以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンター100(画像形成装置)の斜視図である。図2は、プリンター100の内部構造を概略的に示す断面図である。図1および図2に示されるプリンター100は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
プリンター100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101(装置本体)を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103と、上壁102と底壁103との間の本体後壁105と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を備える。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。また、筐体101は、一対の左壁101Lおよび右壁101Rを備える(図1)。左壁101Lおよび右壁101Rは、筐体101の左右の側面を形成する壁部である。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104には、手差しトレイ104Aを含む前カバー106が配置される。前カバー106は、下端を支点として、上下に回動可能である(図2の矢印DT)。一方、上壁102の前端部102Bは、アーム108を支点として後方に回動可能とされている(図1)。図1に示すように、上壁102の前端部102Bおよび前カバー106がそれぞれ開放されると、本体内部空間107がプリンター100の外側に露出する。この結果、後記の画像形成ユニット120Hが筐体101の内部に装着可能とされる。また、シート搬送路PPにおいてシートSが詰まった場合には、シートSが除去可能とされる。
図2を参照して、プリンター100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向(以下、単に搬送方向ともいう)の下流(以下、単に下流ともいう)に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126と、クリーニング装置127とを備える。なお、後記のとおり、現像装置20およびトナーコンテナ30は、画像形成ユニット120Hとして、筐体101に対して一体的に着脱可能とされる。
感光体ドラム121は、円筒形状を有し、筐体101に回転可能に支持されている。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される周面を有するとともに、前記周面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナー(現像剤)を供給する。トナーコンテナ30は、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱可能に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。
クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
プリンター100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
次に、図3乃至図11を参照して、本実施形態に係る画像形成ユニット120H(現像装置20およびトナーコンテナ30)について詳述する。図3は、本実施形態に係る画像形成ユニット120Hおよび後記の本体ユニット150(ガイド部)の斜視図である。図4は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の斜視図である。図5は、本実施形態に係る現像装置20の斜視図である。図6は、画像形成ユニット120Hの一部の上面図である。
また、図7乃至図9は、画像形成ユニット120Hおよび本体ユニット150の断面図であって、後記のロックレバー50が押圧される様子を示す図である。また、図10および図11は、本実施形態に係る画像形成ユニット120Hおよび本体ユニット150の断面図であって、図10は位置決め機構150Sによって画像形成ユニット120Hが位置決めされた様子を示す図であり、図11は位置決め機構150Sによる画像形成ユニット120Hの位置決めが解除された様子を示す図である。なお、図7乃至図9の各断面図は、図6のX−X線における断面図に相当し、図10および図11の各断面図は、図6のY−Y線における断面図に相当する。
前述のように、画像形成ユニット120H(図3)は、現像装置20と、トナーコンテナ30とを含む。画像形成ユニット120Hは、筐体101に対して、所定の着脱方向に沿って着脱可能とされる。この結果、トナーコンテナ30は、現像装置20と一体的に筐体101に装着されることが可能である。なお、先に、現像装置20が筐体101に装着されている場合には、トナーコンテナ30は、筐体101内の現像装置20に単独でも装着される。図2および図3の矢印DAは、筐体101に対する画像形成ユニット120Hの装着方向を示している。
更に、プリンター100は、本体ユニット150(ガイド部)を備える(図3、図7)。本体ユニット150は、筐体101に配置され、画像形成ユニット120Hの着脱をガイドする。図1に示すように、前カバー106が筐体101に対して開放されると、本体ユニット150が筐体101の外部に露出する。画像形成ユニット120Hは、本体ユニット150の上方を通過するように、筐体101の本体内部空間107に装着される。図3に現れているように、本体ユニット150は、側面視で略三角形状からなり、左右方向に長く延びたユニットである。本体ユニット150は、位置決め機構150S(図10)と、被係合部153(図3、図7)と、ガイド面154(図7)と、を備える。
位置決め機構150Sは、本体ユニット150の左右方向の両端部に一対配置されている。位置決め機構150Sは、付勢突起151(ユニット当接部)と、ユニット付勢ばね152(付勢部材)と、を備える。付勢突起151は、筐体101に装着された画像形成ユニット120Hのハウジング被押圧部200K(図10)に当接する。図10に示すように、付勢突起151は、画像形成ユニット120Hの筐体101に対する装着方向に沿って先細の先端部を備えている。ユニット付勢ばね152は、付勢突起151を後方に向かって付勢している。換言すれば、ユニット付勢ばね152は、筐体101内の後記の第1の位置に装着された画像形成ユニット120Hを後方に向かって付勢し、画像形成ユニット120Hの位置決めを行う。
ガイド面154(図7)は、本体ユニット150の上面部に形成されている。ガイド面154は、画像形成ユニット120Hの装着をガイドする機能を備えている。ガイド面154は、前方から後方に向かって先下がりの傾斜面を備える。また、ガイド面154のうち当該傾斜面の更に後端側は、水平面とされている。被係合部153は、ガイド面154よりも画像形成ユニット120Hの装着方向(図3の矢印DA方向)先端側に配置されている。被係合部153には、後記のロックレバー50のフック506(図7)が係合可能とされる。
図4を参照して、トナーコンテナ30は、内部にトナー(現像剤)を収容する。トナーコンテナ30は、コンテナ本体30Aと、コンテナ蓋部30Bと、コンテナカバー30Cとを備える。コンテナ本体30Aは、左右方向(長手方向)に延びる形状を備えている。なお、コンテナ本体30Aの上面部は開口されている。
コンテナ蓋部30Bは、コンテナ本体30Aの開口部を塞ぐように、コンテナ本体30Aに固定される。本実施形態では、コンテナ蓋部30Bはコンテナ本体30Aに溶着固定される。コンテナ蓋部30Bは、第1把持部32と、第2把持部33と、第3把持部36とを備える。トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際、または、トナーコンテナ30および現像装置20を含む画像形成ユニット120Hが筐体101に装着される際に、作業者は、第1把持部32および第2把持部33、または、第1把持部32および第3把持部36を把持することができる。
コンテナカバー30Cは、コンテナ本体30Aの右側部に装着される。コンテナカバー30Cは、コンテナガイド31を備える。コンテナガイド31は、コンテナカバー30Cから突設された略直方体形状のガイドである。なお、図4には現れていないが、トナーコンテナ30の左側の側部にも、コンテナガイド31と同じ形状のガイドが備えられている。これらのガイドは、トナーコンテナ30の現像装置20への装着をガイドする。
更に、トナーコンテナ30は、搬送スクリュー34と、攪拌パドル35とを備える(図10)。
搬送スクリュー34は、コンテナ本体30Aの底部に沿って配置されたスクリューである。コンテナ本体30Aの底部には、不図示のトナー排出口が開口されている。搬送スクリュー34は、回転され、コンテナ本体30A内のトナーをトナー排出口に向かって搬送する。コンテナ本体30Aに備えられた不図示のシャッターがスライド移動されると、トナー排出口が開放され、トナーコンテナ30からトナーが排出可能とされる。攪拌パドル35は、トナーコンテナ30の内部において、回転可能に支持され、トナーコンテナ30内に収容されたトナーを攪拌する。
現像装置20は、現像ハウジング200(図3)と、現像ローラー210(図3、図10)と、当接ローラー211(図3)(間隔保持部材)と、第1スクリュー212(図10)と、第2スクリュー213(図10)と、層厚規制部材214(図10)と、現像ローラーカバー215と、を備える。
現像ハウジング200は、現像装置20の各部材を支持するハウジングである。また、現像ハウジング200は、トナーコンテナ30を支持する機能を備えている。図5を参照して、現像ハウジング200は、ハウジング左壁200Lと、ハウジング右壁200Rと、トナー補給口200Hと、を備える。ハウジング左壁200Lおよびハウジング右壁200Rは、現像ハウジング200の左右方向の両端部から立設された壁部である。ハウジング左壁200Lとハウジング右壁200Rとの間に、トナーコンテナ30が装着される。また、現像ハウジング200は、ハウジング被押圧部200K(図10)を備える。ハウジング被押圧部200Kは、位置決め機構150Sの付勢突起151によって押圧される。
ハウジング右壁200Rは、右ガイド部200R1と、ロック片200R2と、押圧ボタン200R3と、を備える。ハウジング左壁200Lは、左ガイド部200L1を備える。右ガイド部200R1および左ガイド部200L1は、それぞれ、ハウジング右壁200Rおよびハウジング左壁200Lに形成されたガイド溝である。これらのガイド部は、現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着方向(図5の矢印DC1)に沿って形成されている。トナーコンテナ30の前述のコンテナガイド31(図4)が、右ガイド部200R1に進入する。また、トナーコンテナ30の左側面に備えられた不図示のガイドが、左ガイド部200L1に進入される。なお、トナーコンテナ30は、現像ハウジング200の上方に挿入された後、図5の矢印DC2方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30の不図示のトナー排出口がトナー補給口200Hに対向し、トナーコンテナ30から現像装置20にトナーの補給が可能となる。ロック片200R2は、矢印DC2方向に回動されたトナーコンテナ30をロックする。また、押圧ボタン200R3が押圧されると、トナーコンテナ30のロックが解除され、トナーコンテナ30が図5の矢印DC2方向とは反対の方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30が矢印DC1とは反対の方向に沿って現像装置20から脱離可能とされる。
現像ローラー210は、現像ハウジング200に回転可能に支持されている。現像ローラー210は、周面にトナーおよびキャリアからなる現像剤を担持する。現像ローラー210は、感光体ドラム121にトナーを供給し、感光体ドラム121上の静電潜像を現像する。当接ローラー211は、現像ローラー210の軸方向の両端部に一対配置される。当接ローラー211は感光体ドラム121の周面に当接することで、現像ローラー210と感光体ドラム121との間の間隔を一定に保持する。第1スクリュー212および第2スクリュー213は、現像ハウジング200内において、回転可能に支持されたスクリューである。現像ハウジング200内の現像剤は、第1スクリュー212および第2スクリュー213によって循環搬送される。また、現像剤は、第1スクリュー212によって現像ローラー210に供給される。層厚規制部材214は、現像ローラー210上に供給された現像剤の層厚を規制する。現像ローラーカバー215は、現像ハウジング200に対して揺動可能とされている。図3は、現像ローラーカバー215が現像ローラー210の上方に退避された状態を示している。図3に示される状態から現像ローラーカバー215が下方に揺動されると、現像ローラーカバー215は現像ローラー210を覆うことができる。したがって、画像形成ユニット120Hが筐体101から脱離された際に、現像ローラー210に異物が付着することや、現像ローラー210上のトナーによって周囲が汚れることが抑止される。
更に、現像装置20は、ロックレバー50(レバー部材)を備える(図3、図5)。ロックレバー50は、現像装置20のハウジング左壁200Lに揺動可能に備えられている。ロックレバー50は、筐体101内において画像形成ユニット120H(現像装置20)を後記の第1の位置にロックする第1の姿勢と、画像形成ユニット120Hのロックを解除するとともに、画像形成ユニット120Hが所定の着脱方向に沿って筐体101から脱離されることを許容する第2の姿勢との間で姿勢変更が可能とされる。
図3、図5および図7を参照して、ロックレバー50は、レバー本体501と、レバー被押圧部502(被押圧部)と、当接部503と、ガイド溝504と、支点部505と、フック506と、を備える。
レバー本体501は、ロックレバー50の本体部分であり、図7に示すように、前方かつ上方から後方かつ下方に向かって斜めに延びるように配置されている。レバー被押圧部502は、レバー本体501の上端部に備えられた平坦部である。レバー被押圧部502は、画像形成ユニット120Hが筐体101から脱離される際に、作業者によって押圧される。
当接部503は、ロックレバー50の前後方向の略中央部に配置され、図7のように左右方向(支点部505の軸心方向)と直交する断面で見た場合、下方に向かって突出した円弧形状を備えている。なお、画像形成ユニット120Hが筐体101内に装着されると、図3および図7に示すように、当接部503は本体ユニット150のガイド面154に対向して配置され、ガイド面154に当接可能とされる。
当接部503(図7)は、第1当接部503Aと、第2当接部503Bと、第3当接部503Cと、を備える。第1当接部503A、第2当接部503Bおよび第3当接部503Cは、当接部503の円弧によって連結されている。
第1当接部503Aは、支点部505に対して第1の距離をおいて配置され、画像形成ユニット120Hの後記の第1の姿勢のロックレバー50のフック506が被係合部153(図7)と係合し画像形成ユニット120Hが第1の位置にロックされた状態で、ガイド面154に当接する。また、第2当接部503Bは、第1当接部503Aよりもレバー被押圧部502側において支点部505に対して前記第1の距離よりも大きな第2の距離をおいて配置されている。第2当接部503Bは、ガイド面154に当接可能とされ、かつ、画像形成ユニット120Hが前記第1の位置にロックされた状態でガイド面154から離間して配置される。第3当接部503Cは、第2当接部503Bよりもレバー被押圧部502側において支点部505に対して前記第2の距離よりも大きな第3の距離をおいて配置されている。第3当接部503Cは、ガイド面154に当接可能とされ、かつ、画像形成ユニット120Hが前記第1の位置にロックされた状態でガイド面154から離間して配置される。
ガイド溝504は、当接部503の後方に開口された溝部である。ガイド溝504は、支点部505を中心とした円弧形状を備えるように開口されている。なお、ガイド溝504の内側(支点部505側)には、レバー側係止部50Sが備えられている。レバー側係止部50Sは、ロックレバー50から突設されたフック形状を備えている。レバー側係止部50Sには、後記のレバー付勢ばね52の一端が係止される。
支点部505は、ロックレバー50の後端側に配置されている。支点部505は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lに回転可能に支持されている。したがって、支点部505を介して、ロックレバー50がハウジング左壁200Lに連結されている。支点部505は、ロックレバー50の揺動における支点となる。なお、前述の当接部503は、支点部505とレバー被押圧部502との間に配置されている(図7)。フック506は、支点部505に対して、レバー被押圧部502とは反対側に配置されている。フック506は、本体ユニット150の被係合部153(図7)と係合可能とされている。図7に示すように、フック506は、支点部505から下方に向かって延びるとともに、その先端部が前方(画像形成ユニット120Hの装着方向後端側)に屈曲されている。
更に、現像装置20は、ガイドスクリュー51と、レバー付勢ばね52とを備える(図7)。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に挿通され、ハウジング左壁200Lに締結されたスクリューである。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に沿って、ロックレバー50の揺動をガイドする機能を備えている。
レバー付勢ばね52は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lとロックレバー50との間で伸縮するばね部材である。前述のハウジング左壁200Lは、ハウジング側係止部200L2を備える。図7に示すように、レバー付勢ばね52の一端はロックレバー50のレバー側係止部50Sに係止され、レバー付勢ばね52の他端はハウジング側係止部200L2に係止されている。この結果、レバー付勢ばね52は、フック506が被係合部153に係合する(図7)(ロックレバー50が後記の第1の姿勢となる)ように、ロックレバー50を支点部505回りに付勢する。
次に、画像形成ユニット120Hの筐体101に対する着脱について説明する。なお、前述のとおり、画像形成ユニット120Hは、現像装置20およびトナーコンテナ30から構成される。そして、トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱可能である。また、画像形成ユニット120Hは、トナーコンテナ30を備えることなく、現像装置20のみでも筐体101に装着可能とされている。ここでは、トナーコンテナ30を含む画像形成ユニット120Hが、筐体101に対して着脱される様子を説明する。
図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、筐体101の本体内部空間107に画像形成ユニット120Hが装着される。この際、画像形成ユニット120Hは、図2、図3の矢印DA方向に沿って、本体内部空間107に挿入される。本体ユニット150(図3)は、画像形成ユニット120Hの下部を案内する。画像形成ユニット120Hの挿入時に、ロックレバー50のフック506は、ガイド面154上を滑りながら、後方に進行する。やがて、フック506の傾斜面506S(図7)が被係合部153の傾斜面153Sと摺擦する。この際、図7において、フック506が支点部505回りに僅かに時計回りに回動することで、フック506の先端部が被係合部153の下方に進入する。この結果、フック506が被係合部153と係合し、画像形成ユニット120Hが、図7に示す第1の位置にロックされる。図7におけるロックレバー50の姿勢が第1の姿勢と定義される。この際、図10に示すように、現像ハウジング200のハウジング被押圧部200Kが、位置決め機構150Sの付勢突起151によって後方に向かって押圧される。すなわち、位置決め機構150Sは、現像ローラー210が感光体ドラム121に近づく方向に向かって、画像形成ユニット120Hを付勢する。そして、筐体101内において画像形成ユニット120Hが図7および図10の第1の位置に位置決めされると、当接ローラー211(図3)が感光体ドラム121の周面に当接することで、現像ローラー210が感光体ドラム121に対して所定の間隔をおいて配置される。この結果、現像ローラー210から感光体ドラム121に安定してトナーが供給され、感光体ドラム121上にトナー像が形成される。
筐体101から画像形成ユニット120Hが取り外される際には、図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、ロックレバー50のレバー被押圧部502がプリンター100の外側に露出する。作業者は、まずレバー被押圧部502を下方に押圧する(図7の矢印DR1)。この際、本実施形態では、既に当接部503の第1当接部503Aがガイド面154に当接している(図7)。この場合、作業者がレバー被押圧部502を押圧するための負荷が初期から発生しているため、作業者はこの負荷を感じながらレバー被押圧部502を押圧することができる。
図12および図13は、本実施形態に係る画像形成装置と比較される他の画像形成装置における画像形成ユニットおよびガイド部の断面図である。当該他の画像形成装置は、画像形成ユニット120HMと、不図示の筐体内に備えられた本体ユニット150Mとを備えている。画像形成ユニット120HMは、現像装置20Mとトナーコンテナ30Mとを備えている。現像装置20Mの不図示のハウジングには、ロックレバー50Mが揺動可能に支持されている。なお、図12では、図7と類似する構造および機能を備えた部材には、図7と同じ符号を付している。
図12に示すように、画像形成ユニット120HMが所定の位置にロックされている場合、ロックレバー50Mの当接部503は、ガイド面154の上方に間隔をおいて配置されている。この場合、画像形成ユニット120HMを取り外すために、作業者がレバー被押圧部502を押圧すると(図12の矢印DR1)、当接部503がガイド面154に当接するまでの間、作業者はレバー付勢ばね52を引っ張る程度の小さな負荷しか感じない。このため、やがて図13ように当接部503がガイド面154に当接した際には、その負荷の増大に伴って、作業者はロックレバー50の押圧操作が完了したと誤認しやすい。この場合、未だ画像形成ユニット120HMのロック解除および図13の矢印DR2のような上方への移動が行われていないため、作業者が無理に画像形成ユニット120HMを引き出そうとすると、周辺の部品の破損が引き起こされてしまう。
一方、本実施形態では、前述のように当接部503の第1当接部503Aがガイド面154に当接しているため(図7)、作業者は押圧操作の初期段階から所定の負荷を感じながら継続的にロックレバー50のレバー被押圧部502を押し続けることができる。このため、作業者が押圧操作の途中でロックレバー50から手を離してしまうことが抑止される。
図7および図10に示す状態から、レバー被押圧部502が押圧されると(図7の矢印DR1)、ロックレバー50が支点部505回りに回動しフック506と被係合部153との係合が解除される。この際、当接部503の第1当接部503Aが支点となり、支点部505が加重点となり、画像形成ユニット120Hがユニット付勢ばね152(図10)の付勢力に抗して上方に押し上げられ、位置決め機構150Sによる画像形成ユニット120Hの位置決めが解除される。より詳しくは、画像形成ユニット120Hの上方移動に伴って、ハウジング被押圧部200K(図10)がユニット付勢ばね152を圧縮させながら付勢突起151の先端部を上方に乗り越える(図11)。この結果、位置決め機構150Sによる画像形成ユニット120Hの位置決めが解除される。本実施形態では、このように、当接部503の第1当接部503Aが支点となり、ロックレバー50による画像形成ユニット120Hの押し上げ動作によって、画像形成ユニット120Hの位置決めが解除されるように、第1当接部503Aと支点部505との距離(第1の距離)が予め設定されている。
位置決め機構150Sによる位置決めが解除された後、レバー被押圧部502が作業者によって更に押圧されると、当接部503のガイド面154に対する接触点が徐々に後方に移動し、やがて第2当接部503Bがガイド面154に当接する(図8)。そして、第2当接部503Bが支点となり、支点部505が加重点となりながら、画像形成ユニット120Hがユニット付勢ばね152の付勢力を受けて上方に移動し(図8の矢印DR2)、第1の位置よりも上方の第2の位置に至る(図9)。この結果、当接部503の第3当接部503Cがガイド面154に当接する。本実施形態では、当接部503の第2当接部503Bが支点となり、ロックレバー50による画像形成ユニット120Hの押し上げ動作によって、画像形成ユニット120Hが上方に押し上げられるように、第2当接部503Bと支点部505との距離(第2の距離)が予め設定されている。
なお、図11のように、ハウジング被押圧部200Kが付勢突起151の上方に乗り上げると、付勢突起151がユニット付勢ばね152の付勢力を受けて画像形成ユニット120Hの押し上げを促進する。したがって、図10に示される状態からユニット付勢ばね152を圧縮させながら画像形成ユニット120Hを押し上げる(ロックレバー50を回動させる)場合と比較して、作業者には大きな押圧力が要求されない。このため、本実施形態では、当接部503の第1当接部503A、第2当接部503Bおよび第3当接部503Cの順に、支点部505に対する距離が大きくなるように設定されている。換言すれば、当接部503の第1当接部503A、第2当接部503Bおよび第3当接部503Cの順に、支点部505を加重点とする梃子比が小さくなる。したがって、第1当接部503Aがガイド面154に当接する場合と比較して、第2当接部503Bおよび第3当接部503Cの周辺がガイド面154に当接する場合の方が、レバー被押圧部502の押し下げ量を画像形成ユニット120Hの押し上げ量に大きく還元することができる。このように、本実施形態では、画像形成ユニット120Hのハウジング被押圧部200Kの移動によって、位置決め機構150Sによる位置決めの解除と、画像形成ユニット120Hの移動の促進を行うことができる。
なお、図8に示される状態から、画像形成ユニット120Hが矢印DR2方向に押し上げられた後、画像形成ユニット120Hの自重によってフック506が被係合部153の上方のガイド面154(前述の水平面)に当接することで、画像形成ユニット120Hが前記第2の位置に保持される。このため、作業者がロックレバー50から手を離した場合であっても、フック506が被係合部153に再係合することが抑止される。このため、作業者が容易かつ確実に画像形成ユニット120Hを取り外すことができる。
以上のように、本実施形態によれば、ロックレバー50は、揺動されることで第1の姿勢と第2の姿勢との間で姿勢変更が可能とされる。ロックレバー50のフック506が本体ユニット150の被係合部153に係合することによって、画像形成ユニット120Hが第1の位置でロックされる。また、ロックレバー50のレバー被押圧部502が押圧されることで、画像形成ユニット120Hのロックが解除されるとともに、画像形成ユニット120Hが所定の着脱方向に沿って筐体101から脱離されることが許容される。この結果、画像形成ユニット120Hの位置決めおよび着脱を容易かつ確実に実行することが可能となる。また、作業者がロックレバー50を押圧する際、第1当接部503Aがガイド面154に当接しているため、ロックレバー50には所定の押圧負荷が発生している。このため、ロックレバー50に遊びがある場合と比較して、作業者による作業ミスが発生することが抑止される。更に、当接部503のうち第1当接部503Aの梃子比が相対的に大きくなるように設定されているため、ユニット付勢ばね152の付勢力に抗して、位置決め機構150Sによる位置決めを容易に解除することができる。また、第2当接部503Bの梃子比が第1当接部503Aよりも小さく設定されているため、ユニット付勢ばね152の付勢力を受けながら画像形成ユニット120Hを押し上げる際には、作業者に必要とされる押圧力を小さくすることができる。
また、本実施形態では、第1当接部503Aから第3当接部503Cまでが、当接部503の円弧によって連結されている。このため、作業者はロックレバー50を連続的に押圧することで、画像形成ユニット120Hのロック解除および第1の位置から第2の位置への移動を行うことができる。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成ユニット120Hを備えたプリンター100について説明した。このような構成によれば、画像形成ユニット120Hの位置決めおよび着脱を容易かつ確実に実行することが可能なプリンター100が提供される。また、トナーコンテナ30が現像装置20に装着された状態でも、現像装置20の位置決めおよび着脱を容易かつ確実に実行することが可能となる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、画像形成ユニット120Hが、現像装置20およびトナーコンテナ30を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。画像形成ユニット120Hは、現像装置20のみからなるものでもよく、また、画像形成ユニット120Hは感光体ドラム121を含むものでもよい。
(2)また、上記の実施形態では、間隔保持部材として、当接ローラー211が備えられる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。間隔保持部材として、ローラー形状以外のものが備えられるものでも良い。