JP5791485B2 - 配管挿入型超音波探傷装置 - Google Patents
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Description
この種の超音波探傷装置として、特許文献1が開示する配管用超音波探傷装置は、配管内に挿入される探触子チューブを有し、探触子チューブには、送信用探触子及び受信用探触子が固定されている。具体的には、送信用探触子及び受信用探触子は、配管への挿入方向にて相互に離間し、それぞれ、配管の径方向に対して傾斜した状態で固定されている。送信用探触子は、配管の内周面に向けて斜めに超音波を出射し、受信用探触子は、超音波の反射波及び回折波を受信する。
この好ましい構成によれば、配置調整機構が間隔調整部及び角度調整部のうち一方又は両方を有するので、配管の仕様の変更、例えば配管の内径の大きさや配管の厚みの変更にかかわらずに、欠陥を高精度にて検出し、且つ、欠陥の大きさを高精度にて測定することができる。
この好ましい構成によれば、簡単な構成にて、配置調整機構が角度調整をすることができ、内径の異なる配管や、厚さの異なる配管に対しても発信方向および受信方向を調整できる。
この好ましい構成によれば、簡単な構成にて、配置調整機構が間隔調整をすることができ、角度調整だけでなく送信用探触子と受信用探触子との間隔も調整できるので、内径の異なる配管や、厚さの異なる配管に対しても発信方向および受信方向をさらに容易に最適な状態に調整できる。
この好ましい構成によれば、配管の肉厚が変化する部位を的確に検出することができる。肉厚が変化する部位は、応力が集中し易く、欠陥が生じ易いため、配管の肉厚が変化する部位を検査対象とすることで、効率的に検査を行うことができる。
この好ましい構成によれば、探触子チューブを配管内で回転させながら探傷試験を行った場合でも、送信用探触子及び受信用探触子と、配管の内周面及び外周面との間の距離が変化せず、周方向に渡って均一な精度で、欠陥の検出及び大きさの測定を行うことができる。
配管12は、例えば火力ボイラ用の熱交換器を構成する吊り下げ管である。配管12には、ブラケット14を介して、再熱器を構成する配管(RH管)16,16が固定されている。より詳しくは、ブラケット14は、吊り下げ管12及びRH管16,16に溶接されており、ブラケット14と吊り下げ管12及びRH管16,16の間はビード18を介してそれぞれ接続されている。
ブラシ26は、それぞれ端部24,24の径方向に延びる繊維からなる。ブラシ26の外径は本体部22の外径よりも大きく、ブラシ26の先端は配管12の内周面に摺接する。ブラシ26は調芯機能を有し、ブラシ26によって、探触子チューブ20が配管12の径方向中心に配置される。
探触子チューブ20の他方の端部24には、同軸にて中空のアウタシャフト32が相対回転可能に接続されるとともに、アウタシャフト32の内側を通じて中空のインナシャフト34が一体に回転可能に接続されている。インナシャフト34は、配管12の外部に設置された駆動装置によって回転させられ、インナシャフト34の回転に伴い、探触子チューブ20が配管12に対して回転させられる。配管12の軸線方向での探触子チューブ20の位置は、アウタシャフト32及びインナシャフト34の繰り出し量によって調整可能である。
送信用探触子38及び受信用探触子40の各々は、探触子チューブ20によって支持されている。そして、超音波探傷装置10は、探触子チューブ20における送信用探触子38及び受信用探触子40の配置を調整する配置調整機構100を有する。好ましい構成として、この配置調整機構100は、配管12への挿入方向、則ち、探触子チューブ20の軸線方向での送信用探触子38と受信用探触子40の間の間隔を調整する間隔調整部、及び、探触子チューブ20の軸線方向に対する、送信用探触子38及び受信用探触子40の各々の傾斜角度を調整する傾斜角調整部を有する。
図4は送信用探触子38とともに、分解された探触子ホルダ42を示す概略的な斜視図である。
探触子ホルダ42は、例えば金属製のブラケット44を有し、ブラケット44は端壁46、及び、端壁46の端縁に一体に連なる側壁48,48を有する。ブラケット44は、平面でみてコの字形状又は角張ったU字形状を有し、側壁48,48の間に送信用探触子38が相対変位不能に挟持されている。そして、送信用探触子38の超音波の出射面50は、端壁46とは反対側を向いている。
なお、受信用探触子40のための探触子ホルダ42は、送信用探触子38のための探触子ホルダ42と同じ構成を有しており、従って、図4は、受信用探触子40とともに、分解された探触子ホルダ42を示す概略的な斜視図でもある。そして、受信用探触子40の超音波の入射面70は、送信用探触子38の場合と同様に、端壁46とは反対側を向いている。
側壁74には、探触子チューブ20の軸線方向に延びるガイド溝76が形成され、一方のガイド溝76には、ガイド部材58のガイド部60がスライド可能に嵌合され、他方のガイド溝76には、円筒部66がスライド可能に嵌合されている。
一方、円筒部66に螺子68が螺子込まれると、ガイド部材58の円盤部62及び螺子68の頭部が側壁74,74の外面に密着し、探触子ホルダ42の位置及び傾斜角度が決定される。つまり、螺子68は探触子ホルダ42の固定手段を構成している。
図5は、超音波探傷装置10の動作を説明するための図であり、垂直送受信用探触子36は、配管12の内周面に向けて超音波を出射し、そして、配管12の内周面及び外周面にて反射された反射波を受信する。制御装置は、反射波の受信時刻に基づいて、配管12の肉厚を検出する。
ビード18が形成されている領域では、配管12の肉厚が見かけ上厚くなるので、超音波探傷装置10は、垂直送受信用探触子36を用いることにより、ビード18の位置を検出することができる。
そして、受信用探触子40は、配置調整機構を用いて、送信用探触子38から回転軸52間にて距離Dだけ離間しており、且つ、予め設定された傾斜角度にて傾斜している。受信用探触子40は、入射角度θ2にて、超音波の反射波及び回折波が入射面70に入射する。ただし、入射する超音波についても、入射角度θ2を中心として、ある程度の広がりがある。
ここで、配管12がボイラ用の吊り下げ管の場合、欠陥は、ビード18の端部近傍であって、配管12の外周面近傍に発生し易い。そこで、本実施形態では、送信用探触子38の超音波の出射軸80と受信用探触子40への超音波の入射軸82が、配管12の外周面近傍で一致するように、送信用探触子38及び受信用探触子40の回転軸52間の距離D、並びに、出射角度θ1及び入射角度θ2が設定されている。つまり、欠陥を重点的に検査したい領域にて、出射軸80と入射軸82が一致している。
この好ましい構成によれば、配管12の肉厚が変化する部位を的確に検出することができる。肉厚が変化する部位は、応力が集中し易く、欠陥が生じ易いため、配管12の肉厚が変化する部位を検査対象とすることで、効率的に検査を行うことができる。
この好ましい構成によれば、探触子チューブ20を配管12内で回転させながら、周方向全域に渡って検査を行った場合でも、送信用探触子38及び受信用探触子40と、配管12の内周面及び外周面との間の距離が変化せず、周方向に渡って均一な精度で、欠陥の検出及び大きさの測定を行うことができる。
例えば、超音波探傷装置10の配置調整機構100は、間隔調整部及び角度調整部の両方を有していたけれども、一方のみを有していてもよい。
また、超音波探傷装置10では、送信用探触子38及び受信用探触子40の両方が、探触子チューブ20の軸線方向にて移動可能であったけれども、片方のみ移動可能であればよい。
最後に、超音波探傷装置10は、ボイラ用の配管の検査に好適であるが、他の用途の配管にも適用可能であるのは勿論である。
12 配管
14 ブラケット
16 配管
18 ビード
20 探触子チューブ
22 本体部
26 ブラシ
36 垂直送受信用探触子
38 送信用探触子
40 受信用探触子
42 探触子ホルダ
44 ブラケット
48 ブラケットの側壁
52 回転軸
64 回転ノブ
68 螺子
80 出射軸
82 入射軸
100 配置調整機構
θ1 出射角度
θ2 入射角度
Claims (4)
- 検査対象の配管への挿入方向に延びる軸線を有する探触子チューブと、
前記探触子チューブによって支持され、前記配管の内周面に向けて前記配管の径方向に対し斜めに超音波を出射する送信用探触子と、
前記探触子チューブの軸線方向にて前記送信用探触子から離間して前記探触子チューブによって支持され、前記送信用探触子が出射した超音波の反射波及び回折波を受信する受信用探触子と、
前記送信用探触子及び前記受信用探触子の各々を自身を介して前記探触子チューブに支持させる探触子ホルダと
を備え、
前記探触子ホルダの各々は、前記送信用探触子及び前記受信用探触子の各々が固定されるブラケットと、前記ブラケットと一体に設けられ且つ前記探触子チューブの軸線方向と直交する回転軸とを含み、
前記探触子チューブは、前記探触子ホルダを収容する格納室を形成するとともに前記探触子チューブの軸線方向に延びるガイド溝が形成された側壁を含み、
前記探触子ホルダのうち少なくとも一方の探触子のホルダの前記回転軸は、前記ガイド溝に沿って前記探触子チューブの軸線方向に移動可能であり、
前記探触子ホルダの各々は、前記回転軸を中心として回転可能である
ことを特徴とする配管挿入型超音波探傷装置。 - 前記回転軸によって貫通されるとともに、前記ガイド溝にスライド可能に嵌合する直方体形状のガイド部を有するガイド部材と、
前記ガイド部と一体に設けられ、前記探触子ホルダの傾斜角度を確認するための目盛りと
を更に備える
ことを特徴とする請求項1記載の配管挿入型超音波探傷装置。 - 前記探触子チューブによって支持され、前記配管の内周面に向けて前記配管の径方向にて超音波を出射し、且つ、自身が出射した前記超音波の反射波を受信する、垂直送受信用探触子を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管挿入型超音波探傷装置。
- 前記探触子チューブに設けられ、前記配管内での前記探触子チューブの偏心を防止する径方向に延びるブラシを更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配管挿入型超音波探傷装置。
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