDIR装置10は、サンプリングしたレジスト剥離液をアルゴンガスでバブリングし、発生したガスを吸収室24に導入する。そして、所定の時間吸収室24を介して二酸化炭素室34内に光を照射する。そして、二酸化炭素室34内の二酸化炭素の体積膨張分を容量室36の変化で計測する。NDIR装置10は、この体積膨張分を信号Scとして制御装置14に通知する。
信号Scを受信した制御装置14は、二酸化炭素の体積膨張分(レジスト剥離液内の炭酸成分に比例する)が所定の閾値を越えているか否かについて判断を行う。そして閾値を超えていたら、銅膜の表面に荒れが生じる虞がある旨の注意信号Swを発信する。発信する先は例えば表示器16であってよい。
レジスト剥離装置50の制御部(図示せず)は、この信号を受けてレジスト剥離液の一部を入れ替えるといった工程を実施することができる。
レジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置1は、定期的に貯留部52中のレジスト剥離液中の炭酸成分の濃度を検出する。そこで、レジスト剥離液中の炭酸成分の濃度が閾値以下になったら先の注意信号Swを取り消す。若しくは、レジスト剥離液は安全に使用できる旨を知らせる信号Srを発信してもよい。
以上のように、本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法およびレジスト剥離液管理装置によれば、レジスト剥離液中の炭酸成分が2000ppm未満に維持することができるので、銅膜の表面に与えるダメージを抑制することができ、実質的に回避しているといえる。
以下本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法および管理装置について実施例を示す。
<NDIR装置10を使用する理由>
本発明においては、レジスト剥離液中の炭酸成分の微量を検出する必要がある。このような場合、レジスト剥離液の電気伝導率を測定する方法もある。しかし、レジスト剥離液は、アルカリ性の溶液であるので、中にはさまざまなイオン成分が存在し、微量な測定には適応しない。以下実施例で確認した。
使用したレジスト剥離液は、以下の組成のものである。
三級アミン(MDEA(N−メチルジエタノールアミン)) 1.5質量%
極性溶媒(BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)) 40質量%
極性溶媒(PG(プロピレングリコール)) 28.5質量%
水 30質量%
このレジスト剥離液に炭酸ガスをバブリングした。バブリング前後のレジスト剥離液の重量からレジスト剥離液中に調合された二酸化炭素量をCO調合値(ppm)とした。次にこのレジスト剥離液中のCO量をNDIR装置10(キャリアガスはArガス)で測定した場合と、電気伝導率を測定した場合の結果を図3に示す。
図3(a)は、NDIR装置10を用いた場合であり、図3(b)は、電気伝導率を測定した場合である。両グラフとも、横軸はCO調合値(ppm)である。図3(a)の縦軸は、CO測定値(ppm)であり、図3(b)の縦軸は電気伝導率(mS/m)である。
NDIR装置10の場合は、CO調合量が2000ppm未満の場合であっても、良好な直線性を示している。一方、電気伝導率の場合は、調合率が2000ppm未満では直線性が悪化している。また、CO調合値に対して電気伝導率の変化が小さく感度が悪い。
特に、後述する実施例では、レジスト剥離液中の炭酸成分が2000ppmの段階で、銅膜の表面に荒れを確認した。したがって、本発明に係るレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法(若しくは管理装置)においては、NDIR装置10を用いて炭酸濃度を測定するのが望ましい。
<銅膜上の荒れについて(腐食性評価)>
いくつかのレジスト剥離液について、炭酸濃度の変化によって銅膜の荒れ(以下「腐食性」とも呼ぶ。」がどのような状態になるかを実験で確認した。
また、用いたレジストは、いずれの場合も、ノボラック樹脂50質量%、ナフトキノンジアゾ50質量%のものである。
腐食性評価用基板としては、シリコン基板上にシリコン熱酸化膜を100nmの厚みに成膜し、シリコン熱酸化膜上にスパッタ法で銅膜を300nmの厚みで成膜し、Cu膜サンプルを作製した。これを「Cu gate」と呼ぶ。同様にシリコン基板上のシリコン熱酸化膜上に、モリブデン膜を20nmの厚みで成膜し、その上に続けて銅膜を300nmの厚みで成膜し、Cu/Moの積層膜サンプルを作製した。これを、「Cu/Mo gate」と呼ぶ。また、シリコン基板上のシリコン熱酸化膜上にアルミニウム膜を300nmの厚さで成膜し、Al膜サンプルを作製した。これを「Al gate」と呼ぶ。
これらの評価サンプル上に配線形状にパターニングしたレジストをおよそ1μmの厚さで形成し、腐食性評価用の基材とした。つまり、腐食性評価用基板は、シリコン基板上のシリコン熱酸化膜上に形成されたCu膜、Cu/Mo膜、Al膜のいずれかの層と、その上に配線形状に形成されたレジスト層からなる。なお、これらの腐食性評価用基板は、140℃5分の加熱処理(ベイク処理)を行った。
これらの腐食性評価用基板を銅膜用若しくは、アルミニウム膜用のエッチャントにジャストエッチングする時間の間浸漬させ、エッチングを行った。その後エッチング後の腐食性評価用基板を40℃に保持したサンプルレジスト剥離液に2分間浸漬させ、レジスト膜を剥離した。サンプルレジスト剥離液に2分間浸漬させた腐食性評価用基板を洗浄し、乾燥させた後、銅膜の表面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察した。SEMでの観測条件は30kVで30,000倍の倍率で行った。
評価の方法は、SEM観察によって、銅膜、モリブデン膜、アルミ膜に腐食が認められない場合は丸印とし、膜の明らかな腐食若しくは剥離が認められた場合は、バツ印とした。
なお、ジャストエッチングの判断は、エッチング開始からシリコン熱酸化膜が目視で確認できた時点とした。
次にサンプルレジスト剥離液の組成について示す。なお、組成中炭酸濃度は質量%(ppmで表示している)であるが、後から添加するため、他の成分100質量%に対しての分量とした。つまり、炭酸濃度まで含めると以下の組成は100質量%を超える。
(実施例1)
実施例1は以下の組成でサンプルレジスト剥離液とした。
三級アミン(MDEA(N−メチルジエタノールアミン)) 5.0質量%
極性溶媒(BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)) 40.0質量%
極性溶媒(PG(プロピレングリコール)) 24.0質量%
水 31.0質量%
炭酸濃度 20ppm
(比較例1)
比較例1は以下の組成でサンプルレジスト剥離液とした。
三級アミン(MDEA(N−メチルジエタノールアミン)) 5.0質量%
極性溶媒(BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)) 40.0質量%
極性溶媒(PG(プロピレングリコール)) 24.0質量%
水 31.0質量%
炭酸濃度 2000ppm
(実施例2)
実施例2は以下の組成でサンプルレジスト剥離液とした。
三級アミン(MDEA(N−メチルジエタノールアミン)) 5.0質量%
極性溶媒(BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)) 40.0質量%
極性溶媒(PG(プロピレングリコール)) 20.6質量%
水 31.0質量%
添加物(アミノアルコール(MMA)) 1.9質量%
添加物(ソルビトール) 1.5質量%
炭酸濃度 20ppm
(比較例2)
比較例2は以下の組成でサンプルレジスト剥離液とした。
三級アミン(MDEA(N−メチルジエタノールアミン)) 5.0質量%
極性溶媒(BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)) 40.0質量%
極性溶媒(PG(プロピレングリコール)) 20.6質量%
水 31.0質量%
添加物(アミノアルコール(MMA)) 1.9質量%
添加物(ソルビトール) 1.5質量%
炭酸濃度 2000ppm
実施例1または実施例2、比較例1または比較例2について、上記の組成と結果を表1に示す。
表1を参照して、実施例1および比較例1は、同じレジスト剥離液の組成であって、炭酸濃度が20ppmと2000ppmの違いがある。結果は、実施例1のように炭酸濃度が20ppmでは、SEM観察でもなんの問題もなかった。しかし、炭酸濃度が2000ppmであると、銅膜の表面が明らかに腐食され、荒れていた。これは銅膜自体が剥離を起こしたり、溶解して消失するといったレベルではない。
しかし、銅膜の表面の荒れは、上に形成される膜との接着性に悪影響を及ぼし、また、いずれ剥離若しくは消失の原因にもなる。したがって、2000ppmの状態では、レジスト剥離液の少なくとも一部を入れ替えたほうがよいと判断できる。
また、実施例2および比較例2も組成が同じであって、炭酸の濃度が20ppmと2000ppmのように異なる場合である。実施例1と実施例2は、添加剤が入っていない場合と入っている場合の差である。結果は、実施例1および比較例1の場合と同じであった。つまり、比較例2の銅膜の表面は腐食されていた。
図4には、この時のSEM写真を示す。図4(a)は、実施例1の場合である。実施例2の場合もSEM写真観察では実施例1の場合と区別がつかなかったので、図4(a)には、実施例1および2の場合であると示した。なお、全ての写真において、右下の白矢印は1μmの長さを示す。
レジスト剥離液中の炭酸濃度が20ppmでは、銅膜の表面は、成膜後の状態とほとんど区別はつかなかった。一方、比較例1の場合では、明らかに銅膜の表面が凸凹になっており、腐食が進んでいると確認できた。また比較例2の場合も、比較例1ほどではないものの、実施例1及び2と比較すると、明らかに凹凸が認められ、腐食が進んでいると確認できた。
本発明に係るレジスト剥離液は、Cuを三級アミンと極性溶媒および水の組成を基本とするレジスト剥離液中の炭酸濃度の管理方法に好適に利用することができる。
1 レジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置
10 NDIR装置
12 サンプル取得用配管
13 サンプル取得ポンプ
14 制御装置
16 表示器
20 ガス発生セル
20h ヘッドスペース
22 冷却機
24 吸収室
26 スリット
28 光源
30 測定室
32 薄膜
34 二酸化炭素室
36 容量室
38 測定器
38t 端子
40 二酸化炭素移送配管
50 レジスト剥離装置
52 貯留部
54 コンベア
56 シャワー用パイプ
58 シャワー
60 ポンプ
62 被処理物
Sc 信号
Sw 信号
Sr 信号

Claims (4)

  1. 銅膜上に形成されたノボラック樹脂とナフトキノンジアゾからなるレジスト膜を、
    三級アミンと、
    極性溶媒と、
    水を含むレジスト剥離液で剥離する工程と、
    前記レジスト剥離液中の炭酸濃度をNDIR装置で測定する工程と、
    前記レジスト剥離液中の炭酸濃度が2000ppm以上になったら、前記レジスト剥離液の少なくとも一部を入れ替える工程を有することを特徴とするレジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法。
  2. 前記三級アミンがMDEA(N−メチルジエタノールアミン)であり、
    前記極性溶媒が
    BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)と、
    PG(プロピレングリコール)との混合極性溶媒であることを特徴とする請求項1に記載されたレジスト剥離液中の炭酸濃度管理方法。
  3. 銅膜上に形成されたノボラック樹脂とナフトキノンジアゾからなるレジスト膜を、
    三級アミンと、
    極性溶媒と、
    水を含むレジスト剥離液を貯留する貯留部から循環使用しながら剥離するレジスト剥離装置に用いるレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置であって、
    前記貯留部中の前記レジスト剥離液を取り出すサンプル取得用配管と、
    前記サンプル取得用配管に接続されたNDIR装置と、
    前記NDIR装置で測定された前記レジスト剥離液中の炭酸濃度が2000ppm以上になったら前記レジスト剥離液の一部を交換するための信号を発信する制御装置を有することを特徴とするレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置。
  4. 前記三級アミンがMDEA(N−メチルジエタノールアミン)であり、
    前記極性溶媒が
    BDG(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)と、
    PG(プロピレングリコール)との混合極性溶媒であることを特徴とする請求項3に記載されたレジスト剥離液中の炭酸濃度管理装置。
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