JP6499990B2 - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6499990B2
JP6499990B2 JP2016065631A JP2016065631A JP6499990B2 JP 6499990 B2 JP6499990 B2 JP 6499990B2 JP 2016065631 A JP2016065631 A JP 2016065631A JP 2016065631 A JP2016065631 A JP 2016065631A JP 6499990 B2 JP6499990 B2 JP 6499990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
chamber
electrolytic cell
electrolytic
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016065631A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017176961A (ja
Inventor
濱村 圭一
圭一 濱村
Original Assignee
島崎電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 島崎電機株式会社 filed Critical 島崎電機株式会社
Priority to JP2016065631A priority Critical patent/JP6499990B2/ja
Publication of JP2017176961A publication Critical patent/JP2017176961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6499990B2 publication Critical patent/JP6499990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

この発明は各種の洗浄用及び殺菌・消毒用として使用される電解水生成装置に関する。
従来例えば特許文献1及び非特許文献1に示される電解水生成装置のように、陰極,陽極の電極間にイオン交換膜を介して食塩水等の電解液(電解質溶液)を循環させる中間室(電解液室)を設け、その両側に水を供給排出させる陰極室(カソード室)と陽極室(アノード室)を形成し、陰極室と陽極室からナトリウムイオン水(還元水)と塩素イオン水(酸化水)をそれぞれ取出して洗浄水又は殺菌水として使用する3室型電解システムが知られている。そして上記還元水及び酸化水は1室型(無隔膜)電解システム又は2室型電解システムによって得られるアルカリ水や酸性水と比較してイオン活性力が高く、優れた洗浄力や殺菌力、脱臭・脱色作用を備えていることが知られており、特に高還元水又は高酸化水と称されている。
特許第3793114号公報
http://www.redox.co.jp/?page_id=9(3室型電解システムのしくみ)
しかし上記の従来の3室型の電解槽を用いた装置では、電解液(食塩水)を電解質タンクと電解槽の中間室との間で循環させるために、電解液中に塩酸が生成され(H+Cl→2HCl)且つ蓄積される(濃度が高くなる)ため、電解水生成装置の周辺に塩酸ガス(塩化水素)による強い刺激臭が充満し、電解水の生成場所や使用する作業空間、その他の居住スペース等の環境の悪化を招くほか、各種機器類や取扱い品に酸化や腐蝕による損傷、故障等を生じさせ又は機器類の耐久性を損ねるという欠点がある。
他方、前記高還元水や高酸化水はその洗浄力や殺菌力に優れているため、医療施設や介護福祉施設等における手指の洗浄や除菌等に使用される例があるが、既述のように強い塩酸臭や塩酸ガスの影響が懸念されて生成された電解水を容器に移して貯留したものが使用されていた。
また従来の電解装置は、各種機器類やシーツ類の洗浄、洗濯や殺菌等に使用されるため電解槽や塩水(電解質)タンクも大型で全体として大型であるため、洗面所や施設の入口等に簡単に設置して、一般のユーザーや来訪者等の利用に供する電解水を電解装置から直接供給する装置は市販されておらず、その提供が望まれていた。
上記課題を解決するための本発明の電解水生成装置は、第1に電解槽1を酸性水を生成する酸性電解槽1Aと還元水を生成する還元電解槽1Bとに分離して形成し、各電解槽1A,1Bに陰イオン透過性の隔膜3aと陽イオン透過性の隔膜3bとをそれぞれ介して一対の陽電極8aと陰電極8bを対応させて配置し、両電極8a,8bの一方の側に電解液を導入排出する電解液室4a,4bを形成し、他方の側に水を導入排出して酸性水又は還元水を生成させる陽極室6又は陰極室7のいずれかを形成し、電解液である食塩水を貯留し且つ各電解液室4a,4bに接続して循環供給する塩水タンクを設けてなる電解水生成装置において、左右方向に横長で天板及び周壁により外部より遮蔽されたボックス状のケースの41内に密閉状態で閉蓋できる蓋付きの前記塩水タンク2を設け、上記ケース41内の塩水タンク2の底部に電解液循環駆動用のポンプ11を取付け固定し、前記ケース41内の他方の端部にはプレート状に組合された電解槽1を左右方向に設置し、上記電解槽1と塩水タンク2間の電解液循環用の配管と同電解槽1の陰極室7と陽極室6の給排水用の配管を前記ケース41内に密閉状態で収納させてなることを特徴としている。
に、陰極室7と陽極室6に接続される各排出配管に、ケース41の外部に取付けられる還元水と酸化水の各取出管18a,18bに接続し、還元水と酸化水手指洗浄及び手指消毒用であることを特徴としている。
に、電解槽1の陰極室7及び陽極室6への給水配管をケース41の外部からの水道配管に接続し、両室に水道水を供給することを特徴としている。
に、電解槽1の陰極室7及び陽極室6への給水配管と接続され、両室への供給水を貯留して必要に応じて給水する給水タンク66をケース41に設置し、携帯移動可能に構成したことを特徴としている。
以上のように構成される本発明によれば、塩水タンクと電解槽間を循環する電解質にNaHCO ,CaCO,KCO等の抑制剤を添加することにより、電解質中の塩酸の蓄積が抑制され、電解液から塩酸が蒸散することによる塩酸臭の発生や塩酸ガスの発生が抑制され、塩酸臭による環境問題や塩酸ガスによる周辺機器等の損傷、故障や耐久性の低下等が防止できる。
電解槽を酸性電解槽と還元電解槽にとに分けて形成した装置では、酸性水と還元水を互いに他方に影響されることなく単独で、しかも自由な品質調整が可能な状態で取出し供給ができる利点がある。
また電解水生成のための電解槽,電解質タンク配管等を外部から遮蔽して小型化した電解水生成装置のケース内に設置することで、医療施設、介護・福祉施設、学校その他の施設の手洗所,洗面所出入り口等の公衆の居住空間における手指消毒用としても問題なく容易に設置、採用でき、電解水生成装置から直接電解水を供給して利用できる利点がある。
本発明の方法の実施に用いる電解水生成装置の基本構成を示す配線・配管図である。 本発明装置の正面断面図である。 本発明装置の平面図である。 本発明装置の右側面図である。 本発明装置のディスプレイに示される表示内容とその流れの1例を示す説明図である。 食塩水のみの電解液と重曹を添加した本発明方法の電解液での実施結果をpH値その他の計測値で対比した表である。 本発明装置の他の実施例を示す配線・配管図である。
以下本発明の実施形態につき図1に示す基本構成につき説明する。ちなみに図1の電解水生成装置の電解槽と塩水(電解質)タンク等の構成及びその作動原理は前記特許文献1及び非特許文献1と共通するものである。
この装置は3室型の電解槽1と該電解槽1に電解質(液)となる食塩水を貯留して循環供給する塩水タンク2を備えており、電解槽1は縦長でプレート状の直方体(ブロック状)に形成されており、その中央には左右のイオン透過性の隔膜(陰イオン交換膜3a,陽イオン交換膜3b)に仕切られた縦長の中間室(電解液室)4が形成され、さらにその左右両側には陽極室6と陰極室7が形成されている。上記各隔膜3の外側に沿って通水性を備えたシート状の陽,陰の各電極8a,8bが設けられている。
塩水タンク2と中間室4の上下の間は食塩水(電解質)を循環させる循環路(配管)9a,9bで接続され、塩水タンク2下部と中間室4の上部を接続する供給側循環路9aには、食塩水を循環供給するポンプ11と流量調節用のバルブ12とが順次設けられている。また塩水タンク2の下部には、塩水タンク2内の塩水が繰り返し使用の結果電解機能が低下した時点で、食塩水を交換するために排出するドレンバルブ13付のドレン管14が設置されている。16は塩水タンク2に設けられた食塩水のレベルを検出するレベルセンサーである。
また陽極室6と陰極室7の下部には水道水を供給する給水管17より分岐した分岐管17a,17bがそれぞれ接続され、同じく両室6,7の上部には各室で生成された電解水(プラスイオンが溶け込む高還元水とマイナスイオンが溶け込む高酸化水)を取出すための取出管18a,18bがそれぞれ接続され、各取出管18a,18bの先端側には噴出ノズル又は噴出ノズルを兼ねた噴出口(いずれも図示しない)が設けられている。
上記給水管17には、上流側からメインバルブ19,減圧弁21,給水(ON,OFF)用電磁バルブ22が順次設けられ、各分岐管17a,17bには流量調節用のバルブ23a,23bがそれぞれ設けられている。また給水回路17側又は取出管18a,18bのいずれかに取出水を温水化(例えば35℃に)するための加温装置(図示しない)を設けてもよい。
次に上記電解槽1内の電解作動及び給排水,電解水取出しその他の制御を行うための電気系統について説明すると、電源は100VのAC電源が使用され、電解電極8a,8bに接続される電解回路24と各種の作動制御に使用される制御回路26とに分岐されている。
電解回路24は電極8a,8bにDC電源を付与するためその末端は陽電極8a,陰電極8bに接続されるが、基端部側よりメインスイッチ27,コンバーター(電解電源)28,電極切換用の切換スイッチ29が介設されている。上記コンバーター28はAC−DC変換のほか、例えばDC出力電圧を12Vに変圧し6Aの定電流で出力する機能を備えている。ここで定電流で出力するのは、電解負荷に応じて電圧を変化させるためのものである。また切換スイッチ29は電解作動の継続によって各電極に付着するスケールを上記切換によって分離除去するために設けられている。
他方、制御回路26側には、例えばDC24Vで30Wの出力を行う制御電源用のコンバーター31が設けられ、その出力側にはポンプ11や給水電磁バルブ22、その他の機器やスイッチ類を入力信号に応じて制御するためのプログラムを備えた制御装置32が設けられている。
上記装置に示す構成は最小限のものを示すもので、装置の運転上、例えば後述する給水作動を開始させるための光センサー,スイッチ類その他の機器類や回路は示されておらず、上記以外の運転上求められる各種電装品等は必要に応じて設置されるものである。
また図1に示す装置の電解槽1の構造と機能及び使用方法を含めて基本的には特許文献1に示すものと共通しているが、後述するようにこれを手指洗浄・消毒用として介護施設,病院,食堂その他各種の施設の出入口や洗面所,便所等のように公衆も出入りする場所で簡単に使用するために、小型化するに当り出力や電解処理能力は適宜変更される。
次に上記装置を用いて電解水を生成する本発明の方法につき説明すると、本発明の方法において、イオン透過性の隔膜3をそれぞれ備えた陰電極8bと陽電極8a間に設けられた電解槽1の中間室4と、電解液としての食塩水を収容する塩水タンク2との間で電解液を循環させて中間室に電解液を供給し、上記中間室4の両側に設けた前記電解槽1の陰極室7と陽極室6にそれぞれ水を供給排出することにより高還元水及び高酸化水を生成する点は前記従来従来の方法と共通している。
しかし既述のように3室型電解水生成装置による方法では、食塩水の電気分解に伴って生じる塩酸が陰極側の電解水として取出されるだけでなく、中間室から塩水タンク2内に戻され、さらに電解の継続と共に塩水タンク2内に貯留されて高濃度になる。このため既述のような各種の不都合が生じる。
これに対し本発明では塩水タンク2に投入する食塩水に塩酸ガス(塩化水素)の発生を抑制する塩酸ガス抑制剤を添加するものである。後述する実施例では塩酸ガス抑制剤として炭酸水素ナトリウム(NaHCO)が使用されているが、例えば炭酸カルシウム(CaCO)又は炭酸カリウム(KCO)のように炭酸イオン(CO (2−))を含む物質であれば、これらのケースでは塩酸と反応して、それぞれ食塩(NaCl),塩化カルシウム(CaCl)又は塩化カリウム(KCl)のいずれかと水及び二酸化炭素が生成され、塩酸の残留や蓄積が防止又は抑制できる。
以下本発明装置の実施例につき図1〜図5に基き説明する。図2〜図4は本発明の装置の正面断面図,平面図,右側面図を示し、装置は各種使用施設内のテーブル上や洗面所,便所等に配置又は設置するために全体として小型化が図られ、例えば横幅165,高さ355,奥行400(mm),重量8kg程度に納められている。ちなみにこの実施例の装置は後述する表1の手指洗浄用(小型)電解槽の欄に示すものが対象となっている。
装置は中空ボックス状のケース41内に収納されており、周壁は左右壁42,43と中底(板)44,下部底46及び天板47とが一体的な剛体として組立形成されており、天板47と中底44の間には各種の機器類や電装品を配置し内部スペースの大半を占める本体室48が形成され、中底44と下部底46との間には主として外部の給水管17を導入する配管室49が形成されており、中底(板)44には同配管及び塩水タンク2からのドレン管14を通すための配管孔51が形成されている。
この例ではケース41の左側壁42は平板で構成されているが、右側壁43は山型に半円形の円弧状断面に湾曲形成されており、その上端側には周壁が当該円弧と同心円に形成された塩水タンク2が一体的に形成されている。そして上記右側壁43の前後の端部と左側壁42との間には正面側と背面側の長方形の開口部を密閉状に塞ぐ前後のカバー52,53が着脱可能に取付けられており、この前後の開口部を通じて本体室48内に各種機器類を取付け及び取外し又はこれらの操作や設定及びメンテナンス等を行う機構となっている。
本体室48内の片側(左側)中心位置には3室型で直方体形状の電解槽1が中底44上に固定して取付けられており、右側の塩水タンク2の底面側には開閉蓋付の塩水ポンプ11が取付固定されている。この塩水ポンプ11は塩水タンク2の底面にジョイント管55を介して取付け固定されているほか、必要に応じ下部側をブラケット(図示しない)等を介して中底44側に補強的に支持する機構としてもよい。
前記右側壁43の内側で塩水タンク2の下方には、後述する表示装置54が右外向きに右側壁43に取付けられており、表示装置54の外側には右側壁43の外側にディスプレイ56が設けられ、このディプレイ56は図示するように右側壁43の半円形の右外側に形成された平面的な凹部57に表示装置54を嵌合して取付けることによって外表面に露出している。
本体室48内の略中央位置で電解槽1の背面側には、全体の制御用の電源となるコンバーター31が中底44上に取付けられて設置され、さらに電解槽1の上部には取付棚58が左右方向に設置され、その上部の天板47との間には電解作動用の電源となるコンバーター28が取付棚58に取付けて設置されている。また塩水ポンプ11の下方で前方寄りの中底44上には電極切換スイッチ29が取付け配置されている。
右側壁43のディスプレイ取付用の凹部57の下方中心位置には、外部に露出するように内部から差込状態で取付けられるセンサー59が設けられ、利用者が外側よりこのセンサー59に手をかざすことにより、取出管18bと18aより洗浄水と除菌水が順次定量ずつ排出される。
天板47上には前後に振分けて除菌水と洗浄水の取出管18a,18bがそれぞれ取付けられ、各種取出管18a,18bはいずれも塑性変形可能な金属製のらせん管であり、さらに天板47の前後中心位置で右寄り位置にはブラケット61が突設され、このブラケット61と左側壁42の上部突出端との間には、左右方向の棒状の把手62が横設され、装置の持ち運び時に把手として使用される。
電解槽1の前後両壁の下部位置には、陰極室7と陽極室6に電解水生成用の水を供給する配管(ホース)17a又は同17bの接続口63aが、同上部位置には取出管18a又は同18bと接続される生成水取出用の接続口63bがそれぞれ設けられ、さらに前後方向中央の中間室4の左側の上部位置には塩水タンク2からの食塩水の供給(循環)配管9aを接続する接続口64aが、同右側の下部位置には使用済の電解液(塩水)を塩水タンク2に返送する(循環)配管9bを接続する接続口64bがそれぞれ設けられている。
そして給水管17から分岐する分岐管17a,17b,循環配管9a,9b及び各種電装機器類の配線(ハーネス)配置はケース41内の本体室48内の空間を利用して行われ、この本体室48は少なくとも周面及び上面は(できる限り底面側も)密閉状態で外部と遮蔽されており、内部のガスが外部に洩れない構造となっている。
なお、図1〜図4は、電解生成水用の水を水道管と接続し、水道圧を利用して洗浄水、除菌水を取出す例につき述べたが、図2,図4のケース41下部の仮想線で示すように、配管室49を設けないでこれより大容積の給水タンク66をケース41の下部に一体的に設け、給水口67より給水して貯留し、給水タンク66内又は本体室48内に設けた給水ポンプ(図示しない)により、電解槽1の陽極室6及び陰極室7に給水することができる。このタイプの装置は水道管と接続する必要がないため、水道管のない場所でも使用でき、任意の場所に携帯移動できる利点がある。
図5は表示装置54のディスプレイ56に表示される指示内容と流れの1例で、利用者はこの指示に従って洗浄、除菌を行うことができ、電解液が繰り返し使用によって電解機能が一定以下に低下した時は、交換の手順を表示して電解液の交換をさせる内容となっている。
ちなみに図1に示す装置を用いて生成した電解水で、大腸菌,カンジダ菌,サルモネラ菌,セレウス菌,緑膿菌,レジオネラ菌,黄色ブドウ球菌について洗浄と除菌の実験を行った結果では、洗浄水(100%)を用いたケースで、添加1分後,5分後,10分後の菌数は緑膿菌ではすべてで陰性、セレウス菌では急減しながら10分後のみ陰性、その他は経時に伴い若干減少を示すものの大きな殺菌効果は認められていない。
これに対し、除菌水(100%)と除菌水(50%)と水道水(50%)のものは、各経過時間ともにすべて陰性であった(島根県環境保険公社実験)。
そして前記本実施例の方法による電解水もこれらと略同様の結果が得られた。
介護者や看護師は1日20〜30回と頻繁に手洗を行うが、アルコールやイソジン消毒による場合が多いが、これらのケースでは肌荒れを免れない。これに対し、島根大学医学部皮膚科・産学共同研究センターにおける実験によれば、4週間後の比較で本発明方法による洗浄水、除菌水では肌荒れを確実に防ぐことができた。
次に先に述べた本発明の方法を、例えば病院、介護施設等の衣類その他の洗濯用又は洗浄用として用いられる図1に示す在来の大型の業務用電解水生成装置(「業務用装置」)と、図1〜図4に示す本発明の小型の手指洗浄用電解水生成装置(「手指用装置」)を用いた実施例につき説明する。表1は上記2種類の装置の仕様を示している。
Figure 0006499990

図6は上記2種類の装置を用いて、それぞれ飽和食塩水と、食塩と重曹(炭酸水素ナトリウム)を3:7の割合で添加した溶液とで電解水を生成した場合の電解液(食塩水),除菌水,洗浄水の水素イオン濃度(pH),酸化還元電位(ORP),塩素濃度(ppm)の計測値の経時変化を示した表である。
表1によればいずれの装置の場合も、塩水タンク内の電解質のpH値を除いてはいずれの対象水の測定値にも有意な差が認められないのに対し、業務用装置,手指用装置共に食塩水に重曹を添加したものでは食塩水と比較してpH値が高く中性化又は弱アルカリ化していることが明らかである。
即ち、業務用装置の場合の塩水タンク内の電解質では、後者のpH値が0.88〜1.41の強い酸性を示す(塩酸濃度が高い)のに対し、前者のpH値は7.25〜8.50の中性乃至は弱酸性に留まる(塩酸がない)ことが明らかである。
また手指用装置の場合も同様に飽和食塩水ではpH値が0.22〜1.15の強酸を示すのに対し、重曹を添加したものでは7.82〜10.35の中性乃至弱アルカリ性であること、即ち塩酸を含まないことが明らかである。なお、食塩と重曹の配合比は塩化水素の発生量,電解質の総量,電解液の使用量等を考慮して適宜決定される。
図7は本発明の方法に使用され、特に手指洗浄・消毒用と使用する際に、洗浄水(還元水)と除菌水(酸化水)とを異なるタイミングで各別に取出すのに適した構成の装置として提供するものである。即ち図1に示す装置では1台の3室型電解槽1で洗浄水と除菌水を提供しているために、いずれか一方の電解水を生成して取出すと必ず他方の電解水も生成される結果、一方のみを使用した時は他方の水を無駄に廃棄することになるほか、酸とアルカリの濃度(pH)も一方が決まれば他方もこれに対応して自動的に決められる等、他方に対し一方を調整することができないという問題があった。
この実施例は上記課題に対応するもので、図7に示すように電解槽1を除菌水生成用の電解槽(酸性電解槽)1Aと洗浄水生成用の電解槽(還元電解層)1Bとに分けて形成している。各電解槽1A,1Bがイオン透過性の隔膜8a又は8bに近接して配置される陽電極8aと陰電極8bを挿入し、その両側に電解水となる水を導入排出して電解水生成室(陽極室6又は陰極室7)を形成している点と、各電解液室4a,4bが塩水タンク2と接続されて食塩水が循環しながら供給される点は共通している。
他方で両電解槽1A,1Bは、酸性電解槽1A側の隔膜3aが陰イオン交換膜であって陽電極8a側に陽極室6が形成され、陰電極8b側に電解液室4aが形成されているのに対し、還元電解槽1B側は隔膜3bが陽イオン交換膜であり、陰電極8b側に陰極室7が形成され、陽電極8b側に電解液室4bが形成されている点が異なる。換言すれば、この例で示す装置は図1に示す3室型の装置の電解液室(中間室)4を左右に2分割して4a,4bとし、両電解液室4a,4bそれぞれに塩水を循環供給する機構であり、電解水生成機能は3室型の装置と略同一である。
また上記構成に対応して各電極室6,7に接続される給水分岐管17a,17bの上流側にはそれぞれ電磁バルブ22a,22bが各別に設けられている点,2つの電解液室4a,4bには循環路9a,9bが分岐して接続されるとともに給液側の循環路9aの各分岐管には各別に流量調節用のバルブ12a,12bがそれぞれ設けられている点,各電解槽1A,1Bに対して電解回路24a,24bが分岐されて接続されるとともに、電解回路24a,24bに分岐されたことに伴い電極切換用の切換スイッチが同29a,29bに示すように2段階に分けて設置され、両電解槽1A,1Bの電極が各別に選択操作できるようになっている点とが、図1の電解水生成装置と異なる点である。上記相違点以外で図1の装置と共通する符号は同図のものと共通の機能を持つ部分又は部品を表している。
図7に示す装置は上記のように構成される結果、酸性電解槽1Aと還元電解槽1Bとでは、酸性水(除菌水)と還元水(洗浄水)が互いに独立して他方に影響されることなく各別に生成され、いずれか単独でも生成取出しできる利点があり、また両生成水のpH濃度や流量等を使用目的に応じて独自に調節することもでき、手指洗浄・消毒用の装置としても適している。
なお、この実施例においても電解質である食塩水は塩水タンク2に貯留され且つ電解槽1A,1Bとの間で循環しているので、塩水タンク2に塩酸ガスの発生を抑制する抑制剤を供給することにより塩酸ガスの発生を抑制することが可能であることは勿論である。
この発明の装置は洗浄と除菌を行う各種作業に利用ができ、且つ装置の製造はそれ自体が工業的な生産に適するものである。
1 電解槽
1A 酸性電解槽
1B 還元電解槽
2 塩水タンク
3 隔膜(イオン交換膜)
3a 陰イオン交換膜
3b 陽イオン交換膜
4 中間室(電解液室)
4a,4b 電解液室
6 陽極室
7 陰極室
8a 陽電極
8b 陰電極
11 ポンプ
18a,18b 取出管
41 ケース
66 給水タンク

Claims (4)

  1. 電解槽(1)を酸性水を生成する酸性電解槽(1A)と還元水を生成する還元電解槽(1B)とに分離して形成し、各電解槽(1A),(1B)に陰イオン透過性の隔膜(3a)と陽イオン透過性の隔膜(3b)とをそれぞれ介して一対の陽電極(8a)と陰電極(8b)を対応させて配置し、両電極(8a),(8b)の一方の側に電解液を導入排出する電解液室(4a),(4b)を形成し、他方の側に水を導入排出して酸性水又は還元水を生成させる陽極室(6)又は陰極室(7)のいずれかを形成し、電解液である食塩水を貯留し且つ各電解液室(4a),(4b)に接続して循環供給する塩水タンクを設けてなる電解水生成装置において、左右方向に横長で天板及び周壁により外部より遮蔽されたボックス状のケースの(41)内に密閉状態で閉蓋できる蓋付きの前記塩水タンク(2)を設け、上記ケース(41)内の塩水タンク(2)の底部に電解液循環駆動用のポンプ(11)を取付け固定し、前記ケース(41)内の他方の端部にはプレート状に組合された電解槽(1)を左右方向に設置し、上記電解槽(1)と塩水タンク(2)間の電解液循環用の配管と同電解槽(1)の陰極室(7)と陽極室(6)の給排水用の配管を前記ケース(41)内に密閉状態で収納させてなる電解水生成装置。
  2. 陰極室(7)と陽極室(6)に接続される各排出配管に、ケース(41)の外部に取付けられる還元水と酸化水の各取出管(18a),(18b)に接続し、還元水と酸化水手指洗浄及び手指消毒用である請求項に記載の手指洗浄・消毒用の電解水生成装置。
  3. 電解槽(1)の陰極室(7)及び陽極室(6)への給水配管をケース(41)の外部からの水道配管に接続し、両室に水道水を供給する請求項に記載の手指洗浄・消毒用の電解水生成装置。
  4. 電解槽(1)の陰極室(7)及び陽極室(6)への給水配管と接続され、両室への供給水を貯留して必要に応じて給水する給水タンク(66)をケース(41)に設置し、携帯移動可能に構成した請求項に記載の手指洗浄・消毒用の電解水生成装置。
JP2016065631A 2016-03-29 2016-03-29 電解水生成装置 Active JP6499990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065631A JP6499990B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 電解水生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065631A JP6499990B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 電解水生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017176961A JP2017176961A (ja) 2017-10-05
JP6499990B2 true JP6499990B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=60004603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016065631A Active JP6499990B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 電解水生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6499990B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2814658C1 (ru) * 2022-12-27 2024-03-04 Общество с ограниченной ответственностью "Специализированная Электрохимическая Лаборатория" Устройство для электрохимической обработки воды

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102399942B1 (ko) * 2020-01-02 2022-05-19 서순기 전해 살균 소독수 생성장치

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10286571A (ja) * 1997-04-16 1998-10-27 Permelec Electrode Ltd 酸性水及びアルカリ水製造用電解槽
JP2003062569A (ja) * 2001-08-27 2003-03-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電解水生成装置
JP2003144795A (ja) * 2001-11-13 2003-05-20 Sanyo Electric Co Ltd 洗浄機、水処理装置、及び廃水処理装置
JP3793114B2 (ja) * 2002-06-10 2006-07-05 島崎電機株式会社 電解水生成装置
JP2005007102A (ja) * 2003-06-16 2005-01-13 Mututry:Kk 小型電解水手洗装置
JP2012036471A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Japan Organo Co Ltd 塩類溶解槽
JP5432103B2 (ja) * 2010-09-21 2014-03-05 優章 荒井 電解水の製造装置及びその製造方法
JP2013091039A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Hakatako Kanri Kk 強酸性水生成装置
JP6457737B2 (ja) * 2014-05-01 2019-01-23 モレックス エルエルシー 酸性電解水およびその製造方法、該酸性電解水を含む殺菌剤および洗浄剤、該酸性電解水を用いた殺菌方法、ならびに酸性電解水の製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2814658C1 (ru) * 2022-12-27 2024-03-04 Общество с ограниченной ответственностью "Специализированная Электрохимическая Лаборатория" Устройство для электрохимической обработки воды

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017176961A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5688103B2 (ja) 電解水製造方法及び装置
KR100443448B1 (ko) 전해기능수,그의제조방법및제조장치
KR100802361B1 (ko) 전해살균 소독수 공급장치
KR20090123297A (ko) 손 소독기
US20150329385A1 (en) An electrolyzed water generating method and a generator
JP6268383B2 (ja) 電解水生成装置及びその運転方法
JP2014046227A (ja) 電解水生成装置及び電解水生成方法
JP6499990B2 (ja) 電解水生成装置
JPS5966392A (ja) 殺菌イオン水の製造方法および装置
JP2004277755A (ja) オゾン生成装置
JP3667405B2 (ja) 電解水生成装置
KR100979808B1 (ko) 손 소독기
KR20150000021A (ko) 살균수와 알칼리수의 동시공급이 가능한 이온수기
JP2007252963A (ja) 電解水製造装置
KR100929118B1 (ko) 전해수 생성장치
KR101798989B1 (ko) 차아염소산수 생성 장치
JPH10137762A (ja) 酸性電解水生成装置
JPH0780457A (ja) 電解水の生成方法および生成装置
JPH09206755A (ja) 電解によるアルカリイオン水と次亜塩素酸殺菌水の生 成方法及び装置
JP6831570B2 (ja) 電解水生成装置
WO2022014127A1 (ja) 電解水生成装置
JP4572901B2 (ja) 電解水生成装置
JP3203952U (ja) 特殊水生成装置
KR101053430B1 (ko) 침적식 강산성수 발생장치
JP2020506051A (ja) 電気分解モジュール、これを含む電気分解水生成装置及び電気分解水生成装置の運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6499990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250