JP6819136B2 - トランス - Google Patents
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Description
低鉄損化の一つの手法として、環状の鉄心の周方向に張力を発生させることが知られている。
一方、電磁鋼板を用いて巻鉄心を製造する場合、巻鉄心に巻線を挿入するための接合部が設けられる場合がある。当該接合部を一旦開放し、開放された巻鉄心の端部から巻線に挿入して、前記接合部を再接合することにより、巻鉄心に巻線を容易に巻回することができる。
前記巻鉄心の柱状部の少なくとも1つに巻回する巻線と、
前記巻鉄心が有する全ての柱状部それぞれに配置され、当該柱状部を前記電磁鋼板の積層方向に加圧する加圧部材と、
前記巻鉄心の少なくとも一つの柱状部に周方向の張力を付与する張力付与部材とを備え、
前記各加圧部材は、柱状部の積層方向両面に配置され、当該柱状部の外周に沿った矩形形状を有する加圧用プレート、及び、当該加圧用プレートを柱状部の積層方向両面から締め付ける加圧用ボルトと加圧用ナットを備え、
柱状部の窓部内に配置された前記加圧用プレートのうち、窓部内の向き合う位置に配置された少なくとも一対の加圧用プレートは、加圧用兼張力付与用プレートとして選ばれ、
前記張力付与部材は、柱状部の窓部内の向き合う位置に配置された少なくとも一対の前記加圧用兼張力付与用プレート、当該一対の加圧用兼張力付与用プレート間を接続する張力付与用スタッドボルト、及び、張力付与用スタッドボルトの両端に配置された一対の張力付与用ナットを備えることを特徴とする。
本発明のトランスにおいては、前記加圧部材の加圧力が0.1MPa以上であることが好ましい。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
前記巻鉄心の柱状部の少なくとも1つに巻回する巻線と、
前記接合部を有する柱状部を前記電磁鋼板の積層方向に加圧する加圧部材と、
前記巻鉄心の少なくとも一つの柱状部に周方向の張力を付与する張力付与部材とを備えることを特徴とする。
そこで本発明者らは、巻鉄心に周方向の張力を付与するための張力付与部材を設けることを検討した。しかしながら、接合部を有する巻鉄心に周方向の張力を加えると、当該接合部が張力に耐え切れずに剥がれてしまうという問題が生じた。そこで、接合部を有するヨーク部に、電磁鋼板の積層方向に加圧することにより、接合部の剥がれを解決し、鉄損が低減されたトランスを得ることができた。
本発明によれば、張力被膜を用いることなく巻鉄心に周方向の張力を付与することができる。そのため、張力被膜を有しない電磁鋼板を用いてもよく、電磁鋼板の製造コストを抑えることができる。更に、電磁鋼板の表面を酸化処理して表面酸化層を形成する等、簡易な方法で表面の絶縁処理を行うことにより、電磁鋼板の製造コストを抑えながら、更に電磁鋼板の積層方向に生じる渦電流も抑制できるため、より鉄損が抑制されたトランスが得られる。
図1の例に示されるトランスは、4つの柱状部を有する矩形環状の巻鉄心1を備え、巻線2a又は巻線2bが巻回された対向する2つの柱状部と、接合部3を有する柱状部とを有している。巻線2a及び巻線2bは、巻鉄心1に巻回しているものであるが、説明の都合上、図1では柱状部付近の断面図としている。巻線が巻回された柱状部と接合部3を有する柱状部とが同一の柱状部であってもよいが、接合部3の再接合の容易性や、トランスの性能の点から、接合部3を有する柱状部に隣接する柱状部に巻線が巻回されていることが好ましい。接合部の接合方式は特に限定されず、従来公知のいずれの方式であってもよいが、接合部の機械強度の点から、バットラップ接合、又はステップラップ接合であることが好ましく、中でも図3に示されるステップラップ接合であることが好ましい。
電磁鋼板の積層方向にかかる圧力は、特に限定されないが、接合部の剥がれを抑制する点から、0.1MPa以上であることが好ましく、更に鉄損を低減する点から、0.3MPa以上であることがより好ましく、0.4MPa以上であることが更により好ましい。一方、圧縮力を加える治具の小型化の点から、30MPa以下であることが好ましい。
巻鉄心の柱状部にかかる張力は、特に限定されないが、鉄損を低減する点から、0.1Pa以上であることが好ましく、0.2Pa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが更により好ましい。一方、張力を加える治具の小型化の点から、10MPa以下であることが好ましい。
本発明のトランスに用いられる電磁鋼板は、積層方向に生じる過電流を抑制し、磁気特性にも優れる点から、中でも、表面酸化層を有するものが好ましい。
例えば、20kVAのトランスであれば、中心の窓部分が140mm×70mm、積層厚が60mm、板の幅が150mmである巻鉄心などが好ましい一実施形態として挙げられる。
また、巻鉄心のその他の構成としては、一般的にトランス用巻鉄心として用いられる公知の構成とすることができる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
方向性電磁鋼板を用いて、接合部を有する巻鉄心を作製した。この方向性電磁鋼板は、表面にリン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力被膜を有するものである。次いで、当該接合部を一旦開放し、開放された巻鉄心の端部を巻線に挿入して、前記接合部を再接合した。前記巻鉄心の2つの脚部と、2つのヨーク部には、それぞれ電磁鋼板の積層方向に加圧する加圧部材を設け、また、巻鉄心の脚部に周方向の張力を付与する張力付与部材を設けて、図1の例に示されるトランス1を作製した。
前記トランス1の作製において、張力被膜を有する方向性電磁鋼板の代わりに、表面酸化層を有し、張力被膜を有しない方向性電磁鋼板を用いた以外は、トランス1の作成と同様にし、トランス2を作製した。
前記作製したトランスの積層方向の圧力と、周方向の張力とを、表1に示す組合せに調整し、それぞれ鉄損を評価した。表1中の鉄損低減率は、No.1の鉄損値を基準とし、下記式により算出された値である。
鉄損低減率(%)= (P1 −P)/P1 ×100
(式中、P1は表1のNo.1における鉄損値、Pは表1中の各条件下における鉄損値を表す。)
表1に示される通り、巻鉄心の周方向に張力を付与し、また、巻鉄心を構成する電磁鋼板の積層方向に加圧することにより、鉄損が低減することが明らかとなった。No.1〜No.7の比較から、周方向の張力を強めることにより、より鉄損が低減することが明らかとなった。また、No.9〜No.12の比較から、積層方向の圧縮力を高めることで、より鉄損が低減することが明らかとなった。また、No.5とNo.13との比較などから、周方向に張力を付与する張力付与部材を有する本発明の巻鉄心においては、表面酸化層を有する電磁鋼板を用いることにより、より鉄損が抑制されたトランスが製造できることが明らかとなった。
2a、2b 巻線
3 接合部
4 加圧用プレート
4a 加圧用プレート、兼、張力付与用プレート
5 加圧用ボルト
6 加圧用ナット
7 張力付与用スタッドボルト
8 張力付与用ナット
Claims (4)
- 電磁鋼板の積層体からなり、接合部を有する矩形環状の巻鉄心と、
前記巻鉄心の柱状部の少なくとも1つに巻回する巻線と、
前記巻鉄心が有する全ての柱状部それぞれに配置され、当該柱状部を前記電磁鋼板の積層方向に加圧する加圧部材と、
前記巻鉄心の少なくとも一つの柱状部に周方向の張力を付与する張力付与部材とを備え、
前記各加圧部材は、柱状部の積層方向両面に配置され、当該柱状部の外周に沿った矩形形状を有する加圧用プレート、及び、当該加圧用プレートを柱状部の積層方向両面から締め付ける加圧用ボルトと加圧用ナットを備え、
柱状部の窓部内に配置された前記加圧用プレートのうち、窓部内の向き合う位置に配置された少なくとも一対の加圧用プレートは、加圧用兼張力付与用プレートとして選ばれ、
前記張力付与部材は、柱状部の窓部内の向き合う位置に配置された少なくとも一対の前記加圧用兼張力付与用プレート、当該一対の加圧用兼張力付与用プレート間を接続する張力付与用スタッドボルト、及び、張力付与用スタッドボルトの両端に配置された一対の張力付与用ナットを備える、トランス。 - 前記加圧部材の加圧力が0.1MPa以上である、請求項1に記載のトランス。
- 前記電磁鋼板が、張力被膜を有しない、請求項1又は2に記載のトランス。
- 前記電磁鋼板が、表面酸化層を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトランス。
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