JP6536790B2 - フェライトコア、電子部品、及び、電源装置 - Google Patents

フェライトコア、電子部品、及び、電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、100℃近傍の飽和磁歪が低く、駆動時の音鳴きが抑制され、且つ、飽和磁束密度が高いフェライトコアに関するものである。
電源用トランスなどの磁心材料として、フェライト焼結体が使用されている。コア(磁心)を形成するフェライト焼結体は、フェライトコアと呼ばれ、Mn及びZnを含有するMnZn系フェライトが広く使用されている。また、近年では電源の小型化に伴い高温で高い飽和磁束密度が求められている。
たとえば特許文献1のフェライトではFe:52〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、NiO:4mol%以下、CoO:0.01〜0.6mol%、残部が実質的にMnOの組成となる基本成分に対して、外枠量でSiO:0.0050〜0.0500wt%及びCaO:0.0200〜0.2000wt%を含有し、さらに、Ta、ZrO、Nb、V、KO、TiO、SnO及びHfOのうちから選ばれる少なくとも1種の添加成分を所定量含有し、かつ、高い飽和磁束密度を有することを特徴としている。
一方、電源の駆動時に発生する音鳴きについても重要であり、たとえば特許文献2では複数の脚部を持つコアの脚と脚の間に制振材を挟むことによって、トランス鳴きが低減または防止されるトランスを提供することを特徴としている。
特許第3968188号公報 特開2013−118308号公報
音鳴きは磁歪振動することが原因であると一般的に知られている。特許文献2では音鳴きは低減しているものの、音鳴きの原因である磁歪を低減しているものではなく根本的な解決の方法とはいえない。また、制振材を用いることにより、製造時のコストや手間がかかってしまうという問題もある。
そこで本発明の目的は、従来技術が抱えている上述した課題を解決できるフェライトコアを提供することにある。特に100℃における磁歪を小さくすることで駆動時の音鳴きを抑え、且つ、高い飽和磁束密度を示すフェライトコアを提供することにある。
かかる目的のもと、本発明者等はMnZn系フェライトに含まれる主成分として酸化鉄、酸化マンガン、酸化亜鉛、副成分として酸化ニッケル、酸化コバルトおよび酸化チタンの組成に着目してその特性について鋭意研究を行った。その結果、100℃において飽和磁歪が小さく、駆動時の音鳴きを抑え、かつ、高い飽和磁束密度を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るフェライトコアは、酸化鉄をFe換算で51.5〜54.5mol%、酸化亜鉛をZnO換算で7.0〜11.5mol%、残部が酸化マンガンである主成分を含むMnZn系フェライトであって、この主成分に対して、NiをNiO換算で500〜10000ppmを含むこと、TiをTiO換算で100〜6000ppmを含むこと、CoをCoO換算で500〜4000ppm含むことを特徴とするフェライトコアである。
また本発明のフェライトコアにおいて、副成分として、主成分に対してSiをSiO換算で50〜300ppm及びCaをCaCO換算で200〜3000ppm含むことが好ましい。
さらに本発明のフェライトコアにおいて、副成分として、主成分に対してNbをNb換算で50〜750ppm、TaをTa換算で50〜1500ppm、VをV換算で50〜1000ppm、SnをSnO換算で500〜8000ppmを1種または2種以上含むことが好ましい。
100℃における飽和磁歪を低減することで駆動時の音鳴きを抑えることができ、且つ、高い飽和磁束密度を実現できる。
はじめに、本発明における成分の限定理由を説明する。
本発明のフェライトコアは主成分としてのFe量をFe換算で51.5〜54.5mol%とする。なお、以下では、Fe量をFe換算で、との表記を単に、Fe量等と表記する。Fe量が51.5mol%未満だと、100℃における飽和磁歪は低減されるが飽和磁束密度が小さくなってしまう。一方、Fe量が54.5mol%を超えると100℃における飽和磁歪が大きくなってしまう。したがって、本発明ではFe量を51.5〜54.5mol%とする。好ましい量は51.5〜54mol%である。
ZnO量も飽和磁束密度及び飽和磁歪に影響を与える。ZnO量が7.0mol%より少ないと飽和磁歪が大きくなってしまう。ZnOが11.5mol%を超えると100℃における飽和磁束密度が小さくなってしまう。したがって本発明ではZnO量を7.0〜11.5mol%とする。本発明のフェライトコアは主成分として、上記以外に不可避的不純物を除いて残部がMnOから構成される。
次に本発明における副成分について説明する。
本発明のフェライトコアは、副成分として、Ni量をNiO換算で500〜10000ppmとする。NiOは磁歪を抑制するのに有効であり、その効果を得るために主成分に対して500ppm以上添加する。但し、添加量が多すぎると、飽和磁束密度が小さくなってしまう。したがって本発明ではNiO量を10000ppm以下とする。好ましい量は2000〜10000ppmである。
本発明のフェライトコアは、副成分として、Ti量をTiO換算で100〜6000ppmとする。TiOは4価のTiイオンとしてスピネル格子中のFeと置換して磁歪を低減できる。その効果を得るためには主成分に対し100ppm以上添加する。但し、添加量が多すぎると、飽和磁束密度が小さくなる。したがって本発明ではTiO量を6000ppm以下とする。好ましい量は1000〜3000ppmである。
本発明のフェライトコアは、副成分として、Co量をCoO換算で500〜4000ppmとする。CoOは磁歪を抑制するのに有効であり、その効果を得るために主成分に対して500ppm以上添加する。但し、その添加量が多すぎると、飽和磁束密度が小さくなってしまう。したがって本発明では、CoO量を4000ppm以下とする。好ましいCoO量は500〜3000ppmである。
また、Ni、Ti、Coは同時に添加することでその効果はさらに高まる。NiやCoはスピネル結晶中のBサイトに固溶することで磁歪抑制効果が得られる。しかし、これらを単体で添加すると、BサイトだけではなくAサイトにも固溶してしまい、添加量に対して十分な効果が得られない。しかし、Tiを同時に添加することでNiやCoがBサイトに固溶しやすくなり単体で添加するよりも大きい磁歪抑制効果を得ることができると考えられる。
本発明のフェライトコアは、上述した組成を適宜選択することにより100℃における飽和磁束密度が380mT以上と高く、且つ、100℃における飽和磁歪を低減し駆動時の音鳴きを抑えることができる。
本発明では次のように副成分を制限することでコア損失を抑えることができる。
本発明のフェライトコアは、副成分として、SiOを50〜300ppm及びCaCOを200〜3000ppmの範囲内で含むことができる。Si及びCaは、結晶粒界に偏析して高抵抗層を形成して低損失に寄与するとともに焼結助剤として焼結密度を向上する効果を有する。SiがSiO換算で50ppm未満、あるいはCaがCaCO換算で200ppm未満だと上記効果を十分に得ることができない。また、SiがSiO換算で300ppm、あるいはCaがCaCO換算で3000ppmを超えると、異常粒成長によるコア損失の劣化が大きくなる。SiOは50〜150ppm及びCaCOは500〜2000ppmとすることが好ましく、さらにSiOは75〜125ppm及びCaCOは800〜1600ppmとすることが好ましい。
本発明のフェライトコアは、副成分として、Nbを50〜750ppm及びTaを50〜1500ppmの範囲内で含むことができる。Nb及びTaは粒界抵抗を高める働きがある成分である。NbがNb換算で50ppm未満、あるいはTaがTaを換算で50ppm未満では改善効果がない。また、NbがNb換算で750ppmを超え、あるいはTaがTa換算で1500ppmを超えると異常粒成長によりコア損失が大きくなるため、Nbを50〜750ppm及びTaを50〜1500ppmの範囲に限定した。含有量が多くなると異常粒成長を起こすためNbを100〜300ppm及びTaを100〜600ppmの範囲で含有させるのが好ましい。
本発明のフェライトコアは、副成分として、Vを50〜1000ppmの範囲内で含むことができる。Vは粒界抵抗を高める働きがある成分である。VがVを換算で50ppm未満では改善効果がない。また、VがV換算で1000ppmを超えると異常粒成長によりコア損失が大きくなるため、Vを50〜1000ppmの範囲に限定した。含有量が多くなると異常粒成長を起こすためVを100〜500ppmの範囲で含有させるのが好ましい。
本発明のフェライトコアは、副成分として、SnOを500〜8000ppm含むことができる。SnOは、一部粒界に存在し焼結後の冷却過程で粒界再酸化を助長して損失を低下させる成分である。SnOは4価のイオンとしてスピネル格子の原子とも置換してボトム温度を低下させる働きもある。しかしながら、添加量が多すぎると異常粒成長を引き起こして損失が高くなるため、SnOは500〜8000ppm、の範囲で含有させる。好ましくは、SnOを1000〜3000ppmの範囲で含有させる。なお、これらの成分は必ずしも酸化物の形で添加する必要はなく、たとえば、炭酸塩の形で混合してもかまわない。
本発明のフェライトコアは、上述した組成を適宜選択することにより100℃における損失を抑えることができる。
次に、本発明によるフェライトコアにとって好適な製造方法を説明する。
主成分の原料としては、酸化物又は加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的には、Fe粉末、Mn粉末及びZnO粉末等を用いることができる。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3μmの範囲で適宜選択すればよい。主成分の原料粉末を湿式混合した後、仮焼きを行う。仮焼きの温度は800〜1100℃の範囲内での所定温度とすればよい。仮焼きの安定時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。仮焼き後、仮焼き材を例えば、平均粒径0.5〜3μm程度まで粉砕する。なお、本発明では、上述の主成分の原料に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を主成分の原料としてもよい。例えば、塩化鉄、塩化マンガンを含有する水溶液を酸化培焼することによりFe、Mnを含む複合酸化物の粉末が得られる。この粉末とZnO粉末を混合して主成分原料としてもよい。このような場合には、仮焼きは不要である。
仮焼き後に副成分を添加する。仮焼き後の添加には、仮焼き材に副成分の原料を添加して上記粉砕を行ってもよいし、仮焼き材の粉砕後に副成分の原料を添加、混合することができる。ただし、NiO、TiO、CoOについては、主成分の原料とともに仮焼きに供することもできる。
副成分の原料として、酸化物又は加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いることもできる。具体的には、NiO粉末、Co粉末、TiO粉末、SiO粉末、CaCO粉末、Nb粉末、Ta粉末、SnO粉末等を用いることができる。
主成分及び副成分からなる混合粉末は、後の成型工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。造粒は例えばスプレードライヤを用いて行うことができる。混合粉末に適当な結合材、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、これをスプレードライヤで噴霧、乾燥する。得られる顆粒の粒径は80〜300μm程度とすることが好ましい。
得られた顆粒は、例えば所定形状の金型を有するプレスを用いて所望の形状に成型され、この成型体は焼成工程に供される。
焼成工程においては、焼成温度と焼成雰囲気を制御する必要がある。焼成温度は1250〜1500℃の範囲から適宜選択することができるが、本発明のフェライトコアの効果を十分引き出すには、1300〜1400℃の範囲で焼成することが好ましい。焼成雰囲気は、窒素と酸素の混合雰囲気において、酸素分圧を適宜調整すればよい。
焼成された本発明によるフェライトコアは、93%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を得ることができる。
本発明により得られたフェライトコアはトランスに用いることが可能であり、本発明により得られたトランスは、スイッチング電源装置に用いることが可能である。
図1(a)は、本実施形態に係るE字型フェライトコア(磁心)を示す斜視図である。図1(a)に示すように、E字型のフェライトコア10は、E型コアなどと呼ばれ、トランスなどに使用される。フェライトコア10のようなE型コアが採用されたトランスとしては、図1(b)に示すような、内部に2つのE型コアが対向配置されたものが知られている。
図2は、スイッチング電源装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すスイッチング電源装置200は、直流入力電圧Vinを直流出力電圧Voutに変換するための装置(DC/DCコンバーター)であり、直流出力電圧Vinに含まれるノイズ成分を除去する入力フィルタ201と、入力フィルタ201の出力を交流に変換するスイッチング回路202と、スイッチング回路202の出力を変圧するトランス203と、トランス203の出力を直流に変換する整流回路204と、整流回路の出力を平滑化する平滑回路205とを備えている。このような構成を有するスイッチング電源装置200において、トランス203のコアとして本発明によるコアを用いれば、トランス203にて発生する音鳴きを抑制できることから、スイッチング電源装置200の騒音問題を解決することができる。
図2に示したスイッチング電源装置200は、特に自動車用のスイッチング電源装置として利用することが好適である。
図3は、スイッチング電源装置200を備えた自動車の主要部分を概略的に示すブロック図である。
図3に示すように、スイッチング電源装置200を自動車用に用いた場合、スイッチング電源装置200は、高圧バッテリー210と電気機器220及び低圧バッテリー230との間に設けられ、高圧バッテリー210より供給される約144Vや約288Vの高電圧を約14Vに降圧してこれを電気機器220に供給するとともに、低圧バッテリー230を充電する役割を果たす。電気機器220としては、自動車に備えられるエアコンやオーディオ等が挙げられる。
高圧バッテリー210への充電は、発電装置240より供給される電力によって行われる。また、高圧バッテリー210の出力はモータ250にも供給され、モータ250は、高圧バッテリー210より供給される高電圧(約144Vや約288V)に基づいて駆動系260を駆動する。尚、燃料電池車においては燃料電池本体が発電装置240となり、ハイブリッド車においてはモータ250が発電装置240を兼ねることになる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
主成分の原料としてFe粉末、Mn粉末及びZnO粉末、副成分の原料としてNiO粉末、TiO粉末、Co粉末、SiO粉末、CaCO粉末、Nb粉末、V粉末、Ta粉末及びSnO粉末を用いた。主成分の組成、副成分の組成を表1〜3に示す。また、表1、2は表に示した材料の他にSiOを100ppm、CaCOを1000ppm、Nbを200ppmを添加した。これらの粉末を湿式混合した後、大気中、900℃で3時間仮焼きした。
得られた混合物にバインダを加え、顆粒化した後、成型してトロイダル形状の成型体、I型形状の成型体、及び、E型形状の成型体を得た。得られた成型体を酸素分圧制御下において、温度1300℃(安定部5時間、安定部酸素分圧2%)で焼成することにより、トロイダル形状のフェライトコア(外径20mm、内径10mm、厚さ5mm)、I字型形状のフェライトコア(長さ70mm、幅8mm、厚さ8mm)及びE字型形状のフェライトコア(長さ40mm、高さ15mm、幅5mm)を得た。
次に本発明の測定方法について説明する。
100℃における磁歪の測定は共和電業製の歪ゲージ(KFG:汎用箔ひずみゲージ)を用いて行った。I型のフェライトコアの中心部側面に歪ゲージを貼り付けた。Iコアを励磁して歪量が変化しなくなった時点における歪量の変化率の絶対値を飽和磁歪λsとした。なお、以下ではIコアを励磁して歪量が変化しなくなった時点における歪量の変化率の絶対値を飽和磁歪λs、との表記を単に飽和磁歪またはλsと表記する。
100℃における音鳴きはE型コア各組成を簡易無響箱内に設置して行った。測定はコアと騒音計のマイク先端部を30mm離れた位置に設置して行った。音圧レベルは小野測器製の騒音計(LA−5570)を用いて測定した。データはA特性変換後のオーバーオール値(OA値)を示す。A特性は、人間の聴感に基づいた音圧レベルを表す量として周波数の重みをつけた値である。OA値は、周波数分析された各音圧レベルの合計である。
100℃における飽和磁束密度Bsはトロイダル形状のコアを、メトロン技研製直流磁化特性試験装置(SK−110)により、励磁磁界1194A/mの条件下で測定した。
100℃におけるコア損失Pcvはトロイダル形状のフェライトコアを用いて、1次側5巻、2次側5巻の巻線を施し、100kHzの周波数で最大磁束密度200mTの条件下でIWATSU製BHアナライザー(SY−8217)により測定した。
Figure 0006536790
Figure 0006536790

Figure 0006536790
以上の測定結果より、以下のことが判る。
表中の「−」はその材料を添加していないことを示している。
(表1)
Fe量が51.5mol%未満(比較例1、2参照)だと100℃における飽和磁束密度Bs(以下、100℃における、は省略)が380mTより小さくなってしまう。また、Fe量が54.5mol%を超える(比較例7、8参照)と飽和磁歪が1.5×10−6より大きくなりOA値が45dBより大きくなってしまう。
また、ZnO量が7.0mol%未満(比較例3、5参照)では飽和磁歪が1.5×10−6より大きくなってしまいOA値が45dBより大きくなってしまう。また、ZnO量が11.5mol%を超える(比較例4、6参照)と飽和磁歪は小さくなるが飽和磁束密度Bsが380mTより小さくなってしまう。
(表2)
副成分であるNiOの量が500ppmより少ない(比較例9参照)と飽和磁歪が大きくなってしまいOA値が45dBより大きくなってしまう。また、NiO量が10000ppmを超える(比較例10参照)と飽和磁歪は小さくなるが飽和磁束密度Bsが380mTより小さくなってしまう。
副成分であるTiOの量が100ppmより少ない(比較例11参照)と飽和磁歪が1.5×10−6より大きくなってしまい、OA値も45dBより大きくなってしまう。また、TiO量が6000ppmを超える(比較例12参照)と磁歪は小さくなるが飽和磁束密度Bsが380mTより小さくなってしまう。
副成分であるCoOの量が500ppmより少ない(比較例13参照)と飽和磁歪が1.5×10−6より大きくなってしまいOA値が45dBより大きくなってしまう。また、CoO量が4000ppmを超える(比較例14参照)と飽和磁束密度Bsが380mTより小さくなってしまう。
以上に対して、Fe量が51.5〜54.5mol%、ZnO量が7.0〜11.5mol%、残部MnOの主成分に対して、副成分としてNiO量を500〜10000ppm、TiO量を100〜6000ppm及びCoOを500〜4000ppmを含む場合に、100℃における飽和磁歪が1.5×10−6以下、OA値が45dB以下、飽和磁束密度Bsが380mT以上という特性を得ることができる。
(表3)
他の副成分については以下の通りである。
SiO及びCaCOは、前述の通り、結晶粒界に偏析して高抵抗層を形成して低損失に寄与するとともに焼結助剤として焼結密度を向上する効果を有するが、表3に示すように、コア損失Pcvに影響を及ぼす。つまり、SiO及びCaCOを添加することにより、コア損失Pcvを低減することができるが、表3に示すように、添加しすぎるとコア損失が悪くなる(実施例20〜27参照)。そこで、SiO及びCaCOを添加する場合には、SiOを50〜300ppm、CaCOを200〜3000ppmとする。
また、Nb及びTaを添加することにより、コア損失Pcvを低減することができる(実施例28〜34参照)。しかし、SiO及びCaCOの場合と同様に添加しすぎるとコア損失が悪くなるので、最適な添加量の範囲はNbを50〜750ppm以下、Taを50〜1500ppm以下とする。
また、Vを添加することにより、コア損失Pcvを低減することができる(実施例35〜37参照)。しかし、SiO及びCaCOの場合と同様に添加しすぎるとコア損失が悪くなるので、最適な添加量の範囲はVを50〜1000ppm以下とする。
また、SnOを添加することにより、コア損失Pcvを低減することができる(実施例38〜40参照)。しかし、SiOをCaCOの場合と同様に添加しすぎるとコア損失が悪くなるので、最適な添加量の範囲はSnOを500〜8000ppm以下とする。
以上のように、本発明に係るフェライトコアは100℃近傍における飽和磁歪を低減することで駆動時のコアの音鳴きを十分に抑制でき、且つ、飽和磁束密度を高くすることができる。
(a)本実施形態に係るE字型フェライトコア(磁心)を示す斜視図である。(b)本実施形態に係る内部に2つのE型コアが対向配置されたトランスを示す斜視図である。 スイッチング電源装置のブロック図である。 スイッチング電源装置を備えた自動車の主要部分を示すブロック図である。
10フェライトコア(磁心)
11(中脚部)
12(コイル)
200スイッチング電源

Claims (5)

  1. 酸化鉄をFe換算で51.5〜54.5mol%、酸化亜鉛をZnO換算で7.0〜11.5mol%、残部が酸化マンガンである主成分を含むMnZn系フェライトであって、この主成分に対して、NiをNiO換算で500〜10000ppmを含むこと、TiをTiO換算で100〜6000ppmを含むこと、CoをCoO換算で500〜4000ppm含み、さらにVをV換算で50〜1000ppm含み、
    100℃における飽和磁歪λsが1.5×10 −6 以下であり、100℃におけるA特性変換後のオーバーオール値が45dB以下であることを特徴とするフェライトコア。
  2. 酸化鉄をFe換算で51.5〜54.5mol%、酸化亜鉛をZnO換算で7.0〜11.5mol%、残部が酸化マンガンである主成分を含むMnZn系フェライトであって、この主成分に対して、NiをNiO換算で500〜10000ppmを含むこと、TiをTiO換算で100〜6000ppmを含むこと、CoをCoO換算で500〜4000ppm含み、さらにSnをSnO換算で500〜8000ppm含み、
    100℃における飽和磁歪λsが1.5×10 −6 以下であり、100℃におけるA特性変換後のオーバーオール値が45dB以下であることを特徴とするフェライトコア。
  3. 前記主成分に対し、SiをSiO換算で50〜300ppm及びCaをCaCO換算で200〜3000ppm含むことを特徴とした請求項1または2に記載のフェライトコア。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフェライトコアを用いて構成される電子部品
  5. 請求項4に記載の電子部品を備えた電源装置。
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