JP6541481B2 - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記樹脂粒子が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来のユニットaと、重合性不飽和官能基を有する電子供与性化合物由来のユニットbと、を有する樹脂Aを有し、
前記樹脂Aにおいて、前記ユニットaと前記ユニットbとのモル比na/nbが1.0以上10.0以下であり、
前記電子供与性化合物が、ビニルピリジンであることを特徴とするトナーに関する。
前記樹脂微粒子が、水系媒体中で製造された樹脂微粒子であるトナーの製造方法に関する。
(A)特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接、トナー母粒子を製造する方法;
(B)マイクロカプセル製法のような界面重合法でトナー母粒子を製造する方法;
(C)コアセルベーション法によりトナー母粒子を製造する方法;
(D)特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によりトナー母粒子を得る方法;
(E)単分散を特徴とする分散重合法によりトナー母粒子を製造する方法;
(F)非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中で母粒子化するポリマー溶解(溶融)懸濁法;
(G)乳化分散法によりトナー母粒子を得る方法;
(H)加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散させた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望の粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布を調整してトナー母粒子を製造する粉砕法;
(I)粉砕法で得られた母粒子を溶媒中で加熱等により球形化処理したトナー母粒子を得る方法;
以下に、トナーの各物性値の測定方法について記載する。
帯電制御樹脂(樹脂粒子)の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定が可能であり、ポリスチレン換算で算出される。ところで、酸性の置換基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が当該酸性の置換基の量にも依存してしまうため、予め当該酸性の置換基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
帯電制御樹脂(樹脂粒子)の組成比は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来のユニットaについては硫黄元素量測定により、重合性不飽和官能基を有する電子供与性化合物由来のユニットbについてはNMR測定により、それぞれ導出する。
帯電制御樹脂(樹脂粒子)中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来のユニットaの含有量(mmol/g)は、重合体中に含まれる硫黄元素量(ppm)を測定し、その硫黄元素量から算出する。具体的には、樹脂を自動試料燃焼装置(装置名:イオンクロマトグラフ用前処理装置AQF−100型(装置仕様:オートボートコントローラー ABC型、AQF−100、GA−100の一体型、株式会社ダイアインスツルメンツ製)に導入し、樹脂を燃焼ガス化し、そのガスを吸収液(H2O2が30ppm含まれる水溶液)に吸収させる。次に、イオンクロマトグラフィー(装置名:イオンクロマトグラフ ICS2000、カラム:IONPAC AS17、日本ダイオネクス株式会社製)により、吸収液中に含まれるSO4量を測定することで樹脂中に含まれる硫黄元素量(ppm)を算出する。樹脂中の硫黄元素量(ppm)より、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来のユニットa含有量(mmol/g)を算出する。
帯電制御樹脂(樹脂粒子)中の重合性不飽和官能基を有する電子供与性化合物由来のユニットbの含有量は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)を用いて算出する。
核磁気共鳴装置:日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒:重クロロホルム)
上記2種の測定により含有量を算出し、組成比を算出する。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明において、酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加えた後、1時間かけて測定サンプルを溶解させる。次に、上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定を行う。
試料を溶解させない(即ち、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、本試験と同様の操作で滴定を行う。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
(式中、Aは酸価(mgKOH/g)、Bは空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、Cは本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、fは水酸化カリウム溶液のファクター、Sは測定サンプルの秤量(g)である。)
帯電制御樹脂(樹脂粒子)の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて行うことができる。以下に用いる装置について記す。
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT−IRスペクトル
Thermo Fisher Scientific Inc.製 AVATAR360FT−IR
帯電制御樹脂(樹脂粒子)及びトナーのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器を用意した。次に、反応容器を非遮光状態にした状態で、メチルエチルケトン100.0部及びメタノール50.0部を仕込んだ後、窒素気流下で反応容器内にある溶媒を60℃に加熱した。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.1部
・スチレン 83.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 9.0部
・2−ブタノン 100.0部
・メタノール 50.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.0部
・4−ビニルピリジン 1.9部
・2−ブタノン 50.0部
まず下記に示される試薬を混合して、混合液Cを得た。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.1部
・スチレン 83.0部
・4−ビニルピリジン 1.9部
フラスコ内に、アニオン性界面活性剤ネオゲンSC2.5部を脱塩水140部に溶解させた。次に、混合液Cをフラスコ中で分散、乳化させた後、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸カリウム10.0部を溶解した脱塩水100部を投入した。次に、窒素置換を行いながら、フラスコ内の内容物が70℃になるまでオイルバスを用いて加熱し、重合開始から10時間かけて反応させた後、さらに30分保持した。これにより、樹脂微粒子10を得た。
(1)ポリエステルP−1の作製
まず4つ口フラスコ内に、下記に示される試薬、溶媒を仕込んだ。
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 70.0部
・テレフタル酸 28.0部
・フマル酸 3.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
次に、4つ口フラスコに、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけた後、窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させることで、ポリエステル樹脂P−1を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流させた。そこへ上記(1)にて作製したポリエステル樹脂P−1を70部投入し、溶解させた。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 11.0部
・4−ビニルピリジン 2.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.0部
次に、反応容器内にある反応溶液を攪拌しながら混合液Dを滴下した後、10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去することで得た残留物を減圧下40℃で乾燥させることで樹脂を得た。得られた樹脂を、樹脂微粒子1の製造例と同様の方法で微粒子化することで、樹脂微粒子14を得た。
樹脂微粒子1の製造例において、モノマー組成、混合比及び重合開始剤の部数を、表1に記載の通りに変更すること以外は、樹脂微粒子1の製造例と同様の方法で、樹脂微粒子2乃至9、11乃至13、15乃至16をそれぞれ得た。
(1)顔料分散ペーストの作製
下記に示される材料を、容器内でよくプレミックスした後、プレミックスしたものを20℃以下に保ったままビーズミルで5時間分散することで、顔料分散ペーストを作製した。
・スチレン 80.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 14.0部
イオン交換水1150部に、0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液390部を投入した後、60℃に加温してから、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、11000rpmにて撹拌した。次に、1.0モル/リットル−CaCl2水溶液を58部添加することで、Ca3(PO4)2を含む分散液を得た。
・上記(1)で作製した顔料分散ペースト 38.0部
・スチレン 34.0部
・n−ブチルアクリレート 15.0部
・パラフィンワックス(HNP−9:日本精蝋製) 8.00部
・飽和ポリエステル樹脂(注1) 5.00部
(注1:テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価11mgKOH/g、Mw:14700)
次に、混合物を60℃に加温し、溶融、分散させることで単量体混合物を調製した。次に、この単量体混合物を60℃に保持しながら、重合開始剤(2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を5.00部加えて溶解させることで、単量体組成物を調製した。
上記(2)で得られたトナー母粒子分散液を80℃まで冷却した後、トナー母粒子分散液の固形分100.0部に対して3.0部の樹脂微粒子1を5分かけて添加した後、80℃のまま30分間撹拌した。その後、1℃/分のスピードで室温まで冷却した。さらに、分散安定剤除去のために、室温になったのを確認してから10%塩酸を添加し、Ca3(PO4)2を溶解した。次に、分散液をそのまま2時間撹拌した後、ろ過と水による洗浄との組み合わせを3回繰り返した後に固形分を回収し、30℃の減圧乾燥機で1日間乾燥させることで、トナー粒子を得た。さらに得られたトナー粒子に対して、2μm以上、10μm未満の粒子を選別するように分級を行うことで、トナー粒子1を得た。このようにして、トナー母粒子の表面に樹脂粒子を固着させたトナー粒子を得た。
上記(3)で得られたトナー粒子1(100部)に対して、ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後、シリコーンオイルで処理した一次粒子の個数平均粒径9nm、BET比表面積180m2/gの疎水性シリカ微粉体1部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合・外添することにより、トナー1を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子2を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー2を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子3を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー3を得た。
実施例1(1)において、下記に示される材料を用いて顔料分散ペースト調製した。
・スチレンモノマー 80.0部
・カーボンブラック 15.0部
また、実施例1(2)において、単量体組成物を調製する際に添加する顔料ペーストの量を47.5部とした。さらに、実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子4を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により、トナー4を得た。
実施例1(1)において下記に示される材料を用いて顔料分散ペーストを調製した。
・スチレンモノマー 80.0部
・キナクリドン(Pigment Violet 19) 13.0部
また、実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子5を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により、トナー5を得た。
実施例1(1)において下記に示される材料を用いて顔料分散ペーストを調製した。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
また、実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子6を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により、トナー6を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子7を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー7を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子8を用いる以外は、実施例1と同様に製造し、トナー8を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子6を使用し、樹脂微粒子6の添加部数をトナー母粒子分散液の固形分100.0部に対して1.0部にすること以外は、実施例1と同様の方法により、トナー9を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子6を使用し、樹脂微粒子6の添加部数をトナー母粒子分散液の固形分100.0部に対して0.5部にすること以外は、実施例1と同様の方法により、トナー10を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子9を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー11を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子10を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー12を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子11を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー13を得た。
(1)ポリエステル樹脂P−2の作製
下記に示される試薬、溶媒を4つ口フラスコに投入した。
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 50.0部
・ビスフェノールA・エチレンオキサイド2.2モル付加物 20.0部
・テレフタル酸 10.0部
・無水トリメリット酸 8.0部
・フマル酸 12.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
次に、4つ口フラスコに、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけた後、窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させることで、ポリエステル樹脂P−2を得た。得られた樹脂の分子量は、Mw=22500、Mn=3600であった。
次に、下記に示される材料を、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)により十分予備混合を行った。
・ポリエステル樹脂P−2 100.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 5.0部
・パラフィンワックス(HNP−7:日本精鑞社製) 3.0部
次に、二軸式押出機を用いて溶融混練を行い、冷却後、ハンマーミルを用いて混練物を粒径約1から2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級することで、トナー母粒子を得た。
次に、ヘンシェルミキサーを用い、(2)で得たトナー母粒子100質量部と、樹脂微粒子12(3.0部、分散液状)とを混合した後、流動層乾燥機にて乾燥させることで、樹脂微粒子が付着したトナー粒子を得た。そのトナー粒子をハイブリダイザーI型(奈良機械製作所製)に投入し、7000rpmで5分間処理を行うことで、表面に樹脂粒子を固着させたトナー粒子を得た。
(3)で得られたトナー粒子に、実施例1(4)と同様の方法で外添を行うことにより、トナー14を得た。
実施例14(3)において、樹脂微粒子12に代えて樹脂微粒子13を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー15を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子14を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー16を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子15を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー17を得た。
実施例1(3)において、樹脂微粒子1に代えて樹脂微粒子16を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、トナー18を得た。
実施例1(2)で得られたトナー母粒子分散液が室温になったのを確認してから10%塩酸を添加し、Ca3(PO4)2を溶解した。次に、分散液をそのまま2時間撹拌し、ろ過と水による洗浄を3回繰り返した後に固形分を回収し、30℃の減圧乾燥機で1日間乾燥させることで、トナー粒子を得た。この後、実施例1(4)と同様の方法で外添を行うことにより、トナー19を得た。
本発明のトナーの摩擦帯電量は、以下に示す方法によって求めることができる。具体的には、トナーと負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)とを、トナー濃度が4%になるようそれぞれ混合して得られる二成分現像剤を用いて評価を行った。その際に測定に使用する負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)は、250メッシュを通過したものを使用した。
二成分現像剤50gを分取し、常温常湿環境(23℃/60%Rh)及び高温高湿環境(30℃/80%Rh)の各環境下で4日間放置した。その後、二成分現像剤を50ccのポリ容器に入れ、2分かけて300回振とうを夫々行い、図1の装置を用いて摩擦帯電量の測定を行った。尚、具体的な測定方法については、後述する。また評価の際は、各振とう回数における摩擦帯電量の絶対値を測定し、下記式(α)を用いて評価値を計算した後、下記基準に基づいて判断した。結果を表4に示す。尚、A、B、Cランクの評価結果であれば、本発明の効果が得られているレベルとした。
=[常温常湿環境での摩擦帯電量]/[高温高湿環境での摩擦帯電量] (α)
Aランク:評価値が1.00以上1.20未満
Bランク:評価値が1.20以上1.30未満
Cランク:評価値が1.30以上1.40未満
Dランク:評価値が1.40以上
以下、摩擦帯電量の測定例を説明する。底に500メッシュ(目開き25μm)のスクリーン3のある金属製の測定容器2に、摩擦帯電量を測定しようとする二成分現像剤0.5gを入れ金属製のフタ4をした。このとき測定容器2全体の質量を秤り、W1(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体である)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整することで真空計5の圧力を250mmAqとした。この状態で充分(好ましくは、2分間)吸引を行い、トナーを吸引除去した。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。尚、符号8はコンデンサーであり、その容量はC(μF)である。また吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。以上説明した操作によって得られた数値を基に、下記式(β)を用いてトナーの摩擦帯電量(mC/kg)を計算した。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2) (β)
実施例1乃至16、比較例1乃至3のトナーについて、以下に説明する方法で画出し評価を行った。図2のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cのトナーカートリッジを用い、トナーを100g装填した。常温常湿環境下(23℃/60%RH)、高温高湿環境下(30℃/85%RH)の各環境下で72時間各々放置した。
画像濃度については、SPI補助フィルターを装着した、マクベス濃度計(RD−914;マクベス社製)を用いて評価した。出力された画像の定着画像部の画像濃度を測定し、画像濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度から、下記基準で評価した。
Aランク:1.40以上
Bランク:1.30以上1.40未満
Cランク:1.20以上1.30未満
Dランク:1.10以上1.20未満
Eランク:1.10未満
「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、下記の基準で画像カブリを評価した。
Aランク:0.5%以下
Bランク:0.5%を超え1.0%以下
Cランク:1.0%を超え1.5%以下
Dランク:1.5%を超え2.5%以下
Eランク:2.5%を超える
Claims (8)
- 結着樹脂と着色剤とを有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に設けられる樹脂粒子と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂粒子が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来のユニットaと、重合性不飽和官能基を有する電子供与性化合物由来のユニットbと、を有する樹脂Aを有し、
前記樹脂Aにおいて、前記ユニットaと前記ユニットbとのモル比na/nbが1.0以上10.0以下であり、
前記電子供与性化合物が、ビニルピリジンであることを特徴とするトナー。 - 前記重合性不飽和官能基が、ビニル基である請求項1に記載のトナー。
- 前記樹脂Aが、スチレン由来のユニットcをさらに有する請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記樹脂Aにおける前記ユニットaの含有量が0.01mmol/g以上0.8mmol/g以下である請求項1から3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記樹脂Aの重量平均分子量Mwが、2,500以上100,000以下である請求項1から4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記樹脂粒子が、前記トナー母粒子の表面に固着されている請求項1から5のいずれか一項に記載のトナー。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
前記樹脂粒子が、水系媒体中で製造された樹脂微粒子であるトナーの製造方法。 - 前記トナー母粒子が、水系媒体中で製造されものである請求項7に記載のトナーの製造方法。
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