JP6531613B2 - 低騒音巻きトランスおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、巻きトランスおよびその製造方法に関し、特に振動発生が少ない低騒音巻きトランスに関するものである。
電気、電子機器に広く使用される磁性材料において、磁界印加時の長さ変化の度合い(これを磁歪と呼ぶ)は変圧器騒音の原因となるため、品質管理における重要な評価項目の一つとなっている。近年、電気機器からの騒音は、生活環境快適化の要求と共にさらに規制が厳しくなりつつある。このため、磁歪の低減による低騒音化の研究が盛んに行われている。
トランスの鉄心に用いられる方向性電磁鋼板については、大きな進歩が見られ、還流磁区を減少させることで磁歪を低減する手法がある。ここで言う還流磁区とは、磁界印加方向に対して直角に向いている磁化を有する領域である。この磁化が印加磁界により磁界と平行方向に向けて動くときに磁歪が生じる。従って、還流磁区量が少ないほど磁歪は小さくなる。主な磁歪低減の手法として、以下のものが知られている。
(1)結晶粒の<001>方向を圧延方向に揃え、磁化回転により形状変化を生じさせる還流磁区を作らない方法。(非特許文献1)
(2)塑性歪を開放することで還流磁区を消去する方法。(非特許文献2)
(3)被膜張力を鋼板に印加することで還流磁区を消去する方法。(非特許文献1)
一方、鋼板磁歪の低減のみではなく、コアが発生する振動を抑える方式でも、騒音の低減が図られている。コアが発生する振動を抑える方式で騒音を低減する方法として、例えば、
(4)振動の伝播を切るため樹脂中間層を利用し、さらにコアシートの重量比を規定する方法(特許文献1)
(5)組合体と放熱板とを接着層で接着して構成された接合体でコイルの外周を囲む方法(特許文献2)
(6)筒状のコイルを樹脂モールド部によって覆ったコイル成形体と、コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具える方法(特許文献3)
(7)接着皮膜を利用して巻トランスを構成する方法(特許文献4)
がある。
従来は、主に上記のような手法により、コアの磁歪あるいはコアの振動を低減し、電気機器の低騒音化が図られてきた。
特許第4473476号公報 特開2015−12145号公報 特開2013−179258号公報 特開2001−155947号公報
T.Nozawa et al, "RelationshipBetween Total Losses under Tensile Stress in 3 Percent Si-Fe Single Crystalsand Their Orientations near (110) [001]",IEEE Trans. on Mag., Vol. MAG-14, No.4,1978.) 田口悟他、「画期的な方向性珪素鋼板オリエントコア・ハイビーの開発」、OHM、1972.2
しかしながら、電気機器のさらなる低騒音化への要求は強く、目的を達するためには、一層高度な技術が要求される。
従来の低騒音化の研究は、還流磁区の消滅によるコアの磁歪の低減を主な目的としてきた。ところが、時間的に変化する磁界を加えると、トランスのコアとして組んだ場合、コアが必ずしも平坦ではないため、コアの伸縮はコア面に垂直な振動に変化する。そしてこの振動によって空気の疎密波が生じ、音となって広がる。従来は、この振動を低減するため、コアの磁歪を小さくするように、上記の結晶方位の先鋭化、塑性歪の開放、張力の印加等が行われてきた。また、外部に振動を伝播させない防振構造を設ける対策等も行われてきた。しかしながら、さらなる低騒音化への要求に対処するためには、空気粒子の振動原因となるコアの面振動を抑えることが課題となる。
このような課題に対して、積みトランスにおいては、樹脂中間層を有する複層電磁鋼板で構成したコアが、既に提案されている。ところが、巻きトランスの場合には、歪取りのために、最終工程でコアを800℃で焼鈍する必要があり、このときに樹脂中間層が変質し、目的とする巻きトランスを製造することが出来ないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、構造を大きく変更せず、低騒音化を効果的に実現する、振動発生が少ない低騒音巻きトランスを提供することである。
上記問題を解決するため、本発明は、コイル状に巻かれた鋼板からなる鉄心の外周に、前記鋼板の巻方向に、前記鉄心の外側から押さえて前記鉄心を固定する周方向バンドが巻かれ、前記周方向バンドの表面側において、前記鉄心に巻回された巻線と前記鉄心との間に、振動損失係数η>0.01の積層方向バンドが配置されていることを特徴とする、低騒音巻きトランスを提供する。
前記積層方向バンドが、粘弾性層を挟んだサンドイッチ鋼板でもよい。その場合、前記粘弾性層の材質は、ポリイソブチレン、ポリエステル、またはニトリルゴムのいずれかでもよい。
前記巻線で前記鉄心が覆われている面積に対する、前記積層方向バンドで前記鉄心が覆われている面積の割合が、60%〜120%であることが好ましい、また、 前記積層方向バンドが、前記鋼板の積層方向に圧力0.1MPa〜5MPaで締め付けられていることが好ましい。
また、本発明は、コイル状に巻かれた鋼板からなる鉄心を成形、焼鈍した後、前記鋼板の巻方向に、前記鉄心の外側から押さえて前記鉄心を固定する周方向バンドを巻き、前記周方向バンドの表面側において、前記鉄心に巻回した巻線と前記鉄心との間に、振動損失係数η>0.01の積層方向バンドを配置することを特徴とする、低騒音巻きトランスの製造方法を提供する。
本発明によれば、トランスの構造を大きく変えることなく、鉄心の振動を抑えた低騒音巻きトランスを提供できる。
本発明の実施形態にかかる巻きトランスの構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線からみた横断面である。 本発明の実施形態にかかる巻きトランスの製造工程を示す図である。 巻きトランスの一般的な製造工程を示す図である。 従来の巻きトランスの構造例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線からみた横断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
前述のように、巻きトランスにおいて、従来の低騒音化のための主な対策は、コアの磁歪を小さくし、面振動を低減させることであった。また、コアの振動を外部に伝播させない防振構造が採用されていた。しかしながら、本発明者らは、コアの積層間に粘性と弾性を併せ持つ粘弾性体層を挿入することによりコアの面振動を小さくして騒音を低減する手法を、巻きトランスにおいても効果的に実現する方法を検討した。
図3は、巻きトランスの一般的な製造工程を示す。はじめにコイルを所要の幅にスリットし(S1)、所定の長さに剪断した鉄心素材(電磁鋼板)を巻き付け(S2)、これを四方から治具を用いて押さえて、平面形状が略長方形になるように鉄心を成形する(S3)。このとき、鉄心の中の径がつぶれないように、鉄製の金型をはさんで成形を行う。その後、鉄心が分散しないように、鉄心の外周に、周方向にスチールバンドを巻いて鉄心の外側から押さえる。
次に、成形された鉄心を例えば800℃程度で歪取り焼鈍し(S4)、次いで、巻線を鉄心に挿入するために鉄心を一旦ばらし(S5)、鉄心をコの字状に開く。そして巻線を挿入した(S6)後、再度鉄心を組み合わせる(S7)。図4は、従来の巻きトランス51の例を示し、図4(a)は側面図、図4(b)は(a)のA−A線からみた横断面図である。鉄心2の外周にスチール製の周方向バンド3が配置され、その上から巻線4が巻かれた構造になっている。
以上の工程で製造した従来の巻きトランスにおいて、振動を抑制するために鉄心を例えば樹脂層を挟む構造とした場合、鉄心の歪取り焼鈍時に鉄心積層間の樹脂が変質してしまい、樹脂層の振動吸収効果を享受することができない。また、外周部に防音構造を設けた場合には、コア自体が大きくなり、大幅な設計変更が必要になる。
このような問題を解決するため、本発明者らは、コアの構造を大幅に変えず、大がかりな防音構造を設けることなく、巻線と鉄心との隙間を活用し、かつ効果的な巻きトランスの低騒音化を図る方法を検討し、本発明に至った。
図1は、本発明の実施形態にかかる巻きトランス1の構造を示し、図1(a)は側面図、図1(b)は(a)のA−A線からみた横断面図である。鉄心2の外周に、図4に示す従来の形態と同様に、鉄心2を固定するために鉄心素材である電磁鋼板の巻方向に周方向バンド3が巻かれている。そして、周方向バンド3の上から、且つ鉄心2と巻線4との隙間に、積層方向バンド5が配置されている。積層方向バンド5は、樹脂またはゴム等からなる粘弾性層を挟んだサンドイッチ鋼板で構成されており、これにより鉄心素材の積層間の磁気吸引力による振動が吸収され、振動が抑制されて騒音を抑えることができる。特に巻線4が巻かれている直下では磁場が強くなるため、積層方向バンド5を設けることにより、効果的に振動を抑えることができる。
図2は、本発明の実施形態にかかる巻きトランス1の製造工程を示す。S1からS5の工程までは前述の製造工程と同様であり、コイルを所要の幅にスリットし(S1)、所定の長さに剪断した鉄心素材(電磁鋼板)を巻き付け(S2)、平面形状が略長方形になるように鉄心2を成形する(S3)。その後、成形された鉄心2を歪取り焼鈍し(S4)、鉄心2を一旦ばらす(S5)。そして、本実施形態では、焼鈍後に巻線4と一緒に積層方向バンド5を挿入して(S6)、その後、鉄心2を組み合わせる(S7)。このように、積層方向バンド5は、鉄心2の焼鈍後に取り付けられるため、焼鈍による熱の影響を受けることがない。
本実施形態において、積層方向バンド5は、図1に示すように、ボルト11およびナット12で構成されるロック部10で固定されている。これにより、鉄心2の積層方向の圧縮力の調整を容易に行うことができる。圧縮力が弱すぎると鉄心素材である電磁鋼板の積層間の振動が発生しやすく、かつ積層方向バンド5で振動が吸収されにくい。反対に、圧縮力が強すぎると、応力が不均一になり、特にロック部10付近で圧縮力が強くなるため、相対的に圧縮力が弱くなる他の部位からの振動が大きくなる。すなわち、積層方向バンド5は、巻きトランス1の構造に応じて適度な圧縮力で取り付けられることが必要であり、ボルト等により圧縮力を調整できることが好ましい。
次に、本実施形態にかかる積層方向バンド5に関して、さらに詳しく説明する。
鉄心2の振動を抑える積層方向バンド5は、鉄心素材の積層方向に適切な圧縮力が作用するように取り付けられる。このため、積層方向バンドは巻線4よりも内側に配置されることとなり、スペースが制約される。そのため、薄い板状で、巻線4と鉄心2との隙間に入る形状であることが必要である。また、ボルト11およびナット12で圧縮力が加えられるように、例えば図1(a)に示すようにフランジ5aを有する形状であることが好ましい。そして、本発明において、積層方向バンド5が鉄心2を覆う面積は、巻線4が鉄心2を覆う面積に対して、60%〜140%であることが好ましい。60%未満の場合には、巻きトランス用コアの振動を抑え込む面積が小さいため、振動音の抑制効果が小さくなる。また、140%を超えても、振動の抑制に変化はなく、効果が飽和するという実験結果が得られている。
また、積層方向バンド5は、制振性が高く、振動を吸収しやすい材質であることが必要である。積層方向バンド5は前述の通り粘弾性層を挟んだサンドイッチ鋼板からなり、粘弾性層の材質としては、例えばポリイソブチレン、ポリエステル、ニトリルゴム等が用いられ、積層方向バンド5の振動損失係数η>0.01とする。損失係数が0.01以下の場合には、通常の薄鋼板と同様で効果が得られない。η>0.01とすることで制振性を高め、本発明の効果が得られる。制振性が確保されないと、部品の共鳴により振動がさらに増幅される可能性があり、これは避けなければならない。
さらに、前述の通り、積層方向バンドの鉄心への締め付け圧力は、調整できることが好ましい。これは、鉄心の形状により最適な圧縮力を調整するためであり、騒音が発生しない最良の条件に落とし込むことが必要である。その範囲として、0.1MPa〜5MPaの範囲が好適であることが、実験により判明した。0.1MPa未満では振動の抑制効果が少なく、5MPaを超えるとトランスの鉄損が高くなるため、トランスそのものの効率を劣化させてしまう。また、積層方向バンド5の締め付け圧力を調整するためのボルト11およびナット12は、非磁性および絶縁性であることが好ましい。磁性があると、漏れ磁束による鉄損が発生して効率が落ちるからである。また、絶縁性が保たれない場合は、積層方向バンド5によるループが構成されるため、渦電流が流れてしまう。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
通常の方法で製造された板厚0.23mmの方向性電磁鋼板で鉄心を作り、表1に示すNo.1〜7の16kVA三相鉄心形巻きトランスを作製する。No.2〜7は本発明例であり、比較例として、No.1は積層方向バンドが無い従来の巻きトランスであり、図3に示すように、鉄心を成形後焼鈍し、鉄心をばらして巻線を挿入し、巻きトランスを形成する。
A〜Fは、本発明の条件を満たす巻きトランスであり、巻線に対する積層方向バンドの面積率を100%、かつ、積層方向バンドの鉄心への締め付け圧力を0.2MPaと一定にした条件で、損失係数を変えたものを製造する。なお、締め付け圧力は、次のようにして測定する。はじめに締め付け用のボルトと積層方向バンドとの間にロードセルを入れ、締め付け圧力を測定する。その際、トルクレンチでボルトの回転トルクを測定し、トルクと締め付け圧力との関係をあらかじめ測定する。その後、ロードセルを外し、ボルトの回転トルクによって締め付け圧を設定する。Aは、0.5mm厚の冷延鋼板に20μmの粘弾性層(ポリイソブチレン)を挟んだ制振鋼板、Bは、0.8mm厚の冷延鋼板に40μmの粘弾性層(ポリイソブチレン)を挟んだ制振鋼板、Cは、1.0mm厚の冷延鋼板に40μmの粘弾性層(ポリイソブチレン)を挟んだ制振鋼板、Dは、0.8mm厚の冷延鋼板に60μmの粘弾性層(ポリエステル)を挟んだ制振鋼板、Eは、0.8mm厚の冷延鋼板に80μmの粘弾性層(ニトリルゴム)を挟んだ制振鋼板、Fは、1.0mm厚の冷延鋼板に80μmの粘弾性層(ニトリルゴム)を挟んだ制振鋼板とする。
これらの巻きトランスを50Hz、1.65Tで励磁し、騒音を測定した結果を表1に示す。No.2〜7はいずれもコアの振動が抑えられ、No.1の比較例に比べて、騒音は3dB以上低減されている。
Figure 0006531613
[実施例2]
通常の方法で製造された板厚0.23mmの方向性電磁鋼板で鉄心を作り、表2に示すNo.8〜13の16kVA三相鉄心形巻きトランスを作製する。積層方向バンドの材質は、いずれも上記Cとする。なお、No.11は表1のNo.4と同じものである。No.9〜12は本発明例であり、比較例として、No.8は積層方向バンドの巻線に対する面積率を本発明の範囲外である40%、No.13は150%にする。ここでは、積層方向バンドの損失係数を0.11、かつ、締め付け圧力を0.2MPaと一定にする。
これらの巻きトランスを50Hz、1.65Tで励磁し、騒音を測定した結果を表2に示す。積層方向バンドの面積率を40%〜150%と変えたところ、60%を下回ると、騒音の大きな低減が見られない。したがって、面積率は60%以上が好ましい。さらに、積層方向バンドの面積率を60%から20%ずつ増加するにつれて、2dB前後ずつ騒音が低減している。しかしながら、120%から150%へさらに広くした場合は、面積率が30%増加したにもかかわらず騒音は0.1dB増加し、騒音低減効果が飽和する。バンド面積を大きくすることはコスト増加にも繋がることから、上限を120%とすることが好ましい。
Figure 0006531613
[実施例3]
通常の方法で製造された板厚0.23mmの方向性電磁鋼板で鉄心を作り、表3のNo.14〜21に示す16kVA三相鉄心形巻きトランスを作製する。積層方向バンドの材質は、いずれも上記Dとする。なお、No.15は表1のNo.5と同じものである。No.15〜19は本発明例であり、比較例として、No.14は締め付け圧力を本発明の範囲外である0MPaに、No.20、21はそれぞれ5.5MPa、7.3MPaにする。ここでは、積層バンドの損失係数を0.18、かつ、面積率を100%と一定にする。
これらの巻きトランスを50Hz、1.65Tで励磁し、騒音を測定した結果を表3に示す。締め付け圧力を0〜7.3MPaと変えたところ、圧力を加えることで、騒音の低減が見られ、殊に1.4MPaまでは、1MPa未満の圧力上昇でも顕著な騒音の低減が見られる。一方、No.20、21は、No.19に比べて顕著な騒音の低減は見られず、殊にNo.21はNo.20よりも1.8MPa高いにもかかわらず、騒音の低減は僅かであり、締め付け圧力が5MPaを越えると騒音低減効果が飽和している。この結果から、締め付け圧力の下限は0.1MPaが好ましく、上限は5MPaが好ましい。
Figure 0006531613
本発明は、電気、電子機器等に使用される巻きトランスに適用できる。
1,51 巻きトランス
2 鉄心
3 周方向バンド
4 巻線
5 積層方向バンド
10 ロック部
11 ボルト
12 ナット

Claims (6)

  1. コイル状に巻かれた鋼板からなる鉄心の外周に、前記鋼板の巻方向に、前記鉄心の外側から押さえて前記鉄心を固定する周方向バンドが巻かれ、前記周方向バンドの表面側において、前記鉄心に巻回された巻線と前記鉄心との間に、振動損失係数η>0.01の積層方向バンドが配置されていることを特徴とする、低騒音巻きトランス。
  2. 前記積層方向バンドが、粘弾性層を挟んだサンドイッチ鋼板であることを特徴とする、請求項1に記載の低騒音巻きトランス。
  3. 前記粘弾性層の材質は、ポリイソブチレン、ポリエステル、またはニトリルゴムのいずれかであることを特徴とする、請求項2に記載の低騒音巻きトランス。
  4. 前記巻線で前記鉄心が覆われている面積に対する、前記積層方向バンドで前記鉄心が覆われている面積の割合が、60%〜120%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の低騒音巻きトランス。
  5. 前記積層方向バンドが、前記鋼板の積層方向に圧力0.1MPa〜5MPaで締め付けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の低騒音巻きトランス。
  6. コイル状に巻かれた鋼板からなる鉄心を成形、焼鈍した後、前記鋼板の巻方向に、前記鉄心の外側から押さえて前記鉄心を固定する周方向バンドを巻き、前記周方向バンドの表面側において、前記鉄心に巻回した巻線と前記鉄心との間に、振動損失係数η>0.01の積層方向バンドを配置することを特徴とする、低騒音巻きトランスの製造方法。
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