JP6543741B1 - 冷菓、ソフトクリーム、冷菓原料、及び冷菓の製造方法 - Google Patents

冷菓、ソフトクリーム、冷菓原料、及び冷菓の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘性、食感、及び風味が変わることなく、溶け出して溶け落ちるまでの保持時間が長い冷菓、ソフトクリーム、冷菓原料、及び冷菓の製造方法を提供する。
【解決手段】冷菓はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシ基、及びヒドロキシプロポキシ基を置換基として有するので、冷菓材料を混合したとき、脂肪球の乳化に作用するとともに解乳化に作用し、脂肪球が凝集して気泡が抱き込まれると推察される。従って、冷菓の保形性が向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、冷菓、ソフトクリーム、冷菓原料、及び冷菓の製造方法に関する。
冷菓は、「ハードアイスクリーム」と「ソフトアイスクリーム」に大別される。
「ハードアイスクリーム」は、後述する「硬化工程」を経て最終商品として−20℃程度の冷凍状態で物流され、販売店において、冷凍ストッカーに陳列され、物品として販売される冷菓であり、「アイスクリーム類」と「氷菓」とに分類される。
「ソフトアイスクリーム」(以下、ソフトクリームという)は販売店舗内で冷菓製造装置にて製造され、「硬化工程」を経ず、物流されることなく販売店舗内で冷菓製造装置から直接取り出され、−4〜−10℃程度の状態で消費者に調理品として対面販売される。ソフトクリームも「アイスクリーム類」と「氷菓」とに分類される。
ハードアイスクリーム及びソフトクリームにおいて、「アイスクリーム類」は、乳等省令が定めたアイスクリーム類の成分規格に基いて、アイスクリーム規格と、アイスミルク規格と、ラクトアイス規格とに分類される。
また、ハードアイスクリーム及びソフトクリームにおいて、「氷菓」は、乳固形分が3%未満の冷菓であり、さらに氷菓においては脂肪分を含む氷菓と、脂肪分を含まない氷菓とに分類される。
消費者は、店頭でハードアイスクリームを購入後すぐに食したり、ドライアイス等で冷凍状態を維持し各家庭に持ち帰り、冷凍庫で保管し適宜のタイミングで食したりする。冷凍庫から取り出した直後のハードアイスクリームは、非常に堅いため、しばらく室温にて放置し、食べやすい−10℃程度まで製品温度が上昇し自然解凍するのを待って食することが多い。
しかし、食べやすい状態への解凍時間は環境により大きく変化し、時間経過とともにハードアイスクリームの表面が溶けはじめドライ感が喪失したり、渦巻き状に高く盛り付けられたハードアイスクリームの鋭角できれいなフォルムを形成したエッジ部分が垂れ落ちて型崩れしたり、雪崩状に溶け落ちたりして、最適の状態で食するタイミングを逸することが多々ある。
低温の冷菓を速く食べることができない小さな子どもや高齢者の場合、食べているときに冷菓が溶けはじめ、手や衣服を汚したり、雪崩状に溶け落ちたりして床に溢してしまうこともよくある。
店頭において製造され、硬化工程を経ず−4〜−10℃程度の柔らかい状態で、コーンカップ等の可食容器に盛り付けて対面販売されるソフトクリームの場合、消費者は、コーンカップ等を持ちながらソフトクリームを店舗内又は店舗周辺で食べる。時間経過とともに溶けだしたソフトクリームが消費者の手や衣服を汚してしまう不具合や、ソフトクリームが雪崩状に溶け落ちクリームがポタポタと床に垂れ落ちてしまい、清掃を余儀なくされるといった不具合が生じることがある。外気温が高いとき、著しく不具合が生じる。
冷凍状態でない場合、時間経過とともに溶けてしまうこれらの冷菓において、溶け出し時間を遅くしてドライ感を維持すること、溶け落ち時間(溶け落ちるまでの時間)を遅くして綺麗なフォルムを維持すること、及び魅力ある味覚を視覚的に訴える美観を維持すること(保形性を強化すること)は、商品価値(商品寿命)を延長することであり、風味、食感等の特性と共に、重要な課題である。
従来、冷菓の保形性を強化する方法として、海草、植物種子、微生物等から抽出した親水性多糖類や微結晶セルロース等の不溶性多糖類、合成安定剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)等の安定剤、不飽和脂肪酸エステルといった低HLB乳化剤の添加が知られている。
特許文献1には、微結晶セルロース、カラギーナン及びワキシースターチを安定剤とすれば、フリージングされる前の液状ソフトクリームミックスの液安定性を高めることができ、かつ長時間フリージングされた後でもソフトクリームの保形性がよく耐ドリップ性に優れることが開示されている。特許文献2には、微小繊維状セルロース及び微粒化セルロースを含有することにより、延展性が良好であり、滑らかな食感が得られることが開示されている。
特開平5−276875号公報 特開平6−178659号公報
本発明者らは、消費者が冷菓を食べ始めた時点から、溶け出し、溶け落ち、型崩れが始まるまでの時間を引き延ばすこと、すなわち、冷菓の保持時間を延長すること(保形性向上)について鋭意研究を行った結果、次の知見を得た。
増粘多糖類による冷菓の保形性向上は、添加量を増加することにより達成できるが、期待する効果を実現する程度まで添加した場合、冷菓の食感が糊様になり、風味を著しく損なう。
低HLB乳化剤による冷菓の保形性向上も、添加量を増加することにより達成できるが、このような乳化剤には特有の味と匂いがあるため、期待する効果を実現する程度まで添加した場合、風味が低下する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、粘性、食感、風味が変わることなく、溶け出して溶け落ちるまでの保持時間が長い冷菓、ソフトクリーム、冷菓原料、及び冷菓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る冷菓は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.01重量%以上0.5重量%以下含有し、3重量%以上の脂肪分を含み、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基の置換度は19%以上30%以下であり、ヒドロキシプロポキシ基の置換度は4%以上12%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、粘性、食感、風味等が変わることなく、保形時間が十分に長い。
ソフトクリームの場合、溶け落ち時間が延長することが望まれているため、本発明の実施に、より適している。
本実施形態に係る冷菓の製造工程を示すフローチャートである。 ラクトアイス規格のHPMCの含有量と保持時間との関係を示すグラフである。 実施例4、7、8、及び比較例2の保持時間を示すグラフである。 実施例4、及び9の保持時間を示すグラフである。 冷菓製造装置における殺菌処理の回数と保持時間との関係を示すグラフである。 アイスクリーム規格のHPMCの含有量と保持時間との関係を示すグラフである。 実施例11、13〜14、及び比較例3、4の保持時間を示すグラフである。 実施例15、及び比較例5の保持時間を示すグラフである。 ラクトアイス規格の脂肪分と保持時間との関係を示すグラフである。 実施例4、16〜18、及び比較例1、6〜10のソフトクリームの保持時間を示すグラフである。
(本実施形態の概要)
本実施形態に係る冷菓は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCという)を含有する。
HPMCは、下記式(1)により表される。
Figure 0006543741
本実施形態に係る冷菓は、3重量%以上の脂肪分を含むのが好ましい。
脂肪分を3重量%以上含む場合、脂肪球の乳化と解乳化とのバランスが良好であり、保形性が向上する。脂肪球の乳化と解乳化とのバランスを図って使用される不飽和脂肪酸エステルにおいては、異様な味がし、臭いがするという問題があった。本実施形態に係る冷菓においては、この問題は生じない。
本実施形態に係る冷菓は、35℃に保持し、内部で空気を循環させたインキュベータに入れた時点から、溶け落ちるまでの時間が130秒以上であるのが好ましい。溶け落ち時間が130秒以上である場合、冷菓を食する間に、冷菓が溶け出して消費者の手や衣服を汚してしまう問題や、雪崩状に溶け落ちた冷菓がポタポタと床に垂れ落ちるという問題が生じるのが抑制される。
本実施形態に係る冷菓は、前記HPMCのメトキシ基の置換度は19%以上30%以下であり、ヒドロキシプロポキシ基の置換度は4%以上12%以下であるのが好ましい。この場合、上述の効果が良好に奏される。
本実施形態に係る冷菓は、前記HPMCを0.01重量%以上0.5重量%以下含むのが好ましい。HPMCの含有量が0.01重量%未満である場合、溶け落ち時間の延長効果がみられない。HPMCの含有量が0.5重量%を超える場合、ぬめり感があり、食感が悪くなる。
本実施形態に係るソフトクリームは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有し、硬化工程を経ずに製造された冷菓である。
ソフトクリームの場合、硬化処理が施されていないので、ハードアイスクリームより、時間の経過に伴って、溶け出し、溶け落ち、型崩れが生じやすい。上記構成によれば、これらの発生が遅延され、上述の問題が生じるのが抑制される。
本実施形態に係る冷菓原料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。
上記構成によれば、溶け落ち時間が長い冷菓が得られる。
本実施形態に係る冷菓の製造方法は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する冷菓原料から、冷菓を製造する。
上記構成によれば、溶け落ち時間が長い冷菓が得られる。
(冷菓原材料について)
本実施形態において、冷菓原料に含まれるHPMC以外の原材料は、冷菓に使用されている一般原材料、例えば水、乳、乳製品、甘味料、油脂類、安定剤、乳化剤、香料、食塩、果汁、及び果肉等の中から冷菓の種類に応じて適宜選択される。
乳としては、特に限定されないが、例えば牛乳、脱脂乳(スキムミルク)等が挙げられる。乳製品としては、特に限定されないが、例えば脱脂粉乳、調製粉乳、クリーム、練乳、発酵乳等が挙げられる。乳及び乳製品は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
甘味料としては、特に限定されないが、例えば砂糖(ショ糖、スクロース)、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、トレハロース、水飴、異性化糖等の糖類;ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコール類;アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビオサイド、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、ジヒドロカルコン等の非糖質甘味料;等が挙げられる。甘味料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
油脂類は、最終的に製造される冷菓の種類に応じて、クリームの骨格成分として用いられる。油脂類としては特に限定されないが、例えばヤシ、パーム、パーム核、大豆、菜種等の植物性油脂;ラード、ヘッド、魚油等の動物性油脂;等が挙げられる。バター及びクリームといった乳脂肪も使用可能である。油脂類は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
安定剤は、冷菓原料の粘度を適度に高め、製造過程及び保管流通時に冷菓原料中の油脂分が分離することを防ぐ。安定剤は、クリームの氷晶の大きさを調節し、クリームの食感を改良することにも用いられる。安定剤としては特に限定されないが、例えばカラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、微結晶セルロース、ペクチン、デンプン、アラビヤゴム等の植物由来安定剤;ゼラチン、カゼイン、カゼインNa等の動物由来安定剤;カルボキシメチルセルロース(CMC)の合成安定剤;等が挙げられる。安定剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
乳化剤は、脂肪を分散させる機能を有する。脂肪の分散が不十分であると、殺菌工程や均質化工程を良好に実施することが困難となる。乳化剤は、オーバーラン、ドライネス、食感等にも影響を与える。乳化剤としては特に限定されないが、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。乳化剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
香料(フレーバー)としては、所望の芳香を冷菓に与えるものであればよく、例えばバニラ、チョコレート、コーヒー、ストロベリー、アップル、オレンジ、グレープ、シナモン、スイートメロン、バナナ、ピーチ、マンゴー、ミント、レモン等が挙げられる。香料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(冷菓原料の製造について)
図1は、本実施形態に係る冷菓の製造工程を示すフローチャートである。本発明の冷菓は、図1のフローチャートに示す工程に従って、製造、物流、販売される。図1において、「ソフトクリーム」及び「ハードアイスクリーム」共に「アイスクリーム類」の製造を示しているが、夫々「アイスクリーム類」及び「氷菓」の製造工程は略同じである。なお、氷菓の場合、均質化工程及びエージング工程が省略されることがある。
〈調合工程〉
調合工程では、水、乳、乳製品、甘味料、油脂類、安定剤、乳化剤、香料等の原材料と共に、HPMCを調合装置のタンクミキサー内に投入して均一に撹拌混合することにより、「プレミックス」と呼ばれる加熱殺菌前のミックスの前駆混合物を調製する。HPMCの含有量は、0.01重量%以上0.5重量%以下であるのが好ましい。調合工程では、予めHPMCの投入量を考慮した上で、その他の各原材料の投入量を計算しておく。調合工程では、原材料の均一な溶解、混合のために予備加熱してもよい。予備加熱の温度は、特に限定されないが、例えば50〜80℃である。
〈殺菌工程〉
殺菌工程(加熱工程)では、公知のUHT殺菌、HTST殺菌等の連続加熱方法を採用できる。殺菌方法は、これらの方法に限定されず、例えば回分式や連続式の間接加熱法を採用できる。なお、殺菌工程は均質化工程の後に実施してもよい。
〈均質化工程〉
均質化工程では、調合工程で調製されたプレミックスを均質機に移し、均質機にてプレミックス中の乳脂肪や油脂類を粉砕して均質化する。均質機としては、従来公知のホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等を用いることができる。なお、冷菓のうち、油脂を含まない原料ミックスの中には調合過程で完全に分散、溶解するものがある。そのような原料ミックスの場合、均質化工程を省くことが可能である。
〈冷却工程〉
冷却工程では、加熱殺菌された後のミックスを迅速に冷却する。殺菌工程後の高温のミックスを放置しておくと、ミックスの変質及び乳化破壊等が生じる場合がある。そこで、殺菌工程後のミックスを急速に冷却することにより、ミックスの変質及び乳化破壊を回避する。
以下、ハードアイスクリームの製造工程を先に説明し、後にソフトクリームの製造工程を説明する。
〈エージング工程〉
製造された冷菓原料が、アイスクリームミックスである場合、冷却工程後のミックスを数時間〜2日間程度(冷却温度5〜10℃)エージングすることにより、ミックス中の成分が安定化し、フリージング時に良好なアイスクリームが得られるようになる。
〈フリージング工程〉
エージング工程後のミックスを冷菓製造装置(フリーザー)に投入し、ミックスと空気とを所定の割合で撹拌混合しながら所定温度に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状になったアイスクリームを作る。
〈充填工程〉
フリージング後、出来上がったアイスクリームは充填機を用いて所要の容器に所要量充填される。
充填用容器としては目的に合致した従来公知の包装容器を用いればよい。
容器素材の一例として、加工紙、プラスティック素材を用いたカップ容器、バルク容器、ピロー容器、スタンディングパウチ等があるがそれらに限定されない。充填機は夫々に適応する公知の装置を使用できる。
容器充填されたアイスクリームはさらに包装されてもよい。
〈硬化工程(ハードニング)〉
充填が完了したアイスクリームは凍結させるために硬化を実施する。硬化は公知の設備を用いて、アイスクリームを冷却・硬化すればよく、一例として−30〜−40℃の冷風を当てる方式、液体窒素の気化熱を利用する方式があげられるが、これらに限定されない。硬化速度は工程中のアイスクリームの氷晶成長に影響するため、急速冷凍が望ましい。
〈保管、物流、販売〉
硬化を終了したアイスクリームは、冷凍保管・流通され、各店舗に配送されたのち、冷凍ストッカーに陳列され販売される。
続いてソフトクリームの製造工程を説明する。
〈充填工程〉
冷菓がソフトクリームの場合、冷却が完了したソフトクリームミックスは充填機を用いて所要の容器に所要量充填される。充填用容器としては目的に合致した従来公知の包装容器を用いればよい。一例として、加工紙を用いるテトラパック容器、ゲーベルトップ容器、プラスティック素材であるピロー容器、バックインボックス(BIB)用内袋があるが、それらに限定されない。充填機は夫々に適応する公知の装置を使用することができる。充填は無菌条件でもそうでなくてもよい。無菌条件での充填をすれば、常温下で、長期間の流通・保管が可能となる。無菌条件の充填機の一例として、テトラパック社の無菌充填機が知られているが、これに限定されるものではない。容器充填されたソフトクリームミックスはさらに包装されてもよく、一例として、段ボール箱の箱詰めがあげられるが、これに限定されない。
〈流通〉
段ボール箱等に詰められた液状ソフトクリームミックスは、常温若しくは冷蔵、冷凍条件にて保管物流され各店舗に配送される。
〈液状ソフトクリームミックスを用いたソフトクリームの製造及び販売について〉
各店舗に配送された液状ソフトクリームミックスを用いたソフトクリームの製造方法として、例えば以下の製造方法が挙げられる。
工場にて製造された液状ソフトクリームミックスはパック詰めにされ、各店舗に配送される。そして、店舗において液状ソフトクリームミックスを冷菓製造装置に投入し、ソフトクリームミックスと空気とを所定の割合で撹拌混合しながら−4〜−10℃の所定温度に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状となったアイスクリームを消費者の注文に応じてフリーザーから取り出してコーンカップ等の容器上に下から上へ渦巻き状に高く盛り付けることにより、硬化工程を経ることなく、物流されることなく、店舗内で製造された軟らかい状態で、ソフトクリームが対面販売される。
箱詰めされたソフトクリームミックスは、常温若しくは冷蔵、冷凍で保管され、常温若しくは冷蔵、冷凍で物流され、各店舗に配送される。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1.ラクトアイス規格のソフトクリーム
(1)HPMCの含有量と保持時間との関係
HPMCの含有量と保持時間との関係を調べた。以下、ソフトクリームが溶け落ちるまでの時間を保持時間という。ラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースの組成は、以下の通りである。
[ラクトアイス規格のソフトクリームミックスベース]
原材料として糖類、乳製品、油脂類、乳化剤、安定剤、その他、水等を用い、表1の組成比で、後述する比較例1のラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースが調製される。糖類としては砂糖、水あめ等を用い、乳製品としては脱脂粉乳等を用い、油脂類としては、やし油、パーム油を用い、安定剤としてはセルロース、カゼインNa、増粘多糖類を用い、その他としてはバニラ香料、カロチン色素等を用いた。
Figure 0006543741
[実施例1]
HPMC(製品名メトローズ(登録商標)「NE−100」、信越化学工業株式会社製)を用い、HPMCの含有量が0.01重量%となるように、上記のラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースの構成材料と、HPMCを混合して、実施例1のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製した。具体的には、上記表1の組成に対し、HPMCを添加した分、糖類の添加量を減じて配合を行った。
次いで、冷菓製造装置(日世株式会社製フリーザーNA6462WE)に、実施例1のソフトクリームミックスを1.7L投入し、フリージング開始から1時間後、ソフトクリーム約110g(約140ml)を取り出してコーンカップ(日世株式会社製No.15コーン)上に渦巻き状に段々に上積み3段半盛りつけることにより、実施例1のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。
[実施例2〜6]
HPMCの含有量が0.03重量%、0.05重量%、0.10重量%、0.30重量%、0.50重量%となるように、前記ソフトクリームミックスベースの構成材料と、HPMCを配合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6のソフトクリームを製造した。
[比較例1]
HPMCを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のソフトクリームを製造した。
実施例1〜6、及び比較例1のソフトクリームにつき、以下の測定方法により保持時間を測定し、食感等の評価を行った。
[保持時間の測定]
実施例1〜6及び比較例1で製造したソフトクリームを小型ファン(株式会社バッファロー製、「BSOTOS08WH」)によって空気循環させている35℃に保持したインキュベータ(ヤマト科学株式会社製、「IC101W」)内に入れ、皿上のカップホルダーにてコーンカップを立てた状態で支持した。外部の空気が流入しないように扉を閉め、ソフトクリームが溶け落ちる様子を観察した。この時、ソフトクリームをインキュベータに入れた時点から、ソフトクリームが皿の上に溶け落ちるまでの時間を測定した。測定を8回行い、平均時間を算出して保持時間とした。
[食感等の評価]
また、実施例1〜6、及び比較例1のソフトクリームを試食して食感、口当たり(粘性)、風味といった品質を調べた。その結果を表3に示す。評価の基準は以下の通りである。
A…良
B…少しぬめり感があり、食感が少し悪い。
保持時間の測定結果、及び食感等の評価結果を下記の表2及び図2に示す。図2の横軸はHPMCの含有量(重量%)、縦軸は保持時間(秒)である。
Figure 0006543741
表2及び図2より、HPMCを含む実施例1〜6は、HPMCを含まない比較例1より保持時間が向上していることが分かる。HPMCの含有量が0.5重量%である場合、少しぬめり感があり、食感が少し悪くなる。HPMCの含有量は、0.01重量%以上0.50%重量%以下であるのが好ましい。含有量の下限値は0.02重量%であるのがより好ましく、含有量の上限値は0.40重量%、0.30重量%、0.25重量%の順により好ましい。
(2)HPMCのメトキシ基、及びヒドロキシプロポキシ基の置換度と保持時間との関係
HPMCのメトキシ基、及びヒドロキシプロポキシ基の置換度と保持時間との関係を調べた。
[実施例7、8]
HPMCとして、信越化学工業株式会社製のメトローズ「SE−50」、「SFE−400」を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例7及び8のソフトクリームを製造した。HPMCの含有量は0.10重量%である。
[比較例2]
HPMCに代えて、メチルセルロース(「MCE−100」、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、比較例2のソフトクリームを製造した。
「NE−100」、「SE−50」、「SFE−400」、及び「MCE−100」、並びに後述する「NE−4000」の製品規格と実測値とを下記の表3及び表4に示す。
Figure 0006543741
Figure 0006543741
実施例4、7、8、及び比較例2について、保持時間の測定を行った。その結果を下記の表5及び図3に示す。図3の縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
表5及び図3より、実施例4、7、8は、ヒドロキシプロポキシ基を含まず、メトキシ基のみを含む比較例2と比較して、保持時間が向上していることが分かる。実施例4と実施例7とを比較することにより、ヒドロキシプロポキシ基の置換度が略同じ場合、メトキシ基の置換度が高い実施例7の方が、保持時間が長い。
(3)HPMCの粘度と保持時間との関係
HPMCの含有量と保持時間との関係を調べた。
[実施例9]
HPMCとして、信越化学工業株式会社製のメトローズ「NE−4000」を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例9のソフトクリームを製造した。HPMCの含有量は0.10重量%である。
実施例4、9について、保持時間の測定を行った。その結果を下記の表6及び図4に示す。図4の縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
表6及び図4より、粘度が高い実施例9の方が実施例4より保持時間が長いことが分かる。
(4)HPMCの冷菓製造装置による加熱殺菌処理の回数と保持時間との関係
HPMCの冷菓製造装置による加熱殺菌処理の回数と保持時間との関係を調べた。HPMCの含有量が0.10重量%である実施例4のソフトクリームにつき、冷菓製造装置による殺菌処理を0回、1回、7回行った場合の保持時間を測定した。その結果を下記の表7及び図5に示す。図5の縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
殺菌処理の回数が増加するのに従い、保持時間が減少するが、表7及び図5より、殺菌処理の回数が7回の場合においても十分に長い保持時間が得られていることが分かる。
2.アイスクリーム規格のソフトクリーム
(1)HPMCの含有量と保持時間との関係
HPMCの含有量と保持時間との関係を調べた。アイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースの組成は、以下の通りである。
[アイスクリーム規格のソフトクリームミックスベース]
原材料として糖類、乳製品、乳化剤、安定剤、その他、水等を用い、表8に示した組成で、後述する比較例3のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースを調製した。なお、糖類としては砂糖等を用い、乳製品としてはバター、脱脂粉乳等を用い、安定剤としては、セルロース、カゼインNa、増粘多糖類を用い、その他としてはカロチン色素等を用いた。
Figure 0006543741
[実施例10]
HPMCとして信越化学工業株式会社製のメトローズ「NE−100」を用い、HPMCの含有量が0.03重量%となるように、上記のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースの構成材料と、HPMCを混合して、実施例10のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1と同様にして、実施例10のアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。具体的には、上記表8の組成に対し、HPMCを添加した分、糖類の添加量を減じて配合を行った。
[実施例11、12]
HPMCの含有量が0.10重量%、0.50重量%となるように、前記ソフトクリームミックスベースの構成材料に、HPMCを混合したこと以外は、実施例10と同様にして、実施例11、12のソフトクリームを製造した。
[比較例3]
HPMCを配合しなかったこと以外は、実施例10と同様にして、比較例3のソフトクリームを製造した。
そして、実施例1と同様に、実施例10〜12、及び比較例3のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。その結果を下記の表9及び図6に示す。図6の横軸はHPMCの含有量(重量%)、縦軸は保持時間(秒)である。
Figure 0006543741
表9及び図6より、HPMCを含む実施例10〜12は、HPMCを含まない比較例3より保持時間が向上していることが分かる。HPMCの含有量は、0.03重量%以上0.50%重量%以下であるのが好ましい。含有量の下限値は0.05重量%であるのがより好ましく、含有量の上限値は0.40重量%、0.30重量%、0.25重量%の順により好ましい。
(2)HPMCのメトキシ基、及びヒドロキシプロポキシ基の置換度と保持時間との関係
HPMCのメトキシ基、及びヒドロキシプロポキシ基の置換度と保持時間との関係を調べた。
[実施例13、14]
HPMCとして、信越化学工業株式会社製のメトローズ「SE−50」、「SFE−400」を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、実施例13、14のソフトクリームを製造した。HPMCの含有量は0.10重量%である。
[比較例4]
HPMCに代えて、メチルセルロース(「MCE−100」、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、比較例4のソフトクリームを製造した。
実施例11、13、14、及び比較例3、4について、保持時間の測定を行った。その結果を下記の表10及び図7に示す。図7の縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
表10及び図7より、実施例11、13、14、及び比較例4は、HPMCを含まない比較例3と比較して、保持時間が向上していることが分かる。そして、実施例11、13、14は、ヒドロキシプロポキシ基を含まず、メトキシ基のみを含む比較例4より保持時間が長い。実施例11と実施例13とを比較することにより、ヒドロキシプロポキシ基の置換度が略同じ場合、メトキシ基の置換度が高い実施例13の方が、保持時間が長い。実施例13と実施例14とを比較することにより、メトキシ基の置換度が略同じ場合、ヒドロキシプロポキシ基の置換度が高い実施例13の方が、保持時間が長い。
3.アイスクリーム規格のハードアイスクリーム
(1)HPMCの含有と保持時間との関係
HPMCの含有と保持時間との関係を調べた。
[実施例15]
HPMCの含有量が0.10重量%となるように、表8に示したミックスベース(アイスクリーム規格)の構成材料に、HPMCとして信越化学工業株式会社製のメトローズ「SE−50」を混合して、実施例15のハードアイスクリーム用ミックス(アイスクリーム規格)を調製した。
次いで、冷菓製造装置(日世株式会社製フリーザーNA6462WE)に、実施例15のハードアイスクリーム用ミックスを投入し、フリージングし、アイスクリーム約110g(約140ml)を取り出してコーンカップ(日世株式会社製No.15コーン)上に渦巻き状に段々に上積み3段半盛りつけた後、すぐに−20℃の冷凍庫に入れ、24時間以上おくことで硬化させ、実施例15のハードアイスクリーム(アイスクリーム規格)を製造した。硬化後の製品温度は約−20℃であった。
[比較例5]
HPMCを配合しなかったこと以外は、実施例15と同様にして、比較例5のハードアイスクリームを製造した。
そして、実施例1と同様に、実施例15、及び比較例5のハードアイスクリームの保持時間を測定した。その結果を下記の表11及び図8に示す。図8の縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
表11及び図8より、HPMCを含む実施例15は、HPMCを含まない比較例5と比較して、保持時間が大きく向上していることが分かる。
4.ソフトクリームミックスの脂肪量と保持時間との関係
表1のソフトクリームミックスベースにおいて脂肪量を変えたときの保持時間を測定した。
[比較例6]
前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を0重量%にし、HPMCは配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例6のソフトクリームを製造した。なお、上記表1の組成に対し、脂肪量を0重量%にした分、糖類の添加量を増加させて配合を行った。
[比較例7]
HPMCとして信越化学工業株式会社製のメトローズ「NE−100」を0.10重量%配合したこと以外は比較例6と同様にして比較例7のソフトクリームを製造した。なお、上記比較例6の組成に対し、HPMCを添加した分、糖類の添加量を減じて配合を行った。
[比較例8]
前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を3.0重量%にしたこと以外は比較例6と同様にして比較例8のソフトクリームを製造した。
[実施例16]
前記HPMCを0.10重量%配合したこと以外は比較例8と同様にして実施例16のソフトクリームを製造した。
前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を6.0重量%にし、HPMCを配合しなかった比較例は前記比較例1に相当し、前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を6.0重量%にし、前記HPMCを0.10重量%配合した実施例は前記実施例4に相当する。
[比較例9]
前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を9.0重量%にしたこと以外は比較例6と同様にして比較例9のソフトクリームを製造した。
[実施例17]
前記HPMCを0.10重量%配合したこと以外は比較例10と同様にして実施例17のソフトクリームを製造した。
[比較例10]
前記ソフトクリームミックスベースの脂肪量を15.0重量%にしたこと以外は比較例6と同様にして比較例10のソフトクリームを製造した。
[実施例18]
前記HPMCを0.10重量%配合したこと以外は比較例11と同様にして実施例18のソフトクリームを製造した。
そして、実施例1と同様に、実施例4、16〜18、及び比較例1、6〜10のソフトクリームの保持時間を測定した。その結果を下記の表12、図9、及び図10に示す。図9の横軸は脂肪分(重量%)、縦軸は保持時間(秒)である。図9においては、比較例7、及び実施例4、16〜18の結果を示している。図10は、実施例4、16〜18、及び比較例1、6〜10のソフトクリームの保持時間を示すグラフである。図10の横軸は脂肪分(重量%)、縦軸は保持時間であり、分と秒で示してある。
Figure 0006543741
表12、図9、及び図10より、脂肪分が3重量%以上である場合、HPMCを配合することにより、保持時間が向上することが分かる。脂肪分の下限値は4重量%であるのが好ましく、5重量%であるのがより好ましい。
以上より、アイスクリームミックスベースにHPMCが0.01重量%以上0.50重量%以下含まれることにより、良好な粘性、風味及び食感が維持された状態で、保持時間が良好に延長されることが確認された。そして、脂肪分が3重量%以上15重量%以下である場合、良好な保持時間が得られる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。

Claims (5)

  1. ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.01重量%以上0.5重量%以下含有し、
    3重量%以上の脂肪分を含み、
    前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基の置換度は19%以上30%以下であり、ヒドロキシプロポキシ基の置換度は4%以上12%以下であることを特徴とする冷菓。
  2. 35℃に保持し、内部で空気を循環させたインキュベータに入れた時点から、溶け落ちるまでの時間が130秒以上であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓。
  3. ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.01重量%以上0.5重量%以下含有し、3重量%以上の脂肪分を含み、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基の置換度は19%以上30%以下であり、ヒドロキシプロポキシ基の置換度は4%以上12%以下であり、硬化工程を経ずに製造されたソフトクリーム。
  4. ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.01重量%以上0.5重量%以下含有し、3重量%以上の脂肪分を含み、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基の置換度は19%以上30%以下であり、ヒドロキシプロポキシ基の置換度は4%以上12%以下であることを特徴とする冷菓原料。
  5. 請求項に記載の冷菓原料を用いて冷菓を製造する冷菓の製造方法。
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