JP2017015806A - 虚像表示装置 - Google Patents

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賢二 渡邊
Kenji Watanabe
賢二 渡邊
広之 三宅
Hiroyuki Miyake
広之 三宅
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Abstract

【課題】ユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することを可能にする一方で、ユーザに違和感を感じさせることのない虚像を適切に生成することを可能にした虚像表示装置を提供する。【解決手段】プロジェクタ4から投射された映像を表示する為のスクリーンを透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bから構成し、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bに投射された映像を凹面鏡6及び車両2のフロントウィンドウ7に反射させてそれぞれ車両の乗員8に視認させることによって、車両の乗員8が視認する映像の虚像を生成する。また、透過型スクリーン5Aによって透過された光源の光路である第1光路と、反射型スクリーン5Bによって反射された光源の光路である第2光路との一部を重複させるように構成する。【選択図】図10

Description

本発明は、ユーザが視認する虚像を表示する虚像表示装置に関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)のような人間の目の錯覚を利用して実際に映像が表示された位置と異なる空間上に映像を視認させる虚像表示装置がある。
ここで、虚像表示装置によってより効果的な情報の提供を行う為には、虚像を生成する位置(より具体的には虚像を視認するユーザから虚像までの距離)を適切に設定することが重要である。例えば、障害物に対する警告の虚像を生成する為には、その障害物が実際に存在する位置に虚像を生成することが望ましい。また、道路の右左折を案内する虚像を生成する場合には、右左折する地点に虚像を生成することが望ましい。一方で、車速を表示する虚像や地図画像の虚像等については環境に重畳しないようにできる限りユーザに近い位置に生成することが望ましい。即ち、虚像の種類毎にその虚像を生成するのに適したユーザからの距離は異なるので、複数の虚像を生成する場合については虚像毎にそれぞれユーザからの距離が異なる位置に生成することが望ましい。
しかしながら、ユーザから虚像までの距離は、HUD内部に配置された投影鏡(凹面鏡等)から映像を表示する映像表示面(スクリーン、液晶ディスプレイ等)までの距離に依存するので、映像表示面が一面のみであれば基本的にユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することはできない。そこで、特開2013−83675号公報には、スクリーンを複数のスクリーンに分割し、スクリーン毎に表示された映像から虚像を生成することによって、ユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することについて開示されている。
特開2013−83675号公報(第4−7頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、映像を表示するスクリーンを複数のスクリーンに分割するので、図17に示すように各スクリーン101、102の間(即ち、スクリーン101の光路とスクリーン102の光路の間)に隙間が生じることとなる。その隙間は映像を表示できないので、複数のスクリーン101、102に跨る大きな映像の虚像を生成する場合には、隙間によって虚像が分断されてしまう問題がある。
更に、生成された虚像をユーザが視認する場合において、隙間部分に該当するエリアが暗く視認され、ユーザに違和感を感じさせる問題も生じる。例えば、図18に示すように車両を運転するユーザのフロントウィンドウの前方に虚像を生成させるHUDでは、一方のスクリーンに表示された映像に基づく虚像が生成されるエリア103と、他方のスクリーンに表示された映像に基づく虚像が生成されるエリア104の間にあるエリア105が暗く視認されることとなる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することを可能にする一方で、ユーザに違和感を感じさせることのない虚像を適切に生成することを可能にした虚像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る虚像表示装置は、光源から出力される光に基づいて生成される映像を投射するプロジェクタと、前記光源の光を透過させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第1映像を表示する透過型スクリーンと、前記光源の光を反射させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第2映像を表示する反射型スクリーンと、前記透過型スクリーンに表示された前記第1映像と前記反射型スクリーンに表示された前記第2映像をそれぞれ反射させてユーザに視認させることによって前記第1映像及び前記第2映像の虚像を生成する投影鏡と、を有し、前記透過型スクリーンによって透過された前記光源の光路である第1光路と、前記反射型スクリーンによって反射された前記光源の光路である第2光路との一部を重複させる。
尚、「光路」とは、光源から出力された光が通る経路をいう。例えば、透過型スクリーンから投影鏡までを結ぶ光路とは、光が透過型スクリーンから投影鏡に到達するまでの光の経路であり、基本的には透過型スクリーン(特に映像が表示された位置)から投影鏡までを直線で結ぶ経路となる。但し、透過型スクリーンと投影鏡の間に光を屈折したり反射することによって光の進行方向を変更する手段(例えばミラーやレンズ等)が配置されている場合には、該手段で所定角度に屈折又は反射された経路が該当する。
前記構成を有する本発明に係る虚像表示装置によれば、映像を表示する映像表示面として、透過型スクリーンと反射型スクリーンの2つのスクリーンを用いることによって、ユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することが可能となる。その一方で、透過型スクリーンによって透過された光源の光路と、反射型スクリーンによって反射された光源の光路とを重複させることによって、複数のスクリーンを用いた場合であっても従来のようにスクリーンの隙間に該当するエリアが暗く視認されることなく、虚像が分断される等の不具合も解消できる。その結果、ユーザに違和感を感じさせることのない適切な虚像を生成することが可能となる。
本実施形態に係るHUDの車両への設置態様を示した図である。 本実施形態に係るHUDの内部構成を示した図である。 プロジェクタの構成を示した図である。 スクリーンを示した図である。 スクリーンへの映像の投射態様を示した図である。 第1ミラー及び第2ミラーを示した図である。 第1ミラー及び第2ミラーを移動させることによる光路長の変更態様を示した図である。 透過型スクリーンを透過する光路と反射型スクリーンにより反射される光路をそれぞれ示した図である。 車両の乗員から視認される虚像の位置を示した図である。 透過型スクリーンを透過する光路と反射型スクリーンにより反射される光路の重複態様を示した図である。 スクリーンへの投射される映像と車両の乗員から視認される虚像の対応関係を示した図である。 本実施形態に係るHUDの構成を示したブロック図である。 本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。 第1ミラー及び第2ミラーが基準位置にある場合に車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 車両の進行方向前方に割り込んだ障害物を示した図である。 第1ミラー及び第2ミラーがパネル表示位置にある場合に車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 従来技術の問題点について説明した図である。 従来技術の問題点について説明した図である。
以下、本発明に係る虚像表示装置について、車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)1の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るHUD1の車両2への設置態様を示した図である。
図1に示すようにHUD1は、車両2のダッシュボード3内部に設置されており、内部にプロジェクタ4やプロジェクタ4からの映像が投射されるスクリーン5を有する。そして、スクリーン5に投射された映像を、後述のようにHUD1が備えるミラーや凹面鏡6を介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ7に反射させて車両2の乗員8に視認させるように構成されている。尚、スクリーン5に投射される映像としては、車両2に関する情報や乗員8の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD1では、フロントウィンドウ7を反射して乗員8がスクリーン5に投射された映像を視認した場合に、乗員8にはフロントウィンドウ7の位置ではなく、フロントウィンドウ7の先の遠方の位置にスクリーン5に投射された映像が虚像9として視認されるように構成される。尚、乗員8が視認できる虚像9はスクリーン5に投射された映像であるが、凹面鏡6やミラーを介することによって上下方向や左右方向が反転する場合があり、それらの反転を考慮してスクリーン5への映像の投射を行う必要がある。また、フレネルレンズや凹面鏡6を介することによってサイズも変更する。
ここで、虚像9を生成する位置、より具体的には乗員8から虚像9までの距離(以下、生成距離という)Lについては、HUD1が備える凹面鏡6やフレネルレンズの曲率、スクリーン5と凹面鏡6との相対位置等によって適宜設定することが可能である。例えば、凹面鏡6やフレネルレンズの曲率が固定であれば、スクリーン5において映像の表示された位置から凹面鏡6までの光路に沿った距離(光路長)によって生成距離Lが決定される。
ここで、本実施形態のHUD1は、後述のようにスクリーン5が、光源の光を透過させることによってプロジェクタ4から投射された映像を表示する透過型スクリーン5Aと、光源の光を反射させることによってプロジェクタ4から投射された映像を表示する反射型スクリーン5Bの組み合わせからなる。そして、透過型スクリーン5Aに表示された映像に基づく虚像9と、反射型スクリーン5Bに表示された映像に基づく虚像9をそれぞれ生成する。また、反射型スクリーン5Bに表示された映像に基づく虚像9の生成距離Lについては固定(例えば2.5m)とするが、透過型スクリーン5Aに表示された映像に基づく虚像9の生成距離Lは、透過型スクリーン5Aと凹面鏡6との間で光路の方向を変更するミラーの位置を移動させることによってその距離を変更可能に構成する。例えば生成距離Lを3m〜40mの間で変更可能に構成する。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ10が設置される。フロントカメラ10は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成された撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ10により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントウィンドウ7越しに乗員8に視認される前方環境(即ち虚像9が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ10の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
次に、図2を用いてHUD1のより具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係るHUD1の内部構成を示した図である。
図2に示すようにHUD1は、プロジェクタ4と、スクリーン5と、凹面鏡6と、第1ミラー11と、第2ミラー12と、第3ミラー13と、カバーガラス15と、制御回路部16と、CANインターフェース17とから基本的に構成されている。
ここで、プロジェクタ4は光源としてLED光源やランプ光源やレーザ光源を用いた映像投射装置であり、例えばレーザ走査式プロジェクタとする。尚、プロジェクタ4としてはDLPプロジェクタや液晶プロジェクタやLCOSプロジェクタを用いても良い。尚、レーザ走査式プロジェクタ以外を用いた場合にはプロジェクタ4に対して別途投射レンズを配置する必要がある。
図3はプロジェクタ4の構成を示した図である。図3に示すようにプロジェクタ4は、内部にレーザ光の光源18を備えており、例えばレーザ走査式プロジェクタでは光源18から出力されるレーザ光をMEMSミラー19で反射させ、スクリーン5上に走査させることによってスクリーン5に所望の映像を投射する。
一方、スクリーン5は、プロジェクタ4から投射された映像が投射される被投射媒体であり、光源18の光を透過させることによってプロジェクタ4から投射された映像を表示する透過型スクリーン5Aと、光源18の光を反射させることによってプロジェクタ4から投射された映像を表示する反射型スクリーン5Bの組み合わせからなる。図4はスクリーン5を示した図である。図4に示すように透過型スクリーン5A及び反射型スクリーン5Bは、連続した一の面となるように光源18の光路に対して垂直方向に一体に繋ぎ合わされる。また、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bの面積比は、例えば3:1とするが、その比率は適宜変更可能である。例えば面積比を1:1としても良い。
ここで、スクリーン5を構成する透過型スクリーン5Aは、例えばすりガラス等の拡散板やマイクロレンズアレイ等からなる。透過型スクリーン5Aは、図5に示すように光源18からの光を透過させることによってプロジェクタ4から投射された映像が表示される。尚、乗員8はプロジェクタ4によって投射された映像を投射側とは逆側から視認することとなる。
一方、スクリーン5を構成する反射型スクリーン5Bは、例えばポリ塩化ビニル(PVC)の表面に反射層として特殊な塗料、ガラスビーズ、金属層等を配置することにより構成される。反射型スクリーン5Bは、図5に示すように光源18からの光を反射させることによってプロジェクタ4から投射された映像が表示される。尚、乗員8はプロジェクタ4によって投射された映像を投射側から視認することとなる。
透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bでは、乗員8の視認方向が逆方向となっているが、後述のように透過型スクリーン5Aによって透過された光源18の光路(以下、第1光路22という)を、第1ミラー11及び第2ミラー12によって折り返し、反射型スクリーン5Bによって反射された光源18の光路(以下、第2光路23という)と同一方向とすることによって乗員8からは透過型スクリーン5Aに表示された映像と反射型スクリーン5Bに表示された映像を同時に視認可能(即ち、透過型スクリーン5Aに表示された映像に基づく虚像9と反射型スクリーン5Bに表示された映像に基づく虚像9を同時に視認可能)に構成される。
また、凹面鏡6は、スクリーン5に表示された映像を拡大して反射させて乗員8に視認させることによって、乗員8の前方に映像の虚像9(図1参照)を生成する投影鏡である。特に本実施形態では、透過型スクリーン5Aに表示された映像に基づく虚像9(以下、第1虚像9Aという)と、反射型スクリーン5Bに表示された映像に基づく虚像9(以下、第2虚像9Bという)をそれぞれ生成する。尚、凹面鏡6としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは投影映像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。
一方、第1ミラー11は、透過型スクリーン5Aと凹面鏡6とを結ぶ第1光路22に沿って透過型スクリーン5Aと凹面鏡6との間に配置され、透過型スクリーン5AからX方向(第1方向)で入射する第1光路22を、X方向と異なるY方向に変更する光の反射手段である。同じく第2ミラー12は、透過型スクリーン5Aと凹面鏡6とを結ぶ第1光路22に沿って透過型スクリーン5Aと凹面鏡6との間に配置され、透過型スクリーン5AからY方向で入射する第1光路22を、Y方向と異なるZ方向(第2方向)に変更する光の反射手段である。特に本実施形態では、図6に示すように第1ミラー11の反射面が第2ミラーの反射面となす角度が90度で、更に、第1ミラー11の反射面がX方向となす角度が45度、第2ミラー12の反射面がZ方向となす角度が45度となるように第1ミラー11及び第2ミラー12を配置する。即ち、本実施形態では特にX方向とZ方向は互いに平行且つ逆方向となるように構成する。
また、第1ミラー11及び第2ミラー12は、X方向に沿って一体に移動可能に構成されている。具体的には、第1ミラー11及び第2ミラー12の背面側にあるミラー駆動モータ24(移動機構)を駆動させることによって、図6に示すように第1ミラー11及び第2ミラー12をX方向と平行な方向に対して前後方向に移動させることが可能となる。
そして、第1ミラー11及び第2ミラー12を移動させることによって、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長が変更されることとなる。具体的には図7に示すように第1ミラー11及び第2ミラー12を、スクリーン5に近づく方向へと移動させると光路長が短くなる。一方で、第1ミラー11及び第2ミラー12を、スクリーン5から遠ざかる方向へと移動させると光路長が長くなる。具体的には光路長は、第1ミラー11及び第2ミラー12の移動量の倍の距離を変位することとなる。即ち、第1ミラー11及び第2ミラー12をスクリーン5に近づく方向へと5mm移動させれば光路長は1cm短くなり、第1ミラー11及び第2ミラー12をスクリーン5から遠ざかる方向へと3mm移動させれば光路長は6mm長くなる。そして、光路長を変更させた結果、後述のように乗員8から透過型スクリーン5Aに表示された映像に基づいて生成される第1虚像9Aまでの距離である生成距離Lの長短を変更することが可能となる。
尚、本実施形態では図6に示すようにZ方向とZ方向が互いに平行で逆方向となるように構成しているが、必ずしもX方向とZ方向が互いに平行で逆方向となるように構成する必要はない。具体的には、X方向とZ方向が90度以上異なる方向となるように第1ミラー11及び第2ミラー12を配置すれば、第1ミラー11及び第2ミラー12を移動させることによって、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長を変更することが可能である。
また、本実施形態では第1ミラー11及び第2ミラー12をX方向に平行な方向へ移動させる構成としているが、必ずしもX方向と平行な方向に移動させる必要はなく、X方向と所定角度(例えば5度や10度)異なる方向に移動させる構成としても良い。その場合であっても、第1ミラー11及び第2ミラー12を移動させることによって、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長を変更することが可能である。
また、ミラー駆動モータ24はステッピングモータからなる。そして、HUD1は、制御回路部16から送信されるパルス信号に基づいてミラー駆動モータ24を制御し、第1ミラー11及び第2ミラー12の第1光路22に沿った位置を適切に位置決めすることが可能となる。
そして、上述のように第1ミラー11及び第2ミラー12の位置を移動可能に構成した本実施形態のHUD1では、図8及び図9に示すように透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長X1の距離を変更可能に構成することによって、透過型スクリーン5Aに投射された映像に基づく第1虚像9Aが生成される位置(具体的には乗員8から第1虚像9Aまでの距離である生成距離L)を変更することが可能である。具体的には、第1ミラー11及び第2ミラー12をスクリーン5から遠ざかる方向へと移動させると、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長X1が長くなり、その結果、生成距離Lが長くなる(即ち、乗員8からはより遠くに第1虚像9Aが視認されるようになる)。一方で、第1ミラー11及び第2ミラー12をスクリーン5に近づく方向へと移動させると、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長X1が短くなり、その結果、生成距離Lが短くなる(即ち、乗員8からはより近くに第1虚像9Aが視認されるようになる)。
従って、本実施形態に係るHUD1は、第1虚像9Aを生成する位置(具体的には乗員8から第1虚像9Aまでの距離である生成距離L)を決定すると、決定された生成距離Lに対応する位置に第1虚像9Aを生成する為の光路長X1(即ち、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置)を決定し、その後に決定された光路長X1となるように第1ミラー11及び第2ミラー12を移動させるように構成する。
また、生成距離Lを変更することが可能な範囲は、第1ミラー11及び第2ミラー12を移動可能な範囲によって決定される。特に本実施形態では、第1ミラー11及び第2ミラー12を最もスクリーン5側に移動させた状態では、第1虚像9Aの生成距離Lが3mとなるように設計する。一方、第1ミラー11及び第2ミラー12を最もスクリーン5から離れた位置に移動させた状態では、第1虚像9Aの生成距離Lが40mとなるように設計する。
その一方で、図8及び図9に示すように反射型スクリーン5Bから凹面鏡6までを結ぶ第2光路23については、第1ミラー11及び第2ミラー12を介さないので、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置がどのように変化しても、第2光路23の光路長X2は不変である。従って、反射型スクリーン5Bに投射された映像に基づく第2虚像9Bが生成される位置(具体的には乗員8から第2虚像9Bまでの距離である生成距離L)は常に固定となる。ここで、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長X1と、反射型スクリーン5Bから凹面鏡6までを結ぶ第2光路23の光路長X2を異なる距離とすれば、乗員8からの距離が異なる位置に第1虚像9Aと第2虚像9Bを同時に生成することが可能となる。
また、本実施形態に係るHUD1は、透過型スクリーン5Aによって透過された第1光路22と、反射型スクリーン5Bによって反射された第2光路23との一部を重複させるように第1ミラー11及び第2ミラー12が配置される。具体的には、図10に示すように特に透過型スクリーン5Aの内、反射型スクリーン5Bとの境界に隣接する箇所を通過する第2ミラー12から凹面鏡6までの間の第1光路22と、反射型スクリーン5Bの内、透過型スクリーン5Aとの境界から最も離れた箇所で反射する反射型スクリーン5Bから凹面鏡6までの間の第2光路23とが重複する。そして、重複する箇所について第1光路22は反射型スクリーン5Bによって遮断されることとなり、第2光路23が優先的に凹面鏡6へと到る。尚、虚像を生成できる範囲を広くする為に重複するエリアはできる限り狭くするのが望ましい。
従って、図11に示すように透過型スクリーン5Aに対して上方から順にエリアA〜Cを設定し、反射型スクリーン5Bに対してエリアDを設定すると、反射型スクリーン5Bとの境界に隣接するエリアCを透過する第1光路22は上述したように第1ミラー11及び第2ミラー12によって反射された後に反射型スクリーン5Bによって遮断される。従って、エリアCに表示された映像の虚像は生成されない。一方、エリアBを透過する第1光路22は、第1ミラー11及び第2ミラー12によって反射され、エリアDで反射される第2光路23の下方を通過する。その際、エリアBを透過する第1光路22とエリアDで反射される第2光路23の間には隙間が生じない。更に、エリアAを透過する第1光路22は、エリアBを通過する第1光路22の下方を隙間なく通過する。従って、フロントウィンドウ7の前方には、エリアAに表示された映像に基づく虚像が表示されるエリアと、エリアBに表示された映像に基づく虚像が表示されるエリアと、エリアDに表示された映像に基づく虚像が表示されるエリアとが、隙間なく配置される。尚、凹面鏡6で反射されることによって上下方向が反転されるので、エリアAに表示された映像に基づく虚像が表示されるエリアが最も上方に位置し、エリアDに表示された映像に基づく虚像が表示されるエリアが最も下方に位置する。
一方、第3ミラー13は、図2に示すように第1ミラー11及び第2ミラー12によって反射された光源18からの光や反射型スクリーン5Bで反射された光源18からの光を、凹面鏡6の方向に更に反射することによってHUD1内で第1光路22及び第2光路23を変更する光の反射手段である。
また、カバーガラス15は、HUD1の上面に配置された透過性の板状部材である。そして、スクリーン5に表示された映像は凹面鏡6によって反射され、カバーガラス15を介して乗員8に視認させる。尚、カバーガラス15としてはフレネルレンズを用いても良い。また、カバーガラス15としてフレネルレンズを用いる場合には、凹面鏡6の代わりに平面の鏡を用いることも可能である。
また、制御回路部16は、HUD1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、図12は本実施形態に係るHUD1の構成を示したブロック図である。
図12に示すように制御回路部16は、演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びにCPU31が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、後述の虚像生成処理プログラム(図13参照)等が記録されたROM33、ROM33から読み出したプログラムや後述の位置設定テーブルを記憶するフラッシュメモリ34等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部16は、プロジェクタ4、ミラー駆動モータ24とそれぞれ接続され、プロジェクタ4や各種モータの駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース17は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD1は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置48、AV装置49等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD1は、ナビゲーション装置48やAV装置49等から取得した情報を投影可能に構成する。
続いて、前記構成を有するHUD1においてCPU31が実行する虚像生成処理プログラムについて図13に基づき説明する。図13は本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。ここで、虚像生成処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、車両の乗員8に視認させる虚像9を生成するプログラムである。尚、以下の図13にフローチャートで示されるプログラムは、HUD1が備えているRAM32やROM33に記憶されており、CPU31により実行される。
先ず、虚像生成処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU31は、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置を“基準位置”に設定する。ここで、“基準位置”は、透過型スクリーン5Aに投射された映像に基づいて生成される第1虚像9Aの生成距離Lが40mとなる第1光路22の光路長を実現する位置とする。例えば最もスクリーン5から離れた位置が“基準位置”となる。
尚、第1ミラー11及び第2ミラー12の現在位置が、“基準位置(例えば最もスクリーン5から離れた位置)”に配置されていない場合には、ミラー駆動モータ24を駆動させて、“基準位置”へと第1ミラー11及び第2ミラー12を移動させる。また、本実施形態では“基準位置”を生成距離Lが40mとなる位置としているが、40m以外(例えば20mや30m)としても良い。
次に、S2においてCPU31は、プロジェクタ4へと信号を送信し、プロジェクタ4によるスクリーン5への映像の投射を開始する。尚、プロジェクタ4により投射される映像としては、車両2に関する情報や乗員8の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置48で設定された案内経路(走行予定経路)や案内経路に基づく案内情報(車両の進行方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等がある。特に本実施形態では、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bとは異なる種類の映像を表示する。また、透過型スクリーン5Aには、周辺環境に重畳させて乗員8に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像を出力する。例えば、ナビゲーション装置48で設定された案内経路に基づく案内情報である車両の進行方向を示す矢印を出力する構成とする。一方、反射型スクリーン5Bには、周辺環境に重畳させずに乗員8に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像を出力する。例えば、車両の現在の車速や車両周辺の地図画像を出力する構成とする。
その結果、例えばナビゲーション装置48において案内経路が設定されており、車両の進行方向前方に特に右左折の対象となる交差点が存在しない場合には、図14に示すように車両の進行方向前方に直進方向を示す矢印の第1虚像9Aと、車両の現在の車速を示す第2虚像9Bをそれぞれ生成する。また、矢印の第1虚像9Aについては、地面上、より具体的には第1虚像9Aの下端が地面上に位置するように生成するのが望ましい。尚、車両の進行方向前方に右左折の対象となる交差点が接近した場合には、直進方向を示す矢印に替えて右左折を示す矢印の第1虚像9Aを生成する。その結果、乗員8から40m前方付近に車両の進行方向を示す矢印の虚像が生成されることとなり、乗員8は虚像を視認する際に視線移動を極力少なくすることが可能である。但し、後述のように車両の進行方向前方に障害物が存在する場合には、乗員8から第1虚像9Aまでの距離が障害物までの距離よりも短い距離となる(S7)ように構成する。
また、第1虚像9Aとして特に右左折を示す矢印の虚像を生成する場合には、右左折の対象となる案内交差点の位置に対応させて虚像を生成することが望ましい。例えば、乗員8から右左折対象となる案内交差点までの距離を算出し、第1虚像9Aの生成距離L(特に矢印の先端位置までの距離)が算出された距離となるように第1ミラー11及び第2ミラー12の位置を変更するように構成する。尚、その後に車両が移動することによって乗員8から右左折対象となる案内交差点までの距離が変化すれば、それに伴って第1ミラー11及び第2ミラー12の位置も変更される。それによって、右左折の対象となる案内交差点の位置を乗員8は明確に特定することが可能となる。
続いて、S3においてCPU31は、フロントカメラ10で撮像した撮像画像を取得する。その後、取得した撮像画像に対して画像処理を行うことによって車両の進行方向前方に位置する障害物や区画線を検出する。尚、障害物としては道路上を移動する移動体である他車両、自転車、歩行者等が該当する。
その後、S4においてCPU31は、車両の進行方向前方に割り込みを行った障害物、即ち虚像の生成位置に接近する障害物があるか否か判定する。具体的には、図15に示すように障害物(図15に示す例では2輪車)51が車両2の走行する車線52の区画線53を超えて車両2の走行する車線52内に進入した場合に、車両の進行方向前方に割り込みを行った障害物があると判定する。尚、区画線53が無い道路などでは、例えば車両から虚像の生成位置までを結ぶ直線を設定し、該直線から所定距離(例えば5m)以内に障害物が近付いた場合に、車両の進行方向前方に割り込みを行った障害物があると判定するように構成しても良い。
そして、車両の進行方向前方に割り込みを行った障害物がある、即ち虚像の生成位置に接近する障害物があると判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に割り込みを行った障害物が無い、即ち虚像の生成位置に接近する障害物が無いと判定された場合(S4:NO)には、透過型スクリーン5A及び反射型スクリーン5Bへの映像の投射を継続しつつS3へと戻る。
S5においてCPU31は、車両から割り込みを行った障害物までの距離Rを取得する。具体的には、フロントカメラ10で撮像した画像や車両に設置された測距センサ等のその他センサの検出結果に基づいて取得する。
次に、S6においてCPU31は、前記S5で取得された車両から割り込みを行った障害物までの距離Rと、現在の第1虚像9Aの生成距離L(即ち40m)とを比較し、距離Rが生成距離Lよりも長いか否か、即ち障害物の位置が第1虚像9Aと乗員8の間にあるか否か判定する。
そして、距離Rが現在の第1虚像9Aの生成距離Lよりも長い、即ち障害物の位置が第1虚像9Aと乗員8の間にないと判定された場合(S6:YES)には、仮に障害物が第1虚像9Aの方向へと移動したとしても、障害物と第1虚像9Aとが光路上で重複することがない。即ち、車両の進行方向前方を視認する乗員8に対して、第1虚像9Aと障害物とを重複させずに視認させることが可能となる。従って、透過型スクリーン5A及び反射型スクリーン5Bへの映像の投射を継続しつつS3へと戻る。
一方、距離Rが現在の第1虚像9Aの生成距離Lと同距離又は短い、即ち障害物の位置が第1虚像9Aと乗員8の間にあると判定された場合(S6:NO)には、仮に障害物が第1虚像9Aの方向へと移動すると、乗員8から障害物が第1虚像9Aと重複して視認される虞があり、その結果、第1虚像9Aが障害物の中に埋め込まれたように視認される虞があると推定する。従って、第1虚像9Aによる案内態様を変更する為にS7へと移行する。
S7においてCPU31は、ミラー駆動モータ24を駆動させて、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置を“基準位置”から“パネル表示位置”に変更する。ここで、“パネル表示位置”は、透過型スクリーン5Aに投射された映像に基づいて生成される第1虚像9Aの生成距離Lが3mとなる第1光路22の光路長を実現する位置とする。例えば最もスクリーン5に近づく位置が“パネル表示位置”となる。
尚、前記S7におけるミラー駆動モータ24の駆動は、フラッシュメモリ34から読み出した位置設定テーブルを用いて行う。ここで、位置設定テーブルは、設定可能な生成距離L毎(本実施形態では3m(パネル表示位置)と40m(基準位置)の2種類)に対応付けて、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置(即ち第1光路22の光路長)が規定されている。そして、CPU31は、位置設定テーブルに基づいて第1ミラー11及び第2ミラー12を“基準位置”から“パネル表示位置”へ移動させるのに必要なミラー駆動モータ24の駆動量(パルス数)を決定する。その後、CPU31は、決定された駆動量だけミラー駆動モータ24を駆動させる為のパルス信号をミラー駆動モータ24へと送信する。そして、パルス信号を受信したミラー駆動モータ24は、受信したパルス信号に基づいて駆動を行う。その結果、第1ミラー11及び第2ミラー12は“基準位置”から“パネル表示位置”へと移動することとなる。また、本実施形態では“パネル表示位置”を第1虚像9Aの生成距離Lが3mとなる位置としているが、距離Rよりも短い距離であれば3m以外(例えば2.5mや5m)としても良い。
次に、S8においてCPU31は、プロジェクタ4へと信号を送信し、特に透過型スクリーン5Aへと投射する映像の内容を変更する。具体的には、周辺環境に重畳させて乗員8に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像から、周辺環境に重畳させずに乗員8に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像へと切り替える。具体的には、車両の進行方向を示す矢印を、路面に重畳させる矢印の形状から単純に方向を示す矢印の形状へと変化する。
その結果、図17に示すように障害物51が第1虚像9Aに接近した場合であっても、第1虚像9Aを生成する位置は自車両の先端に近い3m先の位置となるので、障害物51と第1虚像9Aとが光路上で重複することがない。尚、その後に障害物51が車両の進行方向前方から移動した場合には、第1ミラー11及び第2ミラー12の位置を再び基準位置に戻し、投射する映像の内容もS2の内容に戻すように構成することが望ましい。また、前記S8において、透過型スクリーン5Aへと投射する映像の内容を、車両の進行方向を示す矢印から車両周辺の地図情報及びナビゲーション装置48で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報へと変更するように構成しても良い。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るHUD1によれば、プロジェクタ4から投射された映像を表示する為のスクリーンを透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bから構成し、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bに投射された映像を凹面鏡6及び車両2のフロントウィンドウ7に反射させてそれぞれ車両の乗員8に視認させることによって、車両の乗員8が視認する映像の虚像を生成する。また、HUD1は、透過型スクリーン5Aによって透過された光源の光路である第1光路と、反射型スクリーン5Bによって反射された光源の光路である第2光路との一部を重複させるように構成する。その結果、乗員8からの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することが可能となる。その一方で、複数のスクリーンを用いた場合であっても従来のようにスクリーンの隙間に該当するエリアが暗く視認されることなく、虚像が分断される等の不具合も解消できる。その結果、ユーザに違和感を感じさせることのない適切な虚像を生成することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD1によって車両2のフロントウィンドウ7の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ7以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD1により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ7自身ではなくフロントウィンドウ7の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では車両2に対してHUD1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に虚像を生成し、ライドの乗員に対して虚像を視認させることが可能となる。
また、本実施形態では透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bを一体に構成しているが、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bは必ずしも一体である必要はない。尚、プロジェクタ4がレーザプロジェクタであれば、スクリーン毎のプロジェクタからの距離が異なっていても、映像を適切に表示可能である。
また、本実施形態では透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bとにそれぞれ異なる映像を表示する構成としているが、透過型スクリーン5Aと反射型スクリーン5Bに跨った映像を表示する構成としても良い。本実施形態では各スクリーンの間にある隙間によって虚像が分断されないので、よりサイズの大きい虚像についても適切に生成することが可能となる。
また、本実施形態では第1ミラー11及び第2ミラー12を光路に沿って一体に移動させることによって、透過型スクリーン5Aから凹面鏡6までを結ぶ第1光路22の光路長X1を変更する構成としているが、第1ミラー11や第2ミラー12は固定とし、スクリーン5や凹面鏡6を光路に沿って移動させることによって、光路長X1を変更する構成としても良い。また、第1ミラー11と第2ミラー12は一体で移動可能な構成であれば、別々の駆動源で駆動させる構成としても良い。
また、本実施形態では投射レンズが不要となるレーザ走査式プロジェクタを用いているが、レーザ走査式プロジェクタ以外のプロジェクタ(例えば、DLPプロジェクタ、液晶プロジェクタ、LCOSプロジェクタ)を用いても良い。
また、本実施形態ではHUD1のCPU31が虚像生成処理プログラム(図13)の各ステップを実行する構成としているが、HUD1以外の車載器(例えばナビゲーション装置48)や車両の制御を行うECU等が一部または全部の処理を実行する構成としても良い。
また、本発明に係る虚像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
光源(18)から出力される光に基づいて生成される映像を投射するプロジェクタ(4)と、前記光源の光を透過させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第1映像を表示する透過型スクリーン(5A)と、前記光源の光を反射させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第2映像を表示する反射型スクリーン(5B)と、前記透過型スクリーンに表示された前記第1映像と前記反射型スクリーンに表示された前記第2映像をそれぞれ反射させてユーザに視認させることによって前記第1映像及び前記第2映像の虚像(9A、9B)を生成する投影鏡(6)と、を有し、前記透過型スクリーンによって透過された前記光源の光路である第1光路(22)と、前記反射型スクリーンによって反射された前記光源の光路である第2光路(23)との一部を重複させる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、映像を表示する映像表示面として、透過型スクリーンと反射型スクリーンの2つのスクリーンを用いることによって、ユーザからの距離が異なる位置に複数の虚像を同時に生成することが可能となる。その一方で、透過型スクリーンによって透過された光源の光路と、反射型スクリーンによって反射された光源の光路とを重複させることによって、複数のスクリーンを用いた場合であっても従来のようにスクリーンの隙間に該当するエリアが暗く視認されることなく、虚像が分断される等の不具合も解消できる。その結果、ユーザに違和感を感じさせることのない適切な虚像を生成することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記透過型スクリーン(5A)から前記投影鏡(6)までを結ぶ前記第1光路(22)の光路長と、前記反射型スクリーン(5B)から前記投影鏡までを結ぶ前記第2光路(23)の光路長と、が異なる距離である。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、透過型スクリーンに投射した映像に基づく虚像と反射型スクリーンに投射した映像に基づく虚像を、それぞれユーザからの距離が異なる位置に同時に生成することが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記透過型スクリーン(5A)及び前記反射型スクリーン(5B)は、連続した一の面により構成される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、複数のスクリーンを一体に構成することによって、複数のスクリーンを用いた場合であっても装置をより小型化且つ簡略化することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記第1映像と前記第2映像とは異なる映像である。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、異なる映像に基づく虚像をユーザからの距離が異なる位置に同時に生成することが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記第1光路(22)に沿って前記透過型スクリーン(5A)と前記投影鏡(6)との間に配置され、前記透過型スクリーンから第1方向で入射する前記第1光路(22)を、前記投影鏡(6)へ向かうとともに前記第1方向と平行且つ逆方向となる第2方向に変更する反射ミラー(11、12)を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、透過型スクリーンを透過した光源の光路を反射ミラーにより折り返すことによって、透過型スクリーンを透過した光源の光路と反射型スクリーンを反射した光源の光路との一部を重複させ、光路の方向も同一方向とすることが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記反射ミラー(11、12)から前記投影鏡(6)までの間の前記第1光路(22)と、前記反射型スクリーン(5B)から前記投影鏡(6)までの間の前記第2光路(23)との一部を重複させる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、透過型スクリーンを透過した光源の光路を反射ミラーにより折り返すことによって、折り返した後の透過型スクリーンを透過した光源の光路と反射型スクリーンを反射した光源の光路とを適切に重複させることが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記反射ミラー(11、12)を前記第1方向に沿って移動させる移動機構(24)を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、反射ミラーの位置を変位させることによって透過型スクリーンから投影鏡までの光路長を変更し、ユーザから透過型スクリーンに表示された映像に基づいて生成される虚像までの距離について任意に変更可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記ユーザから前記第1映像の虚像(9A)までの距離である生成距離を決定する生成距離決定手段(31)と、前記生成距離決定手段により決定された前記生成距離に対応する位置に前記第1映像の虚像を生成する為の前記反射ミラーの位置を決定するミラー位置決定手段(31)と、を有し、前記移動機構(24)を制御して前記ミラー位置決定手段によって決定された位置に前記反射ミラー(11、12)を移動させる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、反射ミラーの位置、即ち透過型スクリーンから投影鏡までの光路長を制御することによって任意に設定された位置に虚像を生成することが可能となる。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
2 車両
3 ダッシュボード
4 プロジェクタ
5 スクリーン
5A 透過型スクリーン
5B 反射型スクリーン
6 凹面鏡
7 フロントウィンドウ
8 乗員
9 虚像
10 フロントカメラ
11 第1ミラー
12 第2ミラー
22 第1光路
23 第2光路
24 ミラー駆動モータ
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ

Claims (8)

  1. 光源から出力される光に基づいて生成される映像を投射するプロジェクタと、
    前記光源の光を透過させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第1映像を表示する透過型スクリーンと、
    前記光源の光を反射させることによって前記プロジェクタから投射された映像の一部である第2映像を表示する反射型スクリーンと、
    前記透過型スクリーンに表示された前記第1映像と前記反射型スクリーンに表示された前記第2映像をそれぞれ反射させてユーザに視認させることによって前記第1映像及び前記第2映像の虚像を生成する投影鏡と、を有し、
    前記透過型スクリーンによって透過された前記光源の光路である第1光路と、前記反射型スクリーンによって反射された前記光源の光路である第2光路との一部を重複させる虚像表示装置。
  2. 前記透過型スクリーンから前記投影鏡までを結ぶ前記第1光路の光路長と、前記反射型スクリーンから前記投影鏡までを結ぶ前記第2光路の光路長と、が異なる距離である請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記透過型スクリーン及び前記反射型スクリーンは、連続した一の面により構成される請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記第1映像と前記第2映像とは異なる映像である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の虚像表示装置。
  5. 前記第1光路に沿って前記透過型スクリーンと前記投影鏡との間に配置され、前記透過型スクリーンから第1方向で入射する前記第1光路を、前記投影鏡へ向かうとともに前記第1方向と平行且つ逆方向となる第2方向に変更する反射ミラーを有する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の虚像表示装置。
  6. 前記反射ミラーから前記投影鏡までの間の前記第1光路と、前記反射型スクリーンから前記投影鏡までの間の前記第2光路との一部を重複させる請求項5に記載の虚像表示装置。
  7. 前記反射ミラーを前記第1方向に沿って移動させる移動機構を有する請求項5又は請求項6に記載の虚像表示装置。
  8. 前記ユーザから前記第1映像の虚像までの距離である生成距離を決定する生成距離決定手段と、
    前記生成距離決定手段により決定された前記生成距離に対応する位置に前記第1映像の虚像を生成する為の前記反射ミラーの位置を決定するミラー位置決定手段と、を有し、
    前記移動機構を制御して前記ミラー位置決定手段によって決定された位置に前記反射ミラーを移動させる請求項7に記載の虚像表示装置。
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