JP6521589B2 - 車両ブレーキ装置 - Google Patents
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また、上述のガスチャンバは、空気室が形成されたキャップに、空気室を閉塞するダイアフラムと、ダイアフラムを空気室へ接合させるプレートとを順に重ね合わせて取り付け(第1の作業)、しかる後、キャップの外周面にOリングを取り付けた状態で、ダンパ油圧室が形成されるハウジングに取り付け(第2の作業)て完成される構成となっており、少なくとも、4つの部品(キャップ、ダイアフラム、プレート、及び、Oリング)が必要であることに加えて、少なくとも2回の取り付け作業が必要となり、比較的コストを要する構造となっているという問題がある。
マスタシリンダとホイールシリンダ間が配管を介して連通され、前記ホイールシリンダから流出せしめられるブレーキ液を一時的に蓄積するリザーバが設けられ、前記リザーバのブレーキ液を前記ホイールシリンダに圧送可能に油圧ポンプ装置が設けられ、前記油圧ポンプ装置と前記マスタシリンダとの間に位置せしめられて、前記油圧ポンプ装置と前記マスタシリンダとの連通・遮断を制御する通常ブレーキ用常開型ソレノイドバルブが設けられ、前記ブレーキ配管の、前記油圧ポンプ装置と前記ホイールシリンダとの間に位置せしめられて、前記油圧ポンプ装置と前記ホイールシリンダとの連通・遮断を制御する第1乃至第4のブレーキ用常開型ソレノイドバルブが設けられ、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間に、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側との連通・遮断を制御する自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブが配管接続により設けられると共に、前記自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間にブレーキ液の脈動に起因して発生する振動を減衰、抑圧せしめるダンパーが設けられてなる油圧ユニットを有してなる車両ブレーキ装置であって、
前記ダンパーは、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間の配管に連通せしめられ、径が内部に向かって段階的に小さくなるよう径の異なる複数の段部を有するシリンダと、前記シリンダの開口側に設けられたカバー部材と、前記段部の内周面に接するように配置され、前記段部の内周面より前記シリンダの開口側に突出するように設けられた支持部材と、前記カバー部材と前記支持部材の間に設けられた弾性変位部材とを具備し、
前記弾性変位部材は、前記カバー部材のフランジ部に突出形成された押止突起と前記支持部材の間に挟持されており、
前記弾性変位部材は、全体概略形状が大凡円盤状をなし、その周縁部には、前記カバー部材により前記シリンダに固定される挟持部が形成される一方、当該弾性変位部材の中央部分は、直径方向と直交する方向における厚みが、当該中央部分と前記挟持部との間の第1の変位部の厚みに比して大に設定されてなる中央変位部をなすよう構成されてなり、
前記シリンダは、前記弾性変位部材により、前記自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間の配管と連通するブレーキ液流入室と、前記カバー部材との間に画成される室とに区分されてなるものである。
また、シリンダの開口部分において、カバー部材と支持部材に弾性変位部材が挟持されるように設けられる構成としたので、従来に比して、比較的簡素な構成となり、しかも、組み立て作業が従来に比して簡素となるので、従来に比して、より低価格化を図ることができる。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。
図1には、いわゆる還流型のアンチロックブレーキ制御機能、及び、横滑り防止機能を備えた自動四輪車用の車両ブレーキ装置における配管系統を中心に表した構成例が示されている。
そして、ブレーキマスタシリンダ1とホイールシリンダ201〜204との間に設けられた液圧制御ユニット101は、次述するように構成されたものとなっている。
すなわち、液圧制御ユニット101は、ブレーキマスタシリンダ1側に2つのマスタ側接続口3a,3bを、ホイールシリンダ201〜204側に4つのホイール側接続口4a〜4dを、それぞれ有し、ブレーキマスタシリンダ1、及び、ホイールシリンダ201〜204は、対応する接続口に配管接続されたものとなっている。
第1乃至第4のブレーキ用常開型ソレノイドバルブ5a〜5dは、後述する油圧ポンプ装置50の吐出し側とホイールシリンダ201〜204とを接続するブレーキ配管15a〜15dにより配管接続されて、油圧ポンプ装置50の吐出し側とホイールシリンダ201〜204との間に設けられたものとなっている。
また、第1乃至第4の放出用常閉型のソレノイドバルブ6a〜6dは、後述する油圧ポンプ装置50の吸込み側とホイールシリンダ201〜204とを接続する副ブレーキ配管16a〜16dにより配管接続されて、油圧ポンプ装置50の吸込み側とホイールシリンダ201〜204の間に設けられたものとなっている。
そして、油圧ポンプ装置50を駆動することで、第1乃至第4のブレーキ用常開型のソレノイドバルブ5a〜5dを介して各ホイールシリンダ201〜204にブレーキ圧を流入せしめてブレーキ液圧を高めることができる一方、第1乃至第4の常閉型のソレノイドバルブ6a〜6dを介して各ホイールシリンダ201〜204のブレーキ液をリザーバ11a,11bへ貯めてブレーキ液圧を弛めることができるようになっている。
液圧制御ユニット101には、さらに、ブレーキマスタシリンダ1と油圧ポンプ装置50の吐出し側との間に、2つの通常ブレーキ用常開型ソレノイドバルブ(図1においては「USV」と表記)21a,21bが配管接続されて設けられる一方、油圧ポンプ装置50の吸込み側とのブレーキマスタシリンダ1との間に、2つの自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブ(図1においては「HSV」と表記)22a,22bが、自動ブレーキ配管17a,17bにより配管接続されて設けられている。
まず、通常、2つの通常ブレーキ用常開型ソレノイドバルブ21a,21bは開弁状態にある一方、自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブ22a,22bは閉弁状態となっている。
また、図示されない電子制御ユニットにおいて、アンチロックブレーキ制御が必要と判断されると、通常ブレーキ用常開型ソレノイドバルブ21a,21bが励磁されて閉弁状態とされ、ブレーキマスタシリンダ1とホイールシリンダ201〜204間の連通が遮断され、ホイールシリンダ201〜204の液圧が一定に保持される。
本発明の実施の形態におけるダンパー12a,12bは、液圧制御ユニット101を構成する液圧ハウジング30に凹設形成されたシリンダ31と、このシリンダ31の開口面側に設けられたカバー部材32及び支持部材33と、並びに、弾性変位部材34とに大別されて構成されたものとなっている。
シリンダ31は、開口部31a側からシリンダ頭部31b側へ向かって、径が段階的に小さくなるようにして、第1中空部35a、第2中空部35b、第3中空部35c、及び、第4中空部35dが扁平円筒状に形成されたものとなっている。
一方、第1中空部35aには、カバー部材32が、その周縁部分で図示されないかしめ等により固着され取り付けられるものとなっている。
かかる支持部材33は、その外周面が第3中空部35cの内周面に接するように嵌合されて、後述するようにカバー部材32との間に弾性変位部材34が挟持されるようになっている。
この弾性変位部材34の周縁部分は、後述するようにカバー部材32によりシリンダ31に固定される挟持部34aとなっている。かかる挟持部34aは、直径方向と直交する方向の断面形状が大凡楕円形状となるよう形成されており、後述するようにカバー部材32と第2中空部35bの段部に挟持、固定された際に圧縮されて、図2に示されたように、その断面形状が大凡矩形状をなすものとなっている。
本発明の実施の形態において、この挟持部34aは、直径方向と直交する方向の長さが、第2中空部35bの軸方向の長さ(図2において紙面左右方向)よりも大きく設定されると共に、横方向の長さ、すなわち、直径方向に沿った長さが、第2中空部35bの段部36の長さ、すなわち、第2中空部35bの直交方向に沿った長さとほぼ同一に設定されたものとなっている。
さらに、本発明の実施の形態における中央変位部34bは、第1変位部34cよりもカバー部材32側に変位して形成される共に、その周縁部分に環状突起34dが形成されたものとなっている(図2及び図3参照)。
弾性変位部材34の取り付けにおいては、最初に、支持部材33が第3中空部35cに内挿され、次いで、弾性変位部材34が第2中空部に内挿され、最後に、カバー部材32が第1中空部35aに内挿されるものとなっている。
上述のように弾性変位部材34がシリンダ31に取り付けられることによって、シリンダ31内は、カバー部材32と弾性変位部材34との間に室37が画成される一方、その反対側、すなわち、弾性変位部材34とシリンダ頭部31bとの間にブレーキ液流入室38が画成されるものとなっている。
なお、カバー部材32の押止突起32cの位置や、押止突起32cから径方向の外側方向におけるフランジ部32bの長さなどは、弾性変位部材34が上述のように第2中空部35bに内装されるよう予め設定されたものとなっている。
例えば、油圧ポンプ装置50が駆動されてリザーバ11a,11bや配管内のブレーキ液の吸い上げが行われ、ブレーキマスタシリンダ31やホイールシリンダ201〜204へブレーキ液を送り込むような場合に、ブレーキ液の脈動が生じることがある。このような脈動は、液圧制御ユニット101内の配管を介してブレーキマスタシリンダ1へ伝達され、ブレーキペダル40の振動や異音の発生を招く等の現象が発生することがあるが、本発明の実施の形態においては、ダンパー12a,12bが設けられているため、脈動がダンパー12a,12bにおいて減衰、抑圧され、上述の振動や異音の発生が抑圧、防止されるものとなっている。
なお、ブレーキ液流入室38の圧力上昇がさらに大きい場合には、環状突起34dの部分がカバー部材32に接する状態となる(図示省略)。
なお、上述した本発明の実施の形態において、ダンパー12a,12bは、自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブ22a,22bと油圧ポンプ装置50の吸込み側との間に設けられるものとしたが、設置位置はこれに限定される必要はなく、ブレーキマスタシリンダ1と油圧ポンプ装置50の吸込み側との間に設けられるものであれば、この間の特定の箇所に限定される必要はなく、任意の箇所に設けて良いものである。例えば、ブレーキマスタシリンダ1と自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブ22a,22bの間に設けるようにしても好適である。
12a,12b…ダンパー
31…シリンダ
32…カバー部材
33…支持部材
34…弾性変位部材
101…液圧制御ユニット
201〜204…ホイールシリンダ
Claims (4)
- マスタシリンダとホイールシリンダ間が配管を介して連通され、前記ホイールシリンダから流出せしめられるブレーキ液を一時的に蓄積するリザーバが設けられ、前記リザーバのブレーキ液を前記ホイールシリンダに圧送可能に油圧ポンプ装置が設けられ、前記油圧ポンプ装置と前記マスタシリンダとの間に位置せしめられて、前記油圧ポンプ装置と前記マスタシリンダとの連通・遮断を制御する通常ブレーキ用常開型ソレノイドバルブが設けられ、前記ブレーキ配管の、前記油圧ポンプ装置と前記ホイールシリンダとの間に位置せしめられて、前記油圧ポンプ装置と前記ホイールシリンダとの連通・遮断を制御する第1乃至第4のブレーキ用常開型ソレノイドバルブが設けられ、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間に、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側との連通・遮断を制御する自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブが配管接続により設けられると共に、前記自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間にブレーキ液の脈動に起因して発生する振動を減衰、抑圧せしめるダンパーが設けられてなる油圧ユニットを有してなる車両ブレーキ装置であって、
前記ダンパーは、前記マスタシリンダと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間の配管に連通せしめられ、径が内部に向かって段階的に小さくなるよう径の異なる複数の段部を有するシリンダと、前記シリンダの開口側に設けられたカバー部材と、前記段部の内周面に接するように配置され、前記段部の内周面より前記シリンダの開口側に突出するように設けられた支持部材と、前記カバー部材と前記支持部材の間に設けられた弾性変位部材とを具備し、
前記弾性変位部材は、前記カバー部材のフランジ部に突出形成された押止突起と前記支持部材の間に挟持されており、
前記弾性変位部材は、全体概略形状が大凡円盤状をなし、その周縁部には、前記カバー部材により前記シリンダに固定される挟持部が形成される一方、当該弾性変位部材の中央部分は、直径方向と直交する方向における厚みが、当該中央部分と前記挟持部との間の第1の変位部の厚みに比して大に設定されてなる中央変位部をなすよう構成されてなり、
前記シリンダは、前記弾性変位部材により、前記自動ブレーキ用常閉型ソレノイドバルブと前記油圧ポンプ装置の吸込み側の間の配管と連通するブレーキ液流入室と、前記カバー部材との間に画成される室とに区分されてなることを特徴とする車両ブレーキ装置。 - 前記弾性変位部材は、前記ブレーキ液流入室へ流入したブレーキ液の圧力上昇に応じて前記カバー部材側へ変位する一方、前記ブレーキ液の圧力低下に応じて復元可能に形成されてなるものであることを特徴とする請求項1記載の車両ブレーキ装置。
- 前記弾性変位部材の中央変位部は、前記第1の変位部よりも前記カバー部材側へ変位せしめられて形成されてなることを特徴とする請求項2記載の車両ブレーキ装置。
- 前記中央変位部の周縁部には、環状突起部が環状に突出形成されてなることを特徴とする請求項3記載の車両ブレーキ装置。
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