JP6541172B2 - 計測装置 - Google Patents
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Description
シムを装着する前に、計測装置で複数の組付け対象物の寸法誤差を計測するが場合、できる限り精度よく計測するのが望ましい。しかし、計測装置の計測当接部と計測対象物との片当たり等をある。特許文献1では、計測対象物と当接する計測当接部を可動式として、計測対象物に対して計測当接部側を馴染ませて片当たりを防止する構成が開示されている。
本発明は、計測対象物と当接する計測当接部側と、計測対象物の基準面と当接する計測基準部側での片当たりを防止して、計測精度を高めることを、その目的とする。
図1を用いて、トランスミッション装置1の組立工程を説明する。このトランスミッション装置1は、外装品としてクラッチハウジング2とミッションケース3を備えている。クラッチハウジング2とミッションケース3は、互いに対向配置されている。クラッチハウジング2には、トランスミッションとなる複数の歯車を備えたインプットシャフト4とカウンタシャフト5の一端側4a、5aが軸受部材6、7を介して回転可能に組み付けられる。ミッションケース3には、インプットシャフト4とカウンタシャフト5の他端側4b、5bが軸受部材8、9を介して回転自在に組み付けられる。そして、クラッチハウジング2とミッションケース3の互いの合わせ面2a、3aを接合し、ボルトなどの締結部材で締結することで一体化される。インプットシャフト4とカウンタシャフト5は、その軸線O1、O2が合わせ面2aに対して垂直になるように組み付けられている。
図2〜図4に示す計測装置100は、図1で説明した距離L1を計測するものである。計測装置100における計測対象物の基準面とはクラッチハウジング2の合わせ面2aであり、計測対象物の計測箇所とは、軸受部材8、9の端面8a、9aである。なお、本実施形態において、軸受部材8、9の端面8a、9aの位置は、同一平面上に位置するように配置されている。
計測装置100は、合わせ面2aと当接可能な複数の計測基準部101(A)、101(B)、101(C)と、インプットシャフト4とカウンタシャフト5の軸受部材8、9の端面8a、9aに当接可能な複数の計測当接部102A、102Bと、計測基準部101(A)、101(B)、101(C)と計測当接部102A、102Bとが合わせ面2aと端面8a、9aにそれぞれ当接した状態で、合わせ面2aと端面8a、9aの距離L1を計測する計測具103A、103Bとを備えている。計測基準部101(A)、101(B)、101(C)は、基本的には同一構成であるので、以下計測基準部101として説明し、特性の計測基準部を説明する場合にはアルファベットのA〜Cを適宜付して説明する。
複数の計測基準部101は、金属製の円柱形状であって、それぞれインプットシャフト4とカウンタシャフト5の軸線方向に延びている。複数の計測基準部101は、その一端101aが、載置部109よりも上方において水平に配置されている基準板104の下面104aに、下面104aから垂直に下方に向かって突出するようにそれぞれ固定されている。
複数の計測基準部101の他端101bには、合わせ面2aに接触する接触部となるフローティング部110(A〜C)がそれぞれ設けられている。フローティング部110(A〜C)の構成は同一構成であるので、(A〜C)は省略する。フローティング部110は、図6(a)に示すように、固定部となる各計測基準部101の他端101bの端面111と、端面111に対して金属製の球体112を介して移動可能な金属製の可動部113を有している。端面111と可動部113の対向面113bとは、それぞれ互いに対向していて、互いの対向面間に球体112を介して隙間Sが形成されるように一体化されている。各可動部113の下面113aは、合わせ面2aとの当接面を形成している。本実施形態において、複数の計測基準部101は、それぞれ異なる位置で合わせ面2aとフローティング部110の下面113aとが対向するように基準板104に装着されている。すなわち、本実施形態では、複数の計測基準部101は、図5に示すように、平面視において合わせ面2aに対して3点支持するように配置されている。
各フローティング部110には、図6(a)、図6(b)に示すように、可動部113の下面113aから合わせ面2aに向かって空気を噴射する噴射部としての噴射ノズル130(A〜C)が設けられている。噴射ノズル130(A〜C)の構成は同一構成であるので、図6では(A〜C)を省略する。下面113aには、各噴射ノズル130と連通する噴射孔113cが形成されていて、噴射ノズル130から噴射された空気は、この噴射孔113cが合わせ面2aに向かって噴射される。
コンプレッサ172とアクチュエータ107とは空気配管175、176を介して接続されている。空気配管175、176には、アクチュエータ107への空気の導入と停止を行うべく、空気配管175、176を開閉制御する電子的な開閉弁177、178が設けられている。
基準板104よりも下方に位置する計測当接部102の他端102bには、インプットシャフト4とカウンタシャフト5の他端4b、5bをそれぞれ挿入するための挿入部122A、122Bが形成されている。この各挿入部122A、122Bには、付勢手段としてのばね123A、123Bによって下方に付勢された中心位置出部材としての円錐形状部材124A、124Bが内蔵されている。各挿入部122A、122Bは、計測時のインプットシャフト4とカウンタシャフト5の軸線倒れを防止するためのものである。円錐形状部材124A、124Bは、インプットシャフト4とカウンタシャフト5を端面4d、5d(図2参照)の中心に形成された孔内に進入して軸中心を垂直に保つためのシャフト治具となる。これら挿入部122A、122Bと円錐形状部材124A、124Bとは、同一軸線上にその中心線が位置するように形成されている。各円錐形状部材124A、124Bは、挿入部122A、122Bに対して筒状のブッシュ126A、126Bを介して昇降方向(軸線方向)Zにそれぞれ摺動可能に支持されている。
可動部143A、143Bは、曲面141Aa、141Baに沿うように半球形状の曲面144Aa、141Baと、取付フランジ面141Ab、141Bbと対向する取付フランジ面144Ab、144Bbとを備えている。可動部143A、143Bは、曲面144Aa、144Baと曲面141Aa、141Baとを接触させた状態で、取付フランジ面144Ab、144Bbと取付フランジ面141Ab、141Bbとを締結部材となる複数のボルト145A、145Bによって締結固定されることで、計測当接部102の他端102bと一体化される。可動部143A、143Bは、計測当接部102A、102Bの他端102Ab、102Bbに一体化されたときに、取付フランジ面144Ab、144Bbと取付フランジ面141b、141Bbとの間には隙間S1が形成されるように形成されている。各可動部143の下面143aは、軸受部材8、9の端面8a、9aとの当接面を形成している。
図4に示すように、計測部103A、103Bは、検出部103Aa、103Baが本体103Ab、103Bbに対して昇降方向Zに進退自在に支持されていて、検出部103Aa、103Baの昇降方向Zへの移動を本体103Ab、103Bb内に収納しているセンサで検知する周知のリニアスケールである。
本実施形態において、計測部103A、103Bの基準値は、計測位置を占めてインプットシャフト4とカウンタシャフト5の他端4b、5bが各挿入部122に挿入されたときを0(ゼロ)としている。計測部103A、103Bでは、基準位置から検出部103Aa、103Baが上方に向かって移動すると加算(+)、検出部103Aa、103Baが下方に向かって移動すると減算(−)となる。計測部103A、103Bからの出力は、後述する制御部170に入力される。
例えば距離L1と高低差L3を500mmとし、この値を基準値0(ゼロ)とした場合、検出部103Aa、103Baが下方に向かって移動すると、500mm−下方への移動量α1となり、検出部103Aa、103Baが上方に向かって移動すると、500mm+上方への移動量α2となる。
各加圧手段160は、図9(a)、図9(b)に示すように、スライドフレーム106の長辺部106bに固定されたケーシング161と、ケーシング161に対して昇降方向Zに進退移動可能に支持された加圧ロッド162と、加圧ロッド162を基準板104に向かって付勢するコイルばね163と、加圧ロッド162の先端162a側を基準板104上に支持するホルダ165をそれぞれ備えている。
各ホルダ165は、基準板104に固定されている。各ホルダ165には、フローティングヘッド166の外形よりも大きい内部空間167がそれぞれ形成されている。各内部空間167には、円錐台部166bと対向する部位に円錐台部166bと平行となる傾斜面167aがそれぞれ形成されている。
各フローティングヘッド166は、計測基準部101と計測当接部102A、102Bとが待機位置にあるときには、図9(a)に示すように、基準板104側の重量により各ホルダ165が下方に位置している。このため、各フローティングヘッド166は、円錐台部166bが傾斜面167aとそれぞれ当接して基準板104の上面104bから底面166aが浮いた状態である。各フローティングヘッド166には、計測基準部101と計測当接部102A、102Bとが計測位置にあるときには、基準板104側の重量が作用しない。このため、各フローティングヘッド166は、図9(b)に示すように、コイルバネ163の作用により基準板104の上面104bに向かって突出するので、円錐台部166bが傾斜面167aとの当接がそれぞれなくなり、基準板104の上面104を加圧するように構成されている。
各フローティングヘッド166の中心と、各ホルダ165の中心は、同一軸線上に配置されていて、円錐台部166bと傾斜面167aとのそれぞれ当接状態においては、各ホルダ165に対する各フローティングヘッド166の芯出しがなされるように構成されている。
制御部170は、コンプレッサ173の作動と計測装置100の作動を制御するコンピュータで構成されている。制御部170は、計測装置100の操作パネル150に設けられている計測開始スイッチ151が操作されると、コンプレッサ172を作動して開閉弁178を開いてアクチュエータ107の可動ロッド108を下降させて、3本の計測基準部101と、2本の計測当接部102A、102Bとを計測位置へ向かって移動させる。制御部170は、センサ182が計測位置を検知すると、開閉弁178を閉じるとともに、開閉弁174A、174B、174Cを同時に開いて各噴射ノズル130から空気を噴射するように構成されている。
制御部170は、計測装置100の操作パネル150に設けられている計測終了スイッチ152が操作されると、コンプレッサ172を作動して開閉弁177を開いてアクチュエータ107の可動ロッド108を上降させて、3本の計測基準部101と、計測当接部102A、102Bとを待機位置へ向かって移動させる。
制御部170は、センサ181が待機位置を検知するとコンプレッサ172の作動を停止して、3本の計測基準部101と、計測当接部102A、102Bとを待機位置に保持するように構成されている。
制御部170は、各計測基準部101と計測当接部102A、102Bとが、それぞれ図6(b)、図8(b)に示すように、合わせ面2aと軸受部材8、9の端面8a、9aと当接した時に、各噴射ノズル130からの噴射圧力、すなわち圧力センサ173(A〜C)検出される圧力Pが、予め設定された基準圧力P1以上の場合には、各計測具103による計測値を開始する。制御部170は、各噴射ノズル130からの噴射圧力、すなわち圧力センサ173(A〜C)検出される圧力Pが、予め設定された基準圧力P1に満たない場合には、計測具103A、103Bによる計測を停止する。ここでいう計測を停止するとは、計測具103A、103Bから出力されるデータを測定値として利用しない、あるいは各計測具103から出力されるデータを受け付けないなどの態様が含まれる。
この時、合わせ面2aに加圧された状態で当接する各計測基準部101の下面113aは、図6(b)に示すように、固定部となる各計測基準部101の他端101bの端面111に球体112を介してそれぞれ移動可能に設けられている。このため、合わせ面2aとの片当たりが防止される。
また、軸受部材8、9の端面8a、9aに加圧された状態で当接する各計測当接部102A、102Bの下面143Aa、143Baは、図8(b)に示すように、固定部となる各計測当接部の他端102Ab、102Bbの端面141A、141Bの曲面141Aa、141Baに対して移動可能に設けられた可動143A、143Bに設けられている。このため、軸受部材8、9が傾斜している場合でも、それに応じて可動部143A、143Bが移動して軸受部材8、9の端面8a、9aとの片当たりが防止される。
つまり、本実施形態では、合わせ面2a側と軸受部材8、9側の基準側と測定側との双方にフローティング部110とフローティング部140を設けたので、従来構成に比べて計測精度を高めることができる。
すなわち、合わせ面2aに切り粉などの異物が付着していると、三点支持部である計測基準部101のフローティング部110の下面113aと合わせ面2aとの間に隙間が形成されるので、圧力センサ173A〜173Cの検出圧力が基準圧力P1まで達しない。このため計測は開始しない。これに対し、三点支持部である計測基準部101のフローティング部110の下面113aと合わせ面2aとが密着していると、合わせ面2aと下面113aとが密着するので、エア漏れがなく、検出圧力が上昇する。このため、圧力上昇した値が予め設定された基準圧力P1となると、フローティング部110の下面113aと合わせ面2aとの浮がないものとして、計測を開始する。よって、誤計測を防止することができる。
さらに、本実施形態では、フローティングヘッド166の中心と、各ホルダ165の中心を、同一軸線上に配置し、円錐台部166bと傾斜面167aとのそれぞれ当接状態においては、各ホルダ165に対する各フローティングヘッド166の芯出しがなされるように構成された加圧手段160,160を備えている。このため、測定時において基準板104に対して均等に加圧することができるので、安定して合わせ面2aと計測基準部101の下面113a並びに。軸受部材8、9の端面8a、9aと計測当接部102A、102Bの下面143Aa、143Baとが接触する異なり、より片当たりを防止することができるとともに、計測精度を高めることができる。
図11〜図13に示す計測装置200は、距離L2を計測するものである。計測装置200における計測対象物の基準面とはミッションケース3の合わせ面3aであり、計測対象物の計測箇所とは、軸受部材6、7の端面6a、7aを支持するミッションケース3の取付部3b、3cの端面3b1,3c1である。なお、本実施形態において、端面6a、7aを支持する取付部3b、3cの端面3b1,3c1は、同一平面上に位置するように配置されている。
計測装置200は、合わせ面3aと当接可能な複数の計測基準部201(A)、201(B)、201(C)と、ミッションケース3の取付面3cに当接可能な複数の計測当接部202A、202Bと、計測基準部201(A)、201(B)、201(C)と計測当接部202A、202Bとが合わせ面3aと取付部3b、3cの端面3b1、3c1にそれぞれ当接した状態で、合わせ面3aと端面3b1、3c1の距離L2を計測する計測具203A、203Bとを備えている。計測基準部201(A)、201(B)、201(C)は、基本的には同一構成であるので、以下、計測基準部201として説明し、特定の計測基準部を説明する場合にはアルファベットのA〜Cを適宜付して説明する。
複数の計測基準部201は、その一端201aが、載置部209よりも上方において水平に配置されている基準板204の下面204aに、下面204aから垂直に下方に向かって突出するようにそれぞれ固定されている。
各フローティング部210には、図15(a)、図15(b)に示すように、可動部213の下面213aから合わせ面3aに向かって空気を噴射する噴射部としての噴射ノズル230(A〜C)が設けられている。噴射ノズル230(A〜C)の構成は同一構成であるので、図15では(A〜C)を省略する。下面213aには、各噴射ノズル230と連通する噴射孔213cが形成されていて、噴射ノズル230から噴射された空気は、この噴射孔213cが合わせ面3aに向かって噴射される。
コンプレッサ272とアクチュエータ207とは空気配管275、276を介して接続されている。空気配管275、276には、アクチュエータ207への空気の導入と停止を行うべく、空気配管275、276を開閉制御する電子的な開閉弁277、278が設けられている。
基準板204よりも下方に位置する各計測当接部202A、202Bの他端202Ab、202Bbには、ミッションケース3の取付面3cに接触する接触部となるフローティング部240A、240Bが設けられている。フローティング部240A、240Bは、図17(a)、図17(b)に示すように、固定部となる各計測当接部202A、202Bの他端202Ab、202Bbの端部241A、241Bと、端部241A、241Bに対して金属製の球体242A、242Bを介して移動可能な金属製の可動部243A、243Bを有している。端部241A、241Bと可動部243A、243Bとは、それぞれ互いに対向していて、互いの対向面間に球体242A、242Bを介し、締結部材となる複数のボルト245A、245Bによって締結固定されることで、隙間Sが形成されるように一体化されている。各可動部243A、243Bの下面243Aa、243Baは、合わせ面3aとの当接面を形成している。本実施形態において、複数の計測当接部202A、202Bは、それぞれ異なる位置で合わせ面3aとフローティング部240A、240Bの下面243Aa、243Baとが対向するように基準板204に装着されている。本実施形態において、図11、図12の二点鎖線に示すように、基準板204が上昇して、図17(a)に示すように計測当接部202A、202Bの下面243Aa、243Baが取付面3cから離間している位置を待機位置とする。本実施形態において、図12に実線で示すように基準板204が下降して、図17(b)に示すように計測当接部202A、202Bの下面243Aa、243Baが取付面3cに接触する位置を計測位置とする。
本実施形態において、各計測部203A、203Bの基準値は、計測位置を占めて計測当接部202の下面243aが取付部3b、3cに挿入されて端面3b1、3c1と接触したときを0(ゼロ)としている。各計測部203A、203Bでは、基準位置から検出部203Aa、203Baが上方に向かって移動すると加算(+)、検出部203Aa、203Baが下方に向かって移動すると減算(−)となる。計測部203A、203Bからの出力は、後述する制御部270に入力される。
例えば距離L2と高低差L4を500mmとし、この値を基準値0(ゼロ)とした場合、203Aa、203Baが下方に向かって移動すると、500mm−下方への移動量α1となり、203Aa、203Baが上方に向かって移動すると、500mm+上方への移動量α2となる。
各加圧手段160は、図18(a)、図18(b)に示すように、スライドフレーム206の長辺部206bに固定されたケーシング261と、ケーシング261に対して昇降方向Zに進退移動可能に支持された加圧ロッド262と、加圧ロッド262を基準板204に向かって付勢するコイルばね263と、加圧ロッド262の先端262a側を基準板204上に支持するホルダ165をそれぞれ備えている。
各ホルダ265は、基準板204に固定されている。各ホルダ265には、フローティングヘッド266の外形よりも大きい内部空間267がそれぞれ形成されている。各内部空間267には、円錐台部266bと対向する部位に円錐台部266bと平行となる傾斜面267aがそれぞれ形成されている。
各フローティングヘッド266は、計測基準部201と計測当接部202A、202Bとが待機位置にあるときには、図18(a)に示すように、基準板204側の重量により各ホルダ265が下方に位置している。このため、各フローティングヘッド266は、円錐台部266bが傾斜面267aとそれぞれ当接して基準板204の上面204bから底面266aが浮いた状態である。各フローティングヘッド266には、計測基準部201と計測当接部202A、202Bとが計測位置にあるときには、基準板204側の重量が作用しない。このため、各フローティングヘッド266は、図18(b)に示すように、コイルバネ263の作用により基準板204の上面204bに向かって突出するので、円錐台部266bが傾斜面267aとの当接がそれぞれなくなり、基準板204の上面204を加圧するように構成されている。
各フローティングヘッド266の中心と、各ホルダ65の中心は、同一軸線上に配置されていて、円錐台部66bと傾斜面67aとのそれぞれ当接状態においては、各ホルダ65に対する各フローティングヘッド66の芯出しがなされるように構成されている。
制御部270は、コンプレッサ273の作動と計測装置200の作動を制御するコンピュータで構成されている。制御部270は、計測装置200の操作パネル250に設けられている計測開始スイッチ251が操作されると、コンプレッサ272を作動して開閉弁278を開いてアクチュエータ207の可動ロッド208を下降させて、3本の計測基準部201と、2本の計測当接部202A、202Bとを計測位置へ向かって移動させる。制御部270は、センサ282が計測位置を検知すると、開閉弁278を閉じるとともに、開閉弁274A、274B、274Cを同時に開いて各噴射ノズル230から空気を噴射するように構成されている。
制御部270は、計測装置200の操作パネル250に設けられている計測終了スイッチ252が操作されると、コンプレッサ272を作動して開閉弁277を開いてアクチュエータ207の可動ロッド208を上降させて、3本の計測基準部201と、計測当接部202A、202Bとを待機位置へ向かって移動させる。制御部270は、センサ281が待機位置を検知するとコンプレッサ272の作動を停止して、3本の計測基準部201と、計測当接部202A、202Bとを待機位置に保持するように構成されている。
制御部270は、各計測基準部201と計測当接部202A、202Bとが、それぞれ図15(b)、図17(b)に示すように、合わせ面3aと取付部3b、3cの端面3b1、3c1と当接した時に、各噴射ノズル230からの噴射圧力、すなわち圧力センサ273(A〜C)検出される圧力Pが、予め設定された基準圧力P1以上の場合には、各計測具203A、203Bによる計測値を開始する。制御部270は、各噴射ノズル230からの噴射圧力、すなわち圧力センサ273(A〜C)検出される圧力Pが、予め設定された基準圧力P1に満たない場合には、計測具203A、103Bによる計測を停止する。ここでいう計測を停止するとは、計測具203A、203Bから出力されるデータを測定値として利用しない、あるいは各計測具203A、203Bから出力されるデータを受け付けないなどの態様が含まれる。
この時、合わせ面3aとの当接に加圧された状態で当接する各計測基準部201の下面213aは、固定部となる各計測基準部201の他端201bの端面211に球体212を介して移動可能に設けられているので、合わせ面3aとの片当たりが防止される。
また、取付部3b、3cの端面3b1、3c1に加圧された状態で当接する各計測当接部の下面243Aa、243Baも、球体242A、242Bを介して端部241A、241Bに対して移動可能に設けられた可動243A、243Bに設けられている。このため、取付部の端面3b1、3c1が傾斜している場合でも、それに応じて可動部243A、243Bが移動して端面3b1、3c1との片当たりが防止される。
つまり、本実施形態では、合わせ面3a側と取付部の端面3b1、3c1側の基準側と測定側との双方にフローティング部210とフローティング部240A、240Bを設けたので、従来構成に比べて計測精度を高めることができる。
また、計測基準部201と計測当接部202A、202Bとが計測位置を占めているときに、各噴射ノズル230からの噴射圧力Pが予め設定された基準圧力P1に満たない場合には、計測具203A、203Bよる計測を停止するので、誤計測を防止することができる。
すなわち、合わせ面3aに切り粉などの異物が付着していると、三点支持部である計測基準部201のフローティング部210の下面213aと合わせ面3aとの間に隙間が形成されるので、圧力センサ273A〜273Cの検出圧力が基準圧力P1まで達しない。このため計測は開始しない。これに対し、三点支持部である計測基準部201のフローティング部210の下面213aと合わせ面3aとが密着していると、合わせ面3aと下面213aとがそれぞれ密着するので、エア漏れがなく、検出圧力が上昇する。このため、圧力上昇値が予め設定された基準圧力P1となると、フローティング部210の下面213aと合わせ面3aとの浮がないものとして、計測を開始する。よって、誤計測を防止することができる。
さらに、本実施形態では、フローティングヘッド266の中心と、各ホルダ265の中心を、同一軸線上に配置し、円錐台部266bと傾斜面267aとのそれぞれ当接状態においては、各ホルダ265に対する各フローティングヘッド266の芯出しがなされるように構成された加圧手段260,260を備えている。このため、測定時において基準板204に対して均等に加圧することができるので、安定して合わせ面3aと計測基準部201の下面213a、並びに取付部3b、3cの端面3b1、3c1と計測当接部202A、202Bの下面243Aa、243Baとが接触する異なり、より片当たりを防止することができるとともに、計測精度を高めることができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
Claims (3)
- 計測対象物の基準面と当接可能な複数の計測基準部と、
前記計測対象物の計測箇所に当接可能な複数の計測当接部と、
前記計測基準部と前記計測当接部とがそれぞれ前記基準面と前記計測箇所に当接した状態で、前記基準面と前記計測箇所の距離を計測する計測具とを備え、
前記計測基準部と前記計測当接部とは、前記基準面と前記計測箇所に接触するフローティング部をそれぞれ有し、
前記フローティング部は、固定部と、前記固定部に球面を介して隙間が形成されるように一体化されるとともに前記基準面と前記計測箇所に当接する当接面を備えた可動部とを有し、
前記可動部は、前記固定部に対して球面に沿って移動可能であることを特徴とする計測装置。 - 請求項1に記載の計測装置において、
前記計測基準部は、前記当接面から前記基準面に向かって空気を噴射する噴射部を有することを特徴とする計測装置。 - 請求項2に記載の計測装置において、
前記計測基準部と前記計測当接部とがそれぞれ前記基準面と前記計測箇所に当接した時に、前記各噴射部からの噴射圧力が予め設定された基準圧力に満たない場合には、前記計測具による計測を停止することを特徴とする計測装置。
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