JP6513513B2 - 入力装置とその制御方法及びプログラム - Google Patents

入力装置とその制御方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6513513B2
JP6513513B2 JP2015137724A JP2015137724A JP6513513B2 JP 6513513 B2 JP6513513 B2 JP 6513513B2 JP 2015137724 A JP2015137724 A JP 2015137724A JP 2015137724 A JP2015137724 A JP 2015137724A JP 6513513 B2 JP6513513 B2 JP 6513513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
proximity
detection
unit
detection surface
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015137724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017021518A (ja
Inventor
智 中嶋
智 中嶋
早坂 哲
哲 早坂
隼 宮川
隼 宮川
耕平 北川
耕平 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Alps Alpine Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2015137724A priority Critical patent/JP6513513B2/ja
Priority to US15/200,482 priority patent/US9836175B2/en
Priority to EP16192537.5A priority patent/EP3141990B1/en
Priority to EP16178383.2A priority patent/EP3115874B1/en
Publication of JP2017021518A publication Critical patent/JP2017021518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6513513B2 publication Critical patent/JP6513513B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/044Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means by capacitive means
    • G06F3/0446Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means by capacitive means using a grid-like structure of electrodes in at least two directions, e.g. using row and column electrodes
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/0416Control or interface arrangements specially adapted for digitisers
    • G06F3/0418Control or interface arrangements specially adapted for digitisers for error correction or compensation, e.g. based on parallax, calibration or alignment
    • G06F3/04182Filtering of noise external to the device and not generated by digitiser components
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2203/00Indexing scheme relating to G06F3/00 - G06F3/048
    • G06F2203/041Indexing scheme relating to G06F3/041 - G06F3/045
    • G06F2203/041012.5D-digitiser, i.e. digitiser detecting the X/Y position of the input means, finger or stylus, also when it does not touch, but is proximate to the digitiser's interaction surface and also measures the distance of the input means within a short range in the Z direction, possibly with a separate measurement setup

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)

Description

本発明は、静電容量の変化などを利用して物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置とその制御方法及びプログラムに係り、特に、コンピュータ等の各種の情報機器において指やペンなどの操作に応じた情報を入力する入力装置に関する。
静電容量の変化を検出するセンサは、簡易な構成で物体(指やペンなど)の近接を検出できることから、ノート型コンピュータのタッチパッドや、スマートフォンのタッチパネルなど、各種の電子機器のユーザーインターフェース装置に広く用いられている。
下記の特許文献1には、複数の電極が配置されたタッチパネル部を備えるタッチパネル装置が記載されている。タッチパネル部の複数の電極の中から走査電極が決定され、当該決定された走査電極に対してタッチパネル部が操作されることにより、各電極の静電容量の変化が反映された計測値が取得され、その取得された計測値に基づいてタッチパネル部へのタッチの有無が検出される。
国際公開第2012/117437号
しかしながら、このような入力装置は、センサの検出面において物体の近接を感度よく検出する必要があることから、特にセンサにおいて外部の電磁ノイズを受け易いという問題がある。例えば上述した静電容量式のセンサの場合、物体の近接に伴う電極の静電容量の変化を微小な電荷量の変化として検出するため、ノイズの影響により物体の座標や接触状態の誤検知を生じ易いという問題がある。
入力装置においてはノイズの影響をできるだけ低減することが望ましいが、検出段階でノイズの影響を最小化するのは容易ではない。一方、センサによって取得されるデータについては、ある程度予測される範囲がある。例えば指の位置は一定の軌跡を描いて移動するものであるため、極端な変化を描く場合は指の軌跡とは考え難い。このようなデータの傾向をもとに、ノイズの影響を低減することが求められている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出面への物体の近接状態に応じた情報がノイズの影響により誤って入力されることを抑制できる入力装置とその制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の観点に係る入力装置は、検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するフィルタ処理部とを備える。前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する。
上記の構成によれば、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データが前記フィルタ処理において平均化されることにより、前記平均化後の近接度データが取得される。そのため、ノイズの影響によって前記近接度データが一時的に大きく変化した場合でも、前記平均化後の近接度データでは、そのような一時的な変化が抑制される。従って、ノイズの影響による一時的な値の変化が抑制され、安定した近接度データが得られる。また、上記の構成によれば、前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性が変更される。そのため、前記フィルタの時間的応答を遅くすることによって前記近接度データのノイズによる急な変化を抑制し易くするか、又は、前記フィルタの時間的応答を速くすることによって前記近接度データの高速な変化を捕捉し易くするかを、前記検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、前記検出面に近接している物体の数に応じて、前記フィルタ処理のノイズ除去性能と前記近接度データの応答速度とのトレードオフを適切に設定することが可能となる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くしてよい。
上記の構成によれば、検出面に近接している物体数が1以下の場合には、前記フィルタの時間的応答が相対的に速くなるため前記近接度データの高速な変化が捕捉され易くなり、検出面に近接している物体数が1より大きい場合には、前記フィルタの時間的応答が相対的に遅くなるため前記近接度データのノイズによる急な変化が抑制され易くなる。
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、前記検出面に近接している操作体の数が1のときには、前記近接度データの高速な変化が捕捉され易くなるため、1つの操作体により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた正確な情報が入力され易くなる。他方、前記検出面に近接している操作体の数が複数のときには、前記近接度データのノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなる。
好適には、上記第1の観点に係る入力装置は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を有してよい。前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更してよい。
記の構成によれば、前記フィルタ処理における前記フィルタの応答特性が、前記ノイズ検出部において検出されるノイズのレベルに応じて変更される。これにより、ノイズのレベルに応じた適切なフィルタ処理が近接度データに対して施されるため、ノイズの影響をより効果的に低減した近接度データが得られる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くしてよい。
上記の構成によれば、ノイズのレベルが増大した場合、前記フィルタの時間応答が遅くなることによって、前記近接度データの時間的に急な変化がより効果的に抑制されるため、前記近接度データがノイズの影響によって変化し難くなる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、前記フィルタの時間応答が相対的に速くなることによって、前記近接度データの時間的に急な変化が捕捉され易くなるため、前記検出面に近接する物体の動きが速い場合でも、その動きに応じた正確な前記近接度データが得られる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した近接度データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データとして取得する。
上記の構成によれば、前回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データと、前記重み係数とを用いて、今回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データが得られるため、前記平均化後の近接度データを得るために記憶すべきデータが少なくて済み、演算処理が簡易となる。
本発明の第2の観点に係る入力装置は、検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして取得するフィルタ処理部とを備える。前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する。
上記の構成によれば、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データが前記フィルタ処理において平均化されることにより、前記平均化後の座標データが生成される。そのため、ノイズの影響によって前記座標データが一時的に大きく変化した場合でも、前記平均化後の座標データでは、そのような一時的な変化が抑制される。従って、ノイズの影響による一時的な値の変化が抑制され、安定した座標データが得られる。また、上記の構成によれば、前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性が変更される。そのため、前記フィルタの時間的応答を遅くすることによって前記座標データのノイズによる急な変化を抑制し易くするか、又は、前記フィルタの時間的応答を速くすることによって前記座標データの高速な変化を捕捉し易くするかを、前記検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、前記検出面に近接している物体の数に応じて、前記フィルタ処理のノイズ除去性能と前記座標データの応答速度とのトレードオフを適切に設定することが可能となる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くしてよい。
上記の構成によれば、検出面に近接している物体数が1以下の場合には、前記フィルタの時間的応答が相対的に速くなるため前記座標データの高速な変化が捕捉され易くなり、検出面に近接している物体数が1より大きい場合には、前記フィルタの時間的応答が相対的に遅くなるため前記座標データのノイズによる急な変化が抑制され易くなる。
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、物体数が1のときには、前記座標データの高速な変化が捕捉され易くなるため、1つの操作体により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた正確な情報が入力され易くなる。他方、物体数が複数のときには、前記座標データのノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなり、複数の操作体が精度良く識別される。
好適には、上記第2の観点に係る入力装置は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を有してよい。前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更してよい。
記の構成によれば、前記フィルタ処理における前記フィルタの応答特性が、前記ノイズ検出部において検出されるノイズのレベルに応じて変更される。これにより、ノイズのレベルに応じた適切なフィルタ処理が座標データに対して施されるため、ノイズの影響をより効果的に低減した座標データが得られる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くしてよい。
上記の構成によれば、ノイズのレベルが増大した場合、前記フィルタの時間応答が遅くなることによって、前記座標データの時間的に急な変化がより効果的に抑制されるため、前記座標データがノイズの影響によって変化し難くなる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、前記フィルタの時間応答が相対的に速くなることによって、前記座標データの時間的に急な変化が捕捉され易くなるため、前記検出面に近接する物体の動きが速い場合でも、その動きに応じた正確な前記座標データが得られる。
好適には、前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の座標データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した座標データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の座標データとして生成する。
上記の構成によれば、前回のサイクルにおける前記平均化後の座標データと、前記重み係数とを用いて、今回のサイクルにおける前記平均化後の座標データが得られるため、前記平均化後の座標データを得るために記憶すべきデータが少なくて済み、演算処理が簡易となる。
本発明の第3の観点に係る入力装置は、検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するしきい値調整部とを備える。
上記の構成によれば、前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値が調整される。そのため、前記検出面に物体が近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整することによってノイズによる物体の近接判定の誤りを低減するか、又は、前記検出面に物体が近接しているとの判定がされ易くなるように前記しきい値を調整することによって物体の検出感度を高めるかを、前記検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、前記検出面に近接している物体の数に応じて、ノイズによる誤判定の防止と物体の検出感度とのトレードオフを適切に設定することが可能となる。
好適には、前記しきい値調整部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合、当該物体数が1以下の場合に比べて、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する。
上記の構成によれば、検出面に近接している物体数が1以下の場合には、前記検出面に物体が近接しているとの判定が相対的にされ易くなり、検出面に近接している物体数が1より大きい場合には、前記検出面に物体が近接しているとの判定が相対的にされ難くなる。
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、前記検出面に近接している操作体の数が1のときには、前記検出面に操作体が近接しているとの判定が相対的にされ易くなるため、比較的近接度が低い状態で入力操作が行われても、当該入力操作に応じた情報が感度良く入力される。他方、前記検出面に近接している操作体の数が複数のときには、前記検出面に操作体が近接しているとの判定が相対的にされ難くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、操作体の近接の有無を誤って判定され難くなり、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなる。
好適には、本発明の第3の観点に係る入力装置は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を有してよい。前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整してよい。
上記の構成によれば、前記ノイズ検出部において検出されるノイズのレベルに応じて調整される前記しきい値と前記近接度データとを比較した結果に基づいて、前記検出面に物体が近接しているか否かの判定が行われる。これにより、前記近接度データにノイズ成分が重畳している場合でも、ノイズのレベルに応じて調整された適切なしきい値を用いて物体の近接の有無が判定されるため、ノイズの影響による当該判定の誤りを低減することが可能となる。
好適には、前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大するほど、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する。
上記の構成によれば、ノイズのレベルが増大した場合、前記検出面に物体が近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値が調整されるため、物体が存在していないにも関わらず前記検出面に物体が近接しているとの誤った判定がなされる頻度を低減することが可能となる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、前記検出面に物体が近接していると相対的に判定され易くなるため、物体の検出感度が向上する。
本発明の第4の観点に係る入力装置の制御方法は、検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するステップとを有する。前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する。
好適には、上記第4の観点に係る入力装置の制御方法は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有してよい。前記フィルタの処理を行うステップでは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更してよい。
本発明の第5の観点に係る入力装置の制御方法は、検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして生成するステップとを有する。前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する。
好適には、上記第5の観点に係る入力装置の制御方法は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有してよい。前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更してよい。
本発明の第6の観点に係る入力装置の制御方法は、検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するステップを有する。
好適には、上記第6の観点に係る入力装置の制御方法は、前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有してよい。前記しきい値を調整するステップは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整してよい。
本発明の第7の観点は、本発明の第4〜第6の観点に係る上記入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
本発明によれば、検出面への物体の近接状態に応じた情報がノイズの影響により誤って入力されることを抑制できる。
第1の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおけるノイズレベルの検出処理及び物体の近接に関するデータの取得処理を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおける近接度データのフィルタ処理を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおける近接状態の判定処理を説明するフローチャートである。 第2の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。 図7に示すフローチャートにおける近接状態の判定処理を説明するフローチャートである。 図7に示すフローチャートにおける座標データのフィルタ処理を説明する第1のフローチャートである。 図7に示すフローチャートにおける座標データのフィルタ処理を説明する第2のフローチャートである。 第3の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。 図12に示すフローチャートにおけるしきい値の調整処理を説明するフローチャートである。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。
図1に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。本実施形態に係る入力装置は、センサが設けられた検出面に指やペンなどの物体を近接させることによって、その近接状態に応じた情報を入力する装置である。なお、本明細書における「近接」とは、接触した状態で近くにあることと、接触しない状態で近くにあることを両方含む。
[センサ部10]
センサ部10は、検出面に分布する複数の検出位置において、指やペンなどの物体の近接度合いをそれぞれ検出し、その検出結果を検出データとして生成する。例えばセンサ部10は、物体の近接に応じて静電容量が変化する容量性センサ素子(キャパシタ)12がマトリクス状に形成されたセンサマトリクス11と、容量性センサ素子12の静電容量に応じた検出データを生成する検出データ生成部13と、容量性センサ素子12に駆動電圧を印加する駆動部14を有する。
センサマトリクス11は、縦方向に延在した複数の駆動電極Lxと、横方向に延在した複数の検出電極Lyを備える。複数の駆動電極Lxは横方向へ平行に並び、複数の検出電極Lyは縦方向へ平行に並ぶ。複数の駆動電極Lxと複数の検出電極Lyが格子状に交差しており、互いに絶縁されている。駆動電極Lxと検出電極Lyの交差部付近に、それぞれ容量性センサ素子12が形成される。なお、図1の例では電極(Lx,Ly)の形状が短冊状に描かれているが、他の任意の形状(ダイヤモンドパターンなど)でもよい。
駆動部14は、センサマトリクス11の各容量性センサ素子12に駆動電圧を印加する。例えば、駆動部14は、処理部20の制御に従って、複数の駆動電極Lxから順番に一の駆動電極Lxを選択し、当該選択した一の駆動電極Lxの電位を周期的に変化させる。駆動電極Lxの電位が所定の範囲で変化することにより、この駆動電極Lxと検出電極Lyとの交差点付近に形成された容量性センサ素子12に印加される駆動電圧が所定の範囲で変化し、容量性センサ素子12において充電や放電が生じる。
検出データ生成部13は、駆動部14による駆動電圧の印加に伴って容量性センサ素子12が充電又は放電される際に各検出電極Lyにおいて伝送される電荷に応じた検出データを生成する。すなわち、検出データ生成部13は、駆動部14の駆動電圧の周期的な変化と同期したタイミングで、各検出電極Lyにおいて伝送される電荷をサンプリングし、そのサンプリングの結果に応じた、物体の近接度合いを示す検出データを生成する。
例えば、検出データ生成部13は、容量性センサ素子12の静電容量に応じた電圧を出力する静電容量−電圧変換回路(CV変換回路)と、CV変換回路の出力信号をデジタル信号に変換し、検出データとして出力するアナログ−デジタル変換回路(AD変換回路)を有する。
CV変換回路は、駆動部14の駆動電圧が周期的に変化して容量性センサ素子12が充電又は放電される度に、処理部20の制御に従って、検出電極Lyにおいて伝送される電荷をサンプリングする。具体的には、CV変換回路は、検出電極Lyにおいて正又は負の電荷が伝送される度に、この電荷若しくはこれに比例した電荷を参照用のキャパシタに移送し、参照用のキャパシタに発生する電圧に応じた信号を出力する。例えば、CV変換回路は、検出電極Lyにおいて周期的に伝送される電荷若しくはこれに比例した電荷の積算値や平均値に応じた信号を出力する。AD変換回路は、処理部20の制御に従って、CV変換回路の出力信号を所定の周期でデジタル信号に変換し、その変換結果を物体の近接度合いを示す検出データとして出力する。
なお、上述の例において示したセンサ部10は、電極間(Lx,Ly)に生じる静電容量(相互容量)の変化によって物体の近接を検出するものであるが、この例に限らず、他の種々の方式によって物体の近接を検出してもよい。例えば、センサ部10は、物体の接近によって電極とグランドの間に生じる静電容量(自己容量)を検出する方式でもよい。自己容量を検出する方式の場合、検出電極に駆動電圧が印加される。また、センサ部10は、静電容量方式に限定されるものではなく、例えば抵抗膜方式や電磁誘導式などでもよい。
[処理部20]
処理部20は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えば、後述する記憶部30に格納されるプログラムの命令コードに従って処理を行うコンピュータや、特定の機能を実現するロジック回路を含んで構成される。処理部20の処理は、その全てをコンピュータとプログラムにより実現してもよいし、その一部若しくは全部を専用のロジック回路で実現してもよい。
図1の例において、処理部20は、センサ制御部21と、2次元データ生成部22と、座標/近接度データ生成部23と、近接判定部24と、ノイズ検出部25と、フィルタ処理部26を有する。
センサ制御部21は、検出面の複数の検出位置(センサマトリクス11の各容量性センサ素子12)における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うようにセンサ部10を制御する。具体的には、センサ制御部21は、駆動部14における駆動電極の選択とパルス電圧の発生、並びに、検出データ生成部13における検出電極の選択と検出データの生成が周期的に適切なタイミングで行われるように、これらの回路を制御する。
2次元データ生成部22は、センサ部10の検出結果に基づいて、検出面の複数の位置における物体の近接の度合いに基づく複数のデータを含んだ行列形式の2次元データ31を生成し、記憶部30に格納する。
例えば2次元データ生成部22は、センサ部10から出力される検出データを、行列形式で記憶部30の記憶領域(現在値メモリ)に格納する。2次元データ生成部22は、現在値メモリに格納した行列形式の検出データと、記憶部30の別の記憶領域(ベース値メモリ)に予め格納した行列形式のベース値との差を演算し、それらの演算結果を2次元データ31として記憶部30に格納する。ベース値メモリには、検出面に物体が近接していない状態における検出データの基準となる値(ベース値)が記憶される。2次元データ31は、物体が検出面に近接していない状態からの検出データの変化量を表す。
座標/近接度データ生成部23は、センサ部10における検出動作の1サイクルごとに、センサ部10の検出結果に基づいて、検出面への物体の近接に関するデータを生成する。生成するデータの1つは、検出動作の複数のサイクルに渡って検出面に近接した同一物体の位置の座標Pを示す座標データ32である。検出面に設定されるXY平面上のX座標及びY座標が、この座標データ32の一例である。
また座標/近接度データ生成部23が生成するデータの他の1つは、この同一物体の位置の座標P(X,Y)における近接度合いを示す近接度データ33である。座標PにおけるZ値がこの近接度データ33の一例である。Z軸は上述のXY平面に垂直である。Z軸に沿ったZ値は検出面に近づくにつれて大きな値となり、検出面から遠ざかるにつれて小さな値となる。
座標/近接度データ生成部23は、センサ部10による検出動作の複数のサイクルに渡って、同一物体の座標データ32と近接度データ33に同一の識別コードiを割り当てる。識別コードiは、複数のサイクルに渡って同一の物体を追跡するための情報である。例えば座標/近接度データ生成部23は、前回のサイクルで生成した座標データ32が示す座標Pと今回のサイクルで新たに生成した座標データ32が示す座標Pとの距離をそれぞれ算出し、互いの距離が最も短い前回の座標Pと今回の座標Pとの組み合わせを同一物体の座標Pのペアとして特定する。そして、座標/近接度データ生成部23は、今回の座標Pに係る座標データ32及び近接度データ33に対して、同一物体の前回の座標Pに係る座標データ32及び近接度データ33と同一の識別コードiを割り当てる。
また、座標/近接度データ生成部23は、座標データ32と近接度データ33と共に、検出面への近接の有無を示す近接状態データ34についても識別コードiを割り当てる。例えば、座標/近接度データ生成部23は、検出動作の複数のサイクルに渡って、同一物体の同一サイクルにおける座標データ32、近接度データ33及び近接状態データ34に対して、同一の識別コードiを割り当てる。すなわち、座標/近接度データ生成部23は、同一のサイクルに生成された同一物体の座標データ32、近接度データ33及び近接状態データ34を一つのデータとしてまとめて扱い、このデータに識別コードiを割り当てる。
近接判定部24は、検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データ33としきい値とを比較する。比較対象となる近接度データ33については、後述の平均化処理をしたときは平均化後の近接度データ33が用いられる。しきい値としては、第1近接しきい値THt1と第2近接しきい値THt2が含まれる。第1近接しきい値THt1と第2近接しきい値Tht2は、ともに記憶部30に初期値が記憶されており、特段の説明がない限りこの初期値がそのまま用いられる。
第2近接しきい値Tht2は、第1近接しきい値THt1より大きい値を持つ。近接判定部24は、近接度データ33が第1近接しきい値THt1より小さい場合、物体が検出面に近接していない(検出面から離れている)と判定し、近接度データ33が第2近接しきい値THt2より大きい場合、物体が検出面に近接していると判定する。これにより、近接度データ33が第1近接しきい値THt1と第2近接しきい値THt2の間の値である場合に判定結果が変化しないため、これらのしきい値付近における近接度データ33の変動によって判定結果が頻繁に変化することを防止できる。
近接判定部24は、この比較の結果に基づいて、検出面への近接の有無を物体ごとに判定し、判定結果を上述した近接状態データ34として記憶部30に格納する。例えば物体が検出面に接触したとき、近接度データ33(Z値)はしきい値を超えるので、近接判定部24は、その物体が検出面に近接していることを示す近接状態データ34を記憶部30に格納する。検出面に接触する物体は複数の場合があるので、近接判定部24は、その物体ごとに接触の判定を行う。
また検出面に接触しなかった場合でもある程度近づいた場合は、接触した場合に準じたものとしてもよい。このように物体が検出面に接触したとき、及び、物体が検出面に十分近づいた結果、物体の近接度データ33(Z値)がしきい値を超えるとき、近接判定部24は検出面に物体が近接したと判定する。また、近接判定部24は、各物体について取得した近接状態データ34に基づいて、センサ部10の検出面に近接している物体数35(特に、指などの操作体の本数)を計数する。
ノイズ検出部25は、センサ部10の検出結果に含まれるノイズを検出し、ノイズレベル36を求める。ノイズには様々な要因が考えられるが、センサ部10において本来同一の値か得られるべき検出値に変動をもたらすものがノイズである。そこでノイズ検出部25は、検出面の同一の検出位置において複数回連続して行われた物体の近接度合いの検出結果をセンサ部10から取得する。例えばノイズ検出部25は、同一の検出位置において複数回(例えば3回以上)連続して得られた検出データをセンサ部10から取得する。ノイズ検出部25は、この複数回の検出により得られた複数の検出データのうち、最大の値と最小の値を特定し、この最大値から最小値を差し引いた値をノイズレベル36として求める。
フィルタ処理部26は、センサ部10の検出動作の1サイクルごとに、検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の近接度データ33を平均化する所定のフィルタの処理を行い、その結果を平均化後の近接度データ33として取得する。座標/近接度データ生成部23は、各物体の近接度データ33を検出動作の1サイクルごとに生成しているので、連続した複数のサイクルに渡る近接度データ33が物体ごとに得られる。フィルタ処理部26は、物体ごとに得られる一連のサイクルの近接度データ33に平均化のフィルタ処理を行って、平均化された近接度データ33を求める。
例えば、フィルタ処理部26は、前回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33、及び、今回のサイクルにおいて座標/近接度データ生成部23が生成した平均化前の近接度データ33にそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33として生成する。
識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後の近接度データ33を「Zout_old」、今回のサイクルにおいて取得された平均化前の近接度データ33を「Zin」、今回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33を「Zout」とすると、フィルタ処理部26は「Zout」を次の式により算出する。
Zout={Zin+(W−1)*Zout_old}/W …(1)
式(1)における「W」は、「Zin」及び「Zout_old」にそれぞれ乗ぜられる重み係数を設定するためのパラメータである。「W」が「1」と等しい場合、「Zout_old」の重み係数「(W−1)/W」がゼロになり、「Zin」の重み係数「1/W」が「1」になるため、「Zin」がそのまま「Zout」と等しくなる。この場合、フィルタ処理部26は平均化のフィルタ処理を行わない。「W」が「1」より大きい場合は、その値が大きくなる程、「Zout_old」の重み係数「(W−1)/W」が大きくなり、「Zin」の重み係数「1/W」が小さくなるため、フィルタの時間応答が遅くなり、ノイズ除去性能が向上する。
また、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36に応じて、フィルタの応答特性を変更する。具体的には、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36が増大するとフィルタの時間的応答を遅くする。一方でフィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36が基準値より低い場合、平均化のフィルタ処理を行わずに、座標/近接度データ生成部23で得られた近接度データ33をそのまま出力する。例えば、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36に応じて、式(1)における重み係数のパラメータWを変更する。
またフィルタ処理部26は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数35に応じてフィルタの応答特性を変更する。特にフィルタ処理部26は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数35が「1」より大きい場合におけるフィルタの時間的応答を、物体数35が「1」以下の場合に比べて遅くする。例えば、フィルタ処理部26は、検出面に近接していると判定された物体数35に応じて、式(1)における重み係数のパラメータWを変更する。
物体数35としては、例えば検出面に近接していると判定された指などの操作体の本数が挙げられる。操作を行う指が一本の場合はフリック操作のような比較的速い動きの操作が多い一方、指が二本以上の場合はピンチ操作のような比較的遅い動きの操作が多い。このように、操作する指の本数が異なるとフィルタ処理に求められる応答時間が異なることから、フィルタ処理部26は、物体数35に応じた適切な応答時間のフィルタ処理を選択する。
[記憶部30]
記憶部30は、処理部20において処理に使用される定数データや変数データを記憶する。処理部20がコンピュータを含む場合、記憶部30は、そのコンピュータにおいて実行されるプログラムを記憶してもよい。記憶部30は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ハードディスクなどを含んで構成される。
[インターフェース部40]
インターフェース部40は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部20は、記憶部30に記憶される情報(例えば物体数35や、各物体の座標データ32,近接度データ33,近接状態データ34など)をインターフェース部40から図示しない制御装置へ出力する。また、インターフェース部40は、処理部20のコンピュータにおいて実行されるプログラムを不図示のディスクドライブ装置(非一時的記録媒体に記録されたプログラムを読み取る装置)やサーバなどから取得して、記憶部30にロードしてもよい。
次に、上述した構成を有する入力装置の動作について説明する。図2は、第1の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。図2に示す一連の処理は、センサ部10が検出面の複数の検出位置における物体の近接度合いを検出する1サイクルの検出動作の度に実行される。
ST100:
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。詳細は、図3のフローチャートを参照して説明する。
ST200:
フィルタ処理部26は、各物体について得られた近接度データ33に対してフィルタ処理を行う。詳細は図4のフローチャートを参照して説明する。
ST300:
近接判定部24は、各物体の検出面への近接状態を判定する。詳細は図5のフローチャートを参照して説明する。
次に、図2に示すフローチャートにおけるステップST100の処理(ノイズ検出処理及びデータ取得処理)について、図3のフローチャートを参照して説明する。
ST105:
まず、センサ制御部21は、検出面の同一の検出位置において物体の検出度合いが複数回(例えば3回以上)連続して検出されるようにセンサ部10を制御する。ノイズ検出部25は、この複数回の検出により得られた複数の検出データをセンサ部10から取得する。
ST110:
ノイズ検出部25は、ステップST105において取得した複数の検出データに基づいて、ノイズレベル36を算出する。例えば、ノイズ検出部25は、複数回の検出により得られた複数の検出データのうち、最大の値と最小の値を特定し、この最大値から最小値を差し引いた値をノイズレベル36として求める。
ST115:
センサ制御部21は、検出面(センサマトリックス11)の全面における物体の近接度合いを検出するようにセンサ部10を制御する。2次元データ生成部22は、センサ部10の検出結果として生成された検出面の全面の検出データを取得する。
ST120:
2次元データ生成部22は、センサ部10から取得した検出面の各検出位置の検出データと、予め設定された各検出位置のベース値との差分を算出する。例えば、2次元データ生成部22は、センサ部10から取得した検出面の各検出位置の検出データを、記憶部30の所定の記憶領域(現在値メモリ)に行列形式で一旦格納する。そして、2次元データ生成部22は、記憶部30の別の記憶領域(ベース値メモリ)に予め格納した行列形式のベース値と、現在値メモリに格納した行列形式の検出データとの差を演算し、それらの演算結果を2次元データ31として記憶部30に格納する。ベース値メモリには、検出面に物体が近接していない状態における検出データの基準となる値(ベース値)が記憶される。2次元データ31を構成する各データは、物体が検出面に近接していない状態からの各検出データの変化量に相当し、物体の非近接状態を基準とした各検出位置における物体の近接度合いを表す。
ST125:
座標/近接度データ生成部23は、ステップST120において算出された2次元データ31に基づいて、検出面に近接した各物体の座標データ32及び近接度データ33を生成する。例えば、座標/近接度データ生成部23は、2次元データ31が示す検出面上での物体近接度の分布に基づいて、物体近接度が所定の基準より高い位置を物体近接位置の座標データ32として生成するとともに、その物体近接位置における物体近接度を近接度データ33として生成する。
また、座標/近接度データ生成部23は、複数のサイクルに渡って同一の物体を追跡するための識別コードiを、座標データ32及び近接度データ33に割り当てる。例えば、座標/近接度データ生成部23は、前回のサイクルにおける各物体の近接位置の座標と今回のサイクルにおける各物体の近接位置の座標との距離をそれぞれ算出し、距離が近い座標のペアを同一物体の座標のペアとして特定する。座標/近接度データ生成部23は、特定した同一物体の座標のペアに基づいて、今回のサイクルで生成した各物体の座標データ32及び近接度データ33に割り当てるべき識別コードiを決定する。
ST130:
近接判定部24は、ステップ125で取得された各物体の近接度データ33を第1近接しきい値THt1と比較する。
ST135:
近接判定部24は、第1近接しきい値THt1より近接度データ33が大きい物体の数を計数し、その計数結果を物体数35として取得する。
次に、図2のフローチャートにおけるステップST200の処理(近接度データ33のフィルタ処理)について、図4のフローチャートを参照して説明する。
ST210:
フィルタ処理部26は、ステップST135(図3)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
ST215:
物体数35が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「1」に設定する。
ST220:
物体数35が2つ以上の場合、フィルタ処理部26は、ステップST105(図3)で取得されたノイズレベル36を参照し、ノイズレベル36が所定のノイズしきい値THnより大きいかどうかを判定する。
ST225:
ノイズレベル36がノイズしきい値THnより大きくないと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「4」に設定する。
ST230:
ノイズレベル36がノイズしきい値THnより大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「8」に設定する。
ST240:
以上、ステップST215、ST225、ST230において重み係数のパラメータWを設定した後、フィルタ処理部26は、各物体の近接度データ33のフィルタ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
ST245:
フィルタ処理部26は、識別コードiで特定された物体の近接度データ33についてのフィルタ処理を行う。すなわち、フィルタ処理部26は、識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後の近接度データ33である「Zout_old」と、今回のサイクルにおいて取得された平均化前の近接度データ33である「Zin」と、上述のステップで設定された重み係数のパラメータWとに基づいて、式(1)により、今回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33である「Zout」を算出する。
ST250:
フィルタ処理部26は、ステップST245においてフィルタ処理を実行すると、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST255:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。定数値Mは、検出面に近接する物体の識別可能な最大数を示す。フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下の場合、ステップST245に戻り、識別コードiの値が定数値Mより大きくなった場合、ステップST200の一連の処理を終了する。
次に、図2のフローチャートにおけるステップST300の処理(近接状態の判定処理)について、図5のフローチャートを参照して説明する。
ST305:
近接判定部24は、電源投入直後であるかどうかを判定する。
ST310:
電源投入直後の場合、近接判定部24は、各識別コードiで特定されたすべての物体について、近接状態データ34を「近接なし」に設定する。近接状態データ34は、検出面における物体の近接の有無を示すデータであり、例えば、「近接あり」と「近接なし」の状態を数値の「1」と「0」に割り当てた2値のデータである。
ST315:
近接判定部24は、各物体の近接状態を判定するループ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
ST320:
近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34が「近接あり」を示しているか否か判定する。
ST325:
ステップST320において近接状態データ34が「近接なし」を示す場合、近接判定部24は、ステップST245(図4)で算出された平均化後の近接度データ「Zout」を第2近接しきい値THt2と比較する。「Zout」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24はステップST330へ進み、そうでない場合はステップST345へ進む。
ST330:
平均化後の近接度データ「Zout」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34を「近接あり」に設定し、ステップST345へ進む。
ST335:
他方、ステップST320において近接状態データ34が「近接あり」を示す場合、近接判定部24は、ステップST245(図4)で算出された平均化後の近接度データ「Zout」を第1近接しきい値THt1と比較する。「Zout」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24はステップST340へ進み、そうでない場合はステップST345へ進む。
ST340:
平均化後の近接度データ「Zout」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34を「近接なし」に設定し、ステップST345へ進む。
ST345:
以上の各ステップを通過した後、フィルタ処理部26は、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST350:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。識別コードiの値がM以下の場合、フィルタ処理部26はステップST320に戻り、識別コードiの値がMより大きくなった場合は、ステップST300の一連の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の近接度データ33がフィルタ処理部26のフィルタ処理において平均化されることにより、平均化後の近接度データ33(式(1)の「Zout」)が取得される。そのため、ノイズの影響によって近接度データ33が一時的に大きく変化した場合でも、平均化後の近接度データ33では、そのような一時的な変化が抑制される。従って、ノイズの影響による一時的な値の変化が抑制されて安定した近接度データ33を得ることができる。
また、本実施形態に係る入力装置によれば、フィルタ処理部26のフィルタ処理におけるフィルタの応答特性が、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル35に応じて変更される。これにより、ノイズレベル35に応じた適切なフィルタ処理が近接度データ33に対して施されるため、ノイズの影響をより効果的に低減した近接度データ33を得ることができる。すなわち、ノイズのレベルが増大した場合、フィルタの時間応答が遅くなることによって、近接度データ33の時間的に急な変化がより効果的に抑制されるため、ノイズの影響による近接度データ33の変動を効果的に低減できる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、フィルタの時間応答が相対的に速くなることによって、近接度データ33の時間的に急な変化が捕捉され易くなるため、検出面に近接する物体の動きが速い場合でも、その動きに応じた正確な近接度データ33を得ることができる。
更に、本実施形態に係る入力装置によれば、検出面に近接していると判定された物体の数に応じてフィルタ処理部26におけるフィルタの応答特性が変更される。そのため、フィルタの時間的応答を遅くすることによって近接度データ33のノイズによる急な変化を抑制し易くするか、又は、フィルタの時間的応答を速くすることによって近接度データ33の高速な変化を捕捉し易くするかを、検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、検出面に近接している物体の数に応じて、フィルタ処理のノイズ除去性能と近接度データ33の応答速度とのトレードオフを適切に設定することが可能となる。
例えば、本実施形態に係る入力装置では、検出面に近接している物体数が「1」以下の場合には、フィルタの時間的応答が相対的に速くなるため近接度データ33の高速な変化が捕捉され易くなり、検出面に近接している物体数が「1」より大きい場合には、フィルタの時間的応答が相対的に遅くなるため近接度データ33のノイズによる急な変化が抑制され易くなる。従って、検出面に指を近接させて入力操作が行われる場合、一本の指による入力操作のときは、近接度データ33の高速な変化が捕捉され易くなるため、一本の指により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた情報を正確に入力し易くなる。他方、複数の指による入力操作のときには、近接度データ33のノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の指の入力操作に応じた情報を正確に入力し易くなる。
また、本実施形態に係る入力装置によれば、前回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33(式(1)の「Zout_old」)と、重み係数(式(1)の「1/W」,「(W−1)/W」)とを用いて、今回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33(式(1)の「Zout」)が得られる。すなわち、記憶部30に格納した「Zout_old」と「W」を用いて、「Zout」を算出することができる。従って、平均化後の近接度データ33を得るために記憶すべきデータを少なくすることができるとともに、演算処理を簡易化することができる。
更に、本実施形態に係る入力装置によれば、フィルタ処理部26による平均化後の近接度データ33を用いて、検出面に物体が近接しているか否かの判定が行われるため、実際は存在しない物体をノイズの影響により存在すると誤って判定するケースを生じ難くすることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る入力装置では近接度データ33に対してフィルタ処理を行っているが、本実施形態に係る入力装置では座標データ32に対してフィルタ処理を行う。
図6は、第2の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。
図6に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。図6に示す第2の実施形態に係る入力装置の基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係る入力装置と同じであり、フィルタ処理部26のみ一部相違するので、以下では主として相違する構成について説明する。
フィルタ処理部26は、センサ部10の検出動作の1サイクルごとに、検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の座標データ32を平均化する所定のフィルタの処理を行い、フィルタ処理の結果を平均化後の座標データ32として取得する。座標/近接度データ生成部23は、各物体の座標データ32を検出動作の1サイクルごとに生成しているので、連続した複数のサイクルに渡る近接度データ33が物体ごとに得られる。フィルタ処理部26は、物体ごとに得られる一連のサイクルの座標データ32に平均化のフィルタ処理を行って、平均化された座標データ32を求める。
例えば、フィルタ処理部26は、前回のサイクルにおける平均化後の座標データ32、及び、今回のサイクルにおいて座標/近接度データ生成部23が生成した平均化前の座標データ32にそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける平均化後の座標データ32として生成する。
識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後のX軸の座標データ32を「Xout_old」、今回のサイクルにおいて取得された平均化前のX軸の座標データ32を「Xin」、今回のサイクルにおける平均化後のX軸の座標データ32を「Xout」とすると、フィルタ処理部26は「Xout」を次の式により算出する。
Xout=(Xin+(Wxy−1)*Xout_old)/Wxy …(2)
また、識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後のY軸の座標データ32を「Yout_old」、今回のサイクルにおいて取得された平均化前のY軸の座標データ32を「Yin」、今回のサイクルにおける平均化後のY軸の座標データ32を「Yout」とすると、フィルタ処理部26は「Yout」を次の式により算出する。
Yout=(Yin+(Wxy−1)*Yout_old)/Wxy …(3)
式(2),(3)における「Wxy」は、式(1)における「W」と同様に、重み係数を設定するためのパラメータである。例えば式(2)において「Wxy」が「1」と等しい場合、「Xout_old」の重み係数「(Wxy−1)/Wxy」がゼロになり、「Xin」の重み係数「1/Wxy」が「1」になるため、「Xin」がそのまま「Xout」と等しくなる。この場合、フィルタ処理部26は平均化のフィルタ処理を行わない。「Wxy」が「1」より大きい場合は、その値が大きくなる程、「Xout_old」の重み係数「(Wxy−1)/Wxy」が大きくなり、「Xin」の重み係数「1/Wxy」が小さくなるため、フィルタの時間応答が遅くなり、ノイズ除去性能が向上する。このような「Wxy」に応じたフィルタの時間応答の傾向は、式(3)についても同様である。
また、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36に応じて、フィルタの応答特性を変更する。具体的には、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36が増大するとフィルタの時間的応答を遅くする。一方でフィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36が基準値より低い場合、平均化のフィルタ処理を行わずに、座標/近接度データ生成部23で得られた座標データ32をそのまま出力する。例えば、フィルタ処理部26は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36に応じて、式(2),(3)における重み係数のパラメータWxyを変更する。
またフィルタ処理部26は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数35に応じてフィルタの応答特性を変更する。特にフィルタ処理部26は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数35が「1」より大きい場合におけるフィルタの時間的応答を、物体数35が「1」以下の場合に比べて遅くする。例えば、フィルタ処理部26は、検出面に近接していると判定された物体数35に応じて、式(2),(3)における重み係数のパラメータWxyを変更する。
次に、上述した構成を有する入力装置の動作について説明する。図7は、第2の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。図7に示す一連の処理は、センサ部10が検出面の複数の検出位置における物体の近接度合いを検出する1サイクルの検出動作の度に実行される。
ST100:
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。この処理は、図3のフローチャートを参照して説明したステップST100と同一あるため、更なる説明は省略する。
ST400:
近接判定部24は、各物体の検出面への近接状態を判定する。詳細は図8のフローチャートを参照して説明する。
ST500:
フィルタ処理部26は、各物体について得られた座標データ32に対してフィルタ処理を行う。詳細は図9のフローチャートを参照して説明する。
次に、図7に示すフローチャートにおけるステップST400の処理(近接状態の判定処理)について、図8のフローチャートを参照して説明する。
図8に示すフローチャートにおけるステップST405〜ST450は、図5に示すフローチャートにおけるステップST305〜ST350に対応する。これらのステップのうち、図8のテップST425と図5のステップST325、図8のステップST435と図5のステップST325では処理の内容が相違しているが、他のステップではそれぞれ同様の処理が行われる。従って、ここでは、図5のフローチャートと処理の内容が相違するステップST425及びステップST435についてのみ説明する。
ST425:
ステップST420において近接状態データ34が「近接なし」を示す場合、近接判定部24は、ステップST100(図7)で取得された識別コードiの近接度データ33である「Z」を第2近接しきい値THt2と比較する。「Z」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24はステップST430へ進み、そうでない場合はステップST445へ進む。
ST435:
他方、ステップST420において近接状態データ34が「近接あり」を示す場合、ステップST100(図7)で取得された識別コードiの近接度データ33である「Z」を第1近接しきい値THt1と比較する。「Z」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24はステップST440へ進み、そうでない場合はステップST445へ進む。
次に、図7のフローチャートにおけるステップST500の処理(座標データ32のフィルタ処理)について、図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。
ST505:
フィルタ処理部26は、ステップST100(図7)で取得されたノイズレベル36を参照し、ノイズレベル36が所定の第1ノイズしきい値THn1より大きいかどうかを判定する。
ST510:
ノイズレベル36が第1ノイズしきい値THn1より大きくない場合、フィルタ処理部26は、ステップST100(図7)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
ST515:
物体数が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「1」に設定する。
ST520:
一方、物体数が1つより大きい場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「2」に設定する。
ST525:
ステップST505においてノイズレベル36が第1ノイズしきい値THn1より大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より更に大きいかどうかを判定する。なお、第2ノイズしきい値THn2は第1ノイズしきい値THn1より大きい値を持つ。
ST530:
ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より大きくないと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「4」に設定する。
ST535:
他方、ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「8」に設定する。
以上、図9に示した第1のフローチャートにて重み係数のパラメータWxyを設定した後、図10に示す第2のフローチャートに示すように、フィルタ処理部26は、各物体の座標データ32に対してフィルタ処理を行う。
ST550:
フィルタ処理部26は、各物体の座標データ32のフィルタ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
ST555:
フィルタ処理部26は、識別コードiで特定された物体について前回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34と今回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34とを参照し、近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化したか否かを判定する。すなわち、前回サイクルの近接状態データ34が「近接なし」を示し、かつ、今回サイクルの近接状態が「近接あり」を示すかどうかを判定する。
ST560:
ステップST555において近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化した場合、対象としている物体は前回のサイクルにおいて検出面に近接しておらず、座標データ32が存在していない。そのため、前回のサイクルの座標データ32を用いたフィルタ処理が実行できない。従って、この場合、フィルタ処理部26は、ステップ100において取得された座標データ32(Xin,Yin)をフィルタ処理後の座標データ32(Xout,Yout)としてそのまま取得する。
ST565:
他方、ステップST555において近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化したものでないと判定した場合、フィルタ処理部26は、識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後の座標データ32(「Xout_old」,「Yout_old」)と、今回のサイクルにおいて取得された平均化前の座標データ32(「Xin」,「Xin」)と、前のステップで設定された重み係数のパラメータWxyとに基づいて、式(2),(3)により、今回のサイクルにおける平均化後の座標データ32(「Xout」,「Yout」)を算出する。
ST570:
フィルタ処理部26は、今回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34を記憶部30に格納する。この近接状態データ34は、次回のサイクルにおいてステップST555の判定処理に用いられる。
ST575:
フィルタ処理部26は、ステップST555〜ST570における座標データ32のフィルタ処理を実行すると、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST580:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下の場合ステップST555に戻り、識別コードiの値が定数値Mより大きくなった場合ステップST500の一連の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の座標データ32がフィルタ処理部26のフィルタ処理において平均化されることにより、平均化後の座標データ32(式(2)の「Xout」,式(3)の「Yout」)が取得される。そのため、ノイズの影響によって座標データ32の示す位置が一時的に大きく変化した場合でも、平均化後の座標データ32では、そのような一時的な変化が抑制される。従って、ノイズの影響による一時的な値の変化が抑制されて安定した座標データ32を得ることができる。
また、本実施形態に係る入力装置によれば、フィルタ処理部26のフィルタ処理におけるフィルタの応答特性が、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル35に応じて変更される。これにより、ノイズレベル35に応じた適切なフィルタ処理が座標データ32に対して施されるため、ノイズの影響をより効果的に低減した座標データ32を得ることができる。すなわち、ノイズのレベルが増大した場合、フィルタの時間応答が遅くなることによって、座標データ32の時間的に急な変化がより効果的に抑制されるため、ノイズの影響による座標データ32の変動を効果的に低減できる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、フィルタの時間応答が相対的に速くなることによって、座標データ32の時間的に急な変化が捕捉され易くなるため、検出面に近接する物体の動きが速い場合でも、その動きに応じた正確な座標データ32を得ることができる。
更に、本実施形態に係る入力装置によれば、検出面に近接していると判定された物体の数に応じてフィルタ処理部26におけるフィルタの応答特性が変更される。そのため、フィルタの時間的応答を遅くすることによって座標データ32のノイズによる急な変化を抑制し易くするか、又は、フィルタの時間的応答を速くすることによって座標データ32の高速な変化を捕捉し易くするかを、検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、検出面に近接している物体の数に応じて、フィルタ処理のノイズ除去性能と座標データ32の応答速度とのトレードオフを適切に設定することが可能となる。
例えば、本実施形態に係る入力装置では、検出面に近接している物体数が「1」以下の場合には、フィルタの時間的応答が相対的に速くなるため座標データ32の高速な変化が捕捉され易くなり、検出面に近接している物体数が「1」より大きい場合には、フィルタの時間的応答が相対的に遅くなるため座標データ32のノイズによる急な変化が抑制され易くなる。従って、検出面に指を近接させて入力操作が行われる場合、一本の指による入力操作のときは、座標データ32の高速な変化が捕捉され易くなるため、一本の指により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた情報を正確に入力し易くなる。他方、複数の指による入力操作のときには、座標データ32のノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の指の入力操作に応じた情報を正確に入力し易くなる。
また、本実施形態に係る入力装置によれば、前回のサイクルにおける平均化後の座標データ32(式(2)の「Xout_old」,式(3)の「Yout_old」)と、重み係数(式(2)及び式(3)の「1/Wxy」,「(Wxy−1)/Wxy」)とを用いて、今回のサイクルにおける平均化後の座標データ32(式(2)の「Xout」,式(3)の「Yout」)が得られる。すなわち、記憶部30に格納した「「Xout_old」,「Yout_old」及び「Wxy」を用いて、「Xout」及び「Yout」を算出することができる。従って、平均化後の座標データ32を得るために記憶すべきデータを少なくすることができるとともに、演算処理を簡易化することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1、第2の実施形態に係る入力装置では、近接状態の判定において固定のしきい値を用いているが、本実施形態に係る入力装置では、近接度データ33の比較対象となる第2近接しきい値THt2をノイズ検出結果に応じて調整する。
図11は、第3の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。
図11に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。図11に示す第3の実施形態に係る入力装置の基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係る入力装置、図6に示した第2の実施形態に係る入力装置と同じであり、処理部20の構成要素としてしきい値調整部27を有する点がこれらの実施形態と相違するので、以下の説明では主として相違する構成について説明する。
しきい値調整部27は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36に応じて、近接判定部24の判定に用いるしきい値を調整する。このしきい値は、既に説明したように、第1近接しきい値THt1と第2近接しきい値THt2を含む。本実施形態では、しきい値調整部27が第2近接しきい値THt2を調整する場合に特に着目して説明するが、しきい値調整部27は第1近接しきい値THt1を変更してもよいし、これらのしきい値を2つとも調整してもよい。
しきい値調整部27は、ノイズ検出部25において検出されるノイズレベル36が増大するほど、近接判定部24において物体が検出面に近接しているとの判定がされ難くなるようにしきい値を調整する。また、しきい値調整部27は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数35に応じてしきい値を調整する。しきい値調整部27は、近接判定部24において検出面に近接していると判定された物体数が「1」より大きい場合、物体数35が「1」以下の場合に比べて、近接判定部24において物体が検出面に近接しているとの判定がされ難くなるようにしきい値を調整する。
次に、上述した構成を有する入力装置の動作について説明する。図12は、第3の実施形態に係る入力装置の全体的な処理を説明するフローチャートである。
ST100:
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。この処理は、図3のフローチャートを参照して説明したステップST100と同一であるため、更なる説明は省略する。
ST600:
しきい値調整部27は、ステップST100において取得したノイズレベル35に応じて第2近接しきい値THt2を調整する。詳細は図13のフローチャートを参照して説明する。
ST400:
しきい値が調整されると、近接判定部24は、各物体の近接面への近接状態を判定する。この処理は、図8のフローチャートを参照して説明したステップST400と同一であるため、更なる説明は省略する。
次に、図12に示すフローチャートにおけるステップST600の処理(しきい値の調整処理)について図13のフローチャートを参照して説明する。
ST605:
しきい値調整部27は、ステップST100(図12)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
ST610:
物体数35が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2を所定の初期値THiniに設定し、ステップST600の処理を終了する。
ST615:
物体数35が2つ以上の場合、しきい値調整部27は、ノイズレベル35に応じた値を持つ調整しきい値THxを次の式により算出する。
THx=THini+K*VN …(4)
式(4)において、「VN」はステップST100(図12)で取得された今回のサイクルのノイズレベル35を示し、「K」は所定の比例係数を示す。
ST620:
しきい値調整部27は、ステップST620において算出した調整しきい値THxに比べて「THt2_old−ΔTH」が大きいか否かを判定する。「THt2_old」は、前回のサイクルにおいて決定された第2近接しきい値THt2を示す。また、「ΔTH」は定数値であり、1サイクルあたりにおける第2近接しきい値THt2の減少幅の最大値を定める。
ST625:
調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さくない場合、すなわち、調整しきい値THxが前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」の減少幅を超えるほど大幅に下落していない場合、しきい値調整部27は、調整しきい値THxを今回のサイクルにおける第2近接しきい値THt2として決定する。従って、大きなノイズレベル「VN」が検出され、これに応じて調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」を超える大きな値となった場合、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2をこの変化に追従させて直ちに大きな値に調整する。
ST630:
他方、調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さい場合、すなわち、調整しきい値THxが前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」の減少幅を超えて大幅に下落した場合、しきい値調整部27は、「THt2_old−ΔTH」を今回のサイクルにおける第2近接しきい値THt2として決定する。従って、ノイズレベル「VN」が急激に小さくなり、これに応じて調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さい値に急減した場合、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2をこの変化に追従させず、前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」だけ小さい値を今回サイクルの第2近接しきい値THt2とする。これにより、第2近接しきい値THt2の上昇については高速に行われるが、第2近接しきい値THt2の低下については低速に行われるため、ノイズの周波数成分の振動に応じて第2近接しきい値THt2が振動することによる近接状態の誤判定を防止できる。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、ノイズ検出部25において検出されるノイズのレベルに応じて調整されるしきい値と近接度データ33とを比較した結果に基づいて、検出面に物体が近接しているか否かの判定が行われる。これにより、近接度データ33にノイズ成分が重畳している場合でも、ノイズのレベルに応じて調整された適切なしきい値を用いて物体の近接の有無が判定されるため、ノイズの影響による近接状態の判定の誤りを適切に低減できる。すなわち、ノイズのレベルが増大した場合、検出面に物体が近接しているとの判定がされ難くなるようにしきい値が調整されるため、物体が存在していないにも関わらず検出面に物体が近接しているとの誤った判定がなされる頻度を低減できる。また、ノイズのレベルが小さい場合は、検出面に物体が近接していると相対的に判定され易くなるため、物体の検出感度を相対的に向上させることができる。
また、本実施形態に係る入力装置によれば、検出面に近接していると判定された物体の数に応じて近接状態の判定のしきい値が調整される。そのため、検出面に物体が近接しているとの判定がされ難くなるようにしきい値を調整することによってノイズによる物体の近接判定の誤りを低減するか、又は、検出面に物体が近接しているとの判定がされ易くなるようにしきい値を調整することによって物体の検出感度を高めるかを、検出面に近接している物体の数に応じて選択することが可能となる。すなわち、検出面に近接している物体の数に応じて、ノイズによる誤判定の防止と物体の検出感度とのトレードオフを適切に設定できる。
例えば、本実施形態に係る入力装置では、検出面に近接している物体数が「1」以下の場合には、検出面に物体が近接しているとの判定が相対的にされ易くなるようにしきい値が調整され、検出面に近接している物体数が「1」より大きい場合には、検出面に物体が近接しているとの判定が相対的にされ難くなるようにしきい値が調整される。従って、検出面に指を近接させて入力操作が行われる場合、一本の指による入力操作のときは、検出面に指が近接しているとの判定が相対的にされ易くなるため、検出面への近接度が低い状態で入力操作が行われても、当該入力操作に応じた情報を感度良く入力できる。他方、複数の指による入力操作のときには、検出面に指が近接しているとの判定が相対的にされ難くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、存在しない指が検出面に近接していると誤って判定され難くなり、複数の指による入力操作に応じた情報を正確に入力し易くなる。
更に、本実施形態に係る入力装置によれば、しきい値調整部27が第2近接しきい値THt2を調整することにより、「近接なし」の状態にある物体が「近接あり」の状態として判定される条件を厳しくすることになる。これにより、存在していない物体がノイズの影響により「近接あり」の物体として誤判定されることを効果的に防止できる。また、第1近接しきい値THt1についてはノイズレベルに応じて調整されないため、「近接あり」の状態の物体がノイズの影響によって突然「近接なし」の状態として判定されることが起こり難くなる。すなわち、ノイズレベルが高くなった場合は、近接状態の判定の変更を留保する範囲(THt2−THt1)が広くなるため、近接状態の判定の安定性を高めることができる。
しかも、本実施形態に係る入力装置によれば、しきい値調整部27は、検出面に物体が近接しているとの近接判定部24の判定がされ易くなる方向へのしきい値の調整を行う場合における1サイクルあたりのしきい値の調整幅が、所定の値(ΔTH)を超えないように制限する。これにより、検出面に物体が近接しているとの判定がされ難くなる方向へのしきい値の調整については比較的高速に行われる一方、逆方向へのしきい値の調整については比較的低速に行われることになるため、ノイズの周波数成分の振動に応じてしきい値が振動することによる近接状態の誤判定を効果的に防止できる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
第1の実施形態に係る入力装置では近接度データ33に対して平均化のフィルタを施し、第2の実施形態に係る入力装置では座標データ32に対して平均化のフィルタを施しているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、近接度データ33と座標データ32に対してそれぞれ平均化のフィルタ処理を施してもよい。この場合、フィルタの時間応答をノイズレベル35に応じて変化させてもよい。
また第3の実施形態では近接判定のしきい値をノイズレベル35に応じて調整しているが、本発明の他の実施形態では、このしきい値の調整と並行して、第1の実施形態に係る入力装置と同様な近接度データ33へのフィルタ処理や、第2の実施形態に係る入力装置と同様な座標データ32へのフィルタ処理を行ってもよい。
上述した実施形態では、検出面に近接する複数の物体(指等)を識別コードiによって識別可能であるが、本発明はこの例に限定されない。すなわち、本発明は、識別可能な物体の数が1つに限られた入力装置にも適用可能である。その場合、本発明における識別コードは、1つの物体が検出面に近接してから離れるまでの状態と、別の1つの物体が新たに検出面へ近接する状態とを識別するための情報を意味する。
また、本発明の入力装置は、指等の操作による情報を入力するユーザーインターフェース装置に限定されない。すなわち、本発明の入力装置は、人体に限定されない様々な物体の検出面への近接状態に応じた情報を入力する装置に広く適用可能である。
10…センサ部、11…センサマトリクス、13…検出データ生成部、14…駆動部、20…処理部、21…センサ制御部、22…2次元データ生成部、23…座標/近接度データ生成部、24…近接判定部、25…ノイズ検出部、26…フィルタ処理部、27…しきい値調整部、30…記憶部、31…2次元データ、32…座標データ、33…近接度データ、34…近接状態データ、35…物体数、36…ノイズレベル、40…インターフェース部。

Claims (21)

  1. 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
    前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、
    前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
    前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するフィルタ処理部とを備え、
    前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする入力装置。
  2. 前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くする
    ことを特徴とする請求項に記載の入力装置。
  3. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
    前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
  4. 前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くする
    ことを特徴とする請求項に記載の入力装置。
  5. 前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した近接度データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データとして取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の入力装置。
  6. 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
    前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、
    前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
    前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして取得するフィルタ処理部とを備え、
    前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する
    ことを特徴とする入力装置。
  7. 前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くする
    ことを特徴とする請求項に記載の入力装置。
  8. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
    前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の入力装置。
  9. 前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くする
    ことを特徴とする請求項に記載の入力装置。
  10. 前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の座標データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した座標データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の座標データとして取得する
    ことを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載の入力装置。
  11. 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
    前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と
    記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
    前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するしきい値調整部と
    を備えることを特徴とする入力装置。
  12. 前記しきい値調整部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合、当該物体数が1以下の場合に比べて、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する
    ことを特徴とする請求項11に記載の入力装置。
  13. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
    前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整する
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の入力装置。
  14. 前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大するほど、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する
    ことを特徴とする請求項13に記載の入力装置。
  15. 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、
    前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
    前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するステップとを有し、
    前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする入力装置の制御方法。
  16. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
    前記フィルタの処理を行うステップでは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする請求項15に記載の入力装置の制御方法。
  17. 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、
    前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
    前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして取得するステップとを有し、
    前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する
    ことを特徴とする入力装置の制御方法。
  18. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
    前記フィルタの処理を行うステップでは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
    ことを特徴とする請求項17に記載の入力装置の制御方法。
  19. 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
    前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
    前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと
    記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
    前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するステップと
    を備えることを特徴とする入力装置の制御方法。
  20. 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
    前記しきい値を調整するステップは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整する
    ことを特徴とする請求項19に記載の入力装置の制御方法。
  21. 請求項15乃至20の何れか一項に記載された入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2015137724A 2015-07-09 2015-07-09 入力装置とその制御方法及びプログラム Active JP6513513B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015137724A JP6513513B2 (ja) 2015-07-09 2015-07-09 入力装置とその制御方法及びプログラム
US15/200,482 US9836175B2 (en) 2015-07-09 2016-07-01 Input device, method of controlling the same, and program
EP16192537.5A EP3141990B1 (en) 2015-07-09 2016-07-07 Threshold adaptation for a multi-touch input device
EP16178383.2A EP3115874B1 (en) 2015-07-09 2016-07-07 Input device, method for controlling them and program, that adapt the filtering process according to the number of touches

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015137724A JP6513513B2 (ja) 2015-07-09 2015-07-09 入力装置とその制御方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017021518A JP2017021518A (ja) 2017-01-26
JP6513513B2 true JP6513513B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=56368913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015137724A Active JP6513513B2 (ja) 2015-07-09 2015-07-09 入力装置とその制御方法及びプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9836175B2 (ja)
EP (2) EP3115874B1 (ja)
JP (1) JP6513513B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190310755A1 (en) * 2016-03-22 2019-10-10 Mitsubishi Electric Corporation Coordinate correction apparatus
JP6677692B2 (ja) * 2017-10-11 2020-04-08 ファナック株式会社 表示装置、管理装置、管理システム及び制御プログラム
WO2022163451A1 (ja) * 2021-02-01 2022-08-04 ファナック株式会社 ノイズレベルを判定する診断装置
CN113552966A (zh) * 2021-06-20 2021-10-26 海南雷影信息技术有限公司 一种雷达触摸点主动预测方法及***

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4948471B2 (ja) 2008-04-15 2012-06-06 三菱電機株式会社 タッチパネル装置
KR100982282B1 (ko) * 2008-09-19 2010-09-15 주식회사 애트랩 센서, 센서의 센싱 방법, 및 센서의 필터
US8054090B2 (en) * 2008-10-22 2011-11-08 Atmel Corporation Noise handling in capacitive touch sensors
US8749512B2 (en) * 2009-09-30 2014-06-10 Apple Inc. Negative pixel compensation
KR101652828B1 (ko) * 2010-05-20 2016-08-31 삼성전자주식회사 터치 센싱 시스템에서 적응형 디지털 필터링 방법 및 장치
KR101114873B1 (ko) * 2010-08-31 2012-02-28 주식회사 이음플러스 근접센서를 이용한 이동 감지장치 및 이동 감지방법
US20120120002A1 (en) * 2010-11-17 2012-05-17 Sony Corporation System and method for display proximity based control of a touch screen user interface
WO2012117437A1 (ja) 2011-02-28 2012-09-07 三菱電機株式会社 タッチパネル装置
JP2012247911A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Sony Corp 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
JP2013097687A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Sharp Corp タッチパネル駆動装置、タッチパネルの駆動方法、表示装置、プログラムおよび記録媒体
TW201322070A (zh) * 2011-11-21 2013-06-01 Novatek Microelectronics Corp 雜訊過濾方法
TWI486837B (zh) * 2012-09-18 2015-06-01 Egalax Empia Technology Inc 基於預測的位置追蹤方法
KR20140106775A (ko) * 2013-02-25 2014-09-04 삼성전자주식회사 터치 감지 장치 및 방법
JP2015032235A (ja) * 2013-08-06 2015-02-16 ソニー株式会社 タッチ検出回路、タッチ検出方法、および電子機器
JP2015088021A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 株式会社東芝 電子機器及び座標補正方法
US9798429B2 (en) * 2014-02-28 2017-10-24 Synaptics Incorporated Guard electrodes in a sensing stack
US11621017B2 (en) * 2015-08-07 2023-04-04 Cirrus Logic, Inc. Event detection for playback management in an audio device

Also Published As

Publication number Publication date
EP3115874B1 (en) 2021-09-01
US20170010716A1 (en) 2017-01-12
EP3141990B1 (en) 2021-07-07
EP3141990A1 (en) 2017-03-15
EP3115874A1 (en) 2017-01-11
JP2017021518A (ja) 2017-01-26
US9836175B2 (en) 2017-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6219182B2 (ja) 入力装置
JP6513513B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム
KR101304195B1 (ko) 향상된 노이즈 필터링 특성을 갖는 정전 용량 센서, 정전 용량 센서의 노이즈 필터링 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
US10203804B2 (en) Input device, and control method and program therefor
JPWO2018180280A1 (ja) 入力装置、要素データ構成方法及びプログラム
JP6976450B2 (ja) センサ装置とその制御方法及びプログラム
JP6410693B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム
JP6219264B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム
JP6629102B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム
JP6224543B2 (ja) 入力装置及び指判定方法並びにプログラム
EP3220243B1 (en) Input device, control method of input device, and program
KR102375993B1 (ko) 입력 장치, 입력 장치의 제어 방법, 및 프로그램
JP6410700B2 (ja) 入力装置、入力装置の制御方法及び入力装置の制御プログラム
JP6704754B2 (ja) 判定装置及び判定方法
JP6219260B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム
KR101456649B1 (ko) 정전용량 센서 및 이를 위한 노이즈 제거 방법
JP6278888B2 (ja) 入力装置とその制御方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6513513

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150