JP6503513B2 - マルチコアファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、マルチコアファイバに関する。
本願は、2017年3月16日に、日本に出願された特願2017−051904号に基づき優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
近年の通信トラフィックの増大に対処するため、更なる通信(伝送)容量の増大が求められている。しかし、従来の光通信に用いられるシングルモードファイバ(SMF)を用いた光通信システムでは、容量の増大に対する限界が予想されている。その限界を超えるための技術として、空間多重の研究開発が盛んに行われている。
空間多重を実現する光ファイバとして、1つのコア内に複数のモードを伝搬させ、それぞれのモードに信号を載せることで容量の増大を図った数モードファイバ(FMF)と、複数のコアのそれぞれに信号を載せることで容量の増大を図ったマルチコアファイバ(MCF)とがある。数モードファイバについては例えば非特許文献1に開示される。
また、MCFには、大きく分けて、各コアが独立して情報を伝送させる非結合型MCFと、各コア(のモード)が結合することによってスーパーモードを形成し、それぞれのスーパーモードに情報を伝送させる結合型MCF(C−MCF:Coupled Multicore fiber)との2種類がある。C−MCFは、例えば非特許文献2及び3に開示されるようなモード多重伝送(MDM:Mode Division Multiplexing)伝送用ファイバの一つである。
G. Milione1 et al., "1.2-Tb/s MIMO-less Transmission Over 1 km of Four-Core Elliptical-Core Few-Mode Fiber with 125-μm Diameter Cladding", Proc. of OECC/PS2016, PD2-1 (2016). C. Xia et al., "Supermodes for optical transmission", Opt. Exp.,vol. 19, no. 17, pp. 16653-16664 (2011). R. Ryf et al., "Long-Distance Transmission over Coupled-Core Multicore Fiber", Proc. of ECOC 2016, Th.3.C.3 (2016).
FMFやC−MCFでは、1つのコアに複数のモードを伝搬する。例えば、2LPモードの場合,LP01,LP11a,LP11bの3モードに情報を乗せて発信する。ここで、LP11a,LP11bのように縮退しているモードは、ファイバ中の構造揺らぎや、ファイバに加わるねじれや曲げなどの外乱によって、容易に混ざってしまうため、受信側で適切に識別されない場合がある。長距離伝送の場合は、MIMO(Multiple-input and Multiple-output)等のディジタル信号処理を行い、混ざったモードを分離して受信することが好ましい。しかしながら、データセンター等での短距離伝送の場合では、コスト等の観点からこのような処理は省略できることが好ましい。また、長距離伝送の場合でも、群遅延時間差(DGD:Differential Group Delay)の低減などによってMIMO処理の負荷を削減することが求められる。
非特許文献1では、4つのコアが円形配列され、それぞれのコアがLP01とLP11との2つのLPモードを伝搬可能である数モードマルチコアファイバが開示されている。非特許文献1では、コアの形状を楕円形にして、縮退している片方のLP11モードをカットオフさせることで、2つのLP11モード間の結合を抑制し、MIMO処理を省略することが開示されている。なお、非特許文献1では、各コアが独立した伝送路となるため、スーパーモードは形成されない。
非特許文献2では、隣接するコアが等間隔で配置される結合型MCFを用いて、各コアのピッチと配置を調整することで、スーパーモードを形成し、また各モードのDGDを抑制することが開示されている。
非特許文献3では、4コア型の長距離伝送用の結合型マルチコアファイバ(CC−MCF)が開示されている。非特許文献3においては、CC−MCFを伝搬する複数のモードのDGDを低減し、8×8の行列で演算するMIMO処理のタップ数を削減して(処理の負荷を低減して)各モードを分離することが開示されている。
しかしながら、上記のいずれの文献においても、短距離伝送においてスーパーモードを形成するコアがMIMO処理を省略可能な構成や、長距離伝送において複数存在するスーパーモードに対してMIMO処理でモード分離が容易なコアの構成については十分に開示されていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、短距離伝送においてMIMO処理を省略可能であり、もしくは、長距離伝送においてはMIMO処理で容易にモード分離可能な結合型マルチコアファイバを提供する。
本発明の第1態様は、マルチファイバであって、光ファイバの長手方向における断面において、m行×n列(m,nは2以上の整数)のマトリックス状に配置された複数のコアを備え、行方向において互いに隣り合う2つのコア同士の間隔より列方向において互いに隣り合う2つのコア同士の間隔の方が広く、前記行方向及び前記列方向の両方向において各コアを伝搬する光同士が強結合してスーパーモードを形成するように構成される。
本発明の第2態様は、上記第1態様に係るマルチコアファイバにおいて、n≧3の場合に、前記行方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が実質的に一定であってもよい。
本発明の第3態様は、上記第1又は第2態様に係るマルチコアファイバにおいて、m≧3の場合に、前記列方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が実質的に一定であってもよい。
本発明の第4態様は、上記第1〜第3態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、m行×n列のマトリックス状に配置された前記複数のコアが実質的に同一構造であってもよい。
本発明の第5態様は、上記第1〜第4態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、所定の伝送波長帯域において、m行×n列のマトリックス状に配置された前記複数のコアがそれぞれシングルモードで動作するように構成されてもよい。
本発明の第6態様は、上記第1〜第5態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、所定の伝送波長帯域において、伝送可能な最高次のスーパーモードの伝搬定数とクラッドの屈折率差が0.0005以上であるように構成されてもよい。
本発明の第7態様は、上記第1〜第5態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、所定の伝送波長帯域において、伝送に用いるモード群間の伝搬定数の差が0.0005以上であるように構成されてもよい。
本発明の第8態様は、上記第1〜第7態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、前記列方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が、前記行方向において互いに隣り合うコア同士の間隔のおよそ√3倍であってもよい。
本発明の第9態様は、上記第1、第3〜第8態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、n=2であってもよい。
本発明の第10態様は、上記第1、第2、第4〜第8態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、m=2であってもよい。
本発明の第11態様は、上記第1〜第10態様のいずれか一態様に係るマルチコアファイバにおいて、上記態様に係るマルチファイバが、m行×n列(m,nは2以上の整数)のマトリックス状に配置された前記複数のコアが形成される領域を複数有し、前記複数の領域は、それぞれの領域を伝搬する光同士がそれぞれ非結合となるように配置されてもよい。
本発明の上記態様によれば、短距離伝送においてはMIMO処理を省略可能な結合型マルチコアファイバを実現できる。もしくは、長距離伝送においてはMIMO処理で容易にモード分離可能な結合型マルチコアファイバを実現できる。
本発明の第1実施形態に係るマルチコアファイバ1の模式図である。 本発明の第1実施形態に係るマルチコアファイバ1の長手方向に垂直な断面図である。 本発明の第2実施形態に係るマルチコアファイバ1Aの長手方向に垂直な断面図である。 本発明の第2実施形態に係るマルチコアファイバ1Bの長手方向に垂直な断面図である。 第1実施例における、(1)式及び有限要素法(FEM)の両方で算出したスーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係を示すグラフである。 記録された画像のスペクトルのフーリエ変換結果を示すグラフである。 図4の2つのピークにおけるビームプロファイルである。 インパルス応答測定結果を示すグラフである。 C+Lバンド内の波長で、XTを3回測定した結果を示すグラフである。 第1実施例において、Λ=8.66μmとした際の、(a)は各コアの屈折率分布を示し、(b)はLP01−likeモードのFEM電界分布を示し、(c)はLP11a−likeモードのFEM電界分布である。 比較例において、(a)は各コアの屈折率分布を示し、(b)はLP01−likeモードのFEM電界分布を示し、(c)はLP11a−likeモードのFEM電界分布を示し、(d)は次のモードのFEM電界分布である。 第2実施例における、(1)式及び有限要素法(FEM)の両方で算出したスーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定しない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、省略した部分がある。
第1実施形態
本発明の第1実施形態に係るマルチコアファイバ1の構成について、図1A、図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の第1実施形態に係るマルチコアファイバ1の構成を示す模式図であり、図1Bはマルチコアファイバ1の長手方向に垂直な断面図である。
図1A、図1Bに示すように、本実施形態に係るマルチコアファイバ1は、4つのコア2と、クラッド3とで構成される。
マルチコアファイバ1は、結合型マルチコアファイバ(C−MCF)であり、各コア2を伝搬する光同士が強結合してスーパーモードを形成するように構成される。
4つのコア2は、マルチコアファイバ1の長手方向における断面において2行×2列に配列される。図1Bに示すように、コア2の半径はaである。行方向Xのコア間距離(コア中心間距離)はΛ、列方向Yのコア間距離はΛであり、本実施形態ではΛ<Λとなるように各コアが配列されている。つまり、行方向Xにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔より列方向Yにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔の方が広い。そして、行方向X及び列方向Yの両方向において各コア2を伝搬する光同士が強結合してスーパーモードを形成するように構成される。
このようにコアを配置することで、短距離伝送(例えば、100m以上10km以下の伝送)においてはMIMO処理を省略可能な結合型マルチコアファイバを実現できる。また長距離伝送(例えば、数10km以上の伝送)においてはMIMO処理で容易にモード分離可能な結合型マルチコアファイバを実現できる。
もしくは、コア2を2行×2列の4つで形成することで、2コア型結合MCFよりも各コアを小さくできる。そのため、同じロッド径のガラスロッドを母材として作製する場合はコアを長く形成することができ、作製効率を向上することができる。
クラッド3すべてのコア2の周囲を覆う共通のクラッドである。コア2の屈折率をncoreとし、クラッド3の屈折率をncladとすると、コア2のncore>ncladとなるように構成される。
本実施形態において、すべてのコア2が、伝送帯域においてシングルモード伝送が可能であることが好ましい。またコア2は、すべて実質的に同一構造である(同種のコアから構成されている)ことが好ましい。ここで、実質的に同一構造とは、コア2を伝搬する光波の特性に影響がない程度に大きさ、形状、屈折率などが同一であることをいう。このようにコア2を形成することで各コアを伝搬する光が結合しやすくなり、スーパーモードの形成が容易になる。
マルチコアファイバ1のコア2及びクラッド3を構成する媒質としては、石英系ガラス(シリカガラス)、多成分ガラス、プラスチック等が挙げられる。石英系ガラスとしては、添加物を含まない純石英ガラスと、添加物を含む石英系ガラスがある。添加物としては、Ge,Al,P,B,F,Cl,アルカリ金属等の1種又は2種以上が挙げられ、これらを石英系ガラスに添加することにより屈折率を調整することができる。
本実施形態に係るマルチコアファイバ1で伝送に使用される波長帯域は、特に限定されないが、Cバンド(1530〜1565nm)、Lバンド(1565〜1625nm)等が挙げられる。使用波長帯域でシングルモード動作する条件としては、正規化周波数v=2πa(ncore −nclad 1/2/λとして、v≦2.405のシングルモード動作条件を満たすことが好ましい。比屈折率差Δ=(ncore −nclad )/(2ncore )が0.05%以上で、C+Lバンドでv≦2.405が成り立つコア半径の上限はおおよそ13μmである。それぞれのコア半径でv≦2.405が成り立つΔの値は自動的に決めることができる。なお、λは波長であり、2π/λは波数kである。
また、v≧2.405となるようなaあるいはΔにおいては、LP11モード以上の高次モードの伝送損失がαLoss以上であってもよい。このとき、αLoss>0dB/mであり、例えば0.1dB/m、0.5dB/m、1.0dB/m、2.0dB/m等が挙げられる。ファイバのケーブルカットオフ波長λccとしては、例えば1530nm以下、1260nm以下、1000nm以下等が挙げられる。
なお、コア2の数及び配置は2行×2列の4つに限定されず、マルチコアファイバ1中を伝搬する光のモード数等に応じてm行×n列(m及びnは2以上の整数)のマトリックス状に配置されていればよい。この場合、行方向Xにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔より列方向Yにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔の方が広く、各コア2を伝搬する光同士がすべて強結合してスーパーモードを形成するように構成されていればよい。
またm≧3である場合、行方向Xにおいて互いに隣り合うコア同士の間隔(Λ)が実質的に一定であることが好ましい。また、n≧3である場合、列方向Yにおいて互いに隣り合うコア同士の間隔(Λ)が実質的に一定であることが好ましい。ここで、コア同士の間隔が実質的に一定とは、各コアを伝搬する光波の特性に影響がない程度に同一であることをいう。行方向Xや列方向Yの間隔を実質的に一定にすることで、スーパーモードの分布が各コアにほぼ均等に広がるため、マルチコアファイバ同士の接続などの際に好ましい。
また列方向Yにおいて互いに隣り合うコア2同士の間隔(Λ)が、行方向Xにおいて互いに隣り合うコア2同士の間隔(Λ)のおよそ√3倍であることが好ましい。この場合、母材として、複数の同径のガラスロッドを最密充填配列して線引きすることで、ΛがΛの√3倍のマルチコアファイバを作製でき、複数種の径のガラスロッドを用意する必要がない。また、ΛがΛの√3倍であれば、後述するように短距離伝送においてMIMO処理を省略可能な結合型マルチコアファイバ、及び長距離伝送においてMIMO処理で容易にモード分離可能な結合型マルチコアファイバのどちらも実現できる。
また、所定の伝送波長帯域において、伝送可能な最高次のスーパーモードの伝搬定数とクラッド3の屈折率差が0.0005以上となるようにΛとΛとの関係を設定することが好ましい。
このようにコア同士の間隔を設定することで、必要ないモードのみを確実にカットオフすることができ、より確実にMIMO処理を省略することができる。
また、所定の伝送波長帯域において、伝送に用いるモード群間の伝搬定数の差が0.0005以上となるようにΛとΛとの関係を設定することが好ましい。
このようにコア同士の間隔を設定することで、各モード群に含まれる少数のモードに対して別々にMIMO処理を行うことができ、MIMO処理の負荷をより削減することができる。さらに、各モード群がそれぞれ1つのモードのみを含むように定義する場合には、上記の関係を設定することでMIMO処理が不要となる。
第2実施形態
図2A、図2Bは第2実施形態に係る、それぞれマルチコアファイバ1A、1Bの長手方向に垂直な断面図を示す。図2Aは2行×2列のコア2が形成される結合コア領域4が2つある場合であり、図2Bは2行×2列のコア2が形成される結合コア領域4が4つある場合である。
なお、マルチコアファイバ1A、1Bでは、マルチコアファイバ1に対して2行×2列のコア2が形成される結合コア領域4の数が異なる。そのため、以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図2Aでは、マルチコアファイバ1Aが、クラッド3中に2行×2列のコア2が形成される結合コア領域4を2つ有する。2つの結合コア領域4は、それぞれの領域を伝搬する光同士がそれぞれ非結合となるように距離を空けて行方向Xに並べて配置される。
また、同様に図2Bでは、マルチコアファイバ1Aが、クラッド3中に2行×2列のコア2が形成される結合コア領域4を4つ有する。4つの結合コア領域4は、それぞれの領域を伝搬する光同士がそれぞれ非結合となるようにそれぞれ距離を空けて2行×2列のマトリックス状に配置される。また、各結合コア領域4の間にクラッド3よりも屈折率の低い領域を設けて結合コア領域4間の結合を抑えるような構造としても良い。
マルチコアファイバ1A、1Bにおいては、結合コア領域4では、行方向Xにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔より列方向Yにおいて互いに隣り合う2つのコア同士の間隔の方が広い。そして、行方向X及び列方向Yの両方向において各コア2を伝搬する光同士が強結合してスーパーモードを形成するように構成される。そして、それぞれの結合コア領域4は、それぞれの領域を伝搬する光同士がそれぞれ非結合となるように互いに距離を空けて配置される。
このような構成を有することにより、1本のマルチコアファイバに対するモード多重度を増加させることができる。例えば、各結合コア領域4を伝搬可能なモードがLP01−likeモード,LP11a−likeモードである場合、マルチコアファイバ1Aではモード多重度を4にすることができ、マルチコアファイバ1Bではモード多重度を8にすることができる。
なお、結合コア領域4を構成するコア2の数及び配置については第1実施形態のコア2の数及び配置と同様に限定されない。
また、結合コア領域4の数及び配置は、それぞれの領域を伝搬する光同士が非結合となるように配置されていれば限定されない。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明のMCFは、光伝送路、光導波路、光ケーブル等に使用される光ファイバの一部又は全部として用いることができる。光ケーブルは、本発明のMCFを少なくとも一部に有することが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、本実施例のみに限定されるものではない。
実施例では、上述の第1実施形態に記載される4コアC−MCFであるマルチコアファイバ1の構成を用いた。すべてのコア2が同種でかつシングルモード動作するように構成した場合、4つのスーパーモードLP01−likeモード、LP11a−likeモード、LP11b−likeモード、LP21−likeモードの伝搬定数は以下の式で与えられる。
ここで、βは非結合時の伝搬定数であり、κ1は行方向Xのコア2間のモード結合係数であり、κは列方向Yのコア2間のモード結合係数であり、κは対角のコア2間のモード結合係数である。
第1実施例
スーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係からLP11b−likeモード、LP21−likeモードがカットオフとなる構成を調査した。
コア半径a=2.5μm、比屈折率差Δ=0.35%、nclad=1.45、Λ=5.0μm、伝搬する光の波長を1550nmとして、上記(1)式及び有限要素法(FEM)の両方で算出したスーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係を図3に示す。
図3に示すように、上記(1)式を用いた結果と有限要素法(FEM)を用いた結果はおおよそ一致した。なお、完全に一致しない理由としては、強結合時を考慮していないことや上記(1)式が単純な2コアモデルの結合係数の計算を用いたことが挙げられる。
図3からわかるように、ΛとΛとの差が広くなるほど、LP01−likeモードとLP11a−likeモードとの伝搬定数neffの差は小さくなった。一方、ΛとΛとの差が広くなるほど、LP11a−likeモードとLP11b−likeモードとの伝搬定数neffの差は大きくなった。そして、Λがおよそ8μm(Λの1.6倍)以上でLP11b−likeモード及びLP21−likeモードの伝搬定数がクラッドの伝搬定数より小さくなった。またこのとき、伝送可能な最高次のスーパーモードであるLP11a−likeモードの伝搬定数とクラッドの屈折率差が0.0005以上と十分大きく、LP11b−likeモード及びLP21−likeモードのみをカットオフ可能であることがわかった。さらに特に、Λが10μm(Λの2倍)程度より小さければ、LP01−likeモードとLP11a−likeモードとの伝搬定数の差も十分に大きく短距離伝送であればMIMO処理等によるモードの分離も不要であると考えられる。特に、Λ=8.66μm(Λの√3倍)の場合、LP11b−likeモード及びLP21−likeモードについてカットオフできかつMIMO処理も省略可能である。Λ=√3Λであれば、7つの同径のガラスロッドを最密充填配列して線引きすることで作製可能であり、製造上のメリットもあり好ましいことがわかった。
図3の構造(Λ=8.66μm)に基づいて、4コアC−MCFを作製し、その、伝播モードを観察するために、S測定を行った。ここでは、22mの長さの4コアC−MCFを測定した。4コアC−MCFの励振のために、シングルモードファイバ(SMF)を接合した。波長1.55μmにおいて計算した、LP01−likeモードとLP11a−likeモードの実効断面積(Aeff)は、それぞれ177μm、165μmであることから、通常のSMFよりもAeffの大きいSMF(波長1.55μm)を用いた。
近視野画像は、波長可変レーザー(TLS:tunable laser source)を用いた波長掃引(1.953GHzの波長間隔で、1.547μm〜1.553μm)中に、近赤外(NIR:near-infrared)カメラを用いて記録した。TLSとカメラは、コンピュータで同時に制御した。
図4に記録された画像のスペクトルのフーリエ変換結果を示す。0ps及び86ps(3.91ns/km)における群遅延時間差(DGD:differential group delay)の2つのピークが明瞭に観察される。図5に示すように、2つのピークにおけるビームプロファイルは、LP01−likeモードとLP11a−likeモードが共に伝播したことを示している。高次LP01−likeモードと高次LP11a−likeモードは観察されないため、それらはカットオフ波長を下回っていると考えられる。フーリエ変換を計算することで得られた、LP11a−likeモードのマルチパス干渉(MPI:multi-pass interference)は、−26.5dBであった。
さらに、図6に示すように、2つの伝播モード間のクロストーク(XT)を、インパルス応答(IR)測定を行うことで測定した。
光変調器及びフォトディテクタ(PD)を備えるベクトルネットワークアナライザを用いて、1km長の4コアC−MCFのIRを測定した。TLS及び光変調器はPMFに接続されている。4コアC−MCFを励起するために、S測定に用いたものと同じSMFを用いた。図6は、波長1.55μmにおけるIR測定結果を示す。
規格化DGDの値が0のところでは、LP01−likeモードが現れている。また、LP01−likeモードとLP11a−likeモードの間のXTは、規格化DGDの値が0〜1の間で「ステップ」状に現れている。IR測定によって、2つのモード間のDGDは、3.93ns/kmであり、S測定によって得られた結果と一致することがわかる。
図6の破線は、理論的なIRのモデルによって計算されたフィッティングカーブを表している。図6から、パワー結合係数は、約4.1×10−6/mであると推定された。従って、XTは約−24dB/kmと見積もられる。
図7は、C+Lバンドの波長帯域で、XTを3回測定した結果を示す。測定されたXTは、C+Lバンド内全体で、−23dB/km未満であった。MIMO処理が不要な短距離伝送を実現する上で十分低いXTであることがわかる。
以上の結果により、本実施例によって、MIMO処理が不要な短距離伝送が可能であることがわかる。
図8は、本実施例においてΛ=8.66μmとした際の、(a)各コアの屈折率分布、(b)LP01−likeモードのFEM電界分布、(c)LP11a−likeモードのFEM電界分布を示す。
図8(b)及び図8(c)に示されるFEM電界分布から、本実施例の構成で各コアが強結合しLP01−likeモード及びLP11a−likeモードのスーパーモードを形成可能であることがわかった。ここで、本実施例と同程度の実効屈折率差を有する2コア型(2行×1列)のC−MCFを比較例として、波長1550nmにおける各特性を比較した結果を以下の表1に示す。
表1より、LP01−likeモードならびにLP11a−likeモードの実効断面積は実施例と比較例とでほぼ同等であることが分かる。しかしながら、比較例では次のモードが発生し、その実効屈折率のクラッドとの差は0.0005以上であることが分かる。
図9は、比較例における(a)各コアの屈折率分布、(b)LP01−likeモードのFEM電界分布、(c)LP11a−likeモードのFEM電界分布、(d)次のモードのFEM電界分布を示す。
図9(d)に示す通り、次のモードは各コアのLP11モードが結合して生じる。このように各コアの高次モードが結合して生じるスーパーモードは、電磁界分布の節が各コアの中心に存在するために、各コアが基本モードのみで結合して生じるスーパーモードに比べて、ファンイン/ファンアウトデバイスのような入出力デバイスを用いてモードを励振ならびに受光することが難しくなる。加えて、このような高次モードを使用しないように通信システムを構成した場合であっても、入出力部のわずかな軸ずれなどによってこのような高次モードが励振されてしまい、受光側でノイズとなる場合がある。従って、本実施例の構成を用いることで、より安定したモードの励振ならびに受光が行える。さらに、本実施例では比較例に比べてコア部分の総面積が少ないため、同じロッド径のガラスロッドを母材として作製する場合はコアを長く形成することができ、作製効率を向上することができる。
第2実施例
スーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係から4モードを2つのモード群の伝送として扱える構成を調査した。
コア半径a=4.0μm、比屈折率差Δ=0.35%,nclad=1.45、Λ=8.0μm、伝搬する光の波長を1550nmとして、上記(1)式及び有限要素法(FEM)の両方で算出したスーパーモードの伝搬定数neffと列方向Yのコア間距離Λとの関係を図11に示す。
図10に示すように、本実施例でも上記(1)式を用いた結果と有限要素法(FEM)を用いた結果はおおよそ一致した。
図10からわかるように、ΛとΛとの差が広くなるほど、LP01−likeモードとLP11a−likeモードとの伝搬定数neffの差は小さくなった。また、ΛとΛとの差が広くなるほど、LP11b−likeモードとLP21−likeモードとの伝搬定数neffの差も小さくなった。そして、Λがおよそ13μm(Λの1.6倍)以上で、LP01−likeモードとLP11a−likeモードとの伝搬定数がおおよそ同じになり、LP11b−likeモードとLP21−likeモードとの伝搬定数ともおおよそ同じになった。また、Λがおよそ13μm(Λの1.6倍)以上で、LP11a−likeモードとLP11b−likeモードとの伝搬定数の差が0.0005以上と十分大きくなった。従って、ΛがΛの1.6倍以上であれば、LP01−likeモードとLP11a−likeモードとで構成されるモード群と、LP11b−likeモードとLP21−likeモードとで構成されるモード群との2つのモード群の伝送として扱えると考えられる。従って、各モード群に含まれる2つのモードに対して別々にMIMO処理を行うことができ、MIMO処理の行列サイズをより削減することができ、負荷の削減につながる。特に、Λ=13.86μm(Λの√3倍)の場合、2つのモード群の伝送として扱え、かつ上述のように7つの同径のガラスロッドを最密充填配列して線引きすることで作製可能であり、製造上のメリットもあり好ましいことがわかった。
以上、本発明のマルチコアファイバについて説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1…マルチコアファイバ、2…コア、3…クラッド、4…結合コア領域

Claims (11)

  1. 光ファイバの長手方向における断面において、m行×n列(m,nは2以上の整数)のマトリックス状に配置された複数のコアを備え、
    行方向において互いに隣り合う2つのコア同士の間隔より列方向において互いに隣り合う2つのコア同士の間隔の方が広く、
    前記行方向及び前記列方向の両方向において各コアを伝搬する光同士が強結合してスーパーモードを形成するように構成される、マルチコアファイバ。
  2. n≧3の場合に、前記行方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が実質的に一定である、請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  3. m≧3の場合に、前記列方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が実質的に一定である、請求項1又は2に記載のマルチコアファイバ。
  4. m行×n列のマトリックス状に配置された前記複数のコアが実質的に同一構造である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  5. 所定の伝送波長帯域において、m行×n列のマトリックス状に配置された前記複数のコアがそれぞれシングルモードで動作するように構成される、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  6. 所定の伝送波長帯域において、伝送可能な最高次のスーパーモードの伝搬定数とクラッドの屈折率差が0.0005以上であるように構成される、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  7. 所定の伝送波長帯域において、伝送に用いるモード群間の伝搬定数の差が0.0005以上であるように構成される、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  8. 前記列方向において互いに隣り合うコア同士の間隔が、前記行方向において互いに隣り合うコア同士の間隔のおよそ√3倍である、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  9. n=2である、請求項1及び3〜8のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  10. m=2である、請求項1,2,及び4〜8のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
  11. m行×n列(m,nは2以上の整数)のマトリックス状に配置された前記複数のコアが形成される領域を複数有し、
    前記複数の領域は、それぞれの領域を伝搬する光同士がそれぞれ非結合となるように配置される、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載のマルチコアファイバ。
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