JP6501518B2 - 内部標準液の移送方法およびその移送装置 - Google Patents

内部標準液の移送方法およびその移送装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば水に含まれる揮発性有機化合物の定量分析に好適で、試料に内部標準液の自動注入を容易かつ安価に実現し、試料に内部標準液を均一に分布させて一様なパージ効率を得られ、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析の信頼性を得られるようにした、内部標準液の移送方法およびその移送装置に関する。
上下水、環境水等の試料中の揮発性有機化合物(VOC)を分析する際、一般にパージ・トラップ法やヘッドスペ−ス法等を前処理として用いた後、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)で検出する。
前記GC/MSを使用して測定を行なう場合、測定毎に検出器の感度が変化するという問題がある。また、VOCの中で親水性が高い成分である1,4-ジオキサンは水に馴染み易く、他のVOCに比べて水中からの回収率が低く、サンプルの状態によって前処理の回収率が変動し易いという問題がある。
これらの問題を解決するため、通常は測定毎に内部標準物質を含んだ溶液である内部標準液を一定量試料に注入して検出器の感度補正・前処理装置の回収率補正を行い、測定ないし分析の信頼性を得るようにしている。内部標準物質としては、実試料中に含まれていない成分であって、物性が似ており、定量目的成分に近い位置で検出し、高純度な成分であることが必要である。
例えば、パージ・トラップ法を適用した分析装置では、パージガス供給口と第1六方弁との間の配管に内部標準ガス自動注入機構を介挿し、該自動注入機構は内部標準ガスボンベと、マスフローコントローラと、三方弁とを備え、マスフローコントローラによってガスボンベから供給される内部標準ガスの流量を自動制御し、前記三方弁の開閉時間を制御することによって、試料濃縮過程に内部標準ガスを前記配管の中間位置に注入し、その注入量を自在に変化させ、内部標準ガスを試料中のVOCとともに濃縮・回収してガスクロマトグラフ(GC)へ導入するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記分析装置は、パージガスを内部標準ガスと一緒にパージ容器に導入し、容器中の液体試料をパージガスでバブリングして、試料中のパージ成分を内部標準ガスと一緒に濃縮管へ送り出しているため、内部標準液をガス化して使用する場合、液体に比べて取り扱いが複雑になり、また内部標準液をガス化して使用しているため、回収率の補正には使用できない、という問題があった。
しかも、内部標準ガス自動注入機構はマスフローコントローラと三方弁とを要して、構造が複雑で高価かつ大型化を助長する等の問題があった。
一方、内部標準ガスの代わりに内部標準液を使用する際、内部標準液の背後に試料を配置し、当該試料によって内部標準液を押し出す場合、内部標準液の送液方向前方には液相が存在しないため、内部標準液がパージ管の試料貯留域ではない壁面等に付着してしまうという現象が生じ得る。
例えば、内部標準物質として1,4-ジオキサン-d8が含まれている内部標準液の場合、内部標準液のパージ管の試料貯留域ではない壁面等への付着により、試料中の1,4-ジオキサンと同じパージ効率にならない可能性があった。その場合、内部標準物質として親水性が高く回収率の低い物質、例えば上述した1,4-ジオキサン-d8では、測定値に大きな影響を及ぼすことが懸念されていた。
また、内部標準液と試料が十分に攪拌されないままパージ・トラップ装置へ送り出され、内部標準液の試料内の分布が不均一になってパージ効率が変わってしまう可能性があった。
特開2000−346759号公報
本発明はこのような問題を解決し、例えば水に含まれる揮発性有機化合物の定量分析に好適で、試料に内部標準液の自動注入を容易かつ安価に実現し、試料に内部標準液を均一に分布させて一様なパージ効率を得られ、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析の信頼性を得られるようにした、内部標準液の移送方法およびその移送装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、水系溶液に内部標準液を注入し、該内部標準液は親水性と揮発性を有する内部標準物質を含み、該内部標準液の前後に水系溶液を配置して気相抽出部へ導入する内部標準液の移送方法において、前記内部標準液の内部標準物質は、1,4-ジオキサン-d8を含んでおり、内部標準液と水系溶液との混和ないし撹拌を促し、水系溶液に内部標準液を均一に分布させて気相抽出部へ導入し得るようにしている。
したがって、気相抽出部では各成分の一様なパージ効率を得られ、例えば試料中の揮発性有機化合物に含まれる1,4-ジオキサンのように、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析精度の信頼性を得られるようにしている。
請求項2の発明は、水系溶液の送液管と、内部標準液を送液する内標導管とに連通する内標導入弁の内部に所定量の内部標準液を導入し、水系溶液に対する内部標準液の注入量を調量し、水系溶液に対する内部標準液の最適な注入量を調整し、内部標準液の最適な使用とその実効を図るようにしている。
請求項3の発明は、内標導入弁内部の注入スペースを内標導管に連通し、内部標準液を注入スペースに導入後、内標導入弁を軸回りに回動して注入スペースを送液管に連通し、前記注入スペースに収容した内部標準液を送液管に導入し、内標導入弁を回動して内部標準液を内標導管から送液管へ簡便に導入するようにしている。
請求項4の発明は、内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に設けた抵抗部を介し、送液管に対する内部標準液の導入量を調量し、水系溶液に対し最適な内部標準液の導入を実現し、内部標準液の適切な使用と有効利用を図るようにしている。
請求項5の発明は、水系溶液の各成分を分析後、内標導入弁の注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄し、成分分析後の注入スペースと送液管の洗浄を簡易迅速に実現するようにしている。
請求項の発明は、水系溶液に親水性と揮発性を有する内部標準物質を含む内部標準液を注入可能に設け、該内部標準液の前後に水系溶液を配置して、気相抽出部へ送液可能にした内部標準液の移送装置において、内部標準液の内部標準物質が1,4-ジオキサン-d8を含んでいるとともに、水系溶液の送液管と内部標準液を送液する内標導管とが連通可能な交差部に内標導入弁を回動可能に設け、該内標導入弁の内部に前記送液管と内標導管に選択的に連通可能な注入スペースを設け、該注入スペースを内標導管に連通し、所定量の内部標準液を注入スペースに導入可能に設け、内部標準液の導入後、内標導入弁を回動し、注入スペースを送液管に連通して、該注入スペースに導入した内部標準液を送液管の水系溶液中に導入可能にし、内部標準液と水系溶液との混和ないし撹拌を促し、水系溶液に内部標準液を均一に分布させて気相抽出部へ導入し得るようにしている。
したがって、気相抽出部では各成分の一様なパージ効率を得られ、例えば試料中の揮発性有機化合物に含まれる1,4-ジオキサンのように、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析精度の信頼性を得られるようにしている。
請求項の発明は、注入スペースは、内標導入弁の軸方向と直交方向に貫通形成した溝孔であり、簡単な構成によって内標導管から送液管への内部標準液の導入を実現するようにしている。
請求項の発明は、内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に抵抗部を設けて送液管に対する内部標準液の導入量を調量可能にし、水系溶液に対し最適な内部標準液の導入を実現し、内部標準液の適切な使用と有効利用を図るようにしている。
請求項の発明は、水系溶液の各成分を分析後、注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄可能にし、成分分析後の注入スペースと送液管の洗浄を簡易迅速に実現するようにしている。
請求項1の発明は、内部標準液の内部標準物質は、1,4-ジオキサン-d8を含んでいるから、内部標準液と水系溶液との混和ないし撹拌を促し、水系溶液に内部標準液を均一に分布させて気相抽出部へ導入することができる。
したがって、気相抽出部では各成分の一様なパージ効率を得られ、例えば試料中の揮発性有機化合物に含まれる1,4-ジオキサンのように、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析精度の信頼性を得ることができる。
請求項2の発明は、水系溶液の送液管と、内部標準液を送液する内標導管とに連通する内標導入弁の内部に所定量の内部標準液を導入し、水系溶液に対する内部標準液の注入量を調量するから、水系溶液に対する内部標準液の最適な注入量を調整し、内部標準液の最適な使用とその実効を図ることができる。
請求項3の発明は、内標導入弁内部の注入スペースを内標導管に連通し、内部標準液を注入スペースに導入後、内標導入弁を軸回りに回動して注入スペースを送液管に連通し、前記注入スペースに収容した内部標準液を送液管に導入するから、内標導入弁を回動して内部標準液を内標導管から送液管へ簡便に導入することができる。
請求項4の発明は、内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に設けた抵抗部を介し、送液管に対する内部標準液の導入量を調量するから、水系溶液に対し最適な内部標準液の導入を実現し、内部標準液の適切な使用と有効利用を図ることができる。
請求項5の発明は、水系溶液の各成分を分析後、内標導入弁の注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄するから、成分分析後の注入スペースと送液管の洗浄を簡易迅速に実現することができる。
請求項の発明は、内部標準液の内部標準物質が1,4-ジオキサン-d8を含んでいるとともに、水系溶液の送液管と内部標準液を送液する内標導管とが連通可能な交差部に内標導入弁を回動可能に設け、該内標導入弁の内部に前記送液管と内標導管に選択的に連通可能な注入スペースを設け、該注入スペースを内標導管に連通し、所定量の内部標準液を注入スペ−スに導入可能に設け、内部標準液の導入後、内標導入弁を回動し、注入スペースを送液管に連通して、該注入スペースに導入した内部標準液を送液管の水系溶液中に導入可能にしたから、内部標準液と水系溶液との混和ないし撹拌を促し、水系溶液に内部標準液を均一に分布させて気相抽出部へ導入することができる。
したがって、気相抽出部では各成分の一様なパージ効率を得られ、例えば試料中の揮発性有機化合物に含まれる1,4-ジオキサンのように、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制し、分析精度の信頼性を得ることができる。
請求項の発明は、注入スペースは、内標導入弁の軸方向と直交方向に貫通形成した溝孔であるから、簡単な構成によって内標導管から送液管への内部標準液の導入を実現することができる。
請求項の発明は、内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に抵抗部を設けて送液管に対する内部標準液の導入量を調量可能にしたから、水系溶液に対し最適な内部標準液の導入を実現し、内部標準液の適切な使用と有効利用を図ることができる。
請求項の発明は、水系溶液の各成分を分析後、注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄可能にしたから、成分分析後の注入スペースと送液管の洗浄を簡易迅速に実現することができる。
本発明を水系溶液中のVOCの定量分析に適用した実施形態を示す説明図で、パージ・トラップ部より上流側の第1および第2貯留部に水系溶液を導入する状況を示している。 第1および第2貯留部に水系溶液を導入後、内標弁に内部標準液を導入する状況を示している。 内部標準液を水系溶液に注入後、この内部標準液と水系溶液をパージ・トラップ部へ導入する状況を示している。
本発明を適用した内標弁による内部標準液の全量注入時の状況を順に示す拡大断面図で、(a)は内標注入前、(b)は内標注入時、(c)は内標注入後、の各状況を示している。 水系溶液と内部標準液をパージ・トラップ部へ送液する際の状況を拡大して示す断面図である。 トラップ装置よってトラップした吸着成分を分析装置へ導入して分析している状況を示している。 水系溶液を分析後に貯留部を洗浄している状況を示している。
本発明の前記実施形態の応用形態の要部を示す説明図で、(a)は水系溶液に内部標準液を注入し、ミキサーに導入して撹拌後、パージ・トラップ部へ導入する状況を示している。(b)は前記ミキサーの他の形態を示し、直管状の導管に多数のガラスビーズを収容して構成している。 本発明の第実施形態の要部の内標導入部を示す説明図である。 前記第実施形態に適用した内標弁による内部標準液の所望量注入時の状況を順に示す拡大断面図で、(a)は内標注入前、(b)は内標注入時、(c)は内標注入後、の各状況を示している。
以下、本発明を被検体である水系溶液のVOCの成分分析として、パージ・トラップ法を採用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図7において1は成分分析装置で、これはVOC成分を含む水系溶液を貯留部へ送出し、該水系溶液に後述する液状の内部標準液(以下、単に内標と呼ぶ)を自動注入する内標導入部2と、前記水系溶液と内標を導入し、不活性ガスでパージを行うことによって分析対象成分を液相から気相へ抽出させ、その気相を濃縮し、GCまたはGC/MS等の検出器を備えた分析装置へ導入する気相抽出部であるパージ・トラップ部3と、洗浄液または搬送用加圧ガスを内標導入部2へ送出するとともに、水系溶液の採取とその計量並びに搬送と洗浄の諸機構を備えたオートサンプラ−部4と、で構成されている。
前記水系溶液は、分析対象成分を含むものと含まないものの双方を含み、前記内標導入部2は、水系溶液の送液管5の中流部に介挿した注入機構を備えた電磁弁からなる内標導入弁8と、該内標導入弁8に連通する内標導管9とで構成され、前記内標導入弁8を挟む送液管5の上流側と下流側位置に、所定容量の第1および第2貯留部6,7を設けている
実施形態の場合、前記送液管5は折曲可能で透明または半透明のフッ素樹脂製の細管を折曲して配管され、第1および第2貯留部6,7は、前述と同質の細管を所定径のループ状に捲回して所定容量に構成し、その両側の管端部を送液管5に嵌合して装着し、または送液管5の所定位置を捲回して一体に構成している。
前記内標導入弁8は送液管5と内標導管9との交差部に回動可能に配置され、その作動をパーソナルコンピュータを駆使した制御装置(図示略)によって切換え制御され、後述する溝孔と送液管5または内標導管9との連通を切換え可能にしている。
前記内標導入弁8は、その円筒軸状の内部に軸方向と直交方向に溝孔8aが貫通して形成され、該溝孔8aは内標の注入スペースとして機能し、その回動位置によって前記送液管5または内標導管9と連通可能にされている。
前記内標導管9の一端は内標収納容器11に挿入され、該容器11に不活性ガス源に連通する加圧ガス導管12が挿入され、該導管12から導入された不活性ガスによって、前記容器11内の内標13を前記内標導管9へ押し出し、内標導入弁8へ供給可能にしている。前記不活性ガスとしてはヘリウムガスまたは窒素ガス等を使用している。
前記内標導管9は内標導入弁8の周面に前記送液管5と直交方向に配置され、その上流部が前記不活性ガス源等の加圧部45に連絡し、その下流側端部が排出容器10に挿入され、該排出容器10に供給した内標13の余剰分を排出可能にしている。
前記内標導入弁8は、内標注入前は図1の実線のように閉弁し、内標導入弁8と内標導管9を遮断し、代わりに第1および第2貯留部6,7を連通させて、これらに前記水系溶液16を導入可能にしている。
すなわち、前記溝孔8aは前記制御装置を介して送液管5に連通可能に配置され、送液管5に導入した水系溶液16を内部へ導入可能にしている。この状況は図4(a)のようである。
次に、内標13の注入時は、内標導入弁8を図1の破線のように切換えて開弁し、内標
導入弁8を内標導管9に連通して内標13を導入し、その余剰分を排出容器10へ排出可能にしている。
すなわち、前記制御装置を介して、内標導入弁8を内標注入前の状況から時計方向へ90°回動し、前記溝孔8aを内標導管9へ連通可能に配置して、内標13を導入可能にしている。この状況は図4(b)のようである。
前記内標13の注入後、内標導入弁8を図1の実線のように切換えて閉弁し内標導入弁
8を復旧して、内標導入弁8と内標導管9を遮断し、代わりに第1および第2貯留部6,7に連通させている。
すなわち、前記制御装置を介して、内標導入弁8を内標注入時から反時計方向へ90°回動し、前記溝孔8aを送液管5に連通可能に配置して、前記溝孔8a内に導入した内標13の全量を送液管5内の水系溶液16中に注入可能にしている。この状況は図4(c)および図5のようで、水系溶液16中に所定量の内標13がサンドイッチ状に配置される
実施形態では、前記内標13は水系溶液中の目的対象成分に含まれていない成分であり、物性が似ており、定量目的成分に近い位置で溶出し、高純度な成分である必要があり、実施形態ではフルオロベンゼンと1,4-ジオキサン-d8、トルエン-d8とp-ロモフルオロベンゼンの4成分を使用している。
このうち、フルオロベンゼン、トルエン-d8、p-ロモフルオロベンゼンは、検出器の感度の補正を図り、1,4-ジオキサン-d8は1,4-ジオキサンの補正を図るようにしている。
前記送液管5の上流側に内外二重管構造のニ−ドル14が配置され、該ニ−ドル14の尖端部を常時は後述の排出容器に収容し、その外側通路(図示略)に不活性ガスを導入可能なガス導管15を接続している。
前記ニードル14の直下に、前述の水系溶液16を収容する容器17が配置され、その蓋にニードル14の尖端部を抜き差し可能にしている。
そして、ニードル14の先端部を前記容器17内の水系溶液16に挿入し、ガス導管15に注入した不活性ガスをニードル14の外側通路に導入して、水系溶液16を内側通路(図示略)に連通する送液管5へ押し出し可能にしている。
図中、18はニードル14から排出された洗浄液を収容する排出容器、19は水系溶液16の余剰分を収容する排出容器で、送液管5の下流側端部に配置されている。
前記送液管5の第1貯留部6より上流側に第1切換弁20が配置され、また第2貯留部7より下流側に第2切換弁21が配置され、前記第1切換弁20にパージ・トラップ導入管22が接続され、第2切換弁21に不活性ガス源に連通する加圧ガス導管23が接続されている。
前記第1および第2切換弁20,21は電磁弁で構成され、これらの作動は前記制御装置によって制御されている。
すなわち、前記第1および第2切換弁20,21は、水系溶液16を第1および第2貯留部6,7へ導入する際、図1の実線のように切換えられ、また内標13を含む水系溶液16をパージ・トラップ導入管22へ導入する際、第1切換弁20および第2切換弁21を図1の破線のように切換え、更に第1および第2貯留部6,7を洗浄および乾燥する際、第1切換弁20を図1の実線のように、第2切換弁21を図1の破線のようにそれぞれ切換え可能にしている。
前記パージ・トラップ部3は、パージ・トラップ導入管22から導入される水系溶液16の所定成分をパ−ジするパージ管24と、パージしたガス状のVOCをトラップするトラップ管25と、トラップしたVOCの成分を分析する分析装置26、とを備えている。
このうち、前記パージ管24は略U字管状に形成され、その両側の施栓した閉塞端を上側に配置し、その一方の閉塞端にパージ・トラップ導入管22の端部を挿入して、内標13を注入した水系溶液16を導入し、パージ管24の上部にパージ導管27の一端を挿入している。
また、パージ管24の他方の閉塞端に、不活性ガス源に連通する加圧ガス導管28が接続され、この不活性ガスをパージガスとしてパージ管24へ導入し、前記水系溶液16と内標13に含まれるVOCを水中から分離し、上方に滞留する分離ガスをパージ導管27へ押し出し可能にしている。図中、29は水系溶液16と内標13が混在している溶液である。
前記トラップ管25は、内部に前記分離ガスをトラップ可能な吸着剤30を収容してトラップ導管31に介挿され、その外周面にヒータ(図示略)を装着し、該ヒータを加熱して吸着剤30にトラップした分離ガスを脱着し、分析導管32を介して分析装置26へ導入可能にしている。
前記分析装置26は検出器を備えたGCまたはGC/MSからなり、トランスファーライン33を介して分析導管32を所定温度に加温し、コールドスポットを作らず分析精度を確保させている。
前記パージ導管27の下流側に第3切換弁34が介挿され、該切換弁34は電磁弁で構成され、前記水系溶液のパージ・トラップ時にパージ導管27との連通と遮断を可能にし、その作動を前記制御装置によって制御している。また、前記第3切換弁34に不活性ガス源に連通する加圧ガス導管35が接続され、この不活性ガスを第3切換弁34へ導入可能にしている。
すなわち、前記第3切換弁34は前記水系溶液のパージ・トラップ時に、図1の実線のように切換えられてパージ導管27と連通し、分離ガスをトラップ管25へ移動可能にしている。
また、前記第3切換弁34はトラップ管25の除湿・乾燥時に図1の破線のように切換えられて、加圧ガス導管35とパージ導管27の上流側への連通を遮断し、加圧ガス導管35をパージ導管27の下流側へ連通させて、不活性ガスをトラップ管25へ導入可能にしている。
前記トラップ導管31の一端に第4切換弁36が接続され、該切換弁36は電磁弁で構成され、前記水系溶液16のパージ・トラップ時に図1の実線のように切換えてパージ導管27と連通し、該導管27を移動する分離ガスを吸着剤30に吸着し、吸着後の分離ガスを外部へ排出可能にしている。
前記第4切換弁36に不活性ガス源に連通する加圧ガス導管37が接続され、該切換弁36は分析時に破線のように切換えられ、不活性ガスによって吸着剤30から脱着した分離ガスを分析装置26へ移送可能にしている。
前記パージ導管27の下流側端部と、トラップ導管31の一端と、分析導管32の一端とが第5切換弁38の各ポートに接続され、該切換弁38は電磁弁で構成され、その作動を前記制御装置によって制御している。
前記第5切換弁38は、パージ・トラップ時に図1の実線のように切換えてパージ導管27をトラップ導管31に連通し、該パージ導管27を移動する分離ガスをトラップ管25へ移送可能にしている。
また、不活性ガス源に連通する加圧ガス導管39を第5切換弁38に接続し、該導管39をパージ・トラップ時に図1の実線のように切換えて分析導管32に連通させ、不活性ガスを分析装置26へ導入可能にしている。
一方、前記加圧ガス導管23の上流側に第6切換弁40と第7切換弁41とが離間して配置され、これらは電磁弁で構成され、その作動を前記制御装置によって制御している。
このうち、第6および第7切換弁40,41は水系溶液16を第1および第2貯留部6,7へ導入する際、図1の実線のように切換えられて連通し、第7切換弁41に接続した前記ガス通路15へ不活性ガスを供給可能にしている。
そして、水系溶液16をパージ・トラップ部へ導入する際、第6および第7切換弁40,41は図3の実線のように切換えられて連通し、不活性ガスを送液管5およびパージ・トラップ導入管22へ移送可能にしている。
また、第1および第2貯留部6,7の洗浄時は、第6および第7切換弁40,41を図7の実線のように切換え、不活性ガス源に連通する加圧ガス導管42から不活性ガスを洗浄容器43へ導入し、該容器43に収容した洗浄液44を加圧ガス導管23へ送り出し、これを第1および第2貯留部6,7と送液管5へ移動して洗浄し、洗浄後の洗浄液44を排出容器18へ排出させている。
なお、この実施形態では第1および第2貯留部6,7をループ状に捲回して構成しているが、これに限らず直管状の導管を大径に形成して所定容量に構成したものでも良い。
このように構成した内部標準液の移送方法およびその移送装置は、水系溶液16を導入可能な送液管5にパージ・トラップ部3を連通および遮断可能に配置し、該送液管5に第1および第2貯留部6,7を離間して配置する。
実施形態の第1および第2貯留部6,7は、細管を捲回して所定容量のループ状に構成し、それらの両端部を送液管5の中流部に嵌合して装着し、または細管を捲回して一体に構成し、それらの間に内標導入弁8を開閉可能に配置する。
前記内標導入弁8は制御装置によって開閉制御され、この内標導入弁8に内標導管9を連通および遮断可能に配置する。
すなわち、前記内標導入弁8を送液管5と内標導管9に回動可能に介挿し、その作動をパーソナルコンピュータを駆使した制御装置(図示略)によって切換え制御し、その溝孔8aと送液管5または内標導管9との連通を切換え可能にしている。
前記内標導入弁8は、その円筒軸状の内部に内標13の注入スペースとして、溝孔8aを軸方向と直交方向に貫通して形成しており、該溝孔8aが内標13の計量手段として機能し、従来のような複雑で高価な計量機構を要しない。
前記内標導管9の一端を内標収納容器11に挿入し、該容器11に不活性ガス源に連通する加圧ガス導管12を挿入し、該導管12から導入された不活性ガスによって、前記容器11内の内標13を前記内標導管9へ押し出し、内標導入弁8へ供給可能にする。
前記内標導管9を内標導入弁8の周面に前記送液管5と直交方向に配置し、その上流部を前記不活性ガス源等の加圧部45に連絡し、その下流側端部を排出容器10に挿入し、該排出容器10に供給した内標13の余剰分を排出可能にする。
前記水系溶液16はVOC成分を含む水等を使用し、内標13としては水系溶液中の目的対象成分に含まれていない成分であり、物性が似ており、分析対象成分に近い位置で溶出し、高純度な成分である必要があり、実施形態ではフルオロベンゼン、1,4-ジオキ
サン-d8、トルエン-d8、p-ロモフルオロベンゼン等を使用する。
このうち、フルオロベンゼン、トルエン-d8、p-ロモフルオロベンゼンは、検出器の感度の補正を図り、1,4-ジオキサン-d8は1,4-ジオキサンの補正を図るようにする。
前記フルオロベンゼン、p-ロモフルオロベンゼン、トルエン-d8は回収率が高い成分で、パージを行なうことによって略全量が揮発しトラップ管25へ吸着される一方、1,4-ジオキサン-d8は親水性が高く回収率が低い成分であるため、パージを行なってもトラップ管25へ吸着される割合が低い。
このように実施形態の内部標準液の移送装置は、既設装置の一部を改変して容易に対応でき、内標13の特別な計量手段や制御機構を要しないから、従来のように内部標準ガスの流量を自動制御するマスフローコントローラや、開閉時間を制御する三方弁を要せず、その分構成が簡単で、容易かつ安価に製作することができる。
しかも、この実施形態では後述のように内標13の前後に水系溶液16を配置し、内標13をサンドイッチ状に挟み込んでパージ・トラップ部3へ送り込んでいるから、内標13が水系溶液16に容易かつ速やかに馴染んで、これらが均一かつ精密に分布する。
したがって、例えば内標13の背後に水系溶液16を配置し、水系溶液16によって内標を押し出す方法に比べ、内標13が水系溶液16に速やかで、かつ均一に分布する。
次に、前記移送装置を使用して内標13を水系溶液に注入する場合は、ニードル14を排出容器18から引き上げ、その尖端を容器17の蓋に刺し込んで内部の水系溶液16に挿入する。
そして、第1,2,6,7切換弁20,21,40,41と、内標導入弁8を図1の実線のように切換え、内標導入弁8と内標導管9を遮断して、不活性ガスを加圧ガス導管23へ送り込み、該ガスをガス導管15を介してニードル14の外側通路(図示略)へ導入し、容器17内の水系溶液16をニ−ドル14の内側通路(図示略)から送液管5へ押し出す。
前記押し出された水系溶液16は、送液管5に導かれて第1貯留部6へ移動し、該貯留部6を充填後、内標導入弁8内を貫流して第2貯留部7に導かれ、該貯留部7を充填後、その余剰分を排出容器19へ排出する。
この状況は図1のようで、第1および第2貯留部6,7と、それらの間を含む送液管5に水系溶液16が充填される。
この場合、第1および第2貯留部6,7に分析対象成分を含む水系溶液16を導入しているが、その何れか一方の貯留部に分析対象成分を含む水系溶液16を導入し、他方の貯留部に分析対象成分を含まない水系溶液16を導入して、測定することも可能である。
その際、分析対象成分を含まない水系溶液16を先に第2貯留部7へ導入し、この後に分析対象成分を含む水系溶液16を第1貯留部6へ導入することも可能であり、この反対であっても良い。
この後、ニードル14を容器17から引き抜いて排出容器18内へ移動し、第1,2,7切換弁20,21,41と内標導入弁8を図2の実線のように切換え、内標導入弁8と内標導管9を連通する。
そして、不活性ガスを加圧ガス導管12へ送り込み、該ガスを内標収納容器11へ導入して内標13を内標導管9へ押し出し、これを内標導入弁8へ導いて溝孔8aに導入し、導入後の余剰分を排出容器10へ排出する。この状況は図2のようである。
すなわち、内標13を内標導入弁8へ注入する際、前記制御装置を介して、内標導入弁
8を内標注入前の状況から時計方向へ90°回動し、前記溝孔8aを内標導管9へ連通させて、内部に内標13を導入する。この状況は図4(b)のようである。
そして、前記制御装置を介して、内標導入弁8を内標注入時から反時計方向へ90°回
動し、前記溝孔8aを送液管5に連通可能に配置し、前記溝孔8a内に導入した内標13の全量を送液管5内の水系溶液16中に注入する。この状況は図4(c)および図5のようで、水系溶液16中に所定量の内標13がサンドイッチ状に配置される。
したがって、液相の水系溶液16の間に液相の内標13が密接に3層に配置され、内標13が両側の水系溶液16に親水して馴染み拡散する。
実施形態では、本発明の所期の効果を得るために、内標13が1μLのとき、その前後に0.5mL以上の水系溶液16を配置しているが、これに限定されるものではない。
こうして水系溶液16に内標13を注入後、これをパージ・トラップ部3へ導入する際は、第1〜7切換弁20,21,34,36,38,40,41を図3の実線のように切換え、加圧導管23と送液管5の中流部と、パージ・トラップ導入管22を連通し、またパージ導管27をトラップ導管31に連通する。
そして、加圧導管23の上流側から不活性ガスを送り込み、該ガスを送液管5へ移動して、該導入管5に充填した水系溶液16と内標13をパージ・トラップ導入管22側へ送り出す。
このうち、第2貯留部7内の水系溶液16は前記ガスに押圧されて、該貯留部7のループに沿って回流し、内標導入弁8側へ移動して、第2貯留部7のループ内の水系溶液16に遠心力が働く。
その際、流速の大きい導管中央部では、水系溶液16部に作用する遠心力が、管内壁面付近の流速の小さい水系溶液16部に働くそれよりも大きいため、前記中央部の水系溶液16はループ管の外側へ押しやられ、管内壁付近の水系溶液16は内壁に沿ってループ管の内側に回り込む。
一方、第2貯留部7の断面内の圧力分布は一様ではなく、ループ管の外側の内壁で高く、内側の内壁で低くなるため、第2貯留部7の管軸に垂直な断面内に、一対の循環流である二次流れが生じる。
すなわち、この一対の二次流れの一方は、ループ管の内側から外側へ循環し、他方はループ管の外側から内側へ循環する。
したがって、第2貯留部7内では、水系溶液16の流速と圧力が不規則に変動して乱流に似た流れを呈し、大小様々な渦運動が形成されて、水系溶液16の混合ないし攪拌が活発に行なわれる。
この後、前記水系溶液16は、第2貯留部7を流出して内標導入弁8へ導かれるが、水系溶液16の前述した乱流に似た流れは、介在する水系溶液16に伝播して注入された内標13の一端に波及し、それらの混合ないし攪拌を促す。
この後、前記内標13は前記ガスに押圧されて水系溶液16と一緒に第1貯留部6側へ移動し、該貯留部6のループ内を移動する。
その際、第1貯留部6内のループでは、前述と同様に水系溶液16の流速と圧力が不規則に変動して乱流に似た流れを呈し、大小様々な渦運動が形成されて、水系溶液16と内標13の混合ないし攪拌が活発に行なわれ、内標13が水系溶液16に均一に分布する。
こうして内標13を注入された水系溶液16は、第1切換弁20からパージ・トラップ導入管22を経てパージ管24に導入され、導入後、パージ管24の他端の加圧導管28から不活性ガスを送り込み、水系溶液16と内標13が混在した溶液を強制的にパージし、このパ−ジ成分をパージ導管27へ送り出す。
この場合、前述のように内標13が水系溶液16に均一に分布してパージ管24に導入されるから、内標13の分布状況によってパージ効率、つまり水溶液中にパージガスを流して気液平衡を作り、揮発性成分を回収する効率、が相違し、回収率が異なる不具合を解消し得る。
したがって、水系溶液16内での内標13の不均一な分布によって、パージ効率がばらつき変化する事態を抑制し得る。特に、水系溶液16と内標13中の回収率の低い成分である1,4-ジオキサンと1,4-ジオキサン-d8に同様のパージ効率を得られるから、回収率のばらつきが小さくなる。
前記パージ成分を第3切換弁34を経て第5切換弁38へ導入し、該切換弁38からトラップ導管31へ移動して、該導管31に介挿したトラップ管25の吸着剤30にトラップし、余剰分を第4切換弁36から外部へ排出する。この状況は図3のようである。
この後、前記トラップ成分を分析する場合は、第4および第5切換弁36,38を図6の実線のように切換え、トラップ導管31を分析導管32に連通し、前記トラップ管25を加熱して吸着剤30にトラップしたトラップ成分を脱着する。
そして、加圧導管37から不活性ガスを送り込み、これをトラップ管25に導いて脱着成分を第5切換弁38を介し分析導管32へ送り出し、更に分析装置26へ導入して前記脱着成分を検出し分析する。
その際、前述のように内標13が水系溶液16に均一に分布され、該水系溶液16と内標13中の各成分に対し同様なパージ効率を得られるから、回収率の低い成分である1,4-ジオキサンと内標13の1,4-ジオキサン-d8も同様のパージ効率を得られ、回収率のばらつきが小さくなるため、分析精度の信頼性を得られる。
こうして水系溶液16の各成分を分析後、例えば第1および第2貯留部6,7を洗浄する場合は、第1,2,6,7切換弁20,21,40,41と、内標導入弁8を図7の実線のように切換え、加圧導管42に不活性ガスを送り込み、これを洗浄容器43へ導入する。
このようにすると、洗浄液44が洗浄容器43から押し出され、第6切換弁40を介し加圧導管23へ送り出され、第7,2切換弁41,21を経て第2貯留部7へ移動し、次いで内標導入弁8から第1貯留部6へ移動して、それらを洗浄する。
そして、洗浄液44を送液管5の端部側へ移動してノズル14へ導入し、該ノズル14を洗浄後に洗浄液44を排出容器18に排出する。この状況は図7のようである。
このように本発明はVOC成分を含む水系溶液16をパージ・トラップする際、水系溶液16に液体の内標13を注入し、これらをサンドイッチ状に配置してパージ・トラップ部3へ導入しているから、内標13が水系溶液16に馴染み易く均一に分布し、水系溶液16中の目的成分と内標13のパージ効率を同一にして、分析精度の信頼性を得るようにしたものである。
図8乃至図10は本発明の応用形態と他の実施形態を示し、前述の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。このうち、図8は本発明の前記実施形態の応用形態を示し、この応用形態は水系溶液16に内標13を注入後、これらを更に攪拌して内標13の均一な分布状態を得られる二つの形態を示している。
このうち(a)は、第1切換弁20とパージ管24との間のパージ・トラップ導入管22にミキサー46を配置し、該ミキサー46はフッ素樹脂製の細管を所定径のループ状に捲回して所定容量に構成し、その両側の管端部を前記導入管22に嵌合して装着している
そして、内標13を水系溶液16に注入後、これらをパージ・トラップ部3に導入する際、内標13を注入した水系溶液16を前記ミキサー46へ導入し、該ミキサー46では前述と同様に、水系溶液16の流速と圧力が不規則に変動して乱流に似た流れを呈し、大小様々な渦運動が形成されて、水系溶液16と内標13の混合ないし攪拌が活発に行なわれ、内標13と水系溶液16の分布状態が更に均一化されてパージ管24に導入され、各成分に対し同様なパ−ジ効率を得られるようにしている。
図8(b)は前記ミキサー46の別の形態として、所定長さの直管状のミキシング管47を介挿し、該管47に多数のガラスビ−ズ48を収容し、該ビ−ズ48に水系溶液16と内標13を接触させ、かつそれらの接触面積を増大させて、攪拌精度の向上と内標13と水系溶液16の分布状態を更に均一化してパージ管24に導入し、各成分に対し同様なパージ効率を得られるようにしている。
図9および図10は本発明の第の実施形態を示し、この実施形態は内標導管9の内標導入弁8よりも下流側または上流側、実施形態では下流側に抵抗部49を配置し、前記抵抗部49によって注入機構における内標量を調量可能にしている。
すなわち、前記抵抗部49は、当該部の導管の内径を内標導管9よりも増減し、または当該部の導管の長さを長尺若しくは縮小して管路抵抗を加減し、内標導入弁8に対する内標13の注入量を調量可能にしている。
前記実施形態の抵抗部49は、導管の内径を内標導管9よりも縮径し、および/または当該部の導管の長さを長尺にして管路抵抗を増大し、内標導入弁8に対する内標13の注入量ないし導入量を抑制している。
前記抵抗部49による内標導入弁8の内標13の注入状況は図10のようで、内標13の注入前は前記溝孔8aは前記制御装置を介して送液管5に連通可能に配置され、送液管5に導入した水系溶液16を内部へ導入可能にしている。この状況は図10(a)のようである。
次に、内標13の注入時は、内標導入弁8を内標注入前から時計方向へ90°回動し、前記溝孔8aを内標導管9へ連通可能に配置して、内部に内標13を導入可能にする。
その際、抵抗部49による管路抵抗によって、内標13の導入速度が減速され注入量が減少する。実施形態では、内標13の注入量が溝孔8aの容積相当分の約1/2に調量されている。この状況は図10(b)のようである。
前記内標13の注入後、内標導入弁8を切換えて閉弁し、内標導入弁8と内標導管9を遮断し、代わりに第1および第2貯留部6,7を連通させて、内標導入弁8を復旧する。
すなわち、前記制御装置を介して、内標導入弁8を内標注入時から反時計方向へ90°回動し、前記溝孔8aを送液管5に連通させて、前記溝孔8a内に導入した内標13の先端部を送液管5内の水系溶液16に密接させて注入する。この状況は図10(c)のようである。
このようにこの実施形態では、抵抗部49によって内標導入弁8に対する内標13の注入量を調整し、この調量した内標13を水系溶液16に導入して、水系溶液16の分析条件に応じた最適量の内標13の注入を実現し、内標13の適確な使用と有効利用を図るようにしている。
本発明の内部標準液の移送方法およびその移送装置は、試料に内部標準液の自動注入を容易かつ安価に実現し、試料に内部標準液を均一に分布させて一様なパージ効率を得られ、回収率の低い成分と内部標準物質の回収率のばらつきを抑制して、分析の信頼性を得られるから、例えば水に含まれる揮発性有機化合物の定量分析に好適である。
3 気相抽出部(パージ・トラップ部)
5 送液管
6 第1貯留部
7 第2貯留部
8 切換弁(内標弁)
13 内部標準液
46,47 ミキサー
48 ガラスビーズ
49 抵抗部

Claims (9)

  1. 水系溶液に内部標準液を注入し、該内部標準液は親水性と揮発性を有する内部標準物質を含み、該内部標準液の前後に水系溶液を配置して気相抽出部へ導入する内部標準液の移送方法において、前記内部標準液の内部標準物質は、1,4-ジオキサン-d8を含んでいることを特徴とする内部標準液の移送方法。
  2. 水系溶液の送液管と、内部標準液を送液する内標導管とに連通する内標導入弁の内部に所定量の内部標準液を導入し、水系溶液に対する内部標準液の注入量を調量する請求項1記載の内部標準液の移送方法。
  3. 内標導入弁内部の注入スペースを内標導管に連通し、内部標準液を注入スペースに導入後、内標導入弁を軸回りに回動して注入スペースを送液管に連通し、前記注入スペースに収容した内部標準液を送液管に導入する請求項記載の内部標準液の移送方法。
  4. 前記内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に設けた抵抗部を介し、送液管に対する内部標準液の導入量を調量する請求項記載の内部標準液の移送方法。
  5. 水系溶液の各成分を分析後、内標導入弁の注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄する請求項記載の内部標準液の移送方法。
  6. 水系溶液に親水性と揮発性を有する内部標準物質を含む内部標準液を注入可能に設け、
    該内部標準液の前後に水系溶液を配置して、気相抽出部へ送液可能にした内部標準液の移送装置において、内部標準液の内部標準物質が1,4-ジオキサン-d8を含んでいるとともに、水系溶液の送液管と内部標準液を送液する内標導管とが連通可能な交差部に内標導入弁を回動可能に設け、該内標導入弁の内部に前記送液管と内標導管に選択的に連通可能な注入スペースを設け、該注入スペースを内標導管に連通し、所定量の内部標準液を注入スペースに導入可能に設け、内部標準液の導入後、内標導入弁を回動し注入スペースを送液管に連通して、該注入スペースに導入した内部標準液を送液管の水系溶液中に導入可能に設けたことを特徴とする内部標準液の移送装置。
  7. 前記注入スペースは、内標導入弁の軸方向と直交方向に貫通形成した溝孔である請求項6記載の内部標準液の移送装置。
  8. 前記内標導入弁の下流側または上流側の内標導管に抵抗部を設けて送液管に対する内部標準液の導入量を調量可能にした請求項記載の内部標準液の移送装置。
  9. 水系溶液の各成分を分析後、注入スペースを前記送液管に連通し、該送液管の下流側から不活性ガスを導入し、前記注入スペースと送液管を洗浄可能にした請求項記載の内部標準液の移送装置。
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