JP6516952B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、耐摩耗性および騒音性を悪化させることなく、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤに関する。
近年、環境性能の重要性が増してきており、スチールコードを補強部材として用いるタイヤにおいては軽量化のニーズが高まっている。タイヤの軽量化の手法の1つとして、ベルトトリートのゴムの使用量を少なくし、ベルトを薄くすることを挙げることができる。
ベルトトリートのゴム使用量を減らす以外のタイヤ軽量化の手法としては、スチールコードの打込み本数を減らすことが考えられる。しかしながら、スチールコードの打込み本数が少なくなると、ベルトの剛性が低下してしまい、好ましくない。このような状況の中、タイヤの軽量化や耐久性の向上に関して、多くの提案がなされている。例えば、特許文献1ではタイヤの軽量化を目的として、M(M=2〜5)+N(N=1〜3)構造でかつ、フィラメント本数がM≧Nのスチールコードが提案されている。
実開平3−128689号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスチールコードは、スチールコードに対するゴムの浸透性を高めることで耐久性を向上させているが、軽量化については検討されていない。
また、2+3構造のスチールコードをベルトの補強材として用いたタイヤは、従来の1×3構造のような、1×N構造のスチールコードや、2+2構造のスチールコードを用いたタイヤと比較して、接地面が広くなるため、耐摩耗性および騒音性が悪化してしまう場合もあり、これら諸性能の改善も重要である。
そこで、本発明の目的は、耐摩耗性および騒音性を悪化させることなく、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の空気入りタイヤは、少なくとも2層のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ径方向外側に、有機繊維コードがゴム被覆されてなる有機繊維コードとゴムとの複合体がタイヤ周方向に螺旋巻されてなるベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトを構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントを撚り合せることなく並列に配置されたコアと、該コアの周囲に撚り合わされた3本のシースフィラメントと、からなるスチールコードであって、前記コアフィラメントの径をd1、前記シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(4)、
1.1≦d1/d2<1.7 (4)
で表される関係式を満足するスチールコードが、長径がタイヤ幅方向になるようにタイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、かつ、
前記ベルト補強層が、少なくとも前記ベルトの中央部を覆う1層以上の第1ベルト補強層と、前記ベルトの両端部を覆う1層以上の第2ベルト補強層と、からなり、タイヤから取り出した前記第1ベルト補強層を構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod1、タイヤから取り出した前記第2ベルト補強層を構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod2、としたとき、Mod1とMod2とが下記式(2)、
(Mod2/Mod1)>1.1 (2)
で表される関係を満足し、第1ベルト補強層の引張抵抗度が第2ベルト補強層の引張抵抗度より小さく、
前記コアフィラメントの径が、0.16〜0.32mmであり、かつ、前記シースフィラメントの径が、0.12〜0.29mmであることを特徴とするものである。

ここで、ベルトの中央部Bcとは、図1のCLで示すタイヤ幅方向中心線を中心とした、トレッド全幅Twの70%の領域を意味し、ベルトの両端部Bsとは、ベルトの中央部Bcのタイヤ幅方向両外側の各15%の領域を意味する。また、有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度は、JIS L 1017に準拠して算出された、20℃における3%伸び時の値である。
本発明によれば、耐摩耗性および騒音性を悪化させることなく、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一好適例のタイヤ幅方向断面図である。 スチールコードの径の断面図であり、(a)は1×3構造、(b)は、d1=d2の場合の2+3構造、(c)はd1>d2の場合の2+3構造の場合を表す。 本発明のベルトおよびベルト補強層の部分断面図である。 タイヤのベルトの部分部分断面図であり、(a)は、従来のタイヤであり、(b)は本発明に係るタイヤである。 フィラメントの振幅を示す説明図である。 トリートの部分断面図であり、(a)は、H1<H2の場合、(b)はH1>H2の場合である。 本発明の好適な実施形態に係るベルト層の端部近傍を示す部分断面図である。 実施例、比較例および従来例のベルト補強層の構造の模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適例のタイヤ幅方向断面図を示す。図示するタイヤは、カーカスのクラウン領域に配設されて接地部を形成するトレッド部1と、このトレッド部1の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3と、を備えている。トレッド部1、サイドウォール部2およびビード部3は、一方のビード部3から他方のビード部3にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカスプライ4からなるカーカスにより補強されている。また、トレッド部1は、カーカスのクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層の第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとからなるベルト5により補強されている。
本発明のタイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントが撚り合せられることなく並列に配置されたコアと、コアの周囲に撚り合わされたN(2≦N≦4)本、好適には3本のシースフィラメントとからなるスチールコードが、長径がタイヤ幅方向となるように、タイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなるものであって、コアフィラメントの径をd1、シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(1)、
d1>d2 (1)
で表される関係式を満足する。
図2(a)〜(c)は、スチールコードの径の断面図であり、(a)は、従来、タイヤのベルトの補強材として用いられてきた1×3構造の断面図であり、(b)は、(a)の1×3構造と同径のスチールフィラメントを用いた2+3構造の断面図であり、(c)は、(a)の1×3構造と同径のスチールフィラメントをコアとし、これよりも小径のシースフィラメントを用いた2+3構造の断面図である。
図2の(a)と(b)とを比較すると、(a)のスチールコード10の径と、(b)のスチールコード10の短径はほぼ同等であるが、図2の(b)と(c)とを比較すると、2+3構造のスチールコード10の短径はシースフィラメント12の径に支配されていることがわかる。すなわち、シースフィラメント12の径d2をコアフィラメント11の径d1よりも小さくすることにより、2+3構造におけるスチールコード10の短径を小さくすることができる。そのため、d1>d2とすることで、従来のスチールコード10と比べて、ベルト層の厚みを薄くすることができる。また、シースフィラメント12としてコアフィラメント11よりも小径のスチールフィラメントを用いることで、スチールの使用量を減らすことができ、タイヤの軽量化を図ることができる。
また、本発明のタイヤは、ベルト5のタイヤ径方向外側に、有機繊維コードをゴム被覆したリボン状のストリップ材がタイヤ周方向に螺旋巻きされてなるベルト補強層6を有する。図1に示す例では、ベルト補強層6は、ベルトのタイヤ幅方向全幅を覆う第1ベルト補強層6aと、ベルトの両端部のみを覆う第2ベルト補強層6bからなる。第1ベルト補強層6aはタイヤ幅方向に連続的に設けられていてもよいが、タイヤ幅方向に断続的に設けられていてもよい。具体的には、ベルト5の全幅を覆う第1ベルト補強層6aのベルトの中央部Bcのみを、断続的に設けた構造を挙げることができ、例えば、両端部Bsと中央部Bcの補強材の打込みを変えることで製造することができる。
さらに、本発明においては、タイヤから取り出した第1ベルト補強層6aを構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod1、タイヤから取り出した第2ベルト補強層6bを構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod2、としたとき、Mod1とMod2とが下記式(2)、
(Mod2/Mod1)>1.1 (2)
好適には下記式(3)、
1.5<(Mod2/Mod1)<7.0 (3)
で表される関係を満足する。
ベルトの中央部Bcを補強する第1ベルト補強層6aの有機繊維コードが過度に高剛性の繊維からなると、タイヤ転動時に発生する変形に対するエネルギーロスが大きくなり、ベルト補強層6が無い場合、および低剛性の有機繊維コードをベルト補強層6に用いた場合に比べて、転がり抵抗が大きくなってしまう。また、高速走行時には、トレッドゴムとベルト補強層6との間で剥離が生じ、タイヤの耐久性が低下する場合もある。これに対して、高剛性のベルト補強層をベルトの両端部Bsのみに配置し、ベルトの中央部Bcにベルト補強層を設けないことで、上記のような転がり抵抗の悪化を防止することができるが、この場合、タイヤクラウン部の曲率半径が過度に小さくなってしまい、耐偏摩耗性や操縦安定性の低下につながるのみならず、ロードノイズの低減効果が十分に得られない。
そこで、本発明のタイヤにおいては、ベルトの中央部Bcを覆う第1ベルト補強層6aの補強材として、ベルトの両端部Bsを覆う第2ベルト補強層6bの補強材よりも低剛性の有機繊維コードを用いている。かかる構成とすることで、耐摩耗性および騒音性を改善させている。具体的には、第1ベルト補強層6aを構成する有機繊維コードとして、3%伸時の引張抵抗度が3〜10GPaのものを用い、第2ベルト補強層6bを構成する有機繊維コードとして、3%伸時の引張抵抗度が10〜35GPaのものを用いればよい。有機繊維コードの3%伸時の引張抵抗度を上記範囲とした理由は以下のとおりである。すなわち、車内音低減の観点では、第2ベルト補強層6bが高剛性であることが好ましいが、35GPaを超えると走行時の接地幅端部の周方向接地長を短くしすぎる効果があり、偏摩耗を助長する懸念があるからである。また、通過騒音という観点では、第1ベルト補強層6aの剛性が第2ベルト補強層6bの剛性より小さいことが理想的であるが、3GPaより剛性が小さいと、接地面の中央部の周方向接地長が長くなりすぎてしまい、かえって偏摩耗を助長するという懸念があるからである。
本発明においては、ベルト補強層6の補強材である有機繊維コードは、上記要件を満足するものであれば、タイヤ用コードとして既知のものを用いることができるが、有機繊維コードの中でも、第1ベルト補強層6aのコード材質としては、脂肪族ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレート(PET)からなるコードが好ましく、より好適には、6,6−ナイロン繊維からなるコードである。また、第2ベルト補強層6bのコードとしては、弾性率の異なる2種以上の有機繊維コードや、ナイロンのような脂肪族ポリアミドまたはポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステルを少なくとも20質量%以上含むコードを好適に用いることができる。
図3に、本発明のタイヤのベルトおよびベルト補強層の部分断面図を示す。図示するように、ベルト5の最外層ベルト層(図示例では第2ベルト5b)を構成するスチールコード10と、最内層のベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1は0.3mm以上であることが好ましい。D1が0.3mm未満であると、ベルト端部からの亀裂の伝播に起因する故障に係るベルト端部の耐久性が悪化してしまう場合があり好ましくない。ベルト端部の耐久性およびタイヤの軽量性の観点から、本発明のタイヤにおいては、ベルトの最外層ベルト層5bと、最内層のベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1は、好適には0.5〜1.0mmである。
また、本発明のタイヤにおいては、第1ベルト補強層6aが、最狭幅のベルト層よりも幅狭であり、かつ、第1ベルト補強層6aと、第2ベルト補強層6bと、が第1ベルト補強層の幅の20%以上の間隔をあけてタイヤ幅方向に並列に配置されてなることも好ましい。上記要件を満足する範囲内でタイヤを適宜設計することで、転がり抵抗や、操縦安定性、およびタイヤの軽量性を調整することができるからである。
また、本発明のタイヤにおいては、ベルト層5a、5bを構成するスチールコード10のコアフィラメントの径d1とシースフィラメントの径d2とが下記式(4)、
1.1≦d1/d2<1.7 (4)、
好適には下記式(5)、
1.1≦d1/d2<1.4 (5)
で表される関係を満足する。図4は、空気入りタイヤのベルトの部分断面図であり、(a)は、従来のタイヤであり、(b)は本発明に係るタイヤである。本発明のタイヤにおいては、上記関係を満足することにより、本発明のタイヤは、接着耐久性を向上させるとともに、ベルト折れ性も確保することができる。すなわち、d1/d2が1.7以上になると、スチールコード10の曲げがしなやかになり、コアフィラメント11に対する疲労性が低下してしまう。一方、d1/d2が1.1未満になると、第1ベルト層5aのタイヤ径方向内側部および第2ベルト層5bのタイヤ径方向外側部のゲージG1およびG2を確保することができなくなってしまい、接着耐久性が低下してしまう場合がある。好適には、1.1以上1.4未満である。
なお、本発明のタイヤに係るスチールコードは、d1>d2であるため、従来のスチールコードと比べて、タイヤ径方向のコード径の増加を抑えることができる。その結果、第1ベルト層5aのスチールコードと第2ベルト層5bのスチールコードとの距離D2を同等に確保してベルト端部耐久性を維持しつつ(図4参照)、第1ベルト層5aのタイヤ径方向内側のゲージG1および第2ベルト層5bのタイヤ径方向外側のゲージG2を厚くすることができる。これにより、ベルト5の接着耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明のタイヤにおいては、ベルト層5a,5bを構成するスチールコードのコアフィラメント11の平均型付け率をH1、シースフィラメント12の平均型付け率をH2としたとき、H1>H2の関係を満たすことが好ましい。ここで、コアフィラメント11およびシースフィラメント12の平均型付け率H(%)とは、フィラメントの振幅Aの平均をAave.としたとき、下記式、
平均型付け率H(%)=Aave./(2×d1+d2)×100
にて定義される。振幅Aの平均であるAave.は、スチールコードを解した後、コアフィラメント11(シースフィラメント12)における振幅を測定し、その最大値A1と最小値A2の平均を意味する。なお、図5はフィラメントの振幅を示す説明図である。
タイヤを構成するベルト層5a,5bの材料であるトリートは、一般に、スチールコード10を多数本並行に引きそろえ、この上下に未加硫ゴムを配置して、スチールコード10をゴム被覆することにより製造される。バンチャー型撚り線機で製造した2+N(N=2〜4)構造のスチールコード10はコアフィラメント11とシースフィラメント12のトーションが、それぞれ逆方向に発生する。特に、d1>d2の関係を有するM+N構造の各フィラメントに生じたトーションは、d1=d2の関係を有する場合の各フィラメントのトーション差と比べて大きくなる。
図6は、トリートの部分断面図であり、(a)は、H1<H2の場合、(b)はH1>H2の場合である。図6(a)に示すように、コアフィラメント11の平均型付け率H1(%)が小さい場合、コアフィラメント11の位置はほとんど変化しないため、コアフィラメント11はスチールコード10の上下に配置された被覆ゴム14a、14bと接触することはなく、シースフィラメント12のみが被覆ゴム14a、14bと接触している状態となる。このような状態においては、シースフィラメント12は被覆ゴム14a、14bにより、トーションによる回転が抑制されるが、コアフィラメント11は被覆ゴム14a、14bとの接触がないため、トリートの才断時にコアフィラメント11のトーションに起因する回転が生じ、これにより、トリートにカールが発生する。
そこで、本発明においては、図6(b)に示すように、H1>H2として、スチールコード10の長手方向において、コアフィラメント11と被覆ゴム14a、14bとが接触する部位を設け、これにより、コアフィラメント11のトーションに起因する回転を防止し、トリート才断時に発生するトリートのカールを防止している。好適にはH1/H2の値は、1.1〜1.4である。
また、本発明においては、コアフィラメント11の平均型付け率H1(%)は70〜110%であることが好ましい。H1が70%未満であると、シースフィラメント12の平均型付け率H2の影響を受けてトリートにカールが生じてしまうおそれがあり好ましくない。一方、H1が110%を超えると、スチールコード10のコード性状が不安定になるおそれがあり、好ましくない。
さらに、本発明においては、コアフィラメント11の径d1は0.16〜0.32mmであり、かつ、シースフィラメント12の径d2は0.12〜0.29mmであることが好ましい。フィラメント径が上記範囲を超えると、十分な軽量効果が得られない場合がある。一方、フィラメント径が上記範囲未満であると、ベルト強度不足の懸念がある。
図7は、本発明のタイヤの好適な実施の形態に係るベルト層の端部近傍を示す部分断面図である。図示するように、本発明のタイヤにおいては、第2ベルト層5b端部における第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとのスチールコード10間のゴム層のゲージHは、タイヤ中央部におけるゲージHよりも大きいことが好ましい。好適にはHはHの1.3〜3.0倍、好ましくは1.8〜2.6倍である。ベルト端において厚ゲージのベルト間ゴム15を配置することで、ベルト耐久性をより向上させることができる。この値が1.3倍未満であると、かかる効果を十分に得ることができなく、一方、3.0倍を超えるとタイヤの軽量化が十分とはいえなくなる場合がある。
また、本発明のタイヤにおいては、タイヤの軽量化と耐久性の向上の観点から、好適には、ベルト層の厚みt(図示例においては第1ベルト層5a、第2ベルト層5bの厚みt1、t2)は0.85〜1.65mm、より好適には0.85〜1.00mmである(図7参照)。ベルト層の厚みtが0.85mm未満では、十分な耐久性を得ることができない場合があり、一方、ベルト層の厚みtが1.65mm以上であると、十分な軽量効果を得ることができない場合がある。
さらに、本発明のタイヤにおいては、ベルトへのスチールコードの打込み数は22〜57本/50mmであることが好ましい。打込み数が、上記範囲未満の場合は、引張強度不足やベルト剛性低下の懸念があり好ましくなく。一方、打込み数が上記範囲より多いと、コード間隔を確保することが困難になり、有効にベルト端部の耐久性の低下を抑制することが困難になり、ベルト耐久性の低下が懸念される。
さらにまた、本発明のタイヤにおいては、ベルト強度を確保するために、引張り強さが2700N/mm以上のスチールフィラメントを用いることが好ましい。高い抗張力を有するスチールフィラメントとしては、少なくとも0.72質量%、特には少なくとも0.82質量%の炭素を含有するものを、好適に用いることができる。なお、本発明においては、シースフィラメント12の撚り方向、撚りピッチ等の条件については、特に制約されるものではなく、常法に従い適宜構成することが可能である。
本発明のタイヤは、ベルトの構造、およびベルト補強層の構造が上記要件を満足するものであれば、それ以外の具体的なタイヤ構造については、特に制限されるものではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜9、比較例および従来例>
下記表1、2に示す構造のスチールコードをベルト補強材として、また、同表に示す材質の有機繊維コードをベルト補強層の補強材として用いて、タイヤサイズ:205/55R16であって、下記表1、2に示すベルト補強層の構造を有するタイヤを作製した。ベルトは2枚のベルト層からなり、スチールコードの打込み角度はタイヤ周方向に対して±30°とし、打込み数は37本/50mmとした。また、ベルト補強層は、同表に示す有機繊維コードをゴム被覆したリボン状のストリップ材をタイヤ周方向に螺旋巻きして、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列させて形成した。
得られた各タイヤについて、下記の手順に従い、軽量性(タイヤ重量)、耐摩耗性、騒音性および市場耐久性について評価を行った。図8は、実施例、比較例および従来例のタイヤのベルト補強層の構造の模式図であり、(a)は、ベルト層5a、5bの中央部Bcを連続的に覆う第1ベルト補強層6a(打込み数:50本/50mm)と、この第1ベルト補強層1aのタイヤ幅方向両側部にベルト層5a、5bの両端部Bsを覆う第2ベルト補強層6b(打込み数:50本/50mm)と、を備えた構造であり、(b)は、最狭ベルト層(図示例では第2ベルト層5b)よりも幅広の第1ベルト補強層6a(打込み数:50本/50mm)と、第1ベルト補強層6aのタイヤ径方向外側であって、ベルト層5a、5bの両端部を覆う第2ベルト補強層6b(打込み数:50本/50mm)と、を備えた構造であり、(c)は、ベルト層5a、5bの中央部Bcを断続的に覆う第1ベルト補強層6a(打込み数:36本/50mm)と、この第1ベルト補強層6aのタイヤ幅方向両側部にベルト層5a、5bの両端部Bsを覆う第2ベルト補強層6b(打込み数:50本/50mm)と、を備えた構造であり、(d)は、ベルト層5s、5bの全幅を覆うベルト補強層6a(打込み数:50本/50mm)のみを備えた構造である。
<軽量性>
得られた各タイヤ1本当たりの重量を測定し、得られた値を従来例のタイヤを100とする指数として表した。この値が小さいほど、軽量性に優れていることを示す。結果を表1、2に併記する。
<耐摩耗性>
得られた各タイヤをリムサイズ:6.5J×16のリムに組み付けた後、乗用車に装着した。その後、舗装道路を5000km走行後のタイヤ断面形状において最も摩耗した部分と摩耗していない部分との差の逆数を求めて、従来例を基準100としたときの指数表示にて示した。数値が大なるほど耐摩耗性が良好である。結果を表1、2に併記する。
<騒音性:通過騒音>
得られた各タイヤをリムサイズ:6.5J×16のリムに組み付けた後、乗用車の4輪ともに装着し、エンジンを切った状態で時速60km/hで惰性走行した際に発生するノイズを測定した。得られた値を従来例のタイヤを100とする指数にて表した。値が小さいほど、通過騒音の発生が少なく、優れていることを示す。結果を表1、2に併記する。
<騒音性:車両内>
得られた各タイヤをリムサイズ:6.5J×16のリムに組み付けた後、乗用車の4輪ともに装着し、時速60km/hで荒れた路面を走行し、その際の車内における騒音を測定した。得られた値を従来例のタイヤを100とする指数にて表した。この値が小さいほど、車両内の騒音の発生が少なく、優れていることを示す。結果を表1、2に併記する。
<市場耐久性>
実施例7〜9の各タイヤをリムサイズ:6.5J×16のリムに組み付けた後、乗用車に装着した。その後、舗装道路を50000km走行させ後、各タイヤをドラムにて荷重4.5kNの条件にて、時速180kmで回転させ、故障するまでの時間を計測し、タイヤ4本の平均時間を求めた。得られた結果につき、実施例7を基準100としたときの指数表示にて示した。この数値が大きいほど市場耐久性が良好である。結果を表2に併記する。
Figure 0006516952
Figure 0006516952
表1、2より本発明のタイヤは、耐摩耗性および騒音性を悪化させることなく、従来よりもタイヤを軽量化できることが確かめられた。
1 トレッド部、2 サイドウォール部、3 ビード部、4 カーカス、5a 第1ベルト層、5b 第2ベルト層、6 ベルト補強層、6a 第1ベルト補強層、6b 第2ベルト補強層、10 スチールコード、11 コアフィラメント、12 シースフィラメント、13 有機繊維コード、14a、14b 被覆ゴム、15 ベルト間ゴム

Claims (4)

  1. 少なくとも2層のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ径方向外側に、有機繊維コードがゴム被覆されてなる有機繊維コードとゴムとの複合体がタイヤ周方向に螺旋巻されてなるベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルトを構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントを撚り合せることなく並列に配置されたコアと、該コアの周囲に撚り合わされた3本のシースフィラメントと、からなるスチールコードであって、前記コアフィラメントの径をd1、前記シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(4)、
    1.1≦d1/d2<1.7 (4)
    で表される関係式を満足するスチールコードが、長径がタイヤ幅方向になるようにタイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、かつ、
    前記ベルト補強層が、少なくとも前記ベルトの中央部を覆う1層以上の第1ベルト補強層と、前記ベルトの両端部を覆う1層以上の第2ベルト補強層と、からなり、タイヤから取り出した前記第1ベルト補強層を構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod1、タイヤから取り出した前記第2ベルト補強層を構成する有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度をMod2、としたとき、Mod1とMod2とが下記式(2)、
    (Mod2/Mod1)>1.1 (2)
    で表される関係を満足し、第1ベルト補強層の引張抵抗度が第2ベルト補強層の引張抵抗度より小さく、
    前記コアフィラメントの径が、0.16〜0.32mmであり、かつ、前記シースフィラメントの径が、0.12〜0.29mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記Mod1と前記Mod2とが、下記式、
    1.5<(Mod2/Mod1)<7.0 (3)
    で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2ベルト補強層が、弾性率の異なる2種以上の有機繊維コードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルトの最外層ベルト層を構成するスチールコードと、最内層の前記ベルト補強層を構成する有機繊維コードとの距離が0.3mm以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
JP2012213188A 2012-09-26 2012-09-26 空気入りタイヤ Active JP6516952B2 (ja)

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