以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図であり、図2は、図1における画像形成部Pa付近の拡大図である。
図1に示す画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターであり、以下のような構成になっている。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに図1において時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。
感光体ドラム1a〜1dは、支持体(導電性基体)である素管と、素管の表面に形成される感光層とで構成される。本実施形態では、アルミニウム製の素管の表面に有機感光層(OPC)が形成された感光体ドラム1a〜1dを用いている。トナー像が転写される転写紙Pは、画像形成装置100本体下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。以下、画像形成部Paについて詳細に説明するが、画像形成部Pb〜Pdについても基本的に同様の構成であるため説明を省略する。図2に示すように、感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の反時計回り方向)に沿って帯電装置2a、現像装置3a、クリーニング装置7aが配設され、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラー6aが配置されている。また、感光体ドラム1aに対し中間転写ベルト8の回転方向上流側には中間転写ベルト8を挟んでテンションローラー11に対向するベルトクリーニングユニット19が配置されている。
次に、画像形成装置100における画像形成手順について説明する。ユーザーにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5の光出射窓5aから出射されたビーム光(レーザー光)によって感光体ドラム1a〜1dの表面を光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーが所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dのクリーニングブレード32及び摺擦ローラー33により除去される。
ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー10の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、フルカラー画像が転写される。トナー像が転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。中間転写ベルト8表面に残存したトナーはベルトクリーニングユニット19によって除去される。
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱及び加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、そのまま(或いは分岐部14によって反転搬送路18に振り分けられ、両面に画像が形成された後)排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
図3は、第1実施形態の画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図である。なお、図3は図1、図2の背面側から見た状態を示しており、現像装置3a内の各部材の配置は図1、図2と左右が逆になっている。また、以下の説明では画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb〜Pdに配置される現像装置3b〜3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
図3に示すように、現像装置3aは、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤(以下、単に現像剤と呼ぶ)が収納される現像容器(ケーシング)20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21及び供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(図1参照)から供給されるトナー(正帯電トナー)をキャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー23a及び供給搬送スクリュー23bがそれぞれ回転可能に配設されている。
現像容器20内において供給搬送スクリュー23bの上方にはトナー供給ローラー24(現像剤担持体)が配置され、トナー供給ローラー24の右斜め上方には現像ローラー25が対向配置されている。そして、現像ローラー25は現像容器20の開口側(図3の右側)において感光体ドラム1a(図2参照)に対向しており、トナー供給ローラー24、現像ローラー25は図3において反時計回り方向に回転する。また、現像容器20には穂切りブレード26がトナー供給ローラー24の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って取り付けられている。
攪拌搬送スクリュー23a及び供給搬送スクリュー23bによって、現像剤が攪拌されつつ現像容器20内の攪拌搬送室21及び供給搬送室22を循環してトナーを帯電させ、供給搬送スクリュー23bによって現像剤がトナー供給ローラー24に搬送される。そして、トナー供給ローラー24上に磁気ブラシ(図示せず)を形成し、トナー供給ローラー24上の磁気ブラシは穂切りブレード26によって層厚規制された後、トナー供給ローラー24と現像ローラー25との対向部分に搬送され、トナー供給ローラー24に印加されるVmag(DC)と現像ローラー25に印加されるVslv(DC)との電位差ΔV、及び磁界によって現像ローラー25上にトナー薄層を形成する。
トナー供給ローラー24上の磁気ブラシとの接触によって現像ローラー25上に形成されたトナー薄層は、現像ローラー25の回転によって感光体ドラム1aと現像ローラー25との対向部分(対向領域)に搬送される。現像ローラー25にはVslv(DC)及びVslv(AC)が印加されているため、感光体ドラム1aとの間の電位差によってトナーが飛翔し、感光体ドラム1a上の静電潜像が現像される。
現像容器20における図3の右側壁において現像ローラー25の近傍には、現像容器20の内側に突出する断面三角形状のトナー受け支持部材27が設けられている。図3に示すように、トナー受け支持部材27は現像容器20の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って配置されており、トナー受け支持部材27の上面はトナー供給ローラー24及び現像ローラー25に対向するとともに、現像ローラー25からトナー供給ローラー24方向に向かって下方に傾斜する壁部を構成している。トナー受け支持部材27の上面には長手方向に沿って、現像ローラー25から引き剥がされて落下するトナーを受けるトナー受け部材28が取り付けられている。トナー受け部材28の長手方向の略中央部には振動発生装置29が付設されている。振動発生装置29の内部には振動モーター(図示せず)が配置されており、振動モーターの駆動によって振動を発生させる。振動発生装置29により発生した振動はトナー受け部材28に伝達される。
穂切りブレード26やトナー受け支持部材27周辺に堆積したトナーが凝集して現像ローラー25に付着すると、凝集トナーが感光体ドラム1aに移行して画像不具合が発生するおそれがある。そこで、本実施形態の画像形成装置100は、非画像形成時に振動発生装置29により現像装置3a〜3d内のトナー受け部材28を振動させてトナー受け部材28に堆積したトナーを振るい落として供給搬送室22に回収する現像トナー回収モードを実行可能である。
図4は、第1実施形態の画像形成装置100に搭載される中間転写ユニット30の側面断面図である。なお、図4では中間転写ユニット30を図1の背面側から見た状態を示している。図4に示すように、中間転写ユニット30は、下流側の駆動ローラー10と上流側のテンションローラー11とに掛け渡された中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1dに接触する一次転写ローラー6a〜6dと、押圧切換ローラー34と、を有する。また、テンションローラー11に対向する位置には、中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニングユニット19が配置されている。ベルトクリーニングユニット19の詳細な構成については後述する。
中間転写ユニット30は、一次転写ローラー6a〜6d及び押圧切換ローラー34の回転軸の両端部を回転可能、且つ中間転写ベルト8の進行方向に対し垂直(図4の上下方向)に移動可能に支持する一対の支持部材(図示せず)と、押圧切換ローラー34を上下方向に往復移動させる駆動手段(図示せず)と、を有するローラー接離機構60を備えている。ローラー接離機構60は、4本の一次転写ローラー6a〜6dを、それぞれ中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1d(図1参照)に圧接するカラーモードと、一次転写ローラー6dのみを中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1dに圧接するモノクロモードとに切り替え可能である。
具体的には、ローラー接離機構60は押圧切換ローラー34を上方に移動させることで中間転写ベルト8と共に一次転写ローラー6a〜6dも上方に移動し、一次転写ローラー6a〜6cが感光体ドラム1a〜1cから離間する。ここで、押圧切換ローラー34は一次転写ローラー6aよりもテンションローラー11側に配置されているため、中間転写ベルト8の下面(感光体ドラム1a〜1dとの接触面)は駆動ローラー10側を支点として上下に揺動する。そのため、中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dとの距離は感光体ドラム1a側で最大となり、感光体ドラム1d側で最小となる。
図5は、図4に示したベルトクリーニングユニット19の外観斜視図、図5は、ベルトクリーニングユニット19の内部構成を示す側面断面図である。ベルトクリーニングユニット19は、ハウジング40内に、ファーブラシ41、回収ローラー43、ブレード45、搬送スパイラル47を備えており、ハウジング40の一端にはファーブラシ41、回収ローラー43、及び搬送スパイラル47にクリーニング駆動モーター(図示せず)からの駆動力を入力する駆動入力ギア列48が配置されている。
ファーブラシ41は、ハウジング40の開口部40a側において、中間転写ベルト8を介してテンションローラー11と対向配置されている。ファーブラシ41は、中間転写ベルト8の移動方向に対しカウンター方向(図6の反時計回り方向)に回転することにより、中間転写ベルト8上に残存するトナーや紙粉等の異物(以下、トナー等という)を掻き取る。回収ローラー43に接触するファーブラシ41のブラシ部分は抵抗値1〜900MΩ程度の導電性の繊維で形成されている。
回収ローラー43は、ファーブラシ41の表面に接触しながらファーブラシ41と逆方向(図6の時計回り方向)に回転することにより、ファーブラシ41に付着したトナー等を回収する。回収ローラー43にはクリーニングバイアス電源65(図8参照)が接続されており、中間転写ベルト8のクリーニング時にトナーと逆極性(ここでは負極性)のクリーニングバイアスが印加される。また、テンションローラー11はグランドに接地(アース)されている。その結果、中間転写ベルト8から掻き取られたトナー等はファーブラシ41のブラシ部分に電気的及び機械的に回収され、さらに回収ローラー43に電気的に移動する。
ファーブラシ41、回収ローラー43の各回転軸41a、43aは、軸受部材51によって回転可能に支持されており、ファーブラシ41は回収ローラー43の回転軸43aを中心として揺動可能となっている。また、軸受部材51の揺動端側(回転軸41a側)は圧縮バネ49によって図6の右上方向に付勢されている。
ブレード45は、回収ローラー43の回転方向に対し上流側(回収ローラー43の表面の移動方向に対しカウンター方向)から回収ローラー43に接触して回収ローラー43によって回収されたトナー等を掻き落として回収ローラー43を清掃する。搬送スパイラル47は、ハウジング40のトナー収容部40b内に配置されており、ブレード45によって回収ローラー43から掻き落とされたトナー等をハウジング40の外部の廃トナー回収容器(図示せず)へ搬送する。
図6に示すように、ハウジング40内には回収ローラー43の長手方向(図6の紙面と垂直な方向)全域に亘ってシール部材50が対向配置されている。シール部材50は、例えばポリウレタン等で形成されたシート状の部材であり、所定の接触圧で回収ローラー43に接触している。このシール部材50の接触圧は、回収ローラー43に付着しているトナーは掻き落とさずに、ブレード45で掻き落としたトナー等が再び回収ローラー43側に向かわないように設定する必要がある。
前述したように、中間転写ベルト8上に付着した紙粉が、ファーブラシ41、回収ローラー43を介してシール部材50に付着すると、回収ローラー43とシール部材50との間に隙間が生じてしまい、トナー収容部40bのトナー等が開口部40a側に逆流してシール部材50やハウジング40の底面40cに堆積する。そして、堆積したトナー等がファーブラシ41に再付着し、中間転写ベルト8上に移行するとトナー落ちが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の画像形成装置100では、ファーブラシ41を用いてシール部材50及びハウジング40の底面40cに堆積したトナー等を回収する転写トナー回収モードを実行可能としている。
具体的には、ローラー接離機構60により一次転写ローラー6a〜6cを感光体ドラム1a〜1cから離間させるモノクロモードに切り替える。これにより、一次転写ローラー6a〜6d、押圧切換ローラー34から中間転写ベルト8に加わる張力が若干開放されるため、図7に示すように、テンションローラー11がファーブラシ41に接近する方向(図7の黒矢印方向)に移動する。これに伴い、ファーブラシ41がテンションローラー11に押圧され、ファーブラシ41は圧縮バネ49の付勢力に抗してシール部材50及びハウジング40の底面40cに接近する方向(図7の白矢印方向)に移動するため、シール部材50及びハウジング40の底面40cに堆積したトナー等がファーブラシ41によって回収される。
図8は、第1実施形態の画像形成装置100の制御経路を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
バイアス制御回路61は、帯電バイアス電源62、現像バイアス電源63、転写バイアス電源64、及びクリーニングバイアス電源65と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させるものであり、これらの各電源はバイアス制御回路61からの制御信号によって、帯電バイアス電源62は帯電装置2a〜2d内の帯電ローラーに、現像バイアス電源63は現像装置3a〜3d内のトナー供給ローラー24及び現像ローラー25に、転写バイアス電源64は一次転写ローラー6a〜6d及び二次転写ローラー9に、クリーニングバイアス電源65はベルトクリーニングユニット19内の回収ローラー43にそれぞれ所定のバイアスを印加する。
画像入力部66は、画像形成装置100にパソコン等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部66より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
操作部70には、液晶表示部71、各種の状態を示すLED72が設けられており、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。画像形成装置100の各種設定はパソコンのプリンタードライバーから行われる。
その他、操作部70には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンター95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部70からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、RAM93(或いはROM92)には、後述するトナー回収モードの実行時間を決定するための印字枚数の閾値も記憶される。一時記憶部94は、画像入力部66より入力され、デジタル信号に変換された画像信号を一時的に記憶する。カウンター95は、印字枚数を累積してカウントする。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa〜Pd、露光装置5、ベルトクリーニングユニット19、ローラー接離機構60、バイアス制御回路61、画像入力部66、操作部70等が挙げられる。
図9は、第1実施形態の画像形成装置100における現像トナー回収モード、転写トナー回収モードの動作を示すタイミングチャートである。なお、試験機として図1に示したようなカラープリンター(Ecosys P6040、京セラドキュメントソリューションズ社製)を用い、中間転写ベルト8としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の基材層にウレタン弾性層を積層し、さらにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のコート層を積層した弾性ベルト(大倉工業社製)を用いた。
ベルトクリーニングユニット19は、導電性アクリルで形成されたファーブラシ41(SA−7、東英産業社製)、表面にアルマイト処理が施された回収ローラー43、ポリウレタンゴム(1577E、バンドー化学社製)のブレード45、0.3mmのステンレス箔で裏打ちした厚さ0.05mmの熱可塑性ポリウレタン(シーダム社製)のシール部材50を用いて構成した。また、中間転写ベルト8のクリーニング時に回収ローラー43に流れる電流が30μAとなるように定電流制御して回収ローラー43にクリーニングバイアスを印加した。
現像トナー回収モードを実行する場合、先ずカラーの現像装置3a〜3c、及びブラックの現像装置3dの駆動を開始する。本実施形態では、振動発生装置29の駆動時にトナー供給ローラー24および現像ローラー25を画像形成時と逆方向(図3の時計回り方向)に回転(逆回転)させる。
次に、現像装置3a〜3dの駆動開始から時間t1(ここでは0.4秒)後に振動発生装置29を作動させることにより、トナー受け部材37上に堆積したトナーを振るい落とす。振動発生装置29の作動パターンは、振動発生装置29を時間t2(駆動期間)だけ駆動し、時間t3(停止期間)だけ停止させる動作を1サイクルとして、所定サイクル数だけ繰り返す。本実施形態では、t2=0.6秒、t3=0.2秒とし、1サイクルの時間(t2+t3)を0.8秒として6サイクル繰り返している。
トナー受け部材28の振動により、トナー受け部材28に堆積したトナーはトナー受け部材28の傾斜に沿って下方に滑り落ち、トナー受け支持部材27とトナー供給ローラー24とで挟まれた領域に自由落下する。トナー受け部材28から落下したトナーの一部は、トナー供給ローラー24上の磁気ブラシに付着する。トナー供給ローラー24上の磁気ブラシに付着しなかった残りのトナーの一部は穂切りブレード26の先端に堆積するが、逆回転するトナー供給ローラー24の磁気ブラシによって掻き取られる。このとき、トナー供給ローラー24に形成される磁気ブラシの穂が長くなるように穂切りブレード26と対向する固定マグネット体の磁極(規制極)の磁力や配置を調整することで、穂切りブレード26の先端に堆積したトナーの掻き取り効果が高くなる。
トナー供給ローラー24上の磁気ブラシに付着したトナーはトナー供給ローラー24の表面に連れ回りしてトナー供給ローラー24と穂切りブレード26との隙間を通過し、固定マグネット体の同極部分でトナー供給ローラー24から引き剥がされた後、供給搬送室22へ強制的に戻される。
現像ローラー25およびトナー供給ローラー24を逆回転させると、現像容器20内の現像剤がトナー補給口から溢出したり、現像容器20内で現像剤の偏りが発生してトナー濃度検知センサーのノイズが発生したりするおそれがある。そのため、現像ローラー25およびトナー供給ローラー24を逆回転させた後は、現像ローラー25およびトナー供給ローラー24を一定時間継続して画像形成時と同方向(図3の反時計回り方向)に回転(順回転)させることが好ましい。
本実施形態では、振動発生装置29の最終サイクル(ここでは6サイクル目)の駆動が終了した後、現像ローラー25およびトナー供給ローラー24を時間t4(=0.5秒+トナー供給ローラー24の8周分の回転時間)だけ継続して順回転させている。
転写トナー回収モードを実行する場合、4本(4色)の一次転写ローラー6a〜6dが感光体ドラム1a〜1dに押圧された状態(カラーモード)から、押圧切換ローラー34を上方に移動させて一次転写ローラー6a〜6cの離間動作を行う。この離間動作により、中間転写ベルト8の張力が開放されてテンションローラー11がファーブラシ41に接近する方向(図7の黒矢印方向)に移動するため、ファーブラシ41がテンションローラー11に押圧されてシール部材50及びハウジング40の底面40cに接近する方向(図7の白矢印方向)に移動する。本試験機の場合、一次転写ローラー6a〜6cの離間動作に要する時間t5は2秒である。
次に、3本の一次転写ローラー6a〜6cを離間させた状態(モノクロモード)で時間t6だけ中間転写ベルト8及びベルトクリーニングユニット19の駆動を継続する。回収ローラー43に印加されるクリーニングバイアスがONであるため、シール部材50及びハウジング40の底面40cに堆積したトナーがファーブラシ41に付着し、さらにファーブラシ41から回収ローラー43に回収される。このとき、中間転写ベルト8に印加する中間転写バイアス、二次転写ローラー9に印加する二次転写バイアスを画像形成時と逆極性(トナーと同極性)としておくことで、中間転写ベルト8及び二次転写ローラー9へのトナーの付着を抑制することができる。本試験機の場合、時間t6は約3.5秒である。
その後、形成される画像がカラーである場合は、次の画像形成に備えて一次転写ローラー6a〜6cを感光体ドラム1a〜1dに押圧する押圧動作を行う。一方、形成される画像がモノクロである場合は押圧動作は不要である。
なお、中間転写バイアスをトナーと同極性としても、トナーが中間転写ベルト8に物理的に付着したり、逆帯電トナーが電気的に付着したりすることがある。そのため、中間転写ベルト8に付着したトナーが押圧動作直後の印字に影響を及ぼさないように、押圧動作時間t7は、中間転写ベルト8の所定位置がベルトクリーニングユニット19から二次転写ローラー9まで移動する時間よりも長くしておく必要がある。本試験機の場合、ベルトクリーニングユニット19から二次転写ローラー9までの距離が438.8mm、プロセス速度が30枚/分であるため、ベルトクリーニングユニット19から二次転写ローラー9までの中間転写ベルト8の移動時間は2.37秒となる。そこで、時間t7は若干の余裕をみて約2.5秒としている。また、形成される画像がモノクロであって押圧動作を行わない場合は時間t7(約2.5秒)経過後に印字を開始すればよい。
上記のように転写トナー回収モードを実行することで、底面40cやシール部材50に堆積したトナーの中間転写ベルト8への再付着によるトナー落ちの発生は改善される反面、転写トナー回収モードの実行中にクリーニング装置7dのクリーニングブレード32(図2参照)が押圧される感光体ドラム1dの駆動時間が増加する。その結果、感光体ドラム1d表面の感光層の摩耗が感光体ドラム1a〜1cに比べて大きくなり、感光体ドラム1dの耐用時間のみが短くなる。そこで、感光体ドラム1dの耐用時間を延長するために、使用開始時における感光体ドラム1dの感光層の層厚(初期層厚)を感光体ドラム1a〜1cに比べて厚くしておくことが好ましい。
感光体ドラム1dの感光層をどの程度厚くするかは、以下のようにして決定することができる。例えば、転写トナー回収モードの実行時間を6.8秒、転写トナー回収モードの実行タイミングをカラー印字100枚毎、感光体ドラム1a〜1dの耐用時間(ドラム寿命)を200k(200,000枚)とすると、耐用時間を通じた転写トナー回収モードの実行回数は200,000/100=2,000(回)、転写トナー回収モードの累積実行時間は6.8×2,000=13,600(秒)となる。
また、耐用時間を通じた感光体ドラム1a〜1cの累積駆動時間を342,800秒とすると、感光体ドラム1dの累積駆動時間は342,800+13,600=356,400(秒)となり、感光体ドラム1dが余分に駆動する割合は13,600/342,800×100≒3.96(%)である。
以上の結果より、感光体ドラム1dの感光層の初期層厚を感光体ドラム1a〜1cに比べて3.96%厚くしておけばよい。例えば、感光体ドラム1a〜1cの感光層の初期層厚を36μmとすると、感光体ドラム1dの感光層の初期層厚は36×1.0396=37.428μmとなる。なお、上記の計算方法は印字以外での感光体ドラム1dの余剰駆動による摩耗のみを考慮したものであり、モノクロモードでの印字(モノクロ印字)の割合が多い場合の感光体ドラム1dの感光層の摩耗は考慮していない。
また、モノクロモードでの印字(モノクロ印字)が実行された場合、中間転写ベルト8の張力が開放されてファーブラシ41がテンションローラー11に押圧され、シール部材50及びハウジング40の底面40cに堆積したトナーを回収する。そのため、モノクロ印字が実行された直後に転写トナー回収モードを実行するのは効率的でない上に、感光体ドラム1dの感光層の摩耗を助長してしまう。そこで、カウンター95によりカウントされた累積印字枚数に応じて転写トナー回収モードを実行する場合は、モノクロ印字の実行によりカウンター95のカウント値をリセットして、モノクロ印字が実行されてから所定期間は転写トナー回収モードが実行されないようにすることが好ましい。
図10は、第1実施形態の画像形成装置100における現像トナー回収モード、転写トナー回収モードの実行手順を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図9を参照しながら、本実施形態の画像形成装置100における転写トナー回収モード、現像トナー回収モードの実行手順について説明する。
パソコンからの印字命令を受信することにより印字動作が開始されると(ステップS1)、制御部90はカウンター95により印字枚数のカウントアップを開始する(ステップS2)。より具体的には、振動制御カウンターとベルト離間制御カウンターの両方のカウントアップを行う。
次に、制御部90はモノクロ印字が実行されたか否かを判断し(ステップS3)、モノクロ印字が実行された場合は(ステップS3でYes)ベルト離間制御カウンターのカウント値をリセットする(ステップS4)。なお、振動制御カウンターのカウントアップは継続する。
次に、制御部90は印字が終了したか否かを判断し(ステップS5)、印字が継続している場合は(ステップS5でNo)ステップS2に戻ってカウントアップを継続する。印字が終了している場合は(ステップS5でYes)、ベルト離間制御カウンターが閾値T(ここでは300枚)に到達したか否かを判断する(ステップS6)。閾値Tに到達している場合は(ステップS6でYes)、制御部90から振動発生装置29、ローラー接離機構50に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードと転写トナー回収モードとを同時に実行する(ステップS7)。その後、振動制御カウンター及びベルト離間制御カウンターをリセットし(ステップS8)、処理を終了する。
一方、ステップS6において閾値Tに到達していない場合は(ステップS6でNo)、振動制御カウンターが閾値S(ここでは100枚)に到達したか否かを判断する(ステップS9)。閾値Sに到達している場合は(ステップS9でYes)、制御部90から振動発生装置29に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードのみを実行する(ステップS10)。なお、現像トナー回収モードのみを実行する場合は現像装置3a〜3dの駆動のみでよく、中間転写ベルト8、ベルトクリーニングユニット19の駆動や中間転写バイアス、二次転写バイアスの印加は不要となる。
その後、振動制御カウンターをリセットし(ステップS11)、処理を終了する。なお、ステップS7において閾値Sに到達していない場合は(ステップS9でNo)、現像トナー回収モード、転写トナー回収モードのいずれも実行せずに処理を終了する。
上記制御によれば、所定の印字枚数毎に一次転写ローラー6a〜6cの押圧を解除して転写トナー回収モードを実行することにより、ハウジング40の底面40cやシール部材50に堆積したトナーがファーブラシ41を介して回収ローラー43によって回収される。従って、底面40cやシール部材50に堆積したトナーの中間転写ベルト8上への移行が抑制され、トナー落ちの発生を効果的に抑制することができる。
また、転写トナー回収モードを行う場合は、現像装置3a〜3d内の堆積トナーを振るい落とす現像トナー回収モードも同時に行うことにより、印字待ち時間を短縮して画像形成効率を向上させることができる。ここで、転写トナー回収モードの実行タイミングを決定するベルト離間制御カウンターの閾値T(300枚)を、現像トナー回収モードの実行タイミングを決定する振動制御カウンターの閾値S(100枚)の整数倍(3倍)とすることにより、転写トナー回収モードは常に現像トナー回収モードと同時に実行されるため、印字待ち時間を短縮することができるとともに、感光体ドラム1a〜1dの駆動時間を短縮することができる。
なお、ここではベルト離間制御カウンターの閾値Tを300枚、振動制御カウンターの閾値Sを100枚としたため、現像トナー回収モード3回毎に転写トナー回収モードが実行されることとなる。しかし、ベルト離間制御カウンターはモノクロモードでの印字動作によりリセットされ、現像トナー回収モードを実行する印字枚数の閾値Sは、画像形成装置100の機内温度や連続印字枚数等によって変動するため、転写トナー回収モードと現像トナー回収モードの実行タイミングが一致しない場合もある。その場合も、図10に示したようにベルト離間制御カウンターが閾値Tに到達した時点で現像トナー回収モードと転写トナー回収モードとを同時に実行し、振動制御カウンター及びベルト離間制御カウンターをリセットすればよい。
また、ベルト離間制御カウンターの閾値Tは印字率によって適正値が変化し、印字率が高くなるほどベルトクリーニングユニット19に回収されるトナー量も多くなるため閾値Tは小さくなる。操作部70から最も頻繁に使用する印字率に対応する閾値Tを入力することにより、使用状態に応じた最適な転写トナー回収モードの実行タイミングを設定できる。
図11は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100の制御経路を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置100は、連続印字枚数をカウントする第1カウンター95aと、連続印字と単発印字を含む累積印字枚数をカウントする第2カウンター95bとを有する。第1カウンター95aは、振動発生装置29の駆動を制御する第1振動制御カウンターと、ローラー接離機構60による中間転写ベルト8の離間を制御する第1ベルト離間制御カウンターとを有する。第2カウンター95bは、振動発生装置29の駆動を制御する第2振動制御カウンターと、ローラー接離機構60による中間転写ベルト8の離間を制御する第2ベルト離間制御カウンターとを有する。各カウンターは印字枚数を別個にカウントアップおよびリセット可能である。制御部90は、第1カウンター95a及び第2カウンター95bによりカウントされた印字枚数に基づいて、連続印字中、または印字終了後に所定のタイミングで転写トナー回収モード、現像トナー回収モードを実行する。現像装置3a〜3dやベルトクリーニングユニット19等、画像形成装置100の他の部分の構成は第1実施形態と同様である。
図12は、第2実施形態の画像形成装置100における現像トナー回収モード、転写トナー回収モードの実行手順を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図7、図9及び図11を参照しながら、本実施形態の画像形成装置100における転写トナー回収モード、現像トナー回収モードの実行手順について説明する。
パソコンからの印字命令を受信することにより印字動作が開始されると(ステップS1)、制御部90はカウンター95により印字枚数のカウントアップを開始する(ステップS2)。より具体的には、第1カウンター95aにおいて第1振動制御カウンターと第1ベルト離間制御カウンターの両方のカウントアップを行い、第2カウンター95bにおいて第2振動制御カウンターと第2ベルト離間制御カウンターの両方のカウントアップを行う。
次に、制御部90はモノクロ印字が実行されたか否かを判断し(ステップS3)、モノクロ印字が実行された場合は(ステップS3でYes)第1、第2ベルト離間制御カウンターのカウント値をリセットする(ステップS4)。なお、第1、第2振動制御カウンターのカウントアップは継続する。
次に、制御部90は第1カウンター95aの第1ベルト離間制御カウンターが閾値T1(ここでは300枚)に到達したか否かを判断する(ステップS5)。閾値T1に到達している場合は(ステップS5でYes)、制御部90から振動発生装置29、ローラー接離機構50に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードと転写トナー回収モードとを同時に実行する(ステップS6)。その後、第1振動制御カウンター及び第1ベルト離間制御カウンター、並びに第2振動制御カウンター及び第2ベルト離間制御カウンターをリセットする(ステップS7)。
一方、ステップS5において閾値T1に到達していない場合は(ステップS5でNo)、第1振動制御カウンターが閾値S1(ここでは100枚)に到達したか否かを判断する(ステップS8)。閾値S1に到達している場合は(ステップS8でYes)、制御部90から振動発生装置29に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードのみを実行する(ステップS9)。なお、現像トナー回収モードのみを実行する場合は現像装置3a〜3dの駆動のみでよく、中間転写ベルト8、ベルトクリーニングユニット19の駆動や中間転写バイアス、二次転写バイアスの印加は不要となる。その後、第1振動制御カウンター及び第2振動制御カウンターをリセットする(ステップS10)。
次に、制御部90は印字が終了したか否かを判断し(ステップS11)、印字が継続している場合は(ステップS11でNo)ステップS2に戻ってカウントアップを継続する。印字が終了している場合は(ステップS11でYes)、第2カウンター95bの第2ベルト離間制御カウンターが閾値T2(ここでは300枚)に到達したか否かを判断する(ステップS12)。
閾値T2に到達している場合は(ステップS12でYes)、制御部90から振動発生装置29、ローラー接離機構50に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードと転写トナー回収モードとを同時に実行する(ステップS13)。その後、第1振動制御カウンター及び第1ベルト離間制御カウンター、並びに第2振動制御カウンター及び第2ベルト離間制御カウンターをリセットする(ステップS14)。
一方、ステップS12において閾値T2に到達していない場合は(ステップS12でNo)、第2振動制御カウンターが閾値S2(ここでは100枚)に到達したか否かを判断する(ステップS15)。閾値S2に到達している場合は(ステップS15でYes)、制御部90から振動発生装置29に制御信号が送信され、図9に示した現像トナー回収モードのみを実行する(ステップS16)。なお、現像トナー回収モードのみを実行する場合は現像装置3a〜3dの駆動のみでよく、中間転写ベルト8、ベルトクリーニングユニット19の駆動や中間転写バイアス、二次転写バイアスの印加は不要となる。
その後、第1振動制御カウンター及び第2振動制御カウンターをリセットする(ステップS17)。なお、ステップS15において閾値S2に到達していない場合は(ステップS15でNo)、現像トナー回収モード、転写トナー回収モードのいずれも実行せずに処理を終了する。
上記制御によれば、印字動作の終了後に印字枚数が所定枚数を超えているとき転写トナー回収モードを実行するとともに、連続印字が所定枚数継続したときは、連続印字中であっても印字動作を中断して転写トナー回収モードを実行する。これにより、多数枚の連続印字が継続した場合には印字動作の終了を待たずに転写トナー回収モードが実行されるため、トナー落ちの発生をより効果的に抑制することができる。また、第1実施形態と同様に、転写トナー回収モードを行う場合は現像トナー回収モードも同時に行うことにより、印字待ち時間を短縮して画像形成効率を向上させることができる。
さらに、モノクロモードでの印字が実行され、シール部材50及びハウジング40の底面40cに堆積したトナーがファーブラシ41によって回収されたときはベルト離間制御カウンターのカウント値がリセットされ、転写トナー回収モードが実行されない。従って、不必要な転写トナー回収モードの実行が抑制されるため、印字待ち時間を短縮して画像形成効率を向上させるとともに、クリーニングブレード32、摺擦ローラー33(いずれも図2参照)との摩擦による感光体ドラム1dの感光層の摩耗も抑制することができる。
なお、ここでは第1、第2ベルト離間制御カウンターの閾値T1、T2を300枚、第1、第2振動制御カウンターの閾値S1、S2を100枚としたため、現像トナー回収モード3回毎に転写トナー回収モードが実行されることとなる。しかし、現像トナー回収モードを実行する印字枚数の閾値S1、S2は、画像形成装置100の機内温度や連続印字枚数等によって変動するため、転写トナー回収モードと現像トナー回収モードの実行タイミングが一致しない場合もある。その場合も、図12に示したように第1、第2ベルト離間制御カウンターが閾値T1、T2に到達した時点で現像トナー回収モードと転写トナー回収モードとを同時に実行し、第1、第2振動制御カウンター及び第1、第2ベルト離間制御カウンターをリセットすればよい。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記各実施形態では、ファーブラシ41を備えたベルトクリーニングユニット19を例示しているが、ファーブラシ41に代えてクリーニングローラーを用いた構成においても同様に適用できる。
また、上記各実施形態では、転写トナー回収モードを現像装置3a〜3dの現像トナー回収モードと同期させて行うようにしたが、これに限らず、画像形成装置100の他の制御と同期させて行うようにしてもよい。例えば、画像形成装置100が非画像形成時に実行する制御として、露光装置5の光出射窓5aを清掃する清掃モード、トナーコンテナ4a〜4dが空になる直前にトナーコンテナ4a〜4dから現像装置3a〜3dへ強制的にトナーを補給するトナー補給モード、現像装置3a〜3d内の現像ローラー25に担持されたトナーを感光体ドラム1a〜1d上に強制吐出するトナー吐出モードを有する場合、転写トナー回収モードを清掃モード、トナー補給モード、トナー吐出モードの少なくとも1つと同期させて行うことができる。また、用紙カセット16内の用紙が無くなった無給紙状態が発生したときに転写トナー回収モードを実行することもできる。
また、本発明は図1に示したようなタンデム型のカラープリンターに限らず、カラー複写機やカラー複合機等、中間転写ベルトとそのクリーニング装置とを用いる種々の画像形成装置に適用可能である。