JP6519035B2 - 非磁性高強度ステンレス鋼加工品およびその製造方法並びにその製造装置 - Google Patents
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Description
かかる課題を解決するため、非磁性γステンレス鋼を用いた高硬度非磁性小物精密部品の鍛造加工法が開示されている(特許文献1)。また、室温から350℃で加工する冷温間鍛造部品の加工法が開示されている(特許文献2)。
温間鍛造加工装置の温度管理(特許文献3)、金型温度管理(特許文献4)についても開示されている。
被加工金属素材の塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下に維持することにより、本願発明の課題であるオーステナイト系ステンレス鋼材(SUS304)の加工誘起マルテンサイト変態を防ぎ、耐食性。機械的性質に優れた高硬度非磁性小物精密部品を生産性よく提供するとともに、高強度な二相組織(オーステナイト・フェライト)ステンレス鋼材(SUS329JI)の鍛造加工が可能となるからである。
本願発明は金属素材の塑性変形温度が170℃以上400℃以下に維持されていることを特徴とする自動連続鍛造装置である。
図1は、本願発明の自動連続鍛造装置と自動連続鍛造装置における被加工金属素材の流れを示す模式図である。本願発明の自動連続鍛造装置(1)は、被加工金属素材(3)を加熱炉(4a)で加熱した後、温度制御された金型からなる鍛造機構部(2a,2b,2c)と、前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に設けられた温度制御された保温機構部(6a,6b)とを同一鍛造装置内に備える自動連続鍛造装置である。複数の鍛造機構部(2a,2b,2c)が同一鍛造装置内に備わることにより被加工金属素材(3)の加工を一貫して行うことができるため生産性が高く、鍛造加工品(3)を安価に製造できる。
温度制御された保温機構部(6a,6b)は、温度制御された金型からなる鍛造機構部(2a,2b,2c)の間に設けられ、金属素材の搬送手段(5)によって被加工金属素材(3)が搬送される過程において、被加工金属素材(3)の温度を所定範囲内(170℃〜400℃)に保温維持する役割を担う。被加工金属素材(3)の温度を所定範囲内(170℃〜400℃)に維持制御することは極めて難しいので温度制御された保温機構部(6a,6b)は、重要な役割を担うものである。ただし、被加工金属素材(3)の鍛造加工を短時間で行う場合、例えば、平つぶし温間鍛造加工などでは、塑性変形温度を所定範囲内(170℃〜400℃)に保温維持できれば、温度制御された保温機構部(6a,6b)を適宜省略することができる。
金属素材の搬送手段(5)は、被加工金属素材(3)を加熱炉(4a)、鍛造機構部(2a)、保温機構部(6a)、鍛造機構部(2b)、再加熱炉(4b)、保温機構部(6b)、鍛造機構部(2c)の順に搬送する搬送装置であり、ロボットアームが用いられている。
図2は、本願発明の自動連続鍛造装置の温度管理システムを示す模式図である。加熱炉(4a,4b)、鍛造機構部(2a,2b,2c)、保温機構部(6a,6b)は、温度計測を行うことで所定の温度に維持されている。温度計測は、高速で測定でき、かつ非接触で測定可能な放射温度計を用いて行う。具体的には、加熱炉(4a,4b)は、300℃〜500℃、鍛造機構部(2a,2b,2c)は、170℃〜400℃、保温機構部(6a,6b)は、200℃〜400℃である。特に、鍛造機構部(2a,2b,2c)の金型温度は、プレス加工毎に温度測定値をリアルタイムに取り込み、温度制御プログラムで処理され、金型温度制御処置により温度制御される。温度制御プログラムは、事前に温度分布シミュレーションを実施して、図4に示す保温金型の加熱温度と被加工金属素材(3)の温度差を求めた結果が入力されている。これにより被加工金属素材(3)の鍛造機構部(2a,2b,2c)における塑性変形温度が170℃以上400℃以下に維持される。
図3は、本願発明の自動連続鍛造装置の鍛造機構部を示す模式図である。本願発明の鍛造機構部は上面金型と底面金型で構成され、上面金型(パンチ部)と底面金型(ダイス部)には、加熱ヒータ(7)が側面に配置され、上面または底面には断熱プレート(9)が配置されている。また断熱プレートには水冷パイプ(図示せず)が付設され装置の過熱を防いでいる。また、上面金型(パンチ部)と底面金型(ダイス部)には温度センサ(8)が接続されて金型温度(以下、「金型保持温度」という。)がリアルタイムに測定される。
図4は、金型側面に配置した加熱ヒータ(7)を例示したものである。加熱ヒータ(7)、いわゆるカートリッジ式加熱ヒータを金型の周囲に複数本(図4では、8本)均等に配置する。
図5は、本願発明の自動連続鍛造装置の保温機構部を示す模式図である。本願発明の保温機構部は、被加工金属素材(3)を保持して保温する保温プレート(12)と保温プレートを加熱する保温プレート加熱用プレートヒータ(13)と保温プレート(12)と保温プレート加熱用プレートヒータ(13)を保持する固定板(15)からなる底部と、放熱用遠赤外線セラミックヒータ(11)とこれを保持する固定板(10)からなる上部から構成されている。保温プレート(12)には、温度測定用温度センサ(14)が接続されて保温プレート(12)の温度がリアルタイムに測定される。上部に設けられた放熱用遠赤外線セラミックヒータ(11)により被加工金属素材(3)の温度は安定に制御することができる。
図6は、本願発明の自動連続鍛造装置における被加工金属素材(SUS304)の加工温度(実施例2として後述する。)を、保温機構部を備えない自動連続鍛造装置における加工温度(比較例2として後述する。)を対比したグラフである。
保温機構部を搬送工程に備える本願発明(高度に温度管理された温間鍛造プロセス)では、被加工金属素材(SUS304)の加工温度の変動が30℃以下、搬送工程における温度低下を30℃以内に留めることができる。これにより、鍛造加工品の寸法精度が向上する。
また、鍛造1〜3のプレス加工において、被加工金属素材(SUS304)の加工温度を170℃〜230℃の範囲に留めることができる。これにより、加工誘起マルテンサイトの発生温度(100℃)を超える温度に維持でき、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)加工品の非磁性を維持できる。一方、搬送工程に保温機構部を備えない自動連続鍛造装置では、被加工金属素材(SUS304)の加工温度は工程が進むごとに低下した。これにより、鍛造3では、加工誘起マルテンサイトの発生温度(100℃)を超える温度を下まわり、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)加工品に磁性を生じる可能性がある。
<実施例1・比較例1>
(1)平つぶし温間鍛造加工
加工金属素材としてオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の丸棒材(φ12.6mm,t5.8mm)を加熱炉で450℃に加熱した後、金型保持温度250℃として、圧下率5%〜60%の平つぶし温間鍛造加工を行った。
一方、加工金属素材としてオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の丸棒材(φ12.6mm,t5.8mm)の加熱を行わず、金型保持温度25℃(常温)として、圧下率5%〜30%の平つぶし冷間鍛造加工を行った。
ここで、圧下率とは素材を初期厚さから所定の厚みに潰した割合をいう。例えば、初期厚み10mmから厚み7mmへ潰したときは、圧下率は、(10−7)/10=30%となる。
平つぶし温間鍛造加工品(実施例1)と平つぶし冷間鍛造加工品(比較例1)について、表面及び内部のビッカース硬さ(HV0.2)、比透磁率(μs)、加工誘起マルテンサイト分率(%)の評価を行った。なお、表面ビッカース硬さ(HV0.2)は、表面より0.05mmの位置で測定し、内部ビッカース硬さ(HV0.2)は、板厚中心の位置で測定した。また、内部評価サンプルは、電解研磨装置(ビューラーITWジャパン製 エレクトロメット4 70−1830)を用いて作製した。結果のまとめを表1に示す。
ビッカース硬さ(HV0.2)は、マイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製 HM220D)により測定した。平つぶし温間鍛造加工品(実施例1)と平つぶし冷間鍛造加工品(比較例1)について、圧下率(%)とビッカース硬さ(HV0.2)の関係を図7に示す。
温間鍛造加工品(実施例1)は、圧下率の増加に伴うビッカース硬さ(HV0.2)の変化は、0%〜5%(表面:240→341,内部240→262)では急増するが、圧下率5%〜60%(表面:341→390,内部262→346)と漸増であり、ビッカース硬さ(HV0.2)の圧下率依存性は低く、ビッカース硬さ(HV0.2)は安定している。これにより、表面硬度のみを必要とする高硬度非磁性小物精密部品を製作することができる。一方、冷間鍛造加工品(比較例1)では、圧下率5%〜30%の範囲においても、0%〜5%(表面:240→292,内部240→266)、圧下率5%〜30%(表面:292→414,内部266→365)と変化の傾向は同じく、急増している。ビッカース硬さ(HV0.2)の圧下率依存性は高い。
透磁率とは、磁場の強さ(H) と磁束密度(B)との間の関係をB=μHで表した時の比例定数(μ)である。また、真空の透磁率(μ0)との比(μ/μ0)を比透磁率(μs)といい、均質で等方的な媒質の比透磁率(μs)は、光学波長域では1である。オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)では1.003〜1.007であり、非磁性ステンレス鋼である。
比透磁率(μs)は、磁気特性評価装置(電子磁気工業製 透磁率計LP−141A)により測定した。平つぶし温間鍛造加工品(実施例1)と平つぶし冷間鍛造加工品(比較例1)について、圧下率(%)と比透磁率(μs)の関係を図8に示す。
温間鍛造加工品(実施例1)は、圧下率5%〜60%において、比透磁率(μs)は、いずれも1.004〜1.007と安定しており、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)本来の特性を維持している。このことは、本願発明の温間鍛造加工では圧下率を高くした鍛造加工ができる。一方、冷間鍛造加工品(比較例1)では、圧下率5%〜30%においても、比透磁率(μs)は、1.008〜1.242と増加しており、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)本来の特性は失われている。
加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)は、X線回折装置(リガク UltimaIV)によるX線回折から得られる回折線(γ220,γ311,α’211)の積分強度(I)から、以下の式(Miller式)より求めた。すなわち、
オーステナイト相の積分強度の平均値 (Iγ)=I(220)+I(311)
式(1)
加工誘起マルテンサイト相の積分強度の平均値 (Iα’)=Iα’(211) 式(2)
オーステナイト相分率 (Vγ)=1.4*(Iγ)/((Iα’)+1.4*(I γ)) 式(3)
加工誘起マルテンサイト相分率 (Vα’)=100−(Vγ) 式(4)
また、X線回折条件は、以下の通りである。
〔X線回折条件〕
管球 Cu−Kα
検出器 半導体1次元検出器
走査速度 10°/min
走査角(2θ) 70〜90°
平つぶし温間鍛造加工品(実施例1)と平つぶし冷間鍛造加工品(比較例1)について、圧下率(%)と加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)の関係を図9に示す。
温間鍛造加工品(実施例1)の加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)は、圧下率5%〜60%において、(表面:16〜28,内部2〜6)であり、表面に加工誘起マルテンサイト相が多く発生している。加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)とビッカース硬さ(HV02)との相関が高い(図10)ことから、温間鍛造加工品(実施例1)で表面硬度、ビッカース硬さ(HV0.2)が高いのは、温間鍛造加工品(実施例1)で表面の加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)の高さに起因するものと考えられる。一方、冷間鍛造加工品(比較例1)では、圧下率5%〜30%において、加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)は、(表面:21〜44,内部8〜17)と圧下率に伴い増加する傾向にあり、表面、内部とも温間鍛造加工品(実施例1)に比べて高い。
(1)電子部品用スクレーパー
図11に示すように、電子部品用スクレーパー(21)は、ガイドテープ(22)に貼りつけられた電子部品(24)の保護フィルム(23)を剥すための小物精密部品である。保護フィルム(23)を剥離された電子部品(24)は、次工程で基盤に吸着して挿入される。電子部品用スクレーパー(21)は電子部品(24)に直接触れるものであり、電子部品(24)の材質はセラミックスであることから摩耗が激しい。
オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)は、ビッカース硬さ(HV0.2)が160と低いため、圧延により高硬度としたバネ用ステンレス鋼(SUS301等)を切削加工して使用されている。しかしながら、切削加工では、加工精度が低く、電子部品との接触面で要求される平面性(平面度:0.02以下)を満足していない。また、高硬度ステンレス鋼(SUS304CSP)は磁性を帯びており、セラミックス製電子部品の性質上問題がある。
このため、安価なオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)製で、ビッカース硬さ(HV0.2)が320以上、非磁性、平面度0.02以下の電子部品用スクレーパー(21)、いわゆる高硬度非磁性小物精密部品を本願発明の温間鍛造加工で作製した。
電子部品用スクレーパーの加工品の全体模式図と先端部の平面写真と断面模式図を図12に示す。
加工金属素材としてオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の平板(42mm×73mm×t1mm)を加熱炉で400℃に加熱した後、金型保持温度280℃として、先端部(A)を圧下率90%、傾斜部(B)の圧下率50%とする本願発明の温度制御された連続温間鍛造加工を行った(実施例2)。
一方、加工金属素材としてオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の平板(42mm×73mm×t1mm)の加熱を行わず、金型保持温度25℃(常温)として、先端部(A)を圧下率90%、傾斜部(B)の圧下率50%とする温度制御を行わない連続温間鍛造加工を行った(比較例2)。
本願発明の温度制御された連続温間鍛造加工品(実施例2)と温度制御を行わない連続温間鍛造加工品(比較例2)について、表面及び内部のビッカース硬さ(HV0.2)、比透磁率(μs)、加工誘起マルテンサイト分率(%)の評価を行った。なお、ビッカース硬さ(HV0.2)、比透磁率(μs)、加工誘起マルテンサイト分率(%)の評価は、<実施例1・比較例1>と同様に行った。結果のまとめを表2に示す。
(4)電子部品用スクレーパーの先端部平面度評価
本願発明の温度制御された連続温間鍛造加工品(実施例2)について、先端部(A)の平面度を平面粗さ測定機(キーエンス社製 ワンショット3D形状測定機)を用いて計測した。平面度は0.006〜0.016mm(n=3)であった。実測データを図13に示す。
本願発明の温度制御された連続温間鍛造加工品(実施例2)は、圧下率90%の先端部(A)において、表面ビッカース硬さ(HV0.2)490と電子部品用スクレーパーの加工品に要求される360以上を大幅に超えた。加工誘起マルテンサイト相分率(Vα’)は10%、比透磁率(μs)は、1.005とオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)固有の比透磁率(μs)1.003〜1.007の範囲であり、非磁性であった。平面度も、0.006〜0.016mm(n=3)と良好であった。
一方、温度制御を行わない連続温間鍛造加工品(比較例2)では、圧下率90%の先端部(A)において、比透磁率(μs)を下げるために溶体化処理を行う必要があり、溶体化処理を行うと、表面ビッカース硬さ(HV0.2)200と電子部品用スクレーパーの加工品に要求される360以上を満たさなかった。
(1)冷蔵庫用コンプレッサ部品(SUS329JI製ハウジング)
冷蔵庫用コンプレッサ部品であるハウジングは、冷蔵庫を安全に稼働する上で必要な部品であり、耐久性の観点から高強度ステンレス鋼(SUS329JI)が用いられている。高硬度小物精密部品であるため切削加工が行われているが、需要にこたえるため月産200万個以上の生産供給が求められている。このため、冷蔵庫用コンプレッサ部品であるハウジングを、被加工金属素材を高強度ステンレス鋼(SUS329JI)として、本願発明の自動連続鍛造装置により、本願発明の温度制御された連続温間鍛造加工を実施例2と同様の条件で製作した。
図14は、本願発明の自動連続鍛造装置により加工した冷蔵庫用コンプレッサ部品の素材硬さと製品の全体写真と断面写真である。角部R0.02の高硬度小物精密部品(SUS329JI製ハウジング)を温間鍛造により連続して作製することができた。
2a 2b 2c 鍛造機構部
3 被加工金属素材
4a 4b 加熱炉
5 搬送装置
6a 6b 保温機構部
7 加熱ヒータ
8 温度センサ
9 断熱プレート
10 固定板
11 放熱用遠赤外線セラミックヒータ
12 保温プレート
13 保温プレート加熱用プレートヒータ
14 温度測定用温度センサ
15 固定板
21 電子部品用スクレーパー
22 ガイドテープ
23 保護フィルム
24 電子部品
Claims (5)
- 複数の温度制御された金型からなる鍛造機構部、及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に温度制御された保温機構部、を備える自動連続鍛造装置であって、前記温度制御された金型からなる鍛造機構部及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に温度制御された保温機構部のいずれにおいても、被加工金属素材であるオーステナイト系ステンレス鋼、またはオーステナイトとフェライトの二相組織構造からなるステンレス鋼のいずれかの塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下に維持されていることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼、またはオーステナイトとフェライトの二相組織構造からなるステンレス鋼のいずれか、からなる高硬度非磁性小物精密部品の製造用自動連続鍛造装置。
- 温度制御された金型からなる鍛造機構部及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に備わる温度制御された保温機構部のいずれにおいても、被加工金属素材の塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下に維持された自動連続鍛造装置によるオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法であって、圧下率5%〜90%に鍛造加エされた前記オーステナイト系ステンレス鋼加工品の比透磁率が1.01以下であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法。
- 温度制御された金型からなる鍛造機構部及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に備わる温度制御された保温機構部のいずれにおいても、被加工金属素材の塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下に維持された自動連続鍛造装置によるオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法であって、圧下率5%〜90%に鍛造加エされた前記オーステナイト系ステンレス鋼加工品において、圧下率5%〜90%のいずれにおいても表面ビッカース硬さ(HV0.2)が内部ビッカース硬さ(HV0.2)より高く、前記表面ビッカース硬さ(HV0.2)が320以上500以下、内部ビッカース硬さ(HV0.2)が260以上460以下であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法。
- 温度制御された金型からなる鍛造機構部及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に備わる温度制御された保温機構部のいずれにおいても、被加工金属素材の塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下に維持された自動連続鍛造装置によるオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法であって、圧下率5%〜60%における表面加工誘起マルテンサイト相の分率が10%以上30%以下であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼加工品の製造方法。
- 複数の温度制御された金型からなる鍛造機構部及び前記温度制御された金型からなる鍛造機構部の間に備わる温度制御された保温機構部のいずれにおいても、被加工金属素材であるオーステナイト系ステンレス鋼、またはオーステナイトとフェライトの二相組織構造からなるステンレス鋼のいずれかの塑性変形温度が170℃以上400℃以下であって、かつ温度変動が30℃以下を維持されていることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼、またはオーステナイトとフェライトの二相組織構造からなるステンレス鋼のいずれか、からなる高硬度非磁性小物精密部品の温間鍛造方法。
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