JP6513442B2 - 酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の保存方法 - Google Patents

酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の保存方法に関する。より詳しくは、水処理剤、繊維処理剤、分散剤や洗剤ビルダー等の各種用途に好適に用いることができる酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の保存方法に関する。
構造中にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸系重合体等の酸基含有重合体は、水溶性の重合体等として、家庭用、工業用を問わず様々な用途で使用されている。その一例として、スルホン酸基含有単量体由来の構造とポリオキシアルキレン系単量体由来の構造とカルボキシル基含有単量体由来の構造とを有するスルホン酸基含有共重合体が洗剤用途に用いられる重合体として開示されている(特許文献1参照)。
特開2010−111792号公報
(メタ)アクリル酸系重合体等の酸基含有重合体の中でも、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位を含む共重合体は、長期の保存によりエステル化による分子量の増大や共重合体自体の色調変化が生じ、安定性に欠けるという問題がある。分子量の増大は重合体の特性に影響し、粘度が上昇して取り扱い性も悪化する。また、重合体の色調が変化すると劣化したとの印象を与える場合があることから、色調の変化もないことが望まれる。このため、分子量の増大や色調の変化が充分に抑制された安定性の高い酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の分子量の増大や色調変化を抑制することができる保存方法が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、分子量の増大や色調の変化が充分に抑制された保存安定性の高い酸基含有重合体、及び、酸基含有重合体の分子量の増大や色調変化を抑制することができる保存方法を提供することを目的とする。
本発明者は、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位を含み、かつ、保存安定性の高い酸基含有重合体について種々検討したところ、酸基含有重合体の酸基の中和率を40%より大きく、91%以下となるようにすると、分子量の増大や色調変化が充分に抑制され、保存安定性の高い酸基含有重合体となることを見出した。更に本発明者は、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位を含む酸基含有重合体を60℃未満の温度で保存することによっても、分子量の増大や色調変化を抑制することができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する酸基含有重合体であって、上記酸基含有重合体は、酸基の中和率が40%より大きく、91%以下であることを特徴とする酸基含有重合体である。
本発明はまた、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する酸基含有重合体を保存する方法であって、該保存方法は、酸基含有重合体を60℃未満の温度で保存することを特徴とする酸基含有重合体の保存方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<酸基含有重合体>
本発明の酸基含有重合体の中和率は、40%より大きく、91%以下であればよいが、中和率は、42%以上であることが好ましく、44%以上であることがより好ましく、46%以上であることが更に好ましい。また、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることが更に好ましい。
酸基含有重合体の中和率は、酸基含有重合体中の酸基含有単量体由来の構造単位のモル数と、中和に用いる塩基性化合物のモル数とから算出することができる。また、酸基含有重合体の原料として、中和された酸基(塩)を有する単量体を用いる場合、当該単量体由来の構造単位は、酸基が中和された構造単位として計算する。
本発明の酸基含有重合体の中和に用いる塩基性化合物は、酸基を中和することができるものである限り特に制限されず、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、及び、アルミニウムや鉄の水酸化物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の酸基含有重合体は、Fe成分の含有量が酸基含有重合体の全質量に対して10ppm以下であることが好ましい。Fe成分の含有量がこのような割合であると、酸基含有重合体の色調変化がより充分に抑制される。Fe成分の含有量は、より好ましくは、酸基含有重合体の全質量に対して8ppm以下であり、更に好ましくは、5ppm質量%以下であり、特に好ましくは、4ppm以下である。
ここで、Fe成分とは、Feの単体及びその化合物を意味する。
酸基含有重合体が含むFe成分は、主に酸基含有重合体の製造時に使用する反応促進剤に由来するため、反応促進剤の種類や量を調整することで、上記Fe成分の含有量とすることができる。
本発明の酸基含有重合体が有する酸基含有単量体単位の合計割合は、酸基含有重合体が有する全単量体単位100質量%に対して、10〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは、25〜80質量%であり、更に好ましくは、40〜80質量%である。
なお、ここでいう酸基含有単量体単位には、酸が塩の形態になっているものも含まれる。すなわち、酸基には、酸が塩の形態になっているものも含まれる。以下においても同様である。上記酸基含有単量体単位の合計割合の計算において、塩の形態のものについては、対応する酸型の単量体単位の質量に換算して計算する。
酸が塩の形態になっているものとしては、酸を上記塩基性化合物で中和してできる塩が挙げられる。
上記酸基含有単量体単位は、構造中に酸基を有する単量体単位であれば特に制限されず、酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。これらの中でも、本発明の酸基含有重合体の酸基含有単量体単位は、カルボキシル基含有単量体単位を含むことが好ましい。
本発明の酸基含有重合体がカルボキシル基含有単量体単位を含む場合、カルボキシル基含有単量体単位の割合は、酸基含有重合体が有する全単量体単位100質量%に対して、酸型換算で5〜85質量%であることが好ましい。より好ましくは、18〜73質量%であり、更に好ましくは、30〜71質量%である。
なお、本発明において「酸型換算」とは、カルボキシル基含有単量体単位、スルホン酸基含有単量体単位、その他の酸基含有単量体単位において、全単量体単位に対する該単量体単位の質量割合(組成比)を算出する際に、対応する酸型の単量体単位として計算することを意味する。重合体の原料となる単量体成分に含まれるカルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、その他の酸基含有単量体の質量割合を算出するときも同様とする。
上記カルボキシル基含有単量体単位は、カルボキシル基含有単量体を重合させることで形成されるものであってもよく、重合体を構成する単量体単位にカルボキシル基を導入して形成されるものであってもよいが、カルボキシル基含有単量体を重合させることで形成されるものであることが好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、重合反応をすることができる炭素−炭素不飽和結合とカルボキシル基とを有するものであれば特に制限されないが、不飽和炭化水素基とカルボキシル基を有し、炭素数3〜12の化合物が好ましい。より好ましくは、炭素数3〜10の化合物である。
カルボキシル基含有単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−メチレングルタル酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸がより好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
本発明の酸基含有重合体はまた、酸基含有単量体単位としてスルホン酸基含有単量体単位を含むものであることが好ましい。このように、本発明の酸基含有重合体がスルホン酸基含有単量体単位を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の酸基含有重合体がスルホン酸基含有単量体単位を含む場合、スルホン酸基含有単量体単位の割合は、酸基含有重合体が有する全単量体単位100質量%に対して、酸型換算で5〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは、7〜60質量%であり、更に好ましくは、9〜50質量%である。
上記スルホン酸基含有単量体単位は、スルホン酸基含有単量体を重合させることで形成されるものであってもよく、重合体を構成する単量体単位にスルホン酸基を導入して形成されるものであってもよいが、スルホン酸基含有単量体を重合させることで形成されるものであることが好ましい。スルホン酸基含有単量体は、スルホン酸基と、重合反応をすることができる炭素−炭素不飽和結合を有するものであれば特に制限されないが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又は、下記式(1);
Figure 0006513442
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、直接結合、CH、CHCHのいずれかの構造を表す。X、Yは、水酸基又はSOM基を表し、SOM基において、Mは、水素原子、Li、Na、Kを表す。但し、X、Yの少なくともいずれか一方が、SOM基を表す。)で表される単量体であることが好ましい。
上記式(1)におけるRは、CHであることがより好ましい。また、上記式(1)におけるX及びYのうちいずれかがSOM基であり、もう片方が水酸基であることが好ましい。より好ましくは、Xが、水酸基であり、YがSOM基である。上記式(1)で表される化合物として、具体的には、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)が挙げられ、特に好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)である。スルホン酸基含有単量体が、上記式(1)で示される構造であると、酸基含有重合体の保存安定性が高くなるため好ましい。
本発明の酸基含有重合体が有する末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位の割合は、酸基含有重合体が有する全単量体単位100質量%に対して、10〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜75質量%であり、更に好ましくは、20〜60質量%である。
本発明の酸基含有重合体が有する末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位は、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を有する単量体を重合させることで形成されるものであってもよく、重合体を構成する単量体単位に末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を導入して形成されるものであってもよいが、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を有する単量体を重合させることで形成されるものであることが好ましい。
末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を有する単量体は、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖と、重合反応をすることができる炭素−炭素不飽和結合とを有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(2);
Figure 0006513442
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、直接結合、CH又はCHCHを表す。Xは、下記式(3);
Figure 0006513442
(式中、Zは、同一又は異なって、炭素数2〜20のアルキレンオキシド由来の構造を表す。nは、1〜200の整数である。)で表される構造を表す。)で表される(ポリ)オキシアルキレン系単量体であることが好ましい。
上記式(2)で表される構造において、好ましくは、Rが水素原子、RがCH、又は、Rがメチル基、RがCH、又は、Rがメチル基でRがCHCHである。さらに好ましくは、Rがメチル基、RがCH、又は、Rがメチル基、RがCHCHである。より好ましくは、Rがメチル基、RがCHCHである。
上記式(3)において、「アルキレンオキシド由来の構造」とは、アルキレンオキシドが開環したオキシアルキレン構造を示す。例えば、アルキレンオキシドがエチレンオキサイド(EO)である場合、「アルキレンオキシド由来の構造」はエチレンオキサイドが開環したオキシアルキレン構造である、−OCHCH−基(オキシエチレン基)である。
上記アルキレンオキシド由来の構造としての、オキシアルキレン基の炭素数は、2〜20であり、好ましくは2〜15であり、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。
アルキレンオキシド由来の構造としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、イソブチレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、2−ブテンオキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、テトラメチルエチレンオキサイド、ブタジエンモノオキサイド、オクチレンオキサイド、スチレンオキサイド、1,1−ジフェニルエチレンオキサイド等の化合物由来の構造が例示され得る。
中でも、上記アルキレンオキシド由来の構造(オキシアルキレン基)としては、EO又はPO由来の基(すなわち、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)であることが好ましく、オキシエチレン基であることがより好ましい。なお、オキシアルキレン基としては、1種のみが単独で存在してもよいし、2種以上が混在していてもよい。
上記式(2)で表される(ポリ)オキシアルキレン系単量体の有する(ポリ)アルキレングリコール鎖(オキシアルキレン基により形成される基)は、オキシエチレン基(−O−CH−CH−)を主体とするものであることが好ましい。この場合、「オキシエチレン基を主体とする」とは、オキシアルキレン基が単量体中に2種以上存在する場合に、全オキシアルキレン基の存在数において、オキシエチレン基がその大半を占めるものであることを意味する。これにより、製造時の重合がスムーズに進行し、かつ、得られる酸基含有重合体が水溶性に優れたものとなる。
上記式(2)で表される(ポリ)オキシアルキレン系単量体の有する(ポリ)アルキレングリコール鎖において、「オキシエチレン基を主体とする」ことを全オキシアルキレン基100モル%中のオキシエチレン基のモル%で表すとき、50〜100モル%であることが好ましい。オキシエチレン基の含量が50モル%以上であれば、オキシアルキレン基から形成される基の親水性を更に向上させることができる。より好ましくは60モル%以上であり、更に好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは90モル%以上である。
上記式(3)において、nは、アルキレンオキシド由来の構造単位の繰り返しの数であり、1〜200の整数である。好ましくは5〜100であり、より好ましくは10〜80であり、更に好ましくは25〜75であり、最も好ましくは40〜60である。
本発明の酸基含有重合体が、カルボキシル基含有単量体単位、スルホン酸基含有単量体単位、及び、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位を有するものである場合、これら3つの単量体単位の質量割合は、5〜85/5〜85/10〜90であることが好ましい。より好ましくは、18〜73/7〜62/20〜75であり、更に好ましくは、30〜71/9〜50/20〜61である。
本発明の酸基含有重合体は、カルボキシル基含有単量体単位、スルホン酸基含有単量体単位、及び、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位以外のその他の単量体単位を含んでいてもよいが、その他の単量体単位の割合は、酸基含有重合体の全単量体単位100質量%に対して、60質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、40質量%以下であり、更に好ましくは、20質量%以下である。
上記その他の単量体単位を形成する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルコールとのエステル化により得られるアルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート又はその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸及びこれらの塩などのホスホン酸(塩)基を有する単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール:ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;等が挙げられる。これらの他の単量体についても、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の酸基含有重合体は、重量平均分子量が1,000〜200,000であることが好ましい。より好ましくは、3,000〜100,000であり、更に好ましくは、5,000〜80,000である。
酸基含有重合体の重量平均分子量は、GPCにより、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の酸基含有重合体の製造方法は、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する重合体が得られる限り特に制限されないが、酸基含有単量体と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体とを含む単量体成分を重合することにより製造されることが好ましい。
酸基含有重合体の原料となる単量体成分全体における酸基含有単量体の割合、及び、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体の割合は、上述した酸基含有重合体の全単量体単位中における酸基含有単量体由来の単量体単位の好ましい割合、及び、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位の好ましい割合と同様である。
単量体成分が、上記カルボキシル基含有単量体やスルホン酸基含有単量体を含む場合、単量体成分全体におけるそれらの好ましい割合は、上述した酸基含有重合体の全単量体単位中におけるカルボキシル基含有単量体単位の好ましい割合、及び、スルホン酸基含有単量体単位の好ましい割合と同様である。
本発明の酸基含有重合体は、原料となる単量体成分を重合することにより得ることができる。単量体成分を重合する方法は特に制限されず、通常用いられる重合方法を用いることができる。
本発明の酸基含有重合体を製造するための重合反応は、重合開始剤を用いて行うことができる。重合開始剤としては、特に制限されず、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量は特に制限されないが、単量体成分100質量%に対して、0.001質量%以上、20質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.005質量%以上、15質量%以下であり、更に好ましくは、0.01質量%以上、10質量%以下である。
上記重合反応は、連鎖移動剤を用いて行ってもよい。連鎖移動剤としては、特に制限されず、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物及びその塩等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記連鎖移動剤の使用量は特に制限されず、求められる重合体の分子量等に応じて適宜決定すればよいが、全単量体成分1モルに対して0.5〜10gであることが好ましい。より好ましくは、全単量体成分1モルに対して1.0〜7.0gであり、更に好ましくは、全単量体成分1モルに対して2.0〜5.0gである。
上記重合反応は、更に反応促進剤を用いてもよい。反応促進剤としては、比重が4g/cm以上の重金属のイオン等を用いることができる。比重が4g/cm以上の重金属としては、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が挙げられる。これらの中でも鉄(Fe)が好ましい。重金属のイオンが反応促進剤として用いられる場合、重金属のイオン価は特に制限されず、Feが用いられる場合、2価、3価のいずれのFeイオンであってもよく、これら両方を含んでいてもよい。
反応促進剤として重金属イオンを用いる場合、重金属化合物の溶液を用いる方法が、取り扱い性に優れる点で好ましい。この場合に用いる重金属化合物は、溶液に溶解して重金属イオンを発生させるものであれば特に制限されない。
例えば、Feイオンを反応促進剤として用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、Mnイオンを反応促進剤として用いる場合、塩化マンガン等を用いることが好ましい。
これらの化合物は、いずれも水溶性の化合物であるため、取り扱い性に優れる水溶液として用いることができるが、溶媒は水に限定されず、重合反応を妨げず、重金属化合物を溶解することができるいずれの溶媒も用いることができる。
上記反応促進剤の使用量は、重合反応完結時における重合反応液中の反応促進剤の有効成分の質量割合が重合反応液の全質量に対して、0.1〜10ppmとなる量であることが好ましい。このような量で用いることで、反応促進剤を使用することの効果を充分に得つつ、製造された酸基含有重合体の色調の変化も充分に抑制することができる。反応促進剤の有効成分の質量割合は、より好ましくは、1〜4ppmである。
なお、重合反応完結時とは、重合反応液中において、重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体がアルカリ成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
重合の際の温度は70℃〜110℃であることが好ましい。より好ましくは、80〜100℃である。
重合時間は特に制限されないが、好ましくは30〜420分であり、より好ましくは45〜390分である。
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる重合体の分子量の点では、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うことが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気としてもよい。
<酸基含有重合体の保存方法>
本発明はまた、酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する酸基含有重合体を保存する方法であって、該保存方法は、酸基含有重合体を60℃未満の温度で保存することを特徴とする酸基含有重合体の保存方法でもある。
酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する酸基含有重合体をこのような温度で保存することで、エステル化による分子量の増大や重合体の色調の変化を充分に抑制して安定的に保存することができる。ここで、60℃未満の温度で保存するとは、酸基含有重合体を60℃未満の温度環境下におくことを意味し、その時間の長さは問わないが、本発明の保存方法の効果を充分に発揮させる点から、保存する時間は、2週間以上であることが好ましい。より好ましくは、3週間以上であり、更に好ましくは、4週間以上である。
保存する時間の上限は特に制限されないが例えば、6ヶ月以下とすることができる。
上記保存方法は、酸基含有重合体を60℃未満の温度で保存するものであればよいが、分子量の増大や重合体の色調の変化を抑制する効果をより充分に発揮させる点から、保存する温度は、55℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、50℃以下であり、更に好ましくは、45℃以下である。また、保存温度は、5℃以上であることが好ましい。
また上記保存方法は、酸基の中和率が40%より大きく、91%以下である酸基含有重合体に適用することが好ましい。このような酸基含有重合体を上記温度で保存することで、より充分な分子量の増大や重合体の色調の変化の抑制効果を得ることができる。
保存する酸基含有重合体の、酸基の中和率の好ましい範囲は、上述した本発明の酸基含有重合体における酸基の中和率の好ましい範囲と同様である。また、本発明の酸基含有重合体の保存方法を用いる酸基含有重合体の好ましい構造は、上述した本発明の酸基含有重合体の好ましい構造と同様である。
本発明の酸基含有重合体は、上述の構成よりなり、分子量の増大や色調の変化が充分に抑制された保存安定性の高い酸基含有重合体であることから、水処理剤、繊維処理剤、分散剤や洗剤等の各種用途に好適に用いることができる。また、本発明の酸基含有重合体の保存方法は、分子量の増大や色調の変化を抑制して酸基含有重合体を安定的に保存することができる保存方法であることから、上記用途等の各種用途に用いられる酸基含有重合体の保存方法として好適である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
本発明の酸基含有重合体の重量平均分子量、色調、及び、これらの変化率は下記の方法に従って測定、算出した。
<酸基含有重合体の重量平均分子量の測定方法>
装置:東ソー株式会社製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYETHYLENGLYCOL STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
<酸基含有重合体の色調(APHA)の測定方法>
日本電色工業株式会社製色差計(SE6000)を用いてAPHAを測定した。
<変化率算出方法>
APHA・重量平均分子量共に、下記計算式を用いて算出した。
変化率(%)=(4週間保存後測定値―初期測定値)/初期測定値×100
<実施例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.030g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量(ここで、総仕込み量とは、重合完結後の中和工程を含む、全ての投入物重量をいう。以下同様とする。)に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す。)405.0g、40質量%3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、「40%HAPS」と称す。)405.0g、イソプレノールのエチレンオキサイド10モル付加物の80質量%水溶液(以下、80%IPN10と称す。)162.0g、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと称す。)109.8g、及び、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと称す。)78.4gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと称す。)130.8gを添加し、中和率40%、重量平均分子量17,000の酸基含有重合体1を得た。
この酸基含有重合体1をガラス製密閉容器に入れて50℃の恒温機中で保存し、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<実施例2>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.031g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%、NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを173.9g添加し、中和率50%、重量平均分子量21,000の酸基含有重合体2を得た。
この酸基含有重合体2をガラス製密閉容器に入れて50℃恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<実施例3>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.034g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを303.5g添加し、中和率80%、重量平均分子量21,000の酸基含有重合体3を得た。
この酸基含有重合体3をガラス製密閉容器に入れて50℃恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した
<実施例4>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを130.8gを添加し、中和率40%、重量平均分子量21,000の酸基含有重合体4を得た。
この酸基含有重合体4をガラス製密閉容器に入れて50℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<実施例5>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを173.9g添加し、中和率50%、重量平均分子量30,000の酸基含有重合体5を得た。
この酸基含有重合体5をガラス製密閉容器に入れて50℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<実施例6>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.034g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを303.5g添加し、中和率80%、重量平均分子量17,000の酸基含有重合体6を得た。
この酸基含有重合体6をガラス製密閉容器に入れて40℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<実施例7>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.034g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを303.5g添加し、中和率80%、重量平均分子量17,000の酸基含有重合体7を得た。
この酸基含有重合体7をガラス製密閉容器に入れて25℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<比較例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.029g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを87.6g添加し、中和率30%、重量平均分子量18,000の比較酸基含有重合体1を得た。
この比較酸基含有重合体1をガラス製密閉容器に入れて50℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<比較例2>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.035g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを346.6g添加し、中和率90%、重量平均分子量20,000の比較酸基含有重合体2を得た。
この比較酸基含有重合体2をガラス製密閉容器に入れて50℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<参考例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。昇温後、モール塩0.031g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量に換算すると3ppm)を加えた。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを173.9g添加し、中和率50%、重量平均分子量21,000の参考酸基含有重合体1を得た。
この参考酸基含有重合体1をガラス製密閉容器に入れて60℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
<参考例2>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製の2.5L釜に、純水345.9gを仕込み、攪拌下、85℃に昇温した。
次いで攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%AAを405.0g、40%HAPSを405.0g、80%IPN10を162.0g、15%NaPSを109.8g、35%SBSを78.4g、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、40%HAPSを90分間、80%IPN10を120分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
すべての滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。
その後、48%NaOHを173.9g添加し、中和率50%、重量平均分子量28,000の参考酸基含有重合体2を得た。
この参考酸基含有重合体2をガラス製密閉容器に入れて60℃の恒温機中で保存を行い、保存開始後、4週間経過した時点で色調変化、重量平均分子量変化を評価した。結果を表1に示した。
Figure 0006513442
表1に記載の以下の3つの評価は、以下の基準により行った。また、表1に記載の判定結果は、これら3つの評価結果を総合して判定した。
[0W(初期)のAPHA]
◎:40以下
○:40より大きく、60以下
×:60より大きい
[APHAの変化率]
◎:300%以下
○:300%より大きく、500%以下
×:500%より大きい
[重量平均分子量の変化率]
◎:5%以下
○:5%より大きく、10%以下
×:10%より大きい

Claims (1)

  1. 酸基含有単量体単位と末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位とを有する酸基含有重合体を保存する方法であって、
    該酸基含有重合体は、酸基含有単量体単位としてカルボキシル基含有単量体単位と下記式(1);
    Figure 0006513442
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、直接結合、CH、CHCHのいずれかの構造を表す。X、Yは、水酸基又はSOM基を表し、SOM基において、Mは、水素原子、Li、Na、Kを表す。但し、X、Yの少なくともいずれか一方が、SOM基を表す。)で表される化合物由来の単量体単位であるスルホン酸基含有単量体単位とを含み、
    該末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位は、下記式(2);
    Figure 0006513442
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、直接結合、CH又はCHCHを表す。Xは、下記式(3);
    Figure 0006513442
    (式中、Zは、同一又は異なって、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド由来の構造を表す。nは、1〜200の整数である。)で表される構造を表す。)で表される(ポリ)オキシアルキレン系単量体由来の単量体単位であり、
    カルボキシル基含有単量体単位、スルホン酸基含有単量体単位、及び、末端が水酸基であるポリアルキレングリコール鎖を側鎖に有する単量体単位の質量割合は、5〜85/5〜85/10〜90であり、
    該酸基含有重合体の酸基の中和率は40%より大きく、80%以下であり、
    該保存方法は、酸基含有重合体を40℃以上、60℃未満の温度で2週間以上保存することを特徴とする酸基含有重合体の保存方法。
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