JP6520675B2 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

この明細書による開示は、移動体の乗員によって視認可能な虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、表示器から射出された画像の光が投影されるコンバイナを備える車両用のヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置)が開示されている。このHUD装置には、コンバイナの位置決め作業を容易にするため、車両の横方向におけるコンバイナの位置を調整可能にする横方向位置調整機構と、車両の縦方向におけるコンバイナの位置を調整可能にする縦方向位置調整機構とが設けられている。
特開平9−66757号公報
さて、近年のHUD装置には、多種多様な情報を虚像表示によって乗員に通知することが求められてきている。ここで、特許文献1のHUD装置では、横方向及び縦方向の位置調整機構によってコンバイナの位置が調整されても、虚像の結像位置及び大きさは、微調整される程度である。このように、特許文献1のHUD装置では、情報を通知する虚像の結像位置、又は虚像を表示可能な範囲の大きさを顕著に変更することは、実質的に不可能である。そのため、乗員は、HUD装置によって提示された情報を認識し損ねる虞があった。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報を通知する画像を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することが可能なHUD装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、移動体(A)に搭載され、移動体の乗員(D)によって視認可能な虚像(60)を表示するHUD装置であって、虚像として結像される画像(70)の光を射出する表示器(40,240)と、凹面状に形成されることで投影された画像を拡大した虚像を表示させる投影面部(30,230,330)を複数有し、各投影面部の拡大率が互いに異なっている投影部材(20,220,320)と、投影部材を変位させることにより、表示器から射出された光が投影される投影範囲(PA1)に配置する投影面部を変更する変位機構(90,290)と、を備えるHUD装置とされている。
この態様における投影部材には、拡大率の異なる投影面部が複数設けられている。故に、投影範囲に配置されて表示器から射出された光の投影される投影面部が変更機構による投影部材の変位によって変更されれば、虚像の拡大率の変更により、ひいては虚像の結像位置が明確に変更され得る。
このようなHUD装置であれば、投影面部の変更により、画像の光が虚像として結像される結像位置を、この画像によって乗員に通知される情報の特性に応じて、切り替えることが可能となる。したがって、HUD装置は、情報を通知する画像を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
また、開示された第二の態様は、移動体(A)に搭載され、移動体の乗員(D)によって視認可能な虚像(60)を表示するHUD装置であって、虚像として結像される画像(70)の光を射出する表示器(240)と、画像の光が投影される投影面部(430)を有し、画像の虚像を表示させる数設けられた投影部材(421〜423)と、投影部材を変位させることにより、表示器から射出された光が投影される投影範囲(PA1)に位置する投影面部の面積を増減させる変位機構(490)と、を備え、変位機構(490)は、複数の投影部材を個別に変位させることにより、投影範囲内に位置する各投影面部の面積の総和を増減させ、表示器によって投影される画像に関連付けられた面積が投影範囲内に位置するように、投影部材を変位させるHUD装置とされている。
この態様によれば、変位機構による投影部材の変位により、投影範囲に配置されて表示器から射出された光の投影される投影面の面積が増減される。こうした投影面の面積の拡縮により、虚像を表示可能な範囲の大きさが明確に変更され得る。このようなHUD装置であれば、虚像として結像される画像の大きさ又は表示位置を、この画像によって乗員に通知される情報の特性に応じて、変更することが可能となる。したがって、HUD装置は、情報を通知する画像を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態のHUD装置において、運転席から見た第一表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 HUD装置の構成を模式的に示す断面図である。 運転席から見た第二表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 コンバイナの構成を示す正面図である。 HUD装置の電気系の構成を示すブロック図である。 第二実施形態のHUD装置において、運転席から見た第一表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 運転席から見た第二表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 HUD装置の構成を模式的に示す断面図である。 第三実施形態のHUD装置において、運転席から見た第三表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 HUD装置の構成を模式的に示す断面図である。 第四実施形態のHUD装置において、運転席から見た第一表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 運転席から見た第二表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 HUD装置の電気系の構成を示すブロック図である。 第五実施形態のHUD装置において、運転席から見た第一表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 運転席から見た第二表示モードによる虚像表示を示す正面図である。 HUD装置の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1〜図4に示す本開示の第一実施形態によるHUD装置100は、車両Aに搭載されている。HUD装置100は、車両Aの乗員である運転者Dによって視認可能な種々の虚像60を表示する。HUD装置100は、運転者Dの正面に配置されている。HUD装置100の本体部分は、車両Aのインシツルメントパネル11に収容されている。
HUD装置100は、コンバイナ20、表示器40、ハウジング50、回転機構90、及び制御回路80(図5参照)等によって構成されている。
コンバイナ20は、車両Aのウインドシールド13から、運転者Dの着座する運転席側へ離れた位置に、ウインドシールド13とは別体で設けられている。コンバイナ20は、入射する光の一部を透過し、他の一部を反射するハーフミラーである。コンバイナ20は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、及びガラス等の透光性材料の板材により、楕円形の板状に形成されている。コンバイナ20は、凹面状に湾曲している。コンバイナ20には、回転支持部25及び複数の投影面部30が設けられている。
回転支持部25は、コンバイナ20の中央(中心)に形成されている。回転支持部25は、ハウジング50に取り付けられている。コンバイナ20は、回転支持部25によって規定される仮想の回転軸線RAを中心として、ハウジング50によって回転変位可能に支持されており、ハウジング50に対して相対回転する。回転軸線RAは、車両Aの前後方向に沿っており、車両Aが載置された地面と概ね水平な姿勢とされている。
複数の投影面部30は、コンバイナ20の両面のうちで運転席側を向く一方の面に形成されている。各投影面部30は、それぞれ凹面状に形成されている。複数の投影面部30のうちの一部には、虚像60として結像される種々の画像70の光が投影される。画像70の光が投影された特定の投影面部30(以下、選択投影面部30s)は、この画像70の光を運転者Dへ向けて反射させる。その結果、投影された画像70を拡大した虚像60が、選択投影面部30sよりも遠い位置に、運転者Dによって視認可能に表示される。
コンバイナ20は、複数(四つ)の近傍投影面部32と、複数(二つ)の遠方投影面部31とを、投影面部30として有している。各近傍投影面部32は、コンバイナ20の内周面うちで、回転支持部25を中心とした真円状の領域に形成されている。各近傍投影面部32は、回転支持部25を中心として、周方向に90°ずつずらされた配置にて、コンバイナ20に並んで規定されている。各近傍投影面部32の各隅部分は、互いに重なっている。一対の近傍投影面部32は、コンバイナ20の短軸方向において、回転支持部25を挟んで位置している。残りの一対の近傍投影面部32は、コンバイナ20の長軸(長手)方向において、回転支持部25を挟んで位置している。一対の遠方投影面部31は、コンバイナ20の長軸方向において、回転支持部25を挟んで、各近傍投影面部32の外周側に位置している。
近傍投影面部32及び遠方投影面部31は、互いに異なった曲率で凹面状に湾曲している。そのため、近傍投影面部32及び遠方投影面部31は、互いに異なった拡大率を備えた凹面鏡として機能する。具体的に、遠方投影面部31の曲率は、近傍投影面部32の曲率よりも大きい値に規定されている。故に、遠方投影面部31の拡大率は、近傍投影面部32の拡大率よりも大きい。
以上のコンバイナ20は、ハウジング50に対する回転により、投影範囲PA1に配置させる選択投影面部30sを、複数の近傍投影面部32及び遠方投影面部31のうちで変更する。投影範囲PA1にある選択投影面部30sは、インシツルメントパネル11の上面から突き出した状態で、運転席側を向いている。選択投影面部30sには、表示器40から射出された画像70の光が投影される。近傍投影面部32に投影される画像70の光と、遠方投影面部31に投影される画像70の光は、互いに異なる結像位置にて、虚像60として結像される。
具体的には、コンバイナ20が車両Aの上下方向に短軸を沿わせた姿勢で固定されている場合(図1参照)、投影範囲PA1には、一つの近傍投影面部32が配置されている。この近傍投影面部32に投影された画像70の光は、例えば近傍投影面部32から0.5メートル程度前方に、近傍虚像62として結像される。
一方、コンバイナ20が車両Aの上下方向に長軸を沿わせた姿勢で固定されている場合(図3参照)、一つの近傍投影面部32に加えて一つの遠方投影面部31が投影範囲PA1に配置されている。遠方投影面部31に投影された画像70の光は、例えば遠方投影面部31から1.5メートル程度前方に、遠方虚像61として結像される。
尚、HUD装置100において、コンバイナ20の短軸が車両Aの上下方向に沿った状態を「第一表示モード」といい、コンバイナ20の長軸が車両Aの上下方向に沿った状態を「第二表示モード」という。第二表示モードにおいて、HUD装置100は、遠方虚像61及び近傍虚像62を共に運転者に視認させることが可能となる。遠方虚像61は、運転者Dからの見かけ上において、近傍虚像62よりも上方に表示される。
表示器40は、投影範囲PA1に配置された選択投影面部30sへ向けて、画像70の光を射出する構成である。表示器40は、車両Aの前後方向において、コンバイナ20の後方に配置されている。表示器40は、液晶パネル41及び投影光源43等によって構成されている。
液晶パネル41は、表示面42を有している。表示面42は、矩形の平板状に形成されている。表示面42には、多数の画素が二次元状に配列されている。各画素には、赤色、緑色、及び青色のサブ画素が設けられている。液晶パネル41は、サブ画素の光の透過率を制御することにより、表示面42上に種々の画像70をカラー表示可能である。尚、以下の説明では、表示面42上に形成された画像70を、特に「中間画像70b」と記載する。
投影光源43は、白色の光源光を放射する複数のLEDと、各LEDから放射された光を液晶パネル41へ導光するプリズムとを有している。各LEDから放射された光は、表示面42の背面側に導光され、表示面42に形成された中間画像70bを透過照明する。表示面42を通過した光は、投影範囲PA1にある選択投影面部30sに投影される。
ハウジング50は、樹脂材料によって箱状に形成されたHUD装置100の筐体である。ハウジング50は、表示器40及び制御回路80(図5参照)等を収容している。ハウジング50は、運転者Dから視認され難いように、インシツルメントパネル11に収容されている。ハウジング50の上面は、インシツルメントパネル11の上面と一体的に視認されるよう、インシツルメントパネル11と色及び質感を揃えられている。ハウジング50には、投射開口51及びコンバイナ支持部53が設けられている。
投射開口51は、ハウジング50を構成する複数の壁部のうちで、表示面42から選択投影面部30sへ向けて射出される光の照射範囲に形成された貫通開口である。投射開口51には、透光性の樹脂材料によって板状に形成された蓋部材52が嵌め込まれている。蓋部材52は、画像70の光の透過を許容しつつ、投射開口51を物理的に塞ぐことにより、ハウジング50内への塵及び埃の侵入を防いでいる。
コンバイナ支持部53は、ハウジング50の壁部に形成された軸受部である。コンバイナ支持部53は、コンバイナ20の回転軸線RAを車両Aの前後方向に沿わせた姿勢にて、回転支持部25の軸方向の両端を軸受支持している。コンバイナ支持部53による回転支持部25の支持により、コンバイナ20は、ハウジング50に対して回転変位可能となる。その結果、複数の投影面部30のうちで、投影範囲PA1から退避した位置にある各投影面部(以下、退避投影面部)30rは、少なくとも一部がハウジング50に収容される。
回転機構90は、回転軸線RAを中心にコンバイナ20を回転変位させる機構である。回転機構90は、コンバイナ20を回転変位させることで、投影範囲PA1に配置する選択投影面部30sを、複数の投影面部30のうちで切り替えることができる。加えて回転機構90は、コンバイナ20を回転変位させることにより、投影範囲PA1に配置する投影面部30の数を増減させることができる。回転機構90は、ステッピングモータ91及び減速ギア部92等によって構成されている。
ステッピングモータ91は、例えば永久磁石型モータであり、コンバイナ20を変位させるための回転力を出力軸から出力する。減速ギア部92は、一つ又は複数の伝達ギアを噛合させた構成である。減速ギア部92は、ステッピングモータ91の回転を減速させつつ、回転支持部25に伝達する。回転機構90は、ステッピングモータ91の出力軸の回転により、コンバイナ20を、90°ずつ回転変位させて、第一表示モードと第二表示モードとを順に切り替える。
制御回路80は、図5及び図2に示すように、HUD装置100による表示を制御する回路である。制御回路80は、プロセッサ、RAM、及び記憶媒体等を有するマイクロコントローラ81を主体に構成されている。制御回路80は、液晶パネル41及び投影光源43、並びにステッピングモータ91に加えて、車両Aに搭載された表示制御装置88と接続されている。
表示制御装置88は、車両Aに搭載された通信バス89と接続されている。通信バス89には、種々の搭載センサによる検出結果に基づいた車両Aの情報が出力されている。表示制御装置88は、通信バス89を通じて車両Aの情報を取得する。表示制御装置88は、取得した車両Aの情報を運転者Dに通知するための画像70を選定する。加えて表示制御装置88は、取得した車両Aの情報の特性に基づき、選定した画像70の投影に適した投影面部30が投影範囲PA1に配置されるよう、第一表示モード及び第二表示モードのいずれを用いるのかを設定する。表示制御装置88は、選択した投影面部30に、選定した画像70を投影させるための制御信号を、制御回路80へ出力する。
制御回路80は、表示制御装置88から出力された制御信号に従い、液晶パネル41の表示制御、及び投影光源43の発光制御を実施する。加えて制御回路80は、回転機構90によるコンバイナ20の回転制御を実施する。これにより回転機構90は、表示器40によって投影される画像70に関連付けられた選択投影面部30sを選択し、この選択投影面部30sが投影範囲PA1に配置されるよう、ステッピングモータ91の作動を制御する。
以上の制御回路80及び表示制御装置88による制御に基づき、HUD装置100が表示する虚像60の詳細をさらに説明する。
図3に示すように、緊急度及び重要度の少なくとも一方が高く、運転者D(図2参照)に直ちに認識して欲しい情報がある場合、HUD装置100は、第二表示モードとされる。そして、緊急度又は重要度の高い情報を通知する画像70が、遠方虚像61として表示される。例えば、道案内表示及び予防安全表示等に係る画像70が、遠方投影面部31と関連付けられており、この遠方投影面部31に投影される。具体的には、右左折するポイントを通知するターンバイターン画像71等が、道案内表示の遠方虚像61として表示される。また、車両Aに搭載された衝突被害軽減(自動)ブレーキの作動を通知するAEB(Autonomous Emergency Braking)インジケータ画像等が、予防安全表示の遠方虚像61として表示される。これらの画像70は、通知する情報が有効な期間に限って一時的に表示され、有効な期限の経過によって消灯される。こうして遠方虚像61の表示が終了すると、HUD装置100は、第一表示モードへと戻される。
一方で、緊急度又は重要度の高い情報が無い場合、HUD装置100装置は、第一表示モードとされる。そして、図1及び図3にそれぞれ示す第一表示モード及び第二表示モードの両方において、主に車両Aの状態を通知する画像70が、近傍虚像62として表示される。例えば、車両Aの走行速度を示す車速画像72、及び車両Aの瞬間燃費に基づくエコドライブインジケータ画像等が、近傍投影面部32と関連付けられており、投影範囲PA1に配置された近傍投影面部32に投影される。
ここまで説明した第一実施形態のコンバイナ20には、拡大率の異なる投影面部30が複数設けられている。故に、投影範囲PA1に配置される選択投影面部30sが回転機構90によるコンバイナ20の回転変位によって変更されれば、虚像60の拡大率の変更により、ひいては虚像60の結像位置が明確に変更され得る。
このようなHUD装置100であれば、投影面部30の変更により、画像70の光が虚像60として結像される結像位置を、この画像70によって乗員に通知される情報の特性に応じて、切り替えることが可能となる。したがって、HUD装置100は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
加えて第一実施形態では、画像70の光が投影されない退避投影面部30rは、少なくとも一部がハウジング50に収容される。以上によれば、虚像表示に使用されていない退避投影面部30rが目立ち難くなるので、複数の投影面部30をコンバイナ20に規定する構成であっても、見映えの悪化は防止され得る。
また第一実施形態のHUD装置100は、緊急度又は重要度の高い情報を報知する場合に、第二表示モードへの切り替えによって、投影範囲PA1に遠方投影面部31を追加配置することが可能である。こうした構成のHUD装置100は、運転者Dの中心視野又はその近傍に遠方虚像61を出現させる表示により、運転者Dの注意を惹いて、運転者Dに的確に情報を伝えることができる。
さらに第一実施形態では、回転機構90は、コンバイナ20を回転させるという単純な動きだけで、虚像60の拡大率、ひいては虚像60の結像位置の変更を実現している。このように、回転軸線RA周りに複数の投影面部30を並べて、回転機構90で回転させる形態であれば、HUD装置100は、構成の複雑化を回避しつつ、運転者Dに的確に気づかれるような虚像表示を行うことができる。
加えて第一実施形態では、多種の画像70と各投影面部30とがそれぞれ関連付けられているため、運転者Dに情報を通知する各画像70の結像位置は、その情報を通知するのに好適な位置となり得る。故に、HUD装置100は、情報を通知する画像70を、運転者によって的確に気づかれるように表示可能となる。
尚、第一実施形態において、コンバイナ20が「投影部材」に相当し、回転機構90が「変位機構」に相当し、車両Aが「移動体」に相当し、運転者Dが「乗員」に相当する。
(第二実施形態)
図6〜図8に示す第二実施形態のHUD装置200は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態によるHUD装置200は、コンバイナ220、表示器240、ハウジング250、及び昇降機構290と、第一実施形態と実質同一の制御回路80(図5参照)等とによって構成されている。コンバイナ220、表示器240、ハウジング250、及び昇降機構290は、第一実施形態の各要素20,40,50,90(図2参照)に相当する構成である。
コンバイナ220は、三つの楕円形を長軸方向に繋ぎ合わせた形状に形成されている。各楕円形状の部分は、それぞれ凹面状に湾曲している。コンバイナ220には、スライド嵌合部225及び複数(三つ)の投影面部230が設けられている。スライド嵌合部225は、車両Aの上下方向に沿ってスライド変位可能に、ハウジング250に取り付けられている。コンバイナ220は、ハウジング250及びインシツルメントパネル11から上方へのせり出し量を変化させることができる。
複数の投影面部230には、正面投影面部231、左方投影面部232、及び右方投影面部233が含まれている。正面投影面部231は、車両Aの幅方向に並ぶ三つの楕円形状の部分のうちで、最も面積の大きい中央の楕円形状の部分に形成されている。左方投影面部232は、運転者Dから見て、正面投影面部231の左側に位置する楕円板状の部分に形成されている。右方投影面部233は、運転者Dから見て、正面投影面部231の右側に位置する楕円板状の部分に形成されている。左方投影面部232及び右方投影面部233の各面積は、互いに実質同一であり、正面投影面部231の面積よりも小さい。左方投影面部232及び右方投影面部233の各中心は、正面投影面部231の中心よりも下方に位置している。
正面投影面部231と左方投影面部232及び右方投影面部233とは、互いに異なった曲率で凹面状に湾曲しており、互いに異なった拡大率を備えた凹面鏡として機能する。第二実施形態では、正面投影面部231の拡大率は、左方投影面部232及び右方投影面部233の各拡大率よりも大きい値に設定されている。一方、左方投影面部232及び右方投影面部233は、実質同一の曲率で凹面状に湾曲しており、実質同一の拡大率を備えている。
コンバイナ220は、ハウジング250に対する上下方向へのスライド変位により、投影範囲PA1に配置させる選択投影面部230sを変更すると共に、投影範囲PA1に位置する正面投影面部231の面積を増減させる。具体的に、コンバイナ220が最も下方に降下している場合(図6参照)、三つの投影面部230のうちで正面投影面部231のみが選択投影面部230sとして投影範囲PA1に配置されている。この場合、左方投影面部232及び右方投影面部233は、退避投影面部230rとして、ハウジング250に収容されている。加えて正面投影面部231は、上方の領域のみをハウジング250から上方へ突出させており、投影範囲PA1から外れた位置にある下方の領域を退避領域231rとして、ハウジング250に収容させた状態としている。
以上のような第一表示モードにおいて、正面投影面部231に投影された画像70の光は、例えば正面投影面部231から1.5メートル程度前方に、正面虚像261として結像される。例えば車速画像72等の車両Aの状態を通知する画像70が、正面虚像261として表示される。
一方、コンバイナ220が最も上方に上昇している場合(図7参照)、正面投影面部231、左方投影面部232、及び右方投影面部233の全てが選択投影面部230sとして投影範囲PA1に配置されている。加えて正面投影面部231の概ね全体が、ハウジング250から上方へせり出した状態とされ、投影範囲PA1内に配置されている。
以上のような第二表示モードでは、正面投影面部231の面積の増加により、ウインドシールド13前方の空間において正面虚像261を表示可能な範囲が上方に拡大される。その結果、正面虚像261として同時に表示する画像70の数を増やす、又は正面虚像261として表示する画像70のサイズを拡大することが可能になる。例えば、車速画像72に加えて、ターンバイターン画像71等が正面虚像261として表示される。
また、左方投影面部232及び右方投影面部233に投影された画像70の光は、それぞれ左方虚像263及び右方虚像264として結像される。左方虚像263は、運転者Dの正面から左方向へずれた位置であって、左方投影面部232から0.7メートル程度の位置に、前後の奥行きを持って結像される。右方虚像264は、運転者Dの正面から右方向へずれた位置であって、右方投影面部233から0.7メートル程度の位置に、前後の奥行きを持って結像される。
左方虚像263及び右方虚像264としては、例えば、運転支援システムにて区画線が正しく認識されているか否かを示す区画線インジケータ画像74aが表示される。加えて、前側方から接近する歩行者を通知する歩行者警告画像74b、及び隣接車線を走行する後続車の接近を通知するブラインドスポットモニタ(BSM)画像74c等が、左方虚像263及び右方虚像264として表示される。
表示器240は、第一実施形態の表示器40(図1参照)よりも幅方向に広角に画像70の光を照射することが可能である。こうした構成により、第二表示モードにおいて、正面投影面部231に加えて、インシツルメントパネル11から上方へ突き出した左方投影面部232及び右方投影面部233にも、表示器240は、画像70の光を照射することが可能である。
ハウジング250には、投射開口251及びスライド支持部253が形成されている。投射開口251は、表示器240から射出された光がインシツルメントパネル11からせり出した左方投影面部232及び右方投影面部233に照射されるように、ハウジング250の壁部に形成された貫通開口である。投射開口251は、透光性の蓋部材252によって塞がれている。
スライド支持部253は、コンバイナ220を上下方向に沿って変位可能に支持している。スライド支持部253には、上下方向に沿って延伸する一対のガイド溝254が形成されている。各ガイド溝254は、コンバイナ220の幅方向の両側に位置するハウジング250の側壁に一つずつ設けられている。コンバイナ220は、ガイド溝254に沿って上下方向に昇降可能である。
昇降機構290は、コンバイナ220を上下方向に昇降させることで、投影範囲PA1に配置する投影面部230の変更と、投影範囲PA1に配置される正面投影面部231の面積の増減とを実現する機構である。昇降機構290は、制御回路80(図5参照)からの出力信号に従い、表示器240によって投影される画像70に関連付けられた選択投影面部230sが投影範囲PA1に配置されるように、コンバイナ220を上下方向へスライド変位させる。加えて昇降機構290は、表示器240によって投影される画像70に関連付けられた面積が投影範囲PA1内に位置するように、コンバイナ220を上下方向へスライド変位させる。
昇降機構290は、例えば一組の螺子軸及び螺子ナットと、モータ291等とによって構成されている。螺子軸は、ガイド溝254に沿って上下方向に延伸している。螺子ナットは、螺子軸と螺合しており、コンバイナ220に固定されている。螺子ナットは、回転する螺子軸に沿って、コンバイナ220と一体的に移動可能である。モータ291は、サーボモータ又はステッピングモータ等であり、螺子軸に回転を伝えることができる。昇降機構290は、モータ291によって螺子軸を回転させることにより、ガイド溝254に沿ったコンバイナ220のスライド変位を可能にしている。
ここまで説明した第二実施形態でも、昇降機構290によるコンバイナ220のスライド変位によって選択投影面部230sが変更されるため、第一実施形態と同様に、虚像60の結像位置は、明確に変更され得る。したがって、HUD装置200は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
加えて第二実施形態では、昇降機構290によるコンバイナ220のスライド変位により、投影範囲PA1に配置される正面投影面部231の面積が増減される。こうした正面投影面部231の面積の拡縮によれば、虚像60を表示可能な範囲の大きさが明確に変更され得る。このようなHUD装置200であれば、虚像60として結像される画像70の大きさ又は表示位置を、この画像70によって乗員に通知される情報の特性に応じて、変更することが可能となる。したがって、HUD装置200は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
また第二実施形態では、正面投影面部231のうちで画像70の光が投影されない退避領域231rは、ハウジング250に収容されている。以上によれば、虚像表示に使用されていない退避領域231rが目立ち難くなる。故に、投影範囲PA1に配置する正面投影面部231の面積を増減させる構成であっても、見映えの悪化は防止され得る。尚、第二実施形態において、コンバイナ220が「投影部材」に相当し、昇降機構290が「変位機構」に相当する。
(第三実施形態)
図9及び図10に示す第三実施形態のHUD装置300は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態によるHUD装置300は、第一実施形態のコンバイナ20(図1参照)に相当する構成として、円板状に形成されたコンバイナ320を備えている。コンバイナ320は、ハウジング50によって回転変位可能に支持される回転支持部25と、複数(四つ)の投影面部330とを有している。
複数の投影面部330には、遠方投影面部331及び近傍投影面部332が二つずつ含まれている。遠方投影面部331及び近傍投影面部332は、回転支持部25によって規定される回転軸線RA周りの周方向に、交互に並んでいる。遠方投影面部331及び近傍投影面部332は、互いに重ならないように規定されている。遠方投影面部331及び近傍投影面部332の各面積は、互いに実質同一である。遠方投影面部331と近傍投影面部332とは、互いに異なった曲率で凹面状に湾曲しており、互いに異なった拡大率を備えた凹面鏡として機能する。
回転機構90は、各投影面部330の中心が回転軸線RAの直上に位置するようコンバイナ320を90°ずつ回転変位させることにより、第一表示モードと第二表示モードとを順に切り替えることができる。故に、四つの投影面部330のうちで回転軸線RAの直上に位置する一つが選択投影面部330sとして投影範囲PA1内に位置し、回転軸線RAの直下に位置する他の一つが退避投影面部330rとしてハウジング50に収容された状態となる。第一表示モードでは、選択投影面部330sとされた近傍投影面部332への画像70の光の投影により、近傍虚像62が表示される。また第二表示モードでは、選択投影面部330sとされた遠方投影面部331への画像70の光の投影により、遠方虚像61が表示される。
さらに回転機構90は、コンバイナ320を継続的に回転させる第三表示モードを実現する。第三表示モードにおいて、表示器40は、制御回路80(図5参照)の出力信号に基づき、コンバイナ320の回転に合わせて、画像70の光を投影範囲PA1へ向けて照射する。詳記すると、表示器40は、遠方投影面部331及び近傍投影面部332の各中心が回転軸線RAの直上に位置するタイミングで、投影光源43をパルス発光させることにより、投影範囲PA1に位置する投影面部330に画像70の光を投影する。画像70の光は、拡大率の異なった遠方投影面部331及び近傍投影面部332に交互に投影される。その結果、一つの画像70が、遠方虚像61及び近傍虚像62として交互に表示される。このような原理により、第三表示モードでは、周期的に結像位置の変化する虚像60の表示が実現される。結像位置の変化する虚像60としては、車両Aに搭載された衝突被害軽減(自動)ブレーキの作動を通知又は予告するAEB(Autonomous Emergency Braking)インジケータ画像71a等、予防安全に係る画像70が表示される。
ここまで説明した第三実施形態でも、コンバイナ320の回転変位によって選択投影面部330sが変更されるため、第一実施形態と同様に、虚像60の結像位置は、明確に変更され得る。したがって、HUD装置300は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
加えて第三実施形態の第三表示モードでは、運転者Dの見かけ上において、虚像60が奥行き方向に移動する。このような虚像60の動きによれば、HUD装置300は、運転者Dの注意を引いて、緊急性の高い情報を運転者Dに確実に気づかせることができる。尚、第三実施形態では、コンバイナ320が「投影部材」に相当する。
(第四実施形態)
図11〜図13に示す第四実施形態のHUD装置400は、第二実施形態の変形例である。第四実施形態によるHUD装置400には、複数(三つ)のコンバイナ421〜423が設けられている。加えてHUD装置400は、各コンバイナ421〜423を個別に昇降させる昇降機構490と、各コンバイナ421〜423及び昇降機構490を収容するハウジング450とを備えている。各コンバイナ421〜423、昇降機構490、及びハウジング450は、それぞれ第二実施形態のコンバイナ220、昇降機構290、及びハウジング250(図8参照)に相当する構成である。
センタコンバイナ421、サイドコンバイナ422、及びサイドコンバイナ423は、それぞれ投影面部430を有するハーフミラーである。各投影面部430の曲率は、実質同一とされている。故に、各投影面部430は、実質的に同一の拡大率を備えた凹面鏡として機能する。各コンバイナ421〜423は、各投影面部430を運転席側へ向けた姿勢で、インシツルメントパネル11の上縁に沿って車両Aの幅方向に並べられている。各コンバイナ421〜423は、個別に昇降可能な状態でハウジング450に取り付けられている。
センタコンバイナ421は、二つのサイドコンバイナ422,423の間に配置されており、運転者D(図8参照)の正面に位置している。センタコンバイナ421には、正面投影面部431が投影面部430として規定されている。正面投影面部431に投影された画像70の光は、正面虚像461として正面投影面部431の前方に結像される。
サイドコンバイナ422,423は、車両Aの幅方向において、センタコンバイナ421の両側に一つずつ配置されている。運転者D(図8参照)から見てセンタコンバイナ421の左側に位置するサイドコンバイナ422には、左方投影面部432が投影面部430として規定されている。運転者Dから見てセンタコンバイナ421の右側に位置するサイドコンバイナ423には、右方投影面部433が投影面部430として規定されている。左方投影面部432及び右方投影面部433に投影された画像70の光は、それぞれ左方虚像463及び右方虚像464として、正面虚像461から左右にずれた位置に結像される。
昇降機構490は、各コンバイナ421〜423を上下方向へ個別にスライド変位させることにより、ハウジング450からせり出して投影範囲PA1内に位置する各投影面部430の面積の総和を増減させる。昇降機構490による昇降により、各投影面部430のうちで投影範囲PA1から外れた位置にある退避領域430rは、ハウジング450に収容される。昇降機構490は、例えば螺子軸、螺子ナット、及びモータ491a〜491c等によって構成された螺子機構部を三組有している。各螺子機構部は、三つのコンバイナ421〜423のうちの一つを、各モータ491a〜491cの回転により、それぞれスライド変位させることができる。
昇降機構490は、制御回路80からの出力信号に基づき、センタコンバイナ421を昇降させ、投影範囲PA1内に配置される正面投影面部431の面積を増減させる。以上により、正面投影面部431は、表示器240によって投影される画像70に関連付けられた面積を、投影範囲PA1内に位置させるようになる。こうした正面投影面部431には、例えば、車速画像472の光が投影される。
車速画像472は、現在の車両Aの走行速度を、走行中の道路の制限速度と対比して示す画像70である。車速画像472が表示される場合、投影範囲PA1内に位置する正面投影面部431の面積は、車両Aの走行速度に関連付けられる。故に、昇降機構490は、インシツルメントパネル11からの正面投影面部431のせり出し量を、車両Aの走行速度に応じて、連続的に増減させる。車速画像472には、走行速度に応じて上方へ向けて伸びる一対のバー画像部472a,472bが含まれている。走行速度の上昇に合わせて正面投影面部431が上方へ拡張されるため、正面虚像461を表示可能な範囲の大きさも、空間中にて上方へ拡大される。故に、走行速度に応じて上方へ延伸するバー画像部472a,472bの虚像表示が可能になる。
加えて昇降機構490は、左方虚像463及び右方虚像464を表示する場合に、各サイドコンバイナ422,423を上昇させる作動を行い、左方投影面部432及び右方投影面部433を投影範囲PA1内に位置させる。以上の作動によれば、投影面部430が幅方向に沿って左右に拡張されるため、虚像60を表示可能な範囲の大きさも、空間中にて左右へ拡大される。その結果、例えば、交差点での右左折及び車線変更を実施する際に、歩行者警告画像74b及びBSM画像74c等が、左方虚像463又は右方虚像464として表示可能となる。
ここまで説明した第四実施形態でも、昇降機構490による各コンバイナ421〜423のスライド変位によって投影面部430が拡縮されるため、第二実施形態と同様に、虚像60として結像される画像70の大きさ又は表示位置が明確に変更可能となる。したがって、HUD装置400は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
加えて第四実施形態のHUD装置400は、複数のコンバイナ421〜423をスライド変位させることにより、投影範囲PA1に位置する投影面部430の面積の増減をさらに顕著に生じさせることができる。故に、HUD装置400は、さらに乗員に的確に気づかれるように虚像60を表示することができる。
また第四実施形態では、正面虚像461が運転者Dの中心視野の範囲に向けて拡大されるため、速度の超過が運転者Dに気づかれ易くなる。このように、車両Aの走行速度に合わせて車速画像472を上下方向に伸縮させる表示を行えば、運転者Dに気構えを促すことが可能になる。尚、第四実施形態では、コンバイナ421〜423がそれぞれ「投影部材」に相当し、昇降機構490が「変位機構」に相当する。
(第五実施形態)
図14〜図16示す第五実施形態のHUD装置500は、第四実施形態の変形例である。第五実施形態によるHUD装置500では、第四実施形態の各サイドコンバイナ422,423(図12参照)に相当する構成が省略されている。HUD装置500は、センタコンバイナ520を昇降機構590によって昇降させることにより、センタコンバイナ520を降下させた第一表示モード(図14参照)と、センタコンバイナ520を上昇させた第二表示モード(図15参照)とを切り替える。
HUD装置500の制御回路80(図13参照)は、表示制御装置88(図13参照)からの制御信号に基づき、車両Aのシフトポジションに応じて、第一表示モードと第二表示モードとを切り替える。具体的には、シフトポジションがパーキング「P」の位置にある場合、HUD装置500は、第一表示モードとされる。第一表示モードでは、投影面部530の下方の領域は、退避領域530rとして、ハウジング550に収容されている。そして、投影面部530のうちでインシツルメントパネル11からせり出した領域に投影されるシフトポジション画像571の光が、正面虚像561として運転者Dの正面に結像される。
シフトポジションがドライブ「D」の位置に変更されると、HUD装置500は、第一表示モードから第二表示モードへと切り替わる。このとき、昇降機構590によってセンタコンバイナ520が持ち上げられることにより、投影範囲PA1に位置する投影面部530が上方へ拡張される。そして、シフトポジション画像571に替えて、当該画像571よりもサイズの大きい車速画像572が、正面虚像561として結像される。
ここまで説明した第五実施形態でも、投影面部530の拡縮により、第四実施形態と同様の効果を奏する。故に、HUD装置500は、情報を通知する画像70を、乗員によって的確に気づかれるように虚像表示することができる。
加えて第五実施形態では、シフトポジションの変更によって正面虚像561として表示される画像70が明確に変化する。故に、HUD装置500は、シフトの誤操作を運転者Dに確実に気づかせることができる。尚、第五実施形態では、センタコンバイナ520が「投影部材」に相当し、昇降機構590が「変位機構」に相当する。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態において、虚像60の表示に用いられない退避投影面部及び退避領域は、乗員に視認されないように、ハウジング内に収容されていた。しかし、コンバイナのうちで画像の光が投影されない領域は、ハウジングの外部に露出していてもよい。また、上記実施形態において、ハウジングは、インスツルメントパネルと別体であり、インスツルメントパネル内に収容されていた。しかし、インスツルメントパネルとハウジングとが一体的に構成され、表示器及び制御回路等の構成は、インスツルメントパネルに設けられたハウジング部に収容されていてもよい。
上記実施形態の各投影面部の曲率は、例えば各投影面部の中心の曲率を基準とする。各投影面部全体の曲率は、中心の曲率で一定であってもよく、或いは中心から離れるに従って徐々に変化していてもよい。各投影面部の拡大率も、各中心の曲率に基づいて規定される。尚、各投影面部の中心は、便宜的に投影面部の重心位置とする。また、コンバイナは、複数に分割された湾曲面が板厚方向にずらして配置されたフレネルレンズ形状の凹面により、投影面部を形成していてもよい。
上記実施形態では、画像の光を射出する表示器として、液晶パネル及び投影光源を組み合わせたプロジェクタが用いられていた。しかし、表示器の構成は、適宜変更可能である。例えば、多数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロデバイス(DMD)と、DMDへ向けて光を投射する投射光源とを有するDLP(Digital Light Processing,登録商標)方式のプロジェクタが、表示器として採用可能である。さらに、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーと、MEMSミラーへ向けて光を投射するレーザ光源とを有するレーザスキャナが、表示器として採用可能である。
上記実施形態では、虚像表示器から射出された画像の光は、各投影面に直接的に入射していた。しかし、表示面から各投影面までの光路距離を拡大させるために、ハウジング内にて画像の光を屈折させる一つ又は複数の凹面鏡又は平面鏡、或いはレンズ等を含む光学系が設けられていてもよい。
上記実施形態における表示制御装置88の機能は、HUD装置の制御回路80に組み込まれていてもよい。又は、車両Aに搭載された他の車載機器の制御回路が、表示制御装置88の機能を兼ねていてもよい。例えば、コンビネーションメータに設けられた制御回路が、当該メータの表示と共に、HUD装置の虚像表示を制御可能である。或いは、運転者への情報提示を統合的に制御するHCU(HMI(Human Machine Interface)Control Unit)が、表示制御装置88の機能を兼ねていてもよい。さらに、運転者によって車室内に持ち込まれた携帯端末の制御回路が、表示制御装置88の機能を兼ねていてもよい。
上記実施形態のような車両Aでは、運転者の眼の位置の分布を統計的に表したアイレンジに基づき、右眼及び左眼のそれぞれに対してアイリプスが設定可能である。HUD装置は、アイリプス内に左右の眼を位置させた運転者によって視認可能となるよう、各虚像を表示させることが望ましい。尚、本開示の特徴構成は、車両以外の船舶及び航空機等の各種移動体(輸送機器)に搭載されたHUD装置にも、適用可能である。
A 車両(移動体)、D 運転者(乗員)、PA1 投影範囲、RA 回転軸線、20,220,320 コンバイナ(投影部材)、421,520 センタコンバイナ(投影部材)、422,423 サイドコンバイナ(投影部材)、30,230,330,430,530, 投影面部、30r,230r,330r 退避投影面部、231r,430r,530r 退避領域、40,240 表示器、50,250,450,550 ハウジング、60 虚像、70 画像、90 回転機構(変位機構)、290,490,590 昇降機構(変位機構)、100,200,300,400,500 HUD装置(ヘッドアップディスプレイ装置)

Claims (8)

  1. 移動体(A)に搭載され、前記移動体の乗員(D)によって視認可能な虚像(60)を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記虚像として結像される画像(70)の光を射出する表示器(40,240)と、
    凹面状に形成されることで投影された前記画像を拡大した前記虚像を表示させる投影面部(30,230,330)を複数有し、各前記投影面部の拡大率が互いに異なっている投影部材(20,220,320)と、
    前記投影部材を変位させることにより、前記表示器から射出された光が投影される投影範囲(PA1)に配置する前記投影面部を変更する変位機構(90,290)と、を備えるヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記投影部材を変位可能に支持するハウジング(50,250)、をさらに備え、
    複数の前記投影面部のうちで、前記投影範囲から退避した位置にある退避投影面部(30r,230r,330r)は、前記ハウジングに収容される請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記変位機構は、前記投影部材を変位させることにより、前記投影範囲に配置する前記投影面部の数を増減させる請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記投影部材(20,320)は、前記ハウジング(50)によって回転変位可能に支持されており、
    複数の前記投影面部(30,330)は、前記投影部材に規定された仮想の回転軸線(RA)周りの周方向に並んでいる請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記変位機構(90)は、前記投影部材を継続的に回転させ、
    前記表示器(40)は、前記投影部材の回転に合わせて、拡大率の異なった各前記投影面部(330)に順に前記画像の光を投影することにより、結像位置が変化する前記虚像を表示させる請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記変位機構は、前記表示器によって投影される前記画像に関連付けられた前記投影面部が前記投影範囲に配置されるように前記投影部材を変位させる請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 移動体(A)に搭載され、前記移動体の乗員(D)によって視認可能な虚像(60)を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記虚像として結像される画像(70)の光を射出する表示器(240)と、
    前記画像の光が投影される投影面部(430)を有し、前記画像の前記虚像を表示させる数設けられた投影部材(421〜423)と、
    前記投影部材を変位させることにより、前記表示器から射出された光が投影される投影範囲(PA1)に位置する前記投影面部の面積を増減させる変位機構(490)と、を備え、
    前記変位機構(490)は、複数の前記投影部材を個別に変位させることにより、前記投影範囲内に位置する各前記投影面部の面積の総和を増減させ、前記表示器によって投影される前記画像に関連付けられた面積が前記投影範囲内に位置するように、前記投影部材を変位させるヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 前記投影部材を変位可能に支持するハウジング(450)、をさらに備え、
    前記投影面部のうちで、前記投影範囲から外れた位置にある退避領域(430r)は、前記ハウジングに収容される請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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