JP6593820B1 - 温度制御された温間シェービング加工法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼き入れ、焼き戻しによる鋼材物性の変性を伴うことなく、ダレ量が少なく、シェービング加工面の端面精度が高く、取り代を少なくして剪断面の破断がない温間シェービング加工法を提供する。【解決手段】 表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材の温間シェービング加工法であって、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で前記高硬度鋼の表層のみを450℃〜550℃に加熱処理する表層加熱処理工程と、前記表層加熱処理された高硬度鋼を温度変動が20℃以下に温度制御された金型を用いて200℃〜300℃でシェービング加工するシェービング加工工程、からなる高硬度鋼材の温間シェービング加工方法である。温間シェービング加工は、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉と温度変動が20℃以下に温度制御された金型からなる加工部で構成される鋼材端面シェービング加工装置により行う。【選択図】図1

Description

本願発明は、温度制御された加熱炉と温度制御された金型を用いて、高い硬度と強度を保つ優れた機械的性質及び高い寸法精度が要求される油圧減速機、自動車等に用いられる、比較的厚い、高精度の歯形を有する各種歯車等の精密金属部品の加工装置と加工方法に関する。特に、成形によるダレ込みが少なく、平滑で端面精度の高い精密金属部品を製造できるシェービング加工装置とシェービング加工方法に関する。
自動車部品として使用される各種歯車等の精密機械部品は、鍛造加工により製造され、また、耐食性、高い硬度と強度を保つ優れた機械的性質、高い寸法精度が要求される。このため、精密機械部品の素材には、耐食性、高い硬度と強度を保つ優れた機械的性質を持つ高硬度鋼が採用されている。また、精密機械部品は、高い寸法精度を要求されることから、鍛造加工後に、切削加工、シェービング加工等の仕上げ加工が行われる。
特許文献1及び2には、切削加工の生産性を改善するため、鋼製機械部品の仕上げ加工法として、焼き入れ・焼き戻しによる素材調質時の焼き戻し直後の焼き戻し温度で温間シェービング加工を行うことにより、高い寸法精度を得る焼戻温間シェービング加工について開示されている。
しかしながら、焼戻温間シェービング加工法においては、焼き入れ、焼き戻しによる鋼材物性の変性による表面硬度の低下、鋼材温度上昇によるダレ量の増加、シェービング加工面の端面精度の低下、シェービング加工による取り代の増加が問題となっている。
特開平1−306025号公報 特開平2−117720号公報
本願発明は、焼き入れ、焼き戻しによる鋼材物性の変性を伴うことなく、ダレ量が少なく、シェービング加工面の端面精度が高く、取り代を少なくして剪断面の破断がない温間シェービング加工法を提供することにある。
本願発明の課題は、以下の態様(1)乃至(4)により解決できる。具体的には、
(態様1) 表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材の温間シェービング加工法であって、炉内温度差を5℃以内に温度制御できる温度制御機構及び被加工鋼材を載置できる搬送機構を備える加熱炉で前記高硬度鋼材の表層のみを450℃〜550℃に加熱処理する表層加熱処理工程と、前記表層加熱処理された高硬度鋼材を温度変動が20℃以下に温度制御された金型を用いて200℃〜300℃でシェービング加工するシェービング加工工程、からなる高硬度鋼材の温間シェービング加工方法である。
炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で、高硬度鋼材の表層のみを450℃〜550℃に加熱処理する表層加熱処理により、寸法精度を確保するために行うシェービング加工に必要な加工取り代を考慮した高硬度鋼材の表層のみを450℃〜550℃にすることになる。これにより、シェービング金型による材料の引き込まれにより生ずるダレ量を少なくすることができ、また加工に必要な加工取り代も少なくできるという効果がある。
ここで、本願発明の表層とは、シェービング加工に必要な加工取り代に近似する高硬度鋼材の表層厚みをいい、具体的には、0.5mm以下、好ましくは、0.1〜0.2mmである。
(態様2) 前記表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材が、冷間鍛造用鋼材を直前にプレス加工したものであることを特徴とする前記(態様1)に記載した高硬度鋼材の温間シェービング加工方法である。
表面硬度が180HV未満の冷間鍛造用鋼材は、プレス加工することにより、表面硬度を180HV〜320HVにすることができるからである。このような処理をした冷間鍛造用鋼材も、本発明の高硬度鋼材として採用することができる。
(態様3) 炉内温度差を5℃以内に温度制御できる温度制御機構及び被加工鋼材を載置できる搬送機構を備え、前記被加工鋼材の表層温度のみを450℃〜550℃に加熱処理できる加熱炉と、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型からなる加工部と、を備える鋼材端面のシェービング加工装置である。
自動車部品として使用される各種歯車等の精密機械部品の寸法精度を確保するためのシェービング加工は、炉内温度差を5℃以内に温度制御できる温度制御機構及び被加工鋼材を載置できる搬送機構(例、搬送チェーン)を備え、前記被加工鋼材の表層温度のみを450℃〜550℃に加熱処理できる加熱炉と、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型からなる加工部と、を備える鋼材端面のシェービング加工装置により実現できるからである。加熱炉内壁に設けた側面ヒータ及び被加工鋼材を加熱炉に搬入し搬出する側に設けたカートリッジ式加熱ヒータからなる熱源、並びに側面ヒータ及びカートリッジ式加熱ヒータを温度制御する加熱炉温度制御装置により、炉内温度差を5℃以内に温度制御できる。
(態様4) 前記被加工鋼材が表面硬度180HV〜320HVの高硬度鋼材であることを特徴とする前記(態様3)に記載した鋼材端面のシェービング加工装置である。高硬度精密部品のシェービング加工に用いる装置だからである。
本願発明によれば、焼き入れ、焼き戻しによる鋼材物性の変性を伴うことなく、ダレ量が少なく、シェービング加工面の端面精度が高く、取り代を少なくして剪断面の破断がない温間シェービング加工法を提供することができる。
本願発明の温間シェービング加工方法の流れを示す模式図である。 本願発明の温度制御された加熱炉の構造を示す平面図である。 本願発明の温度制御された加熱炉の構造を模式的に示す平面図である。 本願発明の温度制御された加熱炉の構造を模式的に示す斜視図である。 本願発明の温度制御された加熱炉の温度制御機構を示す模式図である。 本願発明の温度制御されたシェービング金型断面構造を示す模式図である。 本願発明の温度制御されたシェービング金型配置したカートリッジ式加熱ヒータと保温プレートの配置図である。 本願発明の温度制御されたシェービング金型の温度制御機構を示す模式図である。 ダレ量を計測する厚板ギア形状の部位を示す斜視図である。 シェービング加工品の破断形態を示す写真である。
本願発明は、温度制御された加熱炉と温度制御されたシェービング金型を用いて、表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材を用いて、高い硬度と強度を保つ優れた機械的性質及び高い寸法精度が要求される油圧減速機、自動車等に用いられる、比較的厚い、高精度の歯形を有する各種歯車等の精密金属部品のシェービング加工方法及び加工装置である。
図1に示すように、本願発明の加工方法は、表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材の表層を450℃〜550℃に加熱処理する表層加熱処理工程と、前記表層加熱処理された高硬度鋼を温度変動が20℃以下に温度制御された金型を用いて200℃〜300℃でシェービング加工するシェービング加工工程、からなる高硬度鋼材の温間シェービング加工方法である。なお、被成形鋼材の表面硬度が180HV以下である場合は、前記被成形鋼材に事前プレス処理を行って、被成形鋼材の表面硬度を180HV〜320HVとする。
本願発明の表面硬度が180Hv〜320Hvの高硬度鋼材としては、機械構造用炭素鋼(SC)のほか、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)等の金属との合金、例えば、クロムモリブデン鋼(SCM)、クロム鋼(SCR)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)がある。さらには、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)に、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)の強度向上元素を添加した合金鋼がある。
表面硬度(ビッカース硬さ HV)が180HV〜320HVの高硬度鋼材は、寸法精度、シェービング金型の耐久性の観点から、温間シェービング加工(450℃〜550℃)が適しているからである。
本願発明の温間シェービング加工方法は、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉(図2〜図5)及び温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング用金型(図6〜図8)からなる加工装置により実現できる。
以下、本発明の温度制御された加熱炉及び温度制御されたシェービング金型について説明する。
(1)温度制御された加熱炉
本願発明は、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉により、高硬度鋼の表層を450℃〜550℃に加熱処理することを特徴とする。
図2は、本願発明の温度制御された加熱炉(1)の構造を示す平面図である。加熱炉(1)は、温度変動を抑えるため、保温プレート(11)が内貼されている。被加工鋼材(図示せず)は、搬送チェーン(13)に装着された搬送冶具に載置する。搬送冶具に載置された被加工鋼材は、搬送チェーン駆動装置(12)により加熱炉(1)内を矢印の順で搬送されて加熱処理される。また、炉内温度は、炉内の四隅と中央にも置けた温度センサ(15)によって、計測されている。温度センサ(15)は天板から差し入れている。
図3及び図4は、本願発明の温度制御された加熱炉の構造を模式的に示す平面図及び斜視図である。加熱炉(1)内には、熱源として、側面ヒータ(18)を4側面に設置し、チェーン搬送路(16)に沿って、カートリッジ式加熱ヒータ(14)を設置している。特に、カートリッジ式加熱ヒータ(14)は、加熱炉内において、被加工鋼材の搬入と搬出のため搬送チェーン駆動装置(12)がある側に偏在して設置されている。これにより、被加工鋼材の搬入及び搬出による温度変化を防ぐことができる。被加工鋼材(図示せず)は、搬送チェーンに装着された搬送冶具(17)により、加熱炉内に搬入されて、表層加熱処理を施された後に、加熱炉内から搬出される。
図5は、本願発明の温度制御された加熱炉の温度制御機構を示す模式図である。加熱炉の温度は、温度センサ(15)を介して温度測定値をリアルタイムに取り込み、温度制御プログラムで処理され、加熱炉温度制御処置により炉内温度差を5℃以内に温度制御されている。
また、被加工鋼材の表層を450℃〜550℃に加熱処理するために必要な処理条件(炉内温度、被加工鋼材の炉内滞留時間)は、被加工鋼材について、事前に温度分布シミュレーションを実施した結果を反映して、加熱炉温度制御装置に入力されている。
ここで、本願発明の表層とは、シェービング加工に必要な加工取り代に近似する高硬度鋼の表層厚みをいい、具体的には、0.5mm以下、好ましくは、0.1〜0.2mmである。高硬度鋼の表層のみを450℃〜550℃に加熱処理することにより、シェービング加工によるダレ量を抑制することができ、高い寸法精度を実現できる。
(2)温度制御されたシェービング金型からなる加工部
図6は、本願発明の温度制御されたシェービング金型の断面構造を示す模式図である。本願発明の温度制御されたシェービング金型(2)は上面金型と底面金型で構成され、上面金型(パンチ部)と底面金型(ダイス部)には、カートリッジ式加熱ヒータ(21)が側面に配置され、カートリッジ式加熱ヒータ(21)の側面及び底面には保温プレート(22)が配置されている。また保温プレートには水冷パイプを循環させた冷却プレート(図示せず)が付設され装置の過熱を防いでいる。プレス可動部の温度上昇は、熱膨張による寸法精度の悪化、機構部の故障の原因となるからである。また、上面金型(パンチ部)と底面金型(ダイス部)には温度センサ(23)が接続されて金型温度がリアルタイムに測定される。これにより、金型温度の変動が20℃以下に保持される。この温度制御されたシェービング金型(2)より、被加工鋼材(24)がシェービンング処理される。
金型温度を200℃〜300℃としてシェービング加工するのは、被加工鋼材の表層温度(450℃〜550℃)より、250℃温度を低くすることにより、シェービング加工精度が保たれるからである
図7は、シェービング金型側面に配置したカートリッジ式加熱ヒータ(21)と保温プレート(22)を示したものである。カートリッジ式加熱ヒータ(21)を金型の周囲に複数本(図7では、4本)均等に配置する。カートリッジ式加熱ヒータ(21)の側面と底面に保温プレート(22)を配置して金型の温度保持効果を高めている。または底面にも保温プレート(22)が配置されている。また保温プレート(22)には水冷パイプ(図示せず)が付設され装置の過熱を防いでいる。また、上面金型(パンチ部)と底面金型(ダイス部)には温度センサ(23)が接続されて金型温度がリアルタイムに測定される。
図8は、本願発明のシェービング金型(2)の温度管理システムを示す模式図である。温度制御されたシェービング金型(2)は、温度計測を行うことで金型の温度が200℃〜300℃かつ温度変動20℃以下に維持されている。温度制御されたシェービング金型(2)の温度は、シェービング加工毎に温度測定値を温度センサ(23)により、リアルタイムに取り込み、温度制御プログラムで処理され、金型温度制御処置により温度制御される。
本願発明の効果を奏する実施態様を実施例として示し、対比した実施態様を比較例として示す。また、対比のまとめを表1〜表3に示す。
<実施例1>
(1)厚板ギア形状の製作
(1−1)事前プレス加工
加工金属素材としてクロムモリブデン鋼(SCM415)の厚板材(板厚11mm)を加熱炉で450℃に加熱した後、金型温度250℃として、平つぶし温間鍛造加工(事前プレス加工)を行い、厚板材(板厚6mm)を得た。得られた厚板材の表面硬度(ビッカース硬さ(HV0.2))をマイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製 HM220D)により測定した。ビッカース硬さ(HV0.2)は、230であった。
(1−2)表層加熱処理
次いで、得られた厚板材(板厚6mm)を、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で、炉内温度470℃、加熱時間10分加熱処理を行った。
(1−3)シェービング処理
次いで、表層加熱処理された厚板材(板厚6mm)を、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型を用いて、金型温度300℃でシェービング加工し、「実施例1品」を得た。取り代は0.2mmであった。
(2)加工品評価
「実施例1品」のギア形状エッジ部(図9)のダレ量は、0.023mmであった。またシェービング加工面の表面粗さ(Ra)は、0.02であり、破断形態は認められなかった。
<比較例1−1>
(1)厚板ギア形状の製作
表層加熱処理の加熱時間を40分とした以外は、実施例1と同様にして、「比較例1−1品」を得た。
(2)加工品評価
「比較例1−1品」のギア形状エッジ部(図9)のダレ量は、0.061mmであった。またシェービング加工面の表面粗さ(Ra)は、0.02であり、破断形態は認められなかった。
<比較例1−2>
(1)厚板ギア形状の製作
(1−1)事前プレス加工
加工金属素材としてクロムモリブデン鋼(SCM415)の厚板材(板厚5mm)について、事前プレス加工を行わなかった。厚板材の表面硬度(ビッカース硬さ(HV0.2))をマイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製 HM220D)により測定した。ビッカース硬さ(HV0.2)は、150であった。
(1−2)表層加熱処理
炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で、炉内温度450℃、加熱時間20分加熱処理を行った。
(1−3)シェービング処理
加熱処理を行った厚板材(板厚5mm)を、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型を用いて、金型温度300℃でシェービング加工し、「比較例1−2品」を得た。取り代は0.3mmであった。
(2)加工品評価
「比較例1−2品」のギア形状エッジ部(図9)のダレ量は、1.066mmであった。またシェービング加工面の表面粗さ(Ra)は、0.02であり、破断形態は認められなかった。
<比較例1−3>
(1)厚板ギア形状の製作
(1−1)事前プレス加工
加工金属素材としてクロムモリブデン鋼(SCM415)の厚板材(板厚5.5mm)を加熱炉で450℃に加熱した後、金型温度250℃として、平つぶし温間鍛造加工(事前プレス加工)を行い、厚板材(板厚5mm)を得た。得られた厚板材の表面硬度(ビッカース硬さ(HV0.2))をマイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製 HM220D)により測定した。ビッカース硬さ(HV0.2)は、200であった。
(1−2)表層加熱処理
表層加熱処理は行わなかった。
(1−3)シェービング処理
厚板材(板厚5mm)を、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型の加熱機能、温度制御機能を停止して、金型温度25℃(常温)でシェービング加工し、「比較例1−3品」を得た。取り代は0.3mmであった。
(2)加工品評価
「比較例1−3品」のシェービング加工面の表面粗さ(Ra)は、0.20であった。
(3)まとめ
(a)炉内温度が同一(470℃)であっても、加熱処理時間が多くなると、表層のみの加熱とならず、同一条件でシェービング処理を行っても、ダレ量が増加する(実施例1vs比較例1−1)。
(b)加工素材の表面硬度がHV180以下であると、表層加熱処理を行っても、ダレ量が増加する(実施例1vs比較例1−2)。
(c)加工素材の表面硬度がHV180以上であっても、表層加熱処理を行わず、かつ冷間シェービング処理であると、表面粗さが大きくなる(実施例1vs比較例1−3)。
<実施例2>
(1)厚板ギア形状の製作
(1−1)事前プレス加工
加工金属素材としてクロムモリブデン鋼(SCM435)の厚板材(板厚15mm)を加熱炉で450℃に加熱した後、金型温度250℃として、平つぶし温間鍛造加工(事前プレス加工)を行い、厚板材(板厚10mm)を得た。得られた厚板材の表面硬度(ビッカース硬さ(HV0.2))をマイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製 HM220D)により測定した。ビッカース硬さ(HV0.2)は、300であった。
(1−2)表層加熱処理
次いで、得られた厚板材(板厚10mm)を、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で、炉内温度500℃、加熱時間30分加熱処理を行った。
(1−3)シェービング処理
次いで、表層加熱処理された厚板材(板厚10mm)を、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型を用いて、金型温度250℃でシェービング加工し、「実施例2品」を得た。取り代は0.1mmであった。
(2)加工品評価
「実施例2品」のシェービング加工面の表面粗さ(Ra)は、0.02であり、破断形態は認められなかった。
<比較例2>
実施例2で製作した厚板材(板厚10mm)について、表層加熱処理を行わず、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型の加熱機能、温度制御機能を停止して、金型温度25℃(常温)でシェービング加工し、「比較例2品」を得た。取り代は0.1mmであった。
(2)加工品評価
「比較例2品」のシェービング加工面は、図10に示す通り破断生じ、表面粗さ(Ra)は、測定できなかった。
(5)まとめ
加工素材の表面硬度がHV180以上であっても、表層加熱処理を行わず、かつ冷間シェービング処理であると、シェービング加工面の表面粗さが大きくなり、破断も生じる(実施例2vs比較例2)。
<実施例3>
(1)厚板ギア形状の製作
(1−1)表層加熱処理
加工金属素材として熱間圧延軟鋼板(SPHC)の厚板材(板厚5mm)を、炉内温度差を5℃以内に温度制御された加熱炉で、炉内温度500℃、加熱時間30分加熱処理を行った。
(1−3)シェービング処理
次いで、表層加熱処理された厚板材(板厚5mm)を、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型を用いて、金型温度300℃でシェービング加工し、「実施例3品」を得た。取り代は0.4mmであった。
(2)加工品評価
「実施例3品」のシェービング加工面の端面精度(上下差)は、0.004であり、破断形態は認められなかった。
<比較例3>
加工金属素材として熱間圧延軟鋼板(SPHC)の厚板材(板厚5mm)を、表層加熱処理を行わず、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型の加熱機能、温度制御機能を停止して、金型温度25℃(常温)でシェービング加工し、「比較例3品」を得た。取り代は0.4mmであった。
(2)加工品評価
「比較例3品」のシェービング加工面の端面精度(上下差)は、0.013であり、破断形態は認められなかった。
(3)まとめ
加工素材の表面硬度がHV180以上であっても、表層加熱処理を行わず、かつ冷間シェービング処理であると、シェービング加工面の端面精度が悪くなる(実施例3vs比較例3)。
本願発明により、耐食性、機械的性質に優れた精密機械部品を生産性よく提供できる。
1 温度制御された加熱炉
11 保温プレート
12 搬送チェーン駆動装置
13 搬送チェーン
14 カートリッジ式加熱ヒータ
15 温度センサ
16 チェーン搬送路
17 搬送冶具
18 側面ヒータ
2 シェービング金型
21 カートリッジ式加熱ヒータ
22 保温プレート
23 温度センサ
24 被加工鋼材

Claims (4)

  1. 表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材の温間シェービング加工法であって、炉内温度差を5℃以内に温度制御できる温度制御機構及び被加工鋼材を載置できる搬送機構を備える加熱炉で前記高硬度鋼材の表層のみを450℃〜550℃に加熱処理する表層加熱処理工程と、前記表層加熱処理された高硬度鋼材を温度変動が20℃以下に温度制御された金型を用いて200℃〜300℃でシェービング加工するシェービング加工工程、からなる高硬度鋼材の温間シェービング加工方法。
  2. 前記表面硬度が180HV〜320HVの高硬度鋼材が、冷間鍛造用鋼材を直前にプレス加工したものであることを特徴とする請求項1に記載した高硬度鋼材の温間シェービング加工方法。
  3. 炉内温度差を5℃以内に温度制御できる温度制御機構及び被加工鋼材を載置できる搬送機構を備え、前記被加工鋼材の表層温度のみを450℃〜550℃に加熱処理できる加熱炉と、温度変動が20℃以下に温度制御されたシェービング金型からなる加工部と、を備える鋼材端面のシェービング加工装置。
  4. 前記被加工鋼材が表面硬度180HV〜320HVの高硬度鋼材であることを特徴とする請求項3に記載した鋼材端面のシェービング加工装置。
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