JP5995672B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電印刷等の画像形成方法において静電荷像を現像するためのトナー、またはトナージェット方式の画像形成方法においてトナー像を形成するためのトナーに関する。
トナーの帯電特性を改良するための検討が盛んに行われている。特に、環境への配慮や、より安定した帯電性の要求、製造コスト等の理由から、近年になって荷電制御機能を有する樹脂(荷電制御樹脂)をトナー原材料として用いるという提案が行われている。例えば、ビニル安息香酸の中和塩をモノマー単位として構成された樹脂を、荷電制御樹脂として含有するトナーが提案されている(特許文献1)。この方法によれば、帯電の立ち上がりが早く、帯電量分布がシャープであり、環境安定性及び経時安定性が優れたトナーが得られるとされている。また、ビニル安息香酸モノマーもしくはビニル安息香酸を有する重合体を含有する組成液を用い、懸濁重合法により製造したトナーが提案されている(特許文献2)。この方法によれば、帯電の立ち上がりが早く、帯電性が良好なトナーが得られるとされている。また、スルホン酸基を含有する樹脂を荷電制御樹脂として用いたトナーが提案されている(特許文献3)。この方法によれば、環境変化による帯電量の変化も小さく、帯電特性が安定したトナーが得られるとされている。
しかしながら、このようなトナーでは、接触一成分現像システムなどでプロセススピードを速めた場合において、帯電性能(特に初期の帯電の立ち上がり性)が不十分であることが明らかとなった。この現象に対して、トナーには、短い時間で充分な帯電量まで立ち上がる帯電の迅速さが求められ、これを達成し得るトナーが求められている。また、帯電特性に関しては、長期放置前後で、特に高温高湿下でのトナーの帯電量の差が小さいことも求められている。
また、近年、より低温で定着できるトナーの要求が高まっており、低温で溶融するトナーの開発が進められている。一方で、地球温暖化の影響で、より高温高湿下での保管耐性の向上も求められている。このような状況の中、前述の荷電制御樹脂は、特に低温で溶融するトナーの使用時に高温高湿下での吸湿軟化の影響を受けやすく、トナーの流動性が低下することが課題であり、改善の余地があった。そのため、良好な帯電特性を保持しつつ、さらに、高温高湿下での吸湿軟化を抑制し得るトナーの開発が求められている。
特開昭63−88565号公報 特開平11−72955号公報 特許第2807795号公報
本発明の目的は、短い時間で充分な帯電量まで帯電を立ち上げることが可能なトナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明のトナーにより前記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーであり、前記荷電制御剤が、部分構造として下記式(1)で示される構造aを有する重合体Aを含み、且つ、前記重合体Aの重量平均分子量(Mw)が1000以上100000以下であることを特徴とするトナーである。
Figure 0005995672
式(1)
(式(1)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、gは、1以上3以下の整数を表し、hは、0以上3以下の整数を表し、hが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
本発明によれば、短い時間で充分な帯電量まで帯電を立ち上げることが可能なトナーを提供することができる。
本発明における帯電量の測定装置である。 本発明における帯電量分布の評価基準である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、トナー用荷電制御剤として、部分構造として下記式(1)で示される構造aを有する重合体Aを用いることによって、上記課題を解決することができるトナーが得られることを見出した。
Figure 0005995672

式(1)
(式(1)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、gは、1以上3以下の整数を表し、hは、0以上3以下の整数を表し、hが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
及びRにおけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシル基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
重合体Aは、構造aを有する重合体である。この重合体Aを荷電制御剤として用いたトナーは、従来の安息香酸構造を有した樹脂を荷電制御樹脂として使用した場合と比較して、短い時間で充分な帯電量まで帯電を立ち上げる摩擦帯電特性(以下、帯電立ち上がり性とも称する)が優れる。また、長期放置前後における帯電量の差を小さくすることができる。さらには、高温高湿下で保管した場合でもトナーの流動性の低下を抑制し得る。
構造aは、主鎖との連結部と安息香酸構造部位との間にベンジルオキシ部位を介しているのが特徴であり、構造的に柔軟性に富む。これが、電荷の授受がより有利となる分子配置を取り易くする効果を生み、従来の安息香酸構造を有した樹脂等と比較して、帯電立ち上がり性を向上させているものと考えられる。また、構造aの柔軟性による電荷の授受の容易性が飽和帯電量の増加にも寄与していると考えられる。これにより、所望の飽和帯電量を得るための荷電制御剤のトナーへの添加量を削減することができるため、高温高湿下で保管した場合のトナーの流動性の低下を抑制することが可能となる。
重合体Aの主鎖構造としては、以下のものが挙げられる。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。この中でも、トナーのバインダー樹脂との親和性を考慮し、例えば、バインダー樹脂の主成分が、ポリエステル系樹脂である場合、重合体Aの主鎖構造をポリエステル系重合体にすることが好ましい。また、バインダー樹脂の主成分が、ビニル系樹脂である場合、重合体Aの主鎖構造をビニル系重合体にすることが好ましい。さらに、バインダー樹脂の主成分がビニル系樹脂であるトナーの場合、上記式(1)で表わされる構造aは、下記式(2)で表わされるユニットとして該重合体Aに含まれることが好ましい。
Figure 0005995672
(式2)
(式(2)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、Rは、水素原子またはメチル基を表し、iは、1以上3以下の整数を表し、jは0以上3以下の整数を表し、jが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
,Rにおける、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシル基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
このように、重合体Aがビニル系重合体であることにより、ビニル系樹脂を主成分とするトナー粒子中では、相溶されやすくなる。相溶化により、より最適な分子配置をとることが可能となり、重合体Aの帯電能がより効果的に発揮される。水系媒体中でトナーを製造する場合は、重合体Aのバインダー樹脂への相溶性を考慮することにより、荷電制御剤の効果を発揮しやすく、極性の高い重合体A成分のトナー粒子表層への配置がスムーズに進行するため、帯電立ち上がり性をより効率的に発現しやすくなる。
重合体Aの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した重量平均分子量が1000以上100000以下であり、好ましくは10000以上90000以下である。重合体Aの重量平均分子量を1000以上とすることで、高温高湿下で保管した際にトナー粒子中からの重合体Aのトナー表面への染み出しが抑制され、良好な流動性が確保できる。また、重量平均分子量を100000以下とすることで、トナーの定着性が良好で、かつ、重合体Aのトナー粒子間での偏在を抑制できるため、シャープな帯電量分布となる。重量平均分子量を上記範囲とするためには、重合体Aを製造する際の試薬量、反応温度、溶媒濃度などの条件を変えることにより制御可能である。また、GPCにより分取することによって、所望の分子量の重合体Aを得ることができる。
さらに、重合体A中の構造aの含有量は、10μmol/g以上1500μmol/g以下であることが好ましい。重合体A中の構造aの含有量が10μmol/g以上とすることで、良好な摩擦帯電性が発揮される。また、1500μmol/g以下であることで、構造aの持つ吸湿性による帯電性の影響を抑えることができ、特に、長期放置した際の帯電性の低下をより抑えることができる。また、構造aの持つ吸湿性によるトナーの流動性低下を抑えることができる。重合体A中の構造aの含有量は、重合体Aを合成する際の仕込み比や、反応温度等の反応条件で調節することが可能である。
重合体Aの製造方法としては特に限定されず、公知の手法により製造することができる。ビニル系重合体の場合には、例えば、式(1)で示される構造を有する構造aを含有する重合性単量体(式(5))と、ビニル系単量体とを重合開始剤を用いて共重合させる方法である。
Figure 0005995672
式(5)
(式(5)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、R10は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、R11は、水素原子またはメチル基を表し、mは、1以上3以下の整数を表し、nは、0以上3以下の整数を表し、nが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
構造aを有する重合性単量体の具体例を表1に示す。なお、構造aを有する重合性単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005995672
表1中、Meはメチル基、MeOはメトキシ基である。
構造aを含有する重合性重合体Aと共重合させるビニル系単量体としては、特に制限されない。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルの如きアクリル酸エステル類;前記アクリル酸エステル類のアクリルをメタクリルに変えたメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸アミノエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロールの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。なお、ビニル系単量体は、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いても良い。また、公知の架橋剤を併用してもよい。
上記した重合性単量体成分を重合させる際に用いることのできる重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。また、アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上組み合わせて用いることもできる。この際、使用される重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し0.100質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。また、その重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、塊状重合等いずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するものではない。
一方、本発明の構造aを含有する重合体Aがポリエステル樹脂である場合には、種々の公知の製造方法が利用可能である。例えば、
i)ポリエステル構造に含まれるカルボキシル基やヒドロキシル基の反応残基を利用して、有機反応により、式(1)で示される構造aに変換する方法;
ii)式(1)で示される構造aを置換基として有する多価アルコールまたは多価カルボン酸を用いてポリエステルを作製する方法;
iii)多価アルコールまたは多価カルボン酸に、式(1)で示される構造aを置換基として導入させやすい官能基をあらかじめ導入しておく方法;
等が挙げられる。
また、ハイブリッド樹脂である場合には、
iv)式(1)で示される構造aを置換基として含有するポリエステル樹脂をビニル単量体によりハイブリッド化する方法;
v)ビニル単量体としてアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するものを用いて重合した後に、そのカルボキシル基を有機反応により、式(1)で示される構造に変換する方法;
vi)式(1)で示される構造aを有するビニル単量体を用いてポリエステル樹脂をハイブリッド化する方法;
等が挙げられる。
ポリエステル樹脂をビニル単量体によってハイブリッド化する方法としては公知の方法が利用可能であり、iv)の方法として有効である。具体的には過酸化物系の開始剤によりポリエステルのビニル変性を行う方法、不飽和基を有するポリエステル樹脂をグラフト変性してハイブリッド樹脂を作製する方法等が挙げられる。
またはv)の具体的方法としては、式(1)で示される構造aを導入する場合、樹脂中に存在するカルボキシル基を式(1)の結合部にアミノ基を導入した化合物を用いてアミド化する方法等を挙げることができる。
また、vi)の具体的方法としては、使用可能なビニル単量体としては、前述の式(5)で示される重合性単量体を用いることができる。
本発明において、重合体の重量平均分子量の調整方法としては公知の方法が使用可能である。具体的には、ポリエステル樹脂の場合には、酸成分とアルコール成分の仕込み比や重合時間を調整することにより任意に調整可能である。またハイブリッド樹脂においてはポリエステル成分の分子量調整に加えて、ビニル変性ユニットの分子量の調整によっても重合体の重量平均分子量の調整が可能となる。具体的には、ビニル変性の反応工程においてラジカル開始剤量や重合温度等を調整することにより任意に調整可能である。本発明でポリエステル樹脂のハイブリッド化に用いることのできるビニル単量体としては、前述したビニル系単量体を用いることができる。
重合体A中の構造aの含有量は、NMRもしくは後述の方法により求めることができる。まず、重合体Aを後述の方法により滴定することにより、重合体Aの酸価を求め、重合体Aが有する構造aに由来するカルボキシル基の量を算出する。そして、これを基に重合体A中の構造aの含有量(mmol/g)を算出する。なお、重合体Aが構造a以外の部位にカルボキシル基を有している場合は、重合体Aを作製する際に構造aを付加反応させる直前の化合物(例えばポリエステル樹脂)の酸価をあらかじめ測定しておく。構造aの付加量は、付加反応後の重合体Aの酸価との差で算出することができる。
本発明のトナーは、トナー中の構造aの含有量xが0.10μmol/g以上200.00μmol/g以下であることが好ましい。トナー中の構造aの含有量xが上記の範囲内であると、十分な帯電量を得られるようになることに加え、吸湿を抑制することができるため、良好な流動性が確保できる。トナー中の構造aの含有量xは、トナー作製時の重合体Aの仕込み量や重合体A中の構造aの含有量等を調節して制御可能である。なお、後述のトナー中の構造aの含有量xはトナー作成時の構造aを含む化合物の仕込み量により算出する。
さらに、本発明者らは、荷電制御剤として、重合体Aと共に、部分構造として構造b(下記式(3))を有する重合体Bをトナーに更に含有させることが、飽和帯電量の増加と、帯電立ち上がり性能の向上に有効であることを見出した。
Figure 0005995672
式(3)
(式中、Bは置換基を有していてもよい炭素数1または2のアルキレン構造、もしくは、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、Rは、水素原子、または、炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、該アルキレン構造における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6または12のアリール基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基であり、該芳香族環における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基である。)
上記式(3)で表わされる構造bは、下記式(4)で表わされるユニットとして該重合体Bに含まれることが好ましい。
Figure 0005995672

式(4)
(式(4)中、Bは置換基を有していてもよい炭素数1または2のアルキレン構造、もしくは、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、Rは、水素原子、または、炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、Rは、水素原子、またはメチル基を表し、該アルキレン構造における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6または12のアリール基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基であり、該芳香族環における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基である。)
重合体Bの製造方法は特に限定されないが、前述した重合体Aと同様の製造方法により製造することができる。重合体Bがビニル系重合体の場合は、式(6)に示すビニル単量体が好適に用いられる。
Figure 0005995672

式(6)
(式中、Bは、置換基を有していてもよい炭素数1または2のアルキレン構造、又は、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、R13は、水素原子、または、炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、R14は、水素原子、またはメチル基を表し、該アルキレン構造における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6または12のアリール基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基であり、該芳香族環における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基である。)
構造bを含有する重合体単量体Bの具体例としては、以下のものを挙げることができる。2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、2−メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、3−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、3−メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、4−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、4−メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−5−メチルベンゼンスルホン酸、2−メタクリルアミド−5−メチルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2−メタクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸、及びそれらの炭素数1以上12以下のアルキルエステル。その中でも、スルホン酸構造、メチルエステル又はエチルエステルであることが好ましく、より好ましくは、スルホン酸構造又はメチルエステルである。
また、重合体Bがポリエステル樹脂である場合も重合体Aと同様の製造法を用いることができる。ポリエステル樹脂をビニル単量体によってハイブリッド化する方法としては公知の方法が利用可能であり、重合体Aの製造方法の例として挙げたiv)の方法として有効である。具体的には過酸化物系の開始剤によりポリエステルのビニル変性を行う方法、不飽和基を有するポリエステル樹脂をグラフト変性してハイブリッド樹脂を作製する方法等が挙げられる。
また、v)の具体的方法としては、式(3)で示される構造bを導入する場合、樹脂中に存在するカルボキシル基を式(3)の結合部にアミノ基を導入した化合物を用いてアミド化する方法等を挙げることができる。
また、vi)の具体的方法としては、使用可能なビニル単量体としては、前述の式(6)で示される重合性単量体を用いることができる。
本発明において、重合体の重量平均分子量の調整方法としては公知の方法が使用可能である。具体的にはポリエステル樹脂においては酸成分とアルコール成分の仕込み比や重合時間により任意に調整可能である。またハイブリッド樹脂においてはポリエステル成分の分子量調整に加えてビニル変性ユニットの分子量の調整も可能となる。具体的には、ビニル変性の反応工程においてラジカル開始剤量や重合温度等により任意に調整可能である。本発明でポリエステル樹脂のハイブリッド化に用いることのできるビニル単量体としては、前述したビニル系単量体を用いることができる。
重合体A及び重合体Bがトナーバインダー中に共存することにより、トナーの帯電の立ち上がりや高温高湿下での長期保存前後での帯電安定性が良好になり、帯電量分布がシャープになる。その理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。構造b中のスルホン酸基による発電機構とアミド基による電荷蓄積機能により、帯電速度が高まり、トナーの帯電の立ち上がりが良好となる。
一方、構造aに含まれる安息香酸構造及びベンジルオキシル部位により、構造bにて蓄えられた過剰な電荷をトナーバインダー中に散逸させることができる。その結果、トナーが過剰に帯電することが抑制されるものと考えている。この相乗効果により、トナー一粒子ごとに帯電する機会のバラツキがあったとしても、トナー全体の帯電量分布が均一になり易く、帯電立ち上がりも良好となるものと考えられる。
重合体Bは、トナー中に硫黄含有量が0.10μmol/g以上となるよう含有され、トナー中に含有する構造aの含有量x(μmol/g)及び構造bの含有量y(μmol/g)におけるモル比x/yが0.10以上50.00以下であることが好ましい。トナー中の硫黄含有量が0.10μmol/g以上となると、より十分な帯電量が得られるようになる。また、x/yが上記の範囲であれば、前述した構造aと構造bの相乗効果により、帯電の立ち上がりがより速くなり効果的である。トナー中の硫黄含有量を0.10μmol/g以上とするためには、トナー製造時の重合体Bの添加量で制御することができる。また、x/yを上記範囲にするためには、トナー製造時の重合体Aと重合体Bの添加量を調節したり、重合体Aや重合体Bにおける構造aの含有量xや構造bの含有量yを調整することで制御可能である。
本発明において、トナー中の硫黄含有量と構造bの含有量yは、以下のようにして算出する。重合体Bの元素分析によって、重合体B1g中に存在する構造bに由来する硫黄元素の含有量を算出し、該硫黄元素の含有量を32.06(硫黄元素の原子量)で割ることにより、重合体B1gあたりの構造bの含有量(μmol/g)を算出する。そして、酸価から算出した構造aの含有量(μmol/g)と構造bの含有量(μmol/g)から構造aと構造bのモル比a/bを求めることができる。
重合体A及び重合体Bの添加量としては、結着樹脂100.0質量部に対して、0.0100質量部以上50.0質量部以下である。より好ましくは、0.0100質量部以上30.0質量部以下である。
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂としては特に制限はない。例えば以下のようなものを例示することができる。スチレン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、また、それらの樹脂を任意に結合させたハイブリッド樹脂。中でも以下のものがトナー特性の上で望ましく用いられる。スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂又はスチレン−メタクリル樹脂とポリエステル樹脂とを結合させたハイブリッド樹脂。
前記ポリエステル樹脂としては、多価アルコールとカルボン酸、若しくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステルを原料モノマーとして通常製造されるポリエステル樹脂を使用することができる。具体的には、前述したポリエステル樹脂と同様の多価アルコール成分、多価カルボン酸成分が利用可能である。それらの中でも、特に、以下に挙げる成分を縮重合したポリエステル樹脂が好ましい。ジオール成分としてはビスフェノール誘導体。酸成分としては、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸の如き低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分。
本発明のトナーは、磁性トナーとして用いることも可能であり、その場合には、以下に挙げられる磁性体が用いられる。マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niの如き金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、およびこれらの混合物。四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)。上述した磁性材料を単独で或いは2種類以上を組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は、平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがさらに好ましい。795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)、飽和磁化(σs)が5Am/kg以上200Am/kg以下である。好ましくは50Am/kg以上100Am/kg以下である。残留磁化(σr)は、2Am/kg以上20Am/kg以下のものが好ましい。
結着樹脂100質量部に対して、磁性体10.0質量部以上200質量部以下、好ましくは20.0質量部以上150質量部以下使用するのが良い。
一方、非磁性トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来から知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いることができる。イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199;C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、162、163;C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、147、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック及び上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHT透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、離型剤を含有しても良い。離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2400以下の領域にあることが好ましく、430以上2000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して総量で2.50質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.00質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法を挙げることができる。その中でも、着色剤、離型剤及び荷電制御剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒してトナー粒子を得る製造方法であることが好ましく、具体的には、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法であることが好ましく、より好ましくは、懸濁重合法である。その理由としては、水系媒体中で造粒させる工程(造粒工程)において、重合体Aまたは/及び重合体Bを効果的にトナー粒子表面に局在させることが可能となり、均一な帯電性と、良好な帯電立ち上がり性、帯電量分布がより効果的に発揮されるためである。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法においては、まず、結着樹脂を構成する重合性単量体中に着色剤を撹拌機等によって均一に溶解混合または分散させる。特に着色剤が顔料である場合には、分散機により処理し顔料分散ペーストとすることが好ましい。これを重合性単量体及び重合開始剤、並びに、荷電制御剤として、重合体A及び/または重合体B、更にワックスや必要に応じた他の添加剤とともに、撹拌機等によって均一に溶解混合または分散させ、重合性単量体組成物を作製する。なお、重合体A及び/または重合体Bは顔料ペーストの作製時に混合させておいてもよい。こうして得られた重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する分散媒体(好ましくは水系媒体)中に添加し、撹拌装置として高速撹拌機もしくは超音波分散機の如き高速分散機を使用してトナー粒子径まで微分散させる(造粒工程)。そして、造粒工程において微分散された重合性単量体組成物を光や熱により重合反応させ(重合工程)、トナー粒子を得ることができる。
有機媒体に顔料を分散させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、有機媒体中に必要に応じて樹脂、顔料分散剤を溶かし込み、撹拌しながら顔料粉末を徐々に加え十分に溶媒になじませる。さらにボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミル等の分散機により機械的剪断力を加えることで顔料を安定に微分散、すなわち均一な微粒子状に分散することができる。
懸濁重合法において好適に用いることができる重合性単量体としては、前述のビニル系単量体を同様に用いることができる。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法において、用いることのできる分散媒体としては、結着樹脂、有機媒体、重合性単量体、重合体Aおよび重合体Bなどの分散媒体に対する溶解性から決められるものであるが、水系の分散媒体が好ましい。水系の分散媒体として使用できるものは、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類が挙げられ、その他にも水溶性のものとして、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;エチルエーテル、エチレングリコール等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類等から選ばれるが、水またはアルコール類であることが特に好ましい。またこれらの溶媒を2種類以上混合して用いることもできる。分散媒体に対する液状混合物又は重合成単量体組成物の濃度は、分散媒体に対して1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上65質量%以下である。
水系の分散媒体を使用する場合に用いることのできる分散安定化剤としては、公知のものが使用可能である。具体例には、無機化合物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等を水相に分散させて使用できる。分散安定化剤の濃度は液状混合物又は重合性単量体組成物100質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下が好ましい。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造に用いる重合開始剤としては、重合体Aの重合性単量体を重合する際に例示した重合性開始剤を用いることができる。
また、懸濁重合法によるトナー粒子の製造において、公知の架橋剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対し0質量部以上15.0質量部以下である。
溶解懸濁法においては、重合体Aまたは/及び重合体Bを他の必要成分とともに有機溶媒中に溶解または分散させ、水系媒体中で懸濁造粒した後、液滴に含まれる有機溶媒を除去することによりトナー粒子を作製することができる。
乳化凝集法では、重合体Aまたは/及び重合体Bを転相乳化などの方法により水系媒体中に微分散させ、他の必要成分の微粒子と混合し、水系媒体中でそれらのゼータ電位の制御によりトナー粒径に凝集させトナー粒子を生成することができる。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面に無機微粉体を有することが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性改良及び帯電均一化のためにトナー粒子に添加、混合され、添加された無機微粉体はトナー粒子の表面に均一に付着した状態で存在する。
本発明における無機微粉体は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれる無機微粉体またはその複合酸化物などが使用できる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミナ微粉体やチタン酸ストロンチウム微粉体等が挙げられる。これら無機微粉体は、表面を疎水化処理して用いることが好ましい。
さらに、本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機および/または無機微粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
トナー粒子100質量部に対して無機微粉体や添加剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.010質量部以上8.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.10質量部以上4.0質量部以下である。
トナーは、より微小な潜像ドットを忠実に現像するために、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上15.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上12.0μm以下であることがより好ましい。また、個数平均粒子径(D1)に対する重量平均粒子径(D4)の比(D4/D1)が1.40未満であることが好ましい。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。磁性キャリアとしては、磁性体粒子そのもの、磁性体粒子を樹脂で被覆した被覆キャリア、磁性体粒子を樹脂粒子中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリア等の公知の磁性キャリアを用いることができ、磁性体粒子としては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
磁性キャリアの平均粒径は、体積基準の50%粒径(D50)で、10.0μm以上100.0μm以下であることが好ましく、20.0μm以上70.0μm以下であることがさらに好ましい。二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4.0質量%以上13.0質量%以下である。
以下に、各物性の測定方法を示す。
<重合体A及び重合体Bの重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重合体A及び重合体Bの分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。スルホン酸基を有する重合体Bは、カラム溶出速度がスルホン酸基の量にも依存してしまうため、正確な分子量及び分子量分布を測定したことにはならない。そのため、予めスルホン酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下のようにして行う。上記樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。尚、サンプル調製は、樹脂の濃度が0.8質量%になるようにTHFの量を調整する。なお、樹脂がTHFに溶解しにくい場合には、DMFなどの塩基性溶媒を用いることも可能である。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流 速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、以下に列挙する標準ポリスチレン樹脂カラムを用いて作成した分子量校正曲線を使用する。具体的には、東ソ−社製の商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」である。
<重合体A及び重合体Bの組成分析>
重合体A及び重合体Bの構造決定には、以下の測定装置を用いることができる。
〔FT−IRスペクトル〕
Nicolet社製 AVATAR360FT−IR
H−NMR、13C−NMR〕
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
<樹脂の酸価の測定方法>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/lの塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/lの塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<重合体B中の構造bの含有量の測定方法>
重合体B中の構造bのモル数は樹脂中の硫黄元素のモル数に相当する。よって、下記のように樹脂中の硫黄元素の含有量を測定することにより構造bの定量を行う。
(樹脂及びトナー中の硫黄元素の含有量の測定方法)
樹脂中またはトナー中の硫黄元素の含有量の測定方法を以下に述べる。具体的には、樹脂を自動試料燃焼装置(装置名:イオンクロマトグラフ用前処理装置AQF−100型、株式会社ダイアインスツルメンツ製)に導入し、樹脂を燃焼ガス化し、そのガスを吸収液に吸収させる。次に、イオンクロマトグラフィー(装置名:イオンクロマトグラフ ICS2000、カラム:IONPAC AS17、日本ダイオネクス株式会社製)により、樹脂中あるいはトナー中の硫黄元素の含有量(ppm)を測定する。得られた値を硫黄元素の原子量(32.06)で割ることにより、硫黄元素の含有量(μmol/g)を算出する。
<トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。「部」は「質量部」を意味する。
以下に式(1)で表される構造のうち式(3)で表わされるビニル基を有する化合物を重合性単量体の合成例を示す。
<ビニル単量体1aの合成例>
p−ヒドロキシ安息香酸 100.0gをメタノール710mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム147.8gを加えて67℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン113.8gをp−ヒドロキシ安息香酸が入った溶解液に滴下し、67℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水に分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。この析出物をメタノールに溶解させ水に滴下し、再沈殿、ろ過回収することで析出物を得た。この再沈殿操作を2回行い、得られた析出物を80℃にて48時間乾燥させることで、下記構造を有するビニル単量体1aを63.5g得た。
(ビニル単量体1a)
Figure 0005995672
<ビニル単量体1bの合成例>
3−ヒドロキシ安息香酸281.9gをメタノール2Lに溶解させ、炭酸カリウム414.4gを加えて60℃に加熱した。この溶解液に4−(クロロメチル)スチレン353.4gを加えて、還流下、3時間反応させた。得られた反応液を冷却し、メタノールを減圧留去し、残渣を得た。得られた残渣をpH=3の水に分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、有機層を飽和食塩水に水洗してから、減圧下、酢酸エチルを留去後、酢酸エチル中で再結晶を行った。得られた析出物を60℃にて24時間乾燥させることで、下記構造を有するビニル単量体1bを261.1g得た。
(ビニル単量体1b)
Figure 0005995672
<ビニル単量体1cの合成例>
3−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸168.2gをメタノール1000mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム207.3gを加えて60℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン176.7gを3−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸が入った溶解液に滴下し、還流下、4時間反応させた。得られた反応液を冷却し、メタノールを減圧留去し、残渣を得た。得られた残渣をpH=3の水に分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、有機層を飽和食塩水に水洗してから、減圧下、酢酸エチルを留去後、酢酸エチル中で再結晶を行った。得られた析出物を60℃にて24時間乾燥させることで、下記構造を有するビニル単量体1cを115.0g得た。
(ビニル単量体1c)
Figure 0005995672
<ビニル単量体1dの合成例>
3−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸を3−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸152.1gに変更すること以外は、ビニル単量体1cと同じ方法で、下記構造を有するビニル単量体1dを得た。
(ビニル単量体1d)
Figure 0005995672
<ビニル単量体1eの合成例>
4−(クロロメチル)スチレンを3−(クロロメチル)メチルスチレンと4−(クロロメチル)スチレンの混合物(AGCセイケミカル社製、商品名「CMS−P」に変更すること以外は、ビニル単量体1aの合成例と同じ合成方法で、下記構造を有するビニル単量体1eを得た。
(ビニル単量体1e)
Figure 0005995672
及び
Figure 0005995672

の混合物
<重合体A−1の合成例>
ビニル単量体1a 7.19gとスチレン60.1gをトルエン42.0mlに溶解させ、1時間撹拌した後、110℃まで加熱した。この反応液に、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)4.62gとトルエン42mlの混合液を滴下した。更に110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、重合体A−1を55.4g得た。得られた重合体A−1の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−2の合成例>
重合体A−1の合成例において、トルエンの量を91.2mlに、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネートを7.09gに変更する以外は同じ方法で合成し、重合体を合成した。得られた重合体をGPCで10フラクションに分取し、低分子量側から2つ目と3つ目のフラクションを回収、濃縮乾燥することで重合体A−2を得た。重合体A−2の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−3の合成例>
重合体A−1の合成例において、トルエンの量を100.0mlに、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネートを7.40gに変更する以外は同じ方法で合成し、重合体を合成した。得られた重合体をGPCで10フラクションに分取し、低分子量側から2つ目と3つ目のフラクションを回収、濃縮乾燥することで重合体A−3を得た。重合体A−3の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−4の合成例>
重合体A−1の合成例において、トルエンの量を30.2mlに、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネートを3.02gに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−4を合成した。重合体A−4の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−5の合成例>
重合体A−1の合成例において、トルエンの量を30.0mlに、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネートを2.30gに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−5を合成した。重合体A−5の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−6の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aをビニル単量体1bに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−6を合成した。重合体A−6の酸価を測定し、ビニル単量体1bに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−7の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1a 7.19gをビニル単量体1c 5.83gに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−7を合成した。重合体A−7の酸価を測定し、ビニル単量体1cに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−8の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1a 7.19gをビニル単量体1d 5.51gに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−8を合成した。重合体A−8の酸価を測定し、ビニル単量体1dに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−9の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aをビニル単量体1eに変更する以外は重合体A−1と同じ方法で合成し、重合体A−9を合成した。重合体A−9の酸価を測定し、ビニル単量体1eに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−10の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aを30.77gに、スチレンを31.6gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−10を合成した。重合体A−10の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−11の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aを0.167gに、スチレンを73.8gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−11を合成した。重合体A−11の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−12の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aを0.254gに、スチレンを73.7gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−12を合成した。重合体A−12の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−13の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aを25.76gに、スチレンを38.5gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−13を合成した。重合体A−13の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−14の合成例>
重合体A−1の合成例において、反応液の組成を、ビニル単量体1aを8.70g、スチレンを57.0g、アクリル酸ブチルを8.30gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−14を合成した。重合体A−14の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−15の合成例>
4−(クロロメチル)スチレンをp−アミノベンジルクロライド105.6gに変更した以外は、ビニル単量体1aの合成と同じ方法で、下記式(7)で表わされる化合物を得た。
次に、
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 67.8部
・テレフタル酸 22.2部
・無水トリメリット酸 10.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−1を得た。
反応容器に、得られたポリエステル樹脂P−1を85.0部、下記式(7)で表わされる化合物を14.1部入れ、冷却管、撹拌機、温度計を浸けた。ここにピリジン270部を加えて撹拌した後、亜リン酸トリフェニル96.0部を加え、120℃で6時間撹拌する。反応終了後、エタノール360部に再沈殿して回収した。得られたポリマーを、1N塩酸140部を用いて2回洗浄を行った後、水140部で2回洗浄を行い、減圧乾燥させることで重合体A−15を得た。構造の同定はNMRを用いて行い確認した。また、重合体中の構造1aの含有量は、NMRと分子量より算出した。
Figure 0005995672
式(7)
<重合体A−16の合成例>
重合体A−1の合成例において、スチレンの代わりにアクリル酸ブチルを66.6gに、ビニル単量体1aを7.40gに変更する以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−16を合成した。重合体A−16の酸価を測定し、ビニル単量体1aに由来する成分の含有量を確認した。
<重合体A−17の合成例>
重合体A−1の合成例において、ビニル単量体1aを下記式(8)で表わされる化合物6.86g、スチレン66.6gに変更した以外は、重合体A−1と同じ方法にて重合体A−17を合成した。重合体A−17の酸価を測定し、式(8)に由来する成分の含有量を確認した。
Figure 0005995672
式(8)
<重合体B−1の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.00部
・スチレン 78.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.00部
上記の材料を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体B−1を得た。得られた重合体B−1は元素分析によって、硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
<重合体B−2の合成例>
下記材料を用いる以外は重合体B−1と同様に重合体B−2の合成を行い、重合体B−2を得た。
・2−アクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸メチル 16.0部
・スチレン 74.0部
・n−ブチルアクリレート 10.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.00部
得られた重合体B−2は元素分析によって硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
<重合体B−3の合成例>
下記材料を用いる以外は重合体B−1と同様に重合体B−3の合成を行い、重合体B−3を得た。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸メチル 12.0部
・スチレン 72.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.00部
得られた重合体B−3は元素分析によって硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
<重合体B−4の合成例>
下記材料を用いる以外は重合体B−1と同様に重合体B−4の合成を行い、重合体B−4を得た。
・2−アクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸 8.00部
・スチレン 76.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.00部
得られた重合体B−4は元素分析によって硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
<重合体B−5の合成例>
下記材料を用いる以外は重合体B−1と同様に重合体B−5の合成を行い、重合体B−5を得た。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.00部
・スチレン 78.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.00部
得られた重合体B−5は元素分析によって硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
<重合体B−6の合成例>
ポリエステル樹脂P−2の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 69.0部
・テレフタル酸 28.0部
・フマル酸 3.00部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−2を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。そこへ先に作製した樹脂P−2を70部投入し、溶解させた。
・2−アクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸メチル 15.0部
・スチレン 15.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.50部
次に、上記の材料を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体B−6を得た。
得られた重合体B−6は元素分析によって硫黄原子を定量し、スルホン酸に由来したユニットの含有量を確認した。
以上に作製した重合体の物性を表2に示す。
Figure 0005995672
<実施例1>
(1)顔料分散ペーストの作製:
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3(Cuフタロシアニン顔料) 9.75部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−1 1.59部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで10時間分散し、顔料分散ペーストを作製した。
(2)トナー粒子の作製:
イオン交換水1200部に0.1モル/l−NaPO水溶液350部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて11,000rpmにて撹拌した。これに1.00モル/l−CaCl水溶液52.0部を添加し、Ca(POを含む分散媒体を得た。
・上記顔料分散ペースト 47.2部
・スチレン 31.0部
・n−ブチルアクリレート 30.0部
・エステルワックス 10.0部
(主成分C1939COOC2041、最大吸熱ピーク温度68.6℃)
・飽和ポリエステル樹脂 5.00部(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価10.0mgKOH/g、Mw16000)
上記の材料を60℃に加温し、十分に溶解・分散させるために60℃に保持したまま1時間撹拌し、単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.0部を加えて溶解し、単量体組成物を調製した。
上記分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気とし、クレアミックスを用いて10000rpmで30分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ75℃で5時間反応させ、重合性単量体の重合を終了させた。室温まで冷却させた後、塩酸を加えて粒子表面のCa(POを溶解し、濾過・水洗・乾燥し、さらに分級して、トナー粒子1を得た。得られたトナー粒子の粒度分布はD4/D1を算出して評価した。
(3)トナーの作製:
得られたトナー粒子1の100部に対して、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体0.8質量部(数平均一次粒子径:7nm、BET比表面積125m/g)、i−ブチルトリメトキシシランとジメチルシリコーンオイルで表面処理されたアナターゼ型酸化チタン微粉体0.2質量部(数平均一次粒子径:15nm、BET比表面積30m/g)をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合・外添することで、トナー1を得た。
得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーについて、下記の評価を行った。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔凝集度の測定〕
過酷放置を行わなかったトナー1の凝集度と、過酷放置を行ったトナー1の凝集度を測定した。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台に下から、目開き20μm(635メッシュ)の篩、目開き38μm(390メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、60%Rh環境下で、以下のようにして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)トナー5gを最上段の目開き75μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式に基づき凝集度を算出した。
凝集度(%)={(目開き75μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100×0.6
+{(目開き20μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100×0.2
(凝集度測定用試料の調製)
i)過酷放置を行わなかったトナー1の凝集度
実施例1で得られたトナー1を100mlのポリカップに5.00g計りとり、23℃、60%Rhに設定した恒温槽に入れ2日間放置した。
ii)過酷放置を行ったトナー1の凝集度
実施例1で得られたトナー1を100mlのポリカップに5.00g計りとり、40℃、95%Rhに設定した恒温槽に入れ、30日間放置した。その後、23℃、60%Rhにて3日間放置した。
(流動性の評価)
過酷放置を行ったトナー1の凝集度と過酷放置を行わなかったトナー1の凝集度の差を求めて評価した。以下を基準として、ランク付けを行った。
Aランク:凝集度の差が0%以上8.0%未満
Bランク:凝集度の差が8.0%以上13.0%未満
Cランク:凝集度の差が13.0%以上18.0%未満
〔トナー飽和帯電量の評価〕
下記のように二成分現像剤を作製した。
(キャリアの作製)
以下のように個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.60μmのヘマタイト粉の親油化処理を行う。具体的には、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を混合し、容器内で、100℃以上で高速混合撹拌を行った。
・フェノール 10.0部
・ホルムアルデヒド溶液 6.0部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)・親油化処理したマグネタイト 63.0部
・親油化処理したヘマタイト 21.0部
上記材料と、28%アンモニア水5部、水10部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加し、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾する。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性樹脂粒子を得た。
コート樹脂として、メチルメタクリレートとパーフルオロアルキル基(m=7)を有するメチルメタクリレートの共重合体(共重合比8:1 重量平均分子量45,000)を用いた。該コート樹脂100部に、粒径290nmのメラミン粒子を6部、比抵抗1×10−2Ω・cmで粒径30nmのカーボン粒子を2部加え、超音波分散機で30分間分散させた。更に、コート樹脂分がキャリアコアに対し、2.5部となるようにメチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒コート溶液を作製した(溶液濃度10質量%)。
このコート溶液を、剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性樹脂粒子表面への樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を100℃で2時間撹拌しながら熱処理し、冷却、解砕した。その後、200メッシュの篩で分級して個数平均粒子径33μm、真比重3.53g/cm、見かけ比重1.84g/cm、磁化の強さ42Am/kgのキャリアを得た。
トナー1と、得られたキャリアとを、トナー濃度7.0質量%になるよう混合し、二成分現像剤とした。得られた二成分現像剤を50.0g計りとり、23℃、60%Rhの環境下で2日間放置した。その後、50mlのポリ容器に入れ、振とう器(YS−LD:(株)ヤヨイ製)で、1秒間に4往復のスピードで2分間振とうを行い、図1の装置を用いて帯電量を測定した。これを飽和帯電量とした。
〔帯電立ち上がり特性の評価〕
前述の23℃、60%Rhの環境下で2日間放置した二成分現像剤を50.0g計りとり、50mlのポリ容器に入れた。これを振とう器(YS−LD:(株)ヤヨイ製)で、1秒間に2往復のスピードで90秒間振とうを行い、図1の装置を用いて帯電量を測定した。180回振とう時の帯電量を飽和帯電量としたときの飽和帯電量に対する帯電量の割合(%)を帯電立ち上がり特性(%)として下記式により算出した。
帯電立ち上がり特性(%)=
{90秒間振とう時の帯電量(mC/kg)/飽和帯電量(mC/kg)}×100
〔トナーの帯電量分布の評価〕
帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザーEST−3)を用い、得られたq/d分布から、帯電量分布の広がりを評価した。
“帯電立ち上がり特性の評価”の条件で作製した二成分現像剤275gを、常温常湿環境(23℃/60%Rh)で2日間放置した。これをカラーレーザー複写機imageRUNNER ADVANCE C7065(キヤノン社製)の現像器に仕込み、外部モーターを具備した空回転機にて、5分間の回転を行った時(初期)の二成分現像剤の帯電量分布を測定した。評価基準としては以下を基準とした。
Aランク:図2(a)に示したように(+)側に帯電しているトナーが少なく、分布幅が狭い。
Bランク:図2(b)に示したように分布幅が広い。
Cランク:図2(c)のように分布幅が広く、(+)側に帯電しているトナー量も多い。
〔画像出力試験〕
キヤノン製プリンターLBP7200Cを用いて、各環境下にて画像評価を行った。なお、LBP7200Cは、中間転写ユニット部にクリーニング部材を有さず、感光体ユニット部のクリーニング部材で一次及び二次転写残トナーを回収するシステムである。トナー1を70g充填したものを上記プリンターのシアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着し、画像出力試験を実施した。
画像評価は、15℃/10%Rh(低温低湿環境、以下LL環境とも称する)、32.5℃/90%Rh(高温高湿環境、以下HH環境とも称する)の各環境下で行った。各環境下において、印字率が1%の画像を出力する動作を繰り返し、出力枚数が200枚に到達する毎に各環境下で1週間放置した。その後、上記の様にして200枚出力する工程を繰り返し、最終的には4600枚の画像出力を行い、以下の方法で評価を行った。
(1)かぶりの評価
上記の画像出力試験において、1週間放置後、毎回、白地部分を有する画像を1枚ずつ出力した。その後、すべての白地部分を有する画像について、白地部分を有する画像の白地部分の白色度(反射率Ds(%))と転写紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差から、かぶり濃度(%)(=Dr(%)−Ds(%))を算出した。なお、白色度は、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した。フィルターは、アンバーライトフィルターを用いた。かぶりは、評価毎において、最も悪かったものについて、以下のランク付けを行った。
A:かぶり濃度が0.3%未満である。
B:かぶり濃度が0.3%以上0.8%未満である。
C:かぶり濃度が0.8%以上1.3%未満である。
D:かぶり濃度が1.3%以上である。
(2)画像濃度安定性
画像濃度は、カラー反射濃度計(X−RITE 404Amanufactured by X−Rite Co.)で測定した。上記の画像出力試験において、1週間放置前後に、毎回、ベタ画像を1枚ずつ出力し、各画像の濃度を測定した。得られた画像濃度の内、濃度が最大のものと最小のものとの差を求め以下の評価基準に基づいて示した。
A:画像濃度差が0.1以下である。
B:画像濃度差が0.1より大きく、0.3以下である。
C:画像濃度差が0.3より大きく、0.5以下である。
D:画像濃度差が0.5より大きい。
(3)細線再現性(画質)
画質の観点から、細線再現性の評価を行った。上記画像出力において、4600枚の画像出力後、線幅3ピクセルの格子模様がA4用紙全面に印刷された画像(印字面積比率4%)を印刷し、細線再現性を評価した。3ピクセルの線幅は理論上127μmである。画像の線幅をマイクロスコープVK−8500(キーエンス製)で測定する。無作為に5点選んで線幅を測定し、最小値と最大値を除いた3点の平均値をd(μm)としたとき、細線再現性指数として下記のLを定義する。
L(μm)=|127−d|
Lは理論上の線幅127μmと、出力された画像上の線幅dとの差を定義したものである。dは127より大きくなる場合と、小さくなる場合とがあるため、差の絶対値として定義している。Lが小さいほど優れた細線再現性を示す。
(評価基準)
A:Lが0μm以上5μm未満。
B:Lが5μm以上15μm未満。
C:Lが15μm以上30μm未満。
D:Lが30μm以上。
<実施例2及び3>
実施例1の重合体A−1を重合体A−2、A−3にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー2、3をそれぞれ得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例4及び5>
実施例1の重合体A−1を重合体A−4、A−5にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー4、5をそれぞれ得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例6〜9>
実施例1の重合体A−1を重合体A−6、A−7、A−8、A−9にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー6〜9をそれぞれ得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例10>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更した以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー10を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 0.0375部
・重合体B−1 0.37部
<実施例11>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを45.6部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー11を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 0.048部
・重合体B−1 0.37部
<実施例12>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー12を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−10 1.13部
・重合体B−1 1.59部
<実施例13>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを45.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー13を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−11 1.88部
<実施例14>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを49.0部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー14を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−11 5.00部
・重合体B−1 0.50部
<実施例15>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー15を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−12 2.25部
・重合体B−1 0.50部
<実施例16>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー16を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−13 1.13部
・重合体B−1 1.59部
<実施例17>
ポリエステル樹脂P−3の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 1200部
・ビスフェノールA・エチレンオキサイド2.2モル付加物 475部
・テレフタル酸 249部
・無水トリメリット酸 192部
・フマル酸 290部
・酸化ジブチル錫 0.100部
上記の材料をガラス製の4リットルの4ツ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内に置いた。窒素雰囲気下で、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−3を得た。
・ポリエステル樹脂P−3 100部
・重合体A−1 0.600部
・重合体B−1 0.600部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.00部
・パラフィンワックス(HNP−7:日本精鑞社製) 3.00部
次に、上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級することで、トナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子1の100部に対して、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体0.8質量部(数平均一次粒子径:7nm、BET比表面積125m/g)、i−ブチルトリメトキシシランとジメチルシリコーンオイルで表面処理されたアナターゼ型酸化チタン微粉体0.2質量部(数平均一次粒子径:15nm、BET比表面積30m/g)をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合・外添することで、トナー17を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例18>
実施例11の重合体A−1を重合体A−13(20.0部)、重合体B−1を5部に変更した以外は実施例11と同様にトナーを作製し、トナー18を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例19>
実施例11の重合体A−1を重合体A−13(18.0部)、重合体B−1を5部に変更した以外は実施例11と同様にトナーを作製し、トナー19を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例20>
トナー組成物混合液の作製:
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸誘導体の共重合ポリエステル樹脂
(Tg62℃、軟化点102℃、Mw21000) 100部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.00部
・パラフィンワックス(融点72.3℃) 8.00部
・重合体A−1 0.64部
・重合体B−1 0.60部
・酢酸エチル 100部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで6時間分散し、トナー組成物混合液を作製した。
トナー粒子の作製:
イオン交換水240部に0.100モル/リットル−NaPO水溶液78.0部を投入し、60℃に加温した後、クレアミクス(エム・テクニック社製)を用いて14,000rpmにて撹拌した。これに1.00モル/リットル−CaCl水溶液12部を添加し、Ca(POを含む分散媒体を得た。さらに、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンBS−H、第一工業製薬(株)製)1.00部を添加し10分間撹拌した。
前記ホモミキサーの容器中で調製した上記分散媒体を30℃に調整し、撹拌している中に、30℃に調整したトナー組成物混合液180部を投入し、1分間撹拌した後停止してトナー組成物分散懸濁液を得た。得られたトナー組成物分散懸濁液を撹拌しながら40℃一定で、排気装置により懸濁液面上の気相を強制更新して、17時間そのままに保ち溶媒を除去する。室温まで冷却させた後、塩酸を加えてCa(POを溶解し、濾過・水洗・乾燥および分級することによりトナー粒子を得た。得られたトナー粒子をトナーの製造例1と同様にして疎水性シリカ微粉体を外添し、トナー20を得た。
このようにして得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例21>
実施例1の重合体A−1をA−14に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー21を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例22>
ポリエステルP−4の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 1200部
・ビスフェノールA・エチレンオキサイド2.2モル付加物 475部
・テレフタル酸 250部
・無水トリメリット酸 190部
・フマル酸 300部
・酸化ジブチル錫 0.100部
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内に置いた。窒素雰囲気下で、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−4を得た。
次に、
・ポリエステル樹脂P−4 100部
・重合体A−15 2.00部
・重合体B−1 1.00部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.00部
・パラフィンワックス(HNP−7:日本精鑞社製) 3.00部
上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級してトナー粒子22を得た。
得られたトナー粒子22の100部に対して、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体0.8質量部(数平均一次粒子径:7nm、BET比表面積125m/g)、i−ブチルトリメトキシシランとジメチルシリコーンオイルで表面処理されたアナターゼ型酸化チタン微粉体0.2質量部(数平均一次粒子径:15nm、BET比表面積30m/g)をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合・外添することで、トナー22を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例23>
実施例1の重合体A−1を重合体A−16に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー23を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例24>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを46.1部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー24を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 1.13部
<実施例25>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを46.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー25を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−1 0.045部
<実施例26>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを46.5部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー26を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 1.50部
・重合体B−1 0.12部
<実施例27>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.1部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー27を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−2 1.50部
<実施例28>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.1部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー28を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−3 1.50部
<実施例29>
実施例24の重合体B−3を重合体B−4に変更する以外は実施例24と同様にトナーを作製し、トナー29を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例30>
実施例24の重合体B−3を重合体B−5に変更する以外は実施例24と同様にトナーを作製し、トナー30を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例31>
実施例24の重合体B−3を重合体B−6に変更する以外は実施例24と同様にトナーを作製し、トナー31を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
<実施例32>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを46.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー32を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 0.20部
・重合体B−2 1.00部
<実施例33>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.7部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー33を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 0.15部
・重合体B−2 1.50部
<実施例34>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.4部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー34を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 3.00部
・重合体B−1 0.10部
<実施例35>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.8部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー35を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
顔料分散ペースト:
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−1 3.50部
・重合体B−1 0.10部
<実施例36>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.0部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー36を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 67.5部
・カーボンブラック 11.3部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−1 1.59部
<実施例37>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを47.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー37を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントレッド 122 9.75部
・重合体A−1 1.13部
・重合体B−1 1.59部
<比較例1>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを45.2部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー38を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体B−2 1.50部
<比較例2>
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、また、単量体混合物の作製に用いる顔料分散ペーストを44.6部に変更する以外は実施例1と同様にトナーを作製し、トナー39を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、得られたトナーの評価を実施例1と同様にして実施し、その結果を表4−1及び表4−2に示す。
・スチレン 58.5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.75部
・重合体A−17 4.50部
Figure 0005995672
Figure 0005995672
Figure 0005995672
1 吸引機
2 測定容器
3 スクリーン
4 蓋
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計

Claims (7)

  1. 結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーであり、
    前記荷電制御剤が、部分構造として下記式(1)で示される構造aを有する重合体Aを含み、且つ、前記重合体Aの重量平均分子量(Mw)が1000以上100000以下であることを特徴とするトナー。
    Figure 0005995672

    式(1)
    (式(1)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、
    は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、
    gは、1以上3以下の整数を表し、hは0以上3以下の整数を表し、hが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
  2. 前記構造aが下記式(2)で表されるユニットで、前記重合体A中に含まれることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
    Figure 0005995672

    式(2)
    (式(2)中、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、
    は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し、
    は水素原子またはメチル基を表し、
    iは、1以上3以下の整数を表し、jは、0以上3以下の整数を表し、jが2または3の場合、Rはそれぞれ独立して選択できる。)
  3. 前記重合体A中の構造aの含有量が10μmol/g以上1500μmol/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. トナー中の前記構造aの含有量xが0.10μmol/g以上200.00μmol/g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記荷電制御剤が、部分構造として下記式(3)で表わされる構造bを有する重合体Bを更に含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 0005995672

    式(3)
    (式中、Bは置換基を有していてもよい炭素数1または2のアルキレン構造、もしくは、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、
    は、水素原子、または、炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、該アルキレン構造における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6または12のアリール基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基であり、該芳香族環における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基である。)
  6. 前記構造bが下記式(4)で示されるユニットで、重合体Bに含まれることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
    Figure 0005995672

    式(4)
    (式(4)中、Bは置換基を有していてもよい炭素数1または2のアルキレン構造、もしくは、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、
    は、水素原子、または、炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または、メチル基を表し、
    該アルキレン構造における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6または12のアリール基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基であり、該芳香族環における置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、または、炭素数1以上12以下のアルコキシル基である。)
  7. 前記トナー中の硫黄含有量が0.10μmol/g以上であり、トナー中の構造aの含有量x(μmol/g)及び構造bの含有量y(μmol/g)におけるモル比x/yが0.10以上50.00以下であることを特徴とする請求項5または6に記載のトナー。
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