JP6497092B2 - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法、及び電荷輸送物質 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真カートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法、及び電荷輸送物質 Download PDF

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本発明は、フルカラー画像形成装置においても高温高湿環境下、繰り返し使用した場合においても白抜けを発生しない電子写真感光体に関する。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られること等から、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されている。電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
近年、電子写真技術を利用した複写機、プリンターは共にモノクロからフルカラー化に向かっている。このフルカラー画像形成方法には主としてタンデム方式、4サイクル方式があり、また印刷媒体への転写方式としては、直接転写方式、転写ドラム方式、中間転写方式、多重現像一括転写方式等がある。フルカラーの画像形成装置では、モノクロの画像形成装置と異なり、画質への要求レベルが非常に高い。このような流れの中で、特殊な環境(例えば高温高湿)下で、過剰なストレスを受けた場合にも、高画質を維持できる感光体が求められている。
感光体の画質を決めるのに電荷輸送物質の寄与は大きい。電荷輸送物質としては、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体等、各種のものが実用化されている。例えば、高感度のトリアリールアミン−スチルベンハイブリッド型の化合物が電子写真感光体用の電荷輸送物質として使用することが提案されている(特許文献1)。
特開平9−292724号公報
しかしながら、トリアリールアミン−スチルベンハイブリッド型の化合物を用いた場合においても、過剰なストレスを受けた場合には高画質を維持できない問題があった。そのような中で、高温高湿下、繰り返し使用した場合に白抜けが発生し、フルカラー画像形成装置の場合には特に問題となる。本発明は、上記問題に鑑みてされたものであり、その目的はフルカラー画像形成装置においても高温高湿環境下、繰り返し使用しても白抜けを発生しない電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定の電荷輸送物質を用いて感光体を特定の製法で製造する、又は特定の電荷輸送物質を用いた感光体を使用することにより、高温高湿下で繰り返し使用した場合においても白抜けが発生しない良好な画質を提供することが可能であることを見出し、以下の本発明の完成に至った。本発明の要旨は、以下の<1>〜<11>に存する。
<1>導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層が一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有し、前記感光層中のパラジウム含有量が0.
01〜50ppmであることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0006497092
(式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以下の整数を表す。)
<2> 導電性支持体上に電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、前記電荷輸送物質が上記一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有し、前記電荷輸送物質中のパラジウム含有量が0.01〜150ppmであることを特徴とする電子写真感光体。
<3> 前記感光層中に含有される前記式(1)で表される化合物が、感光層を形成する結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上50質量部以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4> 前記式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立してアルキル基またはアルコキシ基を有していてもよいアリール基、Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、m及びnは1であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<5> 前記感光層が結着樹脂を含有し、前記結着樹脂がポリアリレート樹脂またはポリカーボネート樹脂であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<6> 前記式(1)で表される化合物が吸着材を用いて精製されたものであることを特徴する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<7> フルカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なくとも1つ、を備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
<9> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置を備えたことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
<10> 上記一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有する電荷輸送物質であって、前記電荷輸送物質のパラジウム含有量が0.01〜150ppmであることを特徴とする電荷輸送物質。
<11>導電性支持体上に上記式(1)で表される電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、パラジウム化合物を用いて合成した後、パラジウム含有量を0.1〜150ppmとなるように精製した前記電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含む有機溶媒を用いて感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
本発明は、フルカラー画像形成装置においても高温高湿環境下で、繰り返し使用した場合に、白抜けの発生しない電子写真感光体を提供することが可能となる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 本発明の実施例及び比較例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示すX線回折図である。 本発明の実施例及び比較例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示すX線回折図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
≪電荷輸送物質≫
<電荷輸送物質の構造>
本発明の電荷輸送物質は、下記一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有し、パラジウム含有量が0.01〜150ppmであればいかなるものであってもよい。
Figure 0006497092
(式(1)Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していても良いアリール基を表し、Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していても良い1,4−フェニレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以下の整数を表す。)
上記式(1)においてAr〜Arは、それぞれ独立して置換基を有していても良いアリール基を表す。アリール基の炭素数としては、30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。具体的にはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等があげられる。中でも、電子写真感光体の特性を考慮すると、フェニル基、ナフチル基、アントリル基が好ましく、電荷輸送能力の観点からは、フェニル基、ナフチル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。
Ar〜Arが有していてもよい置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アリール基としては、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等があげられる。これらの中でも、製造原料の汎用性から炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、製造時の取扱性の面から、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基がより好ましく、電子写真感光体としての光減衰特性の面から、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましい。Ar〜Arがフェニル基である場合、電荷輸送能力の観点から置換基を有することが好ましく、置換基の数としては1〜5個が可能であるが、製造原料の汎用性からは1〜3個が好ましく、電子写真感光体の特性の面からは、1〜2個がより好ましく、また、Ar〜Arがナフチル基である場合は、製造原料の汎用性から置換基の数が2以下、もしくは置換基を有さないことが好ましく、より好ましくは置換基の数が1、もしくは置換基を有さないことである。Arは、窒素原子に対してオルト位又はパラ位に少なくとも1つの置換基を有することが好ましく、置換基としては、溶解性の観点から炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
上記式(1)においてAr〜Arは、それぞれ独立して置換基を有していても良い1,4−フェニレン基を表す。Ar〜Arが有していてもよい置換基としては、Ar〜Arが有していてもよい置換基として挙げたものが適用できる。これらの中でも、製造原料の汎用性から炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、製造時の取扱性の面から、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、電子写真感光体としての光減衰特性の面から、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が更に好ましい。Ar〜Arが置換基を有すると、分子構造にねじれが生じ、分子内でのπ共役拡張を妨げ、電子輸送能力が低下する可能性があることから、Ar〜Arは置換基を有さないことが好ましい。
m、nはそれぞれ独立して1以上3以下の整数を表す。m、nが大きくなると塗布溶媒への溶解性が低下する傾向にあることから、好ましくは2以下であり、電荷輸送物質としての電荷輸送能力の面から、より好ましくは1である。m、nが1の場合、エテニル基を表し、幾何異性体を有するが、電子写真感光体特性の面から、好ましくはトランス体構造が好ましいである。m、nが2の場合、ブタジエニル基を表し、この場合も幾何異性体を有するが、塗布液保管安定性の面から、2種以上の幾何異性体混合物であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、感光層に、式(1)で表される化合物を単一成分として含有するものでもよいし、式(1)で表される化合物の混合物として含有することも可能である。
また、電荷輸送物質としては電気特性の観点から、下記式(1a)で表される化合物が特に好ましい。式(1a)は、式(1)においてArはアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はアラルキルオキシ基を有する、フェニル基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立して、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい、フェニル基であり、Ar〜Arはいずれも無置換の1,4−フェニレン基であり、m及びnは共に1である。
Figure 0006497092
(式(1a)中、R〜Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、又は水素原子を表す。)
以下に本発明に好適な化合物電荷輸送物質の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
Figure 0006497092
Figure 0006497092
Figure 0006497092
Figure 0006497092
感光層中の結着樹脂と式(1)で表される化合物を含む電荷輸送物質との割合は、同一層中の結着樹脂100質量部に対して、通常、前記電荷輸送物質を15質量部以上で使用する。残留電位低減の観点から20質量部以上が好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から25質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、通常、前記電荷輸送物質を70質量部以下で使用する。式(1)で表される化合物を含む電荷輸送物質と結着樹脂との相溶性の観点から65質量部以下が好ましく、耐熱性
の観点から60質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から50質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から45質量部以下が特に好ましい。以下に本発明に好適な電荷輸送物質の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
<電荷輸送物質の製造方法>
一般式(1)で表される電荷輸送物質の製造方法において、パラジウム化合物を用いて前記電荷輸送物質を合成する工程と、吸着材を用いて前記電荷輸送物質のパラジウム含有量を0.1〜150ppmとなるように精製する工程とを有する電荷輸送物質の製造方法であることが好ましい。
(合成する工程)
例示した電荷輸送物質は、下記スキーム1に従って製造することが可能である。前記した化合物を例にすると、ハロゲン原子を有するトリフェニルアミン誘導体とアニリン化合物とをパラジウム化合物を触媒として使用してカップリング反応を行うことで精製処理前の粗体を合成することが可能である。
Figure 0006497092
(上記式中、Xはハロゲン原子を表す。)
パラジウム化合物としては、ヘキサクロロパラジウム酸ナトリウム四水和物及びヘキサクロロパラジウム酸カリウム四水和物等の四価パラジウム化合物、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、パラジウムアセチルアセテート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロテトラミンパラジウム及びジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム等の二価のパラジウム化合物、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、及びアリルパラジウム(II)クロリドダイマー等等のパラジウム化合物が挙げられる。この中でも、収率の観点から、二価のパラジウム化合物である酢酸パラジウム、アリルパラジウム(II)クロリドダイマーが好ましい。
また、前記化合物と共にリガンドとなる化合物を系中に存在させてカップリング反応を行うことも可能である。リガンドとなる化合物としては、リン化合物が好ましい。具体的には、ホスフィン化合物、ホスファイト化合物、ホスホロアミダイト化合物、及びトリアミノホスフィン化合物が挙げられる。この中でも、収率の観点からホスフィン化合物が好ましい。ホスフィン化合物としては、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン誘導体、フェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン等のアリールホスフィン誘導体等が挙げられる。この中でも、収率の観点から、アルキルホスフィン誘導体が好ましい。
カップリング反応におけるパラジウム化合物の使用量は、ハロゲン原子を有するトリフ
ェニルアミン誘導体化合物1molに対して、収率の観点から、下限は通常0.0002mol以上、好ましくは0.0005mol以上、より好ましくは0.001mol以上である。精製容易性の観点から、上限は10mol以下、好ましくは1mol以下、より好ましくは0.5mol以下、更に好ましくは0.1mol以下である。
(精製する工程)
上記のスキーム1において合成された粗体は、吸着材を用いた精製処理を行うことにより電子写真感光体に用いることのできる特定のパラジウム含有量を有する状態に精製することが可能である。
吸着材を用いた精製法には、いかなる公知の吸着材でも使用可能であり、具体的な吸着材の例としては、活性炭、シリカゲル、アルミナ、活性白土、フロリジル、珪藻土等が挙げられ、これらの中でも、電子写真感光体特性の面から、活性炭、シリカゲル、活性白土、フロリジルが好ましく、生産コストの面から、活性炭、活性白土、フロリジルがより好ましく、更に好ましくは、活性白土、フロリジルである。
吸着材による精製処理は、通常電荷輸送物質の粗体を有機溶媒に溶解させ、溶液を吸着材と接触されることに行われる。精製処理に用いることのできる有機溶媒は、電荷輸送物質を溶解させることが可能な溶剤であれば特に制限は無いが、吸着材と電荷輸送物質との吸脱着平衡を考慮すると、脂肪族炭化水素系溶剤又は芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
芳香族炭化水素系溶剤の好ましい具体例としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、アニソール、エチルキシレン、エチルトルエン、エチルアニソール、メチルナフタレン、ジフェニルメタン等が挙げられ、脂肪族炭化水素系溶剤の好ましい具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、2,3−ジメチルヘキサン、2−メチルヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。上記溶剤の中でも、製造時の操作性の面から、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、沸点150℃以下の芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、中でもトルエン、キシレンがより好ましく、トルエンが更に好ましい。これらの溶剤は何れか一種を単一溶剤として用いてもよく、何れか2種以上を混合することにより混合溶剤として用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、粗体の溶解性によって様々な値を選択することが可能であるが、(粗体)/(有機溶媒)の質量比の値で、電荷輸送材料の生産性の観点から、通常0.01以上、好ましくは0.05以上、また、電荷輸送物質の精製効率の観点から、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下の範囲である。
吸着材の使用量としては、粗体に対する吸着材の量が多過ぎると、濾過性不良等による精製収率の低下や吸着材の酸化能により電荷輸送物質の正孔輸送能力に悪影響を与えることから、(吸着材)/(粗体)の質量比の値で通常1.5以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下の範囲である。一方、吸着材の酸化能がアリールアミン化合物に与える悪影響の度合いの低さの観点から、少な過ぎると精製効率が低下することから、前記の質量比は通常0.001以上、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上の範囲である。
また、本発明に用いる電荷輸送物質は、上記の吸着材による精製法に、他の精製法を追加し、精製法を2種以上組み合わせて精製を行っても良い。吸着材による精製法と組み合わせる他の精製法の具体例としては、電荷輸送物質と親和性の高い良溶媒で溶解し、溶液を調整後に、溶液を貧溶媒に添加して固体化させる再沈殿法、親和性の高い溶媒に加温することで溶解後、その溶液をそのまま降温、もしくは溶液に貧溶媒を添加後、降温し、熟
成させることにより結晶を析出させる晶析法等が挙げられる。画像形成時の画質の面から、少なくとも吸着法と他の1種以上の精製法を用いて精製することが好ましく、吸着法と再沈殿法の併用、吸着法と晶析法の併用がより好ましい。
前記電荷輸送物質中のパラジウム含有量は、電気特性の観点から150ppm以下、より好ましくは120ppm以下、更に好ましくは100ppm以下である。精製負荷軽減、精製による電荷輸送物質への負担の観点から、0.01ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、更に好ましくは0.5ppm以上、更により好ましくは1ppm以上である。前記使用する吸着剤・精製手法・条件を組み合わせることにより、上記パラジウム含有量を満たすことができる。
前記電荷輸送物質の純度は、電気特性の観点から好ましくは97.0%以上、より好ましくは97.5%以上、更に好ましくは98.0%以上である。溶解性の観点から、好ましくは99.9%以下、より好ましくは99.8%以下、更に好ましくは99.7%以下である。97.0%以上を達成する手法として、触媒としてパラジウム化合物をリン原子を有する配位子と組み合わせる製造方法等が挙げられる。一方、99.9%以下を達成する達成する手法として、晶析処理等の精製方法が挙げられる。98.0%以上99.7%以下とするためには、吸着材を用いた手法で精製することが好ましい。
パラジウム化合物を用いて電荷輸送物質を製造する場合、高効率で所望する電荷輸送物質が製造できるが、電荷輸送物質中に用いたパラジウムが残存する。また、精製前の電荷輸送物質の粗体には、パラジウム化合物以外に、反応時に副生する化合物等、電子写真感光体特性に影響を与える不純物も多く含まれている。
パラジウム化合物を用いて製造した電荷輸送物質の粗体を精製する場合、残存パラジウム化合物のみを除去するのではなく、それと同時に、感光体特性を悪化させる不純物も同時に除去することが好ましい。全ての残存パラジウム化合物や、反応時に生成する不純物を除去できるように精製を強化することが考えられるが、過度に精製を行うと、吸着材との接触により電荷輸送物質の構造自体に変化が起こり、精製の効果よりも悪影響が大きくなる場合があり、その一方、精製が不十分だと、残存不純物の悪影響が大きくなる。
また、電子写真感光体が画像形成装置から受ける転写電圧等のストレスに対する悪影響の発現の仕方は、不純物の量・種類と電荷輸送物質の構造の組み合わせによって大きく異なり、精製後の電荷輸送物質中に残存してもよい化合物・不純物の量・種類は、目的とする電荷輸送物質の構造によって異なる。特に前記電荷輸送物質では、画像形成装置から受ける転写電圧のストレスに対する悪影響の発現に、残存パラジウム化合物が大きく影響する。メカニズムの詳細は不明であるが、前記電荷輸送物質と残存パラジウム化合物の間で弱い分子間力が働きやすく、この弱い分子間力が働いた状態で、画像形成装置から転写プロセスで強い電圧を印可されることで、感光層中に電荷のトラップサイトを形成しやすくなり、このトラップの影響で形成画質に悪影響を与えていると推測される。よって、本発明の通り吸着材処理を行うことによって、特定のパラジウム含有量になるよう精製を行いながら、その他不純物を除去することで、画像形成装置からの転写電圧等のストレスに対して悪影響を発現することなく、良好な特性を示す電子写真感光体の提供が可能となる。
なお、上記電荷輸送物質は、NMR、IR、マススペクトル等により同定できる。パラジウム含有量は、ICP発光分析装置を用いて測定することができ、純度は、液体クロマトグラフにより算出できる。液体クロマトグラフの測定は、UV−vis検出器を有する装置を用いて測定することができる。
≪電子写真感光体≫
以下、本発明の電子写真感光体について説明する。
電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に設けられ、下引き層を有する場合は下引き層上に設けられる。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された、いわゆる単層型感光体、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二つに機能分離された複層構造の、いわゆる積層型感光体があげられるが、何れの構成であってもよい。また、感光層上に、帯電性の改善や、耐摩耗性改善を目的としてオーバーコート層を設けてもよい。
<導電性支持体>
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性等の制御のためや欠陥被覆のために。適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すことができる。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れや異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な支持体が得られるので好ましい。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等があげられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも電気特性及び下引き層形成要の塗布液の安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂があげられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合してもよい。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
<感光層>
感光層は、一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、前記電荷輸送物質のパラジウム含有量が0.01〜150ppmである。単層型感光層、積層型感光層の何れの形態であってもよく、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、特にバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
感光層中のパラジウム含有量は、電気特性の観点から50ppm以下、好ましくは45ppm以下、より好ましくは40ppm以下である。電荷輸送物質の製造時の精製負荷軽減、精製時にかかる電荷輸送物質への負担軽減の観点から、0.01ppm以上、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上である。
前記使用する吸着剤・精製手法・条件を組み合わせことにより得られた式(1)で表される電荷輸送物質を用いて感光層を形成することにより、上記パラジウム含有量を満たすことができる。パラジウム含有量は、ICP発光分光分析装置や、ICP質量分析装置を用いて以下のようにして定量分析を行う。まず、感光体から感光層を削り取り、一定量を測定する。次に、これを試料前処理装置により炭化処理し、これを硫酸や硝酸等の各種酸を単一で用いたり、混合して使用して溶解する。この溶液を灰化させて有機物を取り除き、残留物をさらに硫酸や硝酸等の各種酸を単一で用いたり、混合して使用して溶解させてサンプルとする。このサンプルを、ICP発光分光分析装置や、ICP質量分析装置を用いて、パラジウムの定量分析を行う。
なお、感光層には後述する材料以外にも成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させてもよい。また感光層には必要
に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質として無金属フタロシアニン化合物、金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られ、またモノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光、例えば450nm、400nm近辺の波長を有するレーザーに対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類等が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶
状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に例えば、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲である。
電荷発生層の膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下するおそれがある一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招くおそれがある。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法、ビーズミル分散等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送層>
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常は結着樹脂と、
必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等と結着樹脂とを溶媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
本発明では式(1)で表される化合物を含む電荷輸送物質を用いることが必須であるが、その他の電荷輸送物質を混合して用いてもよい。混合して用いてもよい電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。
公知のその他の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
前記電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
Figure 0006497092
Figure 0006497092
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結着樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら樹脂の中でもポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂が好ましい。
前記結着樹脂の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の樹脂を混合して用いてもよい。
Figure 0006497092
結着樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20,000以上、耐摩耗性の観点から、好ましくは40,000以上、また、通常150,000以下、塗布性の観点から、好ましくは120,000以下、更に好ましくは100,000以下である。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と前記式(1)で表される電荷輸送物質、バインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
前記式(1)で表される電荷輸送物質、前記バインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層の場合と同様である。単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で使用され、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μmの範囲で用いられるが、長寿命、画像安定性の観点からは、好ましくは10〜45μm、高解像度の観点からは10〜30μmがより好ましい。
<保護層>
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等からの発生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。導電性材料としては、TPD(N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。保護層に用いるバインダー樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等のを電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。上記保護層は電気抵抗が10〜1014Ω・cmとなるように構成することが好ましい。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子やシリカやアルミナ等の無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
<感光層の形成方法>
感光体を構成する感光層は、含有させる物質を有機溶媒に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等の脂肪族環状エーテル、エチルプロピルエーテル、プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等の脂肪族鎖状エーテル、アニソール、メトキシトルエン、フェネトール等の芳香族エーテルのようなエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。この中でも、感光層の成膜性の観点から、脂肪族環状エーテル、芳香族エーテル、芳香族炭化水素類が好ましく、繰り返し転写電圧耐性の観点から、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アニソール、トルエンがより好ましい。
また、2種以上を任意の組み合わせ及び種類で併用してもよい。混合する場合には、繰り返し転写電圧耐性の観点から、エーテル系溶媒とその他溶媒を併用することが好ましく、相溶性の観点から、芳香族炭化水素類が好ましい。
混合溶媒として用いる場合には、その質量比[エーテル系溶媒/その他溶媒]は、繰り返
し転写電圧耐性の観点から、通常1/2以上、好ましくは1/1以上、より好ましくは2/1以上である。塗布性の観点から、通常15/1以下、好ましくは10/1以下である。
前記電荷輸送物質と溶媒の質量比[電荷輸送物質/溶媒]が、1/10〜1/100となるように感光層形成用塗布液を調整することが好ましい。前記電荷輸送物質との溶解性の観点から、1/12以下がより好ましく、1/15以下が更に好ましい。塗布性の観点から、1/90以上がより好ましく、1/50以上が更に好ましい。
前記電荷輸送物質と溶媒を混合する際、加温溶解させることが好ましい。加温する際の溶液の温度は、溶解性の観点から、下限は通常20度以上、好ましくは25度以上、より好ましくは30度以上である。分解防止の観点から、上限は通常80度以下、好ましくは70度以下、より好ましくは65度以下である。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常1500mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下の範囲とする。
以上、好ましくは1質量%以上、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、使用時の温度において、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
<カートリッジ、画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
図1において、1はドラム状感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。
形成された静電潜像は、次に現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写手段5により給紙部から給送された転写体(紙等)Pに順次転写されていく。図1では、現像手段4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラー44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像手段4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジ等の容器からトナーTを補給することが可能に構成される。像転写された転写体はついで定着手段7に送られ、像定着され、機外へプリントアウトされる。定着手段7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウム等
の金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等が公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6により転写残りのトナーが除去され、除電手段により除電されて次の画像形成のために清浄化される。
本発明の電子写真感光体を使用するにあたって、帯電器としては、コロトロン、スコロトロン等のコロナ帯電器の他に、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電手段を用いてもよい。直接帯電手段の例としては、帯電ローラー、帯電ブラシ等の接触帯電器等が挙げられる。直接帯電手段として、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光を用いることができる。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や湿式現像方式等が用いられる。
トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
転写行程はコロナ転写、ローラー転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は熱ローラー定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着等が用いられ、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、等が用いられる。
除電工程は、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用され、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有してもよい。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることができる。
カラー画像はマゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの各トナーを多層に重ねて所
望する色に調整することでフルカラー画像を得ることができる。タンデム方式の場合、カラー現像部がブラック現像部より前に位置する方がブラックトナーの逆転写等による混色が少なくなりよいこと、及びブラック現像部がカラー現像部より後ろに位置する方がブラックだけの単色で画像形成する場合にカラートナーの感光体カブリによる混色が少なくなること、及びカラー現像部をショートパスして記録紙を搬送することでブラック画像形成の速度をアップすることができるので好ましい。
フルカラー画像形成に適用する場合には、この様なシアン、マゼンタ、イエローのカラー現像部が前の位置にあり、ブラック現像部がカラー現像部より後に位置するタンデム方式に好適である。なお、シアン、マゼンタ、イエローのカラー現像部の位置する順番は適時自由に変更することができる。
以下、実施例を示して本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。また、以下の実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「質量部」を示す。
<式(1)で表される電荷輸送物質の製造>
(製造例1:CT1粗体)
下記式(CT1)で表される構造式を有する電荷輸送物質を、下記スキームAに従って製造した。詳細条件は下記の通りである。
Figure 0006497092
キシレン500ml中に、トリフェニルアミン誘導体である化合物A23.5gとp−トルイジン2.7g、ナトリウム t−ブトキシド10.6g、酢酸パラジウム500m
g、トリシクロヘキシルホスフィンの0.6mmol/mlトルエン溶液を20ml仕込み、還流が起こるまで昇温させた。昇温後、3時間撹拌し、反応させ、反応終了後、反応溶液を室温まで降温し、水250mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、水層を分離し、有機層を脱イオン水にて洗浄後、濃縮し、濃縮残渣をテトラヒドロフランに溶解することでCT1粗体のテトラヒドロフラン溶液を調整し、溶液をメタノールに添加し、撹拌後、濾別・乾燥することにより電荷輸送物質CT1粗体を18.4g得た。(収率85.4%)
(製造例2)
製造例1で得られた電荷輸送物質CT1粗体10gをトルエン100gに溶解することでCT1粗体のトルエン溶液を調整した。このトルエン溶液中に活性白土5g添加し撹拌後、濾別した。この活性白土による精製[吸着材処理−濾過]を3回繰り返した後の精製溶液を濃縮し、濃縮残渣をテトラヒドロフランに溶解後、この溶液をメタノールに添加し
、再沈殿法で固体化し、撹拌後、濾別・乾燥することにより電荷輸送物質CT1を9.3g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、83ppmであった。
(製造例3)
製造例2中の精製[吸着材処理−濾過]を3回繰り返す際の、2回目の処理に用いた活性白土5gを、フロリジール2.0gに変更した以外は、製造例2と同様に操作を行うことにより電荷輸送物質CT1を9.4g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、41ppmであった。
(製造例4)
製造例2中の精製[吸着材処理−濾過]を3回繰り返す際の、2回目の処理に用いた活性白土5gを、活性炭1.5gに変更した以外は、製造例2と同様に操作を行うことにより電荷輸送物質CT1を9.3g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、117ppmであった。
(製造例5)
製造例2中の精製[吸着材処理−濾過]を3回繰り返す際の、2回目の処理に用いた活性白土5gを、シリカゲル2.0gに変更した以外は、製造例2と同様に操作を行うことにより電荷輸送物質CT1を9.3g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、112ppmであった。
(製造例6)
下記式(CT2)で表される構造式を有する電荷輸送物質を、下記スキームBに従って製造した。詳細条件は下記の通りである。
Figure 0006497092
キシレン500ml中に、トリフェニルアミン誘導体である化合物A18.8gとp−フェネチジン2.8g、ナトリウム t−ブトキシド8.5g、酢酸パラジウム100m
g、トリシクロヘキシルホスフィンの0.6mmol/mlトルエン溶液を16ml仕込み、還流が起こるまで昇温させた。昇温後、3時間撹拌し、反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで降温し、水200mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、水層を分離し、有機層を脱イオン水にて洗浄後、濃縮し、濃縮残渣をテトラヒドロフランに溶解することでCT2粗体のテトラヒドロフラン溶液を調整し、溶液をメタノールに添加し、撹拌後、濾別・乾燥することにより電荷輸送物質CT2粗体を13.7g得た。(収率75.8%)
得られた電荷輸送物質CT2粗体10gを製造例2と同様に操作を行うことにより電荷輸送物質CT2を9.1g得た。得られたCT2中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、14ppmであった。
(比較製造例1)
製造例1で得られた電荷輸送物質CT1粗体10gをトルエン40gに
加温して完全に溶解後、0℃以下に冷却した。冷却状態で静置し、晶析後、濾別・乾燥することにより電荷輸送物質CT1を6.3g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、180ppmであった。
(比較製造例2)
下記式(CT1)で表される構造式を有する電荷輸送物質を、下記スキームCに従って製造した。詳細条件は下記の通りである。
Figure 0006497092
テトラヒドロフラン300ml中に、トリフェニルアミン誘導体である化合物B26.7gと化合物C9.5gを仕込み溶解させた。溶解後、カリウム t−ブトキシド7.5
gを加え、室温下2時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をメタノール1000ml中に添加し、30分撹拌した。撹拌後、濾別・乾燥することにより電荷輸送物質CT1粗体を17.5g得た(収率68.3%)。
得られた電荷輸送物質CT1粗体10gを製造例2と同様に操作を行うことにより電荷輸送物質CT1を8.3g得た。得られたCT1中のパラジウム含有量をICP発光分析により確認したところ、パラジウムは検出されなかった。
<下引き層形成用塗布液の製造>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
前記酸化チタン分散液と、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が3/1であり、メタノール/1−プロ
パノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18.0質量%の下引き層形成用塗布液を作製した。
Figure 0006497092
<電荷発生層形成用塗布液の製造>
電荷発生物質として、図2のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Aを調製した。
電荷発生物質として、図3のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで4時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Bを調製した。電荷発生層形成用塗布液Aと電荷発生層形成用塗布液Bを8:2の質量比で混合し、本実施例で用いる電荷発生層形成用塗布液を作製した。
<電荷輸送層形成用塗布液の製造>
[塗布液C1]
下記の繰り返し構造で表されるポリアリレート樹脂100部(樹脂X、粘度平均分子量70,000)、製造例2で作製した電荷輸送物質を40部、下記式で表される化合物AD1を4部、AD2を1部、AD3を1部、ジメチルポリシロキサン(信越化学社製KF96−10CS)0.03部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2(質量比))混合溶媒880部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液C1を調製した。
Figure 0006497092
[塗布液C2〜5]
それぞれ、電荷輸送物質として製造例2の電荷輸送物質の代わりに、製造例3〜6で作製した電荷輸送物質を用いた以外は、塗布液C1と同様にして塗布液C2〜C5を作製した。
[塗布液C6〜7]
それぞれ、電荷輸送物質として製造例2の電荷輸送物質の代わりに、比較製造例1〜2で作製した電荷輸送物質を用いた以外は、塗布液C1と同様にして塗布液C6〜7を作製した。
<感光体ドラムの製造>
表面が切削加工された外径60mm、長さ248mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーに、塗布液の製造例で作製した下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.5μm、0.5μm、21μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを製造した。なお、電荷輸送層の乾燥は、12
5℃で24分間行なった。また、得られた感光体から感光層を剥離し、ICP発光分析[装置:株式会社島津製作所社製ICPS−8100S]を行うことにより感光層中のパラジウム含有量を測定した。
<画像試験>
得られた感光体を、Samsung社製4サイクルフルカラープリンタ CLP−320(DCローラー帯電、LD露光、非磁性一成分ジャンピング現像)の感光体カートリッジに搭載して、気温35℃、相対湿度85%下において、印字率5%で、6000枚の連続印刷を行った。6000枚印刷後に、ハーフトーン画像を印刷し、以下の通り、画像の白抜けの判定を行った。
白抜け評価基準
◎:ハーフトーン画像に白抜けは見られない
○:ハーフトーン画像の一部に白抜けは見られない
△:ハーフトーン画像の全体に軽度の白抜けが見られる
×:ハーフトーン画像に全体にはっきりと白抜けが見られる
<電子写真感光体の評価>
表−1に記載の実施例1〜5、比較例1〜2の電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(「続電子写真技術の基礎と応用」、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って帯電、露光、電位測定、除電のサイクルを実施することにより、電気特性の評価を行なった。
温度25℃、湿度50%の条件下、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電後、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光とした光を0.6μJ/cm2の照射エネルギーで露光後に測定した表面電位(単位:−V)を残留電位とした。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
表−1に示す感光体ドラムを作製し、評価した結果を表−1に示す。
Figure 0006497092
表−1から分かるように、本発明の電子写真感光体を用いた場合、露光後の残留電位が低く、また、高温高湿で連続印刷した場合、白抜けが発生せず良好な結果が得られた。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、前
    記電荷輸送物質が一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有し、前記電荷輸送
    物質中のパラジウム含有量が0.1〜120ppmであることを特徴とする電子写真感光
    体。
    Figure 0006497092
    (式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立しアリール基を表す。ただし、前記アリ
    ール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びハロゲン原子からなる群から選ば
    れる少なくとも1種で置換されていてもよい。Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基
    を有していてもよい1,4−フェニレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以
    下の整数を表す。)
  2. 前記感光層が、前記導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層された感光
    層であり、前記電荷輸送層中に含有される前記式(1)で表される化合物が、電荷輸送層
    を形成する結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上50質量部以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立しアリール基を表し(ただし、前記
    アリール基は、アルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。)、Ar〜A
    はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、m及びnは1
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が結着樹脂を含有し、前記結着樹脂がポリアリレート樹脂またはポリカーボ
    ネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体
  5. フルカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項
    に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯
    電させる帯電装置、帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置及
    び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる
    少なくとも1つ、を備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる
    帯電装置、帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置及び該電子
    写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置を備えたことを特徴とするフルカ
    ラー画像形成装置。
  8. 一般式(1)で表される化合物及びパラジウムを含有する電荷輸送物質であって、前記
    電荷輸送物質のパラジウム含有量が0.1〜120ppmであることを特徴とする電荷輸
    送物質。
    Figure 0006497092
    (式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立しアリール基を表す。ただし、前記アリ
    ール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びハロゲン原子からなる群から選ば
    れる少なくとも1種で置換されていてもよい。Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基
    を有していてもよい1,4−フェニレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以
    下の整数を表す。)
  9. 導電性支持体上に一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子
    写真感光体の製造方法において、パラジウム化合物を用いて合成した後、パラジウム含有
    量を0.1〜120ppmとなるように精製した前記電荷輸送物質、及びバインダー樹脂
    を含む有機溶媒を用いて感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006497092
    (式(1)中、Ar〜Arはそれぞれ独立しアリール基を表す。ただし、前記アリ
    ール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びハロゲン原子からなる群から選ば
    れる少なくとも1種で置換されていてもよい。Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基
    を有していてもよい1,4−フェニレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以
    下の整数を表す。)
  10. 前記式(1)で表される化合物が吸着材を用いて精製されたものであることを特徴とす
    る請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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