JP6508972B2 - 軸受装置および磁気記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受装置および磁気記録装置に関するものである。
近年、ハードディスク(磁気記録装置)の高密度記録化および高容量化に伴い、ハードディスクに用いられる部品に高い清浄度が要求されている。ハードディスクにおいては、転がり軸受によりディスク上で磁気ヘッドを搖動させた場合に、転がり軸受の内部のグリスが飛散して油滴がディスクや磁気ヘッドに付着し、データの読み書き不良が発生するという問題があった。
このため、従来、転がり軸受を嵌合状態に支持する軸部材の外面に、転がり軸受の外輪に向かって半径方向外方に広がる環状の板部材を固定し、転がり軸受の内部の空気流動を抑えて転がり軸受のグリスの飛散を抑制する軸受装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の軸受装置は、グリスの飛散抑制の効果を高めるため、板部材を段付き形状にして板部材と転がり軸受のシール部材および外輪との間の隙間をそれぞれ狭くし、距離が長いラビリンス(狭い隙間)を形成することで、転がり軸受の内部の空気流動をより低減している。
特開2013−48005号公報
しかしながら、特許文献1に記載の軸受装置のように板部材を段付き形状にするのでは、板部材の形状が複雑で加工が難しく、コストが高くなるという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、コストを抑えてグリスの飛散を防止することができる転がり軸受、軸受装置および磁気記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、同軸上に配置された内輪および外輪と、これら内輪と外輪との間の円環状空間に内蔵された複数個の転動体と、これら複数個の転動体を前記円環状空間の周方向に等間隔に配置した状態で転動可能に保持する保持器とを備え、前記内輪および前記外輪が、前記転動体と接触する曲面からなる転走面を有し、前記内輪における前記転走面から軸方向の一方の端部までの寸法が、前記外輪における前記転走面から軸方向の同一側の一方の端部までの寸法よりも長い転がり軸受2つを、前記外輪の前記一方の端部どうしが互いに軸方向に近接する向きで、該軸方向に間隔をあけて配列させ、
該2つの転がり軸受の各前記内輪に嵌合され、該内輪の内面における前記転走面の裏よりも前記一方の端部側にずらした位置が接着剤により接着される軸部材と、
前記外輪間に軸方向に挟まれ、前記内輪間に軸方向に隙間を形成するスペーサとを備え、
各前記内輪が相対的に軸方向に近接する方向に押圧されて前記転がり軸受に予圧が付与された状態で、前記外輪の他方の端部が前記内輪の他方の端部よりも軸方向に突出している軸受装置を提供する。
本発明によれば、内輪または外輪の軸回りの回転に伴い、複数の転動体が保持器により周方向に間隔をあけて配列された状態で各転走面間で個々に転動することで、内輪と外輪とが軸回りに相対回転する。したがって、2つの転がり軸受を軸方向に間隔をあけて配列して、各内輪に軸部材を嵌合状態に固定するとともに各外輪を外嵌部材に嵌合状態に固定すれば、これら2つの転がり軸受により軸部材と外嵌部材とを軸回りに相対回転させることができる。
ここで、2つの転がり軸受の外輪間に軸方向にスペーサを挟んで内輪間に軸方向に隙間を形成するとともに、各内輪に嵌合させた軸部材の外面に対して内輪どうしを相互に近接させる方向に押圧した状態で接着剤により固定すれば、2つの転がり軸受に予圧をかけて回転精度を向上した軸受装置を構成することができる。
この場合において、内輪の内面における転走面の裏を軸部材との接着面にすると、接着剤の硬化時に内輪の転走面が歪んで回転負荷トルクが大きくなり、発熱により転がり軸受の内部のグリスが高温になって飛散し易くなる。これに対し、本発明においては、内輪の転走面から軸方向の一方の端部までの寸法を長くしたことで、軸部材との接着面を内輪の内面における転走面の裏よりも一方の端部側にずらした位置に確保することができる。したがって、内輪と軸部材とを固定する接着剤の硬化による内輪の転走面の歪みを低減し、回転負荷トルクの上昇によるグリスの飛散を抑制することができる。また、外輪の長さを短くし、外輪のコストを抑えることができる。
本発明によれば、軸部材により、2つの転がり軸受の内輪と外輪とがそれぞれ同軸回りに相対回転可能に支持される。また、スペーサにより、外輪の軸方向の長さを長くすることなく内輪間に隙間を形成することができる。これにより、スペーサと比較して精度が要求される外輪の寸法を長くすることなく予圧を付与することができ、外輪のコストを抑えて各転がり軸受の回転精度を向上することができる。スペーサとしては、単体の円環状部材でもよいし、外輪を嵌合させる外嵌部材の内面に半径方向内方に突出するように形成された凸部でもよい。
この場合において、外輪の他方の端部が内輪の他方の端部よりも軸方向に突出する分だけ、外輪の他方の端部と軸部材との間にラビリンスを形成する円環状のハブキャップを軸部材に取り付けやすくすることができる。
上記発明においては、前記軸部材の外面に固定され、前記外輪における軸方向の他方の端部の内面に向かって半径方向外方に広がる円環状のハブキャップを備えることとしてもよい。
このように構成することで、ハブキャップにより、軸部材と外輪の内面との間に長いラビリンスを形成し、転がり軸受の内部の空気流動を抑えてグリスの飛散を低減することができる。
上記発明においては、前記内輪における前記転走面から軸方向の前記一方の端部までの寸法と他方の端部までの寸法とが同一であることとしてもよい。
このように構成することで、転がり軸受を組み立てる際に、内輪の表裏を気にしなくて済む。したがって、組み立ての容易化およびコストの低減を図ることができる。
上記発明においては、前記外輪における前記転走面から軸方向の他方の端部までの寸法が前記一方の端部までの寸法よりも長いこととしてもよい。
このように構成することで、外輪の転走面から軸方向の両端部までの寸法が同一の場合と比較して、外輪における転走面から軸方向の他方の端部を内輪における転走面から軸方向の他方の端部よりも軸方向に長く突出させることができる。これにより、内輪に軸部材を嵌合させて、軸部材と外輪の軸方向の他方の端部との間に円環状のハブキャップを配置する場合に、ハブキャップの外面と外輪の内面との間に狭い隙間(ラビリンス)を形成させ易くすることができる。
本発明は、前記外輪の前記一方の端部どうしが互いに軸方向に近接する向きで、該軸方向に間隔をあけて配列された上記いずれかの2つの転がり軸受と、該2つの転がり軸受の各前記内輪に嵌合され、該内輪の内面における前記転走面の裏よりも前記一方の端部側にずらした位置が接着剤により接着される軸部材と、前記外輪間に軸方向に挟まれ、前記内輪間に軸方向に隙間を形成するスペーサとを備え、各前記内輪が相対的に軸方向に近接する方向に押圧されて前記転がり軸受に予圧が付与された状態で、前記外輪の他方の端部が前記内輪の他方の端部よりも軸方向に突出している軸受装置を提供する。
本発明は、請求項または請求項に記載の軸受装置と、該軸受装置の前記軸部材が固定されるベース部材と、磁気情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記転がり軸受の前記外輪に装着され、前記磁気記録媒体に磁気情報を記録させるスイングアームと、該スイングアームを駆動する駆動部とを備える磁気記録装置を提供する。
本発明によれば、軸受装置により、コストを抑えてグリスの飛散を防止し、ベース部材に対してスイングアームを軸部材回りに安定して搖動させることができる。したがって、駆動部により、磁気記録媒体に対してスイングアームを安定して往復移動させて、磁気情報を精度よく記録させることができる。
本発明によれば、コストを抑えてグリスの飛散を防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る軸受装置を備えるハードディスクドライブ装置の概略構成図である。 図1の軸受装置の縦断面図である。 図2の軸受装置における第2転がり軸受とシャフトの部分的な拡大図である。 本発明の一実施形態の参考例として、内輪の内面における転走面の裏をシャフトとの接着面にした転がり軸受の回転角度とトルクとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態の第1変形例としての軸受装置の縦断面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例としての軸受装置の縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る転がり軸受、軸受装置および磁気記録装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るハードディスクドライブ装置(磁気記録装置)100は、図1に示すように、略矩形箱状のベースハウジング(ベース部材)1と、ベースハウジング1に固定された軸受装置3と、軸受装置3によりベースハウジング1に対して搖動可能に支持されたスイングアーム5と、スイングアーム5を揺動させるボイスコイルモータ等の駆動部7と、磁気情報を記録可能な磁気記録媒体9とを備えている。
スイングアーム5は、磁気記録媒体9に磁気情報を書き込んだり、磁気記録媒体9に記録されている磁気情報を読み取ったりする磁気ヘッド6を先端部に有している。また、スイングアーム5は、軸受装置3を嵌合する軸受嵌合孔(図示略)を基端部に有している。
軸受装置3は、図2に示すように、シャフト(軸部材)31と、シャフト31を嵌合して軸方向に間隔をあけて同軸に配列される第1転がり軸受(転がり軸受)10および第2転がり軸受(転がり軸受)20と、これら転がり軸受10,20間に軸方向に挟まれるスペーサ33と、シャフト31に固定された円環状のハブキャップ35とを備えている。
シャフト31は、中空の略円筒形状に形成されており、軸方向の一端に全周にわたり径方向外方に突出する鍔状のフランジ部31aを有している。このシャフト31は、ベースハウジング1にフランジ部31aが固定され、中心軸線C上に配されている。シャフト31には、フランジ部31a側から順に第1転がり軸受10、スペーサ33、第2転がり軸受20、ハブキャップ35が嵌め込まれている。
第1転がり軸受10は、同軸に配置された円環形状の内輪11および外輪13と、これら内輪11と外輪13との間の円環状空間に内蔵される複数個の転動体15と、各転動体15を円環状空間の周方向に等間隔に配置した状態で転動可能に保持するリテーナ(保持器)17と、内外輪間の円環状空間における軸方向の両端をそれぞれ閉塞するように配されたシールド板19A,19Bとを備えている。
内輪11および外輪13は、それぞれ転動体15と接触する曲面からなる転走面11a,13aを有している。
内輪11は、外面における軸方向の中央よりもやや端部11c寄りの位置に周方向に亘り転走面11aが形成されており、転走面11aから軸方向の一方の端部11bまでの寸法が転走面11aから軸方向の他方の端部11cまでの寸法よりも長くなっている。内輪11の転走面11aから端部11bまでの寸法は、内輪11の内面の内、接着剤によるシャフト31との接着面を転走面11aの裏よりも端部11b側に限定した場合に、シャフト31に内輪11を十分に固定することができる長さを有している。
外輪13は、軸方向の両端部の薄肉部分と、薄肉部分よりも内面が径方向内方に突出する軸方向の中央部の厚肉部分とからなる段付き形状を有している。この外輪13には、厚肉部分における内面に周方向に亘り転走面13aが形成されており、転走面13aから軸方向の一方の端部13bまでの寸法が転走面13aから軸方向の他方の端部13cまでの寸法よりも短くなっている。
これら内輪11と外輪13は、内輪11の転走面11aから端部11bまでの寸法が、外輪13の転走面13aから端部13bまでの寸法よりも長く形成されている。また、外輪13の転走面13aから端部13cまでの寸法が、内輪11の転走面11aから端部11cまでの寸法よりも長く形成されている。したがって、第1の転がり軸受10は、内輪11の端部11bが外輪13の端部13bよりも軸方向に長く突出し、外輪13の端部13cが内輪11の端部11cよりも軸方向に長く突出している。
各転動体15は、リテーナ17により周方向に等間隔に配置され、内輪11の転走面11aと外輪13の転走面13aとの間にそれぞれ転動可能に保持されている。
シールド板19A,19Bは、例えば、金属製やプラスチック製の円環形状の板状部材であり、プレス成形や樹脂成形などで製造することができる。これらシールド板19A,19Bは、それぞれ外輪13の厚肉部分に突き当てられて薄肉部分により嵌合状態に保持されており、内縁部が内輪11との間に半径方向に僅かに隙間を有している。
第2転がり軸受20は、第1転がり軸受10と同一の構成を有している。すなわち、第2転がり軸受20は、内輪21および外輪23と、複数個の転動体25と、リテーナ(保持器)27と、シールド板29A,29Bとを備えている。
内輪21および外輪23は、それぞれ転動体25と接触する曲面からなる転走面21a,23aを有している。
内輪21は、外面における軸方向の中央よりもやや端部21c寄りの位置に周方向に亘り転走面21aが形成されており、転走面21aから軸方向の一方の端部21bまでの寸法が転走面21aから軸方向の他方の端部21cまでの寸法よりも長くなっている。内輪21の転走面21aから端部21bまでの寸法も、内輪21の内面の内、接着剤によるシャフト31との接着面を転走面21aの裏よりも端部21b側に限定した場合に、シャフト31に内輪21を十分に固定することができる長さを有している。
外輪23は、外輪13と同様に、軸方向の両端部の薄肉部分と軸方向の中央部の厚肉部分とからなる段付き形状を有している。この外輪23は、厚肉部分の内面に周方向に亘り転走面23aが形成されており、転走面23aから軸方向の一方の端部23bまでの寸法が転走面23aから軸方向の他方の端部23cまでの寸法よりも短くなっている。
これら内輪21と外輪23は、内輪21の転走面21aから端部21bまでの寸法が、外輪23の転走面23aから端部23bまでの寸法よりも長く形成されている。また、外輪23の転走面23aから端部23cまでの寸法が、内輪21の転走面21aから端部21cまでの寸法よりも長く形成されている。したがって、第2の転がり軸受20は、内輪21の端部21bが外輪23の端部23bよりも軸方向に長く突出し、外輪23の端部23cが内輪21の端部21cよりも軸方向に長く突出している。
各転動体25は、リテーナ27により周方向に等間隔に配置され、内輪21の転走面21aと外輪23の転走面23aとの間にそれぞれ転動可能に保持されている。
シールド板29A,29Bは、シールド板19A,19Bと同様の板状部材であり、外輪23の厚肉部分に突き当てられて薄肉部分により嵌合状態に保持され、それぞれの内縁部が内輪21との間に半径方向に僅かに隙間を有している。
このように構成された転がり軸受10,20は、各外輪13,23の端部13b,23bどうしを互いに軸方向に向い合せにして配されている。また、転がり軸受10,20は、それぞれ内輪11,21にシャフト31が嵌合され、外輪13,23がそれぞれスイングアーム5の軸受嵌合孔に嵌合されるようになっている。
スペーサ33は、例えば、外径寸法が外輪13,23の外径寸法よりも僅かに小さく、内径寸法が外輪13,23の内径寸法よりも若干小さいリング形状を有している。このスペーサ33は、軸方向の一方の端部に第1転がり軸受10の外輪13の端部13bが突き当てあられ、軸方向の他方の端部に第2転がり軸受20の外輪23の端部23bが突き当てられている。外輪21,23間にスペーサ33が挟まれることで、内輪11,21間に軸方向に隙間が形成されている。
このように構成された軸受装置3は、転がり軸受10,20の内輪11,21が相互に近接するように内輪21が軸方向に押圧された状態で、内輪11,21の内面とシャフト31の外面とが接着剤により接合されている。具体的には、内輪11,21の内面の内、接着剤によるシャフト31との接着面が転走面11a,21aの裏よりも端部11b,21b側にずらした位置に限定されて接合されている。
これにより、転がり軸受10,20に予圧がかけられて、内輪11,21および外輪13,23と転動体15,25とが隙間なく接触させられた状態が維持されている。
また、転がり軸受10,20の外輪13,23とスイングアーム5の軸受嵌合孔の内面も接着剤により接合されるようになっている。
内輪11,21および外輪13,23の接着に用いられる接着剤としては、例えば、嫌気性接着剤や熱硬化接着剤等が挙げられる。
ハブキャップ35は、図3に示すように、シャフト31の先端側の外面に固定され、シャフト31と第2の転がり軸受20の外輪23の端部23cとの間に配置されている。このハブキャップ35は、外輪23の端部23cの内面よりも僅かに小さい外形寸法を有しており、外輪23の端部23cの内面との間に狭い隙間(以下、このような狭い隙間を「ラビリンスL」という。)を形成している。
次に、軸受装置3およびハードディスクドライブ装置100の作用について説明する。
本実施形態に係る転がり軸受10,20は、内輪11,21または外輪13,23の軸回りの回転に伴い、各転動体15,25がリテーナ17,27により周方向に間隔をあけて配列された状態で転走面11a,13a間および転走面21a,23a間で個々に転動することで、シャフト31に固定された内輪11,21とスイングアーム5に嵌合された外輪13,23とが軸回りに相対回転する。
したがって、本実施形態に係るハードディスクドライブ装置100は、駆動部7の作動により、転がり軸受10,20の外輪13,23に固定されたスイングアーム5が、シャフト31が固定されているベースハウジング1に対して中心軸線C回りに揺動させられる。そして、スイングアーム5の揺動に従い、磁気ヘッド6が磁気記録媒体9上を往復移動させられる。
例えば、駆動部7によりスイングアーム5を高速動作させると、磁気記録媒体9の所定の位置に記録されたデータへ磁気ヘッド6が瞬時に移動させられ、磁気ヘッド6により、磁気記録媒体9に記録されている磁気情報の読み取りや書き込みを行うことができる。
ここで、2つの転がり軸受10,20の外輪13,23間にスペーサ33を挟んで内輪11,21間に隙間を形成するとともに、シャフト31を嵌合させた内輪11,21どうしを相互に近接させる方向に押圧した状態で接着剤により各内輪11,21をシャフト31に固定したことで、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけた状態を維持して回転精度を向上することができる。
この場合において、内輪11,21の内面における転走面11a,21aの裏をシャフト31との接着面にすると、接着剤の硬化時に内輪11,21の転走面11a,21aが歪んでしまい、例えば、図4において符号Bを付して示すように、回転負荷トルクが大きくなる。その結果、発熱により、転がり軸受20の内部のグリスが高温になって飛散し易くなる。油滴がディスクや磁気ヘッドに付着すると、データの読み書き不良が発生する原因となる。図4は、転がり軸受を360°回転させた場合のトルクの変動を示すものであり、符号Aは内輪の転走面に歪みがない場合の一例であり、符号Bは内輪の転走面に歪みがある場合の一例である。
これに対し、本実施形態に係る軸受装置3は、内輪11,21の転走面11a,21aから端部11b,21bまでの寸法を長くしたことで、内輪11,21の内面の内、転走面11a,21aの裏よりも端部11b,21b側に限定した範囲に接着剤によるシャフト31との接着面を確保することができる。
したがって、内輪11,21の内面における転走面11a,21aの裏を接着面としなくて済み、内輪11,21とシャフト31とを固定する接着剤の硬化による転走面11a,21aの歪みを低減することができる。これにより、図4において符号Aを付して示すように回転負荷トルクを一定に保ち、回転負荷トルクの上昇によるグリスの飛散を抑制することができる。
また、スペーサ33を用いることで、スペーサ33と比較して加工精度が要求される外輪13,23の長さを抑えて内輪11,21間に隙間を形成することができる。したがって、簡易な構成で各転がり軸受10,20に与圧を付与して回転精度の向上を図るとともに、外輪13,23の長さを短くして外輪13,23のコストを抑えることができる。
また、本実施形態に係るハードディスクドライブ装置100によれば、軸受装置3により、コストを抑えてグリスの飛散を防止し、ベースハウジング1に対してスイングアーム5をシャフト31回りに安定して搖動させることができる。したがって、磁気記録媒体9に対してスイングアーム5を安定して往復移動させて、磁気情報を精度よく記録させることができる。
本実施形態においては、転走面11a,21aが、内輪11,21の外面における軸方向の中央よりもやや端部11b、21b寄りの位置に形成されていることとした。これに代えて、例えば、転走面11a,21aが、内輪11、21の外面における軸方向の中央に周方向に亘り形成されており、転走面11a、21aから端部11b,21bまでと転走面11a,21aから端部11c,21cまでとがそれぞれ同一の寸法を有していることとしてもよい。
このようにすることで、各転がり軸受10,20を組み立てる際に、内輪11,21の表裏を気にしなくて済み、組み立ての容易化およびコストの低減を図ることができる。
また、本実施形態においては、スペーサ33を例示して説明したが、これに代えて、図5に示すように、外輪13,23を嵌合させるスリーブ(外嵌部材)37の内面に半径方向内方に突出するように形成された凸部37aをスペーサとして採用することとしてもよい。
この場合、第1転がり軸受10の外輪13の端部13bと第2転がり軸受20の外輪23の端部23bをそれぞれスリーブ37の突部37aに突き当てて、内輪11,21間に隙間を形成することとすればよい。また、スリーブ37を間に介してスイングアーム5に軸受装置3を嵌合させることとすればよい。
また、本実施形態においては、内径寸法が外輪13,23の内径寸法よりも若干小さいリング形状のスペーサ33を例示して説明した。これに代えて、例えば、図6に示すように、内径寸法が内輪11,21の外形寸法よりも若干大きいリング形状のスペーサ39を採用し、スペーサ39の内面と内輪11,21の外面との間にもそれぞれラビリンスLを形成することとしてもよい。
このようにすることで、第1の転がり軸受10と第2の転がり軸受20との間の空気流動を抑え、グリスの飛散をより低減することができる。この場合、スペーサ39が、軸方向の両端部に軸方向に突出する凸部39a,39bを有し、外輪13,23の薄肉部分の内面にそれぞれ凸部39a,39bを嵌合させることにより、スペーサ39を径方向に位置決めすることとすればよい。
1 ベースハウジング(ベース部材)
3 軸受装置
5 スイングアーム
7 駆動部
9 磁気記録媒体
10 第1転がり軸受(転がり軸受)
11,21 内輪
11a,13a,21a,23a 転走面
13,23 外輪
15,25 転動体
17,27 リテーナ(保持器)
20 第2転がり軸受(転がり軸受)
31 シャフト(軸部材)
33,37a,39 スペーサ
35 ハブキャップ
100 ハードディスクドライブ装置(磁気記録装置)

Claims (5)

  1. 同軸上に配置された内輪および外輪と、
    これら内輪と外輪との間の円環状空間に内蔵された複数個の転動体と、
    これら複数個の転動体を前記円環状空間の周方向に等間隔に配置した状態で転動可能に保持する保持器とを備え、
    前記内輪および前記外輪が、前記転動体と接触する曲面からなる転走面を有し、
    前記内輪における前記転走面から軸方向の一方の端部までの寸法が、前記外輪における前記転走面から軸方向の同一側の一方の端部までの寸法よりも長い転がり軸受2つを、前記外輪の前記一方の端部どうしが互いに軸方向に近接する向きで、該軸方向に間隔をあけて配列させ、
    該2つの転がり軸受の各前記内輪に嵌合され、該内輪の内面における前記転走面の裏よりも前記一方の端部側にずらした位置が接着剤により接着される軸部材と、
    前記外輪間に軸方向に挟まれ、前記内輪間に軸方向に隙間を形成するスペーサとを備え、
    各前記内輪が相対的に軸方向に近接する方向に押圧されて前記転がり軸受に予圧が付与された状態で、前記外輪の他方の端部が前記内輪の他方の端部よりも軸方向に突出している軸受装置。
  2. 前記内輪における前記転走面から軸方向の前記一方の端部までの寸法と他方の端部までの寸法とが同一である請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記外輪における前記転走面から軸方向の他方の端部までの寸法が前記一方の端部までの寸法よりも長い請求項1または請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記軸部材の外面に固定され、前記外輪における軸方向の他方の端部の内面に向かって半径方向外方に広がる円環状のハブキャップを備える請求項に記載の軸受装置。
  5. 請求項または請求項に記載の軸受装置と、
    該軸受装置の前記軸部材が固定されるベース部材と、
    磁気情報を記録可能な磁気記録媒体と、
    前記転がり軸受の前記外輪に装着され、前記磁気記録媒体に磁気情報を記録させるスイングアームと、
    該スイングアームを駆動する駆動部とを備える磁気記録装置。
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