JP6544207B2 - ボールねじ - Google Patents

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Description

この発明は、ボールねじに関する。
ボールねじは、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ねじ軸に内挿され、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道と、軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路と、軌道および戻し路に配置された複数のボールと、を備え、軌道内を負荷状態で転動するボールを介してナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。
このようなボールねじは、一般的な産業用機械の位置決め装置等だけでなく、自動車、二輪車、船舶等の乗り物に搭載される電動アクチュエータにも使用されている。
ボールねじの戻し路には循環チューブ方式やコマ方式などがあり、コマ方式の場合は、戻し路をなす凹部が形成されたコマをナットの貫通穴に嵌めている。
コマ式ボールねじでは、コマによる循環溝の深さを十分に確保して、ボールの掬い上げ性を良好にするために、コマの内径をナットの内径より小さく形成している。具体的にはボールねじのBCD(Ball Center Diameter、ボール中心径、軌道内の複数のボールの中心を結んだ円の直径)よりも小さくしている。
特許文献1には、戻し路をなす凹部(循環溝)をナットの内周面に設けて、ナットの螺旋溝と循環溝との接続部に螺旋溝より深い逃げ溝をリード角に沿って設けることが記載されている。また、螺旋溝と循環溝が形成されている部分のナット内径をBCDより小さい寸法に設定すること、つまり、ナットの径方向で、ナットの内周面位置を、ねじ軸の外周面位置とボール中心位置(ボールの中心を結んだ円であるボールピッチ円の位置)との間に配置することが記載されている。
特許文献2には、戻し路をなす凹部(循環溝)を、ナット素材の内周面に塑性加工(鍛造)で直接形成する方法が記載されている。円筒状のナット素材の内周面に循環溝が鍛造工程により形成されたボールねじ用ナットでは、ナットの内径が循環溝の周辺部とそれ以外の部分とで略同じである。そのため、コマ式ボールねじと比較して、循環溝内へボールが掬い上げにくくなる。
また、鍛造工程でパンチが押し込まれて成形された循環溝の外縁部(循環溝とナットの内周面との境界部)には、塑性変形により輪郭形状が崩れて丸くなった部分(ダレ)が生じ易い。しかし、ダレがあると、掬い上げ時のボールと循環溝との接触点が、ダレがない場合よりもナットの径方向外側になるため、ダレが大きいほど凹部内へのボールの掬い上げ性が低下する。
特許文献2には、循環溝にダレを有するナットのボール掬い上げを円滑にするために、戻し路の境界位置(軌道の終点および始点に対する接続部分である直線状の両端部と、曲線状の中間部との境界位置)でのボールの接触状態が特定の範囲になるように、循環溝とねじ軸の螺旋溝を設計することが記載されている。
具体的には、境界位置ボールの中心点をO、境界位置ボールに接するダレ部の径方向最外点と点Oとを結ぶ直線をA、境界位置ボールとねじ軸の螺旋溝との接点をY、OとYを結ぶ直線をB、Oを通りナットの径方向に沿う直線をCとしたときに、直線Bと直線Cとのなす角度θ1よりも、直線Aと直線Cとのなす角度θ2の方が大きくなるように設計している。
特許第4032901号公報 特開2013−76463号公報
ボールねじでは、ボールとねじ軸の螺旋溝との接触範囲(ねじ軸螺旋溝の有効範囲)を大きくするために、ねじ軸の螺旋溝を深く形成する場合があるが、特許文献1および2に記載された方法は、このような場合に適した方法とは言えない。
具体的に、特許文献1の方法では、ねじ軸の螺旋溝を深く形成した場合、ナットの径方向におけるねじ軸の外周面とボール中心位置との距離が短くなるため、ナットの内周面をねじ軸の外周面とボール中心位置との間に配置することが困難になる。
特許文献2の方法では、境界位置ボールがねじ軸の螺旋溝の外周面側端部(面取り部との境界位置)で接触する場合、ねじ軸の螺旋溝が深く形成されていると、上述のθ1<θ2の関係を満たすように循環溝とねじ軸の螺旋溝を設計することが困難になる。また、特許文献2には、どのようにすればθ1<θ2の関係を満たすようにできるかについての記載がない。また、特許文献2の方法はナットがダレを有する場合に特定されている。
以上のように、特許文献1および2に記載された方法は、ねじ軸の螺旋溝を深く形成した場合に、循環溝でのボールの掬い上げを円滑に行うという点で改善の余地がある。
この発明の課題は、ボールとねじ軸の螺旋溝との接触範囲が大きい場合でも、循環溝でのボールの掬い上げが円滑に行えるボールねじを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、下記の構成(a) (b) を有するボールねじを提供する。
(a) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、上記ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、上記ナットの螺旋溝と上記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道と、上記軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路と、上記軌道および上記戻し路に配置され、上記軌道内を負荷状態で転動し、上記循環路を循環する複数のボールと、上記ナットの内周面に直接形成された凹部からなり、上記戻し路を構成する循環溝と、を有する。
(b) 上記ボールの直径をDw、上記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、上記ボールの上記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、上記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、上記ナットの径方向における、上記軌道内の上記複数のボールの中心を結んだ円の位置と上記循環溝のボール掬い上げ接点との距離をP、としたときに、下記の(1) 式を満たす。
P<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(1)
この発明の第二態様は、上記構成(a) と下記の構成(c) を有するボールねじである。
(c) 上記ボールの直径をDw、上記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、上記ボールの上記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、上記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、上記軌道内の上記複数のボールの中心を結んだ円の直径をDm、上記ナットの内周面の直径をDn、としたときに、下記の(2) 式を満たす。
(Dn−Dm)/2<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(2)
この発明の第三態様は、上記構成(a) と下記の構成(d) (e) を有するボールねじである。
(d) 上記循環溝と上記ナットの内周面との境界部に丸みが存在する。
(e) 上記ボールの直径をDw、上記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、上記ボールの上記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、上記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、上記ナットの径方向における、上記軌道内の上記複数のボールの中心を結んだ円の位置と上記ナットの上記丸みの最外点との距離をQ、としたときに、下記の(3) 式を満たす。
Q<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(3)
この発明によれば、ボールとねじ軸の螺旋溝との接触範囲が大きい場合でも、循環溝でのボールの掬い上げが円滑に行えるボールねじが提供される。
実施形態のボールねじを示す断面図である。 第一実施形態のボールねじの循環溝の開口面形状を示す図である。 第一実施形態のボールねじの循環溝とボールとねじ軸の螺旋溝との関係を示す断面図である。 図3の部分拡大図である。 図4の更なる拡大図であって、ボールの中心とねじ軸の螺旋溝をなす円弧の中心を示す図である。 ねじ軸の螺旋溝の有効範囲角度θが小さい例を示す図である。 ねじ軸の螺旋溝の有効範囲角度θが大きい例を示す図である。 第二実施形態のボールねじの循環溝の開口面形状を示す図である。 第二実施形態のボールねじの循環溝とボールとねじ軸の螺旋溝との関係を示す断面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
図1に示すように、実施形態のボールねじ10は、ねじ軸1とナット2と複数のボール3を備えている。ねじ軸1の外周面11に螺旋溝12が形成されている。ナット2の内周面21に螺旋溝22が形成されている。ナット2はフランジ23を有する。ねじ軸1がナット2に内挿されている。
ボールねじ10は四つの循環路を有する。各循環路は、 ナット2の螺旋溝22とねじ軸1の螺旋溝12とが向かい合って形成された軌道と、軌道の終点と始点を接続する戻し路4とで構成されている。戻し路4は、ナット2の内周面21に直接形成された凹部からなる循環溝5と、ねじ軸1の外周面11の循環溝5と対向する部分で構成される。
図2に示すように、循環溝5は、螺旋溝12,22からなる軌道との接続部分である一対の端部51と、両端部51を接続する中間部52とからなる。端部51は直線状で、中間部52は曲線状であり、両端部51と中間部52の両端が滑らかに接続されている。つまり、循環溝5の開口面(ナットの内周面に沿った面)の形状は略S字状である。
ボールねじ10を駆動する際には、例えば、ねじ軸1およびナット2の一方を他方に対して相対回転する。これにより、ボール3は、各循環路毎に、軌道内を負荷状態で転動した後、軌道の終点から循環溝5に入り、循環溝5の掬い上げ部(端部51と中間部52との境界)で掬い上げられて戻し路4を移動し、軌道の始点に戻されて循環する。これに伴い、ねじ軸1およびナット2の一方が他方に対して軸方向に連続的に移動する。
[第一実施形態]
第一実施形態のボールねじ10は、図2に示すように、循環溝5の外縁部(ナット2の内周面との境界部)にダレなどの丸みを有さない。よって、循環溝5の掬い上げ部におけるボールねじ10の断面図は図3に示すようになる。
図3の断面図は、ねじ軸1の螺旋溝12の溝直角断面に対応する。ねじ軸1の螺旋溝12はゴシックアーク形状である。ねじ軸1の外周面11と螺旋溝12との間に面取り部13が形成されている。
第一実施形態のボールねじ10は、下記の(1) 式および(2) 式を満たしている。
P<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(1)
(Dn−Dm)/2<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(2)
(1) 式および(2) 式において、Pは、ボール中心位置(複数のボール3の中心点Oを結んだ円の位置)Tと循環溝5のボール掬い上げ接点aとの距離である。 Dwはボール3の直径である。Riは、ねじ軸1の螺旋溝12の溝直角断面をなす円弧の半径である。αは、ボール3のねじ軸1の螺旋溝12に対する接触角である。θは、ねじ軸1の螺旋溝12の有効範囲を示す溝直角断面での角度(ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度)である。Dmは、軌道内の複数のボール3の中心点Oを結んだ円の直径(BCD)である。Dnは、ナット2の内径(内周面の直径)である。
第一実施形態のボールねじ10は、(1) 式および(2) 式を満たしていることで、ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θを大きく取った場合でも、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。以下に、その理由を説明する。
<(1) 式および(2) 式の導出方法>
図3〜図5を用いて(1) 式および(2) 式の導出方法を説明する。
図3〜図5に、ナット2の径方向におけるボール中心位置Tと螺旋溝12の円弧の中心点eとの距離をbで示す。図4から分かるように、ボール3の中心点Oと点eとの距離はRi−Dw/2である。図5では点O−点e間をZで差す。つまり、Z=Ri−Dw/2とする。図5から分かるように、距離bは距離Zを用いてb=Zcosαで表される。よって、下記の(11)式が成立する。
b=(Ri−Dw/2)cosα…(11)
また、ねじ軸1の螺旋溝12の面取り部13との境界位置を示す点fと、ボール中心位置Tとの距離をcとした場合、「b+c」は、図4から分かるように、b+c=Ri・cosβで表され、β=θであるため、下記の(12)式が成立する。
b+c=Ri・cosβ=Ri・cosθ…(12)
また、点fと点eを結ぶ線分を点eから延長した直線がボール3をなす円と交わる点gと、ボール中心位置Tとの距離をdとした場合、図3および図4から分かるように、点fと点gを結ぶ直線yはDwとほぼ等しく、直線yを斜辺とした直角三角形の点gでの内角γは角度θと等しいため、下記の(13)式が成立する。
d+c=y・cosγ≒Dw・cosθ…(13)
(13)式から距離dは
d=Dw・cosθ−cで表され、
(12)式から得られたc=Ri・cosθ−bを代入して
d=Dw・cosθ−(Ri・cosθ−b)となり、
(11)式のb=(Ri−Dw/2)cosαを代入して
d=Dw・cosθ−Ri・cosθ+(Ri−Dw/2)cosαとなり、
最終的に距離dは下記の(14)式で表される。
d=(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(14)
ここで、点gの位置がナット2の径方向でナット内周面21より外側にあれば(図3のように、θ<δであれば)、ボール3が軌道とナット2の循環溝5との境界で円滑に掬い上げられて戻し路(ナット2の循環溝5とねじ軸1の外周面11とで構成される空間)内に導かれる。これに対して、図7に示すように、点gの位置がナット2の径方向でナット内周面21より内側にあると、ボール3の掬い上げが困難になる。
なお、角度δは、循環溝5のボール掬い上げ接点aと点eとを結ぶ直線Lと、図3の状態でボール3の中心点Oを通りナット2の径方向に沿う直線Mとのなす角度である。直線Mは、ねじ軸1の螺旋溝12の溝直角断面をなす円弧の二等分線、つまり有効範囲角度θの基準線でもある。
θ=δの場合には、ボール中心位置Tとボール掬い上げ接点aとの距離Pは、点gとボール中心位置Tとの距離dに等しく、θ<δの場合にはP<dであるため、上記(14)式で「d=」を「P<」とした下記の(1) 式を満たすことで、ボール3が軌道とナット2の循環溝5との境界で円滑に掬い上げられて戻し路内に導かれる。つまり、ボール3の循環溝5での掬い上げ性能が良好になる。
P<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(1)
そして、第一実施形態のボールねじ10は、循環溝5の外縁部にダレなどの丸みを有さないため、図3から分かるようにP=(Dn−Dm)/2になっている。よって、第一実施形態のボールねじ10は、(1) 式と(2) 式の両方を満たしている。
(Dn−Dm)/2<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(2)
つまり、円筒状のナット素材の内周面に循環溝が鍛造工程により形成されたボールねじ用ナットであって、ダレを有さないもの(鍛造工程でダレが生じた場合にはダレを除去したもの)は、(2) 式を満たすものとすることで、ボール3の循環溝5での掬い上げ性能を良好にすることができる。
<有効範囲角度θの違いについて>
ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θに応じて、ボールの掬い上げを円滑に行うことができるナットの内径Dnは異なる。図6に示すように、有効範囲角度θがδよりも小さい場合は点gがボール掬い上げ接点aよりナットの径方向外側に存在するため、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。
しかし、図7に示すように、有効範囲角度θがδよりも大きい場合に、ナットの内径Dnを図6と同じにすると、点gがナットの内周面よりナットの径方向内側に存在するため、ボールの掬い上げを円滑に行うことができない。
<まとめ>
第一実施形態のボールねじは(1) 式および(2) 式を満たすことで、点gがボール掬い上げ接点aよりナットの径方向外側に存在するため、ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θを大きく取った場合でも、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。
また、第一実施形態のボールねじ10は、循環溝5とナット2の内周面21との境界部に丸みを有さないため、P=(Dn−Dm)/2となっている。よって、(2) 式を満たすようにBCDとナットの内径Dnを設定することで、ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θを大きく取った場合でも、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。
なお、循環溝5とナット2の内周面21との境界部に丸み(微小な丸みである面取りよりも大きな丸み)を設ける場合は、P≠(Dn−Dm)/2となり、ナットの径方向における丸みの最外点の位置がボール掬い上げ接点aになるため、(1) 式を満たすように、丸みの大きさとBCDとナットの内径Dnを設定する。
[第二実施形態]
第二実施形態のボールねじ10は、図8に示すように、循環溝5の外縁部にダレ55を有する。よって、循環溝5の掬い上げ部におけるボールねじ10の断面図は図9に示すようになる。
そして、第二実施形態のボールねじ10は下記の(3) 式を満たしている。
Q<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(3)
(3) 式において、Dwはボール3の直径である。Riは、ねじ軸1の螺旋溝12の溝直角断面をなす円弧の半径である。αは、ボール3のねじ軸1の螺旋溝12に対する接触角である。θは、ねじ軸1の螺旋溝12の有効範囲を示す溝直角断面での角度(ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度)である。Dmは、軌道内の複数のボール3の中心点Oを結んだ円の直径(BCD)である。Dnは、ナット2の内径(内周面の直径)である。Qは、ナット2の径方向でのダレ55の最外点sとボール中心位置Tとの距離である。
ダレ55を有する場合、ダレ55のナット2の径方向での最外点sがボール掬い上げ接点aになるため、距離Qの概念は図3の距離P(ボール中心位置Tとボール掬い上げ接点aとの距離)の概念と等しく、(3) 式は前述の(1) 式と同じである。
つまり、円筒状のナット素材の内周面に循環溝が鍛造工程により形成されたボールねじ用ナットであって、鍛造工程で生じたダレを除去しないものは、図9に示すように、Q≠(Dn−Dm)/2であるため、(3) 式を満たすものとすることで、ボール3の循環溝5での掬い上げ性能を良好にすることができる。
<まとめ>
第二実施形態のボールねじは(3) 式((1) 式と同じ)を満たすことで、点gがボール掬い上げ接点aよりナットの径方向外側に存在するため、ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θを大きく取った場合でも、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。
つまり、(3) 式を満たすようにダレ55のナット2の径方向での最外点s(ボール掬い上げ接点a)を設定することで、ねじ軸螺旋溝の有効範囲角度θを大きく取った場合でも、ボールの掬い上げを円滑に行うことができる。
また、ダレのあり無しに関わらず、ねじ軸の螺旋溝の深さに応じて、前述の(1) 式を満たすように(点gがボール掬い上げ接点aよりナットの径方向で外側に配置されるように)設計することで、ボール3の循環溝5での掬い上げ性能を良好にすることができる。
10 ボールねじ
1 ねじ軸
11 ねじ軸の外周面
12 ねじ軸の螺旋溝
13 面取り部
2 ナット
21 ナットの内周面
22 ナットの螺旋溝
23 フランジ
3 ボール
4 戻し路
5 循環溝(ナットの内周面に直接形成された凹部)
51 端部
52 中間部
55 ダレ(丸み)
a ボール掬い上げ接点
s ダレの最外点(丸みの最外点)
T ボール中心位置(複数のボールの中心点を結んだ円の位置)

Claims (3)

  1. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
    前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道と、
    前記軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路と、
    前記軌道および前記戻し路に配置され、前記軌道内を負荷状態で転動し、前記循環路を循環する複数のボールと、
    前記ナットの内周面に直接形成された凹部からなり、前記戻し路を構成する循環溝と、を有し、
    前記ボールの直径をDw、
    前記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、
    前記ボールの前記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、
    前記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、
    前記ナットの径方向における、前記軌道内の前記複数のボールの中心を結んだ円の位置と前記循環溝のボール掬い上げ接点との距離をP、
    としたときに、下記の(1) 式を満たすボールねじ。
    P<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(1)
  2. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
    前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道と、
    前記軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路と、
    前記軌道および前記戻し路に配置され、前記軌道内を負荷状態で転動し、前記循環路を循環する複数のボールと、
    前記ナットの内周面に直接形成された凹部からなり、前記戻し路を構成する循環溝と、を有し、
    前記ボールの直径をDw、
    前記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、
    前記ボールの前記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、
    前記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、
    前記軌道内の前記複数のボールの中心を結んだ円の直径をDm、
    前記ナットの内周面の直径をDn、
    としたときに、下記の(2) 式を満たすボールねじ。
    (Dn−Dm)/2<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(2)
  3. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
    前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道と、
    前記軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路と、
    前記軌道および前記戻し路に配置され、前記軌道内を負荷状態で転動し、前記循環路を循環する複数のボールと、
    前記ナットの内周面に直接形成された凹部からなり、前記戻し路を構成する循環溝と、を有し、
    前記循環溝と前記ナットの内周面との境界部に丸みが存在し、
    前記ボールの直径をDw、
    前記ねじ軸の螺旋溝の溝直角断面をなす円弧の半径をRi、
    前記ボールの前記ねじ軸の螺旋溝に対する接触角をα、
    前記ねじ軸の螺旋溝の有効範囲を示す溝直角断面での角度をθ、
    前記ナットの径方向における、前記軌道内の前記複数のボールの中心を結んだ円の位置と前記ナットの前記丸みの最外点との距離をQ、
    としたときに、下記の(3) 式を満たすボールねじ。
    Q<(Dw−Ri)cosθ+(Ri−Dw/2)cosα…(3)
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